JP2015509987A - S原子又はs(=o)2基を含む多環式芳香族化合物及びそれらの染料としての使用 - Google Patents
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Abstract
Description
[発明の分野]
[0001]本発明は、窒素含有ヘテロ脂環式基及び/又は置換若しくは非置換フェノキシ基及び/又は重合体部分が結合していてもよい多環式基本構造にS原子又はS(=O)2部分が組み入れられている新規の多環式芳香族炭化水素化合物、並びに例えばこれらの多環式芳香族炭化水素を着色剤として含む印刷インキ等の組成物に関する。
[0002]大量生産された製品が個々の物品単位でなくロット単位で取り扱われる場合には、製品の偽造及び市場における横流しが容易になる。このような場合、偽造品又は横流し品は供給連鎖に容易に取り込まれる。製造業者及び小売り業者であれば、自社のオリジナル製品とこのような偽造品又は横流し(並行輸入又は密輸)品とを個々の販売単位のレベルで識別できる立場にあることを望むはずである。
[0006]本発明は、一般式(1)の多環式芳香族炭化水素化合物を提供する:
[式中、Pは、置換されていてもよいフェニル環を含む少なくとも3個の繰返し単位を有する重合体部分を表し、
Qは、S原子又はS(=O)2部分を含む多環式芳香族炭化水素部分(すなわち、置換基Y及び/又はP−O以外に1個又は複数の置換基を場合によっては含むことがある基本構造にS原子又はS(=O)2部分が組み込まれている多環式芳香族炭化水素骨格)を表し、
Yは、(i)ハロゲン、(ii)3〜約8個の環員を有し、N原子を介してQに結合している置換されていてもよいN−ヘテロ脂環式基、及び(iii)置換されていてもよいフェノキシ基から選択され、
xは0〜4の整数を表し、wは0〜4の整数を表し、
wとxは同時に0ではなく、
ただし、x=0のとき、少なくとも1つのYは(ii)と(iii)から選択される]。
[式中、ZはO、S、又はN−Rを表し、Xは同じでも異なってもよく、O、S、又はNR’を表す。したがって、ZとXで形成される基は、例えば−CO−Z−CO−([−COOH HOOC−]で置き換えられていてもよい(すなわち、無水物の代わりにジカルボン酸))、−CS−Z−CO−、−CS−Z−CS−、又は−C(=NR’)−NR−CO−で表すことができ、
R及びR’は独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換されていてもよい脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アルキルアリール、アルキルへテロアリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールアルキル基を表し、R及びR’はまた、それらが結合しているN原子と一緒になって、置換及び/又は縮合されていてもよい5〜7員環を形成してもよい]。
[式(III)及び(VI)の場合、Z基はO、S、又はN−Rを表し、Xは同じでも異なってもよく、O、S、又はNR’を表す]。したがって、ZとXで形成される基は、例えば−CO−Z−CO−([−COOH HOOC−]で置き換えられていてもよい(すなわち、無水物の代わりにジカルボン酸))、−CS−Z−CO−、−CS−Z−CS−、又は−C(=NR’)−NR−CO−で表すことができ、
R及びR’は独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換されていてもよい脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アルキルアリール、アルキルへテロアリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールアルキル基を表し、R及びR’は、それらが結合しているN原子と一緒になって、置換及び/又は縮合されていてもよい5〜7員環を形成してもよく、
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルキル−COOH、C1〜C4アルキル−SO3H、C1〜C4アルコキシ、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ、C1〜C4アミノアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、及びSO3Hから選択され、アルキル基は置換されていてもよく、
Yは、(i)ハロゲン、(ii)3〜約8個の環員を有し、N原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいN−ヘテロ脂環式基(例えば、少なくとも1つのY基は、3〜約8個の環員を有するヘテロ脂環式基から選択されてもよく、環員は、N、S、及びOから選択される1〜約3個のヘテロ原子(例えば、1、2、又は3個のヘテロ原子)を含んでもよく、ただし、少なくとも1個の環員はNであり、及び/又はヘテロ脂環式基は、約10個までの炭素原子を含むアルキル基及びアルコキシ基から選択される1個又は複数の置換基で置換されていてもよい)、及び(iii)O原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいフェノキシ基であって、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、及びI)、ニトロ、シアノ、NRR’、SO3H及びCOOHとこれらのスルホン酸基及びカルボン酸基の塩及び誘導体(例えば、Na、K、Ca、及びMg等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、C1〜C4アルキルエステル等のエステル、並びにアミド部分としてNRR’を有するアミド等のアミド)、OH、環員としてO、N、及びSから選択される3個までのヘテロ原子及び3〜約8個の環員を含むヘテロシクロアルキル、並びに1〜約10個の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子)を含む(シクロアルキルを含む)アルキル基及び(シクロアルコキシを含む)アルコキシ基から選択される1個又は複数(例えば、同一又は異なる1、2、又は3個)の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基から選択され、
Pは、置換されていてもよいフェニル環を含む少なくとも3個の繰返し単位を有する重合体部分を表し、
xは0〜4の整数であり、wは0〜4の整数である]。
[式(E)及び(H)の場合、ZはO、S、又はN−Rを表し、Xは同じでも異なってもよく、O、S、又はNR’を表す]。したがって、ZとXで形成される基は、例えば−CO−Z−CO−([−COOH HOOC−]で置き換えられていてもよい(すなわち、無水物の代わりにジカルボン酸))、−CS−Z−CO−、−CS−Z−CS−、又は−C(=NR’)−NR−CO−で表すことができ、
R及びR’は独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換されていてもよい脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アルキルアリール、アルキルへテロアリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールアルキル基を表し、R及びR’は、それらが結合しているN原子と一緒になって、置換及び/又は縮合されていてもよい5〜7員環を形成してもよく、
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルキル−COOH、C1〜C4アルキル−SO3H、C1〜C4アルコキシ、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ、C1〜C4アミノアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、及びSO3Hから選択され、アルキル基は置換されていてもよく、
Yは、(i)ハロゲン、(ii)3〜約8個の環員を有し、N原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいN−ヘテロ脂環式基(例えば、少なくとも1つのY基は、3〜約8個の環員を有するヘテロ脂環式基から選択されてもよく、環員は、N、S、及びOから選択される1〜約3個のヘテロ原子(例えば、1、2、又は3個のヘテロ原子)を含んでもよく、ただし、少なくとも1個の環員はNであり、及び/又はヘテロ脂環式基は、約10個までの炭素原子を含むアルキル基及びアルコキシ基から選択される1個又は複数の置換基で置換されていてもよい)、及び(iii)O原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいフェノキシ基であって、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、及びI)、ニトロ、シアノ、NRR’、SO3H及びCOOHとこれらのスルホン酸基及びカルボン酸基の塩及び誘導体(例えば、Na、K、Ca、及びMg等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、C1〜C4アルキルエステル等のエステル、並びにアミド部分としてNRR’を有するアミド等のアミド)、OH、環員としてO、N、及びSから選択される3個までのヘテロ原子及び3〜約8個の環員を含むヘテロシクロアルキル、並びに1〜約10個の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子)を含む(シクロアルキルを含む)アルキル基及び(シクロアルコキシを含む)アルコキシ基から選択される1個又は複数(例えば、同一又は異なる1、2、又は3個)の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基から選択され、
Pは、置換されていてもよいフェニル環を含む少なくとも3個の繰返し単位を有する重合体部分を表し、
xは0〜4の整数を表し、wは0〜4の整数である]。
したがって、式(C)又は(D)又は(E)又は(F)又は(G)又は(H)では、x及びwはそれぞれ、共に0とすることができ、x及びwのどちらかは0とすることができ、xは0、1、2、3、又は4とすることができ、wは0、1、2、3、又は4とすることができる。
[式中、R4基は互いに同じか又は異なり、C1〜C10アルキル及びC1〜C4アルコキシから選択され、mは1〜約30の整数を表し、nは1〜約3の整数を表す]。例えば、mは1〜10の整数を表すことがあり、及び/又はnは1若しくは2であってもよく、及び/又はR4基は独立して、例えばイソプロピル、tert−ブチル、tert−オクチル、n−ノニル、分枝状ノニル等のC1〜C10アルキルから選択されることがある。
[式中、X及びZは以上に定義したものと同じであり、HalはCl又はBr等のハロゲンを表し、K2CO3等様々な塩基を使用することができ、溶媒は例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の極性溶媒である]。Δで表される反応温度は80〜120℃とすることができ、化合物Int(分子Qの調製に導く別名合成中間体)の調製は当業者に公知であり、又は市販もされている。
[式中、
Qは、A又はB又は(A’)又は(B’)部分を表し、
Yは、(i)ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、及びI)、(ii)少なくとも1つがNである3〜約8個の環員を有し、N原子を介してQに結合している置換されていてもよいN−ヘテロ脂環式基、及び(iii)O原子を介してQに結合している置換されていてもよいフェノキシ基から選択され、
wは1〜4の整数を表し;ただし、さらにQは同時に4個までのポリマー分子(例えば、1、2、3、又は4個の異なるポリマー分子)に結合していてもよい]。
[式中、R4基は互いに同じか又は異なり、C1〜C10アルキル及びC1〜C4アルコキシから選択され、mは1〜約30の整数を表し、nは1〜約3の整数を表す]。
[0039]本明細書で示される詳細は、一例であり、本発明の実施形態を例示的に考察するためにすぎず、本発明の原則及び概念的態様の最も有用で容易に理解される説明であると思われるものを提供するために記載される。この点に関しては、本発明の構造細部を、本発明を基本的に理解するのに必要な説明より詳細に示すものではなく、説明によって、本発明のいくつかの形態が実際上どのように具体化されるかを当業者に明らかにする。
[式中、Pは、置換されていてもよいフェニル環を含む少なくとも3個の繰返し単位を有する重合体部分を表し、
Qは、S原子又はS(=O)2部分を含む多環式芳香族炭化水素部分(すなわち、置換基Y及び/又はP−O以外に1個又は複数の置換基を場合によっては含むことがある基本構造に組み込まれているS原子又はS(=O)2部分を含む多環式芳香族炭化水素骨格)を表し、
Yは、(i)ハロゲン、(ii)3〜約8個の環員を有し、N原子を介してQに結合している置換されていてもよいN−ヘテロ脂環式基、及び(iii)置換されていてもよいフェノキシ基から選択され、
xは0〜4の整数を表し、
wは0〜4の整数を表し、
かつwとxは同時に0ではなく、
ただし、x=0のとき、少なくとも1つのYは(ii)と(iii)から選択される]。
[式中、R4基は互いに同じか又は異なり、C1〜C10アルキル及びC1〜C4アルコキシから選択され、mは1〜約30、例えば1〜25、1〜15、1〜10、1〜5、1〜3、5〜15、5〜10、10〜20、又は20〜30の整数を表し、nは1〜3の整数(例えば、1、2、又は3)を表す]。例えば、mは1〜10の整数を表すことがあり、及び/又はnは1若しくは2であってもよく、及び/又はR4基は独立して、例えばイソプロピル、tert−ブチル、tert−オクチル、n−ノニル、分枝状ノニル等のC1〜C10アルキルから選択されることがある。さらに、R4基はOH基に対してメタ位又はパラ位に存在してもよい。例えば、R4基がフェニル環に2個存在する(同じか又は異なり、同じR4基であることが好ましい)場合、例えばOH基に対してメタ位/パラ位又はメタ位/メタ位等フェニル環の利用可能な位置のいずれに存在してもよい。
[式中、ZはO、S、又はN−Rを表し、Xは同じでも異なってもよく、O、S、又はNR’を表す]。したがって、ZとXで形成される基は、例えば−CO−Z−CO−([−COOH HOOC−]で置き換えられていてもよい(すなわち、無水物の代わりにジカルボン酸))、−CS−Z−CO−、−CS−Z−CS−、又は−C(=NR’)−NR−CO−で表すことができ、
R及びR’は独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換されていてもよい脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アルキルアリール、アルキルへテロアリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールアルキル基を表し、R及びR’はまた、それらが結合しているN原子と一緒になって、置換及び/又は縮合されていてもよい5〜7員環を形成してもよい。
式(B)又は(B’)の置換されていてもよい化合物は、式(C)、(D)又は(E)又は(F)又は(G)又は(H)の化合物を含むことができる:
[式(E)及び(H)の場合、ZはO、S、又はN−Rを表し、Xは同じでも異なってもよく、O、S、又はNR’を表し、
R及びR’は独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換されていてもよい脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アルキルアリール、アルキルへテロアリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールアルキル基を表し、R及びR’は、それらが結合しているN原子と一緒になって、置換及び/又は縮合されていてもよい5〜7員環を形成してもよく、
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルキル−COOH、C1〜C4アルキル−SO3H、C1〜C4アルコキシ、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ、C1〜C4アミノアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、及びSO3Hから選択され、アルキル基は置換されていてもよく、
Yは、(i)ハロゲン、及び(ii)3〜約8個の環員を有し、N原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいN−ヘテロ脂環式基、及び(iii)O原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいフェノキシ基であって、ハロゲン、ニトロ、シアノ、NRR’、SO3H及びCOOHとこれらのスルホン酸及びカルボン酸基の塩及び誘導体、OH、環員としてO、N、及びSから選択される3個までのヘテロ原子及び3〜約8個の環員を含むヘテロシクロアルキル、並びに1〜約10個の炭素原子を含む(シクロアルキルを含む)アルキル基及び(シクロアルコキシを含む)アルコキシ基から選択される1個又は複数の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基から選択され、
Pは、置換されていてもよいフェニル環を含む少なくとも3個の繰返し単位を有する重合体部分を表し、
xは0〜4の整数であり、wは0〜4の整数である]。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
[式中、P及びQは上記に定義したとおりであり、
Tは限定されるものではないが、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、及びI)、ニトロ、シアノ、NRR’、SO3H及びCOOHとこれらのスルホン酸及びカルボン酸基の塩及び誘導体(例えば、Na、K、Ca、及びMg等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、C1〜C4アルキルエステル等のエステル、並びにアミド部分としてNRR’を有するアミド等のアミド)、OH、環員としてO、N、及びSから選択される3個までのヘテロ原子及び3〜約8個の環員を含むヘテロシクロアルキル、並びに1〜約10個の炭素原子(例えば、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子)を含む(シクロアルキルを含む)アルキル基及び(シクロアルコキシを含む)アルコキシ基から選択され、
Halはハロゲンを表し、
()はCH2を表し、少なくとも1つのCH2基はO、NH、又はSで置き換えることができ、
uは2〜7であり、
vは2〜8の整数であり、
符号「Δ」は熱をかけること(加熱)を表す]。
Fは、上記に定義した中心核Qを有するハロゲン化化合物である。G1又はG2又は(G3)は方法(1)又は(2)又は(3)又は(4)を実行したときの反応の中間体である。
化合物(G4)又は(G5)又は(G4’)又は(G5’)に至るプロセス(5)及び(6)を実行した場合、vは1〜8の整数である。
式(1)による化合物を得るために、方法(7)又は(8)等の他の代替方法も利用可能である:
(7)
(8)
ただし、T、Hal、X、Z、POH、Y、及びwの定義は、上記に定義したのと同じである。
化合物4,8,12−トリクロロ−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−チオキサンテノ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオン(0.3g)、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.41g)、及び無水炭酸カリウム(0.73g)を10mLのN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)に添加した。溶液をよく撹拌しながら130℃で4時間加熱した。さらに4時間沸騰させた後、溶液を室温で冷却し、1分後にその液体をジクロロメタン(100ml)に添加し、沈殿物を濾過し、60℃で乾燥して、橙色固体の4,4’,4’’−((2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−チオキサンテノ[2,1,9−def]イソキノリン−4,8,12−トリイル)トリス(オキシ))トリベンゼンスルホン酸ナトリウムを得た。橙色固体の4,4’,4’’−((2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−チオキサンテノ[2,1,9−def]イソキノリン−4,8,12−トリイル)トリス(オキシ))トリベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1g)が公称収率18.0%で得られた。MS:基準ピーク1046。
化合物8,5,8,12−トリブロモ−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−ベンゾ[5,10]アントラ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオン(5.0g)、4−(tert−ブチル)フェノール(2.09g)、及び無水炭酸カリウム(2.18g)を166mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に添加した。溶液をよく撹拌しながら60℃で4時間加熱した。さらに4時間沸騰させた後、溶液を室温で冷却し、1分後にその液体を30%塩酸水溶液(600ml)に添加し、濾過し、60℃で乾燥して、赤色固体の8−ブロモ−5,12−ビス(4−(tert−ブチル)フェノキシ)−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−ベンゾ[5,10]アントラ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオンを得た。固体をカラムクロマトグラフィーで精製して、副生物を除去した。赤色固体の8−ブロモ−5,12−ビス(4−(tert−ブチル)フェノキシ)−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−ベンゾ[5,10]アントラ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオン(4.24g)が公称収率71.1%で得られた。RMN−H(CDCl3)MS:基準ピーク855。
化合物8−ブロモ−5,12−ビス(4−(tert−ブチル)フェノキシ)−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−ベンゾ[5,10]アントラ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオン(3.0g)、2−アミノベンゼンチオール(0.48g、10%過剰)、及び無水炭酸カリウム(0.24g)を30mLのN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)に添加した。溶液を急速に加熱し、30分間還流した。1分後、液体を2%塩酸水溶液(250ml)に添加し、終夜放置した後、濾過し、105℃で乾燥して、赤青色固体の8−((2−アミノフェニル)チオ)−5,12−ビス(4−(tert−ブチル)フェノキシ)−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−ベンゾ[5,10]アントラ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオン(2.06g)を公称収率60.0%で得た。8−((2−アミノフェニル)チオ)−5,12−ビス(4−(tert−ブチル)フェノキシ)−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−ベンゾ[5,10]アントラ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオン(2.06g)を温氷酢酸(12mL)及び濃塩酸(1.3mL)に溶解し、微細縣濁液を得た。縣濁液を0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム(0.16g)の水(3.6mL)溶液を添加し、清澄になるまで連続撹拌した。沸騰している水和硫酸銅(2.6g)の水(60mL)溶液をよく撹拌しながら、調製された溶液を1時間以内で添加した。さらに1時間沸騰させた後、溶液を冷却し、濾過して、青赤色固体を得た。固体を水酸化ナトリウム(20mL、3%)の温溶液で3回洗浄し、カラムクロマトグラフィーで精製して、副生物を除去した。青色固体の5,15−ビス(4−(tert−ブチル)フェノキシ)−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−チオキサンテノ[2’,1’,9’:10,5,6]アントラ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオン(0.69g)が公称収率34.2%で得られた。MS:基準ピーク884。
化合物8−ブロモ−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−ベンゾ[5,10]アントラ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオン(9.0g)、2−アミノベンゼンチオール(2.19g、10%過剰)、及び無水炭酸カリウム(1.10g)を100mLのN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)に添加した。溶液を急速に加熱し、30分間還流した。1分後、液体を2%塩酸水溶液(750ml)に添加し、終夜放置した後、濾過し、105℃で乾燥して、赤青色固体の8−((2−アミノフェニル)チオ)−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−ベンゾ[5,10]アントラ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオン(8.31g)を公称収率86.3%で得た。8−((2−アミノフェニル)チオ)−2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−ベンゾ[5,10]アントラ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオン(5.15g)を温氷酢酸(31mL)及び濃塩酸(3.1mL)に溶解し、微細縣濁液を得た。縣濁液を0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム(0.6g)の水(9mL)溶液を添加し、清澄になるまで連続撹拌した。沸騰している水和硫酸銅(9.7g)の水(150mL)溶液をよく撹拌しながら、調製された溶液を1時間以内で添加した。さらに1時間沸騰させた後、溶液を冷却し、濾過して、青色固体を得た。固体を水酸化ナトリウム(50mL、3%)の温溶液で3回洗浄し、カラムクロマトグラフィーで精製して、副生物を除去した。青色固体の2−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1H−チオキサンテノ[2’,1’,9’:10,5,6]アントラ[2,1,9−def]イソキノリン−1,3(2H)−ジオン(1.82g)が公称収率36.5%で得られた。MS:基準ピーク587。
Claims (37)
- xが1であり、w=0である、請求項1に記載の化合物。
- xが0であり、wが2又は4以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
- (x+w)が約4以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
- 式(I)又は(II)又は(III)又は(IV)又は(V)又は(VI)の化合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物:
[式(III)及び(VI)の場合、ZはO、S、又はN−Rを表し、Xは同じでも異なってもよく、O、S、又はNR’を表し、
R及びR’は独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換されていてもよい脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アルキルアリール、アルキルへテロアリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールアルキル基を表し、R及びR’は、それらが結合しているN原子と一緒になって、置換及び/又は縮合されていてもよい5〜7員環を形成してもよく、
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルキル−COOH、C1〜C4アルキル−SO3H、C1〜C4アルコキシ、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ、C1〜C4アミノアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、及びSO3Hから選択され、アルキル基は置換されていてもよく、
Yは、(i)ハロゲン、(ii)3〜約8個の環員を有し、N原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいN−ヘテロ脂環式基、及び(iii)O原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいフェノキシ基であって、ハロゲン、ニトロ、シアノ、NRR’、SO3H及びCOOHとこれらのスルホン酸基及びカルボン酸基の塩及び誘導体、OH、環員としてO、N、及びSから選択される3個までのヘテロ原子及び3〜約8個の環員を含むヘテロシクロアルキル、並びに1〜約10個の炭素原子を含む(シクロアルキルを含む)アルキル基及び(シクロアルコキシを含む)アルコキシ基から選択される1個又は複数の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基から選択され、
Pは、置換されていてもよいフェニル環を含む少なくとも3個の繰返し単位を有する重合体部分を表し、
wは0〜4の整数である]。 - 式(C)、(D)又は(E)又は(F)又は(G)又は(H)のうちの1つの化合物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物:
[式(E)及び(H)の場合、ZはO、S、又はN−Rを表し、Xは同じでも異なってもよく、O、S、又はNR’を表し、
R及びR’は独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換されていてもよい脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アルキルアリール、アルキルへテロアリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールアルキル基を表し、R及びR’は、それらが結合しているN原子と一緒になって、置換及び/又は縮合されていてもよい5〜7員環を形成してもよく、
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルキル−COOH、C1〜C4アルキル−SO3H、C1〜C4アルコキシ、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ、C1〜C4アミノアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、及びSO3Hから選択され、アルキル基は置換されていてもよく、
Yは、(i)ハロゲン、(ii)3〜約8個の環員を有し、N原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいN−ヘテロ脂環式基、及び(iii)O原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいフェノキシ基であって、ハロゲン、ニトロ、シアノ、NRR’、SO3H及びCOOHとこれらのスルホン酸基及びカルボン酸基の塩及び誘導体、OH、環員としてO、N、及びSから選択される3個までのヘテロ原子及び3〜約8個の環員を含むヘテロシクロアルキル、並びに1〜約10個の炭素原子を含む(シクロアルキルを含む)アルキル基及び(シクロアルコキシを含む)アルコキシ基から選択される1個又は複数の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基から選択され、
Pは、置換されていてもよいフェニル環を含む少なくとも3個の繰返し単位を有する重合体部分を表し、
xは0〜4の整数であり、wは0〜4の整数である]。 - xが0である、請求項8に記載の化合物。
- 少なくとも1つのY基が3〜約8個の環員を有するヘテロ脂環式基から選択され、環員は、N、S、及びOから選択される1〜約3個のヘテロ原子を含み、ただし、少なくとも1つの環員はNであり、ヘテロ脂環式化合物は、約10個までの炭素原子を含むアルキル基及びアルコキシ基から選択される1個又は複数の置換基で置換されていてもよい、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
- 少なくとも1つのY基が、置換されていてもよいアザシクロオクタン、置換されていてもよいアゼパン、置換されていてもよいピペリジン、置換されていてもよいピペラジン、置換されていてもよいピロリジン、置換されていてもよいアゼチジン、置換されていてもよいアジリジン、置換されていてもよいモルホリン、置換されていてもよいオキサゾリジン、置換されていてもよいピラゾリジン、置換されていてもよいイソピラゾリジン、置換されていてもよいイソオキサゾリジン、及び置換されていてもよいチアゾリジンから選択されるヘテロ脂環式化合物の残基であり、1個又は複数の置換基はそれぞれ、C1〜C4アルコキシ基及びC1〜C6アルキル基から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
- mが1〜10の整数を表し、nが1又は2である、請求項12に記載の化合物。
- R4基がそれぞれ独立して、C1〜C10アルキルから選択される、請求項12又は13に記載の化合物。
- R4基が独立して、イソプロピル、tert−ブチル、tert−オクチル、n−ノニル、及び分枝状ノニルから選択される、請求項12〜14のいずれか一項に記載の化合物。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物を作製する方法であって、非プロトン性極性有機溶媒中で、式Q−(Hal)vの化合物(式中、Halはハロゲンを表し、vは2〜8の整数を表す)を、N含有脂環式化合物及び式P−OHの重合体化合物と連続的に反応させるステップを含む、方法。
- 少なくともN含有脂環式化合物が関与する反応が、無機塩基及び非求核性有機強塩基の少なくとも1つの存在下で実施される、請求項16に記載の方法。
- 式P−OHの重合体化合物100g当たり式Q−(Hal)vの化合物約0.5〜約10gが使用される、請求項16又は17に記載の方法。
- 極性溶媒が、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及びジメチルスルホキシドの少なくとも1つを含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 極性液体媒体、及び媒体に溶解又は分散させた請求項1〜15のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物を含む、印刷インキ組成物。
- 少なくとも1つの化合物を、組成物の全重量に対して約0.01重量%〜約40重量%含む、請求項21に記載の印刷インキ組成物。
- 少なくとも1つの導電性付与物質をさらに含む、請求項21又は22に記載の印刷インキ組成物。
- 請求項21〜23のいずれか一項に記載の印刷インキ組成物で作製されるマーキング又はセキュリティ機能。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物を含むマーキング又はセキュリティ機能。
- スレッド、ラベル、バーコード、2Dコード、パターン、しるし、及びデータマトリックスの少なくとも1つを含む、請求項24又は25に記載のマーキング又はセキュリティ機能。
- 請求項24〜26のいずれか一項に記載のマーキング又はセキュリティ機能を含む物品。
- マーキング又はセキュリティ機能が物品上に層として存在する、請求項27に記載の物品。
- コード化又は暗号化された情報をもつことがある又はもつことがない缶、金属、アルミニウム箔、カートリッジ、カプセル、ガラス製物品、セラミック製物品、パッケージング、銀行券、旅券、セキュリティ文書、有価文書、チケット、スレッド、ラベル、カード、商品、及びタバコパッケージングの少なくとも1つである、請求項27又は28に記載の物品。
- 請求項24〜26のいずれか一項に記載のマーキング又はセキュリティ機能を有する物品を用意するステップを含む、物品を認証する方法。
- 請求項21〜23のいずれか一項に記載の印刷インキ組成物を物品に塗布するステップを含む、物品を認証する方法。
- 物品が、コード化又は暗号化された情報をもつことがある又はもつことがない缶、金属、アルミニウム箔、カートリッジ、カプセル、ガラス製物品、セラミック製物品、パッケージング、銀行券、旅券、セキュリティ文書、有価文書、チケット、スレッド、ラベル、カード、商品、及びタバコパッケージングの少なくとも1つである、請求項30又は31に記載の方法。
- 少なくとも約0.1%のポリマー分子に1〜4個の式−Q−(Y)wの残基が結合している[式中、Qは、請求項2に記載の式(A)若しくは(A’)又は請求項3に記載の(B)若しくは(B’)の部分を表し、Yは、(i)ハロゲン、及び(ii)少なくとも1つがNである3〜約8個の環員を有し、N原子を介してQに結合している置換されていてもよいN−ヘテロ脂環式基、及び/又はO原子を介してQに結合している置換されていてもよいフェノール基から選択され、ただし、少なくとも1つのYは(ii)を表し、
wは1〜4の整数を表し、ただし、さらにQは同時に4個までのポリマー分子に結合していてもよい]、ポリマー。 - 非置換である、請求項35に記載の化合物。
- 式(C)、(D)又は(E)又は(F)又は(G)又は(H)のうちの1つの化合物である、請求項35に記載の化合物:
[式(E)及び(H)の場合、ZはO、S、又はN−Rを表し、Xは同じでも異なってもよく、O、S、又はNR’を表し、
R及びR’は独立して、1〜約20個の炭素原子を有する置換されていてもよい脂肪族、脂環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アルキルアリール、アルキルへテロアリール、アリールアルキル、又はヘテロアリールアルキル基を表し、R及びR’は、それらが結合しているN原子と一緒になって、置換及び/又は縮合されていてもよい5〜7員環を形成してもよく、
R1、R2、及びR3はそれぞれ独立して、水素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルキル−COOH、C1〜C4アルキル−SO3H、C1〜C4アルコキシ、モノ(C1〜C4)アルキルアミノ、ジ(C1〜C4)アルキルアミノ、C1〜C4アミノアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、及びSO3Hから選択され、アルキル基は置換されていてもよく、
Yは、(i)ハロゲン、(ii)3〜約8個の環員を有し、N原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいN−ヘテロ脂環式基、及び(iii)O原子を介して芳香族環に結合している置換されていてもよいフェノキシ基であって、ハロゲン、ニトロ、シアノ、NRR’、SO3H及びCOOHとこれらのスルホン酸基及びカルボン酸基の塩及び誘導体、OH、環員としてO、N、及びSから選択される3個までのヘテロ原子及び3〜約8個の環員を含むヘテロシクロアルキル、並びに1〜約10個の炭素原子を含む(シクロアルキルを含む)アルキル基及び(シクロアルコキシを含む)アルコキシ基から選択される1個又は複数の置換基で置換されていてもよいフェノキシ基から選択され、
Pは、置換されていてもよいフェニル環を含む少なくとも3個の繰返し単位を有する重合体部分を表し、
xは0〜4の整数であり、wは0〜4の整数である]。
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