本発明は、2つの要素の相互締結及び相互分離を交互に実現するのに適した、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムの技術分野に関する。
特に、本発明は、例えば、棚システムの直立式又は支持用の構造体及び棚、並びにフレーム(例えば家具の)及び同じ家具の扉板のような2つの要素の締結及び分離を交互に実現するのに適した、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムの技術分野に関する。
従って、本発明は、特に(一般的な家庭用、乗用車用、キャンピングカー用、及び車両用の)ドア及び/又は窓のハンドル、及び/又は家庭用の家具、例えば、棚システム、整理ダンス、及び衣装戸棚等のドアのハンドルとしての用途、及び/又は公知の締結システム又は締結手段、例えば自動車のホイールを固定するボルト及びスクリュー又はナット等を置換する目的に適した、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムに関する。
従来技術において、2つの構成部分を相互に固定するのに用いられる接続及び/又は結合のためのシステムが公知である。例えば、棚システム及び/又は同様の構造体の組み立ての場合、棚が棚システムの支持構造体に締結されること、及び棚が支持構造体から取り外されることを可能にするシステムが公知である。最も一般的なシステムは、小型の金属部品、例えばスクリュー及びアンカー、並びに上記のスクリュー及び/又はアンカーを介して支持構造体及び種々の棚に締結されるのに適した所定の形状及びサイズの要素を備えている。棚システムの組み立ては、例えば、予め棚に固定された結合及び/又は締結のための要素に実際の組み立て中に結合(係合)される結合又は締結のための要素が、事前に棚システムに配列されていることを要求する。
一方では、近年の解決法によって提供される利点が認識されうるものの、それら解決法に欠点がないわけではない点に留意すべきである。
特に、典型的な欠点の1つとして、実際の固定要素が、スクリュー又は同様の手段によって、相互に締結されるべき要素に(例えば、棚システムの支持構造体及び種々の棚に)事前に固定される必要がある点が挙げられる。従って、全体的な組み立て時間を特定の時間よりも短縮することは不可能である。
さらに、近年の棚システムの場合、スクリュー又は同様の手段は、外観が好適ではなく、システムの構成部品を損傷する(引っ掻き傷又は同様の損傷をもたらす)虞があるという理由から、スクリュー又は同様の手段の使用を避ける傾向がある。
最後に、公知の形式の結合システム、特に実際の結合手段は、偶発的な係合解除又は結合解除に対する必要な保証及び信頼性を提供するものではない。そのため、完成した構造体の使用中に(例えば、棚から本を取る間に)棚が偶発的に支持構造体から分離する虞があるので、使用者にとっての深刻なリスク及びそれによる構造体の安定性の喪失がもたらされる。
さらに、(一般的な家庭用、乗用車用、キャンピングカー用、及び車両用の)ドア及び/又は窓のパネル用のハンドル、及び/又は家庭又はその他の環境で使用される家具、例えば棚システム、整理ダンス、衣装戸棚等のドア用のハンドルとして使用されるのに適した、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムに関して、近年では多様な解決法が提案されている点に留意すべきである。しかし、いくつかの事例では機能性及び信頼性に対する要求が優先され、別の事例では美観上の要求又は寸法上の要求を満足することが意図され、別の事例では組み立て及び設置の容易さに重点が置かれるなど、上記の解決法は、別個の要求を満足するために提案されることが非常に多い。
従って、いかなる公知の解決策も今のところは上記の要求の全てを満足していない。例えば、古典的な形式のハンドル(回転ハンドル、ラック機構付きハンドル、又はその類似品)は、その機能性に関しては適切な保証を提供することが多いが(そのため、古典的な形式のハンドルは、家庭用のドア、窓、又はドア/窓のフレームに使用するのに最も適切かつ好適な解決策とされるが)、多くの場合、それらハンドルはかなり大きい寸法を有することを特徴としている。そのため、古典的な形式のハンドルは、例えば、キャンピングカーで特に使用されるか又は何らかの限られた空間で使用されるように意図された家具又はキャビネットのような具体的な用途には適していない。同様に、例えばキャビネットの事例のように、種々の目的で使用されるのにより適した公知の解決策は、多くの場合、サイズを小型化しかつ組み立て及び使用を容易にする単純な構造を特徴としているものの、そのような単純な構造によると信頼性及び機能性が損なわれる場合が多い。
従って、本発明の1つの目的は、従来技術において公知の解決策に内在する上記の欠点を克服することである。
特に、本発明の目的及び意図は、以下のように要約されうる。
一般的な公知の形式のドア扉、ドア、窓、及びドア/窓のフレーム用のハンドルの代替品として、例えば、棚システム及び/又は同様の構造体等の構造体の迅速な組み立てに当該技術分野で使用される、公知の接続及び/締結のためのシステムの代替品として、そして、ボルト、ナット等の固定手段の代替品として使用可能な解決法を提供することが、本発明の第1の目的である。
従って、特にハンドルとして使用される場合には、信頼性(ドア又は窓の偶発的な開放のリスクを排除するか又は大幅に減少させる)に関して、機能性(単純かつ即時的な操作でドア又は窓を開けることを可能にする)に関して、構造的な単純性(製造が単純かつ容易である少数の構成部品を含む)に関して、そして、対応するパネル又はドアへの組み付け及び/又は取り付けの容易性に関して、適切な保証を提供する、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムであって、全体寸法の小さいシステムを提供することが、本発明の他の目的である。
より詳細には、2つの剛性要素を相互に締結するのに使用される場合に(例えば、棚システム及び/又は同様の構造体を組み立てるのに使用される場合に)、上記のシステムによって相互に固定された部品が偶発的に分離するリスクに対して適切な保証を提供する迅速な接続及び/締結のためのシステムを提供することが、本発明の他の目的である。さらに、上記のシステムは、組み立てが容易であり、単純な作業によって可能な限り迅速に組み立てられるのに適しており、単純かつ即時的な方法によって相互締結及び/又は相互接続が行われる部品に短時間で取り付けられるのに適しており、そして、非美的ではない外観及び小型化されたサイズを有している。
本発明は、例えば、一般的なドア、窓、及びドア/窓のフレームのハンドル、並びに家具、棚システム、整理ダンス等のハンドルの構造の技術分野で具体的かつ便利に適用されうる。このことが、以下に説明する本発明に係るシステムの適用例の殆ど全てが、家具のドア、整理ダンス、並びに一般的なドア及び/又は窓に標準的に使用されるハンドルの具体的な事例に言及している理由である。但し、本発明に係るシステムの実現可能な適用例はハンドルの具体的な事例に限定されない。逆に、本発明は、2つの要素、例えば、より複雑な構造体の2つの要素、特に、対応するハブ又は車軸に取り付けられるホイール(例えば自動車用ホイール)を迅速かつ確実に(偶発的な結合解除を回避して)相互に固定する必要のある任意の事例に、有利に適用されうる。
本発明は、相互接続及び相互分離を交互に達成するのに適し、かつ第1及び第2要素(例えば、ドアのフレーム、及び上記のドアのスイングパネル、又は衣装戸棚若しくはキャビネット、及びスイングドアパネルの構造体、又は引出しの前面パネル)にそれぞれ固定されるのに適した第1及び第2構成部分を備えた、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムを提供することによって、公知の解決法(特にハンドルとして使用可能なシステム)における典型的な不都合又は欠点を克服するか又は少なくとも最小限に抑制することが可能になるという、全体的な考察に基づいている。上記の2つの構成部分の相互接続は、上記の第1構成部分の一部分が上記の第2構成部分の内部で直動することによって引き起こされ、それらの分離は、上記の第1構成部分の上記の部分が結合方向とは実質的に逆の方向に直動することによって引き起こされる。このように、例えば引出しの場合には、使用者が特別な操作を行う必要はなく、引出しを閉めてハンドルの2つの構成部分を接続するには、使用者が引出しを閉鎖方向に押すだけでよく、ハンドルの2つの構成部分を分離するには(引出しを開けるには)、使用者がハンドルを開放方向(実質的に閉鎖方向とは反対の方向)に引くだけでよいので、システム(ハンドル)の機能性が著しく単純化される。さらに、これにより、少ない個数の構成部分を特徴とするハンドルを得ることが可能になるとともに、個々の構成部分の構造が単純であることから、限られた時間及び削減されたコストによる容易な組み立てが可能になる。さらに、ハンドルの全体寸法が小型化され、美的の観点からも明らかに有利になる。
本発明の基礎となる他の考察は、分離方向における第1構成部分の上記の部分の直動に対抗する手段をハンドルの第2構成部分に設けることによって、追加の利点がもたらされることである。上記の対抗手段は、上記の第1構成部分の上記の部分の直動によって起動される。このように、ハンドルは2つの構成部分の偶発的なま離に抵抗して自動的に起動される。
第1構成部分の端部の分離方向における直動に抵抗する対抗手段によって加えられる力が、上記の端部が上記の第2構成部分の内部にロックされるまで上記の端部の直動方向に沿って増加するような対抗手段を提供することによって、追加の利点がもたらされる。
さらに、必要な都度、必要な間だけ上記の第1及び第2構成部分を相互分離が実現されるように、上記の対抗手段を非作動状態にするのに適した手段を第2構成部分に設けることによって、追加の利点がもたらされる。
ハンドルの第2構成部分が取り付けられる要素と同じ開放方向、例えば引出しの開放方向に上記の非作動化手段が直動すると対抗手段が非作動状態になるように、上記の非作動化手段が構成されると、最終的に大きな利点がもたらされることがある。このように、対抗手段を非作動状態にするための使用者の介入によって、引出しの開放が実質的に同時に実現される。
本発明の第1実施形態によれば、本発明の主題は、独立請求項1に係るシステム、すなわち、第1及び第2要素の相互接続及び相互分離に適した迅速な接続及び/又は締結のためのシステムであって、それぞれ上記の第1及び第2要素に固定されるのに適し、かつ上記の第1及び第2要素の相互接続及び相互分離が交互に実現されるように相互に接続され分離されるのに適した第1及び第2構成部分を備える。上記の第2構成部分は、上記の第1構成部分の端部が上記の第2構成部分の内部で直動できるように上記の第1構成部分の端部を収容するのに適し、上記の第2構成部分は、さらに、上記の第2構成部分の外部に向かう上記の第1構成部分の上記の端部の直動に対抗する対抗手段を備える。
従属請求項2として請求する本発明の別の実施形態によれば、本発明の主題は、上記の第2構成部分が回転要素を備える、接続及び/又は締結のためのシステムであって、上記の回転要素が、上記の第2構成部分の内部に向かう上記の第1構成部分の端部の直動によって第1回転方向に回転するように設定され、かつ上記の第2構成部分の外部に向かう第1構成部分の直動によって第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転するように設定され、上記の対抗手段が上記の第2回転方向における上記の回転要素の回転に対抗するのに適する、接続及び/又は締結のためのシステムである。
従属請求項3として請求する本発明の別の実施形態によれば、上記の第2構成部分は、上記の第1構成部分の上記の端部と一緒に内部空間を形成する剛性部を備え、上記の回転要素は、上記の内部空間の中に収容され、そして、上記の剛性部、上記の端部、及び上記の回転要素は、上記の回転要素に加えられる上記の剛性部及び上記の端部の相互作用によって上記の対抗力が発生するように、形成されかつ相互に位置決めされる。
他の従属請求項に記載された本発明に係るシステムの付加的な実施形態によって、追加の利点が保証される。
添付図面に図解する本発明のいくつかの実施形態の説明を通じて、本発明について以下に説明する。但し、本発明が図解する実施形態に限定されることはなく、本発明の適用分野及び技術的範囲は、当業者にとって明白、自明、かつ即座に理解可能であると考えられる、本出願に図示され説明される実施形態の全ての変更変形及び変更を含んでいる。
本発明に係るシステムの第1実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は結合位置に在る。
本発明に係るシステムの第1実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
本発明に係るシステムの第1実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は解放位置に在る。
図1a〜図1cに示す本発明の実施形態に係るシステムの第1使用例を示す。
図1a〜図1cに示す本発明の実施形態に係るシステムの第1使用例を示す。
図1a〜図1cに示す本発明の実施形態に係るシステムの第2使用例を示す。
図1a〜図1cに示す本発明の実施形態に係るシステムの第2使用例を示す。
本発明に係るシステムの第2実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は結合位置に在る。
本発明に係るシステムの第2実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
本発明に係るシステムの第2実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は解放位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は結合位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
図3a及び図3bに示す本発明の実施形態に係るシステムの使用例を示す。
図3a及び図3bに示す本発明の実施形態に係るシステムの使用例を示す。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いに結合されようとする位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は解放位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は結合位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
図5a及び図5bに示す本発明の実施形態によるシステムの使用例を示す図である。
図5a及び図5bに示す本発明の実施形態によるシステムの使用例を示す図である。
図5a及び図5bに示す本発明の実施形態によるシステムの使用例を示す図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態に関する図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態に関する図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態に関する図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態に関する図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は結合位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の前面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の側面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
図7a及び図7bに示す実施形態の変形例の詳細図である。
図7a及び図7bに示す実施形態の変形例の詳細図である。
図7a及び図7bに示す実施形態の変形例の詳細図である。
本発明の別の実施形態のいくつかの構成部品の前面図である。
本発明の別の実施形態のいくつかの構成部品の平面図である。
本発明の別の実施形態のいくつかの構成部品の前面図である。
本発明の別の実施形態のいくつかの構成部品の平面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明の係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の構成部品の前面図である。
図1a〜図1cに示す本発明の第1実施形態は、以下に詳細に説明する通り相互作用するのに適した第1構成部分10及び第2構成部分20を備えている。第1構成部分10は、(例えば、金属、プラスチック、又は他の同様に剛性材料の)小型の棒のような形状を有しており、第1要素100、例えば、一般的な棚システム若しくは整理ダンス、又は側柱若しくはドア/窓のフレームの支持構造体に強固に固定されるのに適している。第2構成部分20は、ハンドルの形状に作製されており、第2要素200、例えば、回転ドア若しくは窓、又は引出しの前面パネルに強固に固定されるのに適している。この目的のために、第2構成部分20は、要素200の適切な着座部に収容される第1部分と、ハンドルノブの役割を果たす第2部分28、いわゆる外側部分28と、を備えている。第1構成部分10は、第1端部11と、第1端部11の反対側の第2端部12と、を備える。第1構成部分は第1端部11を介して要素100に固定される。第2端部12は、完全に第2構成部分の中に形成される相補的かつ対応した形状を有する中空着座部25の中に受容されて収容されている。第2構成部分20の内部には、1つの側面が第1構成部分10の端部12に対して傾斜する剛性部21(例えば金属ストラップ)によって形成された空間26が設けられている。特に、端部12は、着座部25の内部において、傾斜部21の反対側で空間26をかすめて移動するのに適している。明確化のために、以下では、図1aの左から右への端部12の移動方向を、第2構成部分20の内部に向かう直動方向と定義し、図1a及び図1bの右から左に向かう端部12の直動方向を、第2構成部分20の外部に向かう直動方向と定義する。剛性部21の傾斜によって、端部12が第2構成部分20の外部に向かう直動方向に沿って進むときには剛性部と端部12との間の距離が減少し、端部12が反対方向、すなわち構成部分20の内部に向かう直動方向に沿って進むときには剛性部と端部12との間の距離が増加する。空間26の内部には、さらに、剛性要素22(例えば小型の円筒形の棒)に固定又は嵌合されたコイルばね23が設けられる。剛性要素の外径は、実質的にコイルばね23の内径と一致している。常に空間26の内部に位置する回転直動要素24、例えば、小型シリンダ、鉄棒、又はボールは、コイルばね23の自由端のレベルに位置決めされているので、コイルばね23は、剛性部21と端部12との間の距離が減少する空間26の端部に向かう推進作用を回転要素24に加えるようになっている。同様に第2構成部分20の内部(適合する形状の適切な着座部)に位置する解放要素27は、第2構成部分20の内部で端部12の直動方向と実質的に平行な方向に、すなわち図1aの左から右に向かって(構成部分20の内部に向かって)直動するとともに図1aの右から左に向かって(構成部分20の外部に向かって)直動するのに適している。解放要素27は、特に、使用者がノブ28に加えた作用によって、すなわち使用者がノブ28に図1aの左から右に向かって加えた牽引作用によって構成部分20の内部に向かって直動するのに適している(従って、解放要素27とノブ28は、例えば、構成部分20の内部に収容された図示しない接続手段を介して相互に接続されている)。解放要素27は、使用者がノブ28に牽引方向とは反対の方向、すなわち図1aの右から左に向かって加えた推進作用によって、構成部分20の外部に向かって直動するようになっている。第2構成部分20の内部に向かって直動する間に、解放要素27は、回転要素24に寄り掛かり、ばね23の作用に対抗して回転要素を第2構成部分20の内部に向かって押すので、回転要素は、剛性部21と第1構成部分10の端部との間の距離が増加する内部空間26の部分に向かって押されることになる。
図1a〜図1cに示す本発明の実施形態による接続システム(ハンドル)の操作は、以下のように要約されうる。第1構成部分10及び第2構成部分20の相互接続は、第1構成部分10の端部12が第2構成部分20の内部に向かって直動又は滑動することによって達成される。端部12が第2構成部分20の内部に向かって直動する間に、剛性部21に対向する端部12の表面が回転要素24の外面に当接するので、回転要素24は、先ず右回りに回転させられ、次いで端部12と回転要素24との間に発生する摩擦によって直動させられる。上記の回転要素24は、第1構成部分10の端部12に対向する剛性部21の表面にも当接する。右回りの回転及びその後の直動の間に、回転要素24は、ばねの作用に対抗して(図1aの左から右に)、すなわち、剛性部21と第1構成部分10の端部12との間の距離が増加する空間26の部分に向かって移動する。従って、回転直動要素24は、端部12が構成部分20の内部に向かって移動するのを妨害しないので、端部12は、図1aに示す構成部分20の内部の最終位置に到達できる。このように、端部12の最終位置は、2つの要素100,200が予め定めた位置で相互にロックされるような、第1構成部分10と第2構成部分20との間の相互ロック位置と定義される。
従って、図1aに示すロック位置では構成部分20の外部に向かう端部12の偶発的な直動は不可能であるので、第1構成部分10及び第2構成部分20の偶発的な解放(及びそれによる引出し若しくはドア、又は窓等の偶発的な開放)は不可能である。事実、構成部分20の外部に向かう端部12の直動の間に、回転要素24は左回りに回転するように設定され、かつ必要に応じて(端部12と回転要素24自体との間の摩擦によって)直動するように設定されるので、剛性部21と端部12との間の距離が減少する空間26の部分に向かって移動されることになる。空間26の当該部分に向かう(すなわち実質的に構成部分20の外部に向かう)回転要素24の移動によって、回転要素24が端部12と剛性部21との間に係合するので、或る時点において、要素21が左回りにさらに回転することも、端部12が構成部分20の外部に向かってさらに直動することも不可能になる。言い換えると、回転要素が左回りに回転する間の或る時点、及び端部12が外部に向かって直動する間の或る時点において、回転要素24が端部12と剛性部21との間に係合して端部12をロックすることになる。従って、例えば、(ノブ28に作用を加えずに)ドア又は引出し等(要素200)に直接作用を加えて構成部品20を除外することによってドア又は引出しを開けようと欲する使用者は、構成部分20及び構成部分10の相互解放を達成することができず、それゆえにドア又は引出しを開けることができない。他方、2つの構成部分10,20の相互解放(すなわちドア又は引出しの開放)は、ノブ28を図1bに示すように左から右に、すなわち構成部分20の内部に向かって解放要素27を引いて直動させることによって実現される。実際、構成部分20の内部に向かって直動する間に、解放要素27は、上述した通り、回転直動要素24を構成部分20の内部に向かって、すなわち、剛性部21と端部12との間の距離が増加する空間26の部分に向かって押すことになる。このようにして、回転直動要素24の外面と剛性部21に対向する端部12の表面との間の抵抗作用(摩擦)が(回転直動要素24が端部12と接触しなくなる位置に完全に排除される程度まで)減少する。従って、このような状態において、構成部分20の外部に向かう端部12の直動は、回転要素24の左回りの回転も、外部に向かう(端部12と剛性部21との間の距離が減少する空間26の部分に向かう)回転要素の移動又はシフトも生じさせないので、端部12は図1cに示すように完全に構成部分20の外側に移動するまで自由に直動できる。従って、上記の内容から理解されるように、例えば、図1aに示すように左から右に向かって整理ダンスから引き出し可能な引出し200の場合、使用者が引出し200を開けるには、引出しと同じ方向にノブを引くだけでよく、その結果、ノブ28に加えられる牽引操作のみによって、先ずシステムの2つの構成部分20,10の相互解放が実現され、さらに引出し自体の開放が実現される。逆に、ノブ28に作用を加えずに引出し200を開けようとすると、システムの2つの構成部分20,10の相互ロックが引き起こされる。
図1d及び図1eは、上述した本発明の実施形態によるシステムの第1の使用例又は適用例を概略的に示している。本事例における第1構成部分10は、整理ダンス又はキャビネット300の支持構造部100に強固に固定されており、第2構成部分20は、システムのノブ28が前面パネル200からキャビネット300の外部に向かって突出するように、引出し200の前面パネルに取り付けられている。従って、引出しの開閉は、上述した手順に従ってノブ28を引く作用又は押す作用を加えることによって達成される。
上述した本発明によるシステムの実施形態の第2の適用例又は使用例が図1f及び図1hに示されている。本事例における要素100は垂直壁によって構成されており、要素200は棚によって構成されている。2つの構成部分10は垂直壁100に強固に固定されており、2つの構成部分20は、垂直壁100に対向するように構成された棚20の縁に固定されている。図1f及び図1hに示す棚システムの組み立ては、予め構成部分10を垂直壁100に固定するとともに、構成部分20を棚の対応する位置に固定することによって達成される。最後に、棚200を垂直壁100に向かって押すと、構成部分10,20が相互にロックされることによって棚200が垂直壁100に締結される。従って、棚を取り外すためには、上述した通り構成部分10及び/又は構成部分20のみに作用を加え、次いで棚200を垂直壁100から離れる方向に移動させればよい。
本発明に係るシステムの別の実施形態について、図2a〜図2cを参照して以下に説明する。図2a〜図2cにおいて、本発明に係るシステムの既に説明した構成部品又は特性は、同じ参照番号によって識別される。
図2a〜図2cに示す実施形態は、図1a〜図1cを参照して上述した実施形態に存在する構成部品の多くを備えている。事実、図2aには、第1端部11と、第2構成部分20の内部で滑動及び直動できるように第2構成部分20の内部の着座部25に収容された第2端部と、を有する第1構成部分10が示されている。上記の第1構成部品10は第1端部11を介して第1要素100に固定される。この場合も構成部分20の内部に空間26が設けられており、その内部空間26は、端部12が収容されて滑動する着座部25に接触するようになっている。この場合も、内部空間26は端部12の滑動方向に対して傾斜した剛性部21によって形成されており、剛性部21と端部12との間の距離は構成部分20の外部に向かって減少するようになっている。支持要素22が上記の空間26の内部に延在しており、支持要素22には、それに係合するコイルばね23が設けられている。コイルばねは、構成部分20の外部に向かって(すなわち、剛性部21と端部12との間の距離がより小さくなる空間26の部分に向かって)空間26の内部に収容された回転直動要素24(例えば、小型シリンダ、爪、又はボール)を押すようになっている。本実施形態と前述した実施形態との間の主要な相違点は、本実施形態では、前述した実施形態におけるハンドグリップ又はノブが中空体又はケーシング28に置換されている点である。中空体を介して、第2構成部分20は要素200に、特に、第1構成部分10及び要素100に対向する要素200の側面に固定されている。中空体28は、第2構成部分20の本体上を図中の左から右に向かう方向、及び右から左に向かう方向に(すなわち、端部12の滑動方向と実質的に平行な方向に沿って)滑動するようになっており、第2コイルばね30は、第2構成部分20の本体と中空体28との間に形成された適切な着座部に収容されている。従って、コイルばね30は中空体28を図中の右から左に押すので、中空体がコイルばね30の作用に対抗して左から右に移動することが分かる。解放要素27は、中空体28が左から右に直動する間に中空体28によって第2構成部分20の内部に向かって駆動されるのに適している。
上述した実施形態と同様に、構成部分20の内部に向かって直動する間に、解放要素27が、回転直動要素24を、剛性部21と第1構成部分10の端部12との距離がより大きくなる空間26の部分に向かって押すので、端部12が第2構成部分20の外部に向かって直動できるようになり、それにより第1構成部分10及び第2構成部分20の相互解放が実現されうる(その結果、要素100は要素200から解放される)。従って、本事例においても、端部12を第2構成部分20に挿入するだけで第1構成部分10及び第2構成部分20の相互ロックが達成される。但し、本事例においては、要素200に作用を加えて要素200を要素100から離れる方向に移動させるだけで相互解放が達成される。このように、第1要素及び第2要素が最初は相互ロック位置に在るため相互に拘束されているので、要素200に作用を加えて要素200を要素100から離れる方向に移動させると、ケーシング28が先ず第2構成部分20上で(ばね30の作用に対抗して)滑動し、次いで解放要素27を駆動する。その結果、解放要素は、回転直動要素24の外面が端部12と接触しなくなるか若しくは僅かに接触するだけの位置に当該要素24が到達するか、又は回転直動要素24の外面と端部12との間の摩擦が最小になる位置に当該要素24が到達するまで、剛性部21と端部12との間の距離がより大きくなる内部空間26の部分に向かって回転直動要素24を押すことになる。このようにして、要素24から端部12に加わる対抗作用が除去されるので、要素200が要素100から離れる方向に移動するように要素200に加えられる連続的な作用によって、端部12が構成部分20の外側に移動するので、2つの構成部分10,20及び2つの要素100,200が解放される。構成部分20の内部に向かって直動する解放要素27が剛性部21によって妨害又は遮断されるのを防止するために、解放要素27は構成部分20の外側に面した剛性部21の端部を収容する適切な着座部29を備えている(この点については図2bを参照)。
図3a及び図3bに示す、本発明に係るシステムの別の実施形態において(例によって、既に説明した構成部品及び/又は特性は同じ参照番号によって識別される)、第1構成部分10は、前述した実施形態の第1構成部分に非常に類似しており、一方の端部は、第1要素100(例えば棚)に固定されており、第2端部は、第2構成部分20の内部に滑動可能に収容されている。上記の第2構成部分20は、本事例においては、下側部品I及び上側部品Sを備えており、上記の下側部品Iの中に円錐台形又は漏斗形の着座部が形成されることによって内部空間26が形成されている。内部空間26には、ボール24が回転可能に収容されており、それらボール24は、上記の円錐台形の着座部の中央ピンの周りに円形に配列されている。弾性推進手段23は、ボールを円錐台形の着座部の外部に向かって、すなわち、上記の円錐台形の着座部の浅い方の部分に向かって推進するように、中央ピンとボールとの間に配置されている。第1構成部分10の端部12が滑動又は直動できる空隙25が上側部分Sの内部に形成されるように、上側部分Sは下側部品Iの上方に予め定めた距離で位置決めされている。円錐台形の着座部の下面は、上述した実施形態における傾斜部21に相当するので、ボール、円錐台形の着座部の下面21、及び端部12の間の相互作用は、上述した実施形態において発生する作用と非常に類似しており、第1構成部分の端部12を第2構成部分20の内部に向かって挿入する工程は、先の実施形態のために説明した工程と殆ど等しい方法で行われる。但し、本実施形態の特別な特徴として、図3b中の矢印で示すようにノブ28を回転させることによって、第1構成部10の端部12が滑動する着座部25の断面が増加するように、上側部分Sと下側部分Iとの間の距離を変化させる(特に増加させる)ことが可能である点が挙げられる。第2構成部分20からの第1構成部分10の解放、すなわち第2要素200からの第1要素100の解放は、上側部分Sが図3aに示す位置から図3bに示す位置に移動するようにノブ28に作用を加えることによって達成される。上側部品Sが図3bに示す位置に在る場合には、端部12が第2構成部分20の外部に向かって直動する間に、端部12が1つ以上のボール24を回転させることはないので、ボールが円錐台形の着座部26の外側部分に向かって駆動されることはなく、ボール24と端部12との間に摩擦又は抵抗作用が発生することはない。そのため、端部12は第2構成部分20の外に自由に移動できる。
図3c及び図3dは、上述した実施形態の適用例及び/又は使用例を示している。上述した適用例において、第1構成部分10は、棚100に固定されており、第2構成部分20は、ポスト200、例えば支柱に挿入されている。このように、第1構成部分10の端部が第2構成部分20の上側部品Sと下側部品Iとの間の空隙25に挿入されることによって、第1要素100が支柱200に締結される一方で、上述した通りシステムの2つの構成部品10,20が解放されることによって、上記の第1要素100及び第2要素200が互いから解放される。本実施形態によって提供される利点の1つとして、単一の構成部分20を使用するとともに第1要素を当該単一の構成部分20の円周に沿って配列することによって、複数の要素100を支持体200に締結できることが挙げられる。
図4a〜図4cに示す本発明に係るシステムの実施形態は、容器、例えば図中に示す廃棄物コンテナに非常に便利に適用されうる(例によって、他の図面に関連して上述した構成部品及び/又は特徴は、同じ参照番号によって識別される)。但し、本発明の同じ実施形態は、例えば、ダンプカー若しくは重量車両、農業用機械、及び/又は建設機械等にも、先の例と同様に便利に適用されうる。特に、図4a〜図4cに示す本発明の実施形態によるシステムの第1構成部分10は、コンテナ300の本体100に固定されており、第2構成部分20は、コンテナのドア200の適切な着座部に収容されている。上記のドア200は、例えばヒンジ等の回転式の拘束体201を介してコンテナ300の本体100に拘束されている。構成部品の配列は前述した実施形態における配列と実質的に同じであるので、第1構成部分10の端部と第2構成部分20の内部に収容される構成部品(傾斜面によって形成された内部空間に収容される回転直動要素及びばね等)との間の相互作用に関しては先の説明(特に図1a〜図1cに示す発明の第1実施形態の説明)を参照する必要があるものの、本実施形態の具体的な特徴は、第2構成部分20の内部に第2構成部分20の内部及び外部、特にコンテナ300の内部及び外部と連通するV字形の着座部43が設けられるという事実によって表されることに留意すべきである。上記の着座部43の内部には、着座部43の内部を自由に移動可能な小型の球体42が配置されている。特に、着座部43の内部における小型の球体42の移動は、使用者がコンテナ300及び/又はドア200に作用を加えるときに、例えば、使用者がコンテナ300及び/又はドア200を図中の矢印A及び矢印Bで示されるように回転させるときに、重力の作用によって引き起こされる。レバー44(以下の説明から明確に理解されるように、レバーは上述したノブ28と同様の役割を果たす)は、その一部が構成部分20の内部に滑動可能に収容され、かつ解放要素27(明瞭化のために図示はしない)と接続されるように配置される一方で、レバー44の第2部分は、その自由端がコンテナ300の外側に面したV字形の着座部の開口部のレベルになるように配置される。レバー44に対する構成部分20の反対側には、回転式の拘束体41、例えばヒンジを介して構成部分20に回転式に拘束された第2ロッキングレバー40が設けられており、第2レバー40の端部がコンテナ300内側に面した着座部43の開口部のレベルにされる一方で、レバー41の反対側の端部は、解放要素27のレベルに位置決めされる。
従って、システムの2つの構成部分10,20の相互解放、及びそれによるドア200の開放は、以下のように要約されうる。
図4b中の矢印Bの方向に(すなわち右回りに)コンテナを回転させると、小型の球体がレバー44に衝突することによってレバー44がコンテナ300及び第2構成成分20の外部に向かって推進されて直動するまで、小型の球体が上記の着座部43の外側の開口部に向かって着座部43の内部を滑動するので、その時点で回転要素に作用している解放要素27は、回転要素と第1構成部分10との間に生じる摩擦、すなわち抵抗作用が除去されるか又は少なくとも減少して第1構成部分10及び第2構成部分20の相互解放が実現される位置に到達するまで、構成部分20の内部に収容されたレバー44の部分によって当該部分と一緒に動かされる。このように常に重力の作用によってドアが図4cに示すように自動的に開けられ、その結果、コンテナが空にされうる。
同様に、図4a中の矢印Aの方向に回転するようにドア200に作用を加えると、先ず、第1構成部分10及び第2構成部分20が互いに拘束された状態で、コンテナ300の全体が少なくとも部分的に同じ回転方向(左回り)に回転される。引き続きドア200(及び/又はコンテナの全体)が同じ回転方向に回転されると、小型の球体42が重力によって着座部43の内部でコンテナの内側に面した着座部43の開口部に向かって移動して、上記の開口部のレベルに位置決めされたロッキングレバー40の端部に衝突する。小型の球体42がロッキングレバー40の端部に衝突すると、ロッキングレバーの端部が拘束体41の周りで回転されるので、ロックキングレバーの第2端部が構成部分20の内部に向かって押されることによって、解放要素27が第2端部の押し動作中に第2端部と一緒に動かされる。この時点で、第1構成部分10及び第2構成部分20は相互に解放されているので、ドア200を開けることが可能である。上述した内容から明らかなように、本実施形態によって提供される大きな利点として、システムの構成部分10,20の相互解放(及びそれによるコンテナ100の本体からのドア200の解放)がドア又はコンテナに直接的な作用を加えることによって達成されるので、システムの2つの構成部分の一方には直接的な作用を加える必要がない点が挙げられる。
本発明に係るシステムの別の実施形態について、図5a及び図5bを参照して以下に説明する。
本実施形態において、システムの第1構成部分10は、第1要素100の適切な着座部101に挿入されて当該着座部に部分的に収容されるのに適した中空の管状要素の形状を有している。第2構成部分20は、第1構成部分10の端部12を収容するのに適した中空体によって構成されており、本事例における端部は第1要素100の片側(図5a及び図5bの右側)に延びている。第1要素100に向かって直径が減少する円錐台形の表面22を形成する上記の端部12の部分は、第1構成部分10の端部12の外面から延びている。同様に、第2構成部分20は、円錐台形の表面22に対向する円錐台形の表面を形成する円錐台形の部分21を備えており、それにより空隙26が形成されている。円錐台形の部分22によって形成された円錐台形の表面には、ボール又は同様の要素のような回転要素を収容する円周溝が設けられている。第1構成部分10は、雄ねじ部を備えた合せ釘50が係合している半径方向の着座部55を備えており、上記の合せ釘50の雄ねじ部は、合せ釘の係合式着座部の雌ねじ部と係合するようになっている。上記の着座部は第2構成部分20に形成されている。第2合せ釘51は、第2構成部分20の内部に向かって突出する当該合せ釘51の端部が第1構成部分10の外面の滑動式着座部52に係合するように、第2構成部分20のねじ付きの係合式着座部にねじ結合されている。コイルばね23が、図5bに示すように、第1構成部分10と第2構成部分20との間に配置されており、それにより特に第2構成部分20が第1要素100に向かって、すなわち図5a及び図5bの右から左に推進されるようになっている。球体24及び円錐台形の表面21の機能は、前述した実施形態の対応する部分の機能と同様であるので、簡潔のために上記の機能について詳細な説明は省略し、第1構成部分10及び第2構成部分20の相互ロックが、ボールと対応する円錐台形の表面との間の対抗作用によって引き起こされ、それにより第1構成部分が第2構成部分20から後退して第2構成部分20の外部に向かって、特に図5a及び図5bの右から左に向かって滑動するのが防止される、と述べるに留める。本実施形態の場合、第2構成部分20が第1構成部分10に対して反対方向(解放方向)に滑動すること、すなわち、第2構成部分20が要素100から離れる方向に滑動することが、合せ釘50によって防止される。上述した通り、合せ釘50は、第1構成部分10に設けられた着座部の中に係合している。第1構成部分10及び第2構成部分20の相互解放を達成することによって第2構成部分20を第1要素100から離れる方向に移動させるためには、合せ釘が係合式着座部55の外側に移動するように合せ釘50に作用を加える必要がある(つまり、合せ釘は、偶発的な解放に対する追加の安全機能を発揮する)。この時点で、構成部分20は、第1構成部分10の端部12の外面に設けられた係合式着座部52に第2合せ釘51が係合することによって確立される最終位置に到達するまで、要素100から離れる方向に移動できる(図5a及び図5b中の左から右に滑動できる)。第2構成部分20が最終位置に在る場合には、2つの円錐台形の表面の間の空間が図5bに示すように増大しているので、ボール24と端部12の外面との間の摩擦及び対抗作用は除去されており、上記の端部12は構成部分20から図5a及び図5b中の右から左に向かって後退できるので、2つの構成部分10,20の相互解放が達成される。さらに、係合着座部55と端部で係合する合せ釘50が、第1構成部分10の外面に圧縮力を加える追加の機能を発揮するので、第1構成部分10と第2構成部分20との間の煩わしい緩み及び/又は相互移動が防止される。
図5c及び図5dは、直前に説明した実施形態の実現可能な使用例の1つ、特に、本発明の上記の実施形態によるシステム、例えば棚200を支持壁100に固定するシステムの使用例を概略的に示している。事実、特に図5dから分かるように、システムの2つの第1構成部分10は、壁100から突出するように壁100に固定可能であり、2つの構成部分20は、壁100に対向する棚の縁部(但し、棚の下方でもよい)の対応する位置に固定可能である。上記の対応する位置では、第1構成部分10及び第2構成部分20が図5aに示す相互位置に到達するまで、棚200を壁100に向かって移動させることによって、2つの第1構成部分10の各々が対応する第2構成部分20に挿入される。図5aに示す相互位置では、第2構成部分20が合せ釘50に作用することによって固定されている。
直前に説明した本発明に係るシステムの実施形態の第2の使用例が図5eに示されている。この使用例において、ドア又は窓をフレームに回転式に拘束するヒンジは、2つの要素100,200から構成されており、システムの第1構成部分10は、第1要素100から突出するように第1要素100に固定されており、システムの第2構成部分20は、フレームに固定された第2要素200に回転式に固定されている。システムの2つの構成部分は、適切な開口部500の高さでドア/窓パネル400の両面に位置決めされ、第1構成部品10は、上記の開口部500を貫通させられる。その後、第1構成部品10が第2構成部分20に挿入されると、2つの構成部品が相互に固定されて拘束される。第1構成部分10及び第2構成部分20が相互に固定され、かつ上述した通りドア/窓のパネル400に固定されると、要素200がフレームに固定可能になる(例えば、スクリュー又は同様の締結手段によって固定可能になる)。従って、第2構成部分20は要素200に(例えばヒンジを介して)回転式に固定されるので、ドア/窓のパネル400はフレームに回転式に拘束される。
図6a〜図6dに示す実施形態において、本発明に係るシステムは、滑りボルトと、ハンドグリップ又はノブPと、ドア又は窓に固定されるように、例えば、ドア又は窓に設置された適切な着座部に収容されるように構成された部分Mと、を備えるハンドルの形態で実現されている。特に、滑りボルトは、システムの第1構成部分10と一緒に作製されており、上記の第1構成部分10の第1端部は側柱Stの溝に係合するのに適しており、第1構成部分10の反対側の端部は、第2構成部分20の内部に滑動可能に(図の左から右に向かう方向及びその逆の方向に滑動可能に)収容されている。特に、コイルばねEの作用によって、第2構成部分20がボルト、すなわち第1構成部分10を伸張位置に維持しており、上記のボルト、すなわち第1構成部分10の外面と第2構成部分20によって形成された傾斜面又はテーパー面21が形成する着座部26に収容された回転直動要素24から上記の第1構成部分、すなわちボルト10の外面に加えられる対抗作用によって、第2構成部分20内部に向かうボルト、すなわち第1構成部分10の滑動が防止される(他の実施形態の場合と同様である)。既に説明した通り、コイルばね23は、第2構成部分20の内部、すなわちボルト10の外面と傾斜面又はテーパー面21との間の距離が減少する空間26の部分に向かうボルト10の滑動方向に回転要素(小型シリンダ、爪、ボール等)を押すようになっている。ボルトが第2構成部分20に対してロックされた図6b中のロック位置においては、ボルト10が第2構成部分の内部に向かって直動すると、ボルト10が第2構成部分20の内部、すなわち表面21とボルト10の外面との間の距離が減少する空間26の部分に向かって移動することによって、回転要素24の回転及び/又は直動が引き起こされ、その結果、ボルト10の内部に向かう直動を防止する対抗力が発生するので、既述した実施形態に関して説明したのと殆ど等しい方法で、第2構成部分20の内部に向かうボルト10の滑動が防止される。ボルト10が構成部分20に対してロックされる位置においては、ボルト10の外側の端部が側柱Stのハウジング又は係合式着座部の内部に収容されるので、側柱に対するシステム(及び扉)の相互移動は不可能であり、その結果、ドア/窓パネルが閉鎖位置にロックされる。従って、ドア/窓を開けるには、ボルト10が第2構成部分20の内部に向かって滑動できるようにボルト10を解放するしかない。ボルト10の解放は下記のように要約されうる。図6dから分かるように、ノブPは、第2構成部分20の内部に滑動可能に収納された部分Piに接続されている。上記の部分は、特に対抗力を発生させる2つの表面Sc2,Sc1(図6dの平面に直交する)を備えた溝Sc(上から見るとV字形である)を備えている。ノブPが予め定めた方向(ドアから離れる方向又はドアに近づく方向のそれぞれ)に移動されると、溝の表面が要素24と衝突して、要素24を傾斜面21とボルト10の外面との間の距離がより大きくなる空間26の部分に向かって推進する(移動させる)。このように、ボルト10が構成部分20の内部に向かって直動する間は、回転要素24が、表面21とボルト10の外面との間の距離が減少する空間26の「狭小」部に向かってさらに推進又は移動されることはなく、回転要素24が表面21とボルト10の外面との間に係合することはないので、構成部分20の内部に向かうボルト10の直動に対抗する作用が発生することはない。このような対抗作用は、溝Scが図6bに示す位置に在るときに発生する。従って、ノブPをドア/窓から離れる方向に移動させると(又はこれを近づく方向に移動させると)と、ボルト10が第2構成部分20から解放されることによって、ボルト10の端部が、ドア/窓が回転する間に(又は、例えば引出しが直動する間に)側柱に設置された溝の内壁に衝突し、その結果、ボルト10の端部が構成部分20の内部に向かって押されるので、ドア/窓パネルを側柱Stから解放することが可能になり、ドア/窓を開けることが可能になる。従って、上記の説明から推論されるように、本発明に係るシステムの本実施形態においても、本発明に係るシステムによって相互に拘束された2つの要素(本事例においては側柱及びドア/窓のパネル)は、システム自体の第1構成部分10及び第2構成部分20を相互に解放すための操作と同じ操作によって解放されうる。
言い換えると、ドア/窓を開ける方向にノブPを押す場合と引く場合の両方において、システム(ハンドル)の2つの構成部分の解放が達成され、実質的にそれと同時にドア/窓が開けられる。
本発明の別の実施形態が、図7a及び図7bに概略的に示されている。本実施形態は、回転式の拘束体(例えばヒンジ)41を介して第2構成部分20に容易に拘束されうるロッキングレバー40を備えている。ロッキングレバー40の第1端部48は、電動ソレノイド60のレベルに位置決めされており、ロッキングレバー40の端部48とは反対側の端部49は、解放要素27のレベルに位置決めされている。ソレノイドの作用によって、ロッキングレバーが移動され、特に、第1回転方向(図7a及び図7bにおける左回り)に回転され、その結果、端部49が解放要素27と係合して、解放要素を第2構成部分20の内部に向かって押すので、第1構成部分10(その端部は第2構成部分20の内部に収容されている)及び第2構成部分20が相互に解放される。同様に、ソレノイド60は、ロッキングレバー40を反対方向(図7a及び図7bにおける右回り)に回転させて解放要素27を構成部分20の外部に向かって直動させるように作動又は電気駆動されることもでき、それにより構成部分10及び構成部分20の相互ロックが最終的に達成される。
簡潔のために本出願では説明しない別の実施形態において、ソレノイド60によって構成されたアクチュエータ要素は、同様の機能を果たすのに適した任意の他のアクチュエータシステム、例えば、ピストン、圧縮空気ジェット、モーター、又は任意の電動機構若しくは自動化機構を備えた機械的な移動機構に置換されうる。
本発明に係るロック及び/又は締結用のシステムの別の適用例が図8a〜図8cに示されている。図面では、例によって、他の図面を参照して既に説明したシステムの構成部品及び/又は特徴が、同じ参照番号で識別される。
図面において、参照番号100,200は、ホイール(例えば自動車用のホイール)の支持ディスク及びホイールリムを示している。通常、ねじ付きボルトが支持ディスクから突出して、対応するリムの孔の中に収容される。ホイールの締結は、各ボルトに対応するねじ付きナットを係合させることによって達成される。図8a〜図8bに示す、本発明に係るシステムの実施形態は、ボルト及びナットによるホイール締結の代替案として提案されている。
この目的のために、4つの第1構成部分10(但し、個数は必要性及び/又は状況に応じて変更されうる)が、第1要素100(ホイールの支持ディスクに相当する)に固定されており、上記の第1構成部分10の各々は、特に、第2要素、すなわちリム200が取り付けられる要素100の側面で各々の第1構成部分10の端部12が上記の第1要素100から突出するように、第1要素100の収容着座部に部分的に収容されている。特に、第2要素200は、以下に説明する通り、第2構成部分20(従来技術において公知である古典的なナットに取って代わる)が各々の第1構成部分10に係合することによって、第1要素100に固定される。簡潔のために、以下の説明は、1つの第1構成部分10及び対応する第2構成部分20、並びにそれらの相互ロック及び相互解放に関する説明であるが、図中に示す第1構成部分10及び第2構成部分20の各々に適用されうる。
第1構成部分10の突出する端部12は、僅かに円錐台形にされた縦断面を有し、その断面の直径は、第1要素100に向かって減少している。上記の端部は、第2構成部分20によって形成された空間26の内部に収容されており、その内部で直動するようになっている。特に、上記の内部空間も円錐台形の縦断面を有しており、上記の空間26の内径も第1要素100に向かって、すなわち図8b及び図8c中の右から左に向かって減少している。この場合も、第1構成部分10の端部12の円錐台形の外面22と、第2構成部分20の空間26の円錐台形の内面21との間に、空隙が形成されている。
さらに、内部空間26は、第1構成部分10の端部12の反対側で、中空体28を部分的に収容しており、中空体28は、第1構成部分10の端部12を部分的に収容している。特に、上記の中空体は、空間26の内部で第1構成部分10の端部12上を滑動するようになっている。中空体28の外面には(特に、空間26の内部に収容された中空体28の部分の外面には)、複数のボール24を収容する円周溝が設けられており、それらボール28は、中空体の外部でクラウンの形態を呈するように配列されている。中空体28の外部にはコイルバネ23が配列されており、コイルばね23は、特に、中空体28の外面と、空間26を形成する第2構成部分20の内面21と、の間に収容されている。特に、ばねの第1端部(第1要素100に対向する端部)は、中空体28の外面の環状の突出部に衝突するように配列されており、ばね23の第1端部とは反対側の第2端部は、第2構成部分20の環状の突出部に衝突するように配列されている。従って、コイルばね23の役割は、中空体28が第1要素10に向かって(図8C中の左に向かって)押される状態、及びそれによりボール24が内面21と外面2との間の距離が減少する空間26の部分に向かって押される状態を維持することである。
支持ディスク100におけるリム200の組み立て位置、並びに第1構成部分10及び第2構成部分の相互ロック位置は、図8bに示す位置である。この図面から推量されるように、リム200は、各々の第1構成部分10がリム200の対応する貫通孔に受容されて収容されるように、ディスク100に取り付けられている。さらに、ベルビルワッシャMt(その機能は以下で説明する)が、第1構成部分10の各々のレベルでリム200とディスク100との間に挿入されている。つまり、各々の構成部分10の端部12は、ディスクと第2構成部分20との間に配置された対応するベルビルワッシャMtの貫通孔に部分的に収容されている。図8bに示す相互位置において、第2構成部分20及び第1構成部分10は互いに強固に拘束されているので、リム200は支持ディスク100に強固に固定されている。事実、図8bに示す位置において、コイルばねは、表面21,22間の距離がより小さくなる空間26の部分にボール24を保持している。
従って、第2構成部分20を対応する構成部分10から取り外そうと試みても(第2構成部分を図8b中の右に引いて第1構成部分10から離脱させようと試みても)、表面21,22間に係合しているボール24が(先の実施形態の事例と同様の方法で)右に向かう第2構成部分20直動を防止する結果、第2構成部分はリム200から離れる方向に移動することも第1構成部分10から取り外されることもできないので、上記の試みはボール24及び表面21,22から相互に加えられる対抗作用によって無効化される。第1構成部分10からの第2構成部分20の解放は、以下のように中空体28に加えられる作用によって達成される。中空体28を、図面に示す通りコイルばね23が圧縮されるように第2構成部分20(空間26)の外部に向かって図8cに矢印で示す左右方向に引くと、表面21,22間の距離がより大きくなる空間26の部分にボール24が変位するので、上記の表面21,22とボール24との間の相互摩擦が減少または除去される。これにより、構成部分10における構成部分20の図中の左から右に向かう方向の滑動に対抗する対抗力も除去される。従って、構成部分20は、特に図8cに示すように構成要素10から離脱することができる。上述した通り、各々の構成部分20を対応する構成部分10から離脱させることによって、リム200を支持ディスク100から最終的に解放すること、及びリム200を支持ディスク100から取り外すことが可能になる。つまり、ベルビルワッシャMtの役割は、第2構成部分20と第1構成部分10との間の相互拘束の強化を促進することである。事実、各ベルビルワッシャMtは、対応する第2構成部分20に作用して、第2構成部分を対応する第1構成部分10から離れる方向に押すようになっているが、上述した通り、当該方向の推進作用は、(上述した通り中空体28を引いて中空体28に作用を加えない限りは)ボール24を表面21,22間により一層強固に係合させて固定する効果のみを発揮するので、第2構成部分20がさらに直動することが防止され、かつ仮説的に存在しうる僅かな緩みが除去される。
本発明に係るシステムの別の実施形態及び適用例について、図9a〜図9cを参照して以下に説明する。
図9a〜図9cは、パイプの第1部分100及び第2部分200(以下では、それぞれ第1要素及び第2要素とも称される)を示している。上記の第1要素及び第2要素は、図9a〜図9cに示す本発明に係るシステムの実施形態によって、連続するパイプを構成するように、すなわち、上記の第1要素100及び第2要素200の内部の流れ断面を一致させるように、相互に接続されている。この目的のために、第1構成要素10が第1要素100の自由端に固定され、第2構成部分20が第2要素200の自由端に固定されるので、第1構成部分10及び第2構成部分20が相互に拘束されることによって、第1要素100及び第2要素200の相互締結が達成される。この目的のために、第1構成部分10及び第2構成部分20の両方が、第1要素100及び第2要素200の端部にそれぞれ挿入されて当該端部に例えばクランプ又は類似の締結手段によって固定されるのに適した管状の端部を有している。
特に、第1構成部分10は、第1ダクト12tを備え、かつ実質的に球形の1つの端部12(構成部分100に固定される端部とは反対側の端部)を有する。同様に、第2構成部分20は、第2ダクト20tを備え、かつ実質的に円筒形であり上記の第1構成部分10の上記の球形端部12を収容するのに適した1つの端部(要素200に固定される端部とは反対側の端部)を有する。より詳細には、第2構成部分20の円筒端部の内部には、上記の第1構成部分10の上記の実質的に球形の端部12を収容するのに適した実質的に球形の内部空間26を形成するシール要素(流体の漏出を防止するのに適している)が設けられている。さらに、上記の第2構成部分20は、要素200の反対側の構成部分20の円筒端部に嵌合する中空体28を備えており、中空体28は、構成部分20の上記の円筒端部上を長手方向に(図中の上下方向に)滑動するようになっている。特に、中空体28は、構成部分20の円筒端部の外面上を滑動する外壁と、構成部分10の円筒端部の内壁上を滑動する内壁と、中空体28の上記の内壁及び外壁を接続する横断壁と、を備えている。すなわち、構成部分20の円筒壁の端部は、上記の中空体において外壁、内壁、及び横断壁によって形成されたU字形の着座部に収容されている。中空体28と構成部分20の円筒端部との間には、中空体28が第2構成部分20に対して直動する方向と平行な方向(図中の底部に向かう方向)の推進力を上記の中空体28の上記の横断壁に加えるのに適した(所望の個数の)コイルばね23が設けられている。さらに、構成部分20の内部には、特に、構成部品20の内面(テーパー状又は円錐台形の部分21を備えており、図9bの下部に例示されている)と構成部分10の端部12の外面との間、かつ中空体28の内壁の上方には、上記の第1構成部分10の上記の球形部分12の周囲に実質的に円形に配列された所望の個数のボール24が設けられている。第1構成部分10及び第2構成部分20の相互ロック位置は、図9bに示す位置である。この位置において、第1構成部分の球形の端部12は、着座部26の内部に収容されている。さらに、ばね23の作用によって、中空体が構成部分20(その中空本体)に対して最大伸張位置(図9b中で下向きに押された位置)に維持されており、その位置において、ボール24は、第1構成部分10の球形の端部12の最大直径を有する部分を通り越して配置されている。この位置においては、球形の端部12を中空の着座部26から引き抜こうと試みても、ボールが外部に向かって推進されるにすぎない。ところが、このようにボールがテーパー状の表面21に沿って中空の着座部26の外部に向かって移動されると、ボールが球形の端部12と上記のテーパー状の表面21との間に固定されることになるので、端部12が中空の着座部26の外部に向かってさらに直動することが防止される。第1構成部分10及び第2構成部分20の相互解放を達成するには、図9cに示すように中空体28に干渉することによって、ばね23の作用に対抗して中空体28を第2構成部分20の本体に向かって推進するだけで十分である。このように、ボール24は、中空体28の内壁によって推進されるとともに、同じ内壁によって、テーパー状の表面21と端部20の外面との間の距離がより大きくなる構成部分20の内部空間の部分に向かって、端部12の外面とテーパー状の表面21との間で移動される。つまり、ボールは、球形の端部12の最大直径の部分を越えて移動しうる。この時点では、第1構成部分10の球形の端部12が引き抜き方向に引かれても、球形の端部12が、ボール24、テーパー状の表面21、及び球形の端部の外面の間の抵抗状態によって生じる対抗力を受けることはないので、球形の端部12は中空の着座部26の外側に自由に移動できる。
例示された関節式の球形部によって、安全な締結が保証されるとともに、複数の方向の関節式の移動及び回転が許容される点が強調されるべきである。
前述した本発明の実施形態において、部分21(平坦又は円錐台形等の、回転直動要素24と当接する上面)の傾斜角度は、必要性及び/又は状況に応じて選択可能である。本発明の対象であるシステムを用いて実施されたテストによって、種々の角度に対応する以下の結果が与えられた。角度が1°〜8°(図9dを参照)である場合には、円錐形クランプ型の安全なロックが達成される一方で、当該事例では解放操作がより困難になる。従って、上記の角度は、ホイールのハブに本発明のシステムを使用する場合に特に便利である。角度が8°〜16°(好ましくは12°)である場合には(図9eを参照)、最適な(安全な)ロック結果が達成されるものの、解放が容易であり、解放要素に小さい力(無視できるほどではないとしても)を加えれば十分である。上記の角度は、特にハンドル、例えば標準的なドアのハンドルに適している。16°〜45°の角度が選択される場合には(図9fを参照)、2つの構成部分10,20の間の保持力(閾値)を設定することが可能であり、予め定めた上記の力の閾値(選択角度の関数)が一旦超過されたら、たとえ解放レバーに一切の作用が加えられない場合であってもシステムが開くことになる。このような角度によると、部品の滑動又は摩擦運動が達成されるので、システムが、予め定めた荷重のコネクタ又はブロックとして動作するようになる。従って、上記の角度は、ドア又はドア/窓のパネル、特に、開けるためには予め定めた推進力が必要であるドア又はドア/窓のパネルに本発明に係るシステムを適用するのに特に適している。角度の選択(及び回転直動要素を押された状態に維持する力の選択)は、2つの構成部分10,20の間で達成されるべき拘束の形式によって左右される。
図9d〜図9fを参照して上述した角度の値が、本出願に記載される本発明の全ての実施形態、及び当業者にとって自明である本発明の全ての変形例に適用可能であることは明らかである。
本発明の別の実施形態及び/又は本発明の構成部品について、図10a及び図10b〜図18を参照して以下に説明する。図面においては、例によって、他の図面を参照して既に説明した本発明に係るシステムの構成部品及び/又は特徴が、同じ参照番号によって識別される。
図10a及び図10bに示す実施形態の特別な特徴として、部分21の形状が挙げられる。図面から推量されるように、本事例において、部分21は、凸状の上面(回転直動要素24と当接する表面)を備えること、すなわち、上記の上面の下降部分によって形成されることを特徴としている。特に、凸状の上面は、隣接する2つの平坦な表面P1,P2によって形成されており、それら表面P1,P2は、共通の頂点で合流しており、水平な基準面に対して予め定めた角度で(同じ角度又は2つの異なる角度で)傾斜している。さらに、下降部分の深さは、部分21の長さに沿って変化しており、特に、(システムの完成品において)第1構成部分10に対向する部分21の端部へ向かって減少している。従って、構成部分10の端部12が、他の実施形態に関連して説明したように第2構成部分20の外部に向かって直動すると、回転直動要素24も(第1構成部分10の端部12、要素24、及び部分21の凸状の上面の間の摩擦によって)第2構成要素20の外部に向かって(図10bの下から上に向かって)移動することになる。その結果、回転直動要素24が経路の途中で停止するまで凸状面に沿って「上昇」することによって、第1構成部分10の端部12のさらなる直動が防止されるので、第1構成部分10が第2構成部分から引き抜かれることはない。
上記の解決法の別の変形実施形態が図11a及び11bに示されている。本実施形態は、図10a及び図10bを参照して上述した解決法とは、部分21の長さに沿って変化するのが部分21の上面の下降部分の深さではなく、隣接して対向する傾斜面P1,P2間の相互距離(図11a及び図11bにおける水平方向の距離)であるという点で相違しており、特に、上記の表面P1,P2間の距離が第2構成部分20の外端部に向かって、すなわち第2構成部分20からの第1構成部分10の引き抜き方向において減少している点で相違している。対抗要素24は、第1構成部分10の端部12によって第2構成部分20の外部に向かって(図11bの下から上に向かって)引かれるときに(構成部分10の端部12に対抗して)徐々に上向きに押されるので、3つの構成部品の相互ロック(第1の構成部品10及び第2構成部品20の相互ロック)が引き起こされて、第2構成部分20の外部に向かう第1構成部分10のさらなる直動が防止されるまで、構成部品10の端部12、要素24、及び部分21の間の抵抗作用が増大することになる。
図10a、図10b及び図11a、図11bをそれぞれ参照して直前に説明した2つの解決法に係る部分21が、既に説明した実施形態、及び以下に説明する別の実施形態の傾斜部分21の代替物として使用可能であることは明らかである。また、直前に説明した解決法が、先の実施形態及び以下に説明する実施形態の傾斜部分21と組み合わせて使用可能であることも明らかである。この場合、部分21は、傾斜しており、可変的な深さ及び/又は幅を有する凸状の下降部分を含んだ上面を備えている。
(開放状態、ロック状態、及び解放状態のシステムをそれぞれ示す)図12a〜図12cに示される本発明の別の実施形態の特別な特徴は、解放要素27の形状及び動作によって表される。本事例において、解放要素27は、L字形であり、(要素27が移動する間に着座部26の内部に少なくとも部分的に収容されるように)着座部26のレベルに位置決めされた第1端部と、上記の第1端部から延びる第2部分と、を有している。
弾性対抗要素(例えばコイルばね)71は、解放要素を休止位置(図12aを参照)に維持するように上記の要素27の上記の第2部分に作用するようになっている。休止位置において、解放要素は第2構成部分20から所定の距離だけ離間して維持されるので、解放要素27の第1端部は回転直動要素24から離れている(接触していない)。従って、弾性要素71は図中の右から左に向かって推進作用を加えることになる。要素71から加えられる推進作用に対抗して(図中の左から右に向かって)要素27に推進作用を加えることによって、システムの解放が達成される。このように、解放要素27の第1端部が回転直動要素24に衝突することによって、回転直動要素24が、ばね23の作用に対抗して、構成部分20内部に向かって、すなわち、直動要素がより大きい「緩み」を有することで構成部分10の端部12と部分21との間で実質的に「ルーズ」な状態になる内部空間26の部分に向かって推進される。部分21は、傾斜し又は凸状部分及び/又はテーパー状の下降部分を有する上面を備えるか、又は傾斜しかつ凸状部分及び/又はテーパー状の下降部分を有する上面を備える。このように、第1構成部分10の端部12は、他の実施形態と同様に第2構成部分20から引き抜かれることができる(図中の右から左に向かって直動することができる)。また、弾性要素71が、(必要性及び/又は状況に応じて変化する断面を有する)要素又はピン70に嵌合され、かつ当該要素又はピン70によって所定の位置に維持されることが付言されるべきである。当該要素又はピン70は、構成部分20に形成された対応する収容着座部の内部で直動可能である。
図13a〜図13cに示す別の実施形態は、図12a〜図12cを参照して直前に説明した実施形態に非常に類似しているが、本実施形態は、弾性要素又はばね23が磁石72に置換される点で、直前の実施形態とは(並びに前述及び後述の実施形態とは)相違している。
上記の磁石72は、特に、同じ極性(図中に示すような正極性、又は状況次第では負極性)を有する2つの部分を備えており、第1部分は直動要素24に堅固に固定されており、第2部分は第2構成部分20に堅固に固定されている。2つの部分の間に発生する磁力は、要素24に堅固に固定された磁石72の部分を構成部分20の外部に向かって(図中の右から左に向かって)押すことによって、当該要素24を構成部分20の外部に向かって同じ方向に押す傾向を示すことになる。従って、解放要素27に推進作用が加えられ、解放要素27の第1端部が回転直動要素に衝突するまで移動するときには、当該推進作用が上記の実施形態における弾性要素の作用ではなく磁力の作用に対抗して加えられることになる。
先の事例と同様に、本発明に係るシステムの複数の状態、すなわち、2つの構成部分10,20が相互から解放された状態、相互に拘束された状態、及び相互から解放するのに適した状態を示す、図14a及び図14bで説明される別の実施形態において、解放要素27は、第1端部27m(回転直動要素24に寄り掛かる端部)がいわゆる「形状記憶」式の材料(例えば合金)、すなわち、上記の端部27mに電圧が印加されるか否かに応じて上記の第1端部27mの体積が変化する材料で作製されることを特徴としている。図中に観察されるように、要素27の第1端部27mに電力を供給する手段となる2本の電線が概略的に示されている。電力供給によって、要素27の第1端部27mに電圧が印加されると、第1端部27mの体積が増加して回転直動要素24に当接することによって、回転要素を構成部分20の内部に向かって推進するので、構成部分10を構成部分20から引き抜くことが可能になる。他方、電力供給が除去されると、解放要素27の第1端部27mが初期状態又は休止状態の体積に戻るので、もはや第1端部27mが回転直動要素に推進作用を加えることはなく、また、回転要素が構成部分10によって(その端部12によって)構成部分20の外部に向かって駆動されると、回転要素が端部12と部分21との間にロックされることによって2つの構成部分10,20の相互解放が防止される。
図15a〜図15cに示す本発明に係る別の実施形態は、直前に説明した実施形態と同様であり、2つの実施形態の相違点は、解放要素27(第1端部から延びる第2部分)が拘束要素27miを介して構成部分20に拘束される点、及び形状記憶材料で作製されるのが上記の拘束要素27miであるという点である。従って、(電線27cを介して)拘束要素27miに対する電圧の供給、及び除去を交互に行うことによって、拘束要素の体積の増加、及び「休止状態」の体積への復帰が交互に引き起こされるので、解放要素27の構成部分20からの取り外し、及び構成部品20への接近が交互に行われるとともに、回転直動要素24の構成部品20の内部への(図中の左から右への)推進、及び解放要素27の第1端部からの解放が交互に行われる。
図16に示す実施形態における特別な特徴は、構成部分10の厚み(又は少なくとも構成部分20に挿入されるように構成された端部12の厚み)が構成部分10の長さに沿って変化するような縦断面、特に、構成部分10の厚みが上記の端部12に向かって増加するような縦断面を特徴とする構成部分10の形状によって表される。この解決法は、特に部分21の形状及び/又は傾斜ないし非傾斜の向きにとは無関係に、他の実施形態の各々に採用されるのに適しており、この解決法によれば、端部12と回転直動要素24との間の摩擦、特に、構成部分10が構成部分20の外部に向かって直動する間(解放要素が非作動状態にされることによって例えば図15aに示す状態にされているのは明らかである)の構成部分10の端部12、要素24、及び部分21の間の相互抵抗を増大させることが可能であるので、2つの構成部分10,20の間の相互拘束をより安全かつ確実にすることが可能である。さらに、構成部分10(又は少なくともその端部12)の断面は、必要性及び/又は状況に応じて変更可能であり、例えば、長方形又は六角形等の形状を有しうる。
図17a、図17b、図17c、及び図17dにそれぞれ示される別の実施形態における着座部25は種々の形状を取りうる。例えば、図17aの実施形態における着座部25は貫通式の着座部である。つまり、構成部分10に対向する構成部分20の側面は、反対側の側面と連通している。本事例において、着座部25の内径は、不変であってもよいし(図17aの場合)、可変的であってもよい(図17dの場合)。直座部25の内径が可変的であることは、着座部25の内径が構成部品10に対向する側面とは反対側の構成部品20の側面に向かって増加することを意味する。さらに、着座部25は一端が閉塞されていてもよく(図17b及び図17cの場合)、その場合も、着座部25の内径は可変的であってもよいし不変であってもよい。
最後に、図18は、本発明に係るシステムの特別な実施形態を示す。本実施形態における回転直動要素24(図中の部分21と構成部分10との間に示す)及び部分21は両方とも特別な形状を有している。図18に示す要素24は、実質的に円筒形(実質的に円筒形の主外面によって形成される)であるが、各々が凸面によって形成された2つの円周溝24g(円周の全体に沿って延びている)を備えている。次に、部分21は、要素24と当接する部分21の上面から延びる2つの対応する突出部(ピラミッド形又は角錐台形の断面を有する)を備える。それら突出部は、部分21の長さの方向に(図の平面に直角に)延びており、それら突出部の各々は、対応する溝24gに係合している。さらに、突出部21sの高さは、それらの長さに沿って(すなわち図18の平面に直交する方向に沿って)変更可能であり、また、部分21は傾斜していても傾斜していなくてもよい。従って、突出部21sの役割は、図10a、図10b、及び図11a、図11bを参照して上述した実施形態による部分21の下降部分と同様に、要素24と部分21との間の抵抗作用を増大させることである。本実施形態によれば、要素24と部分21との間の接触面積を増加させることが可能になるので、システムの構成部分10及び構成部分20の間の相互拘束をより安全かつ確実にすることが可能になる(解放要素が非作動状態のとき)。
本発明が上述され図示された実施形態に限定されない点に留意することが重要である。逆に、本出願で説明され図示された実施形態の、当業者にとって自明である全ての変形及び変更は、本発明の技術的範囲に属している。本発明の目的及び範囲は、添付の特許請求の範囲において決定される。
本発明は、2つの要素の相互締結及び相互分離を交互に実現するのに適した、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムの技術分野に関する。
特に、本発明は、例えば、棚システムの直立式又は支持用の構造体及び棚、並びにフレーム(例えば家具の)及び同じ家具の扉板のような2つの要素の締結及び分離を交互に実現するのに適した、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムの技術分野に関する。
従って、本発明は、特に(一般的な家庭用、乗用車用、キャンピングカー用、及び車両用の)ドア及び/又は窓のハンドル、及び/又は家庭用の家具、例えば、棚システム、整理ダンス、及び衣装戸棚等のドアのハンドルとしての用途、及び/又は公知の締結システム又は締結手段、例えば自動車のホイールを固定するボルト及びスクリュー又はナット等を置換する目的に適した、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムに関する。
従来技術において、2つの構成部分を相互に固定するのに用いられる接続及び/又は結合のためのシステムが公知である。接続システムの例が特許文献1及び特許文献2から公知である。例えば、棚システム及び/又は同様の構造体の組み立ての場合、棚が棚システムの支持構造体に締結されること、及び棚が支持構造体から取り外されることを可能にするシステムが公知である。最も一般的なシステムは、小型の金属部品、例えばスクリュー及びアンカー、並びに上記のスクリュー及び/又はアンカーを介して支持構造体及び種々の棚に締結されるのに適した所定の形状及びサイズの要素を備えている。棚システムの組み立ては、例えば、予め棚に固定された結合及び/又は締結のための要素に実際の組み立て中に結合(係合)される結合又は締結のための要素が、事前に棚システムに配列されていることを要求する。
一方では、近年の解決法によって提供される利点が認識されうるものの、それら解決法に欠点がないわけではない点に留意すべきである。
特に、典型的な欠点の1つとして、実際の固定要素が、スクリュー又は同様の手段によって、相互に締結されるべき要素に(例えば、棚システムの支持構造体及び種々の棚に)事前に固定される必要がある点が挙げられる。従って、全体的な組み立て時間を特定の時間よりも短縮することは不可能である。
さらに、近年の棚システムの場合、スクリュー又は同様の手段は、外観が好適ではなく、システムの構成部品を損傷する(引っ掻き傷又は同様の損傷をもたらす)虞があるという理由から、スクリュー又は同様の手段の使用を避ける傾向がある。
接続システムの別の例が特許文献3から公知である。より具体的に、特許文献3には、スクープがばねに対抗して後退することを可能にするにようにスクープに接続されたレバーを有するデバイスが提案されている。スクープにはボールが接続されていない。特許文献3の機構においては、システムがブロックされると、ボールが傾斜路、ベルト、及びカバーの間にブロックされることに留意すべきである。そのため、スクープに接続されたレバーがばねを後退させ、スクープがボールから離脱しても、ボールは傾斜路及びベルトの間にブロックされたままである。さらに、所望の解放動作を達成するためには、システムがベルトに作用を加えてベルトを下方に移動させる必要がある(図4を参照)。
最後に、公知の形式の結合システム、特に実際の結合手段は、偶発的な係合解除又は結合解除に対する必要な保証及び信頼性を提供するものではない。そのため、完成した構造体の使用中に(例えば、棚から本を取る間に)棚が偶発的に支持構造体から分離する虞があるので、使用者にとっての深刻なリスク及びそれによる構造体の安定性の喪失がもたらされる。
さらに、(一般的な家庭用、乗用車用、キャンピングカー用、及び車両用の)ドア及び/又は窓のパネル用のハンドル、及び/又は家庭又はその他の環境で使用される家具、例えば棚システム、整理ダンス、衣装戸棚等のドア用のハンドルとして使用されるのに適した、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムに関して、近年では多様な解決法が提案されている点に留意すべきである。しかし、いくつかの事例では機能性及び信頼性に対する要求が優先され、別の事例では美観上の要求又は寸法上の要求を満足することが意図され、別の事例では組み立て及び設置の容易さに重点が置かれるなど、上記の解決法は、別個の要求を満足するために提案されることが非常に多い。
従って、いかなる公知の解決策も今のところは上記の要求の全てを満足していない。例えば、古典的な形式のハンドル(回転ハンドル、ラック機構付きハンドル、又はその類似品)は、その機能性に関しては適切な保証を提供することが多いが(そのため、古典的な形式のハンドルは、家庭用のドア、窓、又はドア/窓のフレームに使用するのに最も適切かつ好適な解決策とされるが)、多くの場合、それらハンドルはかなり大きい寸法を有することを特徴としている。そのため、古典的な形式のハンドルは、例えば、キャンピングカーで特に使用されるか又は何らかの限られた空間で使用されるように意図された家具又はキャビネットのような具体的な用途には適していない。同様に、例えばキャビネットの事例のように、種々の目的で使用されるのにより適した公知の解決策は、多くの場合、サイズを小型化しかつ組み立て及び使用を容易にする単純な構造を特徴としているものの、そのような単純な構造によると信頼性及び機能性が損なわれる場合が多い。
米国特許第3896698号明細書
スイス特許第600738号明細書
英国特許出願公開第2297793号明細書
従って、本発明の1つの目的は、従来技術において公知の解決策に内在する上記の欠点を克服することである。
特に、本発明の目的及び意図は、以下のように要約されうる。
一般的な公知の形式のドア扉、ドア、窓、及びドア/窓のフレーム用のハンドルの代替品として、例えば、棚システム及び/又は同様の構造体等の構造体の迅速な組み立てに当該技術分野で使用される、公知の接続及び/締結のためのシステムの代替品として、そして、ボルト、ナット等の固定手段の代替品として使用可能な解決法を提供することが、本発明の第1の目的である。
従って、特にハンドルとして使用される場合には、信頼性(ドア又は窓の偶発的な開放のリスクを排除するか又は大幅に減少させる)に関して、機能性(単純かつ即時的な操作でドア又は窓を開けることを可能にする)に関して、構造的な単純性(製造が単純かつ容易である少数の構成部品を含む)に関して、そして、対応するパネル又はドアへの組み付け及び/又は取り付けの容易性に関して、適切な保証を提供する、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムであって、全体寸法の小さいシステムを提供することが、本発明の他の目的である。
より詳細には、2つの剛性要素を相互に締結するのに使用される場合に(例えば、棚システム及び/又は同様の構造体を組み立てるのに使用される場合に)、上記のシステムによって相互に固定された部品が偶発的に分離するリスクに対して適切な保証を提供する迅速な接続及び/締結のためのシステムを提供することが、本発明の他の目的である。さらに、上記のシステムは、組み立てが容易であり、単純な作業によって可能な限り迅速に組み立てられるのに適しており、単純かつ即時的な方法によって相互締結及び/又は相互接続が行われる部品に短時間で取り付けられるのに適しており、そして、非美的ではない外観及び小型化されたサイズを有している。
本発明は、例えば、一般的なドア、窓、及びドア/窓のフレームのハンドル、並びに家具、棚システム、整理ダンス等のハンドルの構造の技術分野で具体的かつ便利に適用されうる。このことが、以下に説明する本発明に係るシステムの適用例の殆ど全てが、家具のドア、整理ダンス、並びに一般的なドア及び/又は窓に標準的に使用されるハンドルの具体的な事例に言及している理由である。但し、本発明に係るシステムの実現可能な適用例はハンドルの具体的な事例に限定されない。逆に、本発明は、2つの要素、例えば、より複雑な構造体の2つの要素、特に、対応するハブ又は車軸に取り付けられるホイール(例えば自動車用ホイール)を迅速かつ確実に(偶発的な結合解除を回避して)相互に固定する必要のある任意の事例に、有利に適用されうる。
本発明は、相互接続及び相互分離を交互に達成するのに適し、かつ第1及び第2要素(例えば、ドアのフレーム、及び上記のドアのスイングパネル、又は衣装戸棚若しくはキャビネット、及びスイングドアパネルの構造体、又は引出しの前面パネル)にそれぞれ固定されるのに適した第1及び第2構成部分を備えた、迅速な接続及び/又は締結のためのシステムを提供することによって、公知の解決法(特にハンドルとして使用可能なシステム)における典型的な不都合又は欠点を克服するか又は少なくとも最小限に抑制することが可能になるという、全体的な考察に基づいている。上記の2つの構成部分の相互接続は、上記の第1構成部分の一部分が上記の第2構成部分の内部で直動することによって引き起こされ、それらの分離は、上記の第1構成部分の上記の部分が結合方向とは実質的に逆の方向に直動することによって引き起こされる。このように、例えば引出しの場合には、使用者が特別な操作を行う必要はなく、引出しを閉めてハンドルの2つの構成部分を接続するには、使用者が引出しを閉鎖方向に押すだけでよく、ハンドルの2つの構成部分を分離するには(引出しを開けるには)、使用者がハンドルを開放方向(実質的に閉鎖方向とは反対の方向)に引くだけでよいので、システム(ハンドル)の機能性が著しく単純化される。さらに、これにより、少ない個数の構成部分を特徴とするハンドルを得ることが可能になるとともに、個々の構成部分の構造が単純であることから、限られた時間及び削減されたコストによる容易な組み立てが可能になる。さらに、ハンドルの全体寸法が小型化され、美的の観点からも明らかに有利になる。
本発明の基礎となる他の考察は、分離方向における第1構成部分の上記の部分の直動に対抗する手段をハンドルの第2構成部分に設けることによって、追加の利点がもたらされることである。上記の対抗手段は、上記の第1構成部分の上記の部分の直動によって起動される。このように、ハンドルは2つの構成部分の偶発的なま離に抵抗して自動的に起動される。
第1構成部分の端部の分離方向における直動に抵抗する対抗手段によって加えられる力が、上記の端部が上記の第2構成部分の内部にロックされるまで上記の端部の直動方向に沿って増加するような対抗手段を提供することによって、追加の利点がもたらされる。
さらに、必要な都度、必要な間だけ上記の第1及び第2構成部分を相互分離が実現されるように、上記の対抗手段を非作動状態にするのに適した手段を第2構成部分に設けることによって、追加の利点がもたらされる。
ハンドルの第2構成部分が取り付けられる要素と同じ開放方向、例えば引出しの開放方向に上記の非作動化手段が直動すると対抗手段が非作動状態になるように、上記の非作動化手段が構成されると、最終的に大きな利点がもたらされることがある。このように、対抗手段を非作動状態にするための使用者の介入によって、引出しの開放が実質的に同時に実現される。
本発明の第1実施形態によれば、本発明の主題は、独立請求項1に係るシステム、すなわち、第1及び第2要素の相互接続及び相互分離に適した迅速な接続及び/又は締結のためのシステムであって、それぞれ上記の第1及び第2要素に固定されるのに適し、かつ上記の第1及び第2要素の相互接続及び相互分離が交互に実現されるように相互に接続され分離されるのに適した第1及び第2構成部分を備える。上記の第2構成部分は、上記の第1構成部分の端部が上記の第2構成部分の内部で直動できるように上記の第1構成部分の端部を収容するのに適し、上記の第2構成部分は、さらに、上記の第2構成部分の外部に向かう上記の第1構成部分の上記の端部の直動に対抗する対抗手段を備える。
本発明の主題は、上記の第2構成部分が回転要素を備える、接続及び/又は締結のためのシステムであって、上記の回転要素が、上記の第2構成部分の内部に向かう上記の第1構成部分の端部の直動によって第1回転方向に回転するように設定され、かつ上記の第2構成部分の外部に向かう第1構成部分の直動によって第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転するように設定される、接続及び/又は締結のためのシステムである。さらに、上記の対抗手段は、上記の第2回転方向における上記の回転要素の回転に対抗するのに適する。
従属請求項3として請求する本発明の別の実施形態によれば、上記の第2構成部分は、上記の第1構成部分の上記の端部と一緒に内部空間を形成する剛性部を備え、上記の回転要素は、上記の内部空間の中に収容され、そして、上記の剛性部、上記の端部、及び上記の回転要素は、上記の回転要素に加えられる上記の剛性部及び上記の端部の相互作用によって上記の対抗力が発生するように、形成されかつ相互に位置決めされる。
他の従属請求項に記載された本発明に係るシステムの付加的な実施形態によって、追加の利点が保証される。
添付図面に図解する本発明のいくつかの実施形態の説明を通じて、本発明について以下に説明する。但し、本発明が図解する実施形態に限定されることはなく、本発明の適用分野及び技術的範囲は、当業者にとって明白、自明、かつ即座に理解可能であると考えられる、本出願に図示され説明される実施形態の全ての変更変形及び変更を含んでいる。
本発明に係るシステムの第1実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は結合位置に在る。
本発明に係るシステムの第1実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
本発明に係るシステムの第1実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は解放位置に在る。
図1a〜図1cに示す本発明の実施形態に係るシステムの第1使用例を示す。
図1a〜図1cに示す本発明の実施形態に係るシステムの第1使用例を示す。
図1a〜図1cに示す本発明の実施形態に係るシステムの第2使用例を示す。
図1a〜図1cに示す本発明の実施形態に係るシステムの第2使用例を示す。
本発明に係るシステムの第2実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は結合位置に在る。
本発明に係るシステムの第2実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
本発明に係るシステムの第2実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は解放位置に在る。
本発明に係るシステムの実施例の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は結合位置に在る。
本発明に係るシステムの実施例の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
図3a及び図3bに示す本発明の実施例に係るシステムの使用例を示す。
図3a及び図3bに示す本発明の実施例に係るシステムの使用例を示す。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いに結合されようとする位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は解放位置に在る。
本発明に係るシステムの実施例の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は結合位置に在る。
本発明に係るシステムの実施例の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
図5a及び図5bに示す本発明の実施例によるシステムの使用例を示す図である。
図5a及び図5bに示す本発明の実施例によるシステムの使用例を示す図である。
図5a及び図5bに示す本発明の実施例によるシステムの使用例を示す図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態に関する図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態に関する図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態に関する図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態に関する図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分は結合位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図であり、当該システムの第1構成部分と第2構成部分はそれらが互いから解放されようとする位置に在る。
本発明に係るシステムの別の実施形態の前面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の側面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
図7a及び図7bに示す実施形態の変形例の詳細図である。
図7a及び図7bに示す実施形態の変形例の詳細図である。
図7a及び図7bに示す実施形態の変形例の詳細図である。
本発明の別の実施形態のいくつかの構成部品の前面図である。
本発明の別の実施形態のいくつかの構成部品の平面図である。
本発明の別の実施形態のいくつかの構成部品の前面図である。
本発明の別の実施形態のいくつかの構成部品の平面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明の係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の断面図である。
本発明に係るシステムの別の実施形態の構成部品の前面図である。
図1a〜図1cに示す本発明の第1実施形態は、以下に詳細に説明する通り相互作用するのに適した第1構成部分10及び第2構成部分20を備えている。第1構成部分10は、(例えば、金属、プラスチック、又は他の同様に剛性材料の)小型の棒のような形状を有しており、第1要素100、例えば、一般的な棚システム若しくは整理ダンス、又は側柱若しくはドア/窓のフレームの支持構造体に強固に固定されるのに適している。第2構成部分20は、ハンドルの形状に作製されており、第2要素200、例えば、回転ドア若しくは窓、又は引出しの前面パネルに強固に固定されるのに適している。この目的のために、第2構成部分20は、要素200の適切な着座部に収容される第1部分と、ハンドルノブの役割を果たす第2部分28、いわゆる外側部分28と、を備えている。第1構成部分10は、第1端部11と、第1端部11の反対側の第2端部12と、を備える。第1構成部分は第1端部11を介して要素100に固定される。第2端部12は、完全に第2構成部分の中に形成される相補的かつ対応した形状を有する中空着座部25の中に受容されて収容されている。第2構成部分20の内部には、1つの側面が第1構成部分10の端部12に対して傾斜する剛性部21(例えば金属ストラップ)によって形成された空間26が設けられている。特に、端部12は、着座部25の内部において、傾斜部21の反対側で空間26をかすめて移動するのに適している。明確化のために、以下では、図1aの左から右への端部12の移動方向を、第2構成部分20の内部に向かう直動方向と定義し、図1a及び図1bの右から左に向かう端部12の直動方向を、第2構成部分20の外部に向かう直動方向と定義する。剛性部21の傾斜によって、端部12が第2構成部分20の外部に向かう直動方向に沿って進むときには剛性部と端部12との間の距離が減少し、端部12が反対方向、すなわち構成部分20の内部に向かう直動方向に沿って進むときには剛性部と端部12との間の距離が増加する。空間26の内部には、さらに、剛性要素22(例えば小型の円筒形の棒)に固定又は嵌合されたコイルばね23が設けられる。剛性要素の外径は、実質的にコイルばね23の内径と一致している。常に空間26の内部に位置する回転直動要素24、例えば、小型シリンダ、鉄棒、又はボールは、コイルばね23の自由端のレベルに位置決めされているので、コイルばね23は、剛性部21と端部12との間の距離が減少する空間26の端部に向かう推進作用を回転要素24に加えるようになっている。同様に第2構成部分20の内部(適合する形状の適切な着座部)に位置する解放要素27は、第2構成部分20の内部で端部12の直動方向と実質的に平行な方向に、すなわち図1aの左から右に向かって(構成部分20の内部に向かって)直動するとともに図1aの右から左に向かって(構成部分20の外部に向かって)直動するのに適している。解放要素27は、特に、使用者がノブ28に加えた作用によって、すなわち使用者がノブ28に図1aの左から右に向かって加えた牽引作用によって構成部分20の内部に向かって直動するのに適している(従って、解放要素27とノブ28は、例えば、構成部分20の内部に収容された図示しない接続手段を介して相互に接続されている)。解放要素27は、使用者がノブ28に牽引方向とは反対の方向、すなわち図1aの右から左に向かって加えた推進作用によって、構成部分20の外部に向かって直動するようになっている。第2構成部分20の内部に向かって直動する間に、解放要素27は、回転要素24に寄り掛かり、ばね23の作用に対抗して回転要素を第2構成部分20の内部に向かって押すので、回転要素は、剛性部21と第1構成部分10の端部との間の距離が増加する内部空間26の部分に向かって押されることになる。
図1a〜図1cに示す本発明の実施形態による接続システム(ハンドル)の操作は、以下のように要約されうる。第1構成部分10及び第2構成部分20の相互接続は、第1構成部分10の端部12が第2構成部分20の内部に向かって直動又は滑動することによって達成される。端部12が第2構成部分20の内部に向かって直動する間に、剛性部21に対向する端部12の表面が回転要素24の外面に当接するので、回転要素24は、先ず右回りに回転させられ、次いで端部12と回転要素24との間に発生する摩擦によって直動させられる。上記の回転要素24は、第1構成部分10の端部12に対向する剛性部21の表面にも当接する。右回りの回転及びその後の直動の間に、回転要素24は、ばねの作用に対抗して(図1aの左から右に)、すなわち、剛性部21と第1構成部分10の端部12との間の距離が増加する空間26の部分に向かって移動する。従って、回転直動要素24は、端部12が構成部分20の内部に向かって移動するのを妨害しないので、端部12は、図1aに示す構成部分20の内部の最終位置に到達できる。このように、端部12の最終位置は、2つの要素100,200が予め定めた位置で相互にロックされるような、第1構成部分10と第2構成部分20との間の相互ロック位置と定義される。
従って、図1aに示すロック位置では構成部分20の外部に向かう端部12の偶発的な直動は不可能であるので、第1構成部分10及び第2構成部分20の偶発的な解放(及びそれによる引出し若しくはドア、又は窓等の偶発的な開放)は不可能である。事実、構成部分20の外部に向かう端部12の直動の間に、回転要素24は左回りに回転するように設定され、かつ必要に応じて(端部12と回転要素24自体との間の摩擦によって)直動するように設定されるので、剛性部21と端部12との間の距離が減少する空間26の部分に向かって移動されることになる。空間26の当該部分に向かう(すなわち実質的に構成部分20の外部に向かう)回転要素24の移動によって、回転要素24が端部12と剛性部21との間に係合するので、或る時点において、要素21が左回りにさらに回転することも、端部12が構成部分20の外部に向かってさらに直動することも不可能になる。言い換えると、回転要素が左回りに回転する間の或る時点、及び端部12が外部に向かって直動する間の或る時点において、回転要素24が端部12と剛性部21との間に係合して端部12をロックすることになる。従って、例えば、(ノブ28に作用を加えずに)ドア又は引出し等(要素200)に直接作用を加えて構成部品20を除外することによってドア又は引出しを開けようと欲する使用者は、構成部分20及び構成部分10の相互解放を達成することができず、それゆえにドア又は引出しを開けることができない。他方、2つの構成部分10,20の相互解放(すなわちドア又は引出しの開放)は、ノブ28を図1bに示すように左から右に、すなわち構成部分20の内部に向かって解放要素27を引いて直動させることによって実現される。実際、構成部分20の内部に向かって直動する間に、解放要素27は、上述した通り、回転直動要素24を構成部分20の内部に向かって、すなわち、剛性部21と端部12との間の距離が増加する空間26の部分に向かって押すことになる。このようにして、回転直動要素24の外面と剛性部21に対向する端部12の表面との間の抵抗作用(摩擦)が(回転直動要素24が端部12と接触しなくなる位置に完全に排除される程度まで)減少する。従って、このような状態において、構成部分20の外部に向かう端部12の直動は、回転要素24の左回りの回転も、外部に向かう(端部12と剛性部21との間の距離が減少する空間26の部分に向かう)回転要素の移動又はシフトも生じさせないので、端部12は図1cに示すように完全に構成部分20の外側に移動するまで自由に直動できる。従って、上記の内容から理解されるように、例えば、図1aに示すように左から右に向かって整理ダンスから引き出し可能な引出し200の場合、使用者が引出し200を開けるには、引出しと同じ方向にノブを引くだけでよく、その結果、ノブ28に加えられる牽引操作のみによって、先ずシステムの2つの構成部分20,10の相互解放が実現され、さらに引出し自体の開放が実現される。逆に、ノブ28に作用を加えずに引出し200を開けようとすると、システムの2つの構成部分20,10の相互ロックが引き起こされる。
図1d及び図1eは、上述した本発明の実施形態によるシステムの第1の使用例又は適用例を概略的に示している。本事例における第1構成部分10は、整理ダンス又はキャビネット300の支持構造部100に強固に固定されており、第2構成部分20は、システムのノブ28が前面パネル200からキャビネット300の外部に向かって突出するように、引出し200の前面パネルに取り付けられている。従って、引出しの開閉は、上述した手順に従ってノブ28を引く作用又は押す作用を加えることによって達成される。
上述した本発明によるシステムの実施形態の第2の適用例又は使用例が図1f及び図1hに示されている。本事例における要素100は垂直壁によって構成されており、要素200は棚によって構成されている。2つの構成部分10は垂直壁100に強固に固定されており、2つの構成部分20は、垂直壁100に対向するように構成された棚20の縁に固定されている。図1f及び図1hに示す棚システムの組み立ては、予め構成部分10を垂直壁100に固定するとともに、構成部分20を棚の対応する位置に固定することによって達成される。最後に、棚200を垂直壁100に向かって押すと、構成部分10,20が相互にロックされることによって棚200が垂直壁100に締結される。従って、棚を取り外すためには、上述した通り構成部分10及び/又は構成部分20のみに作用を加え、次いで棚200を垂直壁100から離れる方向に移動させればよい。
本発明に係るシステムの別の実施形態について、図2a〜図2cを参照して以下に説明する。図2a〜図2cにおいて、本発明に係るシステムの既に説明した構成部品又は特性は、同じ参照番号によって識別される。
図2a〜図2cに示す実施形態は、図1a〜図1cを参照して上述した実施形態に存在する構成部品の多くを備えている。事実、図2aには、第1端部11と、第2構成部分20の内部で滑動及び直動できるように第2構成部分20の内部の着座部25に収容された第2端部と、を有する第1構成部分10が示されている。上記の第1構成部品10は第1端部11を介して第1要素100に固定される。この場合も構成部分20の内部に空間26が設けられており、その内部空間26は、端部12が収容されて滑動する着座部25に接触するようになっている。この場合も、内部空間26は端部12の滑動方向に対して傾斜した剛性部21によって形成されており、剛性部21と端部12との間の距離は構成部分20の外部に向かって減少するようになっている。支持要素22が上記の空間26の内部に延在しており、支持要素22には、それに係合するコイルばね23が設けられている。コイルばねは、構成部分20の外部に向かって(すなわち、剛性部21と端部12との間の距離がより小さくなる空間26の部分に向かって)空間26の内部に収容された回転直動要素24(例えば、小型シリンダ、爪、又はボール)を押すようになっている。本実施形態と前述した実施形態との間の主要な相違点は、本実施形態では、前述した実施形態におけるハンドグリップ又はノブが中空体又はケーシング28に置換されている点である。中空体を介して、第2構成部分20は要素200に、特に、第1構成部分10及び要素100に対向する要素200の側面に固定されている。中空体28は、第2構成部分20の本体上を図中の左から右に向かう方向、及び右から左に向かう方向に(すなわち、端部12の滑動方向と実質的に平行な方向に沿って)滑動するようになっており、第2コイルばね30は、第2構成部分20の本体と中空体28との間に形成された適切な着座部に収容されている。従って、コイルばね30は中空体28を図中の右から左に押すので、中空体がコイルばね30の作用に対抗して左から右に移動することが分かる。解放要素27は、中空体28が左から右に直動する間に中空体28によって第2構成部分20の内部に向かって駆動されるのに適している。
上述した実施形態と同様に、構成部分20の内部に向かって直動する間に、解放要素27が、回転直動要素24を、剛性部21と第1構成部分10の端部12との距離がより大きくなる空間26の部分に向かって押すので、端部12が第2構成部分20の外部に向かって直動できるようになり、それにより第1構成部分10及び第2構成部分20の相互解放が実現されうる(その結果、要素100は要素200から解放される)。従って、本事例においても、端部12を第2構成部分20に挿入するだけで第1構成部分10及び第2構成部分20の相互ロックが達成される。但し、本事例においては、要素200に作用を加えて要素200を要素100から離れる方向に移動させるだけで相互解放が達成される。このように、第1要素及び第2要素が最初は相互ロック位置に在るため相互に拘束されているので、要素200に作用を加えて要素200を要素100から離れる方向に移動させると、ケーシング28が先ず第2構成部分20上で(ばね30の作用に対抗して)滑動し、次いで解放要素27を駆動する。その結果、解放要素は、回転直動要素24の外面が端部12と接触しなくなるか若しくは僅かに接触するだけの位置に当該要素24が到達するか、又は回転直動要素24の外面と端部12との間の摩擦が最小になる位置に当該要素24が到達するまで、剛性部21と端部12との間の距離がより大きくなる内部空間26の部分に向かって回転直動要素24を押すことになる。このようにして、要素24から端部12に加わる対抗作用が除去されるので、要素200が要素100から離れる方向に移動するように要素200に加えられる連続的な作用によって、端部12が構成部分20の外側に移動するので、2つの構成部分10,20及び2つの要素100,200が解放される。構成部分20の内部に向かって直動する解放要素27が剛性部21によって妨害又は遮断されるのを防止するために、解放要素27は構成部分20の外側に面した剛性部21の端部を収容する適切な着座部29を備えている(この点については図2bを参照)。
図3a及び図3bに示す、本発明に係るシステムの実施例において(例によって、既に説明した構成部品及び/又は特性は同じ参照番号によって識別される)、第1構成部分10は、前述した実施形態の第1構成部分に非常に類似しており、一方の端部は、第1要素100(例えば棚)に固定されており、第2端部は、第2構成部分20の内部に滑動可能に収容されている。上記の第2構成部分20は、本事例においては、下側部品I及び上側部品Sを備えており、上記の下側部品Iの中に円錐台形又は漏斗形の着座部が形成されることによって内部空間26が形成されている。内部空間26には、ボール24が回転可能に収容されており、それらボール24は、上記の円錐台形の着座部の中央ピンの周りに円形に配列されている。弾性推進手段23は、ボールを円錐台形の着座部の外部に向かって、すなわち、上記の円錐台形の着座部の浅い方の部分に向かって推進するように、中央ピンとボールとの間に配置されている。第1構成部分10の端部12が滑動又は直動できる空隙25が上側部分Sの内部に形成されるように、上側部分Sは下側部品Iの上方に予め定めた距離で位置決めされている。円錐台形の着座部の下面は、上述した実施形態における傾斜部21に相当するので、ボール、円錐台形の着座部の下面21、及び端部12の間の相互作用は、上述した実施形態において発生する作用と非常に類似しており、第1構成部分の端部12を第2構成部分20の内部に向かって挿入する工程は、先の実施形態のために説明した工程と殆ど等しい方法で行われる。但し、本実施例の特別な特徴として、図3b中の矢印で示すようにノブ28を回転させることによって、第1構成部10の端部12が滑動する着座部25の断面が増加するように、上側部分Sと下側部分Iとの間の距離を変化させる(特に増加させる)ことが可能である点が挙げられる。第2構成部分20からの第1構成部分10の解放、すなわち第2要素200からの第1要素100の解放は、上側部分Sが図3aに示す位置から図3bに示す位置に移動するようにノブ28に作用を加えることによって達成される。上側部品Sが図3bに示す位置に在る場合には、端部12が第2構成部分20の外部に向かって直動する間に、端部12が1つ以上のボール24を回転させることはないので、ボールが円錐台形の着座部26の外側部分に向かって駆動されることはなく、ボール24と端部12との間に摩擦又は抵抗作用が発生することはない。そのため、端部12は第2構成部分20の外に自由に移動できる。
図3c及び図3dは、上述した実施例の適用例及び/又は使用例を示している。上述した適用例において、第1構成部分10は、棚100に固定されており、第2構成部分20は、ポスト200、例えば支柱に挿入されている。このように、第1構成部分10の端部が第2構成部分20の上側部品Sと下側部品Iとの間の空隙25に挿入されることによって、第1要素100が支柱200に締結される一方で、上述した通りシステムの2つの構成部品10,20が解放されることによって、上記の第1要素100及び第2要素200が互いから解放される。本実施例によって提供される利点の1つとして、単一の構成部分20を使用するとともに第1要素を当該単一の構成部分20の円周に沿って配列することによって、複数の要素100を支持体200に締結できることが挙げられる。
図4a〜図4cに示す本発明に係るシステムの実施形態は、容器、例えば図中に示す廃棄物コンテナに非常に便利に適用されうる(例によって、他の図面に関連して上述した構成部品及び/又は特徴は、同じ参照番号によって識別される)。但し、本発明の同じ実施形態は、例えば、ダンプカー若しくは重量車両、農業用機械、及び/又は建設機械等にも、先の例と同様に便利に適用されうる。特に、図4a〜図4cに示す本発明の実施形態によるシステムの第1構成部分10は、コンテナ300の本体100に固定されており、第2構成部分20は、コンテナのドア200の適切な着座部に収容されている。上記のドア200は、例えばヒンジ等の回転式の拘束体201を介してコンテナ300の本体100に拘束されている。構成部品の配列は前述した実施形態における配列と実質的に同じであるので、第1構成部分10の端部と第2構成部分20の内部に収容される構成部品(傾斜面によって形成された内部空間に収容される回転直動要素及びばね等)との間の相互作用に関しては先の説明(特に図1a〜図1cに示す発明の第1実施形態の説明)を参照する必要があるものの、本実施形態の具体的な特徴は、第2構成部分20の内部に第2構成部分20の内部及び外部、特にコンテナ300の内部及び外部と連通するV字形の着座部43が設けられるという事実によって表されることに留意すべきである。上記の着座部43の内部には、着座部43の内部を自由に移動可能な小型の球体42が配置されている。特に、着座部43の内部における小型の球体42の移動は、使用者がコンテナ300及び/又はドア200に作用を加えるときに、例えば、使用者がコンテナ300及び/又はドア200を図中の矢印A及び矢印Bで示されるように回転させるときに、重力の作用によって引き起こされる。レバー44(以下の説明から明確に理解されるように、レバーは上述したノブ28と同様の役割を果たす)は、その一部が構成部分20の内部に滑動可能に収容され、かつ解放要素27(明瞭化のために図示はしない)と接続されるように配置される一方で、レバー44の第2部分は、その自由端がコンテナ300の外側に面したV字形の着座部の開口部のレベルになるように配置される。レバー44に対する構成部分20の反対側には、回転式の拘束体41、例えばヒンジを介して構成部分20に回転式に拘束された第2ロッキングレバー40が設けられており、第2レバー40の端部がコンテナ300内側に面した着座部43の開口部のレベルにされる一方で、レバー41の反対側の端部は、解放要素27のレベルに位置決めされる。
従って、システムの2つの構成部分10,20の相互解放、及びそれによるドア200の開放は、以下のように要約されうる。
図4b中の矢印Bの方向に(すなわち右回りに)コンテナを回転させると、小型の球体がレバー44に衝突することによってレバー44がコンテナ300及び第2構成成分20の外部に向かって推進されて直動するまで、小型の球体が上記の着座部43の外側の開口部に向かって着座部43の内部を滑動するので、その時点で回転要素に作用している解放要素27は、回転要素と第1構成部分10との間に生じる摩擦、すなわち抵抗作用が除去されるか又は少なくとも減少して第1構成部分10及び第2構成部分20の相互解放が実現される位置に到達するまで、構成部分20の内部に収容されたレバー44の部分によって当該部分と一緒に動かされる。このように常に重力の作用によってドアが図4cに示すように自動的に開けられ、その結果、コンテナが空にされうる。
同様に、図4a中の矢印Aの方向に回転するようにドア200に作用を加えると、先ず、第1構成部分10及び第2構成部分20が互いに拘束された状態で、コンテナ300の全体が少なくとも部分的に同じ回転方向(左回り)に回転される。引き続きドア200(及び/又はコンテナの全体)が同じ回転方向に回転されると、小型の球体42が重力によって着座部43の内部でコンテナの内側に面した着座部43の開口部に向かって移動して、上記の開口部のレベルに位置決めされたロッキングレバー40の端部に衝突する。小型の球体42がロッキングレバー40の端部に衝突すると、ロッキングレバーの端部が拘束体41の周りで回転されるので、ロックキングレバーの第2端部が構成部分20の内部に向かって押されることによって、解放要素27が第2端部の押し動作中に第2端部と一緒に動かされる。この時点で、第1構成部分10及び第2構成部分20は相互に解放されているので、ドア200を開けることが可能である。上述した内容から明らかなように、本実施形態によって提供される大きな利点として、システムの構成部分10,20の相互解放(及びそれによるコンテナ100の本体からのドア200の解放)がドア又はコンテナに直接的な作用を加えることによって達成されるので、システムの2つの構成部分の一方には直接的な作用を加える必要がない点が挙げられる。
本発明に係るシステムの実施例について、図5a及び図5bを参照して以下に説明する。
本実施例において、システムの第1構成部分10は、第1要素100の適切な着座部101に挿入されて当該着座部に部分的に収容されるのに適した中空の管状要素の形状を有している。第2構成部分20は、第1構成部分10の端部12を収容するのに適した中空体によって構成されており、本事例における端部は第1要素100の片側(図5a及び図5bの右側)に延びている。第1要素100に向かって直径が減少する円錐台形の表面22を形成する上記の端部12の部分は、第1構成部分10の端部12の外面から延びている。同様に、第2構成部分20は、円錐台形の表面22に対向する円錐台形の表面を形成する円錐台形の部分21を備えており、それにより空隙26が形成されている。円錐台形の部分22によって形成された円錐台形の表面には、ボール又は同様の要素のような回転要素を収容する円周溝が設けられている。第1構成部分10は、雄ねじ部を備えた合せ釘50が係合している半径方向の着座部55を備えており、上記の合せ釘50の雄ねじ部は、合せ釘の係合式着座部の雌ねじ部と係合するようになっている。上記の着座部は第2構成部分20に形成されている。第2合せ釘51は、第2構成部分20の内部に向かって突出する当該合せ釘51の端部が第1構成部分10の外面の滑動式着座部52に係合するように、第2構成部分20のねじ付きの係合式着座部にねじ結合されている。コイルばね23が、図5bに示すように、第1構成部分10と第2構成部分20との間に配置されており、それにより特に第2構成部分20が第1要素100に向かって、すなわち図5a及び図5bの右から左に推進されるようになっている。球体24及び円錐台形の表面21の機能は、前述した実施形態の対応する部分の機能と同様であるので、簡潔のために上記の機能について詳細な説明は省略し、第1構成部分10及び第2構成部分20の相互ロックが、ボールと対応する円錐台形の表面との間の対抗作用によって引き起こされ、それにより第1構成部分が第2構成部分20から後退して第2構成部分20の外部に向かって、特に図5a及び図5bの右から左に向かって滑動するのが防止される、と述べるに留める。本実施形態の場合、第2構成部分20が第1構成部分10に対して反対方向(解放方向)に滑動すること、すなわち、第2構成部分20が要素100から離れる方向に滑動することが、合せ釘50によって防止される。上述した通り、合せ釘50は、第1構成部分10に設けられた着座部の中に係合している。第1構成部分10及び第2構成部分20の相互解放を達成することによって第2構成部分20を第1要素100から離れる方向に移動させるためには、合せ釘が係合式着座部55の外側に移動するように合せ釘50に作用を加える必要がある(つまり、合せ釘は、偶発的な解放に対する追加の安全機能を発揮する)。この時点で、構成部分20は、第1構成部分10の端部12の外面に設けられた係合式着座部52に第2合せ釘51が係合することによって確立される最終位置に到達するまで、要素100から離れる方向に移動できる(図5a及び図5b中の左から右に滑動できる)。第2構成部分20が最終位置に在る場合には、2つの円錐台形の表面の間の空間が図5bに示すように増大しているので、ボール24と端部12の外面との間の摩擦及び対抗作用は除去されており、上記の端部12は構成部分20から図5a及び図5b中の右から左に向かって後退できるので、2つの構成部分10,20の相互解放が達成される。さらに、係合着座部55と端部で係合する合せ釘50が、第1構成部分10の外面に圧縮力を加える追加の機能を発揮するので、第1構成部分10と第2構成部分20との間の煩わしい緩み及び/又は相互移動が防止される。
図5c及び図5dは、直前に説明した実施例の実現可能な使用例の1つ、特に、本発明の上記の実施例によるシステム、例えば棚200を支持壁100に固定するシステムの使用例を概略的に示している。事実、特に図5dから分かるように、システムの2つの第1構成部分10は、壁100から突出するように壁100に固定可能であり、2つの構成部分20は、壁100に対向する棚の縁部(但し、棚の下方でもよい)の対応する位置に固定可能である。上記の対応する位置では、第1構成部分10及び第2構成部分20が図5aに示す相互位置に到達するまで、棚200を壁100に向かって移動させることによって、2つの第1構成部分10の各々が対応する第2構成部分20に挿入される。図5aに示す相互位置では、第2構成部分20が合せ釘50に作用することによって固定されている。
直前に説明した本発明に係るシステムの実施例の第2の使用例が図5eに示されている。この使用例において、ドア又は窓をフレームに回転式に拘束するヒンジは、2つの要素100,200から構成されており、システムの第1構成部分10は、第1要素100から突出するように第1要素100に固定されており、システムの第2構成部分20は、フレームに固定された第2要素200に回転式に固定されている。システムの2つの構成部分は、適切な開口部500の高さでドア/窓パネル400の両面に位置決めされ、第1構成部品10は、上記の開口部500を貫通させられる。その後、第1構成部品10が第2構成部分20に挿入されると、2つの構成部品が相互に固定されて拘束される。第1構成部分10及び第2構成部分20が相互に固定され、かつ上述した通りドア/窓のパネル400に固定されると、要素200がフレームに固定可能になる(例えば、スクリュー又は同様の締結手段によって固定可能になる)。従って、第2構成部分20は要素200に(例えばヒンジを介して)回転式に固定されるので、ドア/窓のパネル400はフレームに回転式に拘束される。
図6a〜図6dに示す実施形態において、本発明に係るシステムは、滑りボルトと、ハンドグリップ又はノブPと、ドア又は窓に固定されるように、例えば、ドア又は窓に設置された適切な着座部に収容されるように構成された部分Mと、を備えるハンドルの形態で実現されている。特に、滑りボルトは、システムの第1構成部分10と一緒に作製されており、上記の第1構成部分10の第1端部は側柱Stの溝に係合するのに適しており、第1構成部分10の反対側の端部は、第2構成部分20の内部に滑動可能に(図の左から右に向かう方向及びその逆の方向に滑動可能に)収容されている。特に、コイルばねEの作用によって、第2構成部分20がボルト、すなわち第1構成部分10を伸張位置に維持しており、上記のボルト、すなわち第1構成部分10の外面と第2構成部分20によって形成された傾斜面又はテーパー面21が形成する着座部26に収容された回転直動要素24から上記の第1構成部分、すなわちボルト10の外面に加えられる対抗作用によって、第2構成部分20内部に向かうボルト、すなわち第1構成部分10の滑動が防止される(他の実施形態の場合と同様である)。既に説明した通り、コイルばね23は、第2構成部分20の内部、すなわちボルト10の外面と傾斜面又はテーパー面21との間の距離が減少する空間26の部分に向かうボルト10の滑動方向に回転要素(小型シリンダ、爪、ボール等)を押すようになっている。ボルトが第2構成部分20に対してロックされた図6b中のロック位置においては、ボルト10が第2構成部分の内部に向かって直動すると、ボルト10が第2構成部分20の内部、すなわち表面21とボルト10の外面との間の距離が減少する空間26の部分に向かって移動することによって、回転要素24の回転及び/又は直動が引き起こされ、その結果、ボルト10の内部に向かう直動を防止する対抗力が発生するので、既述した実施形態に関して説明したのと殆ど等しい方法で、第2構成部分20の内部に向かうボルト10の滑動が防止される。ボルト10が構成部分20に対してロックされる位置においては、ボルト10の外側の端部が側柱Stのハウジング又は係合式着座部の内部に収容されるので、側柱に対するシステム(及び扉)の相互移動は不可能であり、その結果、ドア/窓パネルが閉鎖位置にロックされる。従って、ドア/窓を開けるには、ボルト10が第2構成部分20の内部に向かって滑動できるようにボルト10を解放するしかない。ボルト10の解放は下記のように要約されうる。図6dから分かるように、ノブPは、第2構成部分20の内部に滑動可能に収納された部分Piに接続されている。上記の部分は、特に対抗力を発生させる2つの表面Sc2,Sc1(図6dの平面に直交する)を備えた溝Sc(上から見るとV字形である)を備えている。ノブPが予め定めた方向(ドアから離れる方向又はドアに近づく方向のそれぞれ)に移動されると、溝の表面が要素24と衝突して、要素24を傾斜面21とボルト10の外面との間の距離がより大きくなる空間26の部分に向かって推進する(移動させる)。このように、ボルト10が構成部分20の内部に向かって直動する間は、回転要素24が、表面21とボルト10の外面との間の距離が減少する空間26の「狭小」部に向かってさらに推進又は移動されることはなく、回転要素24が表面21とボルト10の外面との間に係合することはないので、構成部分20の内部に向かうボルト10の直動に対抗する作用が発生することはない。このような対抗作用は、溝Scが図6bに示す位置に在るときに発生する。従って、ノブPをドア/窓から離れる方向に移動させると(又はこれを近づく方向に移動させると)と、ボルト10が第2構成部分20から解放されることによって、ボルト10の端部が、ドア/窓が回転する間に(又は、例えば引出しが直動する間に)側柱に設置された溝の内壁に衝突し、その結果、ボルト10の端部が構成部分20の内部に向かって押されるので、ドア/窓パネルを側柱Stから解放することが可能になり、ドア/窓を開けることが可能になる。従って、上記の説明から推論されるように、本発明に係るシステムの本実施形態においても、本発明に係るシステムによって相互に拘束された2つの要素(本事例においては側柱及びドア/窓のパネル)は、システム自体の第1構成部分10及び第2構成部分20を相互に解放すための操作と同じ操作によって解放されうる。
言い換えると、ドア/窓を開ける方向にノブPを押す場合と引く場合の両方において、システム(ハンドル)の2つの構成部分の解放が達成され、実質的にそれと同時にドア/窓が開けられる。
本発明の別の実施形態が、図7a及び図7bに概略的に示されている。本実施形態は、回転式の拘束体(例えばヒンジ)41を介して第2構成部分20に容易に拘束されうるロッキングレバー40を備えている。ロッキングレバー40の第1端部48は、電動ソレノイド60のレベルに位置決めされており、ロッキングレバー40の端部48とは反対側の端部49は、解放要素27のレベルに位置決めされている。ソレノイドの作用によって、ロッキングレバーが移動され、特に、第1回転方向(図7a及び図7bにおける左回り)に回転され、その結果、端部49が解放要素27と係合して、解放要素を第2構成部分20の内部に向かって押すので、第1構成部分10(その端部は第2構成部分20の内部に収容されている)及び第2構成部分20が相互に解放される。同様に、ソレノイド60は、ロッキングレバー40を反対方向(図7a及び図7bにおける右回り)に回転させて解放要素27を構成部分20の外部に向かって直動させるように作動又は電気駆動されることもでき、それにより構成部分10及び構成部分20の相互ロックが最終的に達成される。
簡潔のために本出願では説明しない別の実施形態において、ソレノイド60によって構成されたアクチュエータ要素は、同様の機能を果たすのに適した任意の他のアクチュエータシステム、例えば、ピストン、圧縮空気ジェット、モーター、又は任意の電動機構若しくは自動化機構を備えた機械的な移動機構に置換されうる。
本発明に係るロック及び/又は締結用のシステムの別の適用例が図8a〜図8cに示されている。図面では、例によって、他の図面を参照して既に説明したシステムの構成部品及び/又は特徴が、同じ参照番号で識別される。
図面において、参照番号100,200は、ホイール(例えば自動車用のホイール)の支持ディスク及びホイールリムを示している。通常、ねじ付きボルトが支持ディスクから突出して、対応するリムの孔の中に収容される。ホイールの締結は、各ボルトに対応するねじ付きナットを係合させることによって達成される。図8a〜図8bに示す、本発明に係るシステムの実施形態は、ボルト及びナットによるホイール締結の代替案として提案されている。
この目的のために、4つの第1構成部分10(但し、個数は必要性及び/又は状況に応じて変更されうる)が、第1要素100(ホイールの支持ディスクに相当する)に固定されており、上記の第1構成部分10の各々は、特に、第2要素、すなわちリム200が取り付けられる要素100の側面で各々の第1構成部分10の端部12が上記の第1要素100から突出するように、第1要素100の収容着座部に部分的に収容されている。特に、第2要素200は、以下に説明する通り、第2構成部分20(従来技術において公知である古典的なナットに取って代わる)が各々の第1構成部分10に係合することによって、第1要素100に固定される。簡潔のために、以下の説明は、1つの第1構成部分10及び対応する第2構成部分20、並びにそれらの相互ロック及び相互解放に関する説明であるが、図中に示す第1構成部分10及び第2構成部分20の各々に適用されうる。
第1構成部分10の突出する端部12は、僅かに円錐台形にされた縦断面を有し、その断面の直径は、第1要素100に向かって減少している。上記の端部は、第2構成部分20によって形成された空間26の内部に収容されており、その内部で直動するようになっている。特に、上記の内部空間も円錐台形の縦断面を有しており、上記の空間26の内径も第1要素100に向かって、すなわち図8b及び図8c中の右から左に向かって減少している。この場合も、第1構成部分10の端部12の円錐台形の外面22と、第2構成部分20の空間26の円錐台形の内面21との間に、空隙が形成されている。
さらに、内部空間26は、第1構成部分10の端部12の反対側で、中空体28を部分的に収容しており、中空体28は、第1構成部分10の端部12を部分的に収容している。特に、上記の中空体は、空間26の内部で第1構成部分10の端部12上を滑動するようになっている。中空体28の外面には(特に、空間26の内部に収容された中空体28の部分の外面には)、複数のボール24を収容する円周溝が設けられており、それらボール28は、中空体の外部でクラウンの形態を呈するように配列されている。中空体28の外部にはコイルバネ23が配列されており、コイルばね23は、特に、中空体28の外面と、空間26を形成する第2構成部分20の内面21と、の間に収容されている。特に、ばねの第1端部(第1要素100に対向する端部)は、中空体28の外面の環状の突出部に衝突するように配列されており、ばね23の第1端部とは反対側の第2端部は、第2構成部分20の環状の突出部に衝突するように配列されている。従って、コイルばね23の役割は、中空体28が第1要素10に向かって(図8C中の左に向かって)押される状態、及びそれによりボール24が内面21と外面2との間の距離が減少する空間26の部分に向かって押される状態を維持することである。
支持ディスク100におけるリム200の組み立て位置、並びに第1構成部分10及び第2構成部分の相互ロック位置は、図8bに示す位置である。この図面から推量されるように、リム200は、各々の第1構成部分10がリム200の対応する貫通孔に受容されて収容されるように、ディスク100に取り付けられている。さらに、ベルビルワッシャMt(その機能は以下で説明する)が、第1構成部分10の各々のレベルでリム200とディスク100との間に挿入されている。つまり、各々の構成部分10の端部12は、ディスクと第2構成部分20との間に配置された対応するベルビルワッシャMtの貫通孔に部分的に収容されている。図8bに示す相互位置において、第2構成部分20及び第1構成部分10は互いに強固に拘束されているので、リム200は支持ディスク100に強固に固定されている。事実、図8bに示す位置において、コイルばねは、表面21,22間の距離がより小さくなる空間26の部分にボール24を保持している。
従って、第2構成部分20を対応する構成部分10から取り外そうと試みても(第2構成部分を図8b中の右に引いて第1構成部分10から離脱させようと試みても)、表面21,22間に係合しているボール24が(先の実施形態の事例と同様の方法で)右に向かう第2構成部分20直動を防止する結果、第2構成部分はリム200から離れる方向に移動することも第1構成部分10から取り外されることもできないので、上記の試みはボール24及び表面21,22から相互に加えられる対抗作用によって無効化される。第1構成部分10からの第2構成部分20の解放は、以下のように中空体28に加えられる作用によって達成される。中空体28を、図面に示す通りコイルばね23が圧縮されるように第2構成部分20(空間26)の外部に向かって図8cに矢印で示す左右方向に引くと、表面21,22間の距離がより大きくなる空間26の部分にボール24が変位するので、上記の表面21,22とボール24との間の相互摩擦が減少または除去される。これにより、構成部分10における構成部分20の図中の左から右に向かう方向の滑動に対抗する対抗力も除去される。従って、構成部分20は、特に図8cに示すように構成要素10から離脱することができる。上述した通り、各々の構成部分20を対応する構成部分10から離脱させることによって、リム200を支持ディスク100から最終的に解放すること、及びリム200を支持ディスク100から取り外すことが可能になる。つまり、ベルビルワッシャMtの役割は、第2構成部分20と第1構成部分10との間の相互拘束の強化を促進することである。事実、各ベルビルワッシャMtは、対応する第2構成部分20に作用して、第2構成部分を対応する第1構成部分10から離れる方向に押すようになっているが、上述した通り、当該方向の推進作用は、(上述した通り中空体28を引いて中空体28に作用を加えない限りは)ボール24を表面21,22間により一層強固に係合させて固定する効果のみを発揮するので、第2構成部分20がさらに直動することが防止され、かつ仮説的に存在しうる僅かな緩みが除去される。
本発明に係るシステムの別の実施形態及び適用例について、図9a〜図9cを参照して以下に説明する。
図9a〜図9cは、パイプの第1部分100及び第2部分200(以下では、それぞれ第1要素及び第2要素とも称される)を示している。上記の第1要素及び第2要素は、図9a〜図9cに示す本発明に係るシステムの実施形態によって、連続するパイプを構成するように、すなわち、上記の第1要素100及び第2要素200の内部の流れ断面を一致させるように、相互に接続されている。この目的のために、第1構成要素10が第1要素100の自由端に固定され、第2構成部分20が第2要素200の自由端に固定されるので、第1構成部分10及び第2構成部分20が相互に拘束されることによって、第1要素100及び第2要素200の相互締結が達成される。この目的のために、第1構成部分10及び第2構成部分20の両方が、第1要素100及び第2要素200の端部にそれぞれ挿入されて当該端部に例えばクランプ又は類似の締結手段によって固定されるのに適した管状の端部を有している。
特に、第1構成部分10は、第1ダクト12tを備え、かつ実質的に球形の1つの端部12(構成部分100に固定される端部とは反対側の端部)を有する。同様に、第2構成部分20は、第2ダクト20tを備え、かつ実質的に円筒形であり上記の第1構成部分10の上記の球形端部12を収容するのに適した1つの端部(要素200に固定される端部とは反対側の端部)を有する。より詳細には、第2構成部分20の円筒端部の内部には、上記の第1構成部分10の上記の実質的に球形の端部12を収容するのに適した実質的に球形の内部空間26を形成するシール要素(流体の漏出を防止するのに適している)が設けられている。さらに、上記の第2構成部分20は、要素200の反対側の構成部分20の円筒端部に嵌合する中空体28を備えており、中空体28は、構成部分20の上記の円筒端部上を長手方向に(図中の上下方向に)滑動するようになっている。特に、中空体28は、構成部分20の円筒端部の外面上を滑動する外壁と、構成部分10の円筒端部の内壁上を滑動する内壁と、中空体28の上記の内壁及び外壁を接続する横断壁と、を備えている。すなわち、構成部分20の円筒壁の端部は、上記の中空体において外壁、内壁、及び横断壁によって形成されたU字形の着座部に収容されている。中空体28と構成部分20の円筒端部との間には、中空体28が第2構成部分20に対して直動する方向と平行な方向(図中の底部に向かう方向)の推進力を上記の中空体28の上記の横断壁に加えるのに適した(所望の個数の)コイルばね23が設けられている。さらに、構成部分20の内部には、特に、構成部品20の内面(テーパー状又は円錐台形の部分21を備えており、図9bの下部に例示されている)と構成部分10の端部12の外面との間、かつ中空体28の内壁の上方には、上記の第1構成部分10の上記の球形部分12の周囲に実質的に円形に配列された所望の個数のボール24が設けられている。第1構成部分10及び第2構成部分20の相互ロック位置は、図9bに示す位置である。この位置において、第1構成部分の球形の端部12は、着座部26の内部に収容されている。さらに、ばね23の作用によって、中空体が構成部分20(その中空本体)に対して最大伸張位置(図9b中で下向きに押された位置)に維持されており、その位置において、ボール24は、第1構成部分10の球形の端部12の最大直径を有する部分を通り越して配置されている。この位置においては、球形の端部12を中空の着座部26から引き抜こうと試みても、ボールが外部に向かって推進されるにすぎない。ところが、このようにボールがテーパー状の表面21に沿って中空の着座部26の外部に向かって移動されると、ボールが球形の端部12と上記のテーパー状の表面21との間に固定されることになるので、端部12が中空の着座部26の外部に向かってさらに直動することが防止される。第1構成部分10及び第2構成部分20の相互解放を達成するには、図9cに示すように中空体28に干渉することによって、ばね23の作用に対抗して中空体28を第2構成部分20の本体に向かって推進するだけで十分である。このように、ボール24は、中空体28の内壁によって推進されるとともに、同じ内壁によって、テーパー状の表面21と端部20の外面との間の距離がより大きくなる構成部分20の内部空間の部分に向かって、端部12の外面とテーパー状の表面21との間で移動される。つまり、ボールは、球形の端部12の最大直径の部分を越えて移動しうる。この時点では、第1構成部分10の球形の端部12が引き抜き方向に引かれても、球形の端部12が、ボール24、テーパー状の表面21、及び球形の端部の外面の間の抵抗状態によって生じる対抗力を受けることはないので、球形の端部12は中空の着座部26の外側に自由に移動できる。
例示された関節式の球形部によって、安全な締結が保証されるとともに、複数の方向の関節式の移動及び回転が許容される点が強調されるべきである。
前述した本発明の実施形態において、部分21(平坦又は円錐台形等の、回転直動要素24と当接する上面)の傾斜角度は、必要性及び/又は状況に応じて選択可能である。本発明の対象であるシステムを用いて実施されたテストによって、種々の角度に対応する以下の結果が与えられた。角度が1°〜8°(図9dを参照)である場合には、円錐形クランプ型の安全なロックが達成される一方で、当該事例では解放操作がより困難になる。従って、上記の角度は、ホイールのハブに本発明のシステムを使用する場合に特に便利である。角度が8°〜16°(好ましくは12°)である場合には(図9eを参照)、最適な(安全な)ロック結果が達成されるものの、解放が容易であり、解放要素に小さい力(無視できるほどではないとしても)を加えれば十分である。上記の角度は、特にハンドル、例えば標準的なドアのハンドルに適している。16°〜45°の角度が選択される場合には(図9fを参照)、2つの構成部分10,20の間の保持力(閾値)を設定することが可能であり、予め定めた上記の力の閾値(選択角度の関数)が一旦超過されたら、たとえ解放レバーに一切の作用が加えられない場合であってもシステムが開くことになる。このような角度によると、部品の滑動又は摩擦運動が達成されるので、システムが、予め定めた荷重のコネクタ又はブロックとして動作するようになる。従って、上記の角度は、ドア又はドア/窓のパネル、特に、開けるためには予め定めた推進力が必要であるドア又はドア/窓のパネルに本発明に係るシステムを適用するのに特に適している。角度の選択(及び回転直動要素を押された状態に維持する力の選択)は、2つの構成部分10,20の間で達成されるべき拘束の形式によって左右される。
図9d〜図9fを参照して上述した角度の値が、本出願に記載される本発明の全ての実施形態、及び当業者にとって自明である本発明の全ての変形例に適用可能であることは明らかである。
本発明の別の実施形態及び/又は本発明の構成部品について、図10a及び図10b〜図18を参照して以下に説明する。図面においては、例によって、他の図面を参照して既に説明した本発明に係るシステムの構成部品及び/又は特徴が、同じ参照番号によって識別される。
図10a及び図10bに示す実施形態の特別な特徴として、部分21の形状が挙げられる。図面から推量されるように、本事例において、部分21は、凸状の上面(回転直動要素24と当接する表面)を備えること、すなわち、上記の上面の下降部分によって形成されることを特徴としている。特に、凸状の上面は、隣接する2つの平坦な表面P1,P2によって形成されており、それら表面P1,P2は、共通の頂点で合流しており、水平な基準面に対して予め定めた角度で(同じ角度又は2つの異なる角度で)傾斜している。さらに、下降部分の深さは、部分21の長さに沿って変化しており、特に、(システムの完成品において)第1構成部分10に対向する部分21の端部へ向かって減少している。従って、構成部分10の端部12が、他の実施形態に関連して説明したように第2構成部分20の外部に向かって直動すると、回転直動要素24も(第1構成部分10の端部12、要素24、及び部分21の凸状の上面の間の摩擦によって)第2構成要素20の外部に向かって(図10bの下から上に向かって)移動することになる。その結果、回転直動要素24が経路の途中で停止するまで凸状面に沿って「上昇」することによって、第1構成部分10の端部12のさらなる直動が防止されるので、第1構成部分10が第2構成部分から引き抜かれることはない。
上記の解決法の別の変形実施形態が図11a及び11bに示されている。本実施形態は、図10a及び図10bを参照して上述した解決法とは、部分21の長さに沿って変化するのが部分21の上面の下降部分の深さではなく、隣接して対向する傾斜面P1,P2間の相互距離(図11a及び図11bにおける水平方向の距離)であるという点で相違しており、特に、上記の表面P1,P2間の距離が第2構成部分20の外端部に向かって、すなわち第2構成部分20からの第1構成部分10の引き抜き方向において減少している点で相違している。対抗要素24は、第1構成部分10の端部12によって第2構成部分20の外部に向かって(図11bの下から上に向かって)引かれるときに(構成部分10の端部12に対抗して)徐々に上向きに押されるので、3つの構成部品の相互ロック(第1の構成部品10及び第2構成部品20の相互ロック)が引き起こされて、第2構成部分20の外部に向かう第1構成部分10のさらなる直動が防止されるまで、構成部品10の端部12、要素24、及び部分21の間の抵抗作用が増大することになる。
図10a、図10b及び図11a、図11bをそれぞれ参照して直前に説明した2つの解決法に係る部分21が、既に説明した実施形態、及び以下に説明する別の実施形態の傾斜部分21の代替物として使用可能であることは明らかである。また、直前に説明した解決法が、先の実施形態及び以下に説明する実施形態の傾斜部分21と組み合わせて使用可能であることも明らかである。この場合、部分21は、傾斜しており、可変的な深さ及び/又は幅を有する凸状の下降部分を含んだ上面を備えている。
(開放状態、ロック状態、及び解放状態のシステムをそれぞれ示す)図12a〜図12cに示される本発明の別の実施形態の特別な特徴は、解放要素27の形状及び動作によって表される。本事例において、解放要素27は、L字形であり、(要素27が移動する間に着座部26の内部に少なくとも部分的に収容されるように)着座部26のレベルに位置決めされた第1端部と、上記の第1端部から延びる第2部分と、を有している。
弾性対抗要素(例えばコイルばね)71は、解放要素を休止位置(図12aを参照)に維持するように上記の要素27の上記の第2部分に作用するようになっている。休止位置において、解放要素は第2構成部分20から所定の距離だけ離間して維持されるので、解放要素27の第1端部は回転直動要素24から離れている(接触していない)。従って、弾性要素71は図中の右から左に向かって推進作用を加えることになる。要素71から加えられる推進作用に対抗して(図中の左から右に向かって)要素27に推進作用を加えることによって、システムの解放が達成される。このように、解放要素27の第1端部が回転直動要素24に衝突することによって、回転直動要素24が、ばね23の作用に対抗して、構成部分20内部に向かって、すなわち、直動要素がより大きい「緩み」を有することで構成部分10の端部12と部分21との間で実質的に「ルーズ」な状態になる内部空間26の部分に向かって推進される。部分21は、傾斜し又は凸状部分及び/又はテーパー状の下降部分を有する上面を備えるか、又は傾斜しかつ凸状部分及び/又はテーパー状の下降部分を有する上面を備える。このように、第1構成部分10の端部12は、他の実施形態と同様に第2構成部分20から引き抜かれることができる(図中の右から左に向かって直動することができる)。また、弾性要素71が、(必要性及び/又は状況に応じて変化する断面を有する)要素又はピン70に嵌合され、かつ当該要素又はピン70によって所定の位置に維持されることが付言されるべきである。当該要素又はピン70は、構成部分20に形成された対応する収容着座部の内部で直動可能である。
図13a〜図13cに示す別の実施形態は、図12a〜図12cを参照して直前に説明した実施形態に非常に類似しているが、本実施形態は、弾性要素又はばね23が磁石72に置換される点で、直前の実施形態とは(並びに前述及び後述の実施形態とは)相違している。
上記の磁石72は、特に、同じ極性(図中に示すような正極性、又は状況次第では負極性)を有する2つの部分を備えており、第1部分は直動要素24に堅固に固定されており、第2部分は第2構成部分20に堅固に固定されている。2つの部分の間に発生する磁力は、要素24に堅固に固定された磁石72の部分を構成部分20の外部に向かって(図中の右から左に向かって)押すことによって、当該要素24を構成部分20の外部に向かって同じ方向に押す傾向を示すことになる。従って、解放要素27に推進作用が加えられ、解放要素27の第1端部が回転直動要素に衝突するまで移動するときには、当該推進作用が上記の実施形態における弾性要素の作用ではなく磁力の作用に対抗して加えられることになる。
先の事例と同様に、本発明に係るシステムの複数の状態、すなわち、2つの構成部分10,20が相互から解放された状態、相互に拘束された状態、及び相互から解放するのに適した状態を示す、図14a及び図14bで説明される別の実施形態において、解放要素27は、第1端部27m(回転直動要素24に寄り掛かる端部)がいわゆる「形状記憶」式の材料(例えば合金)、すなわち、上記の端部27mに電圧が印加されるか否かに応じて上記の第1端部27mの体積が変化する材料で作製されることを特徴としている。図中に観察されるように、要素27の第1端部27mに電力を供給する手段となる2本の電線が概略的に示されている。電力供給によって、要素27の第1端部27mに電圧が印加されると、第1端部27mの体積が増加して回転直動要素24に当接することによって、回転要素を構成部分20の内部に向かって推進するので、構成部分10を構成部分20から引き抜くことが可能になる。他方、電力供給が除去されると、解放要素27の第1端部27mが初期状態又は休止状態の体積に戻るので、もはや第1端部27mが回転直動要素に推進作用を加えることはなく、また、回転要素が構成部分10によって(その端部12によって)構成部分20の外部に向かって駆動されると、回転要素が端部12と部分21との間にロックされることによって2つの構成部分10,20の相互解放が防止される。
図15a〜図15cに示す本発明に係る別の実施形態は、直前に説明した実施形態と同様であり、2つの実施形態の相違点は、解放要素27(第1端部から延びる第2部分)が拘束要素27miを介して構成部分20に拘束される点、及び形状記憶材料で作製されるのが上記の拘束要素27miであるという点である。従って、(電線27cを介して)拘束要素27miに対する電圧の供給、及び除去を交互に行うことによって、拘束要素の体積の増加、及び「休止状態」の体積への復帰が交互に引き起こされるので、解放要素27の構成部分20からの取り外し、及び構成部品20への接近が交互に行われるとともに、回転直動要素24の構成部品20の内部への(図中の左から右への)推進、及び解放要素27の第1端部からの解放が交互に行われる。
図16に示す実施形態における特別な特徴は、構成部分10の厚み(又は少なくとも構成部分20に挿入されるように構成された端部12の厚み)が構成部分10の長さに沿って変化するような縦断面、特に、構成部分10の厚みが上記の端部12に向かって増加するような縦断面を特徴とする構成部分10の形状によって表される。この解決法は、特に部分21の形状及び/又は傾斜ないし非傾斜の向きにとは無関係に、他の実施形態の各々に採用されるのに適しており、この解決法によれば、端部12と回転直動要素24との間の摩擦、特に、構成部分10が構成部分20の外部に向かって直動する間(解放要素が非作動状態にされることによって例えば図15aに示す状態にされているのは明らかである)の構成部分10の端部12、要素24、及び部分21の間の相互抵抗を増大させることが可能であるので、2つの構成部分10,20の間の相互拘束をより安全かつ確実にすることが可能である。さらに、構成部分10(又は少なくともその端部12)の断面は、必要性及び/又は状況に応じて変更可能であり、例えば長方形又は六角形等の形状を有しうる。
図17a、図17b、図17c、及び図17dにそれぞれ示される別の実施形態における着座部25は種々の形状を取りうる。例えば、図17aの実施形態における着座部25は貫通式の着座部である。つまり、構成部分10に対向する構成部分20の側面は、反対側の側面と連通している。本事例において、着座部25の内径は、不変であってもよいし(図17aの場合)、可変的であってもよい(図17dの場合)。直座部25の内径が可変的であることは、着座部25の内径が構成部品10に対向する側面とは反対側の構成部品20の側面に向かって増加することを意味する。さらに、着座部25は一端が閉塞されていてもよく(図17b及び図17cの場合)、その場合も、着座部25の内径は可変的であってもよいし不変であってもよい。
最後に、図18は、本発明に係るシステムの特別な実施形態を示す。本実施形態における回転直動要素24(図中の部分21と構成部分10との間に示す)及び部分21は両方とも特別な形状を有している。図18に示す要素24は、実質的に円筒形(実質的に円筒形の主外面によって形成される)であるが、各々が凸面によって形成された2つの円周溝24g(円周の全体に沿って延びている)を備えている。次に、部分21は、要素24と当接する部分21の上面から延びる2つの対応する突出部(ピラミッド形又は角錐台形の断面を有する)を備える。それら突出部は、部分21の長さの方向に(図の平面に直角に)延びており、それら突出部の各々は、対応する溝24gに係合している。さらに、突出部21sの高さは、それらの長さに沿って(すなわち図18の平面に直交する方向に沿って)変更可能であり、また、部分21は傾斜していても傾斜していなくてもよい。従って、突出部21sの役割は、図10a、図10b、及び図11a、図11bを参照して上述した実施形態による部分21の下降部分と同様に、要素24と部分21との間の抵抗作用を増大させることである。本実施形態によれば、要素24と部分21との間の接触面積を増加させることが可能になるので、システムの構成部分10及び構成部分20の間の相互拘束をより安全かつ確実にすることが可能になる(解放要素が非作動状態のとき)。
本発明が上述され図示された実施形態に限定されない点に留意することが重要である。逆に、本出願で説明され図示された実施形態の、当業者にとって自明である全ての変形及び変更は、本発明の技術的範囲に属している。本発明の目的及び範囲は、添付の特許請求の範囲において決定される。