JP2015536984A - 電離放射線による傷害から組織を防護するためのケトン体 - Google Patents

電離放射線による傷害から組織を防護するためのケトン体 Download PDF

Info

Publication number
JP2015536984A
JP2015536984A JP2015541856A JP2015541856A JP2015536984A JP 2015536984 A JP2015536984 A JP 2015536984A JP 2015541856 A JP2015541856 A JP 2015541856A JP 2015541856 A JP2015541856 A JP 2015541856A JP 2015536984 A JP2015536984 A JP 2015536984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
exposure
hydroxybutyric acid
administering
subject
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015541856A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6883384B2 (ja
JP2015536984A5 (ja
Inventor
リチャード エル ヴィーチ
リチャード エル ヴィーチ
キーラン クラーク
キーラン クラーク
Original Assignee
ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー, デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ
ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー, デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ
ティーデルタエス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー, デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ, ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー, デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ, ティーデルタエス filed Critical ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー, デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシーズ
Publication of JP2015536984A publication Critical patent/JP2015536984A/ja
Publication of JP2015536984A5 publication Critical patent/JP2015536984A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6883384B2 publication Critical patent/JP6883384B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/21Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates
    • A61K31/215Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids
    • A61K31/22Esters, e.g. nitroglycerine, selenocyanates of carboxylic acids of acyclic acids, e.g. pravastatin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P39/00General protective or antinoxious agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P39/00General protective or antinoxious agents
    • A61P39/02Antidotes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P39/00General protective or antinoxious agents
    • A61P39/06Free radical scavengers or antioxidants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

本明細書では、ケトン体が電離放射線から細胞および組織を防護するという驚くべき発見を記述する。この発見に基づいて、放射線曝露によって引き起こされる傷害から動物の組織および細胞を防護する方法が開示され、該方法は、少なくとも1種のケトンエステルを含む治療有効量の薬剤と組織を接触させ、それによって放射線傷害から組織を防護することを含む。ケトンエステルを使用して、意図的および偶発的放射線曝露に続く組織傷害を最小化、低減および/または予防し、加えて非標的組織を付随的放射線傷害から防護することによって放射線療法の治療効力を増大させることができる。

Description

本出願は、参照によりその全体を本明細書に組み込む、2012年11月5日に出願の米国仮特許出願第61/722630号に基づく特典を要求する。
本開示は、放射線曝露の有害作用を低減する能力のあるケトン生成化合物を含有する組成物、ならびにこのようなケトン生成化合物を使用して放射線曝露の1種または複数の有害作用を低減、改善、または阻止する、例えば、電離放射線による組織傷害を低減、改善、または阻止する方法に関する。詳細には、本開示は、(R)−3−ヒドロキシ酪酸エステルおよびアセト酢酸エステルの血中レベルを、前記有害作用、特に、電離放射線で誘発される例えばDNAおよびRNAの傷害によって引き起こされるアポトーシスによる細胞死を低減、改善または阻止するのに十分なレベルまで高める能力のある(R)−3−ヒドロキシ酪酸のエステルおよびオリゴマーに関する。
放射線は、生物学的組織および細胞を傷害することが以前より知られている。照射された細胞中へのエネルギーの初期堆積は、細胞中にランダムに分布された電離および励起された原子または分子の形態で現われる。電離は、曝露された区域で化学変化をもたらし、極めて不安定な帯電または「電離」した分子を生成する。これらの分子は、速やかに化学変化を起こして、細胞構成要素と反応しかつ永続的傷害をもたらすフリーラジカルを生成する。
放射線傷害の即時的結果として、照射の数時間以内に、細胞はアポトーシスを起こし、間期に死滅することがある。典型的な形態変化には、正常な核構造の喪失およびDNAの分解が含まれる。DNAの傷害は、プログラム細胞死をトリガーする上で重要であり、膜傷害およびシグナル伝達経路も含まれると考えられる。
十分に高い線量の放射線は、有糸分裂を阻害する。細胞増殖の阻害は、放射線がほとんどの細胞を死滅させる機構である。放射線は細胞の分裂能力を阻害することによって細胞を死滅させるので、生存生物体における放射線の作用は、高い増殖活性によって特徴付けられる高い細胞代謝回転または分裂速度を有する組織中に主として現れる。
効果的な放射線防護剤分子の開発は、電離放射線を含む放射線への偶発的、意図的、または軍事的曝露に潜在的にさらされる集団にとって極めて重要である。
驚くべきことに現在、放射線への曝露の前または後のいずれかにケトン((R)−3−ヒドロキシ酪酸もしくはアセト酢酸)またはケトン生成物質を投与すると、放射線傷害に対する防護が現れることが判明するに至った。この効果は、本明細書で、放射線防護剤として現在使用できるとりわけ好ましい(R)−3−ヒドロキシ酪酸エステルを使用して立証される。このような薬剤は、意図的および偶発的な放射線曝露後の組織傷害を最小化、低減および/または予防すること、ならびに付随的放射線傷害から非標的組織を防護することによって放射線療法の治療効力を増加させることにおける応用を見出す。
本明細書では、1種または複数のケトンエステルを含む治療有効量の薬剤と組織を接触させ、それによって放射線傷害から組織を防護することを含む、放射線曝露によって引き起こされる傷害から動物の組織を防護する方法が提供される。
種々の実施形態において、開示される方法は、1種または複数の(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体、およびこれらの誘導体を含む組成物を投与することを含む。これらの化合物は、ケトン体、例えば、アセト酢酸および(R)−3−ヒドロキシ酪酸に対する前駆体として役立ち、したがって対象に投与されると、ケトン体の高い循環濃度をもたらす。
組成物および方法中で使用するのに適した(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体の例には、米国特許出願公開第2006/0280721号(Veech)によって教示されている、(R)−3−ヒドロキシ酪酸のエステルおよび(R)−3−ヒドロキシ酪酸のオリゴマーが含まれる。開示されているエステル化合物には、アルコール、例えば、アルトロース、アラビノース、デキストロース、エリトロース、フルクトース、ガラクトース、グルコース、グリセロール、グロース、イドース、ラクトース、リキソース、マンノース、リビトール、リボース、リブロース、スクロース、タロース、トレオース、キシリトール、キシロース、ガラクトサミン、グルコサミン、マンノサミン、N−アセチルグルコサミン、マンニトール、ソルビトール、トレイトール、(S)−1,2−プロパンジオール、および(R)−1,3−ブタンジオールから誘導されるエステルが含まれる。
本明細書では、また、放射線に由来する細胞傷害を低減、予防、または治療するための薬剤の使用について説明され、ここで、該薬剤は、ケトンエステル、例えば、(R)−3−ヒドロキシ酪酸の1種または複数のエステルである。
最も好ましい実施形態において、本開示は、防護量のケトンエステル、より好ましくは(R)−3−ヒドロキシ酪酸の(R)−1,3−ブタンジオールエステルであるそのエステルを対象に投与することを含む、非治療的放射線への曝露のリスクを有すると推測される対象に対して治療を提供する方法を提供する。さらにより好ましくは、エステルは、WO2010/120300およびWO2010/021766によって教示されている、モノエステルである式Iの化合物:
すなわち、3−ヒドロキシブチル−(R)−3−ヒドロキシ酪酸である。
このようなエステルは、WO2010/021766(参照によりその全体を本明細書に組み込む)に記載のエナンチオマーとして富化された組成物の形態で使用することができる。
好ましくは、治療は、ケトン生成化合物(単数または複数)を、任意選択で任意の併用療法と共に、血中ケトン体濃度を0.1mMから20mMの間まで、より好ましくは0.2mMから10mM、さらにより好ましくは2mMから8mMの間まで高めるように、経口または非経口で投与することによる。
ケトン生成化合物の適切な経口用量は、5gから約500gの間を含む。例えば、方法は、対象の体重1kg当たり約70mgから約5g、より好ましくは1kg当たり0.5から2gの間、さらにより好ましくは対象に1日当たり130gから約170gを投与することを使用することができる。
本開示の前記およびその他の特徴および利点は、添付の図面を参照して進められるいくつかの実施形態の詳細な以下の説明からより明らかになるであろう。
ケトンエステルによる細胞の放射線防護を示す一対のグラフである。ヒト骨芽細胞(HOS)を、60Coガンマ線(0.6Gy/分)照射の前(左パネル)または後(右パネル)にケトンエステルで処置した。 ケトンエステルによる染色体防護を示す図である。 ケトン投与後の陽子線に対する防護を示す一対のグラフおよび画像である。HOS細胞を、陽子線(4MeV)照射の前または後にケトンエステルで処置した。陽子線照射に先立つケトン処置は、細胞生存(左グラフ)を増加させ、DNA傷害を軽減した(右グラフ)。 pH7でのケトンエステルの安定性を示すグラフである。 ケトンエステルの血中代謝産物のレベル(5g/kg用量、雄性)を示すグラフである。
I.緒言
放射線に由来する組織傷害は、ヒドロキシルラジカルを形成するための水の単電子酸化における高エネルギー放射線と水との間の相互作用に由来する可能性がある:H2O+hν→HO-+H++e-。別法として、電子は、酸素と反応して、スーパーオキシドラジカルを形成することができる:O2+e-→O2 -。スーパーオキシドラジカルおよびヒドロキシルラジカルは、スーパーオキシドジスムターゼ酵素によって触媒される反応において互いに反応して、非毒性のOH-イオンおよびO2を形成することができる:HO-+O2 -→OH-+O2。スーパーオキシドラジカルは、スーパーオキシドジスムターゼと反応して、毒性のより少ないH22を形成することができる:O2 -+O2 -+2H+→H22+O2。過酸化水素は、次いで、カタラーゼで触媒される反応を起こすことができる:2H22→O2+2H2O。別法として、過酸化水素をグルタチオンペルオキシダーゼによって破壊することができる:2GSH+2H22→GSSG+2H2O。酸素ラジカルの最終的破壊物質はグルタチオンであり、それは、ほとんどの細胞中に5mMの濃度で存在し、細胞内スルフヒドリル基を還元された−SH形態で維持する役割を負う。グルタチオン自体は、細胞中で0.42Vの極めて陰性の酸化還元電位を有する最も還元された酸化還元対である細胞質ゾル[NADP+]/[NADPH]カップルとの近平衡反応によって還元された状態に維持される。ケトン体の代謝は、NADP+/NADPH比を低下させる。
フリーラジカルは、電離放射線によって形成されることに加え、ミトコンドリア電子伝達系によって形成されることがあり、量的に最も重要な反応は、フリーラジカル補酵素Qセミキノンの非酵素的反応である。Qセミキノンの量を、ケトン体の代謝によって減少させ、かくしてフリーラジカルの形成を減少させる。ケトンの代謝は、また、フリー細胞質ゾル[NADP+]/[NADPH]比の酸化還元電位を低下させ、かくしてGSHカップルの電位を低下させ、酸素フリーラジカルの最終的破壊を促進する。
本明細書では、ケトン体の代謝によって、生存組織に対する放射線傷害が少なくするという発見を開示する。この驚くべき発見に基づいて、このようなケトンエステルを、放射線曝露の1種または複数の有害作用を低減、改善、または阻止するために、例えば電離放射線による組織傷害を低減、改善、または阻止するために使用する方法が開示される。したがって、開示される方法は、アセト酢酸および(R)−3−ヒドロキシ酪酸などのケトン体の前駆体として役立ち、かつ対象に投与された場合にケトン体の高い循環濃度をもたらす(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体およびこれらの誘導体を含む組成物を投与することを含み、このような組成物/誘導体は、望ましくない副作用で苦しめることがない。
(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体の例には、(R)−3−ヒドロキシ酪酸のエステルおよび(R)−3−ヒドロキシ酪酸のオリゴマーが含まれる。開示されるエステル化合物としては、アルコール、例えば、アルトース、アラビノース、デキストロース、エリトロース、フルクトース、ガラクトース、グルコース、グリセロール、グロース、イドース、ラクトース、リキソース、マンノース、リビトール、リボース、リブロース、スクロース、タロース、トレオース、キシリトール、キシロース、ガラクトサミン、グルコサミン、マンノサミン、N−アセチルグルコサミン、マンニトール、ソルビトール、トレイトール、(S)−1,2−プロパンジオール、および(R)−1,3−ブタンジオールから誘導されるエステルが挙げられる。好都合なことに、本発明の方法および組成物の使用は、自然で活発な経路の強化を利用してその利点を達成するので、付随する望ましくない副作用は、より少数であるかより小さい。
II.用語
用語および方法に関する以下の説明は、本開示の実施に関して本開示をより効果的に説明し、かつ当業者を導くために提供される。
アルコキシ基:式−ORで表される基であり、式中のRは、後で定義されるようなアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ハロゲン化アルキル、またはヘテロシクロアルキル基で置換されていてもよい低級アルキル基をはじめとするアルキル基でよい。
アルキル基:1〜24個の炭素原子を含む分枝または非分枝の飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなど。「低級アルキル」基は、1〜10個の炭素原子を有する飽和の分枝または非分枝炭化水素である。
アルケニル基:2〜24個の炭素原子を有し、かつ構造式が少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する炭化水素基。
アルキニル基:2〜24個の炭素原子を有し、かつ構造式が少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する炭化水素基。
脂肪族基:前に定義したアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン化アルキル、およびシクロアルキル基をはじめとする基。「低級脂肪族基」は、1〜10個の炭素原子を含有する脂肪族基である。
アリール基:炭素をベースにした任意の芳香族基であり、限定はされないが、ベンゼン、ナフタレンなどを包含する。用語「芳香族」は、また、芳香族基の環内に組み込まれた少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族基として定義される「ヘテロアリール基」を包含する。ヘテロ原子の例には、限定はされないが、窒素、酸素、硫黄、およびリンが含まれる。アリール基は、限定はされないがアルキル、アルキニル、アルケニル、アリール、ハライド、ニトロ、アミノ、エステル、ケトン、アルデヒド、ヒドロキシ、カルボン酸、またはアルコキシをはじめとする1つまたは複数の基で置換されていてもよく、あるいはアリール基は非置換でもよい。
アラルキル:アリール基に結合された前に定義したようなアルキル基を有するアリール基。アラルキル基の例がベンジル基である。
投与:活性な化合物または組成物の投与は、当業者に公知の任意の経路によって行うことができる。投与は、局所または全身性でよい。局所投与の例には、限定はされないが、局部投与、皮下投与、筋内投与、鞘内投与、心膜内投与、眼内投与、局所眼投与、または吸入投与による鼻粘膜もしくは肺への投与が含まれる。さらに、局所投与には、例えば静脈内投与を特定臓器のための動脈供給へ向けることによる全身投与のために典型的には使用される投与経路が含まれる。したがって、特定の実施形態において、局所投与は、このような投与が特定臓器に供給する血管系を標的にしているなら、動脈内投与および静脈内投与を包含する。局所投与は、また、埋め込み可能なデバイスまたは構築物、例えば、持続的な治療効果のために長期間にわたって活性な薬剤および化合物を放出する血管ステントまたはその他のリザバー中への活性な化合物および薬剤の組み込みを包含する。
全身投与は、循環系を介して活性な化合物または組成物を身体中に広範に分配するように設計された任意の投与経路を包含する。したがって、全身投与には、限定はされないが、動脈内および静脈内投与が含まれる。全身投与には、また、このような投与が、循環系による身体中への吸収および分布を目指しているなら、限定はされないが、局部投与、皮下投与、筋内投与、または吸入による投与を包含する。
類似体、誘導体または模擬体:類似体は、親化合物と化学構造を異にする分子、例えば、同族体(アルキル鎖の長さの相違など、化学構造の増分を異にする)、分子断片、1つまたは複数の官能基を異にする構造、イオン化の変化である。構造類似体は、Remington(The Science and Practice of Pharmacology, 19th Edition(1995), chapter 28)中に開示のような技術を用いる定量的構造活性相関(QSAR)を使用して見出されることが多い。誘導体は、基本構造から誘導される生物活性分子である。模擬体は、生物活性分子などの別の分子の活性を模擬した分子である。生物活性分子は、或る化合物の生物活性を模擬した化学構造を含むことができる。これらの用語は、一部の状況下で重なり合うこともあり得ることが認められる。
動物:生存している多細胞脊椎生物体であり、例えば哺乳動物および鳥類を含む部類である。用語「哺乳動物」は、ヒトと非ヒト哺乳動物の双方を包含する。同様に、用語「対象」は、ヒトと獣医学対象の双方、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、およびウシを包含する。
シクロアルキル基:少なくとも3個の炭素原子から構成される炭素をベースにした非芳香族環。シクロアルキル基の例には、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。
誘導体:親化合物から誘導されるまたは理論的に誘導し得る化合物または化合物の一部。
有効量の化合物:治療されている対象において所望の効果を達成するのに十分な量の化合物。有効量の化合物を、単回投与で、または数回の投与、例えば、治療の過程中に毎日投与することができる。しかし、化合物の有効量は、適用される化合物、治療されている対象、苦痛の重症度および類型、および化合物の投与方式に依存する。
エステル:式−OC(O)Rで表される用語であり、ここで、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、後で定義されるようなハロゲン化アルキル、またはヘテロシクロアルキル基でよい。
エステル化:アルコールとカルボン酸またはカルボン酸誘導体との、エステルを形成する反応。
ハロゲン化アルキル基:これらの基に存在する1個または複数の水素原子がハロゲン(F、Cl、Br、I)で置換されている、前に定義したアルキル基。
ヘテロシクロアルキル基:環の炭素原子の少なくとも1個が、限定はされないが窒素、酸素、硫黄、またはリンなどのヘテロ原子で置換されている、前に定義したシクロアルキル基。
ヒドロキシル基:式−OHで表される。
哺乳動物:この用語は、ヒトと非ヒト哺乳動物の双方を包含する。同様に、用語「対象」は、ヒトと獣医学的対象の双方、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、およびウシを包含する。
非経口:腸以外での、例えば、消化管を経由しない投与。一般に、非経口用製剤は、経口摂取以外の任意の可能な方式を介して投与される製剤である。特に、この用語は、静脈内、鞘内、筋内、腹腔内、または皮下のいずれかで投与される注射、ならびに例えば鼻腔内、皮内および局部塗布をはじめとする種々の表面塗布を指す。
薬学的に許容される担体:本開示中で有用な薬学的に許容される担体は、通常的なものである。Remington’s Pharmaceutical Sciences, by E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th Edition(1995)には、本明細書で開示の化合物の薬学的送達に適した組成物および製剤が記載されている。
一般に、担体の性質は、使用される特定の投与方式に依存するであろう。例えば、非経口製剤は、ビヒクルとして、薬学的および生理学的に許容される流体、例えば、水、生理食塩水、平衡塩溶液、水性デキストロース、グリセロールなどをはじめとする注射可能な流体を含むのが通常である。固形組成物(例えば、散剤、丸剤、錠剤、またはカプセル剤の形態)の場合、通常的な非毒性固形担体としては、例えば、医薬級のマンニトール、乳糖、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムを挙げることができる。生物学的に中性の担体に加えて、投与予定の医薬組成物は、少量の非毒性補助物質、例えば、湿潤化または乳化剤、保存剤、およびpH緩衝剤など、例えば酢酸ナトリウムまたはモノラウリン酸ソルビタンを含有することができる。
医薬品:対象または細胞に適切に投与された場合に、所望の治療または予防効果を誘発する能力のある化学化合物または組成物。インキュベートすることは、薬剤が細胞と相互作用するのに十分な時間、標的を薬剤に曝露することを含む。接触させることは、固形または液体形態の薬剤を細胞と共にインキュベートすることを含む。
予防または治療すること:予防することは、何か(疾患、状態など)の完全な発生を抑制すること、例えば、放射線療法またはその他の活発な放射線への曝露の後の組織傷害の発生を抑制することを指す。治療は、発生し始めた後の徴候または症状を改善する治療的介入を指す。
放射線防護剤/放射線防護:特に細胞、生物学的組織、臓器、または生物体に対する放射線の作用(複数可)を予防また減弱させる細胞保護物質または組成物。最適な放射線防護剤は、前者を有意に傷つけることなしに、後者を低減し、それ自体毒性は最小限にすぎない。放射線防護剤は、防護剤または緩和剤として分類することができる。防護剤は、放射線曝露の前に投与され(例えば、放射線療法(RT)または偶発的もしくは意図しない曝露)、放射線で誘発される損傷を予防するように設計される。アミホスチンが、原型的防護剤である(例えば、Kouvaris et al., 12:738-747, 2007参照)。緩和剤は、放射線曝露の後ではあるが損傷の形質発現の前に投与され、損傷を改善することを意図する。原型的な緩和剤としてパリフェルミン(Kepivance(登録商標)、角質細胞増殖因子、KGF;例えば、Speilberger et al., J. Support Oncol. 2:73-74, 2004参照)を考えることができる。治療は、主に本質的に対症的かつ支持的である戦略である。
放射線防護は、放射線に由来する損傷にもかかわらず、細胞および組織が生き残り、かつ最善には回復し、成長することを可能にする。放射線は、本質的に組織を傷害する。二次的な組織死および壊死の程度が、罹患率および死亡率の量を決定する。放射線防護剤は、放射線損傷が細胞死を推進する能力を低減、最小化、または阻止することを試みる。細胞死および組織傷害は、当技術分野で公知の多くの方法により測定することができる、インビトロおよびインビボで使用される方法としては、機能性アポトーシスおよびネクローシスアッセイを使用する細胞死の生物化学的評価(例えば、DNA断片化、カスパーゼ活性化、PARP開裂、アネキシンV曝露、シトクロームC放出、等々)、細胞および組織の形態変化、ならびに核の断片化および喪失が挙げられる。インビボで、組織傷害は、潅流の喪失、瘢痕形成、落屑、脱毛、臓器穿孔、および接着などによって評価することができる。
放射線:放射線は、その用語が物理学で使用される場合、原子またはその他の物体によってそれがより高いエネルギー状態からより低いエネルギー状態に変化する際に放射される波または原子内運動粒子の形態のエネルギーである。放射線の一般的供給源としては、ラドンガス、大気圏外空間からの宇宙線、および医療用X線が挙げられる。放射線は、極小物質(atomic matter)に対するその作用に応じて、電離または非電離放射線として分類することができる。単語「放射線」の最も一般的な使用では、電離放射線を指す。電離放射線は、原子または分子を電離するのに十分なエネルギーを有し、一方、非電離放射線は有さない。放射性材料は、電離放射線を放射する物理的物質である。3種の一般的な部類の放射線、α線、β線、およびγ線が存在する。それらは、すべて、不安定原子の核から放射される。診断および金属造影ならびに安全審査装置によってもたらされるX線も、原子力発電および核兵器によってもたらされる中性子と同様、電離放射線である。
放射線曝露の源泉としては、限定はされないが、放射線療法、核戦争、原子炉事故、および研究または医療用放射性材料の不適切な取扱いが挙げられる。
放射線線量:ラド(rad)は、組織中に実際に堆積されたエネルギーによって定義される吸収放射線線量の単位である。1ラドは、1kgの組織当たり吸収されたエネルギーが0.01ジュールである線量である。より最近のSI単位がグレイ(Gy)であり、それは、1kgの組織当たり1ジュールの堆積エネルギーと定義される。したがって、1グレイは、100ラドに等しい。
放射線のリスクを正確に評価するために、ラド単位の吸収線量エネルギーに放射線の生物学的効果比(RBE)を乗算して、レム単位の生物学的等価線量を得る。レム(rem)は、「人体レントゲン当量(Rontgen Equivalent Man)」を表す。SI単位では、吸収線量エネルギー(グレイ)に同じRBEを乗算して、シーベルト(Sv)単位で生物学的等価線量を得る。シーベルトは、100レムに等しい。
RBEは、しばしば文字Qで表示される「線質係数(quality factor)」であり、特定の部類およびエネルギーの放射線によって引き起こされる組織に対する傷害を評価する。α粒子に関して、Qは、20ほどの大きさであり、それゆえ1ラドのα線は20レムに等しい。中性子線のQは、そのエネルギーに依存する。しかし、β粒子、X線およびγ線に関して、Qは1として扱われ、それゆえそれらの放射線源についてラドおよびレムは等価であり、グレイおよびシーベルトでも同様である。
放射線中毒:放射線病または急性放射線症候群とも呼ばれる放射線中毒は、電離放射線への過剰な曝露による生物学的組織への傷害を含む。該用語は、一般的には、短期間の高線量放射線によって引き起こされる急性の問題を指すのに使用されるが、これは低レベル放射線への長期間の曝露でも生じている。放射線中毒の症状の多くは、電離放射線が細胞分裂を妨害することに由来する。有益なことに、この同じ妨害はがん細胞の治療を可能にし、このような細胞は、体中で最速で分裂しているものの中に含まれ、特定の例では、隣接する正常細胞が生き残るであろう放射線線量で破壊され得る。
放射線中毒の症状には、赤血球および/または白血球数の減少、免疫機能の低下(感染に対する感受性の増大とともに)、悪心および嘔吐、疲労、不妊、脱毛、組織熱傷および壊死、内出血を伴う消化管傷害、等々が含まれる。
放射線療法(ラジオセラピー):対象またはその組織を放射性物質へ曝露することによる疾患(例えば、がんまたは別の超分裂性の疾患もしくは状態)の治療。放射線療法は、悪性細胞を抑制するためのがん治療の一部としての電離放射線の医学的使用である。ラジオセラピーは、治癒的または補助的がん治療のために使用することができる。それは、治癒が可能でなく、目的が局所的な疾患抑制または症状軽減にある対症療法的治療として使用される。
対象:脊椎動物生物体をはじめとする生存している多細胞生物体、ヒトと非ヒト哺乳動物の双方を包含する部類。
治療の:診断と治療の双方を包含する包括的用語。
治療有効量:治療されている対象において所望の効果を達成するのに十分な化合物の量。
有効量の化合物は、単回投与で、または治療過程中に数回、例えば毎日の投与で投与することができる。しかし、有効量は、適用される化合物、治療されている対象、苦痛の重症度および種類、ならびに化合物の投与方式に依存する。例えば、活性成分の治療有効量は、効果をもたらす活性成分(小分子、ペプチド、タンパク質、または抗体など)の血中(インビボ)または緩衝液中(インビトロ)の濃度(モル/リットル、またはモル濃度−M)として測定することができる。正確な投与量は、治療されている対象の大きさおよびその他の特性、治療継続期間、投与方式、等々によって異なる。
エステル交換:新たなエステル化合物を形成するための、エステルとアルコールとの反応。
疾患または障害の治療:疾患または病理学的状態の徴候または症状を改善する、あるいは疾患が発現、進行または完全に発症するのを予防する治療的介入を記述するのに使用される句。
〜のために/〜に対して十分な条件下:所望の活性を可能にする任意の環境を記述するのに使用される句。
そうでないことを説明しない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の業者によって一般的に理解されているのと同様の意味を有する。単数用語「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確にそうでないことを指摘しない限り、複数の指示対象を包含する。同様に、単語「または(or)」は、文脈が明確にそうでないことを指摘しない限り、「および(and)」を包含すると解釈される。それゆえ、「AまたはBを含む」は、Aを、またはBを、あるいはAとBとを含むことを意味する。さらに、核酸またはポリペプチドに対して付与される、すべての塩基またはアミノ酸の大きさ、およびすべての分子量または分子質量値は、近似であり、説明のために提供されることを理解されたい。本明細書に記載のものに類似または等価な方法および材料を、本発明の実施または試験において使用できるが、適切な方法および材料を以下で説明する。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、参照によりその全体を本明細書に組み込む。矛盾する場合、用語の説明を含め、本明細書が優先する。さらに、材料、方法、および実施例は、単なる例示であり、限定することを意図しない。
III.いくつかの実施形態の概観
本明細書では、放射線曝露によって引き起こされる傷害からヒトまたは動物の組織を防護する方法が提供され、該方法は、ケトンエステルを含む有効量、例えば治療有効量の薬剤と組織を接触させ、それによって放射線傷害から組織を防護することを含む。特定の実施形態において、この方法は、放射性物質または電離放射線に曝露される職員を防護する方法として使用され、該方法は、有効量、例えば治療有効量の薬剤と職員の組織を接触させることを含む。
種々の実施例中で、接触させることは、放射線曝露前の少なくとも1日以内、曝露の最中、または曝露後の数日もしくは数週間までに実施される。例えば、一部の事例で、薬剤は、放射線曝露の前、放射線曝露の最中、および/または放射線曝露後の2週間以内に投与される。他の事例で、薬剤は、放射線曝露前の数日、例えば1日、2日、3日、4日、5日、好ましくは6日以上、例えば1〜3日、2〜4日以内、放射線曝露の最中、および/または放射線曝露後の約1日、2日、3日、4日、5日以上、例えば1〜3日、2〜4日以内に投与される。
記載の方法に関する実施例において、放射線は、急性または慢性線量の電離または非電離放射線を含む。例えば、電離放射線は、一部の例において、核分裂もしくは核融合、または放射性同位体に由来する。他の例で、電離放射線は、X線を含む。他の例で、電離放射線は、放射性核種を含む。
本明細書に記載の方法は、また、放射線曝露が、診断用X線、放射線療法、CAT走査、マンモグラム、放射性核種走査、またはCTもしくは蛍光透視法ガイダンスの下での放射線医学的介入処置を含む場合に有用であると考えられる。他の実施形態において、放射線曝露は、汚染された食品または水の摂取による組織への放射性核種の取り込み、核兵器に由来する電離放射線への非医療的もしくは意図しない曝露、放射性漏洩物および/または宇宙飛行に付随する放射線曝露を含む宇宙線への非医療的もしくは意図しない曝露を含む。
種々の実施形態において、薬剤は、経口、皮下、筋内、静脈内、腹腔内、経皮、鼻腔内、または直腸で投与される。
本明細書では、また、放射線による細胞傷害を低減、予防、または治療するための薬剤の使用が提供され、ここで、該薬剤は、少なくとも1種の(R)−3−ヒドロキシ酪酸エステルである。開示される(R)−3−ヒドロキシ酪酸エステル化合物は、本開示の他の態様に関して前に記載したエステルを包含する。
IV.放射線防護化合物および組成物
本開示は、意図的および偶発的放射線曝露に続く組織傷害を最小化、低減および/または予防する、ならびに非標的組織を付随的放射線傷害から防護することによって放射線療法の治療効力を増大させる能力のある放射線防護化合物および組成物について説明する。これらの薬剤は、また、放射線療法を受けている患者における腫瘍剥離を高めることにおける応用を見出す。また、放射線損傷に苦しむ、または苦しんでいると考えられる対象を治療するための医薬組成物が提供され、該医薬組成物は、薬理学的有効量の放射線防護剤またはその機能的類似体、または本明細書で明らかにされる医薬組成物を、薬学的に許容される希釈剤と共に含む。本開示は、それを必要とするまたは潜在的にそれを必要とする対象における放射線損傷を治療または予防する方法をさらに提供し、該方法は、ケトン体濃度を高める少なくとも1種の放射線防護剤、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、とりわけ、ここで、放射線損傷は、照射損傷を包含する。
特に、非治療的放射線への曝露のリスクを有すると推測される対象を治療するための組成物が提供される。このリスクは、前記で治療方法に関して示したように、治療前に、治療時点に、または治療後の数時間以内に存在する可能性がある。
例示的放射線防護剤としては、米国特許出願公開第2012/015392号に開示されているもの、例えば、アセト酢酸、(R)−3−ヒドロキシ酪酸、これらの塩、エステルおよびオリゴマー、ならびにこれらとその他の生理学的に許容される部分、例えば、カルニチンおよびその他のアミノ酸との複合体を挙げることができる。その他の許容される材料は、ケトンの代謝前駆体、例えば、(R)−1,3−ブタンジオール、トリアセチン、遊離脂肪酸、およびトリグリセリドである。適切なケトン生成材料を開示するものとしては、すべて参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4579955号、同第4771074号、同第4997976号、同第5126373号、同第5420335号、同第6207856号、および同第6306828号、国際公開WO00/15216、WO00/04895、およびWO00/14985、日本特許第5009185号、同第2885261号、ならびにGueldry et al.(1994)Metabolic Brain Disease Vol9, No2が教示される。
一部の例において、例示的な放射線防護剤としては、前記のようなケトンエステル、例えば(R)−3−ヒドロキシ酪酸のエステル誘導体が挙げられる。
本明細書に開示の特定の放射線防護化合物および組成物は、(R)−3−ヒドロキシ酪酸のモノマー性エステル誘導体、および複数の(R)−3−ヒドロキシ酪酸残基を含む式1および2に記載のエステル誘導体または非エステル化オリゴマーを含む。式1および2に関して、nは、任意の整数でよく、典型的には1〜約100の整数である。より典型的には、nは1〜約10の整数である。本明細書に開示の組成物の1つの利点は、それらの組成物が明確な構造を有する化合物を含むことである。例えば、式1および2に記載の化合物を含有する組成物を、所与の組成物中の化合物が同数の(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体(n)を有するように調製することができ、このような化合物が「明確な」化合物と呼ばれる。
式1および2に関して、Rは、任意の生理学的に適合性のあるアルコキシ基でよい。用語「生理学的に適合性のある」は、エステラーゼまたはエステル開裂反応によりインビボで放出された場合に、実質上非毒性であるアルコールを指す。特定のアルコールは、低濃度で生理学的に適合性があるが、高濃度で存在すると望ましくない反応を誘発することがある。例えば、エタノールは、低濃度で生理学的に適合性があるが、高濃度ではそうでない。したがって、(R)−3−ヒドロキシル酪酸のエチルエステル誘導体は、本明細書に開示のより低い投与量で有用であるが、より高い投与量で望ましくない効果を有する可能性がある。
上記の式2は、新規な(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を得るための、一価または多価アルコールでエステル化された(R)−3−ヒドロキシ酪酸およびそのオリゴマーを表す。多価アルコールは、1つまたは複数のヒドロキシル基の位置でアシル化され得る。例えば、式2に関して、xは、多価アルコール上に存在するヒドロキシル基の数を表し、mは、エステル結合によりRに結合されている(R)−3−ヒドロキシ酪酸オリゴマーの数を表し、nは、オリゴマー当たりの(R)−3−ヒドロキシ酪酸残基の数を表す。例えば、Rが、5つのヒドロキシル基を有するアルコールであり、その3つのヒドロキシル基が(R)−3−ヒドロキシ酪酸でエステル化されているなら(nは1に等しいとして)、xは5であり、mは3であり、x−mは2に等しい。
式2に関して、Rは、任意の数(x)のヒドロキシル基を含有することができる。いくつかの実施形態において、Rは、4または5つのヒドロキシル基を有する単糖である。したがって、これらの実施形態において、Rは、エステル結合を介して付加された1〜5つの(R)−3−ヒドロキシ酪酸基または(R)−3−ヒドロキシ酪酸オリゴマーを有することができる。他の実施形態において、例えば、Rがオリゴ糖誘導体であるなら、Rは、5つを超えるヒドロキシルを含有する。例示的実施形態において、Rは、1,2−プロパンジオールなどのジオール(xは2に等しい)または1,3−ブタンジオール、グリセロールもしくはトレイトールなどのトリオール(xは3に等しい)である。例示的に開示される式2に記載の化合物を下表1に記載する。
式2において、(R)−3−ヒドロキシ酪酸オリゴマーは、同数の(R)−3−ヒドロキシ酪酸残基を含むが、このことは必須ではない。例えば、(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体は、異なる長さを有する2種以上の異なるオリゴマーを含むことができる。
特定の実施形態において、(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体中に組み込むための多価アルコールは、(R)−1,3−ブタンジオールである。このジオールは、一方または双方のヒドロキシル基の位置で(R)−3−ヒドロキシ酪酸およびそのオリゴマーで選択的にアシル化され得る。したがって、例示的実施形態は、下記で示す式3および4に記載の化合物を包含する。式3に関して、nおよびmは、同一または異なっていてもよい。
式3および4に記載の(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体は、インビボで(R)−1,3−ブタンジオールを放出し、このブタンジオールは、肝臓中で(R)−3−ヒドロキシ酪酸およびアセト酢酸に酸化されるので、(R)−1,3−ブタンジオールは、(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を調製するのにとりわけ有用で生理学的に適合性のあるアルコールである。
一実施形態において、組成物は、(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体の混合物を含む。例えば、式1、2またはその双方に記載の2種以上の(R)−3−ヒドロキシ酪酸エステル誘導体を、同一組成物中で製剤化し、投与することができる。
本明細書で開示される組成物は、典型的には、非毒性、無菌、およびパイロジェン不含、特にエンドトキシン不含である。組成物は、食品添加剤またはサプリメントとして投与するために、味の良い形態で製剤化することができる。このような味の良い形態は、典型的には、臭気不含であるか、医薬製剤の分野の業者に公知であるように遮蔽または被覆される。適切な製剤が、参照によりその全体を本明細書に組み込むWO11/101171に記載されている。医薬製剤は、担体などの付加的成分を含むことができる。これらの製剤に有用な薬学的に許容される担体は、通常的なものである。Remington’s Pharmaceutical Sciences, by E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th Edition(1995)に、本明細書に開示の化合物の医薬送達に適した組成物および製剤が記載されている。
経口投与のための液状製剤は、例えば、液剤、シロップ剤または懸濁剤の形態を取ることができるか、あるいはそれらの製剤を使用前に水またはその他の適切なビヒクルで構成するための乾燥品として提供することができる。このような液状製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水素化食用脂肪)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアラビアゴム)、非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、または分別植物油)、および保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸もしくはソルビン酸のメチルまたはプロピルエステル)などの薬学的に許容される添加剤を用いる通常的手段によって調製することができる。製剤は、また、適切なら、当業者に公知の緩衝塩、風味、着色、および甘味剤を含有することができる。化合物を、液状ビタミン製剤および電解質含有ドリンク剤に添加することもできる。ドリンク剤は、エネルギードリンク剤、スポーツドリンク剤、果物ドリンク剤、柑橘ドリンク剤、炭酸ドリンク剤、無水ドリンク剤混合物、その他の適切なドリンク剤媒体、またはそれらの組合せの形態でよい。
開示の化合物を経口で投与する一部の実施形態において、特にそれらの化合物を栄養サプリメントとして投与する場合、該化合物を食品基材と混合することができる。このような混合物は、固形食物とのエマルジョンまたは混合物の形態で存在できる。例えば、限定はされないが、ヘルスバー(health bar)を、1種または複数の(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体と一緒に、種々の賦形剤、例えば、結合剤、増量剤、風味剤、着色剤などを組み合わせること、および可塑性のある塊の堅さまで混合することによって調製することができる。次いで、次には乾燥するか、または固化することを可能にして最終品に形成する「キャンデーバー(candy bar)」の形状を形成するために、塊を押し出すか、成形する。
局部投与の場合、例えば、化合物を局所で投与のための液状送達剤と混合することができる。治療で使用される薬剤は、水および生理食塩水に容易に溶解できるか、懸濁可能であり、したがって、これらは、水または生理食塩水が組織に対して有害な生物学的効果を引き起こさないので、送達するのに有用である。このことは、送達ビヒクルに由来する副次的毒性なしに、十分に高い投与量を局所または全身で投与することを可能にする。
一般に、製剤は、治療剤(単数または複数)を、液状担体もしくは微細に粉砕された固体担体またはその双方とそれぞれ均一かつ完全に合わせることによって調製される。次いで、必要なら、製品は、所望の製剤に変換される。任意選択で、担体は、非経口用担体であり、一部の実施形態において、担体は、受容者の血液と等張性である溶液である。このような担体ビヒクルの例には、水、生理食塩水、リンガー液、およびデキストロース液が含まれる。不揮発性油、中鎖トリグリセリド(MCT)およびオレイン酸エチルなどの非水性ビヒクルもここで有用である。
高められた血中ケトン体濃度を24時間にわたって維持するために、徐放性製剤を使用することができる。(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体の放出を、いくつかの製剤技術によって調節することができる。当業者にとって公知であるように、例えば、腸溶性コーティング、フィルムコーティング、マイクロカプセル化などの技術を使用して、(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体の放出を遅延させることができる。式Iの好ましいケトンエステルの場合、これ自体が、数時間にわたるケトン血症の持続的発生を提供する。
自動注入器を介して提供される放射線防護剤の適用も考えられる。したがって、別の実施形態は、自動注入器中に詰められている記載の放射線防護剤を含む医薬組成物である。自動注入器は、特定の(典型的には救命)薬物の単回用量を送達するように設計され、時には、自己注射のための、または医療担当者でない職員による注射のための事前充填シリンジとしても説明される。
自動注入器は、例えば、米国特許第6149626号、同第6099504号、同第5957897号、同第5695472号、同第5665071号、同第5567160号、同第5527287号、同第5354286号、同第5300030号、同第5102393号、同第5092843号、同第4894054号、同第4678461号、および同第3797489号中に記載の通りであり、このようなそれぞれの特許の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
したがって、本開示は、放射線がウラン、ラドンおよびプルトニウムなどの放射性物質(放射性同位体)によって放射されるか、またはX線および放射線治療機などの人工的線源によって生成されるかどうかに無関係に、(照射)放射線損傷を治療するのに有用なこのような自動注入器を提供する。放射線防護剤および適切な賦形剤からなる医薬組成物を含む自動注入器も提供される。
治療剤は、また、外科またはその他の医療処置の一部として直接的に、または治療している医師によって病床で投与することができる。薬物品質の製品を、例えば滅菌水で希釈し、1ccの滅菌シリンジおよび細い孔空きニードル(25ゲージ以下)を使用する注射によって放射線防護を必要とする対象に付与することができる。別法として、傷床を、例えば生理食塩水、または既知濃度(投与量)の薬物もしくは化合物を含有するその他の治療有効な溶液、あるいはこれらの組合せで灌注洗浄することができる。かくして、治療効果の正確な調節および局所化を達成することができる。
非経口制御放出製剤は、インプラント、油性注射として、または微粒子系として作製することができる。タンパク質送達系の広範な概観については、Banga, Therapeutic Peptides and Proteins: Formulation, Processing, and Delivery Systems, Technomic Publishing Company, Inc., Lancaster, PA, 1995を参照されたい。微粒子系は、ミクロ球、ミクロ粒子、ミクロカプセル、ナノカプセル、ナノ球、およびナノ粒子を含む。
別法として、化合物は、照射または治療の約90分前まで組織に適用され、治療中および任意選択で治療後に組織上に残存するゲル、ローション、軟膏、またはその他の適切な形態で投与することができる。
照射および/または放射線治療の後に放射線防護剤を投与する場合、同じ投与量および濃度を使用することができる。3回の投与(放射線治療の前、最中、後)を、単独で、または必要なら3回の投与の2つまたはすべての任意の組合せで使用することができる。
少なくとも1種のケトンエステルを含む開示される放射線防護剤は、室温で安定であり、テロリストの核爆弾または原子力発電所の機能不全などの放射線医学事象の場合に使用するために貯蔵することができる。例えば、50〜400ラドの間(両端を含む)の放射線に曝露された対象を、150g/対象/日の1種または複数のケトンエステルを含む開示の放射線防護剤で1〜5日間または必要なら5日間を超えて治療することができる。対象が、経口投与を受け入れる能力がないなら(あまりにもひどく火傷または損傷して)、対象に、D−β−ヒドロキシ酪酸のナトリウム塩などの開示の放射線防護剤を静脈内で投与することができる。
V.(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体の調製方法
本明細書で放射線防護剤として使用される開示の(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体は、参照によりその全体を本明細書に組み込む米国特許出願公開第2006/0280721号中に開示のものを含む、化学技術、酵素技術、遺伝子導入微生物、またはこれらの組合せを使用して生成することができる。一実施形態において、例えばウィスコンシン州ミルウォーキーのAldrichから市販されている天然に存在するポリマーのような、(R)−3−ヒドロキシル酪酸のポリマー(ポリ−(R)−3−ヒドロキシ酪酸)は、Seebachおよび共同研究者らの方法によって熱力学的に好ましい環状三量体(トリオリド)に変換される。そのすべてが参照により本明細書に組み込まれる、Seebach et al., Eur. J. Biochem. 1994, 224, 317-328;Helv. Chim. Acta 1982, 65, 495-503;およびAngew. Chem. Int. Ed. Engl. 1992, 31, 434, 435を参照されたい。
トリオリドは、いくつかの異なる(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体に変換され得る用途の広い中間体である。式1および2に記載のような例示的なエステル誘導体は、トリオリドから、化学的および/または化学酵素的方法によって生成させることができる。化学酵素法の一例では、トリオリドを、(R)−1,3−ブタンジオールの存在下にリパーゼで処理して、下記のスキーム1に示す新規なエステル生成物を得る。
(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体のさらなる作製方法は、(R)−3−ヒドロキシ酪酸の線状オリゴマーをエステル化またはエステル交換すること、および4つ以上の(R)−3−ヒドロキシ酪酸残基を含有する環状(R)−3−ヒドロキシ酪酸オリゴマーをエステル交換することを含む。例えば、規定の長さを有する(R)−3−ヒドロキシ酪酸オリゴマーを、ポリ−(R)−3−ヒドロキシ酪酸の酵素による脱重合によって生成させることができる。具体的には、Wangら(Biomacromolecules 2002, 3, 838-834、この刊行物は参照により本明細書に組み込まれる)は、脱重合を介して(R)−3−ヒドロキシ酪酸二量体を生成させるための条件を報告している。(R)−3−ヒドロキシ酪酸二量体をアルコールでエステル化して、例えば、式5に記載の化合物を得ることができる。
一実施形態において、(R)−3−ヒドロキシ酪酸のポリマー(ポリ−(R)−3−ヒドロキシ酪酸)は、酸で触媒される脱重合を介して(R)−3−ヒドロキシ酪酸および/またはそのオリゴマーに変換される。一態様において、脱重合は、共溶媒として水を含む超臨界二酸化炭素中で実施される。超臨界二酸化炭素と接触している水のpHは、炭酸の形成によりほぼ2.9であり、脱重合反応を加速することができる(Toews, et al. Anal. Chem. 1995, 67, 4040)。任意選択で、超臨界二酸化炭素に酸触媒を添加して、脱重合反応を促進することができる。適切な酸触媒は、当業者にとって公知であり、例えば、4−トルエンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。
酸で触媒される脱重合の別の例では、脱重合反応を促進するのにルイス酸が使用される。例えば、Seebachら(Helv. Chim. Acta 1982, 65, 495-503)は、ポリ−(R)−3−ヒドロキシ酪酸から(R)−3−ヒドロキシ酪酸エチルを生成するための、チタンで触媒されるエステル交換プロトコールを開示している。
別の実施形態において、(R)−3−ヒドロキシ酪酸は、種々の商業的供給元から容易に入手可能なアセト酢酸エチルから調製される。例えば、当業者にとって公知であるように、アセト酢酸エチルを、化学的または酵素的技術を使用して立体特異的に還元して、所望の(R)−3−ヒドロキシ酪酸生成物を得ることができる。同様に、アセト酢酸エチルを、立体特異的還元の前または後にカルボキシレート炭素の部位で還元して、(R)−1,3−ブタンジオールを得ることができる。アセト酢酸エチルなどのβ−ケトエステルを、例えばデヒドロゲナーゼを使用して酵素的に、および当業者にとって周知である種々の触媒を使用して化学的に、立体特異的に還元することができる。例えば、Brown et al. J. Org. Chem. 1989, 54, 1577-1583;およびJ. Org. Chem. 1989, 54, 4504-4511は、このようなβ−ケトエステル化合物のアルキルボラン錯体を使用する立体特異的還元を記載している。ルテニウム錯体触媒を使用するさらなる適切な方法が、Everaere et al. Adv. Synth. Catal. 2003, 345, 67-77で概説されている。BrownおよびEveraereによる刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。アセト酢酸エチルから(R)−3−ヒドロキシ酪酸を酵素的に調製するための触媒系は、後記の実施例の部で説明される。
一実施形態において、(R)−3−ヒドロキシ酪酸のポリマーは、酵素触媒作用を使用することによって、有用な(R)−3−ヒドロキシ酪酸オリゴマーおよびその誘導体に変換される。また、これらの酵素法を使用して、(R)−3−ヒドロキシ酪酸を含有する有用な化合物の中間体を生成することができる。当業者にとって公知であるように、例えば、多数のポリヒドロキシアルカン酸デポリメラーゼ酵素が、種々の細菌で産生され、発現され得る。概説については、Biopolymers. Part 3b, Polyesters,(Steinbuchel and Doi Eds.) pp.41-83. Wiley-VCH, Weinheim中のJendrossek, D. Extracellular PHA Depolymerases-the Key Enzyme of PHA Degradationを参照されたい。Jendrossekの概説は、参照により本明細書に組み込まれる。有用なデポリメラーゼ酵素としては、ポリヒドロキシアルカン酸分解細菌パウシモナス・レモイグネイ(Paucimonas lemoignei)によって産生されるサブグループEC3.1.1.75からのPhaZ1−PhaZ7ファミリーが挙げられ、それを使用して、ポリ−(R)−3−ヒドロキシ酪酸を(R)−3−ヒドロキシ酪酸およびそのオリゴマーに変換することができる。例えば、PhaZ5は、参照により本明細書に組み込まれるBraaz et al. FEMS Microbial. Lett. 2002, 209, 237-241に記載のように、大腸菌(Bacillus subtilis)中での発現を介して産生させることができる。同様に、PhaZ7は、Handrick et al. J. Biol. Chem. 2001, 276, 36215-36224およびBraaz et al. FEMS Microbiol. Lett. 2003, 224, 107-112に記載のように、パウシモナス・レモイグネイから産生させることができ、それを使用して、有用なオリゴマー性(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を生成できる。これらの刊行物の双方とも、参照により本明細書に組み込まれる。脱重合のためのデポリメラーゼおよび条件は、所望される生成物または生成物の混合物に基づいて当業者が選択できる。例えば、本明細書に開示の特定の実施形態では、(R)−3−ヒドロキシ酪酸モノマーの存在を最小化しながら、(R)−3−ヒドロキシ酪酸のオリゴマー、例えば二量体、三量体、四量体、五量体などを生成することが望ましい。例えば、PhaZ7は、(R)−3−ヒドロキシ酪酸五量体に好都合である。他の特定の実施形態では、(R)−3−ヒドロキシ酪酸モノマーが望ましい生成物である。7つ以下の(R)−3−ヒドロキシ酪酸単位を含有するオリゴマーおよびそのエステル誘導体は、経口投与でとりわけ望ましい血中ケトン体濃度をもたらすことが立証された。しかし、(R)−3−ヒドロキシ酪酸の八量体以上のオリゴマーおよびその誘導体も、治療剤および栄養サプリメントとして有用である。
(R)−3−ヒドロキシ酪酸のより大きなオリゴマーの調製方法は、前に考察したような酵素的脱重合技術を使用することができ、あるいは従来の合成化学技術を使用することができる。例えば、オリゴマー性(R)−3−ヒドロキシ酪酸は、参照により本明細書に組み込まれる、Williamsらへの米国特許第5625030号(Williams)で教示されている方法による、(R)−3−ヒドロキシ酪酸の反復エステル化によって調製することができる。このようなオリゴマー性(R)−3−ヒドロキシ酪酸化合物は、Williamsにより開示された方法、および参照により本明細書に組み込まれるHaslam, E. Tetrahedron 1980, 36, 2409-2434中で概説されている方法により、生理学的に適合性のあるアルコールでエステル化され得る。したがって、任意の長さを有する(R)−3−ヒドロキシ酪酸オリゴマーを調製し、それを、明細書に開示の治療用(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を生成させるのに使用することができる。
一例で、(R)−3−ヒドロキシ酪酸オリゴマーは、下記のスキーム2に示すように調製される。スキーム2に関して、(R)−3−t−ブチルジメチルシリルオキシ酪酸誘導体は、参照により本明細書に組み込まれるGreene and Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd ed.;Wiley-Interscience, New York,(1999)に開示の条件下で調製することができる。スキーム2中のステップ1は、保護された(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を、Barlosおよび共同研究者らが教示している(Barlos et al. Tetrahedron Lett. 1989, 30, 3947;同3943、双方とも参照により本明細書に組み込まれる)固体支持体に結び付けることである。ステップ2は、固体支持体に結合された(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体の選択的脱保護である。この反応に適した条件は、GreeneおよびWutsが教示しているフッ化物供給源を使用することを含み、この反応のための例示的試薬が、ウィスコンシン州ミルウォーキーのAldrichから市販されているTAS−Fである(参照により本明細書に組み込まれるRoush et al. J. Org. Chem. 1998, 63, 6436参照)。スキーム2のステップ2を完遂するのに適したその他の試薬は、その他のフッ化物供給源を含め、合成化学の分野の業者にとって周知である。ステップ3に関し、2番目の(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体が、縮合反応によって導入される。この縮合に適した条件は、カルボジイミド試薬、例えば、触媒量のジメチルアミノピリジン(DMAP)と組み合わせてもよいジイソプロピルカルボジイミド(DIC)またはジシクロヘキシルカルボジイミドを使用することを含む。ステップ3に適したさらなる反応条件は、Williamsの特許中に開示されている。任意選択で、ステップ2および3を、任意の回数繰り返して、所望の長さの(R)−3−ヒドロキシ酪酸オリゴマーを提供することができる。ステップ4の開裂は、固体支持体に結合された(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を、酸、典型的には酢酸などの弱酸で処理することを含む。具体的条件は、固体支持体を、酢酸、トリフルオロエタノール、ジクロロメタンの混合物(比率=2:2:6)で、室温でほぼ2時間処理することを含む。
スキーム2で準備された1または複数当量の生成物を生理学的に適合性のあるアルコールでエステル化することができる。例えば、アルコールが多価アルコールであるなら、反応の化学量論は、アルコールの各ヒドロキシ基が、二量体性(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体でエステル化されるように選択することができる。本明細書に記載のように生成された規定のオリゴマー性(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体のエステル化を、参照により本明細書に組み込まれるMartinらへの米国特許出願第09/359086号によって教示されているようにエステル化することができる。さらに、多数の適切なエステル化条件が、Williamsの特許によって開示されており、その他の条件も、当業者にとって周知である。GreeneおよびWutsが開示している条件を使用して、生じたエステル化合物からシリル基を除去すると、所望の(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体が得られる。
2つ以上の(R)−3−ヒドロキシ酪酸残基を含有するオリゴマーを調製するための別の化学的方法は、出発原料として(R)−3−ヒドロキシ酪酸を使用する。例えば、Seebachおよび共同研究者らは、3−ヒドロキシ酪酸の対応する酸クロリド誘導体を使用して、溶液中で3−ヒドロキシ酪酸オリゴマーを組み立てることを記載している(参照により本明細書に組み込まれるSeebach et al. Helv. Chim. Acta 1988, 71, 155-167)。酸クロリドは、3−ヒドロキシ酪酸オリゴマーから形成することもできる。例えば、Seebachらの方法により、前記スキーム2により調製された二量体化合物の酸クロリドを調製することができる。対応する酸クロリドを、生理学的に適合性のあるアルコールと反応させて、脱保護の後に、新規な例示的(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体が得られる。
(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を調製するための種々のアルコールは、生理学的に適合性のある所望のアルコールを提供する任意の方法で生成させることができる。例示的なアルコールである(R)−1,3−ブタンジオールは、(R)−3−ヒドロキシ酪酸から、カルボン酸部分の還元により生成させることができる。カルボン酸基を還元するための試薬および方法は、参照により本明細書に組み込まれるR.C. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH publishers, 1989, pp. 432-434中に見出される。この経路は、(R)−3−ヒドロキシ酪酸がいくつかの供給元から単一のエナンチオマーとして容易に入手可能であるので、とりわけ好都合である。例えば、(R)−3−ヒドロキシ酪酸は、その天然に存在するポリマーの酵素的脱重合により生成させることができる。例示的方法に関しては、その双方とも参照により本明細書に組み込まれるShang et al. Appli. Environ. Microbiol. 1994, 60, 1198-1205、およびLeeらへの米国特許第6472188号を参照されたい。脱重合法のための出発原料であるポリ−(R)−3−ヒドロキシ酪酸は、その実施例がDennisへの米国特許第5569595号およびAquinへの同第6492134号で教示されている、いくつかの方法のいずれかによって生成させることができる。
別の例で、リパーゼ触媒を用い、(R)−1,3−ブタンジオールをトリオリド化合物でエステル化すると、後記のスキーム3により新規なビス−エステル化ジオールが得られる。スキーム1およびスキーム3の反応経路は、当業者にとって公知であるように、異なるリパーゼ酵素を使用すること、および/または試薬濃度および化学量論などの反応条件を変更することによって選択できる。
典型的には、リパーゼは、水性溶媒中でそれらの通例的反応であるエステル結合の加水分解を遂行する。しかし、水が実質上排除された有機溶媒中で、リパーゼは、エステル化反応を効率的に触媒することができる。これらの酵素は、広範な種類の基質をエステル化するのに使用することができ、エステル交換反応を触媒することもできる。残念ながら、有機溶媒の使用は、特に医薬および食品産業での応用でいくつかの欠点を有する。例えば、有機溶媒は、高価であり、かつしばしば可燃性である。さらに、多くの有機溶媒は毒性があり、それゆえ医薬および栄養製品における有機溶媒汚染は、深刻な問題であり得る。したがって、医薬および栄養製品は、さらなる複雑性および費用を持ち込む溶媒汚染のないことが望ましい。
ケトン体の代謝前駆体、例えば(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を使用する以前の試みは、また、このような誘導体を調製するのに使用される方法のために、部分的には不成功に終わった。(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を調製するための現在の方法も、製品の高いコストおよびその方法に内在する製品汚染の持ち込みのため、これらの化合物の使用を制約する。例えば、有機溶媒を使用するこのような誘導体の調製は、費用がかさみ、かつ製品を毒性のある溶媒残留物で汚染することがある。
(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を作製するための一実施形態は、有機溶媒を使用することの欠点を、反応媒体として超臨界流体、特に超臨界二酸化炭素を使用することによって克服する。超臨界流体は、定義により、該流体の臨界温度および臨界圧力以上の温度および圧力で存在する。二酸化炭素の臨界圧力は約7,370キロパスカル(kPa)であり、臨界温度は摂氏約31度(℃)であり、それゆえ、二酸化炭素を使用する超臨界応用は、典型的には、約32℃から49℃の間の温度および約7,370から24,000kPaの間の圧力で操業する。超臨界溶媒、特に超臨界二酸化炭素は、通常の有機溶媒に優る多くの利点を提供する。例えば、二酸化炭素は、環境に優しい反応媒体である。超臨界流体中で酵素反応を実施するための例示的な方法は、参照により本明細書に組み込まれるKaoらへの米国特許第5783627号によって開示されている。通常の有機溶媒と異なり、二酸化炭素を、汚染性残留物を残すことなく、簡単に蒸発させることができる。したがって、二酸化炭素の使用は、廃棄と精製の双方のプロトコールを単純化する。
特定の例で、反応媒体は、超臨界二酸化炭素および補助溶媒を含むことができる。補助溶媒は、水および/または1種もしくは複数の有機補助溶媒を含むことができる。有機補助触媒の種類には、極性および非極性補助溶媒が包含される。極性有機補助溶媒の例には、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトンなどが含まれる。適切な非極性補助溶媒の例には、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンなどが含まれる。
本明細書に開示の(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を調製するための酵素的および非酵素的双方の方法は、超臨界二酸化炭素中で実施することができる。しかし、超臨界二酸化炭素は、約4から約5の間のpHを有する。この酸性pHは、一部のタンパク質を変性し、それによってそれらの触媒活性を無効にする。したがって、(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を作製するための方法の一態様において、架橋化酵素結晶(CLEC)リパーゼなどの安定化リパーゼが使用される。このような安定化リパーゼを作製および使用するための方法の例は、その双方とも参照により本明細書に組み込まれるNaviaらへの米国特許第5618710号およびDeSimoneらへの同第6211422号中に開示されている。
別の態様において、溶媒系中に緩衝剤を組み込むことによって、pHに敏感なリパーゼをそれらの有効pH範囲内で使用することができる。特定のpH範囲のための緩衝剤系の例は、その双方とも参照により本明細書に組み込まれるEllisおよびMorrison(Methods Enzymol. 1982, 87, 405)により、およびMcLellan(Anal. Biochem. 1982, 126, 94)により与えられている。所与のpH範囲のためのさらなる適切な緩衝剤は、当業者にとって公知である。
(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を調製するのに適したリパーゼは、所望される誘導体に基づいて選択することができる。例えば、リパーゼを、所望の反応を触媒するその能力について、後記の実施例1に記載のプロトコールによりスクリーニングすることができる。最適な触媒を決定するためのスクリーニングに適したリパーゼは、WhitesidesおよびWong(1994, Enzymes in Synthetic Organic Chemistry, Elsevier, Oxford)、Grossら(Chem. Rev. 2001, 101, 2097-2124)、およびMichorら(Biotechnology Letters 1996, 18, 79-84)によって開示されており、これらの参考文献は参照により本明細書に組み込まれる。適切なリパーゼの供給元は、リパーゼのスクリーニングセットを「CHIRAZYME」の商品名で販売しているカリホルニア州PasadenaのBiocatalytics, Inc.である。ブタ膵臓リパーゼ(PPL)、シュードモナス・セパシア(P. cepacia)からのリパーゼ(リパーゼPC)、およびシュードモナス種(Pseudomonas sp.)のリパーゼ(PSL)が、(R)−3−ヒドロキシ酪酸エステルを調製するのに特に有用なリパーゼであると、現在のところ考えられる。
固定化リパーゼは、(R)−3−ヒドロキシ酪酸エステルを調製するのに有用である。固定化リパーゼは、効率、触媒回転率、および製品精製の容易さに関して利点を提供する。リパーゼは、任意の基体上に固定化することができ、典型的な例には、ガラスまたは金の表面、ポリマービーズ、シリカ、セライトなどが含まれる。参照により本明細書に組み込まれるReetzらへの米国特許第6080402号、およびWuらへの同第6398707号には、有用なリパーゼ固定化技術が記載されている。
他の実施形態では、微生物によって、本明細書に開示の(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体を産生させることができるか、あるいは該誘導体のための中間体を産生させることができる。例えば、一実施形態において、式1および2に記載の化合物を産生させるための出発原料としてポリ−(R)−3−ヒドロキシ酪酸を使用する。ポリ−(R)−3−ヒドロキシ酪酸を産生させる責任のある遺伝子をクローン化し、発現させ、この原料を、種々の条件下でいくつかの異なる微生物中で産生させることができる。参照により本明細書に組み込まれるRhie and Dennis, Appl. Environ. Microbiol. 1995, 61, 2487-2492を参照されたい。ポリ−(R)−3−ヒドロキシ酪酸を、化学法、酵素法、およびこれらの組合せによって、本明細書に開示の治療用化合物に変換することができる。別の実施形態において、ポリ−(R)−3−ヒドロキシ酪酸誘導体は、全面的に微生物中で産生される。
VI.治療での使用
診断および治療のための核医学における放射性核種の使用の増加、ならびに環境中の人工および天然に存在する放射能の存在は、放射線曝露の前、最中、および後に細胞、組織および生物体を防護するための放射線防護剤に対する必要性を際立たせる。本明細書に記載の放射線防護剤は、さもなければ致死的である放射線曝露条件下で生存生物体の生き残りを可能にし、かつ非致死的レベルの放射線への曝露に由来する細胞および組織傷害の低減を提供する。
放射線曝露の前、最中、および/または後に投与された本明細書に記載の新たに同定された放射線防護剤は、核爆発、放射性材料の漏洩、放射性材料への接近などに由来するような環境電離放射線への曝露によって引き起こされる細胞への有害作用の重症度を排除または低減することができる。該薬剤は、また、がん療法に使用される治療用放射線に曝露される正常組織の劇的な防護を提供する。
本発明は、細胞および生存生物体を細胞への有害作用から、これらの効果を予防または排除することによって、あるいはそれらの重症度を低減することによって防護する方法を提供する。本発明によれば、防護されるべき生存生物体を、その細胞が放射線へ曝露される前、後、または最中にケトン体を増加させる薬剤に曝すことができる。細胞は、開示の放射線防護剤の溶液を細胞に塗布すること、または記載の放射線防護剤を哺乳動物に投与することなどによって、放射線防護剤で直接的に処置することができる。したがって、本発明の化合物は、細胞および生存生物体において防護効果を提供し、さもなければ曝露によって引き起こされる細胞への有害な効果の重症度を排除または低減することができる。
組織、皮膚または毛嚢のいずれかまたはすべてを、本発明により局所的に治療または防護することができる。
放射線傷害を予防または治療するための放射線防護剤
本開示の放射線防護剤は、宇宙飛行士、パイロット、その他の飛行職員、および頻繁に航空機を利用する者が経験する太陽輻射への曝露に由来する傷害を最小化または予防するのに使用することができる。放射線防護剤は、また、原子力発電施設、食品照射のための施設を含むその他の放射線発生施設に由来する、あるいは放射線または放射性同位体を放出する原爆またはその他のデバイスの爆発の結果としての、偶発的放射線曝露から防護するのに利用することができる。また、それらの防護剤は、このような放射線事故または廃棄施設の浄化に関わる職員に防護を付与するために使用することができる。本発明の放射線防護剤は、また、吸入または摂取される放射性核種の毒性効果を低減すること、および非電離性の放射線である携帯電話などの電子デバイスによって生じる放射線、およびマイクロ波に由来する毒性を低減することにおいても有益である。
また、狭窄血管の拡張、血管吻合の再開通などの急速に発達しつつある放射線介入処置は、放射線防護剤の使用から利益を得るであろう。
さらに、放射線を利用する療法および診断検査は、子宮中の胎児を害することを回避するために、妊娠した女性、妊娠している可能性のある女性、および妊娠する能力のある女性に許可されない。このことが、これらの女性にとって必要な治療または診断をしばしば排除することがある。したがって、毒性がなくかつ高度に有効である放射線防護剤を、このような女性に投与し、その結果、前記の女性および存在するかもしれない胎児に対して、任意の通常の機械的な放射線遮蔽デバイスを超える防護を付与することができる。このことは、また、幼児を世話するそれらの女性に対してあるレベルの安全性を提供することができる。
放射線療法を強化するための放射線防護剤
さらに、本明細書に記載の放射線防護剤は、がんの放射線療法の最中に、がん細胞ではない正常細胞の選択的防護を提供すると考えられる。例えば、放射線療法の前または最中にがん患者に投与されたこれらの薬剤は、がん性細胞を破壊するための放射線治療を可能にしながら、正常な非がん細胞に対する防護を提供する。したがって、放射線防護剤は、腫瘍細胞に比較して正常細胞に対して選択的な防護効果を提供し、正常な細胞および組織に対する放射線療法の有害またはその他の不利益な副作用の重症度を排除または低減する。
したがって、放射線防護剤は、がんの放射線療法および放射線を利用する診断検査によって引き起こされる正常細胞における細胞への有害作用の重症度を排除または低減する上で有用である。
例えば、放射線を使用する悪性腫瘍の治療は、非腫瘍細胞に対する傷害のため、制約されることが多い。非腫瘍細胞に対する傷害は、放射線療法の有効性を危うくする。がんの放射線療法のための放射線線量を確立する上での主な考慮事項は、最も放射線感受性のある正常組織または治療野中の臓器の耐容性を評価することである。この評価は、腫瘍を根絶するのに必要な予想放射線線量と一緒になって、治療戦略の実行可能性、および治癒または軽減のどちらを試みるべきかを決定する。しばしば、最大耐容線量は、腫瘍を根絶するのに不十分である。したがって、本明細書で提供されるような放射線防護剤の使用は、耐容線量を、それゆえ腫瘍根絶およびがん治療の見込みを大きく増大させる。
より詳細には、本明細書では、哺乳動物の非がんまたは正常細胞を、電離放射線に対する哺乳動物の曝露によって引き起こされる細胞に対する有害作用から防護する方法が提供される。本明細書に記載の放射線防護剤は、放射線療法、またはX線およびCAT走査などの診断処置中などの放射線への意図的曝露中の、正常細胞の防護を提供する。がん細胞は、たとえ防護されるとしても、正常細胞に比べてより少ない程度まで防護されるべきであると考えられる。インビトロでは中程度の防護であるにもかかわらず、インビボで、がん細胞は放射線に対してより大きな感受性を示し、放射線療法によってより大きな腫瘍剥離をもたらす。したがって、本発明者らは、放射線への哺乳動物の曝露によって引き起こされる、非がん細胞に対して有害な細胞効果を、排除または重症度もしくは程度を低減する方法を提供する。
VII.併用療法
放射線によって引き起こされる即時的傷害は、細胞内部での高反応性フリーラジカル、例えば、ヒドロキシル、ペルオキシド、およびカーボネートラジカルの形成によって仲介される。これらのラジカルは、DNAなどの感受性巨大分子と急速に反応して、永続的細胞傷害および最終的細胞死を引き起こす。化学的な放射線防護剤は、反応性ラジカルを直接的に中和することによって、この即時的傷害を制限する。曝露される対象中に組み入れられた放射線防護剤は、この即時的化学傷害には向けられないが、自殺応答の引き金を引くことなしに、細胞が即時的傷害を修復することを可能にする。したがって、本発明の実施形態と、フリーラジカルを直接的に捕捉することによって作用するチオールなどの化学的防護剤との組合せは、有用であろう。このような組合せは、事前の放射線曝露警報が可能である場合に特に有用であるが、化学的放射線防護剤の効果がより少ない曝露後では利点がより少ない可能性がある。
これまでの開示を、以下の非限定的実施例によりさらに説明する。
この実施例は、ケトン体が、電離放射線によって引き起こされる傷害から組織をどれほど防護するかを立証する。
培養細胞の研究で使用される方法は、Miller A.C. et al., Int. J. of Radiation Biol. 1997, 72: 211-18中で以前に報告されたものと同様とした。使用されるエステル組成物は、(R)−1,3−ブタンジオールの1位でエナンチオマーとして富化された(R)−1,3−ブタンジオールのモノ(R)−3−ヒドロキシ酪酸エステルとした。
本明細書に記載の(R)−3−ヒドロキシ酪酸の(R)−1,3−ブタンジオールエステルと共に、および該エステルなしでγ線に曝露された培養骨芽細胞を使用して研究を実施し、放射線傷害に対するケトンエステルの効果を判定した。図1は、ケトンエステルによる細胞の放射線防護を示す一対のグラフであり、ここでは、ヒト培養骨芽細胞を、50Coγ線(0.6Gy/分)の照射前または後にケトンエステルで処置した。図2は、ケトンエステルによる染色体防護を示す。図3は、ケトン投与後の陽子線に対する防護を示す一対のグラフであり、ここで、ヒト培養骨芽細胞を、陽子線(4MeV)の照射前または後にケトンエステルで処置した。図4は、pH7でのケトンエステルの安定性を示すグラフである。図5は、ケトンエステルの血中代謝産物レベルを示すグラフである。提示したデータは、放射線照射後のケトンエステルの投与も、細胞の救助を増大させることを示す。したがって、本研究は、放射線への曝露の前または後のどちらかに投与されたケトンまたはケトン生成物質が、放射線傷害の劇的な減少をもたらすことを指摘している。特定の理論に拘泥するものではないが、ヒストンアセチラーゼ酵素(HAT)によるアセチル化を完遂するのに必須の本質的代謝産物であるアセチルCoAの細胞内含有量を増加させるケトンの代謝が、ことによると照射後救済に関与していると考えられる。
本発明者らの発明の原理を適用できる多くの可能な実施形態を考慮して、示した実施形態は、本発明の単なる例であり、本発明の範囲に対する限定と考えるべきでないことを理解されたい。むしろ、本発明の範囲は、次の特許請求の範囲によって規定される。したがって、本発明者らは、本発明者らの発明として、これらの請求の範囲および精神に包含されるすべてを請求する。

Claims (26)

  1. 少なくとも1種のケトンエステルを含む治療有効量の薬剤と組織を接触させ、それによって前記組織を放射線傷害から防護することを含む、放射線曝露によって引き起こされる傷害から動物組織を防護する方法。
  2. 少なくとも1種のケトンエステルを含む治療有効量の薬剤と職員の組織を接触させることを含む、放射性物質または電離放射線に曝露される職員を防護する方法として使用される、請求項1に記載の方法。
  3. 接触させることが、放射線への曝露の前、最中または後の少なくとも1つで実施される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 接触させることが、薬剤を必要とする対象に、放射線への曝露前の2週間以内、放射線曝露の最中、および/または放射線曝露後の2週間以内に前記薬剤を投与することを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 接触させることが、必要とする対象に、放射線曝露前の2週間以内に薬剤を投与することを含む、請求項3に記載の方法。
  6. 接触させることが、必要とする対象に、放射線曝露前の4日以内、放射線曝露の最中、および/または放射線曝露後の約1日以内に薬剤を投与することを含む、請求項3に記載の方法。
  7. 放射線が、急性または慢性線量の電離または非電離放射線を含む、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 電離放射線が、核分裂または核融合に由来する、請求項7に記載の方法。
  9. 電離放射線が、X線を含む、請求項7に記載の方法。
  10. 電離放射線が、放射性核種を含む、請求項7に記載の方法。
  11. 放射線療法の前に、少なくとも1種のケトンエステルを含む治療有効量の薬剤と対象の組織を接触させることを含む、対象における放射線療法のための治療ウィンドウを高める方法として使用される、請求項1に記載の方法。
  12. 放射線曝露が、診断用X線、放射線療法、CAT走査、マンモグラム、放射性核種走査、またはCTもしくは蛍光透視法ガイダンスの下での放射線医学的介入処置を含む、請求項1または11に記載の方法。
  13. 放射線曝露が、汚染された食品もしくは水の摂取により組織に組み込まれた放射性核種、核兵器に由来する電離放射線への非医療的もしくは非意図的曝露、放射性漏洩物への非医療的もしくは非意図的曝露、宇宙線、および/または宇宙飛行に付随する放射線曝露を含む、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 少なくとも1種のケトンエステルが、(R)−3−ヒドロキシ酪酸エステルである、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
  15. 少なくとも1種のケトンエステルが、式:
    (式中、nおよびmは1以上である)の(R)−1,3−ブタンジオールエステルである、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
  16. R−3−ヒドロキシ酪酸エステルが、式:
    (式中、nは1以上である)である、請求項14に記載の方法。
  17. nが3である、請求項16に記載の方法。
  18. 薬剤が、局所、頬側、眼内、経口、皮下、筋内、静脈内、動脈内、経皮、鼻腔内、直腸、腹膜、または吸入で投与される、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  19. 化合物を投与することが、血中ケトン体濃度を0.1mMから20mMの間まで高める、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
  20. 化合物を投与することが、血中ケトン体濃度を0.2mMから10mMの間まで高める、請求項19に記載の方法。
  21. 化合物を投与することが、血中ケトン体濃度を2mMから8mMの間まで高める、請求項19に記載の方法。
  22. 投与することが、約5g〜約70gの化合物を投与することを含む、請求項18に記載の方法。
  23. 投与することが、対象の体重1kg当たり約70mg〜約5gを投与することを含む、請求項18に記載の方法。
  24. 投与することが、対象の体重1kg当たり約1g〜約4gを投与することを含む、請求項18に記載の方法。
  25. 投与することが、対象に1日当たり130g〜約170gを投与することを含む、請求項18に記載の方法。
  26. 投与することが、対象に1日当たり150gを投与することを含む、請求項25に記載の方法。
JP2015541856A 2012-11-05 2013-11-05 電離放射線による傷害から組織を防護するためのケトン体 Active JP6883384B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261722630P 2012-11-05 2012-11-05
US61/722,630 2012-11-05
PCT/US2013/068545 WO2014071389A1 (en) 2012-11-05 2013-11-05 Ketone bodies to protect tissues from damage by ionizing radiation

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019148611A Division JP7186677B2 (ja) 2012-11-05 2019-08-13 電離放射線による傷害から組織を防護するためのケトン体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015536984A true JP2015536984A (ja) 2015-12-24
JP2015536984A5 JP2015536984A5 (ja) 2016-12-28
JP6883384B2 JP6883384B2 (ja) 2021-06-09

Family

ID=49585663

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015541856A Active JP6883384B2 (ja) 2012-11-05 2013-11-05 電離放射線による傷害から組織を防護するためのケトン体
JP2019148611A Active JP7186677B2 (ja) 2012-11-05 2019-08-13 電離放射線による傷害から組織を防護するためのケトン体

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019148611A Active JP7186677B2 (ja) 2012-11-05 2019-08-13 電離放射線による傷害から組織を防護するためのケトン体

Country Status (8)

Country Link
US (3) US9579302B2 (ja)
EP (2) EP3659595A1 (ja)
JP (2) JP6883384B2 (ja)
AU (1) AU2013337308B2 (ja)
CA (1) CA2922223C (ja)
DK (1) DK2914251T3 (ja)
ES (1) ES2752030T3 (ja)
WO (1) WO2014071389A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1648952B1 (en) 2003-06-03 2018-03-07 THE UNITED STATES GOVERNMENT as represented by THE DEPARTMENT OF HEALTH AND HUMAN SERVICES Nutritional supplements and therapeutic compositions comprising (r)-3-hydroxybutyrate derivatives
CN101969769A (zh) 2008-01-04 2011-02-09 伊希斯创新有限公司 用作降低血脂药剂的酮体和酮体酯
US8642654B2 (en) 2009-04-16 2014-02-04 Isis Innovation Limited Hydroxybutyrate ester and medical use thereof
GB201002983D0 (en) 2010-02-22 2010-04-07 Tdeltas Ltd Nutritinal composition
AU2013337308B2 (en) 2012-11-05 2018-06-21 Tdeltas Ketone bodies to protect tissues from damage by ionizing radiation
GB201304467D0 (en) * 2013-03-12 2013-04-24 Tdeltas Ltd Compound for use in protecting skin
SG11201507685UA (en) 2013-03-14 2015-10-29 Isis Innovation Process for producing (r)-3-hydroxybutyl (r)-3-hydroxybutyrate
US20180057846A1 (en) 2016-08-30 2018-03-01 KetoneAid Inc. Partially buffered free acid and/or ketone blend for rapid onset ketosis and metabolic therapy
US20180177753A1 (en) 2016-12-23 2018-06-28 Neuroenergy Ventures, Inc. Glyceryl 3-hydroxybutyrates for migraine symptom management
US9925164B1 (en) 2017-01-12 2018-03-27 Neuroenergy Ventures, Inc. Glyceryl 3-hydroxybutyrates for traumatic brain injury
US11760963B2 (en) 2017-08-23 2023-09-19 KetoneAid Inc. Ketogenic beer and alcoholic beverage mixture containing non-racemic ethyl 3-hydroxybutyrate and/or 1,3 butanediol
WO2019147503A1 (en) * 2018-01-25 2019-08-01 Buck Institute For Research On Aging Synthesis of 3-hydroxybutyryl 3-hydroxybutyrate and related compounds
AU2019239096A1 (en) * 2018-03-23 2020-08-27 Concert Pharmaceuticals, Inc. Deuterated analogs of D-beta-hydroxybutyric acid and uses thereof
US11266617B2 (en) 2018-10-16 2022-03-08 Massachusetts Institute Of Technology Beta-hydroxybutyrate encapsulated PLGA nanoparticle compositions
CN112546037A (zh) * 2020-12-08 2021-03-26 苏州大学 卡巴拉汀在制备抗辐射药中的应用
CN112826814A (zh) * 2020-12-22 2021-05-25 中山大学附属第六医院 3-羟基丁酸或其衍生物或可产生该物质的细菌组合物在治疗放射性肠损伤上的应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060280721A1 (en) * 2003-06-03 2006-12-14 The Gov Of Usa Represented By Secretary Of Dpt Of Nutritional supplements and therapeutic compositions comprising (r)-3- hydroxybutyrate derivatives
JP2012500264A (ja) * 2008-08-21 2012-01-05 アイシス イノヴェイション リミテッド ヒドロキシ酪酸エステル及びその医学的使用
WO2014139599A1 (en) * 2013-03-12 2014-09-18 Tdeltas Limited Compound for use in protecting skin

Family Cites Families (116)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS509185B1 (ja) 1971-03-03 1975-04-10
BE795162A (fr) 1972-02-10 1973-08-08 Philips Nv Injektie-inrichting
SU507322A1 (ru) 1973-07-26 1976-03-25 Московский Научно-Исследовательский Институт Косметологии Регул тор гормонального обмена кожи
US3984566A (en) 1974-02-25 1976-10-05 Scott Eugene J Van Method of alleviating the symptoms of dandruff
IT1051853B (it) 1975-01-07 1981-05-20 Basf Ag Butandiol 1.3 3 mono 3 idros sibutirrati butandiol 1.3 1mono 3 idrossibutirrati e processi per la loro preparazione
US4380549A (en) 1975-07-23 1983-04-19 Scott Eugene J Van Topical treatment of dry skin
JPS54138126A (en) 1978-04-17 1979-10-26 Ajinomoto Co Inc Remedy for diabetes
FR2521857B1 (fr) 1982-02-23 1985-10-31 Solvay Compositions pharmaceutiques contenant de l'acide 3-hydroxybutanoique ou un sel derive de cet acide et sels derives de l'acide 3-hydroxybutanoique et d'une base organique azotee
US4678461A (en) 1984-11-01 1987-07-07 Survival Technology, Inc. Automatic injector with improved glass container protector
WO1987003806A1 (en) 1985-12-18 1987-07-02 Veech Richard L Parenteral nutrition therapy with amino acids
JPH0755158B2 (ja) 1986-10-30 1995-06-14 チッソ株式会社 光学活性エステルの製造法
US4916074A (en) 1986-10-30 1990-04-10 Chisso Corporation Process for producing optically active compounds
JP2579779B2 (ja) 1987-10-08 1997-02-12 日本車輌製造株式会社 飼料の製造法
BE1001209A3 (fr) 1987-11-19 1989-08-22 Solvay Compositions pharmaceutiques contenant un derive de l'acide 3-hydroxybutanoique choisi parmi les oligomeres de cet acide et les esters de cet acide ou de ces oligomeres avec du 1,3-butanediol.
US5126373A (en) 1987-11-19 1992-06-30 Henri Brunengraber Composition for parenteral and oral nutrition
US4997976A (en) 1988-11-15 1991-03-05 Henri Brunengraber Use of 1,3-butanediol acetoacetate in parenteral oral nutrition
US4894054A (en) 1988-06-20 1990-01-16 Miskinyar Shir A Preloaded automatic disposable syringe
US5102393A (en) 1989-07-17 1992-04-07 Survival Technology, Inc. Autoinjector converted from intramuscular to subcutaneous mode of injection
JPH0383950A (ja) 1989-08-28 1991-04-09 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd グリセリド誘導体およびその製造法
US5092843A (en) 1990-04-12 1992-03-03 Survival Technology, Inc. Dispersion multichamber auto-injector
US5618710A (en) 1990-08-03 1997-04-08 Vertex Pharmaceuticals, Inc. Crosslinked enzyme crystals
JP2873497B2 (ja) 1990-09-03 1999-03-24 理化学研究所 脂質代謝調節剤
GB9111600D0 (en) 1991-05-30 1991-07-24 Owen Mumford Ltd Improvements relating to injection devices
US5569595A (en) 1991-09-27 1996-10-29 Center For Innovative Technology Production of poly-β-hydroxybutyrate in prokaryotic host cells
EP0537113A1 (en) 1991-10-10 1993-04-14 SANDOZ NUTRITION Ltd. Energy supplementary food
JP2884123B2 (ja) 1992-01-17 1999-04-19 高砂香料工業株式会社 生分解性光学活性ポリマー、その中間体オリゴマー、およびそれらの製造方法
US5654266A (en) 1992-02-10 1997-08-05 Chen; Chung-Ho Composition for tissues to sustain viability and biological functions in surgery and storage
US5281691A (en) 1992-06-19 1994-01-25 Eastman Kodak Company Poly(3-hydroxyalkanoates)
JP2885261B2 (ja) 1993-05-17 1999-04-19 三菱瓦斯化学株式会社 3−ヒドロキシ酪酸のオリゴマー及びその塩からなる輸液製剤
US5540664A (en) 1993-05-27 1996-07-30 Washington Biotech Corporation Reloadable automatic or manual emergency injection system
US5468507A (en) 1993-07-13 1995-11-21 Czap; Al F. Composition containing a desired flavoring agent and medium chain triglycerides
JP3193542B2 (ja) 1993-09-08 2001-07-30 カネボウ株式会社 皮膚老化防止化粧料
WO1995009144A1 (en) 1993-09-30 1995-04-06 Eastman Chemical Company Nutritive water soluble glycerol esters of hydroxy butyric acid
US5420335A (en) 1993-09-30 1995-05-30 Birkhahn; Ronald H. Parenteral nutrients based on watersoluble glycerol bisacetoacetates
US5354286A (en) 1993-12-07 1994-10-11 Survival Technology, Inc. Injection device having polyparaxylylene coated container
AU1560095A (en) 1994-01-06 1995-08-01 Metabolix, Inc. Methods for synthesizing oligomers containing hydroxy acid units
DE4408152A1 (de) 1994-03-11 1995-09-14 Studiengesellschaft Kohle Mbh Immobilisierte Lipasen in hydrophoben Sol-Gel-Materialien
AU1994295A (en) 1994-05-16 1995-12-05 Washington Biotech Corporation Modular automatic or manual emergency medicine injection system
GB9412301D0 (en) 1994-06-17 1994-08-10 Safe T Ltd Hollow-needle drugs etc applicators
DE4427492A1 (de) 1994-08-03 1996-02-08 Boehringer Mannheim Gmbh Verfahren zur Analyse einer medizinischen Probe unter Vermeidung von Störbeiträgen aufgrund von Hämolyse
DE59508729D1 (de) 1994-08-10 2000-10-26 Peter Neuenschwander Biokompatibles Blockcopolymer
JPH08191664A (ja) 1995-01-12 1996-07-30 Yoshihide Hagiwara 新規コーヒー抽出物の製造法
US6306828B1 (en) 1995-04-06 2001-10-23 Baxter International, Inc. Enantiomerically-enhanced nutritional energy substrates
US5567160A (en) 1995-10-26 1996-10-22 Survival Technology, Inc. Autoinjector training device
JP4598203B2 (ja) 1995-12-01 2010-12-15 ビーティージー・インターナショナル・リミテッド 脳機能改善剤
US6126953A (en) 1996-08-19 2000-10-03 The Procter & Gamble Company Fragrance delivery systems for personal care articles
US5783627A (en) 1996-09-09 1998-07-21 University Of Massachusetts Dense gas-compatible enzymes
JPH10175855A (ja) 1996-10-16 1998-06-30 Taisho Pharmaceut Co Ltd 肉体疲労改善剤
US6316038B1 (en) 1997-03-17 2001-11-13 Btg International Limited Therapeutic compositions
US20090253781A1 (en) 2002-05-24 2009-10-08 Btg International Limited Therapeutic compositions
RU2224510C2 (ru) 1997-03-17 2004-02-27 Би Ти Джи Интернэшнл Лимитед Терапевтические композиции
US6323237B1 (en) 1997-03-17 2001-11-27 Btg International Limited Therapeutic compositions
JPH10265378A (ja) 1997-03-25 1998-10-06 Ofutekusu:Kk 角膜上皮損傷治療剤
US6232346B1 (en) 1997-03-27 2001-05-15 Michael J. Sole Composition for improvement of cellular nutrition and mitochondrial energetics
JP3869071B2 (ja) 1997-05-14 2007-01-17 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 甘味食品
EP1019044B1 (en) 1997-05-15 2007-04-11 University of Washington Composition and methods for treating alzheimer's disease and other amyloidoses
US6149626A (en) 1997-10-03 2000-11-21 Bachynsky; Nicholas Automatic injecting syringe apparatus
IE970782A1 (en) 1997-10-22 1999-05-05 Elan Corp An improved automatic syringe
US6727258B2 (en) 1997-10-29 2004-04-27 King Pharmaceutical Research & Development, Inc. Allosteric adenosine receptor modulators
GB9723590D0 (en) 1997-11-08 1998-01-07 Glaxo Group Ltd Chemical compounds
KR100250830B1 (ko) 1997-12-09 2000-04-01 성재갑 자가분해에 의해 폴리하이드록시알킨산으로부터 광학활성을 가진 단량체 하이드록시카르복실산의 제조방법
MXPA01000632A (es) 1998-07-22 2002-05-06 Metabolix Inc Usos nutricionales y terapeuticos de oligomeros 3-hidroxialcanoato.
ES2143431B1 (es) 1998-09-02 2001-02-01 Carballo Jose Maria Pousada Sistema de localizacion e identificacion de terminales moviles en recintos cerrados.
CA2339941A1 (en) 1998-09-15 2000-03-23 Btg International Limited Use of cyclic esters of r-3-hydroxybutyrate for treatment of metabolic and neural degenerative disorders
ATE300618T1 (de) 1999-03-15 2005-08-15 Univ Laval Methode zur herstellung von polyhydroxyalkanoaten in rekombinanten organismen
US6211422B1 (en) 1999-07-13 2001-04-03 North Carolina State University Enzyme catalysis in carbon dioxide fluids
AU6988100A (en) 1999-08-20 2001-03-19 Unilever Plc A method for reducing skin irritation and sting from weak carboxylic acid
DE60135439D1 (de) 2000-01-14 2008-10-02 Serono Genetics Inst Sa Obg3 globularekopf und seine verwendungen zur reduzierung des körpersgewichtes
US20070179197A1 (en) 2000-05-01 2007-08-02 Accera, Inc. Compositions and methods for improving or preserving brain function
US20020006959A1 (en) 2000-05-01 2002-01-17 Henderson Samuel T. Use of medium chain triglycerides for the treatment and prevention of Alzheimer's Disease and other diseases resulting from reduced Neuronal Metabolism
EP1301551A2 (en) 2000-07-14 2003-04-16 Metabolix, Inc. Polyurethanes obtained from hydroxyalkanoates and isocyanates
US6970737B1 (en) 2000-09-13 2005-11-29 Ge Medical Systems Information Technologies, Inc. Portable ECG device with wireless communication interface to remotely monitor patients and method of use
AUPR177300A0 (en) 2000-11-29 2000-12-21 Centre For Molecular Biology And Medicine Therapeutic methods
US20050129783A1 (en) 2001-04-19 2005-06-16 Mccleary Edward L. Composition and method for treatment of neurophysiological conditions and maintenance of neurophysiological health
US6398707B1 (en) 2001-05-31 2002-06-04 Wen-Teng Wu Method of preparing lower alkyl fatty acids esters and in particular biodiesel
GB0118931D0 (en) 2001-08-02 2001-09-26 Oxford Biosensors Ltd Voltammetric ion-selective biosensor
US6897338B2 (en) 2001-12-18 2005-05-24 Metabolix, Inc. Methods of making intermediates from polyhydroxyalkanoates
GB0130684D0 (en) 2001-12-21 2002-02-06 Oxford Biosensors Ltd Micro-band electrode
DE20205184U1 (de) 2002-03-27 2002-12-19 Bartz Volker Blutfettsenker zur oralen Einnahme
GB0211449D0 (en) 2002-05-17 2002-06-26 Oxford Biosensors Ltd Analyte measurement
US8996090B2 (en) 2002-06-03 2015-03-31 Exostat Medical, Inc. Noninvasive detection of a physiologic parameter within a body tissue of a patient
CN1483355A (zh) 2002-09-16 2004-03-24 岚 高 抗疲劳饮料配方
EP1641444B1 (en) 2003-06-02 2016-03-23 Isis Innovation Limited Treatment of muscle fatigue
JP2005247821A (ja) 2004-02-06 2005-09-15 Ophtecs Corp 炎症性サイトカインの産生を抑制するための眼科用組成物
DE102004007029A1 (de) 2004-02-12 2005-09-08 Consortium für elektrochemische Industrie GmbH Verfahren zur enantioselektiven Reduktion von Ketoverbindungen durch Enzyme
US20050181275A1 (en) 2004-02-18 2005-08-18 Jang Bor Z. Open electrochemical cell, battery and functional device
EP1778213B1 (en) * 2004-07-16 2017-04-05 BTG International Limited A method for the synthesis of oligomeric compounds
US20060057691A1 (en) 2004-09-15 2006-03-16 Karunakaran Narasimhan Process for the extraction of polyhydroxyalkanoates from biomass
US8124063B2 (en) 2004-10-25 2012-02-28 Conopco, Inc. Method for moisturizing human skin using dihydroxypropyltri(C1-C3 alkyl) ammonium salts
GB0427145D0 (en) 2004-12-10 2005-01-12 Ketocytonyx Inc Compositions for use in surgery
ITTO20040918A1 (it) 2004-12-29 2005-03-29 Luigi Ambrosio Idrogel polimerici superassorbenti biodegradabili e procedimento per la loro preparazione
US20070135376A1 (en) 2005-06-20 2007-06-14 Accera, Inc. Method to reduce oxidative damage and improve mitochondrial efficiency
CN101336257B (zh) 2005-11-29 2011-12-14 巴斯夫欧洲公司 聚合物中的侧链的酯化或酯交换方法
KR101634083B1 (ko) 2006-04-03 2016-06-28 액세라인크 나이와 관련된 기억 손상의 치료를 위한 케톤 생성 조성물의 용도
EP2189155B1 (en) 2006-04-12 2016-01-06 Unilever Plc, A Company Registered In England And Wales under company no. 41424 of Unilever House Oral composition with an antiageing effect on the skin
WO2008005818A1 (en) 2006-06-30 2008-01-10 Stepan Co Glyceride esters for the treatment of diseases associated with reduced neuronal metabolism of glucose
JP5030553B2 (ja) 2006-11-24 2012-09-19 有限会社ノーベル医学研究所 ドライマウスおよび/または唾液分泌障害を処置するための医薬
KR101432336B1 (ko) 2006-12-19 2014-08-20 바스프 에스이 뮤탄스 연쇄상구균에 의해 유발된 우식증의 예방 및/또는 치료를 위한 용도 및 방법
US20080253997A1 (en) 2007-03-27 2008-10-16 Perscitus Biosciences, Llc Compositions and methods for protecting cells from toxic exposures
JP5065742B2 (ja) 2007-04-18 2012-11-07 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 香味の発現性及び持続性が改善された調味食品
WO2008140828A1 (en) 2007-05-14 2008-11-20 Accera, Inc. Inhibitors of acetyl-coa carboxylase for treatment of neuronal hypometabolism
WO2009023357A2 (en) * 2007-05-25 2009-02-19 University Of Rochester Curcumin derivatives and their use as radioprotectors
CN101969769A (zh) * 2008-01-04 2011-02-09 伊希斯创新有限公司 用作降低血脂药剂的酮体和酮体酯
US8642654B2 (en) 2009-04-16 2014-02-04 Isis Innovation Limited Hydroxybutyrate ester and medical use thereof
US9034613B2 (en) 2009-04-16 2015-05-19 Isis Innovation Limited Process for the preparation of (3R)-hydroxybutyl (3R)-hydroxybutyrate by enzymatic enantioselective reduction employing Lactobacillus brevis alcohol dehydrogenase
US8852524B2 (en) 2010-01-12 2014-10-07 Bio-Rad Laboratories, Inc. Cell counting slide with lateral reservoir for promoting uniform cell distribution
GB201002983D0 (en) 2010-02-22 2010-04-07 Tdeltas Ltd Nutritinal composition
FR2958154B1 (fr) 2010-04-01 2012-06-08 Oreal Procede de soin et/ou de maquillage des rides
MX2013009175A (es) 2011-02-17 2013-08-29 Chd Bioscience Inc Composiciones que comprenden acido peroxi alfa-cetocarboxilico y metodos para producirlas y usarlas.
WO2012113415A1 (en) * 2011-02-24 2012-08-30 N.V. Nutricia Ketogenic diet composition for the treatment of chemo therapy and/or radiation therapy patients
GB201206192D0 (en) 2012-04-05 2012-05-23 Tdeltas Ltd Ketone bodies and ketone body esters and for maintaining or improving muscle power output
JP5920902B2 (ja) * 2012-07-23 2016-05-18 国立大学法人 東京大学 放射線障害の予防及び/又は治療剤
AU2013337308B2 (en) * 2012-11-05 2018-06-21 Tdeltas Ketone bodies to protect tissues from damage by ionizing radiation
SG11201507685UA (en) 2013-03-14 2015-10-29 Isis Innovation Process for producing (r)-3-hydroxybutyl (r)-3-hydroxybutyrate
BR112015024186B1 (pt) 2013-03-19 2023-05-09 University Of South Florida Composições e métodos para produção de cetose de elevação e manutenção
GB201314127D0 (en) 2013-08-07 2013-09-18 Tdeltas Ltd Ketone body and ketone body ester for reducing muscle breakdown

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060280721A1 (en) * 2003-06-03 2006-12-14 The Gov Of Usa Represented By Secretary Of Dpt Of Nutritional supplements and therapeutic compositions comprising (r)-3- hydroxybutyrate derivatives
JP2012500264A (ja) * 2008-08-21 2012-01-05 アイシス イノヴェイション リミテッド ヒドロキシ酪酸エステル及びその医学的使用
WO2014139599A1 (en) * 2013-03-12 2014-09-18 Tdeltas Limited Compound for use in protecting skin
JP2016512207A (ja) * 2013-03-12 2016-04-25 ティーデルタエス リミテッド 皮膚の保護に使用するための化合物

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
STRAHLENTHERAPIE, vol. 153(2), JPN6017033151, 1977, pages 117 - 123, ISSN: 0004178971 *
別冊・医学のあゆみ 酸化ストレス VER.2, JPN6018025211, 2006, pages 401 - 403, ISSN: 0003830993 *

Also Published As

Publication number Publication date
US10478415B2 (en) 2019-11-19
AU2013337308A1 (en) 2015-05-28
JP6883384B2 (ja) 2021-06-09
EP2914251A1 (en) 2015-09-09
DK2914251T3 (da) 2019-11-04
AU2013337308B2 (en) 2018-06-21
CA2922223C (en) 2021-11-09
ES2752030T3 (es) 2020-04-02
EP2914251B1 (en) 2019-08-21
US20170196827A1 (en) 2017-07-13
CA2922223A1 (en) 2014-05-08
JP7186677B2 (ja) 2022-12-09
JP2020002147A (ja) 2020-01-09
US20150250755A1 (en) 2015-09-10
US9579302B2 (en) 2017-02-28
EP3659595A1 (en) 2020-06-03
WO2014071389A1 (en) 2014-05-08
US11234953B2 (en) 2022-02-01
US20200215016A1 (en) 2020-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7186677B2 (ja) 電離放射線による傷害から組織を防護するためのケトン体
Trott et al. Radiobiological mechanisms of anti-inflammatory radiotherapy
EP2468273A2 (en) Method to reduce oxidative damage and improve mitochondrial efficiency
Gülben et al. Melatonin modulates the severity of taurocholate-induced acute pancreatitis in the rat
CN1198671A (zh) 绿卟啉免疫调节剂
CN102573874A (zh) 用于辐射后保护的组合物和方法
Abe et al. Studies on the radioprotective effects of superoxide dismutase in mice
CN1201747C (zh) 含有维生素b12的外用药物组合物
WO1992003049A1 (en) Methods and compositions for treating t-cell mediated diseases
Suzen et al. Melatonin as mitochondria-targeted drug.
Singh Resveratrol Delivery via Gene Therapy: Entering the Modern Era
KR20140107389A (ko) 상피의 관통 및 세포의 생물학적 이용률을 증가시키도록 화학적으로 개질된 광역학적 치료용 조성물
CN108703977A (zh) 蓝细菌及其膜外囊泡在制备治疗疾病药物中的应用
RU2163120C1 (ru) Конъюгат изониазид-декстран и его применение в качестве противотуберкулезного препарата
Mirdoraghi et al. The Effects of Vitamin A and Magnesium Sulfate on the Expression of Nox4 Following Irradiation in Bone Marrow Cells
CN116159048A (zh) 岩藻黄素在制备治疗nlrp3诱导的肝细胞焦亡相关疾病的药物中的应用
RU2401112C2 (ru) Фармацевтическая композиция для лечения аутоиммунных заболеваний, связанных с повышенным образованием антител к нуклеиновым кислотам
Singh Resveratrol delivery via Gene Therapy: Entering the Modern Era Gen Terapisi yoluyla resveratrol iletimi: Modern Çağa Girme
Xiao et al. An immunometabolic patch facilitates mesenchymal stromal/stem cell therapy for myocardial infarction through a macrophage‐dependent mechanism
CN113133990A (zh) 一种含有依折麦布的复方制剂及其制备方法
Zhang Novel mechanism of 2DG mediated cancer treatment
EA046253B1 (ru) Лечение и предупреждение повреждения из-за воздействия радиационного излучения
Osei-Mensah Synthesis of Resveratrol Ester Derivatives Using Selective Enzymatic Hydrolysis
JPH07316049A (ja) 細胞傷害防御剤
YOSHIKAWA et al. Hyperthermia and Reactive Oxygen

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161107

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170904

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180704

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190813

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20190813

C11 Written invitation by the commissioner to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C11

Effective date: 20190826

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20191112

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20191118

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20191220

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20200106

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20200601

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20200817

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20200831

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201130

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210301

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210311

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210408

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210408

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6883384

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150