JP4887268B2 - 湾曲補正機構、光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
図17は、この光書込装置における反射鏡46と、その周囲構成とを示す拡大構成図である。反射鏡46は、図示しない書込用の光ビームを複数回に渡って折返し反射させることで最終的に図示しない感光体に導く複数の反射鏡の1つである。反射鏡46は、その裏面(非鏡面)側に配設されたホルダー52によって保持されている。
ホルダー52の長手方向の両端部には、それぞれ反射鏡46に向けて突出する支持手段たる支持突起52aが設けられており、支持突起52aが反射鏡46の裏面に当接している。ホルダー52の端部の支持突起52aよりも長手方向の中央側には、第1の強制湾曲手段たる板バネ部材54が取り付けられている。それぞれの板バネ部材54は、反射鏡46を鏡面側から裏面側に向けて押圧している。これにより、反射鏡46は、長手方向の中央部を鏡面側から裏面側に向けて撓ませるような形状で湾曲する。つまり、反射鏡46は、板バネ部材54によって強制制的に湾曲させた状態でホルダー52に保持される。ホルダー52の背面側には、ホルダー52を介して、反射鏡46の長手方向の中央部をホルダー52の強制湾曲方向とは逆方向(図中矢印Bの方向)に押し込む第2の強制湾曲手段たる押込装置64が配設されている。
そこで、板バネ部材の押圧力を低減させることも考えられるが、板バネ部材の押圧力を低減させると、支持突起の寸法公差などにより、板バネ部材の押圧力が必要以上に弱くなってしまう場合があった。板バネ部材の反射鏡への押圧力が必要以上に弱くなってしまうと、板バネ部材によって反射鏡46を十分に強制的に湾曲することができず、図16で実線で示した主走査線Lb、1点鎖線で示した主走査線Lc何れか一方の湾曲が補正できなくなるおそれがあった。
また、請求項2の発明は、請求項1の湾曲補正機構において、前記第2の強制湾曲手段による前記反射鏡の前記鏡面と直交する方向への押込量に応じて、前記支持手段の反射鏡に対する支持位置を、前記押込手段が前記反射鏡を押し込む方向と逆方向に移動させる移動手段を備えるよう前記変更手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の湾曲補正機構において、前記移動手段は、前記支持手段が螺合する回転軸と、前記回転軸を回転させる回転角度を制御することが可能なモータと、前記支持手段の回転方向の動きを規制する規制部材とを有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の湾曲補正機構において、前記支持手段をカム部材とし、前記移動手段は、前記カム部材を回転させる回転角度を制御することが可能なモータを有することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、光ビーム発射手段と、前記光ビーム発射手段から発射された光ビームを主走査方向に偏向せしめる偏向手段と、前記光ビームを反射させる反射鏡と、走査対象物の表面上における主走査線の湾曲を補正する湾曲補正手段とを備え、前記光ビームによって前記走査対象物を光走査する光走査装置において、前記湾曲補正手段として、請求項1乃至4の何れかの湾曲補正機構を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の光走査装置において、前記走査ビームを主走査線方向および副走査線方向に集光する走査レンズを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、光走査によって前記潜像担持体の表面に潜像を形成する光走査手段と、前記潜像担持体に担持された潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置において、前記光走査手段として、請求項5または6の光走査装置を用いたことを特徴とするものである。
また、第1の強制湾曲手段の湾曲力を変更することができるので、第2の強制湾曲手段が、反射鏡を強制湾曲せしめてない初期状態のときは、寸法公差などがあっても、反射鏡を十分に強制的に湾曲することのできる湾曲力を付与することができる。これにより、初期時において、反射鏡を良好に強制的に湾曲することができる。
図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、筐体1と、この筐体1から引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。筐体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像(可視像)を形成するための作像ステーション3Y,3C,3M,3Kを備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
図1及び図2に示すように、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、図中矢印A方向に回転する潜像担持体としてのドラム状の感光体10Y,10C,10M,10Kを備えている。感光体10Y,10C,10M,10Kは、直径40[mm]のアルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、それぞれ、感光体10Y,10C,10M,10Kの周囲に、感光体を帯電する帯電装置11Y,11C,11M,11Kを備えている。また、感光体に形成された潜像を現像する現像手段としての現像装置12Y,12C,12M,12K、感光体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13Y,13C,13M,13Kも感光体の周囲に備えている。
まず、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kにおいて、感光体10Y,10C,10M,10Kが帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様に帯電される。その後、画像情報に基づいて生成された書込光Lによって走査露光されて、感光体10Y,10C,10M,10Kの表面に静電潜像が形成される。これらの静電潜像は、現像装置12Y,12C,12M,12Kの現像ローラ15Y,15C,15M,15K上に担持された各色のトナーによって現像されて、Y,C,M,Kトナー像となる。感光体10Y,10C,10M,10K上のY,C,M,Kトナー像は、各1次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kの作用によって反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト20上に順次重ねて1次転写される。このときの各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト20上の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
図3は、本実施形態に係るプリンタおける光書込ユニット4を、4つの感光体とともに示す概略構成図である。この光書込ユニット4は、正多角柱構造の形状からなる2つのポリゴンミラー41a,41bを備えている。これらポリゴンミラー41a,41bは、その6つの側面に反射鏡を有しており、互いに正多角柱の中心を重ねるようにして上下方向に接続されている。そして、図示しないポリゴンモータによって同一回転軸線上で高速回転する。これにより、その側面にレーザーダイオード(光ビーム発射手段)からの書込光(光ビーム)が入射すると、この書込光が偏向・走査される。なお、ポリゴンミラー41aは、それに対して互いに反対方向から進んでくるC,M用の書込光Lc,Lmを主走査方向に偏向せしめるものである。また、ポリゴンミラー41bは、それに対して互いに反対方向から進んでくるY,K用の書込光Ly,Lkを主走査方向に偏向せしめるものである。
本プリンタの光書込ユニット4は、Y,C,M,K用の反射光学系にそれぞれ、何れか1つの反射鏡の湾曲状態を調整することで主走査線の湾曲方向や湾曲量を調整する曲がり調整手段たる曲がり調整機構を設けている。以下、Y用の反射光学系を例にして、曲がり調整機構について説明する。
曲がり調整パルスモータ56Yの回転軸に螺合せしめられた曲がり調整アジャスタ(図5の58Y)が回転軸の回動に伴って昇降すると、第3反射鏡46Yの長手方向中央部に対する押込量が変化する。
そして、押込手段の曲がり調整アジャスタ58Yが、第3反射鏡46Yの中央部を第1、第2板バネ部材54aY、54bYによる強制的な湾曲の方向とは逆方向に押し込んだとき、付勢力変更手段の付勢力調整アジャスタ68Yによって、押込手段の押込み方向と同方向に第2板バネ部材54bYをスライドさせる。これにより、第2板バネ部材54bYの反射鏡46Yに対する押圧力が低減される。その結果、反射鏡46Yを強制的に湾曲させる湾曲力を弱めることができる。
図11(a)に示すように、Y用、C用の反射光学系では、第3反射鏡46Y,46Cの鏡面が図中で左方向に向いているのに対し、図11(b)に示すように、M,Kの反射光学系では、第3反射鏡46M,46Kの鏡面が図中で右方向に向いている。
Y用、C用の反射光学系では、初期の強制湾曲された状態のときは、第3反射鏡46Y,46Cの中央部は、図中点線の位置にある。このため、Y、Cの第3反射鏡の中央部を反射した書込光は、Y、Cの第3反射鏡の中央部を反射した書込光よりも感光体移動方向上流側に照射される。この結果、初期時における走査線は、中央部が理想の走査線よりも感光体移動方向上流側に湾曲した走査線となり、調整後の走査線が、M型の形状になる。
一方、第3反射鏡の鏡面が図中で右方向に向いているM,Kの反射光学系では、初期時における走査線は、中央部が理想の走査線よりも感光体移動方向上流側に湾曲した走査線となり、調整後の走査線が、W型の形状になる。
装置組立直後の初期状態では、反射鏡が先に示した図7の矢印Rのように湾曲している。このような初期状態においては、図12の点線に示すように主走査線も湾曲した形状になる。この初期状態から、曲がり調整手段の曲がり調整パルスモータ(例えば56Y)を回転させて、曲がり調整アジャスタ(例えば58Y)を反射鏡(例えば46Y)の長手方向の中央部裏面に当接させ、その後のアジャスタ58Yの上昇量を調整することで、図12に示すように、初期状態で生じていた主走査線の湾曲を補正する。また、曲がり調整パルスモータ(例えば56Y)の回転角度に応じて、付勢力調整パルスモータ(例えば65Y)を回転させて、付勢力調整アジャスタ(例えば68Y)を上昇させて、第2板バネ部材(例えば54bY)の反射鏡(例えば46Y)に対する付勢力を変更することで、波高さΔtを小さくし、W字状の走査線における2つの谷の位置で形成されるドットと、M字状の走査線における2つの山の位置に形成されるドットとの間の副走査線方向のずれを抑制する。
次に、曲がり調整手段の変形例について説明する。
図13は、変形例における第3反射鏡46Yとその周囲構成とを、光路と直交する方向から示す平面図である。
図14は、変形例におけるホルダー52Y及び第3反射鏡46Yを長手方向の他端側から示す側面図である。
図13、図14に示すように、変形例においては、反射鏡46Yの長手方向両端にもうけられた反射鏡46Yを支持する支持突起のうちひとつ(図13では、右側)を反射鏡46Yの鏡面に対して直交する方向に移動させることで、第2板バネ部材54bYの反射鏡に対する付勢力(押圧力)を変更するものである。
そして、押込手段の曲がり調整アジャスタ58Yが、第3反射鏡46Yの中央部をホルダー52Yや第1、第2板バネ部材54aY、54bYによる強制的な湾曲の方向とは逆方向に押し込んだとき、移動手段の移動調整パルスモータ164Yを逆回転させて、アジャスタ168Yを押込手段の押込方向と逆方向へ移動させる。これにより、第2板バネ部材54bYの反射鏡46Yに対する押圧力が低減される。その結果、反射鏡46Yを強制的に湾曲させる力が弱まり、押込位置と支持位置との間の反射鏡の強制的な湾曲が抑えられる。これにより、波高さΔtを小さくすることができる。
図15に示すように、支持手段たるカム部材268Yは、移動手段たる回転調整パルスモータ265Yの出力軸265aYに取り付けられている。カム部材268Yの一部は、第3反射鏡46Yの長手方向他端側に当接している。回転調整パルスモータ265Yの回転角度を制御することにより、反射鏡46Yの鏡面と直交する方向におけるカム部材268Yの反射鏡46Yを支持する位置を制御することができる。
そして、押込手段の曲がり調整アジャスタ58Yが、第3反射鏡46Yの中央部をホルダー52Yや第1、第2板バネ部材54aY、54bYによる強制的な湾曲の方向とは逆方向に押し込んだとき、移動手段の回転調整パルスモータ265Yを回転させて、カム部材268Yの反射鏡46Yの支持位置を押込手段の押込方向と逆方向へ移動させる。これにより、第2板バネ部材54bYの反射鏡46Yに対する押圧力が低減される。その結果、反射鏡46Yを強制的に湾曲させる力が弱まり、押込位置と支持位置との間の反射鏡の強制的な湾曲が抑えられる。これにより、波高さΔtを小さくすることができる。
湾曲補正機構は、反射鏡の長手方向の両端部でそれぞれ、反射鏡の裏面に当接して反射鏡を支持する支持手段たる支持突起52aと、支持突起52aの支持位置と反射鏡46の長手方向異なる位置、かつ反射鏡の鏡面を鏡面と直交する方向に力を付与して、反射鏡を強制湾曲させる第1の強制湾曲手段であり押圧部材たる第1、第2板バネ部材54a、54bとを有している。また、反射鏡の長手方向中央部を鏡面と直交する方向に押し込むことで反射鏡の強制湾曲方向とは逆方向へ湾曲させる第2の強制湾曲手段たる押込手段71を有している。このような構成の湾曲補正機構において、板バネ部材の反射鏡を強制湾曲させる湾曲力を、押込手段による押込量に応じて弱めるように変更する変更手段たる付勢力変更手段を設けている。このように構成することで、押込手段で反射鏡を押し込んだとき、反射鏡の支持突起が当接する支持位置と押込手段が当接する押込位置の間の領域における板バネ部材による湾曲が小さくなり、先の図21、21に示した波高さΔtを小さくすることができる。これにより、W字状の走査線における2つの谷の位置で形成されるドットと、M字状の走査線における2つの山の位置に形成されるドットとの間の副走査線方向のずれを抑制することができ、色ずれを抑制することができる。
5:中間転写ユニット
10Y,C,M,K:感光体
12Y,C,M,K:現像装置
20:中間転写ベルト
41a,b:ポリゴンミラー
44Y,C,M,K:第1反射鏡
45Y,C,M,K:第2反射鏡
46Y,C,M,K:第3反射鏡
52Y:ホルダー
54Y:板バネ部材
56Y:曲がり調整パルスモータ
57Y:モータホルダ
58Y:曲がり調整アジャスタ
65Y:付勢力調整パルスモータ
67Y:モータホルダ
68Y:付勢力調整アジャスタ
Claims (7)
- 光ビーム発射手段と、前記光ビーム発射手段から発射された光ビームを主走査方向に偏向せしめる偏向手段と、前記光ビームを反射させる反射鏡とを有し、前記光ビームによって走査対象物を光走査する光走査装置に用いられ、
前記反射鏡の長手方向の両端部でそれぞれ、前記反射鏡の裏面に当接して前記反射鏡を支持する支持手段と、
前記支持手段の支持位置と前記反射鏡の長手方向異なる位置、かつ前記反射鏡の鏡面を、前記鏡面と直交する方向に力を付与することで、前記反射鏡を湾曲させる第1の強制湾曲手段と、
前記反射鏡の長手方向中央部を前記鏡面と直交する方向へ押し込むことで前記第1の強制湾曲手段の湾曲方向とは逆方向へ湾曲させる第2の強制湾曲手段とを具備し、
前記第2の強制湾曲手段による前記反射鏡の前記鏡面と直交する方向への押込量の調整によって前記走査対象物表面上での主走査線の湾曲を補正する湾曲補正機構において、
前記第1の強制湾曲手段による反射鏡を強制湾曲させる湾曲力を、前記第2の強制湾曲手段による反射鏡の押込量に応じて弱めるよう変更する変更手段を設けたことを特徴とする湾曲補正機構。 - 請求項1の湾曲補正機構において、
前記第2の強制湾曲手段による前記反射鏡の前記鏡面と直交する方向への押込量に応じて、前記支持手段の反射鏡に対する支持位置を、前記押込手段が前記反射鏡を押し込む方向と逆方向に移動させる移動手段を備えるよう前記変更手段を構成したことを特徴とする湾曲補正機構。 - 請求項2の湾曲補正機構において、
前記移動手段は、前記支持手段が螺合する回転軸と、前記回転軸を回転させる回転角度を制御することが可能なモータと、前記支持手段の回転方向の動きを規制する規制部材とを有することを特徴とする湾曲補正機構。 - 請求項2の湾曲補正機構において、
前記支持手段をカム部材とし、
前記移動手段は、前記カム部材を回転させる回転角度を制御することが可能なモータを有することを特徴とする湾曲補正機構。 - 光ビーム発射手段と、前記光ビーム発射手段から発射された光ビームを主走査方向に偏向せしめる偏向手段と、前記光ビームを反射させる反射鏡と、走査対象物の表面上における主走査線の湾曲を補正する湾曲補正手段とを備え、前記光ビームによって前記走査対象物を光走査する光走査装置において、
前記湾曲補正手段として、請求項1乃至4の何れかの湾曲補正機構を用いたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項5の光走査装置において、
前記走査ビームを主走査線方向および副走査線方向に集光する走査レンズを備えたことを特徴とする光走査装置。 - 潜像を担持する潜像担持体と、光走査によって前記潜像担持体の表面に潜像を形成する光走査手段と、前記潜像担持体に担持された潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置において、
前記光走査手段として、請求項5または6の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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