JP6829030B2 - 樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層体、プリント配線基板および電子機器 - Google Patents

樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層体、プリント配線基板および電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP6829030B2
JP6829030B2 JP2016169452A JP2016169452A JP6829030B2 JP 6829030 B2 JP6829030 B2 JP 6829030B2 JP 2016169452 A JP2016169452 A JP 2016169452A JP 2016169452 A JP2016169452 A JP 2016169452A JP 6829030 B2 JP6829030 B2 JP 6829030B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon atoms
general formula
cyclic olefin
resin composition
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016169452A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018035257A (ja
Inventor
裕彦 村瀬
裕彦 村瀬
森田 淳
淳 森田
隆 及川
隆 及川
斎藤 純治
純治 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2016169452A priority Critical patent/JP6829030B2/ja
Publication of JP2018035257A publication Critical patent/JP2018035257A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6829030B2 publication Critical patent/JP6829030B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層体、プリント配線基板および電子機器に関する。
昨今、高周波帯域を使用する無線通信機器等の増加に加え、通信速度の高速化によって、必然的に高い帯域の周波数帯が用いられることが多くなってきた。これに伴い、高周波における伝送ロスを極限まで軽減するために誘電正接が小さいプリント配線基板が求められている。
そのため、プリント配線基板に用いられる絶縁層の要求特性はさらに高まっており、耐熱性と誘電特性を兼ね備えた絶縁性樹脂材料が求められている。
このようなプリント配線基板に用いる絶縁性樹脂材料としては、例えば、特許文献1に記載された環状オレフィン系重合体を含む樹脂組成物が挙げられる。
特許文献1(特開2016−37045号公報)には、樹脂層と、上記樹脂層の片面又は両面に設けられる金属箔層とを含む金属樹脂積層体であって、上記樹脂層は、ノルボルネンとα−オレフィンとのノルボルネン系共重合体を含み、上記ノルボルネン系共重合体は、ガラス転移温度が250℃以上310℃以下であり、かつ、ゲルパーミッションクロマトグラフィで測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000以上300,000以下であり、上記ノルボルネン系共重合体の5GHzにおける比誘電率は2.3以下であり、かつ、誘電正接は4×10−4以下である金属樹脂積層体が記載されている。
特開2016−37045号公報
上記背景技術の項で述べたように、近年、プリント配線基板に用いられる絶縁層の要求特性はさらに高まっており、耐熱性と誘電特性を兼ね備えた絶縁性樹脂材料が求められている。
ここで、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載されているようなガラス転移温度が250℃以上310℃以下のノルボルネン系共重合体を含む樹脂組成物は、はんだ耐熱性に優れているものの加工性に劣っていることが明らかになった。なお、このような樹脂組成物は加工温度を上げることにより加工性をある程度改善することが可能であった。しかし、加工温度を上げると樹脂の分解や劣化がおきてしまうため、加工温度を十分に上げることができなかった。
すなわち、本発明者らの検討によれば、従来の環状オレフィン系重合体を含む樹脂組成物には、加工性、誘電特性、およびはんだ耐熱性をバランスよく向上させるという観点において、改善の余地があることが明らかになった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、加工性に優れるとともに、プリント配線基板等の電子部品用の絶縁層に求められる高周波領域での誘電特性およびはんだ耐熱性を満足する絶縁層を得ることが可能な樹脂組成物を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ガラス転移温度が150℃以上250℃未満の環状オレフィン共重合体(A)と、架橋剤(B)とを特定の割合で混合することにより、プリント配線基板等の電子部品用の絶縁層に求められる高周波領域での誘電特性を満足しながら、加工性およびはんだ耐熱性をバランスよく良好にできることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下に示すとおりである。
[1]
ガラス転移温度が150℃以上250℃未満の環状オレフィン共重合体(A)と、架橋剤(B)と、を含む樹脂組成物であって、
前記環状オレフィン共重合体(A)は、
下記一般式(I)で表される少なくとも1種のα−オレフィン由来の繰り返し単位(a)と、
下記一般式(II)で表される繰り返し単位、下記一般式(III)で表される繰り返し単位および下記一般式(IV)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)と、を含有し、
前記環状オレフィン共重合体(A)中の前記α−オレフィン由来の繰り返し単位(a)が、前記一般式(I)においてR 300 が炭素原子数2以上10以下の直鎖状または分岐状の炭化水素基である繰り返し単位を含み、
当該樹脂組成物中の上記架橋剤(B)の含有量(質量)に対する上記環状オレフィン共重合体(A)の含有量(質量)の比((A)/(B))が10以上200以下である樹脂組成物。
Figure 0006829030
(上記一般式(I)において、R 300 は水素原子又は炭素原子数1〜29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。)
Figure 0006829030
(上記一般式(II)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R 61 〜R 78 ならびにR a1 およびR b1 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R 75 〜R 78 は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
Figure 0006829030
(上記一般式(III)において、xおよびdは0または1以上の整数であり、yおよびzは0、1または2であり、R 81 〜R 99 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基若しくは炭素原子数3〜15のシクロアルキル基である脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R 89 およびR 90 が結合している炭素原子と、R 93 が結合している炭素原子またはR 91 が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R 95 とR 92 またはR 95 とR 99 とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。)
Figure 0006829030
(上記一般式(IV)において、R 100 、R 101 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基を示し、fは1≦f≦18である。)
[2]
上記[1]に記載の樹脂組成物において、
上記環状オレフィン共重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100モル%としたとき、
下記一般式(V)で表される繰り返し単位、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位および下記一般式(VII)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の非共役ジエン系オレフィン由来の繰り返し単位(c)の含有量が0.05モル%以下である樹脂組成物。
Figure 0006829030
(上記一般式(V)において、R201からR206は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、Pは炭素原子数1〜20の直鎖または分岐状の炭化水素基で、二重結合及び/または三重結合を含んでいてもよい。)
Figure 0006829030
(上記一般式(VI)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R61〜R76ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R102とR103は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R75およびR76は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
Figure 0006829030
(上記一般式(VII)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R61〜R76ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R104は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、tは0〜10の正の整数であり、R75およびR76は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)

上記[]または[]に記載の樹脂組成物において、
上記環状オレフィン共重合体(A)中の上記環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)が、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し単位である樹脂組成物。

上記[]乃至[]のいずれか一つに記載の樹脂組成物において、
上記環状オレフィン共重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100モル%としたとき、
上記環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)の含有量が10モル%以上90モル%以下である樹脂組成物。

上記[]乃至[]のいずれか一つに記載の樹脂組成物において、
炭素−炭素不飽和結合を有する架橋助剤(C)をさらに含有する樹脂組成物。

上記[1]乃至[]のいずれか一つに記載の樹脂組成物とシート状繊維基材とを含むプリプレグ。

上記[]に記載のプリプレグと、金属箔と、を積層してなる金属張積層体。

上記[]に記載のプリプレグにより形成された絶縁層と、上記絶縁層上に設けられた導体層とを備えるプリント配線基板。

上記[]に記載のプリント配線基板を備えた電子機器。
本発明によれば、加工性に優れるとともに、プリント配線基板等の電子部品用の絶縁層に求められる高周波領域での誘電特性およびはんだ耐熱性を満足する絶縁層を得ることが可能な樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。なお、本実施形態では、数値範囲を示す「A〜B」はとくに断りがなければ、A以上B以下を表す。
[樹脂組成物]
まず、本発明に係る実施形態の樹脂組成物について説明する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、ガラス転移温度が150℃以上250℃未満の環状オレフィン共重合体(A)と、架橋剤(B)と、を含む。そして、当該樹脂組成物中の架橋剤(B)の含有量に対する環状オレフィン共重合体(A)の含有量の比((A)/(B))が10以上200以下であり、好ましくは15以上100以下であり、より好ましくは20以上50以下である。
環状オレフィン共重合体(A)に架橋剤(B)を上記の割合で含ませながら、環状オレフィン共重合体(A)のガラス転移温度を上記下限値以上とすることにより、得られる絶縁層について良好な誘電特性および加工性を満たしつつ、はんだ耐熱性を向上させることができる。また、環状オレフィン共重合体(A)に架橋剤(B)を上記の割合で含ませながら、環状オレフィン共重合体(A)のガラス転移温度を上記上限値未満とすることにより、得られる絶縁層について良好な誘電特性およびはんだ耐熱性を満たしつつ加工性を向上させることができる。
以上から、ガラス転移温度が150℃以上250℃未満の環状オレフィン共重合体(A)と、架橋剤(B)と、を含み、さらに(A)/(B)が上記範囲内であることにより、加工性に優れるとともに、プリント配線基板等の電子部品用の絶縁層に求められる高周波領域での誘電特性およびはんだ耐熱性を満足する絶縁層を得ることが可能となる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物中の環状オレフィン共重合体(A)および架橋剤(B)の合計含有量は、得られる絶縁層の誘電特性およびはんだ耐熱性の性能バランスをより向上させる観点から、当該樹脂組成物の全体を100質量%としたとき、好ましくは20質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上98質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以上97質量%以下である。
以下、各成分について具体的に説明する。
<環状オレフィン共重合体(A)>
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)はガラス転移温度が150℃以上250℃未満であり、環状オレフィンに由来する繰り返し単位を必須構成単位とする共重合体である。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)を構成する環状オレフィン化合物は特に限定はされないが、例えば、国際公開第2006/0118261号の段落0037〜0063に記載の環状オレフィンモノマーを挙げることができる。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)は、例えば、モノマーの種類やモノマーの仕込み比によりガラス転移温度(Tg)をコントロールできる。本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)のTgは150℃以上250℃未満であるが、好ましくは170℃以上230℃未満であり、さらに好ましくは180℃以上220℃未満である。Tgが上記上限値未満であると、環状オレフィン共重合体(A)の加工性をより一層向上させることができる。また、Tgが上記下限値以上であると、得られる絶縁層の耐熱性や機械的特性が向上する。
ここで、本実施形態において環状オレフィン共重合体(A)のTgは、架橋剤で架橋する前の状態で測定した値である。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)は、下記一般式(I)で表される少なくとも1種のα−オレフィン由来の繰り返し単位(a)と、下記一般式(II)で表される繰り返し単位、下記一般式(III)で表される繰り返し単位および下記一般式(IV)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)と、を含有するものが好ましい。
また、本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)は、加工性、はんだ耐熱性、誘電特性およびシート状繊維基材への含浸性をさらに向上させる観点から、下記一般式(I)で表される少なくとも1種のα−オレフィン由来の繰り返し単位(a)と、下記一般式(II)で表される少なくとも1種の環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)と、を含むことがより好ましい。
ただし、本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)は、環状オレフィン共重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100モル%としたとき、下記一般式(V)で表される繰り返し単位、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位および下記一般式(VII)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の非共役ジエン系オレフィン由来の繰り返し単位(c)の含有量が、環状オレフィン共重合体(A)のガラス転移温度を向上させる観点から、例えば、0.05モル%以下であり、好ましくは0.01モル%以下である。
Figure 0006829030
上記一般式(I)において、R300は水素原子または炭素原子数1〜29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。環状オレフィン共重合体(A)のガラス転移温度を向上させ、得られる絶縁層の耐熱性をより向上させる観点から、R300は炭素原子数2以上10以下の直鎖状または分岐状の炭化水素基が好ましく、炭素原子数2以上10以下の直鎖状の炭化水素基がより好ましく、炭素原子数4以上10以下の直鎖状の炭化水素基がさらに好ましい。
Figure 0006829030
上記一般式(II)において、uは0または1であり、vは0または正の整数、好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、wは0または1であり、R61〜R78ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R75〜R78は互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。
Figure 0006829030
上記一般式(III)において、xおよびdは0または1以上の整数、好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、yおよびzは0、1または2であり、R81〜R99は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基若しくは炭素原子数3〜15のシクロアルキル基である脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。
Figure 0006829030
上記一般式(IV)において、R100、R101は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基を示し、fは1≦f≦18である。
Figure 0006829030
上記一般式(V)において、R201からR206は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、Pは炭素原子数1〜20の直鎖または分岐状の炭化水素基で、二重結合及び/または三重結合を含んでいてもよい。
Figure 0006829030
上記一般式(VI)において、uは0または1であり、vは0または正の整数、好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、wは0または1であり、R61〜R76ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R102とR103は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R75およびR76は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。
Figure 0006829030
上記一般式(VII)において、uは0または1であり、vは0または正の整数、好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、wは0または1であり、R61〜R76ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R104は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、tは0〜10の正の整数であり、R75およびR76は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。
(オレフィンモノマー)
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)の共重合原料の一つであるオレフィンモノマーは付加共重合して上記一般式(I)で表される構成単位を形成するものである。具体的には上記一般式(I)に対応する下記一般式(Ia)で表されたオレフィンモノマーが用いられる。
Figure 0006829030
上記一般式(Ia)において、R300は水素原子または炭素原子数1〜29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。環状オレフィン共重合体(A)のガラス転移温度を向上させ、得られる絶縁層の耐熱性をより向上させる観点から、R300は炭素原子数2以上10以下の直鎖状または分岐状の炭化水素基が好ましく、炭素原子数2以上10以下の直鎖状の炭化水素基がより好ましく、炭素原子数4以上10以下の直鎖状の炭化水素基がさらに好ましい。
具体的には、R300が炭素原子数2以上10以下の直鎖状または分岐状の炭化水素基である上記一般式(Ia)で表されるオレフィンモノマーとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。中でも、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンが好ましい。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)は、環状オレフィン共重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100モル%としたとき、α−オレフィン由来の繰り返し単位(a)の割合が、好ましくは10モル%以上90モル%以下、より好ましくは15モル%以上85モル%以下、さらに好ましくは20モル%以上80モル%以下である。
(環状オレフィンモノマー(b))
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)の共重合原料の一つである環状オレフィンモノマー(b)は付加共重合して上記一般式(II)、上記一般式(III)または上記一般式(IV)で表される環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)を形成するものである。具体的には、上記一般式(II)、上記一般式(III)、および上記一般式(IV)にそれぞれ対応する一般式(IIa)、(IIIa)、および(IVa)で表される環状オレフィンモノマー(b)が用いられる。
Figure 0006829030
上記一般式(IIa)において、uは0または1であり、vは0または正の整数、好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、wは0または1であり、R61〜R78ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基、または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R75〜R78は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。
Figure 0006829030
上記一般式(IIIa)において、xおよびdは0または1以上の整数、好ましくは0以上2以下の整数、より好ましくは0または1であり、yおよびzは0、1または2であり、R81〜R99は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基若しくは炭素原子数3〜15のシクロアルキル基である脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。
Figure 0006829030
上記一般式(IVa)において、R100、R101は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基を示し、fは1≦f≦18である。
共重合成分として、上述した一般式(Ia)で表されるオレフィンモノマー、一般式(IIa)、(IIIa)または(IVa)で表される環状オレフィンモノマー(b)を用いることにより、環状オレフィン共重合体(A)の溶媒への溶解性がより向上するため成形性が良好となり、製品の歩留まりが向上する。
一般式(IIa)、(IIIa)または(IVa)で表される環状オレフィンモノマー(b)の具体例については国際公開第2006/0118261号の段落0037〜0063に記載の化合物を用いることができる。
具体的には、ビシクロ−2−ヘプテン誘導体(ビシクロヘプト−2−エン誘導体)、トリシクロ−3−デセン誘導体、トリシクロ−3−ウンデセン誘導体、テトラシクロ−3−ドデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ−3−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ−3−ヘキサデセン誘導体、ヘキサシクロ−4−ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−4−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ−5−ドコセン誘導体、ノナシクロ−5−ペンタコセン誘導体、ノナシクロ−6−ヘキサコセン誘導体、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン誘導体、炭素数3〜20のシクロアルキレン誘導体が挙げられる。
一般式(IIa)、(IIIa)または(IVa)で表される環状オレフィンモノマー(b)の中でも、一般式(IIa)で表される環状オレフィンが好ましい。
上記一般式(IIa)で表される環状オレフィンモノマー(b)として、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテン(ノルボルネンとも呼ぶ。)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(テトラシクロドデセンとも呼ぶ。)を用いることが好ましく、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンを用いることがより好ましい。これらの環状オレフィンは剛直な環構造を有するため共重合体および絶縁層の弾性率が保持され易く、また異種二重結合構造を含まないため架橋の制御をし易くなる利点がある。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)は、環状オレフィン共重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100モル%としたとき、環状オレフィンモノマー(b)由来の繰り返し単位(b)の割合が、好ましくは10モル%以上90モル%以下、より好ましくは15モル%以上85モル%以下、さらに好ましくは20モル%以上80モル%以下である。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)の、135℃中デカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.01〜1dl/gであり、好ましくは0.05〜0.7dl/gであり、より好ましくは0.1〜0.5dl/gである。極限粘度[η]が上記上限値以下であると、成形性が向上する。また、極限粘度[η]が上記下限値以上であると、得られる絶縁層の耐熱性や機械的特性が向上する。
なお、環状オレフィン共重合体(A)の極限粘度[η]は、重合触媒、助触媒、H添加量、重合温度等の重合条件により制御することが可能である。
本実施形態に係る環状オレフィン共重合体(A)は、例えば、国際公開第2012/046443号の段落0075〜0219に記載の環状オレフィン(共)重合体の製造方法や国際公開第2006/118261号の段落0095〜0234に記載の環状オレフィン(共)重合体の製造方法にしたがって製造することができる。ここでは詳細は省略する。
<架橋剤(B)>
本実施形態に係る樹脂組成物は架橋剤(B)を含む。これにより、樹脂組成物のはんだ耐熱性を向上させることができる。
架橋剤(B)としては、例えば、ラジカル重合開始剤等が挙げられる。ラジカル重合開始剤による硬化は、ポリオレフィンで適用されている通常のラジカル重合開始剤による硬化方法をそのまま適用できる。すなわち樹脂組成物にジクミルパーオキシドのようなラジカル重合開始剤を配合し、加熱、硬化する。
上記ラジカル重合開始剤としては、公知の熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤およびこれらを併用することができる。これらのラジカル重合開始剤のうち、熱ラジカル重合開始剤を使用する場合は、保存安定性の観点から10時間半減期温度が通常80℃以上、好ましくは120℃以上のものである。このような開始剤として、例えば、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)2,5−ジメチルヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキシド、イソプロピルクミル−t−ブチルパーオキシド、ビス(α−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキシド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、エチル−3,3−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブチレート、3,3,6,6,9,9−ヘキサメチル−1,2,4,5−テトラオキシシクロノナン等のパーオキシケタール類;ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル類;t−ブチルハイドロパーオキシド、t−ヘキシルハイドロパーオキシド、クミンハイドロパーオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、p−メンタンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド類;2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等のビベンジル化合物類;3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、イソプロピルチオキサントンおよびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
また、これらの光ラジカル重合開始剤とともに増感剤を使用することもできる。増感剤の例としては、アントラキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン,ベンズアントロン、p,p'−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、クロラニル等のカルボニル化合物、ニトロベンゼン、p−ジニトロベンゼン、2−ニトロフルオレン等のニトロ化合物、アントラセン、クリセン等の芳香族炭化水素、ジフェニルジスルフィド等の硫黄化合物、ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、5−ニトロ−2−アミノトルエン、テトラシアノエチレン等の窒素化合物等を挙げることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物をラジカル重合開始剤硬化する場合、硬化する温度は、例えば、100〜350℃、好ましくは120〜330℃、さらに好ましくは150〜300℃の温度で行い、温度を段階的に変化させて硬化を行ってもよい。上記下限値以上であると、硬化を十分に進行させることができる。また、上記上限値以下であると、得られる絶縁層の着色が抑制できたり、プロセスを簡略化できたりする。
<架橋助剤(C)>
本実施形態に係る樹脂組成物は、架橋反応を促進させる観点や得られる絶縁層のはんだ耐熱性をさらに向上させる観点から、炭素−炭素不飽和結合を有する架橋助剤(C)をさらに含むことが好ましい。
架橋助剤(C)としては特に制限はないが、例えば、p−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、及びo−ジイソプロペニルベンゼン等のイソプロペニル基を2以上有する多官能性化合物;エチレンジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、1,4−ブチレンジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレート、及びペンタエリトリトールトリメタクリレート等のメタクリル基を2以上有する多官能性化合物;ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルピリジン等のビニルモノマー類;ヘキサメチレンジアリルナジイミド、ジアリルイソフタレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメリット酸トリアリル等のアリル化合物類;N,N'−m−フェニレンビスマレイミド、N,N'−(4,4'−メチレンジフェニレン)ジマレイミド等のマレイミド化合物類;ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン類;ポリブタジエン等が挙げられる。これらの架橋助剤(C)は単独で用いてもよいし、組み合わせて使用することもできる。
これらの中でも、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメリット酸トリアリル等のイソシアヌレート類;ジビニルベンゼン;ポリブタジエンがより好ましい。
本実施形態に係るポリブタジエンとしては特に限定はされないが、例えば、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、末端アクリレート変性ポリブタジエン、末端ウレタンメタクリレート変性ポリブタジエン等が挙げられる。
また、架橋助剤(C)としては、上記一般式(I)で表される少なくとも1種のα−オレフィン由来の繰り返し単位(a)と、上記一般式(II)で表される繰り返し単位、上記一般式(III)で表される繰り返し単位および上記一般式(IV)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)と、上記一般式(V)で表される繰り返し単位、上記一般式(VI)で表される繰り返し単位および上記一般式(VII)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の非共役ジエン系オレフィン由来の繰り返し単位(c)と、を含有する環状オレフィン共重合体を用いてもよい。
架橋助剤(C)は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本実施形態に係る樹脂組成物における架橋助剤(C)の含有量は、環状オレフィン共重合体(A)100質量部に対して、例えば、0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは1〜30質量部である。
<その他の成分>
本実施形態に係る樹脂組成物には、必要に応じて、難燃剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、有機充填剤、無機充填剤、環状オレフィン共重合体(A)以外の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂等を本発明の目的を損なわない程度に配合することができ、その配合割合は適宜量である。任意成分として配合される安定剤として、具体的には、テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2′−オキザミドビス〔エチル−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)〕プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステル等を挙げることができる。これらは単独で配合してもよいし、組合せて配合してもよく、例えば、テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンとステアリン酸亜鉛およびグリセリンモノステアレートとの組合せ等を例示できる。
難燃剤としては特に限定されないが、例えば、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、塩素化ポリスチレン、塩素化ポリエチレン、高塩素化ポリプロピレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルオキシド、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、テトラブロモビスフェノールS、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニルプロパン)、ペンタブロモトルエン等のハロゲン系難燃剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物系難燃剤;ジメチルホスフィン酸アルミニウム等の含リン難燃剤;含窒素難燃剤;三酸化アンチモン等のアンチモン化合物等の非ハロゲン系難燃剤;等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物における難燃剤の含有量は、環状オレフィン共重合体(A)100質量部に対して、例えば、1〜1000質量部、好ましくは10〜500質量部である。
無機充填剤としては特に限定されないが、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物系充填剤;シリカバルーン、アルミナ、酸化鉄、酸化スズ、酸化ベリリウム、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、酸化マグネシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素(シリカ)等の金属酸化物系充填剤;塩化ナトリウム、塩化カルシウム等の金属塩化物系充填剤;硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム等の金属硫酸塩系充填剤;硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム等の金属硝酸塩系充填剤;リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の金属リン酸塩系充填剤;チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の金属チタン酸塩系充填剤;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸塩系充填剤;炭化硼素、炭化ケイ素等の炭化物系充填剤;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物系充填剤;アルミニウム、ニッケル、マグネシウム、銅、亜鉛、鉄、金、銀、鉛、タングステン等の金属粒子系充填剤;タルク、クレー、モンモリロナイト、ケイ酸カルシウム、ガラス、ガラスバルーンマイカ、カオリン、フライアッシュ等のケイ酸塩系充填剤;ガラス粉末;カーボンブラック、グラファイト、活性炭、炭素バルーン等の炭素粒子;等が挙げられる。
有機充填剤としては特に限定されないが、例えば、木粉、デンプン、有機顔料、ポリスチレン、ナイロン、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、塩化ビニル、廃プラスチック等の化合物粒子が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物における無機充填剤および有機充填剤の含有量は、環状オレフィン共重合体(A)100質量部に対して、例えば、1〜1000質量部、好ましくは10〜500質量部である。
<樹脂組成物の調製方法>
本実施形態に係る樹脂組成物の調製方法は、環状オレフィン共重合体(A)と、架橋剤(B)と、必要に応じてその他の成分と、を混合することにより調製できる。混合方法としては、押出機等で溶融ブレンドする方法、または適当な溶媒、例えばヘプタン、ヘキサン、デカン、シクロヘキサンのような飽和炭化水素;トルエン、ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素等に溶解または分散させて行う溶液ブレンド法等を採用することができる。
[ワニス]
本実施形態に係る樹脂組成物は、溶媒と混合することによりワニスとすることができる。上記ワニスを調製するための溶媒としては、環状オレフィン共重合体(A)に対して溶解性または親和性を損なわないものであれば特に限定されない。溶媒として好ましく用いられるものは、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。より好ましくはトルエン、m−キシレン、p−キシレン、混合キシレンである。これらの溶媒は単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態において、ワニスの調製は、いかなる方法で実施してもよいが、通常は樹脂組成物と溶媒とを混合する工程を含む。各成分の混合については、その順序に制限はなく、一括または分割等のいかなる方式でも実施することができる。ワニスを調製する装置としても制限はなく、撹拌および混合が可能な、バッチ式、もしくは連続式の装置を用いることができる。ワニスを調製する際の温度は、室温から溶媒の沸点までの範囲で任意に選択することができる。
[プリプレグ]
本実施形態に係るプリプレグは、本実施形態に係る樹脂組成物とシート状繊維基材とを複合して形成されたものである。
プリプレグの製造方法としては特に限定されず、各種公知の方法が適用可能である。例えば、上述したワニスをシート状繊維基材に含浸し含浸体を得る工程と、得られた含浸体を加熱し上記ワニスに含まれる溶媒を乾燥する工程とを含む方法が挙げられる。
上記ワニスのシート状繊維基材への含浸は、例えば、所定量のワニスを、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法等の公知の方法によりシート状繊維基材に塗布し、必要に応じてその上に保護フィルムを重ね、上側からローラー等で押圧することにより行うことができる。
また、上記含浸体を加熱し上記ワニスに含まれる溶媒を乾燥する工程は特に限定されないが、例えば、バッチ式で送風乾燥機により空気中あるいは窒素中で乾燥する、あるいは、連続工程で加熱炉を通すことによって乾燥する、等の方法を挙げることができる。
本実施形態においては、ワニスをシート状繊維基材に含浸させた後、得られた含浸体を所定温度に加熱することにより、上記ワニスに含まれる溶媒が蒸発し、プリプレグが得られる。
本実施形態に係るシート状繊維基材を構成する繊維としては特に限定されないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、アラミド繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、液晶ポリエステル繊維等の有機繊維;ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、タングステン繊維、モリブデン繊維、チタン繊維、スチール繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、シリカ繊維等の無機繊維:等を挙げることができる。これらの中でも、有機繊維やガラス繊維が好ましく、特にアラミド繊維、液晶ポリエステル繊維、ガラス繊維が好ましい。ガラス繊維としては、Eガラス、NEガラス、Sガラス、Dガラス、Hガラス、Tガラス等の繊維が好適に用いることができる。
シート状繊維基材へのワニスの含浸は、例えば、浸漬および塗布によって実施される。含浸は必要に応じて複数回繰り返してもよい。
これらのシート状繊維基材は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は所望により適宜選択されるが、例えば、プリプレグ中の10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%の範囲である。この範囲にあれば、得られる絶縁層の誘電特性と機械強度が高度にバランスされ、好適である。
本実施形態に係るプリプレグの厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、例えば、0.001〜10mmであり、好ましくは0.005〜1mmであり、より好ましくは0.01〜0.5mmである。この範囲にあれば、積層時の賦形性、また、硬化して得られる絶縁層の機械強度や靭性等の特性が充分に発揮され好適である。
[金属張積層体]
本実施形態に係るプリプレグは、少なくとも一方の面に金属箔を積層して積層プレス等により加熱硬化することにより金属張積層体としてもよい。
金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、金箔、銀箔、ステンレス箔等が挙げられる。
本実施形態の金属張積層体を作製する方法は各種公知の方法が適用可能である。
例えば、本実施形態に係るプリプレグに対し、金属箔を積層し、必要に応じてプレス等により加熱硬化することにより金属張積層体を作製することができる。
本実施形態に係る金属張積層体は、本実施形態に係る樹脂組成物を用いるものであるため、プリント配線基板に好適な高周波領域での誘電特性を満足しながら、はんだ耐熱性にも優れている。
そのため、本実施形態に係る金属張積層体は、プリント配線基板の絶縁層用材料として好適に使用することができる。
[プリント配線基板]
上述したように、本実施形態に係るプリプレグは、誘電特性およびはんだ耐熱性の性能バランスに優れることから、プリント配線基板に好適に用いることができる。
プリント配線基板の製造方法としては一般的に公知の方法を採用でき特に限定されないが、例えば、前述の方法により製造したプリプレグを積層プレス等により加熱硬化し、絶縁層を形成する。次いで、得られた絶縁層に導体層を公知の方法で積層し、積層体を作製する。その後、該積層体中の導体層を回路加工等することにより、プリント配線基板を得ることができる。
導体層となる金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、金、銀、ステンレス等の金属を用いることができる。導体層の形成方法としては、該金属類を箔等にして絶縁層に熱融着させる方法以外にも、接着剤を用いて張り合わせる方法、もしくはスパッタ、蒸着、めっき等の方法で積層して形成する方法で作製することができる。プリント配線基板の態様としては、片面板、両面板のいずれでもよい。
このようなプリント配線基板は、例えば、半導体素子等の電子部品を搭載することにより、電子機器として使用することができる。電子機器は公知の情報に基づいて作製することができる。
このような電子機器としては、例えば、サーバ、ルータ、スーパーコンピューター、メインフレーム、ワークステーション等のICTインフラ機器;GPSアンテナ、無線基地局用アンテナ、ミリ波アンテナ、RFIDアンテナ等のアンテナ類;携帯電話、スマートフォン、PHS、PDA、タブレット端末等の通信機器;パーソナルコンピューター、テレビ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、POS端末、ウェアラブル端末、デジタルメディアプレーヤー等のデジタル機器;電子制御システム装置、車載通信機器、カーナビゲーション機器、ミリ波レーダー、車載カメラモジュール等の車載電子機器;半導体試験装置、高周波計測装置等;が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を合成例、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。
実施例および比較例によって得られた積層体は次に述べる方法で評価を行った。
(1)耐熱性評価
耐熱性の指標として、250℃における貯蔵弾性率(E')を測定した。測定はRSA−III(TA−Instruments社製)を用いて窒素下、周波数1Hz、ひずみ0.1、25℃から300℃の範囲を3℃/minの昇温速度で走査して行った。測定には得られた積層体から、長さ50mm、幅5mmに切り出した試験片を使用した。以下の基準で樹脂組成物の耐熱性を評価した。
◎ : 250℃における貯蔵弾性率(E')が1×10Pa以上
○ : 250℃における貯蔵弾性率(E')が1×10Pa以上1×10Pa未満
× : 250℃における貯蔵弾性率(E')が1×10Pa未満
ここで、貯蔵弾性率(E')が1×10Pa以上であれば、はんだ耐熱試験で外観異常が起こらないことを確認している。
(2)はんだ耐熱性評価
銅張積層体を288℃の半田槽中に20秒間浸漬した後の状態を観察した。以下の基準で銅張積層体のはんだ耐熱性を評価した。
○:変形および膨れの両方が発生しなかった
×:変形および膨れの少なくとも一方が発生した
(3)誘電正接評価
円筒空洞共振器法により、12GHzにおける積層体の誘電正接を測定した。具体的には、ネットワーク・アナライザー(YHP社製の8510B)、シンセサイズドスイーパー(YHP社製の8340B)、テストセット(8515A)を用い、12GHzにおける積層体の誘電正接を測定した。
(4)加工性評価
真空プレスで銅張積層体を作製した時の積層性を評価した。
○:280℃以下で積層可能
×:280℃以下で積層不可
実験には以下の原材料を用いた。
遷移金属化合物(1):CpTiCl(N=CBu
J.Am.Chem.Soc.2000,122,5499−5509.に記載の方法により合成した。
MAO(日本アルキルアルミ株式会社製)
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(三井化学株式会社製)
架橋剤1:2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(東京化成工業株式会社製)
架橋剤2:ジクミルパーオキシド(日油社製、パークミルD)
(環状オレフィン共重合体(A))
環状オレフィン共重合体(A−1):1−オクテン(以下、C8とも呼ぶ。)とテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(以下、TDとも呼ぶ。)とからなる共重合体(C8/TD=34/66(モル比)、Tg:246℃)
環状オレフィン共重合体(A−2): 1−ヘキセン(以下、C6とも呼ぶ。)とテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとからなる共重合体(C6/TD=46/54(モル比)、Tg:220℃)
環状オレフィン共重合体(A−3): 1−ヘキセンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとからなる共重合体(C6/TD=65/35(モル比)、Tg:188℃)
環状オレフィン共重合体(A−4): 1−ヘキセンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとからなる共重合体(C6/TD=77/23(モル比)、Tg:151℃)
環状オレフィン共重合体(A−5):エチレンとビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンとからなる共重合体(製品名:トパス6013S−04、ポリプラスチック社製、Tg:138℃)
環状オレフィン共重合体(A−6):1−ヘキセンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとからなる共重合体(C6/TD=32/68(モル比)、Tg:284℃)
[合成例1:環状オレフィン共重合体(A−1)の合成]
十分に窒素置換したガラス製反応器にトルエン40mLを装入し、液相及び気相を30L/hの流量の窒素で飽和させた。続いて、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(TD)20.0mL、α−オレフィンとして1−オクテン5.5mL、メチルアルミノキサン(MAO)をアルミニウム原子換算で10mmolを添加した。トルエンに溶解させた遷移金属化合物(1)0.010mmolを添加し、重合を開始した。25℃で15分間重合を継続した後、イソブチルアルコールを添加することで重合を停止した。反応物を0.5mLの濃塩酸を加えたアセトン/メタノール(それぞれ500ml)混合溶媒に投入してポリマーを全量析出し、撹拌後グラスフィルターでろ過した。ポリマーを130℃、10時間で減圧乾燥した後、TD/1−オクテン共重合体を得た。NMRにより決定したポリマー中のモノマー組成は、TD66mol%、1−オクテン34mol%、DSCで測定したガラス転移温度は246℃であった。
ここで、NMR分析法はMacromolecules 2016,49,59−70.に記載の方法に従った。
[合成例2:環状オレフィン共重合体(A−2)の合成]
α−オレフィンを1−ヘキセン14.0mLとした以外は、合成例1と同様の方法でTD/1−ヘキセン共重合体を合成した。NMRにより決定したポリマー中のモノマー組成は、TD54mol%、1−ヘキセン46mol%、DSCで測定したガラス転移温度は220℃であった。
[合成例3:環状オレフィン共重合体(A−3)の合成]
α−オレフィンを1−ヘキセン28.2mLとした以外は、合成例1と同様の方法でTD/1−ヘキセン共重合体を合成した。NMRにより決定したポリマー中のモノマー組成は、TD35mol%、1−ヘキセン65mol%、DSCで測定したガラス転移温度は188℃であった。
[合成例4:環状オレフィン共重合体(A−4)の合成]
α−オレフィンを1−ヘキセン55.0mLとした以外は、合成例1と同様の方法でTD/1−ヘキセン共重合体を合成した。NMRにより決定したポリマー中のモノマー組成は、TD23mol%、1−ヘキセン77mol%、DSCで測定したガラス転移温度は151℃であった。
[合成例5:環状オレフィン共重合体(A−6)の合成]
α−オレフィンを1−ヘキセン3.7mLとした以外は、合成例1と同様の方法でTD/1−ヘキセン共重合体を合成した。NMRにより決定したポリマー中のモノマー組成は、TD68mol%、1−ヘキセン32mol%、DSCで測定したガラス転移温度は284℃であった。
(架橋助剤(C))
架橋助剤1:ジビニルベンゼン
[実施例1]
(ワニスの調製)
環状オレフィン共重合体(A−1)および架橋剤1を表1に記載の配合割合で(表中の数値は質量部を示す)、トルエンに添加し、混合することによりワニス状の樹脂組成物を調製した。
(フィルム製膜)
得られたワニス状の樹脂組成物を、離型処理されたPETフィルム上に10mm/秒の速度で塗工した後、窒素気流下送風乾燥機中で120℃、10分間乾燥し、得られたフィルムをPETフィルムから剥離することによりフィルムを作製した。
(積層体の作製)
150mm角に切り出したフィルムを8枚重ね、真空プレス機にて圧力3.5MPa、280℃で60分加熱することで積層体を作製した。得られた積層体の耐熱性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
また、積層体の誘電正接を測定した結果0.0011であった。
(銅張積層体の作製)
150mm角に切り出したフィルムを8枚重ね、さらにその両側に銅箔を重ね、真空プレス機にて圧力3.5MPa、280℃で60分加熱することで銅箔が接着された銅張積層体を作製した。得られた銅張積層体の加工性評価およびはんだ耐熱性評価を行った。得られた結果を表1に示す。
[実施例2〜3および比較例1]
各成分の配合割合を表1に記載の配合割合に変えた以外は実施例1と同様にして、積層体および銅張積層体をそれぞれ作製し、各評価をそれぞれおこなった。
得られた結果を表1に示す。
[実施例4]
各成分の配合割合を表1に記載の配合割合に変え、プレス条件を圧力3.5MPa、250℃、90分とした以外は実施例1と同様にして、積層体および銅張積層体を作製し、各評価をおこなった。
得られた結果を表1に示す。
[実施例5および比較例2]
各成分の配合割合を表1に記載の配合割合に変え、プレス条件を圧力3.5MPa、200℃、120分とした以外は実施例1と同様にして、積層体および銅張積層体をそれぞれ作製し、各評価をそれぞれおこなった。
得られた結果を表1に示す。
[比較例3]
各成分の配合割合を表1に記載の配合割合に変え、プレス条件を圧力3.5MPa、280℃、60分とした以外は実施例1と同様にして、積層体および銅張積層体をそれぞれ作製した。
Figure 0006829030
表1からわかるように、実施例1〜5の銅張積層体ははんだ耐熱性および加工性にも優れていることがわかった。また実施例1の誘電正接測定結果から、高周波領域での誘電特性が良好であることがわかった。
これに対し、架橋剤(B)を含まない比較例1のフィルムおよびガラス転移温度が150℃未満の環状オレフィン共重合体を用いた比較例2のフィルムは、はんだ耐熱性にそれぞれ劣っていた。また、ガラス転移温度が250℃を超える環状オレフィン共重合体を用いた比較例3のフィルムは280℃以下で積層することができず加工性に劣っていた。

Claims (9)

  1. ガラス転移温度が150℃以上250℃未満の環状オレフィン共重合体(A)と、架橋剤(B)と、を含む樹脂組成物であって、
    前記環状オレフィン共重合体(A)は、
    下記一般式(I)で表される少なくとも1種のα−オレフィン由来の繰り返し単位(a)と、
    下記一般式(II)で表される繰り返し単位、下記一般式(III)で表される繰り返し単位および下記一般式(IV)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)と、を含有し、
    前記環状オレフィン共重合体(A)中の前記α−オレフィン由来の繰り返し単位(a)が、前記一般式(I)においてR 300 が炭素原子数2以上10以下の直鎖状または分岐状の炭化水素基である繰り返し単位を含み、
    当該樹脂組成物中の前記架橋剤(B)の含有量(質量)に対する前記環状オレフィン共重合体(A)の含有量(質量)の比((A)/(B))が10以上200以下である樹脂組成物。
    Figure 0006829030
    (上記一般式(I)において、R 300 は水素原子又は炭素原子数1〜29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。)
    Figure 0006829030
    (上記一般式(II)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R 61 〜R 78 ならびにR a1 およびR b1 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R 75 〜R 78 は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
    Figure 0006829030
    (上記一般式(III)において、xおよびdは0または1以上の整数であり、yおよびzは0、1または2であり、R 81 〜R 99 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基若しくは炭素原子数3〜15のシクロアルキル基である脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R 89 およびR 90 が結合している炭素原子と、R 93 が結合している炭素原子またはR 91 が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R 95 とR 92 またはR 95 とR 99 とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。)
    Figure 0006829030
    (上記一般式(IV)において、R 100 、R 101 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基を示し、fは1≦f≦18である。)
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物において、
    前記環状オレフィン共重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100モル%としたとき、
    下記一般式(V)で表される繰り返し単位、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位および下記一般式(VII)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の非共役ジエン系オレフィン由来の繰り返し単位(c)の含有量が0.05モル%以下である樹脂組成物。
    Figure 0006829030
    (上記一般式(V)において、R201からR206は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、Pは炭素原子数1〜20の直鎖または分岐状の炭化水素基で、二重結合及び/または三重結合を含んでいてもよい。)
    Figure 0006829030
    (上記一般式(VI)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R61〜R76ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R102とR103は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R75およびR76は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
    Figure 0006829030
    (上記一般式(VII)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R61〜R76ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基であり、R104は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、tは0〜10の正の整数であり、R75およびR76は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物において、
    前記環状オレフィン共重合体(A)中の前記環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)が、ビシクロ[2.2.1]−2−ヘプテンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンから選ばれる少なくとも一種の化合物に由来する繰り返し単位である樹脂組成物。
  4. 請求項乃至のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
    前記環状オレフィン共重合体(A)中に含まれる繰り返し単位の合計を100モル%としたとき、
    前記環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)の含有量が10モル%以上90モル%以下である樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
    炭素−炭素不飽和結合を有する架橋助剤(C)をさらに含有する樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の樹脂組成物とシート状繊維基材とを含むプリプレグ。
  7. 請求項に記載のプリプレグと、金属箔と、を積層してなる金属張積層体。
  8. 請求項に記載のプリプレグにより形成された絶縁層と、前記絶縁層上に設けられた導体層とを備えるプリント配線基板。
  9. 請求項に記載のプリント配線基板を備えた電子機器。
JP2016169452A 2016-08-31 2016-08-31 樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層体、プリント配線基板および電子機器 Active JP6829030B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016169452A JP6829030B2 (ja) 2016-08-31 2016-08-31 樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層体、プリント配線基板および電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016169452A JP6829030B2 (ja) 2016-08-31 2016-08-31 樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層体、プリント配線基板および電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018035257A JP2018035257A (ja) 2018-03-08
JP6829030B2 true JP6829030B2 (ja) 2021-02-10

Family

ID=61565569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016169452A Active JP6829030B2 (ja) 2016-08-31 2016-08-31 樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層体、プリント配線基板および電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6829030B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI844285B (zh) * 2023-03-01 2024-06-01 台光電子材料股份有限公司 預聚物、包含其之樹脂組合物及其製品

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7175692B2 (ja) * 2018-03-26 2022-11-21 三井化学株式会社 オレフィン重合用触媒、およびオレフィン重合体の製造方法
CN113056799B (zh) * 2018-11-15 2023-03-31 京瓷株式会社 有机绝缘体、覆金属层叠板及布线基板
TWI703180B (zh) * 2019-01-04 2020-09-01 台燿科技股份有限公司 可撓性半固化片及其應用
US20230209708A1 (en) * 2020-05-27 2023-06-29 Kyocera Corporation Organic insulator and wiring board

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5551263B2 (ja) * 2010-10-06 2014-07-16 三井化学株式会社 環状オレフィン共重合体およびその架橋体
JP6392567B2 (ja) * 2014-07-04 2018-09-19 三井化学株式会社 硬化性樹脂組成物、添加剤用組成物およびその用途

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI844285B (zh) * 2023-03-01 2024-06-01 台光電子材料股份有限公司 預聚物、包含其之樹脂組合物及其製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018035257A (ja) 2018-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6829030B2 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層体、プリント配線基板および電子機器
JP6899636B2 (ja) 低誘電性樹脂組成物、硬化物、ドライフィルム、フィルム、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板および電子機器
JP6829029B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化物、ドライフィルム、フィルム、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板および電子機器
JP7284875B2 (ja) 組成物及び硬化体
WO2022054867A1 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付きフィルム、樹脂付き金属箔、金属張積層板、及び配線板
CN112969749A (zh) 树脂组合物、预浸料、层叠板、树脂膜、多层印刷布线板和毫米波雷达用多层印刷布线板
US20230365797A1 (en) Composition and cured product thereof
US8623516B2 (en) Curable resin composition, and molded article, prepreg and laminate using the same
TW202024155A (zh) 樹脂組成物、樹脂組成物的硬化物、預浸體、積層板、樹脂薄膜、多層印刷線路板、毫米波雷達用多層印刷線路板及聚苯醚衍生物
JP6770854B2 (ja) 積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子機器
JP2018037525A (ja) プリント配線基板および電子機器
JP7245261B2 (ja) 環状オレフィン系共重合体組成物、ワニス、及び、架橋体
JP6803181B2 (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂組成物、硬化物、ドライフィルム、フィルム、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板および電子機器
WO2023090351A1 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ
WO2023162989A1 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、樹脂フィルム、積層板、プリント配線板及び半導体パッケージ
JP6857093B2 (ja) 環状オレフィン系共重合体組成物およびその架橋体
JP2017088647A (ja) 熱硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造方法
JP7285344B2 (ja) 環状オレフィン共重合体、環状オレフィン系樹脂組成物、架橋体および成形体
JP7210349B2 (ja) 環状オレフィン系共重合体組成物、ワニス、架橋体、及び、プリプレグ
JP7218176B2 (ja) 環状オレフィン系共重合体、環状オレフィン系共重合体組成物および架橋体
JP2018034419A (ja) 積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子機器
JP2022122542A (ja) マレイミド樹脂組成物、プリプレグ、樹脂フィルム、積層板、多層プリント配線板及び半導体パッケージ
WO2023063357A1 (ja) 絶縁層を含む多層構造体
KR20240151768A (ko) 열경화성 수지 조성물, 프리프레그, 수지 필름, 적층판, 프린트 배선판 및 반도체 패키지
WO2023224021A1 (ja) 樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、プリント配線板及び半導体パッケージ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6829030

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250