JP2015219324A - フォトマスクの欠陥検査方法 - Google Patents

フォトマスクの欠陥検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015219324A
JP2015219324A JP2014101736A JP2014101736A JP2015219324A JP 2015219324 A JP2015219324 A JP 2015219324A JP 2014101736 A JP2014101736 A JP 2014101736A JP 2014101736 A JP2014101736 A JP 2014101736A JP 2015219324 A JP2015219324 A JP 2015219324A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photomask
light
inspection
image signal
defect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014101736A
Other languages
English (en)
Inventor
雄史 小菅
Takeshi Kosuge
雄史 小菅
昌也 加藤
Masaya Kato
昌也 加藤
真吾 吉川
Shingo Yoshikawa
真吾 吉川
孝一 廣河原
Koichi Hirokawara
孝一 廣河原
秀吉 高見澤
Hideyoshi Takamizawa
秀吉 高見澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2014101736A priority Critical patent/JP2015219324A/ja
Publication of JP2015219324A publication Critical patent/JP2015219324A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Abstract

【課題】透明基板上に半透明膜と遮光膜パターンとが形成されたフォトマスクにおいて、欠陥の検出感度を向上させることができるフォトマスクの欠陥検査方法を提供する。【解決手段】透明基板、半透明膜及び遮光膜を備えたフォトマスクの欠陥検査方法であって、マスクパターンにおける黒領域と白領域の輝度が所定の階調範囲に収まるように、指定された黒領域と白領域の階調目標値に基づいて、撮像センサのオフセット及びゲインを設定する第1シェーディング補正工程と、前記マスクパターンにおける黒領域と白領域との透過率の差が所定値以上となる波長域の検査光を前記フォトマスクに照射し、撮像センサにおいて前記マスクパターンの光学像を撮像して画像信号に変換する第1画像信号取得工程と、前記第1画像信号取得工程で取得された前記画像信号に基づいて前記フォトマスクの欠陥を検査する第1検査工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体の製造に用いられるフォトマスクの欠陥検査方法に関する。
半導体素子の高集積化及び微細化は、デザインルール45nmから32nmノードへと進展し、更に22nmノード以下の半導体素子の開発が進められている。これらの半導体素子の高集積化及び微細化を実現するため、近年、露光波長193nmのArFエキシマレーザを用いた光学式の投影露光装置により、フォトマスクを用いてウェハ上にマスクパターン転写するフォトリソグラフィ技術が使われている。
フォトリソグラフィ技術に用いられるハーフトーン型位相シフトマスクは、透明基板上に半透明膜からなるマスクパターンを有するフォトマスクである。ハーフトーン型位相シフトマスクの製造工程には、多くの複雑な工程が含まれる。そのため、マスクパターンに黒欠陥と呼ばれるエッチングの余剰部分、又は白欠陥と呼ばれるエッチングの欠け部分(以下、総称して「残渣欠陥部」ともいう)が発生しやすい。そこで、ハーフトーン型位相シフトマスクの製造段階において、マスク表面の外観検査を実施することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この外観検査は、フォトマスクにおいて、透明基板上に半透明膜と遮光膜パターンとが形成された構造状態で実施される。
特開2011−17952号公報
上記特許文献1に記載された検査方法では、検査光の光強度を高めるため、半透明膜をハーフエッチングした状態で外観検査を行っている。そのため、特許文献1に記載された検査方法では、半透明膜をハーフエッチングする際に、残膜厚を適切に制御することが求められる。
一方、半透明膜をハーフエッチングしない状態で外観検査を行う場合に、検査光を長波長として、半透明膜を透過する検査光の光強度を高めることが考えられる。しかし、検査光を長波長にすると、マスクパターンの解像度が低下するため、半導体素子の高集積化及び微細化に対応したマスクパターンにおいて、100nm(0.1um)程度の微細な残渣欠陥部を検出することが難しくなる。このように、検査光を長波長にした場合、光強度は高められるが、マスクパターンの解像度が低下するため、欠陥の検出感度を向上させることが難しい。
本発明は、透明基板上に半透明膜と遮光膜パターンとが形成されたフォトマスクにおいて、欠陥の検出感度を向上させることができるフォトマスクの欠陥検査方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜に改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
・第1の発明は、透明基板(11)と、当該透明基板上に形成され、露光光の位相及び透過率を制御する半透明膜(12)と、当該半透明膜上に形成された遮光膜(13)と、を備えたフォトマスク(10)の欠陥検査方法であって、前記透明基板上に、前記半透明膜と、前記遮光膜の遮光パターンとがマスクパターンとして形成されたフォトマスクを準備する工程(S11)と、撮像センサにおいて前記フォトマスクに形成されたマスクパターンの光学像を撮像して画像信号に変換する際に、前記マスクパターンにおける黒領域と白領域の輝度が所定の階調範囲に収まるように、指定された黒領域と白領域の階調目標値に基づいて、前記撮像センサのオフセット及びゲインを設定する第1シェーディング補正工程(S12)と、前記マスクパターンにおける黒領域と白領域との透過率の差が所定値以上となる波長域の検査光を前記フォトマスクに照射し、前記撮像センサにおいて前記マスクパターンの光学像を撮像して画像信号に変換する第1画像信号取得工程(S13)と、前記第1画像信号取得工程で取得された前記画像信号に基づいて前記フォトマスクの欠陥を検査する第1検査工程(S14)と、を備えることを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法である。
・第2の発明は、第1の発明のフォトマスクの欠陥検査方法において、前記検査光の波長域は、前記マスクパターンにおける前記半透明膜(12)と前記遮光膜(13)との透過率の差が12%以上となる、波長210〜260nmの範囲であることを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法である。
・第3の発明は、第1の発明のフォトマスクの欠陥検査方法において、前記検査光は、前記マスクパターンにおける前記半透明膜(12)と前記遮光膜(13)との透過率の差が20%以上となる、波長193nmの光であることを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法である。
・第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明のフォトマスクの欠陥検査方法において、前記第1検査工程(S14)では、前記第1画像信号取得工程(S13)で取得された前記画像信号に基づいて、ダイ対ダイ方式により前記フォトマスクの欠陥を検査することを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法である。
・第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明のフォトマスクの欠陥検査方法において、前記第1検査工程(S14)の後工程として、前記透明基板(11)上に、前記半透明膜(12)による半透明膜パターン及び前記遮光膜(13)による遮光パターンがマスクパターンとして形成されたフォトマスクを準備する工程と、撮像センサにおいて前記フォトマスクに形成されたマスクパターンの光学像を撮像して画像信号に変換する際に、前記マスクパターンにおける黒領域と白領域の輝度が所定の階調範囲に収まるように、指定された黒領域と白領域の階調目標値に基づいて、前記撮像センサが前記マスクパターンの光学像を撮像して画像信号に変換する際のオフセット及びゲインを設定する第2シェーディング補正工程と、前記第1検査工程で用いた検査光と同じ波長域の検査光、又はそれよりも短波長となる波長域の検査光を前記フォトマスクに照射し、前記撮像センサにおいて前記マスクパターンの光学像を撮像して画像信号に変換する第2画像信号取得工程と、前記第2画像信号取得工程で取得された前記画像信号に基づいて前記フォトマスクの欠陥を検査する第2検査工程と、を備えることを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法である。
・第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明のフォトマスクの欠陥検査方法において、前記遮光膜は、クロム(Cr)を含む材料又はタンタル(Ta)を含む材料から構成され、前記半透明膜は、シリコン(Si)を含む材料から構成されること、を特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法である。
・第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明のフォトマスクの欠陥検査方法において、前記第1画像信号取得工程(S13)及び/又は前記第2画像信号取得工程では、前記フォトマスクの前記透明基板側から照射され、前記半透明膜を透過した透過光により得られる前記マスクパターンの光学像を前記撮像センサで撮像して透過光の画像信号に変換すると共に、前記フォトマスクの前記遮光膜側から照射され、前記透明基板、前記半透明膜又は前記遮光膜で反射した反射光により得られる前記マスクパターンの光学像を前記撮像センサで撮像して反射光の画像信号に変換すること、を特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法である。
・第8の発明は、第5から第7のいずれかの発明のフォトマスクの欠陥検査方法において、前記第2検査工程では、前記第2画像信号取得工程で取得された前記画像信号に基づいて、ダイ対ダイ方式により前記フォトマスクの欠陥を検査することを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法である。
本発明によれば、透明基板上に半透明膜と遮光膜パターンとが形成されたフォトマスクにおいて、欠陥の検出感度を向上させることができるフォトマスクの欠陥検査方法を提供することができる。
実施形態におけるフォトマスク製造方法の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態におけるフォトマスク製造装置1を示す概略構成図である。 実施形態におけるフォトマスク製造方法を示す概略工程図である。 実施形態におけるフォトマスク製造方法を示す概略工程図である。 1層目検査部3の概略構成図である。 1層目外観検査におけるフォトマスク欠陥検査方法の処理手順を示すフローチャートである。 第1実施例によるシェーディング補正の説明図である。 第1実施例の1層目外観検査における透過光及び反射光の信号出力の例を示す説明図である。 第1実施例の2層目外観検査における透過光及び反射光の信号出力の例を示す説明図である。 第2実施例によるシェーディング補正の説明図である。 第2実施例の1層目外観検査における透過光及び反射光の信号出力の例を示す説明図である。 第2実施例の2層目外観検査における透過光及び反射光の信号出力の例を示す説明図である。 実施例1における画像信号の実画像を示す図である。 実施例1における欠陥部のSEM画像を示す図である。 実施例2における画像信号の実画像を示す図である。 実施例2における欠陥部のSEM画像を示す図である。 実施例3における画像信号の実画像を示す図である。 実施例3における欠陥部のSEM画像を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るフォトマスクの欠陥検査方法の実施形態について説明する。本実施形態において、フォトマスクの欠陥検査工程は、フォトマスク製造の一工程として実施される。本実施形態では、フォトマスクの欠陥検査工程を、フォトマスク製造の全体構成と共に説明する。
図1は、本実施形態におけるフォトマスク製造方法の処理手順を示すフローチャートである。図1は、フォトマスク製造の主な工程のみを図示している。ここでは、フォトマスク製造の主な工程について説明する。
図1に示すように、フォトマスク製造方法は、フォトマスクの準備工程(S1)、遮光膜パターン形成工程(S2)、遮光膜パターンの欠陥検査工程(S3)、遮光膜パターンの欠陥修正工程(S4)、半透明膜パターン形成工程(S5)、半透明膜パターンの欠陥検査工程(S6)、半透明膜パターンの欠陥修正工程(S7)の各工程を順に備える。このうち、遮光膜パターンの欠陥検査工程(S3)において、本発明に係るフォトマスクの欠陥検査方法による検査が行われる。以下、各工程について説明する。
フォトマスクの準備工程(S1)は、透明基板の上に半透明膜が形成され、その上に遮光膜が形成されたフォトマスクを準備する工程である。本実施形態において、遮光膜は、最上層に形成される薄膜である。また、半透明膜は、遮光膜の下層に形成される薄膜である。
遮光膜パターン形成工程(S2)は、工程(S1)で準備されたフォトマスクの遮光膜をエッチング加工して、マスクパターンとしての遮光膜パターン(遮光膜の遮光パターン)を形成する工程である。
遮光膜パターンの欠陥検査工程(S3)は、工程(S2)で形成された遮光膜パターンの残渣欠陥部を検出する工程である。本工程(S3)については後述する。工程(S3)において、残渣欠陥部が検出された場合には、次の工程(S4)へ移行する。また、残渣欠陥部が検出されなかった場合には、工程(S5)に移行する。
遮光膜パターンの欠陥修正工程(S4)は、工程(S3)で検出された遮光膜パターンの残渣欠陥部を修正する工程である。なお、図示していないが、工程(S4)の後、洗浄工程が実施され、遮光膜パターンが洗浄される。その後、再び工程(S3)の欠陥検査が実施される。この欠陥検査において、残渣欠陥部が検出された場合には、工程(S4)に戻って、再び残渣欠陥部の修正が実施される。また、残渣欠陥部が検出されなかった場合には、次の工程(S5)に移行する。
半透明膜パターン形成工程(S5)は、遮光膜パターンから露出する半透明膜をエッチング加工して、マスクパターンとしての半透明膜パターンを形成する工程である。
半透明膜パターンの欠陥検査工程(S6)は、工程(S5)で形成された半透明膜パターンの残渣欠陥部を検出する工程である。この工程(S6)において、残渣欠陥部が検出された場合には、次の工程(S7)へ移行する。また、残渣欠陥部が検出されなかった場合には、他の加工工程(不図示)に移行する。
半透明膜パターンの欠陥修正工程(S7)は、工程(S6)で検出された半透明膜パターンの残渣欠陥部を修正する工程である。なお、図示していないが、工程(S7)の後、洗浄工程が実施され、半透明膜パターンが洗浄される。その後、例えばリソグラフィシミュレーション顕微鏡による品質検査が実施される。この品質検査において、残渣欠陥部を修正した部分の品質が、予め設定された品質基準を満たさない場合には、工程(S7)に戻って、再び残渣欠陥部の修正が実施される。また、残渣欠陥部を修正した部分の品質が、予め設定された品質基準を満たした場合には、次の加工工程(不図示)に移行する。
2.フォトマスク製造装置の構成
次に、本実施形態におけるフォトマスク製造装置について説明する。このフォトマスク製造装置は、上述したフォトマスク製造方法を実施するための装置である。図2は、本実施形態におけるフォトマスク製造装置1を示す概略構成図である。なお、以下の説明においては、後述する図3及び図4に示す構成要件及びその符号を適宜に引用する。
図2に示すように、フォトマスク製造装置1は、薄膜パターン形成部2と、1層目検査部3と、薄膜パターン修正部4と、2層目検査部5と、を備える。
薄膜パターン形成部2は、フォトマスク10に形成された2層の薄膜をそれぞれエッチング加工して、マスクパターンとしての半透明膜パターン12及び遮光膜パターン13を形成する装置である。パターン形成前のフォトマスク10は、後述するように、透明基板11と、透明基板11の上に形成された半透明膜12A及び遮光膜13Aと、を有する。なお、薄膜パターン形成部2には、レジスト塗布装置、電子線描画装置、エッチング装置、レジスト剥離装置、洗浄装置等(いずれも不図示)が含まれる。
1層目検査部3は、遮光膜パターン13の形成されたフォトマスク10を検査し、遮光膜パターン13の残渣欠陥部を検出する装置である。1層目検査部3の構成については後述する。
薄膜パターン修正部4は、遮光膜パターン13の残渣欠陥部、及び半透明膜パターン12の残渣欠陥部にアシストガスを供給しながら電子線を照射することにより、残渣欠陥部をエッチング除去する装置である。本実施形態では、薄膜パターン修正部4として、EB修正装置が用いられる。
2層目検査部5は、EB修正装置により修正された半透明膜パターン12を評価する装置である。本実施形態では、2層目検査部5として、1層目検査部3と同じ構成の装置が用いられる。
3.フォトマスク製造の主な工程
次に、本実施形態におけるフォトマスク製造の全体的な流れを、図3及び図4を参照しながら説明する。図3(a)〜(e)は、本実施形態におけるフォトマスク製造方法を示す工程図である。また、図4(f)〜(i)は、本実施形態におけるフォトマスク製造方法を示す概略工程図である。図3(a)〜(e)及び図4(f)〜(i)は、連続する一連の工程図である。本実施形態では、フォトマスクとして、ハーフトーン型位相シフトマスクを製造する場合について説明する。以下、本実施形態におけるフォトマスクの製造工程を、(1)〜(5)の順に説明する。
<フォトマスクの準備工程>
(1) 図3(a)に示すように、フォトマスク10を準備する。フォトマスク10は、薄膜パターン形成部2に設置される。フォトマスク10は、透明基板11と、透明基板11の上に形成された半透明膜12Aと、半透明膜12Aの上に形成された遮光膜13Aと、を有する。なお、本実施形態では、パターン化されていない膜には符号Aを付して、例えば「半透明膜12A」と表記する。
透明基板11としては、ArFエキシマレーザを高い透過率で透過する材料が好ましい。例えば、合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウム等が挙げられる。中でも、従来の位相シフトマスクにおける実績から、合成石英ガラスが好適に用いられる。
本実施形態において、半透明膜12Aの膜厚は、この部分を透過する波長193nmのArFエキシマレーザの光と、透明基板11が露出している部分を透過する波長193nmのエキシマレーザの光との位相が反転するように設定される。また、半透明膜12Aは、通常、波長193nmのArFエキシマレーザの透過率が6%程度となるように設定される。
半透明膜12Aの材料としては、従来のArFエキシマレーザ用ハーフトーン型位相シフトマスクの半透明膜に用いられる材料が挙げられる。例えば、シリコン窒化膜(SiN)、シリコン酸化窒化膜(SiON)、モリブデンシリサイド(MoSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)系材料であるモリブデンシリサイド酸化膜(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)、モリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)等の化合物を用いることができる。
また、半透明膜12Aは、例えば、モリブデンとシリコンの混合ターゲットを用い、アルゴン、窒素及び酸素の混合ガス雰囲気中において、反応性スパッタリング法により形成することができる。
遮光膜13Aは、遮光膜パターン13を形成するための薄膜である。遮光膜パターン13は、半透明膜12Aをエッチング加工して、半透明膜パターン12を形成する際のエッチングマスクとして機能する。
遮光膜13Aを構成する材料の具体例としては、Cr、CrO、CrN、CrNO等のクロム系の材料や、Ta、TaO、TaN、TaNO等のタンタル系の材料を挙げることができる。なお、遮光膜13Aは、同一材料から構成される単層構造であってもよく、2種以上の異なる材料から構成される多層構造であってもよい。
遮光膜13Aの形成には、公知の真空成膜の手法を適用することができる。例えば、遮光膜13Aがクロム膜(Cr)の場合は、クロムのターゲットを用い、アルゴンガス雰囲気中において、反応性スパッタリング法により形成することができる。
<遮光膜パターンの形成工程>
(2) 上記(1)の工程で準備されたフォトマスク10を、薄膜パターン形成部2(図2参照)のレジスト塗布装置(不図示)にセットし、図3(b)に示すように、遮光膜13Aの上に、レジスト層14Aを形成する。
図3(b)に示すように、本実施形態では、遮光膜13Aとレジスト層14Aの間に異物21が混入したことにより、欠陥が生じる例を示している。なお、欠陥の発生する形態は、異物21が混入する他に、レジスト層14Aの表面に異物が付着する場合がある。この場合は、薄膜パターン形成部2(図2参照)の電子線描画装置(不図示)において、電子線パターン描画を行った際に、その部位の電子線照射量が不足し、不要な余剰部分を残したレジストパターンが形成されてしまう。また、レジストパターンの形状不良に起因して不要な余剰部分が形成されることにより、残渣欠陥が発生する場合もある。なお、図2では、残渣欠陥となる箇所が1箇所の例を示すが、残渣欠陥は、複数箇所に発生することもある。
次に、図3(b)までの工程で得られたフォトマスク10を、薄膜パターン形成部2(図2参照)の電子線描画装置(不図示)にセットし、図3(c)に示すように、電子線パターン描画によるパターン形成方法を用いて、レジストパターン14を形成する。
続いて、レジストパターン14の形成されたフォトマスク10を、薄膜パターン形成部2(図2参照)のエッチング装置(不図示)にセットし、図3(d)に示すように、遮光膜13Aをエッチング加工して、遮光膜パターン13を形成する。遮光膜13Aをエッチング加工する方法としては、例えば、遮光膜13Aがクロム系材料から構成される場合には、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングの方法を用いることができる。また、遮光膜13Aがタンタル系材料から構成される場合には、塩素系ガスを用いたドライエッチングの方法を用いることができる。
次に、図3(d)までの工程で得られたフォトマスク10を、薄膜パターン形成部2(図2参照)のレジスト剥離装置(不図示)にセットし、図3(e)に示すように、レジストパターン14を除去する。通常、レジストパターン14を除去する工程、又はその後の洗浄工程(不図示)において、異物21も除去される。しかし、遮光膜13Aをエッチング加工する際に、レジストパターン14から露出した異物21の部分により覆われていた遮光膜13Aの部分には、不要な余剰部分である残渣欠陥部22が形成される。
なお、残渣欠陥部22は、遮光膜13Aから形成されたものである。残渣欠陥部22を構成する材料は、遮光膜パターン13を構成する材料と同じである。但し、図3(e)等においては、残渣欠陥部22の断面を、遮光膜パターン13の断面とは異なる向き斜線で示している。
<遮光膜パターンの欠陥検査工程>
(3) 図3(e)までの工程で得られたフォトマスク10を、1層目検査部3(図2参照)にセットし、遮光膜パターン13に形成された残渣欠陥部22を検出する前検査工程を実施する(以下、遮光膜パターンの欠陥検査を「1層目外観検査」ともいう)。
1層目外観検査では、1層目検査部3において、遮光膜パターン13と半透明膜12Aとの透過率の差が12%以上となる、波長域210〜260nmの検査光がフォトマスク10に照射され、遮光膜パターン13の透過像及び反射像が撮像される。
なお、1層目外観検査において、遮光膜パターン13と半透明膜12Aとの透過率の差が20%以上となる、波長193nmの検査光をフォトマスク10に照射して、遮光膜パターン13の透過像及び反射像を撮像してもよい。
1層目外観検査において、透過光で撮像する場合、黒領域は、遮光膜パターン13となる。また、白領域は、半透明膜12Aとなる。一方、反射光で撮像する場合、黒領域は、半透明膜12Aとなる。また、白領域は、遮光膜パターン13となる。ここで、黒領域とは、フォトマスク10において、最も暗いとみなされる部分である。また、白領域とは、フォトマスク10において、最も明るいとみなされる部分である。反射光においては、遮光膜パターン13の反射率が高いため、遮光膜パターン13が白領域となる。
また、1層目外観検査では、画像信号取得工程(後述)で取得された画像信号に基づいて、ダイ対ダイ(Die−to−Die)の検査方式によりフォトマスク10の欠陥が検査される。ダイ対ダイの検査方式とは、フォトマスク10上の2つのダイ同士、即ち、フォトマスク10に形成された同一のマスクパターン同士を比較する検査方式である。
この1層目外観検査において、残渣欠陥部22が検出されない場合、フォトマスク10は、他の加工工程に搬送される。一方、1層目外観検査において、残渣欠陥部22が検出された場合、フォトマスク10は、後述する遮光膜パターンの欠陥修正工程へ搬送される。1層目検査部3の具体的な構成については後述する。
<遮光膜パターンの欠陥修正工程>
(4) 図4(e)までの工程で得られたフォトマスク10を、薄膜パターン修正部4(図2参照)にセットし、図4(f)に示すように、アシストガス41を供給しながら、遮光膜パターン13の残渣欠陥部22に電子線EBを照射する。これにより、図4(g)に示すように、残渣欠陥部22がエッチング除去されたフォトマスクが得られる。
<半透明膜パターンの形成工程>
(5) 図4(g)までの工程で得られたフォトマスク10を、薄膜パターン形成部2(図2参照)のエッチング装置(不図示)にセットする。そして、図4(h)に示すように、遮光膜パターン13から露出する半透明膜12Aをエッチング加工して、半透明膜パターン12を形成する。
<半透明膜パターンの欠陥検査工程>
(6) 図4(h)までの工程で得られたフォトマスク10を、2層目検査部5(図2参照)にセットし、半透明膜パターン12に形成された残渣欠陥部を検出する後検査工程を実施する(以下、半透明膜パターンの欠陥検査を「2層目外観検査」ともいう)。2層目外観検査において、残渣欠陥部が検出されない場合、フォトマスク10は、他の加工工程に搬送される。一方、2層目外観検査において、残渣欠陥部が検出された場合、フォトマスク10は、後述する半透明膜パターンの欠陥修正工程へ搬送される。
2層目外観検査では、1層目外観検査と同じく、画像信号取得工程(後述)で取得された画像信号に基づいて、ダイ対ダイの検査方式によりフォトマスク10の欠陥が検査される。
2層目外観検査では、2層目検査部5において、遮光膜パターン13と半透明膜パターン12との透過率の差が12%未満となる、波長域の検査光がフォトマスク10に照射され、半透明膜パターン12の透過像及び反射像が撮像される。半透明膜パターンの欠陥検査工程では、Cr(遮光膜13A)の残り、異物の混入等、この段階でしか検出できない欠陥の有無が検査される。
なお、2層目外観検査において、透過光で撮像する場合に、黒領域は、半透明膜12Aとなる。また、白領域は、透明基板11となる。反射光で撮像する場合、黒領域は、透明基板11となる。また、白領域は、半透明膜12Aとなる。
<半透明膜パターンの欠陥修正工程>
(7) 図示は省略するが、図4(h)までの工程で得られたフォトマスク10を、薄膜パターン修正部4(図2参照)にセットし、アシストガスを供給しながら、半透明膜パターン12の残渣欠陥部に電子線を照射する。これにより、図4(i)に示すように、残渣欠陥部がエッチング除去されたフォトマスク10が得られる。
4.1層目検査部3の構成
次に、1層目検査部3の構成について説明する。図5は、1層目検査部3の概略構成図である。図5に示すように、本実施形態の1層目検査部3は、レーザ光源31と、ミラーM1,M2と、ビームスプリッタBS1,BS2と、コンデンサレンズCLと、対物レンズOLと、検査ステージ32と、TDIセンサ33と、画像処理装置34と、を備える。1層目検査部3では、図3(e)までの工程で得られたフォトマスク10の検査が行われる。
1層目検査部3では、フォトマスク10の透明基板11側から照射され、半透明膜12Aを透過した透過光により得られる遮光膜パターン13の透過像が撮像され、画像信号に変換される。また、1層目検査部3では、フォトマスク10の遮光膜パターン13側から照射され、透明基板11、半透明膜12A又は遮光膜パターン13で反射した反射光により得られる遮光膜パターンの反射像が撮像され、画像信号に変換される。
レーザ光源31は、フォトマスク10に検査光Lを照射する。レーザ光源31から照射される検査光Lは、半透明膜12Aと遮光膜パターン13との透過率の差が12%以上となる、波長域210〜260nmのレーザ光である。
なお、後述するように、2層目検査部5として、1層目検査部3と同一構成の装置を用いる場合、レーザ光源31から照射される検査光Lは、遮光膜パターン13と半透明膜パターン12との透過率の差が12%未満となる波長域のレーザ光となる。
また、2層目検査部5として、1層目検査部3と同一構成の装置を用いる場合において、レーザ光源31から照射される検査光Lは、遮光膜パターン13と半透明膜12Aとの透過率の差が20%以上となる、波長193nmの光であってもよい。
レーザ光源31から照射された検査光Lは、ビームスプリッタBS1により、透過像用の検査光L1と、反射光用の検査光L2とに分けられる。検査光L1は、ミラーM1及びコンデンサレンズCLを介して、フォトマスク10に照射される。フォトマスク10を透過した検査光L1は、対物レンズOLで集光され、透過光LTとしてTDIセンサ33上に結像される。
一方、検査光L2は、ミラーM2、ビームスプリッタBS2、及び対物レンズOLを介して、フォトマスク10に照射される。そして、フォトマスク10の透明基板11、半透明膜12A又は遮光膜パターン13において反射した検査光L2は、対物レンズOLで集光され、反射光LRとしてTDIセンサ33上に結像される。
検査ステージ32は、フォトマスク10をX方向及びY方向に移動させる装置である。検査ステージ32に保持されたフォトマスク10を、X/Y方向に移動させることにより、TDIセンサ33(後述)において、フォトマスク10に形成されたマスクパターンの全面を撮像することができる。
TDI(Time Deray Integration)センサ33は、フォトマスク10に形成されたマスクパターンの光学像(透過像、反射像)を撮像して画像信号に変換する撮像センサである。TDIセンサ33は、ライン状に配置された受光素子(例えば、CCD)を複数列備える。TDIセンサ33では、複数列の受光素子で撮像された画像が積分露光され、画像信号に変換される。TDIセンサ33の撮像により得られた透過光LT及び反射光LRの画像信号は、不図示のセンサ回路(後述)を介して画像処理装置34に出力される。
画像処理装置34は、TDIセンサ33で撮像された画像信号に基づいて、フォトマスク10の欠陥を検出する装置である。画像処理装置34は、シェーディング補正部341と、画像信号取得部342と、欠陥判定部343と、記憶部344と、を備える。なお、図示していないが、画像処理装置34は、オペレータによるデータの入力等を受け付ける入力部(キーボード、マウス等)と、検査画像等を表示する表示部(モニタ装置)と、を備える。
シェーディング補正部341は、TDIセンサ33においてマスクパターンの黒領域と白領域を撮像して得られた画像信号(後述するシェーディング補正用の画像信号)、入力部を介してオペレータにより指定された黒領域と白領域の階調目標値、予め設定された定数、初期ゲイン等に基づいて、TDIセンサ33を構成する各受光素子のオフセット及びゲインを算出する。階調目標値とは、マスクパターンの黒領域と白領域において目標とする輝度である。なお、TDIセンサ33のオフセット及びゲインは、透過光で検査する場合と、反射光で検査する場合とにおいて、それぞれ算出される。
オペレータが入力部を介して黒領域と白領域の階調目標値を指定すると、シェーディング補正部341において、マスクパターンにおける黒領域と白領域の輝度が、指定された階調目標値の階調範囲に収まるように、TDIセンサ33を構成する各受光素子のオフセット及びゲインが算出される。
シェーディング補正部341において算出されたオフセット及びゲインは、TDIセンサ33の各受光素子と接続されたセンサ回路(不図示)に設定される。センサ回路は、TDIセンサ33の各受光素子で撮像されたアナログの画像信号を、デジタルの画像信号に変換した後、設定されたオフセット及びゲインに基づいて画像信号を補正する回路である。シェーディング補正部341で算出されたオフセット及びゲインをセンサ回路に設定することにより、TDIセンサ33を構成する各受光素子の感度が補正される。なお、オペレータによる黒領域及び白領域の階調目標値の指定については後述する。
画像信号取得部342は、レーザ光源31から、半透明膜12Aと遮光膜パターン13との透過率の差が12%以上となる、波長域210〜260nmの検査光Lをフォトマスク10に照射させ、マスクパターンの光学像(透過像、反射像)をTDIセンサ33に撮像させる。上述した波長域の検査光Lをフォトマスク10に照射することにより、TDIセンサ33で撮像されるマスクパターンの解像度を向上させることができる。また、シェーディング補正部341で算出されたオフセット及びゲインを用いて、TDIセンサ33を構成する各受光素子の感度を補正することにより、TDIセンサ33で撮像されるマスクパターンのコントラストを向上させることができる。
画像信号取得部342は、フォトマスク10上の2つのダイについて、ダイ対ダイの検査方式により、透過光LT及び反射光LRの光学像をTDIセンサ33に撮像させて、検査用の画像信号を取得する。TDIセンサ33で撮像された、2つのダイの検査用の画像信号は、記憶部344に記憶される。
また、画像信号取得部342は、フォトマスク10の検査用の画像信号を撮像する前に、シェーディング補正部341がオフセット及びゲインを算出する際に使用するシェーディング補正用の画像信号(透過像、反射像)をTDIセンサ33に撮像させる。具体的には、画像信号取得部342は、フォトマスク10に形成されたマスクパターンのうち、全面が黒領域及び全面が白領域となるそれぞれの領域の光学像をTDIセンサ33に撮像させ、シェーディング補正用の画像信号として記憶部344に記憶させる。
なお、TDIセンサ33において、シェーディング補正用の画像信号を撮像する際には、検査用の画像信号を撮像する際に使用する検査光Lと同じ、半透明膜12Aと遮光膜パターン13との透過率の差が12%以上となる、波長域210〜260nmのレーザ光がフォトマスク10のマスクパターンに照射される。
欠陥判定部343は、記憶部344に記憶された2つのダイの透過光LT及び反射光LRの検査用の画像信号に基づいて、所定の比較論理回路により一致しない部分を検出し、その座標を欠陥位置情報として抽出する。
記憶部344は、TDIセンサ33で撮像された検査用の画像信号、シェーディング補正用の画像信号、オペレータにより指定された黒領域と白領域の階調目標値、シェーディング補正部341により算出された各光学素子のオフセット及びゲインの値、欠陥判定部343により抽出された欠陥位置情報等を記憶する。
なお、2層目検査部5(図2参照)の基本的な構成は、1層目検査部3と同じであるため、図面を用いての説明を省略する。2層目検査部5による2層目外観検査では、遮光膜パターン13と半透明膜パターン12との透過率の差が12%未満となる波長域の検査光がフォトマスク10に照射される以外は、1層目検査部3による1層目外観検査とほぼ同じ手順により欠陥の検査が行われる。
5.フォトマスク欠陥検査(1層目外観検査)の処理手順
次に、1層目検査部3によるフォトマスク欠陥検査について説明する。図6は、1層目検査部3におけるフォトマスク欠陥検査方法の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、フォトマスク欠陥検査における主要な工程について説明する。図6に示すように、フォトマスク欠陥検査方法は、主な工程として、フォトマスクの準備工程(S11)、シェーディング補正工程(S12)、画像信号取得工程(S13)、前検査工程(S14)の各工程を順に備える。以下、各工程について説明する。
フォトマスクの準備工程(S11)は、透明基板11の上に半透明膜12Aが形成され、その上に遮光膜パターン13が形成されたフォトマスク10を準備する工程である。この工程で準備されるフォトマスク10は、図3(e)までの工程で得られたフォトマスク10である。
シェーディング補正工程(S12)では、シェーディング補正部341(画像処理装置34)において、シェーディング補正用の画像信号、オペレータにより指定された黒領域と白領域の階調目標値等に基づいて、TDIセンサ33を構成する各受光素子のオフセット及びゲインが算出される。算出されたオフセット及びゲインは、TDIセンサ33の各受光素子と接続されたセンサ回路(不図示)に設定される。
画像信号取得工程(S13)では、1層目検査部3のレーザ光源31から、遮光膜パターン13と半透明膜12Aとの透過率の差が12%以上となる、波長域210〜260nmの検査光が、フォトマスク10の所定領域に照射される。そして、1層目検査部3のTDIセンサ33により、フォトマスク10の所定領域において、透明基板11、及び透明基板11上に形成された半透明膜12A及び遮光膜13Aの光学像(透過像及び反射像)が撮像され、画像信号に変換される。TDIセンサ33の撮像により得られた画像信号は、記憶部344(画像処理装置34)に記憶される。
前検査工程(S14)では、欠陥判定部343(画像処理装置34)において、ダイ対ダイの検査方式により、フォトマスク10の欠陥が検査される。ここでは、TDIセンサ33の撮像により得られた画像信号に基づいて、所定の比較論理回路により一致しない部分が検出され、その座標が欠陥位置情報として抽出される。抽出された欠陥位置情報は、記憶部344に記憶される。
6.シェーディング補正の実施例
次に、図6のシェーディング補正工程(S12)におけるシェーディング補正の実施例について説明する。ここでは、マスクパターン上の黒領域を撮像した画像によりオフセットを設定する第1実施例と、レーザ光源1をシャッタオフして撮像した画像を黒領域としてオフセットを設定する第2実施例について説明する。
6−1.第1実施例によるシェーディング補正
図7は、第1実施例によるシェーディング補正の説明図である。図7(a)は、マスクパターンの各領域で撮像した画像信号の信号出力を示す図である。図7(b)は、1層目外観検査において、シェーディング補正後に撮像した画像信号の信号出力を示す図である。図7(c)は、2層目外観検査において、シェーディング補正後に撮像した画像信号の信号出力を示す図である。
図7(a)〜(c)では、透過光の信号出力を実線、反射光の信号出力を破線で示す。また、図7は、遮光膜パターン13と半透明膜12Aとの透過率の差が12%以上となる、波長257nmの検査光をフォトマスク10に照射したときに得られた信号出力を示している。なお、第1実施例では、欠陥検査装置として、KLAテンコール社製の「KLA5XX XRプラットフォーム」を用いた。
図7(a)〜(c)において、上段は、フォトマスク10のマスクパターン(平面図)であり、透明基板11、半透明膜12A(半透明膜パターン12)、遮光膜パターン13の形状を模式的に示している。下段は、各領域で撮像された画像信号の信号出力を示している。下段の横軸は、上段に示したフォトマスク10の左端から右端までの距離を示している。縦軸の0〜255は、256階調のデジタル値で示された信号出力であり、0値は黒、255値は白を示している。また、図7(a)〜(c)では、透過光の信号出力を実線、反射光の信号出力を破線でそれぞれ示している。
図7(a)に示すように、シェーディング補正せずに撮像した画像信号の場合、黒領域(遮光膜パターン13)及び白領域(半透明膜12A)の階調値は、階調範囲0〜40に収まる。シェーディング補正せずに撮像した画像信号では、有効的に使用可能なダイナミックレンジが狭いため、黒領域と白領域において良好なコントラストを得ることが難しい。
一方、第1実施例によるシェーディング補正では、透過光において、黒領域(遮光膜パターン13)の階調目標値を5、白領域(半透明膜12A)の階調目標値を250に指定した。その結果、図7(b)に示すように、透過光の画像信号において、黒領域及び白領域の輝度を、階調範囲5〜250に収めることができた。図7(b)に示す画像信号では、有効的に使用可能なダイナミックレンジが広いため、黒領域と白領域において良好なコントラストを得ることができる。
1層目外観検査では、黒領域が遮光膜パターン13により遮光されているため、透過光において、位相差による干渉が起こりにくく、黒領域と白領域との境界付近におけるアンダーシュートの発生が抑制される。そのため、透過光による1層目外観検査では、黒領域の階調目標値を小さくして、算出されるゲインを増やすことができる。
なお、後述するように、反射光による1層目外観検査では、アンダーシュート及びオーバーシュートが発生しやすい。そのため、反射光による1層目外観検査では、透過光による1層目外観検査ほど階調範囲を大きくとることができない。しかし、透過光による1層目外観検査において良好なコントラストが得られていれば、100nm以上の欠陥を検出することは可能である。
なお、アンダーシュートとは、黒領域と白領域の境界付近の位相反転による部分的な光強度低下をいう。また、オーバーシュートとは、黒領域と白領域の境界付近の位相反転による部分的な光強度上昇をいう。アンダーシュート及びオーバーシュートについては後述する。
上述したように、1層目外観検査では、レーザ光源31において、半透明膜12Aと遮光膜パターン13との透過率の差が12%以上となる、波長域210〜260nmの検査光Lをフォトマスク10に照射するため、TDIセンサ33で撮像されたマスクパターンのコントラストの低下を抑制しつつ、解像度を向上させることができる。また、シェーディング補正部341において、TDIセンサ33を構成する各受光素子のオフセット及びゲインを補正することにより、黒領域と白領域の階調範囲を最適化して、より良好なコントラストを得ることができる。従って、マスクパターンにおける欠陥の検出感度を向上させることができる。
また、1層目外観検査において、レーザ光源31から、遮光膜パターン13と半透明膜12Aとの透過率の差が20%以上となる、波長193nmの検査光Lをフォトマスク10に照射した場合においても、同様の効果を得ることができる。
なお、1層目外観検査において、ゲインが大きくなると、ノイズ成分も大きく引き伸ばされる。しかしながら、遮光膜パターン13と半透明膜12Aとの透過率の差が12%以上となる、波長域210〜260nmの検査光を用いることにより、図7(b)に示すように、ノイズ成分の引き伸ばしを最小限に抑えつつ、階調範囲を最大限に広げることができる。
同様に、2層目外観検査のシェーディング補正においても、黒領域(半透明膜パターン12)及び白領域(透明基板11)の階調目標値をそれぞれ指定した。2層目外観検査では、1層目外観検査の場合よりもマスクパターンのコントラストが高くなるため、2層目外観検査では、解像度を向上させるため、1層目外観検査時のときよりも検査光Lを短波長とした。即ち、2層目外観検査では、1層目外観検査のときほどコントラストの低下を考慮する必要がないため、遮光膜パターン13と半透明膜パターン12との透過率の差が12%未満となる波長域の検査光Lを用いることにより、1層目外観検査よりも解像度を向上させることができる。なお、半透明膜12Aとして、透過率が高い材料(SiN等)を用いたフォトマスクの場合には、2層目外観検査において、1層目外観検査で用いた波長域と同じ波長域の検査光が用いられる。
上述したように、2層目外観検査では、マスクパターンのコントラストが1層目外観検査のときよりも高くなる。そのため、2層目外観検査において、1層目外観検査よりもゲインを減少させることにより、図7(c)に示すように、ノイズの引き伸ばしを少なくすることができる。従って、2層目外観検査において、ノイズによる擬似欠陥の検出を抑制することができる。
ここで、第1実施例の1層目外観検査及び2層目外観検査におけるアンダーシュート及びオーバーシュートについて説明する。図8(a)は、第1実施例の1層目外観検査における透過光の信号出力の例を示す説明図である。図8(b)は、第1実施例の1層目外観検査における反射光の信号出力の例を示す説明図である。図9(a)は、第1実施例の2層目外観検査における透過光の信号出力の例を示す説明図である。図9(b)は、第1実施例の2層目外観検査における反射光の信号出力の例を示す説明図である。図8及び図9に示す縦横軸は、図7(b)及び図7(c)に示す縦横軸にそれぞれ対応する。
図8に示す1層目外観検査において、黒領域は、遮光膜パターンとなり、遮光されているため、透過光の信号出力には、アンダーシュート及びオーバーシュートが発生しない。そのため、図8(a)に示すように、透過光による1層目外観検査では、ノイズ成分の引き伸ばしを最小限に抑えることを考慮して階調目標値を指定する。図8(a)における階調差Dは、約210階調である。
また、反射光による1層目外観検査では、アンダーシュート及びオーバーシュートが発生しやすい。そのため、図8(b)に示すように、アンダーシュート及びオーバーシュートの影響を考慮して黒領域と白領域の階調目標値を指定する。本例では、アンダーシュート及びオーバーシュートの影響を考慮して黒領域と白領域の階調目標値を指定した結果、階調差Dが約100階調となった。後述する反射光による2層目外観検査での階調差Dに対して60%程度の階調差が確保されている。
図9に示す2層目外観検査では、白領域が透明基板となり、黒領域が半透明膜パターンとなる。透過光による2層目外観検査では、アンダーシュートが発生しやすい。そのため、図9(a)に示すように、透過光による2層目外観検査では、アンダーシュートの影響を考慮して黒領域の階調目標値を指定する。図9(a)では、黒領域の階調目標値を50に指定した例を示す。図9(a)における階調差Dは、約190階調である。
また、反射光による2層目外観検査では、アンダーシュートが発生しやすい。そのため、反射光による2層目外観検査では、図9(b)に示すように、アンダーシュートの影響を考慮して階調目標値を指定する。図9(b)では、黒領域の階調目標値を65に指定した例を示す。図9(b)において、階調差Dは、約160階調となった。従って、2層目外観検査では、透過光及び反射光のいずれにおいても、約160階調以上の階調差を確保することができた。
なお、図示は省略するが、第1実施例の1層目外観検査及び2層目外観検査において、それぞれオフセット及びゲインが最適化されるように、黒領域及び白領域の階調目標値を指定したところ、ノイズ成分の差分は最大で6階調となった。256階調の範囲において、6階調の差は軽微と考えられる。
6−2.第2実施例によるシェーディング補正
図10は、第2実施例によるシェーディング補正の説明図である。図10(a)は、マスクパターンの各領域で撮像した画像信号の信号出力を示す図である。図10(b)は、1層目外観検査において、シェーディング補正後に撮像した画像信号の信号出力を示す図である。図10(c)は、2層目外観検査において、シェーディング補正後に撮像した画像信号の信号出力を示す図である。
図10(a)〜(c)では、透過光の信号出力を実線、反射光の信号出力を破線で示す。また、図10は、遮光膜パターン13と半透明膜12Aとの透過率の差が12%以上となる、波長213nmの検査光をフォトマスク10に照射したときに得られた信号出力を示している。なお、第2実施例では、欠陥検査装置として、レーザーテック社製の「MATRICSシリーズ」を用いた。
図10(a)〜(c)に示す上段、下段の図は、それぞれ図7(a)〜(c)に示す上段、下段の図に対応するため説明を省略する。
第2実施例における検査光の波長は、第1実施例における検査光の波長257nmよりも短い波長213nmであるため、第1実施例よりも光強度が低下している。そのため、図10(a)に示すように、透過光の半透明膜12Aにおける信号出力は、図7(a)に示す第1実施例の場合よりも低下している。
第2実施例において、透過光による1層目外観検査では、レーザ光源31をシャッタオフして撮像した画像を黒領域として撮像し、半透明膜12Aを白領域として撮像する。一方、反射光による1層目外観検査では、レーザ光源31をシャッタオフして撮像した画像を黒領域として撮像し、遮光膜パターン13を白領域として撮像する。
第2実施例によるシェーディング補正では、透過光において、白領域となる半透明膜12Aの階調目標値を220に指定した。黒領域側は、レーザ光源31をシャッタオフして撮像した画像を使用するため、目標階調値を指定していない。その結果、図10(b)に示すように、TDIセンサ33により撮像された画像信号において、半透明膜12A及び遮光膜パターン13における黒領域及び白領域の輝度を、所定の階調範囲に収めることができた。図10(b)に示すように、透過光による画像信号の信号出力では、有効的に使用可能なダイナミックレンジが広いため、黒領域と白領域において良好なコントラストを得ることができる。
第2実施例において、反射光は、レーザ光源31をシャッタオフして撮像した画像を黒領域としている。そのため、図10(b)に示すように、1層目外観検査では、第1実施例(図7(b)参照)に比べて、黒領域の信号出力は大きく引き伸ばされていない。一方、透過光の信号出力は、第1実施例と同じく大きく引き伸ばすことができるため、黒領域及び白領域において良好なコントラストを得ることができる。
また、第2実施例による1層目外観検査においても、黒領域が遮光膜パターン13により遮光されているため、黒領域と白領域との境界でアンダーシュートが発生しない。そのため、第1実施例の場合と同様に、透過光による1層目外観検査において、白領域の目標階調値を大きくして、算出されるゲインを増やすことができる。従って、第2実施例においても、透過光による1層目外観検査において、良好なコントラストが得られるため、マスクパターンにおける欠陥の検出感度を向上させることができる。
また、第2実施例のシェーディング補正においても、信号出力を大きく引き伸ばすと、信号に含まれるノイズ成分も大きく引き伸ばされる。そのため、設定するゲインを最適化することにより、ノイズ成分の引き伸ばし量を最小限に抑制することができる。
また、第2実施例においても、2層目外観検査では、1層目外観検査の場合よりもゲインを減少させることにより、図10(c)に示すように、ノイズの引き伸ばしを少なくすることができる。そのため、2層目外観検査において、ノイズによる擬似欠陥の検出を抑制することができる。
ここで、第2実施例の1層目外観検査及び2層目外観検査におけるアンダーシュート及びオーバーシュートについて説明する。図11(a)は、第2実施例の1層目外観検査における透過光の信号出力の例を示す説明図である。図11(b)は、第2実施例の1層目外観検査における反射光の信号出力の例を示す説明図である。図12(a)は、第2実施例の2層目外観検査における透過光の信号出力の例を示す説明図である。図12(b)は、第2実施例の2層目外観検査における反射光の信号出力の例を示す説明図である。図11及び図12に示す縦横軸は、図7(b)及び図7(c)に示す縦横軸にそれぞれ対応する。
第2実施例の1層目外観検査では、レーザ光源31をシャッタオフして撮像した画像が黒領域となる。図11(a)に示すように、透過光による1層目外観検査では、ノイズ成分の引き伸ばしを最小限に抑えることを考慮して階調目標値を指定する。図11(a)における階調差Dは、約210階調である。
また、反射光による1層目外観検査では、アンダーシュートの影響が大きくなる。そのため、図11(b)に示すように、反射光による1層目外観検査での階調差Dは、本例では約15階調程度となった。このように、反射光による1層目外観検査では、十分な階調差を得ることはできないが、マスクパターンのエッジ部分に欠陥が生じると、アンダーシュートのグラフが変動する。そのため、アンダーシュートのグラフを検証することにより、マスクパターンのエッジ部分に生じる欠陥を検出することができる。
図12示す2層目外観検査では、白領域が透明基板となり、レーザ光源31をシャッタオフして撮像した画像が黒領域となる。図12(a)に示すように、透過光による2層目外観検査では、ノイズ成分の引き伸ばしを最小限に抑えることを考慮して階調目標値を指定する。図12(a)における階調差Dは、約225階調である。
また、反射光による2層目外観検査では、アンダーシュートが発生しやすい。そのため、反射光による2層目外観検査では、図12(b)に示すように、アンダーシュートの影響を考慮して階調目標値を指定する。図12(b)では、白領域の階調目標値を220に指定した例を示す。図12(b)における階調差Dは、約170階調である。従って、2層目外観検査では、透過光及び反射光のいずれにおいても、約170階調以上の階調差を確保することができた。
なお、図示は省略するが、第2実施例の1層目外観検査と2層目外観検査において、それぞれゲインが最適化されるように、白領域の階調目標値を指定したところ、ノイズ成分の差分は最大で2階調となった。256階調の範囲において、2階調の差は軽微と考えられる。
7.検査画像の実施例
<実施例1:第1実施例による検査画像>
実施例1は、第1実施例のシェーディング補正により画像信号を撮像した例を示す。図13は、実施例1における画像信号の実画像を示す図である。図13(a)は、実施例1において、透過光により撮像した画像信号をモニタ画面に表示した実画像を示す。図13(b)は、実施例1において、反射光により撮像した画像信号をモニタ画面に表示した実画像を示す。図14は、実施例1における欠陥部のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)画像を示す図である。
図13(a)、(b)に示すように、第1実施例のシェーディング補正により撮像された画像信号では、透過光及び反射光のいずれにおいても、微細な欠陥部(図中、黒枠の部分)が検出されている。この欠陥部は、図14のSEM画像に示すように、フォトマスクにおいて、半透明膜パターンと遮光膜パターンとの境界付近に存在している(図中、丸枠の部分)。なお、図13及び図14にはスケールを示していないが、欠陥部の大きさは、およそ100nmである。
<実施例2:第2実施例による検査画像1>
実施例2は、第2実施例のシェーディング補正により画像信号(検査画像1)を撮像した例を示す。図15は、実施例2における画像信号の実画像を示す図である。図15(a)は、実施例2において、反射光により撮像した画像信号をモニタ画面に表示した実画像を示す。図15(b)は、実施例2において、反射光により撮像した画像信号をモニタ画面に表示した実画像を示す。図16は、実施例2における欠陥部のSEM画像を示す図である。
図15(a)、(b)に示すように、第2実施例のシェーディング補正により撮像した画像信号では、微細な欠陥部(図中、黒線の部分)が検出されている。この欠陥部は、図16のSEM画像に示すように、フォトマスクの遮光膜パターン(図中、黒ラインの部分)上に存在している。図15(a)に示す実画像では、欠陥部を視認しにくいが、図15(b)に示す実画像では、遮光膜パターン上の欠陥部を明瞭に視認することができる。なお、図15(a)、(b)に示す1umのスケールを参照すると、欠陥部の大きさは、およそ100nmである。
<実施例3:第2実施例による検査画像2>
実施例3は、第2実施例のシェーディング補正により画像信号(検査画像2)を撮像した例を示す。図17は、実施例3における画像信号の実画像を示す図である。図17(a)は、実施例3において、透過光により撮像した画像信号をモニタ画面に表示した実画像を示す。図17(b)は、実施例3において、反射光により撮像した画像信号をモニタ画面に表示した実画像を示す。図18は、実施例3における欠陥部のSEM画像を示す図である。
図17(a)、(b)に示すように、第2実施例のシェーディング補正により撮像した画像信号では、透過光及び反射光のいずれにおいても、微細な欠陥部(図中、黒点の部分)が検出されている。この欠陥部は、図18のSEM画像に示すように、フォトマスクの微小パターン(図中、二重の白ラインの部分)上に存在している。このように、本例では、ノイズ成分が少ないため、ノイズによる擬似欠陥の発生を抑えて、微細な欠陥部のみを検出することができた。なお、図17(a)、(b)に示す1umのスケールを参照すると、欠陥部の大きさは、およそ100nmである。
以上説明したように、本実施形態におけるフォトマスクの欠陥検査方法によれば、透明基板上に半透明膜と遮光膜パターンとが形成されたフォトマスクの外観検査において、ノイズによる擬似欠陥の発生を抑制しつつ、100nm程度の微細な残渣欠陥部の検出感度を向上させることができる。
また、本実施形態におけるフォトマスクの欠陥検査方法を実施することにより、製造段階のフォトマスクに発生した致命的な欠陥を早期に発見することができる。また、フォトマスクの製造段階において、欠陥の発生したプロセスの絞り込みが容易となる。更に、後段で実施される本検査後のマスクパターン修正により、歩留まりの向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した各実施形態の構成は、適宜に組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
本実施形態では、1層目外観検査において、ダイ対ダイの検査方式によりフォトマスク10の欠陥を検査する例について説明した。これに限らず、1層目外観検査において、ダイ対データベースの検査方式によりフォトマスク10の欠陥を検査するようにしてもよい。ダイ対データベース検査方式とは、フォトマスク10上のダイから取得した画像信号による遮光パターンと、データベースに記憶された設計パターンとに基づいて、所定の比較論理回路により一致しない部分を検出し、その座標を欠陥位置情報として抽出する検査方式である。
同様に、本実施形態では、2層目外観検査において、ダイ対ダイの検査方式によりフォトマスク10の欠陥を検査する例について説明した。これに限らず、2層目外観検査において、ダイ対データベースの検査方式によりフォトマスク10の欠陥を検査してもよい。
1 フォトマスク製造装置
2 薄膜パターン形成部
3 1層目検査部
4 薄膜パターン修正部
5 2層目検査部
10 フォトマスク
11 透明基板
12 半透明膜パターン
12A 半透明膜
13 遮光膜パターン
13A 遮光膜
31 レーザ光源
33 TDIセンサ
34 画像処理装置
331 シェーディング補正部
342 画像信号取得部
343 欠陥判定部
344 記憶部

Claims (8)

  1. 透明基板と、当該透明基板上に形成され、露光光の位相及び透過率を制御する半透明膜と、当該半透明膜上に形成された遮光膜と、を備えたフォトマスクの欠陥検査方法であって、
    前記透明基板上に、前記半透明膜と、前記遮光膜の遮光パターンとがマスクパターンとして形成されたフォトマスクを準備する工程と、
    撮像センサにおいて前記フォトマスクに形成されたマスクパターンの光学像を撮像して画像信号に変換する際に、前記マスクパターンにおける黒領域と白領域の輝度が所定の階調範囲に収まるように、指定された黒領域と白領域の階調目標値に基づいて、前記撮像センサのオフセット及びゲインを設定する第1シェーディング補正工程と、
    前記マスクパターンにおける黒領域と白領域との透過率の差が所定値以上となる波長域の検査光を前記フォトマスクに照射し、前記撮像センサにおいて前記マスクパターンの光学像を撮像して画像信号に変換する第1画像信号取得工程と、
    前記第1画像信号取得工程で取得された前記画像信号に基づいて前記フォトマスクの欠陥を検査する第1検査工程と、
    を備えることを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法。
  2. 請求項1に記載のフォトマスクの欠陥検査方法において、
    前記検査光の波長域は、前記マスクパターンにおける前記半透明膜と前記遮光膜との透過率の差が12%以上となる、波長210〜260nmの範囲であることを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法。
  3. 請求項1に記載のフォトマスクの欠陥検査方法において、
    前記検査光は、前記マスクパターンにおける前記半透明膜と前記遮光膜との透過率の差が20%以上となる、波長193nmの光であることを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のフォトマスクの欠陥検査方法において、
    前記第1検査工程では、前記第1画像信号取得工程で取得された前記画像信号に基づいて、ダイ対ダイ方式により前記フォトマスクの欠陥を検査することを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のフォトマスクの欠陥検査方法において、
    前記第1検査工程の後工程として、
    前記透明基板上に、前記半透明膜による半透明膜パターン及び前記遮光膜による遮光パターンがマスクパターンとして形成されたフォトマスクを準備する工程と、
    撮像センサにおいて前記フォトマスクに形成されたマスクパターンの光学像を撮像して画像信号に変換する際に、前記マスクパターンにおける黒領域と白領域の輝度が所定の階調範囲に収まるように、指定された黒領域と白領域の階調目標値に基づいて、前記撮像センサが前記マスクパターンの光学像を撮像して画像信号に変換する際のオフセット及びゲインを設定する第2シェーディング補正工程と、
    前記第1検査工程で用いた検査光と同じ波長域の検査光、又はそれよりも短波長の検査光を前記フォトマスクに照射し、前記撮像センサにおいて前記マスクパターンの光学像を撮像して画像信号に変換する第2画像信号取得工程と、
    前記第2画像信号取得工程で取得された前記画像信号に基づいて前記フォトマスクの欠陥を検査する第2検査工程と、
    を備えることを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のフォトマスクの欠陥検査方法において、
    前記遮光膜は、クロム(Cr)又はタンタル(Ta)を含む材料から構成され、
    前記半透明膜は、シリコン(Si)を含む材料から構成されること、
    を特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のフォトマスクの欠陥検査方法において、
    前記第1画像信号取得工程及び/又は前記第2画像信号取得工程では、
    前記フォトマスクの前記透明基板側から照射され、前記半透明膜を透過した透過光により得られる前記マスクパターンの光学像を前記撮像センサで撮像して透過光の画像信号に変換すると共に、前記フォトマスクの前記遮光膜側から照射され、前記透明基板、前記半透明膜又は前記遮光膜で反射した反射光により得られる前記マスクパターンの光学像を前記撮像センサで撮像して反射光の画像信号に変換すること、
    を特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載のフォトマスクの欠陥検査方法において、
    前記第2検査工程では、前記第2画像信号取得工程で取得された前記画像信号に基づいて、ダイ対ダイ方式により前記フォトマスクの欠陥を検査することを特徴とするフォトマスクの欠陥検査方法。
JP2014101736A 2014-05-15 2014-05-15 フォトマスクの欠陥検査方法 Pending JP2015219324A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014101736A JP2015219324A (ja) 2014-05-15 2014-05-15 フォトマスクの欠陥検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014101736A JP2015219324A (ja) 2014-05-15 2014-05-15 フォトマスクの欠陥検査方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015219324A true JP2015219324A (ja) 2015-12-07

Family

ID=54778762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014101736A Pending JP2015219324A (ja) 2014-05-15 2014-05-15 フォトマスクの欠陥検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015219324A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6466604B1 (ja) * 2018-01-24 2019-02-06 株式会社アイテス 太陽電池試料検査装置、及び太陽電池試料検査方法
KR20190075247A (ko) * 2017-12-21 2019-07-01 에스케이하이닉스 주식회사 쉐이딩층을 내장한 포토 마스크 및 이를 이용한 패턴 형성 방법

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005292164A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Toppan Printing Co Ltd ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク、ハーフトーン型位相シフトマスク及びパターン転写方法
JP2006017798A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Toppan Printing Co Ltd ハーフトーン型位相シフトマスク及びその検査方法
JP2006091240A (ja) * 2004-09-22 2006-04-06 Toppan Printing Co Ltd ハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法
JP2006275780A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Advanced Mask Inspection Technology Kk パターン検査方法
JP2007219129A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Hoya Corp パターン形成方法及び位相シフトマスクの製造方法
JP2007310162A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Lasertec Corp 検査装置及び検査方法とその検査方法を用いたパターン基板の製造方法
JP2008112204A (ja) * 2008-02-04 2008-05-15 Hoya Corp ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク
JP2009222631A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Toppan Printing Co Ltd 周期性パターンのムラ検査装置および方法
JP2011017952A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Dainippon Printing Co Ltd 位相シフトマスクの修正方法および修正された位相シフトマスク
JP2011095787A (ja) * 1999-11-09 2011-05-12 Ulvac Seimaku Kk 位相シフトフォトマスクブランクス及び位相シフトフォトマスク並びに半導体装置の製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011095787A (ja) * 1999-11-09 2011-05-12 Ulvac Seimaku Kk 位相シフトフォトマスクブランクス及び位相シフトフォトマスク並びに半導体装置の製造方法
JP2005292164A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Toppan Printing Co Ltd ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランク、ハーフトーン型位相シフトマスク及びパターン転写方法
JP2006017798A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Toppan Printing Co Ltd ハーフトーン型位相シフトマスク及びその検査方法
JP2006091240A (ja) * 2004-09-22 2006-04-06 Toppan Printing Co Ltd ハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法
JP2006275780A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Advanced Mask Inspection Technology Kk パターン検査方法
JP2007219129A (ja) * 2006-02-16 2007-08-30 Hoya Corp パターン形成方法及び位相シフトマスクの製造方法
JP2007310162A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Lasertec Corp 検査装置及び検査方法とその検査方法を用いたパターン基板の製造方法
JP2008112204A (ja) * 2008-02-04 2008-05-15 Hoya Corp ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク
JP2009222631A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Toppan Printing Co Ltd 周期性パターンのムラ検査装置および方法
JP2011017952A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Dainippon Printing Co Ltd 位相シフトマスクの修正方法および修正された位相シフトマスク

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190075247A (ko) * 2017-12-21 2019-07-01 에스케이하이닉스 주식회사 쉐이딩층을 내장한 포토 마스크 및 이를 이용한 패턴 형성 방법
KR102504179B1 (ko) 2017-12-21 2023-02-28 에스케이하이닉스 주식회사 쉐이딩층을 내장한 포토 마스크 및 이를 이용한 패턴 형성 방법
JP6466604B1 (ja) * 2018-01-24 2019-02-06 株式会社アイテス 太陽電池試料検査装置、及び太陽電池試料検査方法
JP2019128247A (ja) * 2018-01-24 2019-08-01 株式会社アイテス 太陽電池試料検査装置、及び太陽電池試料検査方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102329153B1 (ko) 두 개의 포토마스크의 비교에 의한 포토마스크의 검사
KR102052229B1 (ko) 레티클 열화를 검출하기 위한 반사맵 및 투과맵의 사용
TWI602013B (zh) 用於檢測遮罩以識別微影顯著缺陷之方法及檢測系統
JP6609568B2 (ja) 差分ダイおよび差分データベースを利用した検査
TWI713088B (zh) 缺陷分類方法、空白光罩之篩選方法以及空白光罩之製造方法
JP2005309140A (ja) フォトマスク製造方法、フォトマスク欠陥修正箇所判定方法、及びフォトマスク欠陥修正箇所判定装置
JP4644210B2 (ja) パターン欠陥検査方法
KR20140129179A (ko) 레티클에 대한 시변 세기 맵 생성
JP2008033299A (ja) 階調をもつフォトマスクの欠陥部修正方法および修正箇所の評価方法
JP2013539866A (ja) 焦点補正値汚染検査
JP2010060904A (ja) フォトマスクの検査方法、半導体デバイスの検査方法及びパターン検査装置
JP3237928B2 (ja) パターン検査方法及び装置
JP2011085536A (ja) レビュー装置および検査装置システム
JP2011169743A (ja) 検査装置および検査方法
JP2015219324A (ja) フォトマスクの欠陥検査方法
JP4234703B2 (ja) 欠陥検査装置
CN112578631A (zh) 图案检查方法、光掩模检查装置、光掩模的制造方法
KR101731338B1 (ko) 위치 측정 방법, 위치 이탈 맵의 작성 방법 및 검사 시스템
JP2009294027A (ja) パターン検査装置及び方法
JP2009222627A (ja) パターン検査方法、パターン検査装置及びプログラム
JP4205739B2 (ja) レチクルパターンの欠陥修正装置およびその修正方法
JP2011038947A (ja) 欠陥検査装置及び画像表示方法
JP2006017798A (ja) ハーフトーン型位相シフトマスク及びその検査方法
JP2016035539A (ja) 位置測定方法、位置ずれマップの作成方法および検査システム
JP2004219597A (ja) マスク欠陥検査装置及びマスク欠陥検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160928

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180309

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190122