JP2015219314A - 走査線調整装置、光走査装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走査された光に対する姿勢が変わることで該光が照射される光照射対象上の走査線の傾きが変化する長尺レンズユニット50と、長尺レンズユニット50を支持する支持台66と、長尺レンズユニット50に当接するアジャスタ58と、アジャスタ58を変位させる駆動モータ56と、長尺レンズユニット50を付勢する第1板バネ61、第2板バネ62とを有し、駆動モータ56によるアジャスタ58の変位量を調整することで、前記傾き変動部材の姿勢を調整する走査線調整装置において、長尺レンズユニット50とアジャスタ58との間に、アジャスタ58よりも線膨張係数の大きい材質によって形成された熱膨張部材70を備えた。
【選択図】図10
Description
この走査線調整装置は、長尺レンズ251とこれを保持するブラケット252とから構成された長尺レンズユニット(傾き変動部材)250、駆動モータ256、駆動モータホルダ257、駆動モータ256の回転軸のネジ部に螺合されたアジャスタ258、などを備えている。
アジャスタ258は、断面D形状をしており、駆動モータホルダ257のD形状のアジャスタ挿入口に挿入されている。アジャスタ258の頂部は、アジャスタ挿入口から突き出てブラケット252に当接する。駆動モータ256の回転軸が回転して、アジャスタ258が駆動モータの回転軸に対して昇降すると、長尺レンズユニット250のモータ側端部が矢印Cの方向に移動する。
具体的には、アジャスタ258が上昇すると、長尺レンズユニット250のモータ側端部は第1板バネ261の付勢力に抗して上昇する。長尺レンズユニット250は、支持台266を支点にして図中右回りに回動し、その姿勢を変化させる。アジャスタ258が下降すると、長尺レンズユニット250のモータ側端部は第1板バネ261の付勢力により下降する。
これにより、長尺レンズユニット250は、支持台266を支点にして図中左回りに回動し、その姿勢を変化させる。この走査線調整装置においては、所定のタイミングで、光照射対象である感光体上に通常の画像形成動作時と同じ動作を行って、予め決められた傾き調整用パターンの潜像を形成する。そして、通常の画像形成動作時と同じ動作で傾き調整用パターン潜像を現像して傾き調整用パターンとし、その傾き調整用パターンをパターンセンサ(光学センサ)で検知する。この検知結果に基づき、傾き調整用パターンの傾きが適正な傾きとなるように、駆動モータ256の回転角を制御して長尺レンズユニット250の姿勢を変化させる。これにより、感光体上における走査線の傾きを適正なものに調整することができる。
このプリンタは、装置本体1と、この装置本体1から引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。装置本体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像(可視像)を形成するための作像ステーション3Y,3C,3M,3Kを備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
図1及び図2に示すように、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、図中矢印A方向に回転する潜像担持体としてのドラム状の感光体10Y,10C,10M,10Kを備えている。感光体10Y,10C,10M,10Kは、直径40mmのアルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。
各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの上方には、各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kにより形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト20を備えた中間転写ユニット5を備えている。また、中間転写ベルト20に転写されたトナー画像を記録材である転写紙Pに定着する定着ユニット6を備えている。
作像ステーション3Y,3C,3M,3Kにおいて、感光体10Y,10C,10M,10Kが帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様に帯電される。その後、光書込ユニット4により、画像情報に基づきレーザ光Lが走査露光されて感光体10Y,10C,10M,10Kの表面に潜像が形成される。
図3は、本実施形態における光書込ユニット4の構成を示す説明図である。
この光書込ユニット4は、正多角柱形状からなる2つのポリゴンミラー41a,41bを備えている。このポリゴンミラー41a,41bは、その側面に反射ミラーを有し、図示しないポリゴンモータによって正多角柱の中心軸を回転中心として高速回転する。これにより、その側面に図示しないレーザダイオード(光源)からの書込光(レーザ光)が入射すると、このレーザ光が偏向・走査される。
本実施形態における走査線調整装置は、走査線の傾きだけでなく走査線の曲がりも調整することができる。
本実施形態において、走査線の曲がりについては、上記長尺レンズユニット50a,50b,50c,50dの長尺レンズを強制的に変形させることで調整する。一方、走査線の傾きについては、長尺レンズユニット50a,50b,50c,50dの姿勢を変化させることで調整する。なお、本実施形態において、走査線の曲がり調整を行う機構は、すべての長尺レンズユニット50a,50b,50c,50dに備わっている。
この長尺レンズユニット50は、ポリゴンミラー41a,41bの面倒れを補正する長尺レンズ51、長尺レンズ51を保持するブラケット52、長尺レンズ51とブラケット52の保持・調整のための弾性押圧部材である曲がり調整用板バネ53と、付勢手段としての第1板バネ61および第2板バネ62、長尺レンズ51の曲がり調整のための曲がり調整用ネジ65、長尺レンズ51の熱膨張による走査線傾きの調整のための熱膨張部材70、摩擦係数低減手段としての平滑面部材63,64などから構成されている。
長尺レンズ51のモータ側端部とは反対側の端部(以下、「自由端部」という。)にも、突起部51aが設けられている。この突起部51aにおける光路Lに直交する2つの側面の一方も、図13に示すように、ハウジングの固定部67に当接し、他方はハウジングに固定された第2ユニット支持用板バネ60に当接する。
このような構成により、長尺レンズ51の自由端部は第2ユニット支持用板バネ60によってハウジングの固定部67に押しつけられた状態で位置決めされる。このようして、長尺レンズ51の両端が、第1ユニット支持用板バネ59、第2ユニット支持用板バネ60によってハウジングの固定部67に押しつけられることで、長尺レンズユニット50が、光路Lの方向への移動が規制される。
走査線の曲がり調整は、本プリンタの出荷時に行う。具体的な調整方法は次の通りである。曲がり調整用ネジ65を締めない状態においては、図9に示すように、長尺レンズ51の長手方向中央部分は曲がり調整用板バネ53によってブラケット52の天面側に付勢されている。この状態から曲がり調整用ネジ65を締めると、その曲がり調整用ネジ65の頂部が長尺レンズ51の長手方向中央部分に当接し、この部分とブラケット52の天面との間隔が広がっていく。長尺レンズ51は、その長手方向両端が固定用板バネ54,55によってブラケット52に固定されており、かつ、長尺レンズ51の剛性はブラケット52よりも剛性が低い。そのため、曲がり調整用ネジ65を締めることにより、長尺レンズ51は、長手方向に撓んだ状態から、真直ぐな状態に変形する。長尺レンズ51の撓み量に応じて長尺レンズ51を通過するレーザ光による走査線の曲がり度合が変化する。よって、曲がり調整用ネジ65の締め量を調整することで、当初は生じていた走査線の曲がりを補正することができる。
走査線の傾き調整は、本プリンタの出荷時に行うとともに、本プリンタの稼働時において例えばプリント枚数が所定枚数に達したタイミングやユーザー指示を受けたタイミング等の所定のタイミングで行う。図1に示すプリンタにおいて走査線の傾き調整を行う場合、まず、各感光体10Y,10C,10M,10K上に通常の画像形成動作時と同じ動作で、予め決められた傾き調整用パターンの潜像を形成する。そして、通常の画像形成動作時と同じ動作で、各色の傾き調整用パターン潜像を現像して傾き調整用パターン(トナー像)とし、これらを中間転写ベルト20に転写する。その後、中間転写ベルト20に転写した各色の傾き調整用パターンを、図示しないパターンセンサ(光学センサ)で検知する。この検知結果に基づき、黒(K)用の傾き調整用パターンと、他色(Y、C、M)の傾き調整用パターンとの各位置ズレ量を把握する。そして、把握した各位置ズレ量を最も小さくできる、黒(K)用の走査線に対する他色(Y、C、M)用の走査線の傾き量をそれぞれ算出し、その結果を図示しない姿勢調整手段たる傾き制御部に出力する。
傾き制御部は、その算出結果に基づき、駆動モータ56の回転角を制御する。駆動モータ56の回動により、駆動モータ56の回転軸に取り付けられたアジャスタ58が昇降し、長尺レンズユニット50のモータ側端部が図14(a)中矢印Cの方向に移動する。具体的には、アジャスタ58が上昇すると、長尺レンズユニット50のモータ側端部は第1板バネ61の付勢力に抗して上昇する。これにより、長尺レンズユニット50は、支持台66を支点にして図14中右回りに回動し、その姿勢を変化させる。一方、アジャスタが下降すると、長尺レンズユニット50のモータ側端部は第1板バネ61の付勢力により下降する。これにより、長尺レンズユニット50は、支持台66を支点にして図14(a)中左回りに回動し、その姿勢を変化させる。
図15は、周辺環境の温度が上昇したときの熱膨張部材70の作用を説明する図である。
長尺レンズ51の高さをL1、熱膨張部材70の高さをL2、長尺レンズ51の線膨張係数をa1、熱膨張部材70の線膨張係数をa2とすると、周辺環境の温度がΔTだけ変化したときの、長尺レンズ51の高さ伸びΔL1、熱膨張部材70の高さの伸びΔL2は、それぞれ以下の式で表すことができる。
ΔL1=a1×L1×ΔT
ΔL2=a2×L2×ΔT
k=(a2×L2×ΔT)/(a1×L1×ΔT)
熱膨張部材70の特性は、このkの値によって規定することができる。
また、プリンタを連続稼動させる場合を考慮すると、高速で回転しているポリゴンミラー41a、41bによる発熱の影響は非常に大きいので、この周辺の光路B、Cにある長尺レンズユニット50b,50cでは、長尺レンズ51の熱膨張に起因する傾きが大きくなる。よって、少なくとも光路Dの走査線調整装置においては、熱膨張部材70を使用する。また、プリンタを連続稼動させる場合を考慮すれば、光路B、Cの走査線調整装置においても、熱膨張部材70を使用する。
このように、複数ある光路のうち、少なくとも、周辺温度が上昇しやすい光路の走査線調整装置において、熱膨張部材70を使用するようにすることで、長尺レンズ51の熱膨張に起因する、各感光体間における走査線の傾きのずれを低減することができる。
光源から照射された書込光は長尺レンズユニット50を通過した後、複数のミラーによって反射され感光体上に到達する。光路B,Cでは、長尺レンズユニット50b、50cを通過した後、複数回(2回)ミラーによって反射されている。一方、光路A,Dでは、長尺レンズユニット50a、50dを通過した後、奇数回(3回)ミラーによって反射されている。このため、熱膨張部材70の作用により長尺レンズユニット50が同じように傾いたとしても、感光体上の走査線の位置は逆方向に調整される。このことについて、以下で具体的に説明する。
図16(c)は、光路Aの走査線調整装置において、kの値が異なる(0<k<1、k=1、1<k<2)熱膨張部材70を使用した場合について、感光体10Y上における走査線の位置をそれぞれ示した図である。熱膨張部材70を使用しない場合の、感光体10Y上における走査線の位置はP1aである。熱膨張部材70を使用した場合の、感光体10Y上における走査線の位置は、熱膨張部材70のkの値が、0<k<1ではP2a、k=1ではP3a、1<k<2ではP4aである。
また、図16(d)は、光路Bの走査線調整装置において、kの値が異なる(0<k<1、k=1、1<k<2)熱膨張部材70を使用した場合について、感光体10C上における走査線の位置をそれぞれ示した図である。熱膨張部材70を使用しない場合の、感光体10C上における走査線の位置はP1bである。熱膨張部材70を使用した場合の、感光体10Y上における走査線の位置は、熱膨張部材70のkの値が、0<k<1ではP2b、k=1ではP3b、1<k<2ではP4bである。
光路Aでは、所望の位置P3aに対して、熱膨張部材70を使用しない場合の位置P1a、0<k<1の熱膨張部材70を用いた場合の位置P2aは、感光体10Yの回転方向にずれている。また、1<k<2の熱膨張部材70を用いた場合の位置P4aは、感光体10Yの回転方向と逆方向にずれている。
一方、光路Bでは、所望の位置P3bに対して、熱膨張部材70を使用しない場合の位置P1b、0<k<1の熱膨張部材70を用いた場合の位置P2bは、感光体10Cの回転方向と逆方向にずれている。また、1<k<2の熱膨張部材70を用いた場合の位置P4bは、感光体10Cの回転方向にずれている。
つまり、光路Aと光路Bの、いずれにおいても熱膨張部材70を使用しない場合では、感光体上の所望の位置に対して反対側にずれていることになる。また、光路Aと光路Bの、いずれにおいても0<k<1の熱膨張部材70を用いた場合、いずれにおいても1<k<2の熱膨張部材70を用いた場合でも、感光体上の所望の位置に対して反対側にずれていることになる。
以上より、走査線調整手段による走査線の調整動作で移動する感光体上における走査線位置の移動方向が、感光体の回転方向になる光路群と、感光体の回転方向と逆になる光路群との、いずれか一方の光路群で、走査線調整装置に熱膨張部材70を用いるようにしてもよい。
(態様A)
走査された光に対する姿勢が変わることで該光が照射される光照射対象上の走査線の傾きが変化する傾き変動部材と、前記傾き変動部材が回動するときの支点となる支点部を備えた、前記傾き変動部材を支持する支持部材と、前記傾き変動部材に当接する当接部材と、前記傾き変動部材を回動させるために前記当接部材を変位させる変位手段と、前記傾き変動部材が回動する方向に前記傾き変動部材を付勢する付勢手段とを有し、前記変位手段による当接部材の変位量を調整することで、前記傾き変動部材の姿勢を調整する走査線調整装置において、前記傾き変動部材と前記当接部材との間に、前記当接部材よりも線膨張係数の大きい材質によって形成された熱膨張部材を備えた。
当接部材よりも線膨張係数の大きい材質によって形成された熱膨張部材70を、傾き変動部材と当接部材との間に設けることにより、周辺環境の温度が上昇したときに、傾き変動部材と熱膨張部材70との、いずれも熱膨張するので、長尺レンズユニット50の意図しない傾き量を低減することができる。
態様Aの走査線調整装置において、前記当接部材の変位方向における前記熱膨張部材の長さと、前記熱膨張部材の線膨張係数との積の値を、前記当接部材の変位方向における前記傾き変動部材の長さと、前記傾き変動部材の線膨張係数との積の値により除した値をkとすると、kが
0<k<2
を満たす、前記熱膨張部材を用いた。
当接部材の変位方向における、長尺レンズユニット50などの傾き変動部材の、長さをL1、線膨張係数をa1とし、当接部材の変位方向における、熱膨張部材70の、長さをL2、線膨張係数a2とすると、走査線調整装置において、
k=(a2×L2)/(a1×L1)
0<k<2
の関係を満たす熱膨張部材70を使用することによって、長尺レンズユニット50などの傾き変動部材が、周辺環境の温度上昇によって熱膨張したときに、熱膨張部材70が、長尺レンズユニット50の熱膨張分とほぼ等しい分だけ熱膨張するようにできる。
光源と、前記光源から照射された光を光照射対象に照射してこれを走査する走査手段と、前記光源から該光照射対象までの光路上に設けられ、走査線の曲がりや傾きの調整を行う走査線調整手段とからなる走査光学系を備えた光走査装置において、
前記走査光学系は2以上の光路を有し、各光路に対応する前記走査線調整手段のうち少なくとも1以上の前記走査線調整手段として、態様AまたはBの走査線調整装置を用いた。
長尺レンズユニット50などの傾き変動部材が、周辺環境の温度上昇によって熱膨張したときに、長尺レンズユニット50において、アジャスタ58などの当接部材との当接位置に設けられた熱膨張部材70が、長尺レンズユニット50の熱膨張分とほぼ等しい分だけ熱膨張することによって、意図しない長尺レンズユニット50の傾きを防止することができる。これにより、各潜像担持体間の走査線の傾きのずれによる色ずれ量を低減することができる。
態様Cの光走査装置において、走査線調整手段による走査線の調整動作で移動する潜像担持体上における走査線位置の移動方向が、潜像担持体の回転方向になる光路群と、潜像担持体の回転方向と逆になる光路群との、いずれか一方の光路群では、各光路に対応する前記走査線調査手段として、態様AまたはBの走査線調整装置を用いた。
光源から照射された書込光は長尺レンズユニット50を通過した後、複数のミラーによって反射され感光体上に到達する。長尺レンズユニット50を通過した後、複数回ミラーによって反射される光路群と、長尺レンズユニット50を通過した後、奇数回ミラーによって反射される光路群とでは、熱膨張部材70の作用により長尺レンズユニット50が同じように傾いたとしても、感光体上の走査線の位置は逆方向に調整される。つまり、使用する熱膨張部材70の、ある温度変化に対する、前記当接部材の変位方向における前記傾き変動部材の伸びと、前記当接部材の変位方向における前記熱膨張部材の伸びとの比の値kによっては(k≠1の場合で、特にk≒2の場合など)、熱膨張部材70による調整作用によっても各潜像担持体間の走査線の傾きのずれを小さくすることができない場合がある。感光体上の走査線の位置が互いに逆方向に調整される光路群の、いずれか一方の光路群のみに熱膨張部材70を使用することで、使用する熱膨張部材70のkの値をk≒1としなくても、各潜像担持体間の走査線の傾きのずれを小さくすることができる。
態様Cの光走査装置において、各光路に対応する前記走査線調整手段のうち、少なくとも、周辺環境の温度変動が相対的に大きくなる前記走査線調整手段については、態様AまたはBの走査線調整装置を用いた。
周辺環境の温度変動が相対的に大きく光路では、長尺レンズユニット50が熱膨張することによる、意図しない長尺レンズユニット50の傾きが大きくなる。周辺環境の温度変動が相対的に大きくなる光路の走査線調整装置において、熱膨張部材70を使用し、意図しない長尺レンズユニット50の傾きを低減させることで、各潜像担持体間の走査線の傾きのを小さくすることができる。
態様Cの光走査装置において、前記走査線調整手段として、態様Bの走査線調整装置を用い、各光路に対応する前記走査線調整手段の前記熱膨張部材には、前記走査線調整手段の周辺環境の温度分布に応じて、kの値が異なるものをそれぞれ選択した。
熱膨張部材70のkの値が、k=1である熱膨張部材70では、長尺レンズユニット50の傾きが生じないので、長尺レンズ51の熱膨張に起因する、各潜像担持体間の走査線の傾きのずれは全く生じない。このため、kの値は1にできるだけ近づけた熱膨張部材70を使用するのが好ましい。しかし、安定的にk≒1の熱膨張部材70を製作するのは、加工精度や製作コストの点から困難である。周辺環境の温度変動が相対的に大きくなる光路の走査線調整装置においては、k≒1の熱膨張部材70を選択し、その他の光路の走査線調整装置においては、0<k<2の範囲の熱膨張部材70を適宜選択するようにすれば、熱膨張部材70の製作コストを抑えつつ、各潜像担持体間の走査線の傾きのずれを小さくすることができる。
潜像担持体と、画像情報に応じた書込光を該潜像担持体表面に照射して走査することにより該潜像担持体表面に潜像を書き込む光書込手段と、前記光書込手段により前記潜像担持体表面上に形成された潜像を現像して可視像化する現像手段とを備え、
前記潜像担持体表面上の可視像を直接または間接に記録材上に転写させて前記記録材上に画像を形成する画像形成装置において、前記光書込手段として、態様C乃至Fのいずれか一の光走査装置を用いた。
長尺レンズユニット50などの傾き変動部材が、周辺環境の温度上昇によって熱膨張したときに、長尺レンズユニット50において、アジャスタ58などの当接部材との当接位置に設けられた熱膨張部材70が、長尺レンズユニット50の熱膨張分とほぼ等しい分だけ熱膨張することによって、意図しない長尺レンズユニット50の傾きを防止することができる。これにより、各潜像担持体間の走査線の傾きのずれによる色ずれ量を低減することができる。
51 長尺レンズ
52 ブラケット
53 曲がり調整用板バネ
54、55 固定用板バネ
56 駆動モータ
57 駆動モータホルダ
58 アジャスタ
61 第1板バネ
62 第2板バネ
63、64 潤滑面部材
65 曲がり調整用ネジ
66 支持台
70 熱膨張部材
Claims (7)
- 走査された光に対する姿勢が変わることで該光が照射される光照射対象上の走査線の傾きが変化する傾き変動部材と、
前記傾き変動部材が回動するときの支点となる支点部を備えた、前記傾き変動部材を支持する支持部材と、
前記傾き変動部材に当接する当接部材と、
前記傾き変動部材を回動させるために前記当接部材を変位させる変位手段と、
前記傾き変動部材が回動する方向に前記傾き変動部材を付勢する付勢手段とを有し、
前記変位手段による当接部材の変位量を調整することで、前記傾き変動部材の姿勢を調整する走査線調整装置において、
前記傾き変動部材と前記当接部材との間に、前記当接部材よりも線膨張係数の大きい材質によって形成された熱膨張部材を備えたことを特徴とする走査線調整装置。 - 請求項1に記載の走査線調整装置において、
前記当接部材の変位方向における前記熱膨張部材の長さと、前記熱膨張部材の線膨張係数との積の値を、前記当接部材の変位方向における前記傾き変動部材の長さと、前記傾き変動部材の線膨張係数との積の値により除した値をkとすると、kが
0<k<2
を満たす、前記熱膨張部材を用いたことを特徴とする走査線調整装置。 - 光源と、
前記光源から照射された光を光照射対象に照射してこれを走査する走査手段と、
前記光源から該光照射対象までの光路上に設けられ、走査線の曲がりや傾きの調整を行う走査線調整手段とからなる走査光学系を備えた光走査装置において、
前記走査光学系は2以上の光路を有し、各光路に対応する前記走査線調整手段のうち少なくとも1以上の前記走査線調整手段として、請求項1または2に記載の走査線調整装置を用いたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項3に記載の光走査装置において、
走査線調整手段による走査線の調整動作で移動する潜像担持体上における走査線位置の移動方向が、潜像担持体の回転方向になる光路群と、潜像担持体の回転方向と逆になる光路群との、いずれか一方の光路群では、各光路に対応する前記走査線調査手段として、請求項1または2の走査線調整装置を用いたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項3に記載の光走査装置において、
各光路に対応する前記走査線調整手段のうち、少なくとも、周辺環境の温度変動が相対的に大きくなる前記走査線調整手段については、請求項1または2の走査線調整装置を用いたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項3に記載の光走査装置において、
前記走査線調整手段として、請求項2に記載の走査線調整装置を用い、各光路に対応する前記走査線調整手段の前記熱膨張部材には、前記走査線調整手段の周辺環境の温度分布に応じて、kの値が異なるものをそれぞれ選択したことを特徴とする光走査装置。 - 潜像担持体と、
画像情報に応じた書込光を該潜像担持体表面に照射して走査することにより該潜像担持体表面に潜像を書き込む光書込手段と、
前記光書込手段により前記潜像担持体表面上に形成された潜像を現像して可視像化する現像手段とを備え、
前記潜像担持体表面上の可視像を直接または間接に記録材上に転写させて前記記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
前記光書込手段として、請求項3乃至6のいずれか一の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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