JP2010169829A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 レンズ面の弾性変形や内部組成の歪みがなく、走査結像光学系に含まれる樹脂性結像素子の温度変化になど起因する変形による走査ラインの曲がり発生を抑える光走査装置を提供する。
【解決手段】光源からの発散光束を集光する集光光学素子、集光光学素子からの光束を被走査面に向け偏向走査する偏向器、偏向器からの光束を被走査面上に光スポットとして集光させかつ被走査面で等速走査させる複数の光学素子を有してなる光走査装置であって、少なくとも一つの光学素子1は、主走査方向の略中央に固定支点を3有するとともに、主走査方向両端の一方端は自由端12、他方端は傾き調整手段8による受け端となっており、傾き調整手段8は、温度変化による自由端12の変位と合わせて受け端を変位させて走査線の傾きを調整する受け点補正手段を含んでいる。
【選択図】 図1
【解決手段】光源からの発散光束を集光する集光光学素子、集光光学素子からの光束を被走査面に向け偏向走査する偏向器、偏向器からの光束を被走査面上に光スポットとして集光させかつ被走査面で等速走査させる複数の光学素子を有してなる光走査装置であって、少なくとも一つの光学素子1は、主走査方向の略中央に固定支点を3有するとともに、主走査方向両端の一方端は自由端12、他方端は傾き調整手段8による受け端となっており、傾き調整手段8は、温度変化による自由端12の変位と合わせて受け端を変位させて走査線の傾きを調整する受け点補正手段を含んでいる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光走査装置及びこの光走査装置を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置、特に複数色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する多色画像形成装置に関する。
カールソンプロセスを用いた画像形成装置においては、感光体ドラムの回転に従って潜像形成、現像、転写が行われる。複数の感光体ドラムを、転写体の搬送方向に沿って配列し、各色の画像形成ステーションで構成されるトナー像を重ねる多色画像形成装置においては、各感光体ドラムの偏心や径のばらつきにより、潜像形成から転写までの時間や各色の感光体ドラム軸間の平行度にずれが生じ、また、転写体、例えば、転写ベルトや記録紙を搬送する搬送ベルトの速度変動や蛇行等によって、各トナー像の副走査方向のレジストずれやスキューが発生して、色ずれや色変わりとなって現われ、画像品質を劣化させる。
同様に、光走査装置においても、感光体ドラムに形成する静電潜像の書込み位置や各感光体を走査する走査線間の平行度を正確に合わせなければ、レジストずれやスキューが発生し色ずれや色変わりの要因となる。
一般に、光走査装置は、記録画像の画素データに基づいて所定の画素クロックで変調される半導体レーザを有する光源と、光源からの光ビームを放射状に偏向走査するポリゴンミラーと、走査された光ビームを感光体ドラム面上にスポット状に結像するとともに隣接する画素のスポット間隔が均等となるよう配列するfθ特性を有する走査光学系とからなるが、低コスト化と面形状の自由度の高さから走査光学系を構成する走査レンズは樹脂成形によるものが主流となっている。
従来、走査結像光学系に含まれる樹脂性結像素子の温度変化に起因する変形を抑制し、かつ、走査線曲がり等の補正を正確に行う手段として走査線曲がり、傾きを補正する走査線曲がり補正手段、走査線傾き補正手段を有し、剛性が高く熱変形が生じ難い支持部材で結像素子(走査レンズ)を挟持することにより副走査方向での走査レンズの母線の曲がりを強制的に抑え込んだ例がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このように強制的に抑え込む方法では走査レンズに常に圧縮応力がかかっている状態となっているため、レンズ面が弾性変形し、あるいは内部組成に歪みを生じることで、被走査面でのビームスポットに影響を与えかねなかった。
また、前記補正手段では、走査レンズの傾きを光軸の近傍で回転させるため、主走査方向の略中央に固定支点を配置し両端の一方を浮かせた状態で走査レンズの支持部材を保持した場合、走査レンズが長尺となると、この浮かせた端部の振動の影響を受けやすくなってしまいバンディング等の濃度むらの要因となることが懸念された。
本発明は、レンズ面が弾性変形し、あるいは内部組成に歪みを生じることがなく、走査結像光学系に含まれる樹脂性結像素子の温度変化になど起因する走査レンズの変形による走査ラインの曲がり発生を抑える光走査装置の提供を目的とする。
さらに、上記光走査装置を用い、温度変化による走査位置の変化による色ずれなどを抑える構成で色ずれや色変わりのない高品位な画像形成を行う画像形成装置を得ることを目的とする。
さらに、上記光走査装置を用い、温度変化による走査位置の変化による色ずれなどを抑える構成で色ずれや色変わりのない高品位な画像形成を行う画像形成装置を得ることを目的とする。
本発明は、前記課題を達成するため以下の構成とした。
本発明は、請求項1記載の発明のように、光源、光源からの発散光束を集光する集光光学素子、集光光学素子からの光束を被走査面に向け偏向走査する偏向器、偏向器からの光束を被走査面上に光スポットとして集光させかつ被走査面で等速走査させる複数の光学素子を有してなる光走査装置であって、上記少なくとも一つの光学素子は、主走査方向の略中央に固定支点を有するとともに、主走査方向両端の一方端は自由端、他方端は傾き調整手段による受け端となっており、上記傾き調整手段は、温度変化による上記自由端の変位と合わせて上記受け端を変位させて走査線の傾きを調整する受け点補正手段を含んでいることを最も主要な構成としている。
本発明は、請求項1記載の発明のように、光源、光源からの発散光束を集光する集光光学素子、集光光学素子からの光束を被走査面に向け偏向走査する偏向器、偏向器からの光束を被走査面上に光スポットとして集光させかつ被走査面で等速走査させる複数の光学素子を有してなる光走査装置であって、上記少なくとも一つの光学素子は、主走査方向の略中央に固定支点を有するとともに、主走査方向両端の一方端は自由端、他方端は傾き調整手段による受け端となっており、上記傾き調整手段は、温度変化による上記自由端の変位と合わせて上記受け端を変位させて走査線の傾きを調整する受け点補正手段を含んでいることを最も主要な構成としている。
上記受け点補正手段は、走査線の傾きを調整する手段と、上記光走査装置のハウジングとの間に設けられた固定部材で構成し、固定部材の素材は、その熱膨張係数が、光走査装置のハウジング部の素材の熱膨張係数とは異なる素材として、温度変化による発生する走査線の傾きを、自動的に補正可能な構成とするとよい。
上記受け点補正手段は、傾き調整手段により変位駆動される変位部とし、変位部を、光走査装置のハウジング部の熱膨張係数とは、異なった素材よりなるようにして、温度変化による発生する走査線の傾きを、自動的に補正可能な構成とするとよい。
上記受け点補正手段全体の熱膨張係数を、光走査装置のハウジング部の熱膨張係数より大きくすることにより、温度上昇により発生する、温度変化による発生する走査線の傾きを自動的に補正可能な構成とするとよい。
電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置であって、電子写真プロセスの露光プロセスを実行する画像形成装置とするとよい。
複数の感光体に電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置であって、各感光体にそれぞれの色に対応する画像信号を書き込む光走査装置を備え、この光走査装置は、上記のように構成された光走査装置であるカラー対応の画像形成装置とするとよい。
本発明によれば、レンズ面が弾性変形し、あるいは内部組成に歪みを生じさせることがなく、走査結像光学系に含まれる樹脂性結像素子の温度変化になど起因する変形による走査ラインの曲がり発生を抑えることができる光走査装置を提供することができる。
さらに、本発明に係る光走査装置を電子写真プロセスの露光プロセスを実行する装置として用いることにより、温度変化による走査位置の変化による色ずれや色変わりのない高品位な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
さらに、本発明に係る光走査装置を電子写真プロセスの露光プロセスを実行する装置として用いることにより、温度変化による走査位置の変化による色ずれや色変わりのない高品位な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
以下に、この発明に係る光走査装置及び画像形成装置の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(1)光走査装置および画像形成装置の全体構成
図7、図19に基づいて光走査装置900A、900Bを搭載したタンデム方式の多色カラー画像形成装置920の構成の概要を説明する。
カラー画像形成装置920は、中間転写体としての中間転写ベルト105を有しており、その移動方向に沿って像担持体としての感光体ドラム101、102、103、104を備えた各画像形成ステーションが並列に配置されている。
感光体ドラム101を有する画像形成ステーションではイエロー(Y)のトナー画像が、感光体ドラム102を有する画像形成ステーションではマゼンタ(M)のトナー画像が、感光体ドラム103を有する画像形成ステーションではシアン(C)のトナー画像が、感光体ドラム104を有する画像形成ステーションではブラック(Bk)のトナー画像がそれぞれ形成される。
(1)光走査装置および画像形成装置の全体構成
図7、図19に基づいて光走査装置900A、900Bを搭載したタンデム方式の多色カラー画像形成装置920の構成の概要を説明する。
カラー画像形成装置920は、中間転写体としての中間転写ベルト105を有しており、その移動方向に沿って像担持体としての感光体ドラム101、102、103、104を備えた各画像形成ステーションが並列に配置されている。
感光体ドラム101を有する画像形成ステーションではイエロー(Y)のトナー画像が、感光体ドラム102を有する画像形成ステーションではマゼンタ(M)のトナー画像が、感光体ドラム103を有する画像形成ステーションではシアン(C)のトナー画像が、感光体ドラム104を有する画像形成ステーションではブラック(Bk)のトナー画像がそれぞれ形成される。
イエローのトナー画像を形成する画像形成ステーションを代表して説明すると、感光体ドラム101の周囲には、感光体ドラム101の表面を一様に帯電する帯電チャージャ902Y、光走査装置900Aにより形成された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ903Yを備えた現像装置904Y、中間転写ベルト105の内側に設けられ、感光体ドラム101上のトナー画像を中間転写ベルト105に一次転写するための図示しない一次転写ローラ、転写後感光体ドラム101上に残ったトナーを掻き取り備
蓄するクリーニング手段905Yが配置されている。他の画像形成ステーションにおいても同様の構成を有しているので、色別の欧文字M,C,Bkを付して区別し、説明は省略する。なお、以下の説明においては色別の欧文字を付さずに共通構成として説明する。
蓄するクリーニング手段905Yが配置されている。他の画像形成ステーションにおいても同様の構成を有しているので、色別の欧文字M,C,Bkを付して区別し、説明は省略する。なお、以下の説明においては色別の欧文字を付さずに共通構成として説明する。
感光体ドラム101、102、103、104へは、ポリゴンミラー106の偏向反射面1面毎の走査により複数ライン(本実施形態では4ライン)同時に潜像形成が行われる。
中間転写ベルト105は、3つのローラ906a、906b、906c間に掛け回されて支持されており、反時計回り方向に回転される。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像が中間転写ベルト105上にタイミングを合わせて順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
中間転写ベルト105は、3つのローラ906a、906b、906c間に掛け回されて支持されており、反時計回り方向に回転される。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像が中間転写ベルト105上にタイミングを合わせて順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
シート状記録媒体としての記録紙10は、給紙トレイ907から給紙コロ908により最上のものから順に1枚ずつ給紙され、レジストローラ対909により副走査方向の記録開始のタイミングに合わせて転写部位へ送り出される。
中間転写ベルト105上の重ね合わされたカラー画像は、転写部位で2次転写手段としての2次転写ローラ913により記録紙10上に一括転写される。カラー画像を転写された記録紙10は、定着ローラ910aと加圧ローラ910bを有する定着装置910へ送られ、ここでカラー画像が定着される。定着を終えた記録紙10は排紙ローラ対912により画像形成装置本体の上面に形成された排紙トレイ911に排出されてスタックされる。
図7に示すように、本実施の形態では、イエローとマゼンタの画像形成ステーションに対応する光走査装置900Aと、シアンとブラックの画像形成ステーションに対応する光走査装置900Bを設けた構成とし、走査方向を揃えて並置した方式となっている。これら、光走査装置900Aと光走査装置900Bは全く同じ構成である。
4つの感光体ドラム101、102、103、104は中間転写ベルト105の移動方向に沿って等間隔で配列され、順次異なる色のトナー像を転写して重ね合わせることでカラー画像を形成する。
各感光体ドラム101、102、103、104を走査する光走査装置900は、二つの光走査装置900A、900Bからなり、光走査装置900A、900Bはそれぞれ一体的に構成され、回転多面鏡としてのポリゴンミラー106により光ビームを走査する。ポリゴンミラー106の回転方向は同一であるので、各々の書き出し開始位置が一致するように画像を書き込んでいく。ポリゴンミラーの偏向反射面1面毎の走査により複数ライン同時に画像記録が行われる。
本実施形態では、各感光体ドラム101、102、103、104に対して光源としての半導体レーザをそれぞれ一対配備し、副走査方向に記録密度に応じて1ラインピッチ分ずらして走査することにより、2ラインずつ同時に走査するようにしている。
各光走査装置900A、900Bの構成は同一であるので、ここでは、その一方について説明する。各光源ユニット107、108からの光ビーム201、202は、光源ユニット毎に射出位置が副走査方向に異なる部位、本実施形態では光源ユニット107と108との射出位置が所定高さ(ここでは6mm)だけ異なるよう配備し、光源ユニット108からのビームは入射ミラー111により折り返し、直接ポリゴンミラー106へと向かう光源ユニット107からのビームに主走査方向を近接させてポリゴンミラー106に入射される。
シリンダレンズ113、114は、一方を平面、もう一方を副走査方向に共通の曲率を有し、ポリゴンミラー106の偏向点までの光路長が等しくなるように配備してある。各光ビーム201、202は偏向面で主走査方向に線状となるように収束され、後述するトロイダルレンズとの組み合わせで、偏向点と感光体面上とが副走査方向に共役関係となっていることで面倒れ補正光学系をなす。
非平行平板117は、いずれか一面を主または副走査方向にわずかに傾けたガラス基板となし、光軸周りに回転制御することで、基準となる光源ユニット107からの光ビームに対する相対的な走査位置を調整する。
ポリゴンミラー106は6面ミラーで、本実施形態では上下2段に構成され、偏向に用いていない中間部をポリゴンミラー106の内接円より若干小径となるように溝を設けて風損を低減した形状としている。
ポリゴンミラー106の1層の厚さは約2mmである。なお、上下のポリゴンミラー106の位相は同一である。fθレンズ120も2層に一体成形、または接合され、各々、主走査方向にはポリゴンミラー106の回転に伴って感光体面上でビームが等速に移動するようにパワーを持たせた非円弧面形状となし、各ビーム毎に配備される光学素子としてのトロイダルレンズ122、123とにより各ビームを感光体面上にスポット状に結像し、潜像を記録する。
各色ステーション(画像形成ステーション)は、ポリゴンミラー106から被走査面としての感光体面に至る各々の光路長が一致するように、また、等間隔で配列された各感光体ドラム101、102、103、104に対する入射位置、入射角が等しくなるように複数枚、本実施形態では1ステーションあたり3枚ずつの折り返しミラーが配置される。
各色ステーション毎に光路を追って説明すると、基準となる光源ユニット107からのビーム201は、非平行平板117、シリンダレンズ113を介し、ポリゴンミラー106の上段で偏向された後、fθレンズ120の上層を通過し、折り返しミラー126で反射されてトロイダルレンズ122を通過し、折り返しミラー127、128で反射されて感光体ドラム102に導かれ、第2の画像形成ステーションとしてマゼンタ画像を形成する。
光源ユニット108からの光ビーム202は、シリンダレンズ114を介して入射ミラー111で反射され、ポリゴンミラー106の下段で偏向された後、fθレンズ120の下層を通過し、折り返しミラー129で反射されてトロイダルレンズ123を通過し、折り返しミラー130、131で反射されて感光体ドラム101に導かれ、第1の画像形成ステーションとしてイエロー画像を形成する。
もう一方の光走査ユニット900Bも同様な構成で、説明は省くが、基準となる光源ユニット109からのビームは感光体ドラム104に導かれ、第4の画像形成ステーションとしてブラック画像を、また、光源ユニット110からのビームは感光体ドラム103に導かれ、第3の画像形成ステーションとしてシアン画像を形成する。
以上説明したように、カラー画像形成装置920は、複数の像担持体(感光体ドラム101〜104)上に光走査装置(900A、900B)により静電潜像を形成するとともに、該静電潜像を像担持体毎に異なる色トナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー)で現像し、各像担持体上に形成されたトナー像を順次中間転写体(中間転写ベルト105)上に重ねて転写した後、シート状記録媒体(記録紙10)に一括転写することによりカラー画像を得る画像形成装置である。
また、光走査装置900A、900Bはそれぞれ、光源手段(光源ユニット107〜110)と、これらの光源手段からの光ビーム(201、202)を走査する偏向手段(ポリゴンミラー106)と、この偏向手段により走査された光ビームを被走査面(感光体ドラム101〜104)上に結像する結像手段とを有し、該結像手段を構成する少なくとも副走査方向に集束力を有する光学素子(トロイダルレンズ122、123)をその光軸と直交する面内で回動することで、被走査面における走査線の傾きを可変とする構成を有する。
(2)光学素子の支持構成
図8には、トロイダルレンズの支持筐体の構成を示す。
トロイダルレンズ305(前記トロイダルレンズ122、123と同一)は、樹脂製でレンズ部を囲うように副走査方向に間隔をおいてリブ部306a、306bが形成され、これら各リブ部の主走査方向(長手方向)の中央部にはそれぞれ位置決め用の突起307a、307bが設けられ、さらに、該中央部の両側にも位置決め用の突起309a、309bが形成されている。
図8には、トロイダルレンズの支持筐体の構成を示す。
トロイダルレンズ305(前記トロイダルレンズ122、123と同一)は、樹脂製でレンズ部を囲うように副走査方向に間隔をおいてリブ部306a、306bが形成され、これら各リブ部の主走査方向(長手方向)の中央部にはそれぞれ位置決め用の突起307a、307bが設けられ、さらに、該中央部の両側にも位置決め用の突起309a、309bが形成されている。
トロイダルレンズを支持する剛体部材としての支持板301はトロイダルレンズ305よりも剛性が高い材質からなり、板金加工によりコの字状に形成されている。この支持板301の側部に設けた側部立曲げ部には、トロイダルレンズ305のリブ部に形成された突起307b及び突起309bと係合する切欠357、359が形成されている。
これら切欠357、359に、上記突起307b、309bが係合され、かつ、リブ部306bの下面が支持板301の主走査方向両端近傍部で切り起こされた一対の立曲げ部310に突き当てられて位置決めされている。そして、立曲げ部310に対向する部位にて、コの字状をした一対の板ばね303によりトロイダルレンズ305の上面と支持板301の下面とが挟まれている。この態様で板ばねの弾性力で付勢されてトロイダルレンズ305が支持板301に支持されている。ここで、立曲げ部310はトロイダルレンズ305を主走査方向における両端近傍で副走査方向に支持する受け部であり、板ばね303の付勢力によりトロイダルレンズ305の下面が立曲げ部310に確実に当接して保持される。なお、板ばね303はトロイダルレンズ305を支持板301に重ね合わせた状態で外側よりはめ込まれ、下側端部を開口313から内側に出し開口314に挿入して固定されている。
支持板301には、一対の立曲げ部310の内側であって、トロイダルレンズ305の主走査方向での両端側および中間部の3箇所に対応する位置にねじ穴312が形成されていて、これら3つのねじ穴312にそれぞれ調節ねじ308が板ばね302の中央部に形成された穴319を貫通して螺合されている。3つの各板ばね302は図10(b)にも示すように支持板301及びトロイダルレンズ305の外側よりはめ込んで曲げ部318の庇部をトロイダルレンズ305の下側のリブ部306bの内側に引っ掛け、また、曲げ部317の開口を突起307、309に係合させることで、板ばね302によって(1)調節ねじ308の先端に下側のリブ部306bの下面が当接し、(2)突起307b、309bが切欠357、359に当接するように付勢する。
トロイダルレンズ305は長尺で、剛性が低いため、わずかな応力が加わるだけで変形(反り)を生じ易く、また、周囲温度の変化に伴って上下に温度分布があると、熱膨張差によっても変形してしまう。そこで、トロイダルレンズをそれよりも剛性の高い支持板に沿わせることで形状を安定的に保ち、後述する傾け調整の際に局部的に応力が加わってもトロイダルレンズを変形させることがない(母線の直線性を保持する)ようにしている。
また、光学素子(トロイダルレンズ305)よりも剛性が高く、該光学素子を主走査方向における両端近傍を副走査方向に支持する一対の受け部(立曲げ部310)を有する剛
体部材(支持板301)と、該剛体部材に配備され、前記光学素子に、前記一対の受け部の中間位置で副走査方向に当接する可動部材(本例では3つの調節ねじ308)と、前記光学素子に係合され、前記可動部材に前記光学素子が当接するよう前記光学素子を加圧する加圧手段(板ばね302)と、を備え、これらの部材で光学素子を保持する構成とした。上記調節ねじ308により、トロイダルレンズ305に対する当接度合いを調節可能であることから、光学素子が剛性の低い樹脂で形成されていても、光学面を歪ませることなく、また、温度変動があっても焦線の真直度を安定的に保つことができる。このように、走査線の曲がり発生を抑え、色ずれや色変わりのない高品質な画像の形成をすることができる。
体部材(支持板301)と、該剛体部材に配備され、前記光学素子に、前記一対の受け部の中間位置で副走査方向に当接する可動部材(本例では3つの調節ねじ308)と、前記光学素子に係合され、前記可動部材に前記光学素子が当接するよう前記光学素子を加圧する加圧手段(板ばね302)と、を備え、これらの部材で光学素子を保持する構成とした。上記調節ねじ308により、トロイダルレンズ305に対する当接度合いを調節可能であることから、光学素子が剛性の低い樹脂で形成されていても、光学面を歪ませることなく、また、温度変動があっても焦線の真直度を安定的に保つことができる。このように、走査線の曲がり発生を抑え、色ずれや色変わりのない高品質な画像の形成をすることができる。
また、この光走査装置をタンデム式多色カラー画像形成装置に用いた場合には、トナーパターン形成による補正頻度を低減できるので、プリントジョブの生産性低下を回避し、トナーの消費量を抑えることができる。
こうして、トロイダルレンズ305を装着した支持板301は、その側部立曲げ部の両端エッジ322、323を当該光走査装置が収容されるハウジングに設けられた支持手段380、381のそれぞれに形成された円筒面324、325に当接するように押圧手段としての板ばね326により押圧支持している。ここで、円筒面とういうのは、円筒若しくは円柱における曲面からなる周面に沿う凹形の周面の意味である。図10(a)にも示すように、板ばね326はその基端部に形成された取り付け穴326aが光走査装置を収容するハウジングと一体に形成された取り付け用の取り付け軸329に挿通され座面に密着させて適宜の手段で固定されている。
支持板301の長さ方向一端側、本実施の形態では図における左側の端部にはトロイダルレンズ305の光軸方向の位置決めを行うための係合部たる突起328が形成されていて、この突起328は支持手段380に形成された溝327(光軸方向に対向壁からなる)に係合され、もう一方の端部には切欠321が形成されている。
切欠321には可動筒316が装着されている。この装着態様は、可動筒316の外周に形成された溝316aを切欠321の板厚部に係合させて装着されている。この可動筒16には内部に送りねじ部(雌ネジ)が形成されていて、この送りねじ部には光走査装置を収容するハウジングに固定されたステッピングモータ315の回転軸先端に形成されたねじ315a(雄ねじ)が螺合されている。
これにより、ステッピングモータ315の駆動(回転)によって支持板301の一端側が副走査方向(トロイダルレンズ305の高さ方向)に変位することとなり、ステッピングモータ315の正逆回転に追従してトロイダルレンズ305は光軸と直交する面内で円筒面324、325に沿って回動調節でき、トロイダルレンズ305の母線が傾いて、トロイダルレンズの結像位置において走査線が傾けられる。これにより、後述するように、スキュー検出手段によりスキューが検出された際にも補正が容易である。本実施の形態では、基準となる例えば、第4の画像形成ステーションを除く他の画像形成ステーションのトロイダルレンズに回転支点端の方向を揃えて配備される。
トロイダルレンズの装着状態を、光軸方向からみた図10(a)、図10(a)におけるA−A断面を示す図10(b)を参照しつつさらに説明する。
円筒面324、325は各々の中心軸が一致するように形成され、この中心軸を符号Oで示している。この中心軸Oは、トロイダルレンズ305の光軸eからみて少なくとも支持板301とは反対側に配置される。
円筒面324、325は各々の中心軸が一致するように形成され、この中心軸を符号Oで示している。この中心軸Oは、トロイダルレンズ305の光軸eからみて少なくとも支持板301とは反対側に配置される。
この際、中心軸Oと光軸eとが一致するよう配置すれば、トロイダルレンズ305を光軸中心に回転できるので、トロイダルレンズ305を傾けた際の光学性能は最も良好となり、望ましい。
前記したようにトロイダルレンズ305は主走査方向両端部を側部立曲げ部の縁で支持され、中央を含む3点で調節ねじ308をトロイダルレンズ305の光軸eを通る中心軸に対して対称に配備し、調節ねじ308の突出し量が立曲げ部310の高さに足りない場合には、トロイダルレンズの母線360が下側に凸となるよう反る。逆に調節ねじ308の突出し量が立曲げ部310の高さ(突出し量)を超えると上側に凸に反る。従って、これらの調節ねじ308の突き出し量を加減することによってトロイダルレンズの焦線が図示したような単純な2次曲線状によらずともW型、M型に代表される多次曲線状、あるいはsin波状に至るまで複雑な湾曲にも対応できる。
一般に、走査ラインの曲がりは光学系を構成する光学素子の配置誤差や成形収縮時の反り等に起因し、これをキャンセルする方向にトロイダルレンズ305を湾曲させることによって直線性を矯正する、あるいは、各走査ライン間の湾曲の方向と量を揃えることができ、熱変形が発生しにくい板金で形成された支持板に保持することで、温度変動があっても真直度を維持することができる。
本実施の形態では調節ねじ308を主走査方向に沿った3点に配備したが、少なくとも中央部を含む複数箇所に配備することによって同様な補正が可能となる。また、本実施の形態では、調節ねじ308を有する傾き調整手段が、基準となる第4の画像形成ステーションを含めた全てのトロイダルレンズに配備され、製造時にその他の画像形成ステーションの走査線を基準となる走査線の曲がりの方向と量とに揃うように合わせており、この状態を保ったまま、上記した傾き調整が行えるようにしている。
本実施の形態では、光学素子(トロイダルレンズ305)よりも剛性が高く、該光学素子を副走査方向に当接して保持する剛体部材(支持板301)を備え、該剛体部材を光学素子(トロイダルレンズ305)の光軸eと直交する面内で回動可能に配備してなるとともに、前記光学素子の回動中心Oが、前記剛体部材に対し、前記光学素子を保持する面と同じ側となるよう、主走査方向における前記剛体部材の両端部(エッジ322、323)を副走査方向で支持する支持手段(380、381)を具備し、押圧手段(板ばね326)で押圧支持することとした。そのため、剛体部材(支持板301)をその両端部で確実に保持しつつ、該光学素子の光軸(光軸e)を通る1点を中心に回転するように構成することが可能であり、振動等の外乱があっても走査線の位置が変動し難く、濃度むらのない高品位の画像形成が可能である。
本実施の形態では、可動部材(調節ねじ308)を、前記一対の受け部(立曲げ部310)の主走査方向における対称軸(副走査方向でトロイダルレンズ305の光軸eを通る軸)に対して対称な複数箇所に配備したので、主走査方向に沿った光学素子(トロイダルレンズ305)の焦線の形状が複雑であっても、走査線の真直度を良好に補正でき、色ずれや色変わりのない高品位な画像形成を行うことができる。
本実施の形態では、前記剛体部材(支持板301)の主走査方向における少なくとも一端側に、前記光軸e方向の位置決めを行う係合部(突起328そしてこれと係合する溝327の組み合わせ、切欠321とこれに係合する可動筒316の組み合わせ)を備えることで、光軸eに直交する面内で前記剛体部材(支持板301)ひいては光学素子(トロイダルレンズ305)が回転する際に光軸方向にずれることがなく、同一面内で調整することができるので、調整によっても被走査面におけるビームスポットの結像性能を安定的に保つことができ、高品位な画像形成を行うことができる。
本実施の形態では、前記剛体部材(支持板301)を板金により形成してなるので、低コストで、かつ、打ち抜き端面で光学素子を確実に位置決めすることができ、被走査面におけるビームスポットの結像性能を安定的に保つことができ、高い品質の画像を形成することができる。
本実施の形態では、前記支持手段380、381が前記剛体部材(支持板301)の両端部(エッジ322、323)を支持する円筒面324、325を有し、該両端部を、前記光軸eと平行な中心軸Oを有する前記円筒面324、325に押圧する押圧手段(板ばね326)を備えている。したがって、常に同一の回転軸Oを中心に、かつ、光軸eに直交する面内で調整することができるので、調整によっても被走査面におけるビームスポットの結像性能を安定的に保つことができ、高品位な画像形成を行うことができる。
本実施の形態では、前記中心軸Oが前記光軸eと略一致するよう、副走査方向における支持位置を合わせて、前記光学素子(トロイダルレンズ305)を前記剛体部材(支持板301)に保持することで、光軸eを中心に回転調整することができる。もって、調整によっても光学素子(トロイダルレンズ305)に対する軸上での入射位置が変化せず、被走査面におけるビームスポットの結像性能をより良好に保つことができ、高品位な画像形成を行うことができる。
本実施の形態では、前記剛体部材(支持板301)の主走査方向における一端側に係合し、副走査方向に変位可能な係合部材(可動筒316)を備え、この係合部材の変位により前記剛体部材が前記光軸eと直交する面内で回動させられる。よって、上記剛体部材に負荷をかけずに変位させることができ、該剛体部材の反りを抑え光学素子(トロイダルレンズ305)の焦線の真直度を維持することができる。
本実施の形態では、前記係合部材(可動筒316)は送りねじ部を備え、モータ軸あるいはモータ軸に連結した回転軸を前記送りねじ部に螺合して、前記係合部材を副走査方向に変位可能としている。もって、像担持体など感光体ドラムの交換等によって経時的な傾きの変動が生じても補正が可能となり、色ずれや色変わりのない高品位な画像形成を行うことができる。
(3)画像形成装置における補正
図7に示すように、画像記録領域の走査開始側および走査終端側には、光走査装置毎にフォトセンサを実装した基板138、139および140、141が配備され、各画像形成ステーションにおいて走査されたビームを検出する。
図7に示すように、画像記録領域の走査開始側および走査終端側には、光走査装置毎にフォトセンサを実装した基板138、139および140、141が配備され、各画像形成ステーションにおいて走査されたビームを検出する。
本実施の形態では、基板138、140は同期検知センサとなし、この検出信号を基に各書き込み開始のタイミングをはかる。一方、基板139、141は終端検知センサをなし、同期検知センサとの検出信号の時間差を計測することで走査速度の変化を検出し、検出された走査速度の変化に対して各半導体レーザを変調する画素クロックの基準周波数を反比例倍して再設定することで、各画像形成ステーションによって記録された画像の中間転写ベルト105上での全幅倍率を安定的に保持することができる。
また、いずれかのセンサを図9に示すように主走査方向に垂直なフォトダイオード152と非平行なフォトダイオード153とで構成することにより、フォトダイオード152からフォトダイオード153に至る時間差Δtを計測することで、光ビームの副走査位置のずれΔyを検出できる。
副走査位置のずれΔyはフォトダイオード153の傾斜角γ、光ビームの走査速度νを用いて
Δy=(ν/tanγ)・Δt
で表される。本実施の形態では、Δtが常に一定となるように、後述する光軸偏向手段、またはポリゴンミラー同士の回転位相を制御することで、各色画像の副走査レジストがずれないよう照射位置を保持することができる。さらに、該センサを走査開始側と走査終端側のいずれにも配置すれば、各端の副走査位置ずれの差、つまり走査線の傾きが検出できる。
Δy=(ν/tanγ)・Δt
で表される。本実施の形態では、Δtが常に一定となるように、後述する光軸偏向手段、またはポリゴンミラー同士の回転位相を制御することで、各色画像の副走査レジストがずれないよう照射位置を保持することができる。さらに、該センサを走査開始側と走査終端側のいずれにも配置すれば、各端の副走査位置ずれの差、つまり走査線の傾きが検出できる。
図11は、光源ユニットの斜視図である。全ての光源ユニットは同一構成である。
半導体レーザ501、502およびカップリングレンズ503、504は、各色走査手段毎に射出軸に対して主走査方向に対称に配備され、半導体レーザ501、502はパッケージの外周を嵌合して各々ベース部材505、506に裏側より圧入される。
半導体レーザ501、502およびカップリングレンズ503、504は、各色走査手段毎に射出軸に対して主走査方向に対称に配備され、半導体レーザ501、502はパッケージの外周を嵌合して各々ベース部材505、506に裏側より圧入される。
そして、ホルダ部材507の裏面に、各々3点を表側から貫通したねじ515を螺合して当接させて保持し、カップリングレンズ503、504はホルダ部材507に相反する方向に開くよう形成したV溝部508、509に外周を突き当て、板ばね510、511510、511により内側に寄せてねじ516で固定される。
この際、半導体レーザ501、502の発光点がカップリングレンズ503、504の光軸上になるようベース部材505、506の当接面(光軸に直交する面)上での配置を調節して固定している。また、カップリングレンズ503、504からの射出光が平行光束となるようV溝上(光軸上)での位置を調節して固定している。
各々の射出光の光軸は射出軸に対して互いに交差する方向となるよう傾けられ、本実施の形態ではこの交差位置をポリゴンミラー106反射面の近傍となるように支持部材としてのプリント基板512の傾斜を設定している。
駆動回路が形成されたプリント基板512はホルダ部材507に立設した台座にネジ固定により装着し、各半導体レーザ501、502のリード端子をスルーホールに挿入してハンダ付けすることで光源ユニット107乃至110が一体的に構成される。
光源ユニットは、当該光走査装置を収容するハウジングの壁面に高さを異ならしめて形成した係合穴に各ホルダ部材507の円筒部513を挿入して位置決めし、当接面514を突き当てて、ねじ止めされる。
この際、円筒部513を基準として傾け量γを調整することで、ビームスポット間隔を記録密度に応じた走査ラインピッチPに合わせることができる。
この際、円筒部513を基準として傾け量γを調整することで、ビームスポット間隔を記録密度に応じた走査ラインピッチPに合わせることができる。
次に、図12に基づいて書込制御回路の動作について説明する。まず、画素クロック生成部401であるが、カウンタ403では、高周波クロック生成部回路402で生成された高周波クロックVCLKをカウントする。比較回路404ではこのカウント値と、デューティ比に基いてあらかじめ設定される設定値L、および画素クロックの遷移タイミングとして外部から与えられ、位相シフト量を指示する位相データHとを比較し、カウント値が上記設定値Lと一致した際に画素クロックPCLKの立下りを指示する制御信号lを出力する。位相データHと一致した際に画素クロックPCLKの立上がりを指示する制御信号hを出力する。この際、カウンタ403は制御信号hと同時にリセットされ再び0からカウントを行なうことで、連続的なパルス列が形成できる。
こうして、1クロック毎に位相データHを与え、順次パルス周期が可変された画素クロックPCLKを生成する。本実施の形態では、画素クロックPCLKは、高周波クロックVCLKの8分周とし、1/8クロックの分解能で位相が可変できるようにしている。
図13は、1/8クロックだけ位相を遅らせた例を示している。
デューティ50%とすると設定値L=3が与えられ、カウンタ403で4カウントされ画素クロックPCLKを立ち下げる。1/8クロック位相を遅らせるとすると位相データH=6が与えられ、7カウントで立上げる。同時にカウンタがリセットされるので、4カウントで再び立ち下げる。つまり、隣接するパルス周期が1/8クロック分縮められたことになる。
デューティ50%とすると設定値L=3が与えられ、カウンタ403で4カウントされ画素クロックPCLKを立ち下げる。1/8クロック位相を遅らせるとすると位相データH=6が与えられ、7カウントで立上げる。同時にカウンタがリセットされるので、4カウントで再び立ち下げる。つまり、隣接するパルス周期が1/8クロック分縮められたことになる。
こうして生成された画素クロックPCLKは、図6に示す光源駆動部406に与えられ、画素クロックPCLKを基準に、画像処理部405により読み出された画像データを各画素に割り当てて変調データを生成し、半導体レーザ501、502を駆動する。
このように位相をシフトする画素を所定間隔で配置することによって、走査方向に沿った部分的な倍率誤差の歪を補正することができる。かかる電気的な走査線の補正は、画像処理部405によって制御される。ここでは、ベクタ画像をラスタ展開し、展開された画像を主走査方向に分割してシフトさせ、新たなラスタ画像を形成することで補正を行う。
次に、図14に示すように主走査領域をa〜hの複数の区間に分割し、分割区間毎に位相をシフトする画素の間隔とシフト量を以下に示す如く設定し位相データとして与えている。これにより主走査に沿ったビームスポットの位置ずれを折れ線で近似したのと同様に補正される。
いま、主走査位置xに対する倍率の変化をL(x)
とすると、ビームスポット位置ずれの変化M(x)は次の式のように、その積分値で表される。
M(x)=∫L(x)dx
とすると、ビームスポット位置ずれの変化M(x)は次の式のように、その積分値で表される。
M(x)=∫L(x)dx
分割区間の始点と終点でビームスポット位置ずれが0となるように補正することを想定し、任意の分割区間の倍率の変化に伴う分割区間幅のずれをΔm、位相シフトの分解能をσ(一定)、分割区間内の画素数をNとすると、位相をシフトする画素の間隔は、
D≒N/(Δm/σ)
但し、Dは整数
で示され、D画素毎にσずつ位相をシフトすればよい。上記実施例では、σは1/8画素となる。
従って、この場合、分割区間のちょうど中間位置でビームスポット位置ずれ残差が最大となるが、この残差が許容範囲内となるように各分割位置、分割区間の数を決めてやればよい。
D≒N/(Δm/σ)
但し、Dは整数
で示され、D画素毎にσずつ位相をシフトすればよい。上記実施例では、σは1/8画素となる。
従って、この場合、分割区間のちょうど中間位置でビームスポット位置ずれ残差が最大となるが、この残差が許容範囲内となるように各分割位置、分割区間の数を決めてやればよい。
図15は、本実施の形態において、ビームスポット位置ずれ制御を示すブロック図である。各光走査装置内では、基準となる画像形成ステーションに対し他の画像形成ステーションの走査位置を合わせ、光走査装置間では各光走査装置の基準となる画像形成ステーション同士の画像の重なり具合を検出し、一方の光走査ユニットについて書き出しのタイミングや画素クロックの周期を一律に補正するようにしている。
各色画像の重ね合わせ精度は、転写ベルト105上に形成したトナー像の検出パターンを読み取ることで、主走査倍率、副走査レジスト、走査ラインの傾きを基準となるステーションからのずれとして検出し、定期的に補正制御が行なわれている。
補正制御は、例えば、装置の立ち上げ時やジョブ間等のタイミングで行ない、1ジョブのプリント枚数が多くなる場合には、その間の温度変化によるずれを抑えるために、途中で割り込みをかけて補正がかけられる。
中間転写体に転写された画像のスキューを検出する機能を有する検出手段は、図1に示すように、照明用のLED素子154と反射光を受光するフォトセンサ155、および一対の集光レンズ156とからなり、本実施の形態では、画像の中央と左右端の3ヶ所に配備され、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのトナー像を主走査方向に沿わせたパッチと約45°傾けたパッチを所定ピッチで並列させたラインパターン群1410を形成し、中間転写ベルト105の移動に応じて基準色であるブラックとの検出時間差を読み取っていく。
図16は、その一例を示すが、中間転写体105の移動に沿って検出ライン上のトナー像を読み取る。図16の紙面上での上下が主走査方向に相当し、左からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に形成したラインパターンにより、基準色であるブラックとの検出時間差tky、tkm、tkcの理論値との差より各色の副走査レジストを、また、各色毎の45°傾けたラインパターンとの検出時間差tk 、tc、tm、tyの時間差より主走査レジストのずれを求める。
走査線の傾きずれについては、両端の副走査レジスト差より求め前記した本発明にかかる光走査装置において、ステッピングモータ315を駆動するなどによりトロイダルレンズ122、123を傾けて補正する。
このように、転写された画像のスキューを補正するように、トロイダルレンズ122、123を傾けて走査線の傾きを調節することにより、感光体ドラムの交換等によって経時的な傾きの変動が生じても補正が可能となり、色ずれや色変わりのない高い品質の画像を形成することができる。
また、転写された画像のスキューを検出するスキュー検出手段を備え、この検出結果に基づいて走査線の傾きを調節することにより、定期的に走査線の傾きを監視することができ、経時的な傾きの変動が生じても補正が可能となり、色ずれや色変わりのない高い品質の画像を形成することができる。
副走査レジストについては、各検出値の平均より求め、ポリゴンミラー1面おき、つまり1走査線ピッチPを単位として副走査方向における書出しタイミングを合わせる。さらに、昨今のカラー画像への要求品質の高まりに伴い1走査ラインピッチP以下の精度でレジストずれを合わせる必要があるため、各光走査装置毎に基準となる画像形成ステーション、例えば、イエローおよびシアンの照射位置に対し各々マゼンタおよびブラックの照射位置を光軸変更手段を用いて微調整する。
また、光走査ユニット間、言いかえれば、イエローとシアンとのレジストずれについてはポリゴンミラー同士の回転位相を所定値に制御することで、トナー像によって検出された副走査レジストずれのうち、書出しタイミングによって補正できない1走査ラインピッチP以下の余分をも補正できるようにしている。
また、ページ間においても、上記したようにフォトダイオード152、153を用い、画像記録中に蓄積された計測値を基にフィードバック補正することにより、照射位置を安定的に保つことができる。
主走査倍率については、中央と各端の主走査レジスト差より求め、各半導体レーザを変調する画素クロックの基準周波数と同期検知信号からのタイミングを調整することで、画像の全幅と書出し位置を揃える。
ページ間においては、上記したように同期検知信号と終端検知信号との検出時間を基に、倍率変化を常に監視し、温度変化があっても全幅が変化しないように基準周波数を補正するとともに、左右の倍率が均等になるように上記位相データで伸び縮みを調節する。この際、あらかじめ、温度変化に伴って生じる各分割区間毎の倍率変化を予測して重み付けした位相データをデータテーブルに記憶させておけば、中間像高においても倍率の歪みが生じないようにでき、主走査方向の全域に渡って倍率が均一になるようにできる。
このように、トナー像検出による定期的な補正に加え、ジョブ中の変動を監視し、ページ間でも補正をかけることで、ジョブ中においてもわざわざプリント動作を中断することなく各色画像の重ね合わせ精度が保たれるようにしている。
図17は光軸変更手段である非平行平板の支持部の構造を示す。
非平行平板621(図1に示した非平行平板117と同じ)は、円筒状のホルダ部材622の中央枠内に固定され、軸受部623を形成した支持部材624に、ホルダ部材622に形成した一対の鍔部626を切欠に合わせて挿入し、水平に戻すことで鍔部626が裏側に引っ掛かり、支持部材624に密着した状態で嵌合部625を基準に回転可能に保持される。支持部材624は、底面を基準にハウジングにねじ止めされ、軸受部623の回転中心が光源ユニットの射出軸と中心が合うように高さH5が各々設定されており、回転によってビームの射出軸をわずかに傾けることができる。
非平行平板621(図1に示した非平行平板117と同じ)は、円筒状のホルダ部材622の中央枠内に固定され、軸受部623を形成した支持部材624に、ホルダ部材622に形成した一対の鍔部626を切欠に合わせて挿入し、水平に戻すことで鍔部626が裏側に引っ掛かり、支持部材624に密着した状態で嵌合部625を基準に回転可能に保持される。支持部材624は、底面を基準にハウジングにねじ止めされ、軸受部623の回転中心が光源ユニットの射出軸と中心が合うように高さH5が各々設定されており、回転によってビームの射出軸をわずかに傾けることができる。
ホルダ部材の一端にはレバー部627が形成され、支持部材624に形成した貫通穴630に係合され固定されているステッピングモータ628の軸先端に形成した送りネジを螺合している。ステッピングモータ628の回転により上記レバー部627が上下動し、この上下動に伴って非平行平板621を回動可能としている。
なお、この際のバックラッシュをとるため、ホルダ部材622のピン631と支持部材624のピン632との間にスプリング629により引張力をかけ、一方向に片寄せする構成としている。
いま、この回転角をθ、非平行平板の頂角をε、カップリングレンズの焦点距離をfc、光学系全系の副走査倍率をζとすると、感光体面での副走査位置の変化は、
Δy=ζ・fc・(n−1)ε・sinθ
nは非平行平板の屈折率
で与えられ、微小回転角の範囲では回転角にほぼ比例して可変できる。
本実施の形態では、非平行平板の頂角εは、約2°である。このような非平行平板以外にも、従来例で開示される液晶偏向素子やガルバノミラーを光軸変更手段として用いても同様である。
Δy=ζ・fc・(n−1)ε・sinθ
nは非平行平板の屈折率
で与えられ、微小回転角の範囲では回転角にほぼ比例して可変できる。
本実施の形態では、非平行平板の頂角εは、約2°である。このような非平行平板以外にも、従来例で開示される液晶偏向素子やガルバノミラーを光軸変更手段として用いても同様である。
図7に示したように、第1および第4の画像形成ステーションに配備され、第1、第2の画像形成ステーションで形成されるイエロー、マゼンタ画像の副走査レジスト、第3、第4のステーションで形成されるシアン、ブラック画像の副走査レジストを各々フィードバック制御により揃う状態を保持する。従って、光走査装置間の書き出しタイミングさえ揃えてやれば、4色のレジストが合せられる。
図18は、ポリゴンミラー106の位相を制御する回路のブロック図である。
本実施の形態では、2つの画像形成ステーションに対応して2つのユニットに分け、各々別々のポリゴンスキャナーで走査するため、ポリゴンミラー同士の面位相を合わせないとユニット間で副走査レジストずれが発生する。
本実施の形態では、2つの画像形成ステーションに対応して2つのユニットに分け、各々別々のポリゴンスキャナーで走査するため、ポリゴンミラー同士の面位相を合わせないとユニット間で副走査レジストずれが発生する。
各ポリゴンミラー106はそれぞれロータ703に装着され、回路基板704に回転自在に支持される。一般に、ロータマグネットは円周方向に等分するようにS極とN極が配列され、また、回路基板704上には、回転位置検出手段としてのホール素子705が設けられており、ポリゴンモータの回転につれ各極の境目がホール素子上を通過する毎に、一定周期の回転位置検出信号が発生される。
ポリゴンミラー106は、回転数に応じて一定の周波数のパルス信号f0が外部から入力され回転するが、このパルス信号と上記した回転位置検出信号とをPLL回路に入力することで、回転位置検出信号が一定周期となるように位相を制御した駆動周波数fdを生成してポリゴンミラー106を等速で回転する。
各ポリゴンミラー106には同一周波数のパルス信号f0が入力され回転数は等しい。一方、ポリゴンミラーにより偏向された光ビームは、各走査の開始端が同期検知センサ138、140で検出され、各面毎に同期検知信号が発生される。
各面の分割角度は一定であるので、こちらも一定周期のパルス信号となる。従って、ポリゴンミラー106の面数と1回転に対応した回転位置検出信号とのパルス数が等しくなるように極数を設定すれば、周波数が等しくなるので位相制御が容易になる。
通常、ホール素子705配置とポリゴンミラー106の各面とは周方向に角度を合わせて取り付けているわけではないので、ホール素子705からの回転位置検出信号と同期検知信号とは各々位相が異なる。
本実施の形態では、各々の光走査装置900A、900Bでのポリゴンミラー106において、光ビームが同期検知センサ138、140を通過する際のポリゴンミラーの回転角が合うように、同一像高に同期検知センサ138、140を配置してある。
また、いずれか一方、ここでは図中上側に記載したポリゴンミラー106を基準としたもう一方の同期検知信号の位相差を加算器に入力することで、PLL回路から出力された駆動周波数fdの位相を制御し、同期検知信号同士の検知タイミング所定値となるようにポリゴンミラー106の回転位相tを制御している。
本実施の形態では、この際の回転位相tを以下のように設定している。
上記転写ベルトの移動速度をν(mm/s)、転写ベルト上で検出されたレジストずれをd(mm)、ポリゴンミラーの走査周波数をf(Hz)とすると、
回転位相tは、
t=d/ν−k/f
ここで、kはtを最小とする整数
で表わされる。常に、この条件を満たすように制御することにより、各光走査ユニット間のレジストずれdは、1ライン以下まで良好に補正できる。
なお、走査周波数fは、記録密度DPIを用いて表すと、
f=ν・DPI/25.4
であり、ポリゴンミラーの回転数Rは、面数nを用いて、
R=60×f/n
となる。
上記転写ベルトの移動速度をν(mm/s)、転写ベルト上で検出されたレジストずれをd(mm)、ポリゴンミラーの走査周波数をf(Hz)とすると、
回転位相tは、
t=d/ν−k/f
ここで、kはtを最小とする整数
で表わされる。常に、この条件を満たすように制御することにより、各光走査ユニット間のレジストずれdは、1ライン以下まで良好に補正できる。
なお、走査周波数fは、記録密度DPIを用いて表すと、
f=ν・DPI/25.4
であり、ポリゴンミラーの回転数Rは、面数nを用いて、
R=60×f/n
となる。
なお、従来例で開示されている4ステーションの光走査手段を単一のポリゴンスキャナーで走査する方式や、光走査手段を各ステーションに対応して4つ配備する方式であっても同様である。
(4)走査光学素子保持機構
次に、本願発明の特徴的な構成部分である走査光学素子保持機構の具体例について説明する。図1において、符号1は走査光学素子を示しており、この光学素子1は、図8などに示す光学素子305に対応するものである。光学素子1は、加圧手段2と、ハウジング4に設けられた支点3と、変位手段9によって3点で支持されている。上記変位手段9は傾き調整手段8で支持され、傾き調整手段8は、固定部材10で支持されている。符号4は光走査装置のハウジングを示しており、ハウジング4は、主走査方向の略中央に、ハウジング4の底面から突出して上記光学素子1を支持する支点3を有している。光学素子1には、その上面に沿って板状の保持部材5が添えられ、光学素子1の長さ方向の3か所に湾曲調整手段6が配置されている。各湾曲調整手段6は板ばね7を有していて、各板ばね7の弾力で光学素子1と保持部材5が密着する向きに付勢されるとともに、各湾曲調整手段6を調整することによって、各湾曲調整手段6の位置における保持部材5と光学素子1との間隔を調整することができるようになっている。光学素子1と実質一体の保持部材5は、光学素子4の主走査方向両端部の一方端が自由端12となっており、他方端部は、上記調整手段8が有している変位手段9の受け点11となっている。
次に、本願発明の特徴的な構成部分である走査光学素子保持機構の具体例について説明する。図1において、符号1は走査光学素子を示しており、この光学素子1は、図8などに示す光学素子305に対応するものである。光学素子1は、加圧手段2と、ハウジング4に設けられた支点3と、変位手段9によって3点で支持されている。上記変位手段9は傾き調整手段8で支持され、傾き調整手段8は、固定部材10で支持されている。符号4は光走査装置のハウジングを示しており、ハウジング4は、主走査方向の略中央に、ハウジング4の底面から突出して上記光学素子1を支持する支点3を有している。光学素子1には、その上面に沿って板状の保持部材5が添えられ、光学素子1の長さ方向の3か所に湾曲調整手段6が配置されている。各湾曲調整手段6は板ばね7を有していて、各板ばね7の弾力で光学素子1と保持部材5が密着する向きに付勢されるとともに、各湾曲調整手段6を調整することによって、各湾曲調整手段6の位置における保持部材5と光学素子1との間隔を調整することができるようになっている。光学素子1と実質一体の保持部材5は、光学素子4の主走査方向両端部の一方端が自由端12となっており、他方端部は、上記調整手段8が有している変位手段9の受け点11となっている。
光学素子1の長手方向すなわち主走査方向中央部は、ハウジング4に設けられた支点3で受けられており、自由端12側は、ハウジング4に取り付けられた板ばね7で下向きに加圧されている。受け点11となっている他方の端部は、走査線の傾き調整手段8の変位部9で下側から受けられ、上側からはハウジング4に取り付けられた板ばね7で下向きに加圧されている。上記変位部9は、例えばリードねじとナットの螺合による直進機構で構成し、傾き調整手段8は例えばステッピングモータで構成することができる。したがって、傾き調整手段8が駆動されると、変位部9が上下方向に変位し、光学素子1は支点3を中心に傾きが変わり、光学素子1を透過して被走査面を走査する走査線の位置も変化する。したがって、傾き調整手段8は走査線の傾き調整手段でもある。傾き調整手段8とハウジング4の間には、ハウジング4の材質とは熱膨張係数の異なる材質からなる固定部材10が設置されている。
ここで、温度が変化したとすると、図2(a)のように、光学素子1の形状が変化し、前記3か所の支持点の高さ位置が変動して光学素子1が傾こうとする。しかし、固定部材10が、図2(b)におけるT2の幅だけ熱膨張することにより、温度変化による上記自由端12の変位量に合わせて副走査方向に上記受け点11を変位させることができれば、光学素子1の傾きをキャンセルさせて、被走査面における走査線の傾きの変化を防止することができる。このように、温度変動による光学素子1の傾きをキャンセルさせためには、固定部材10の材質を選択して適宜の温度係数のものにすればよい。例えば、L=2.5μm/℃の補正量が必要である場合において、固定部材10の素材をポリカーボネイト、ハウジング4の素材をアルミニウムとして考察する。ポリカーボネイトの熱膨張係数はα1=73×10−6、アルミハウジングの熱膨張係数がα2=23×10−6である。ポリカーボネイトの厚みをT(mm)とすると、T=L/(α1−α2)であるから、T=50mmの厚みのポリカーボネイトを固定部材10の素材として用いれば、走査線の傾きを適切に補正することができる。よって、固定部材10は、温度変化による光学素子1の自由端の変位と合わせて受け端を変位させて走査線の傾きを調整する受け点補正手段を構成している。
なお、固定部材10の熱膨張係数を正確に計算して走査線の傾きの変化を補正しなくても、ハウジング4とは熱膨張係数の異なる材質からなる固定部材10を用いることで、温度変化による走査線の傾き発生量を低減することができる。そして、補正することができない傾きの残差は、傾き調整手段9を駆動することで除去することもできる。
図3は、本発明の光走査装置に適用することができる走査光学素子保持機構の他の実施態様を示す正面図である。この実施態様が図1に示す実施態様と異なる点は、図1に示す実施態様における固定部材10がない点である。
図3において、光学素子1の主走査方向中央部は、図1の実施態様と同様にハウジング4に設けられた支点3で受けられており、自由端12側は、ばねで下向きに加圧され、他端部の受け点11は、走査線の傾き調整手段8の変位部9で受け、ばねで下向きに加圧されている。傾き調整手段8が駆動されると、変位部9が変位し光学素子1は支点3を中心にして傾きが変わり、被走査面における走査線の位置も変化する。変位部9は、ハウジング4とは熱膨張係数の異なる材質からなっている。
図3において、光学素子1の主走査方向中央部は、図1の実施態様と同様にハウジング4に設けられた支点3で受けられており、自由端12側は、ばねで下向きに加圧され、他端部の受け点11は、走査線の傾き調整手段8の変位部9で受け、ばねで下向きに加圧されている。傾き調整手段8が駆動されると、変位部9が変位し光学素子1は支点3を中心にして傾きが変わり、被走査面における走査線の位置も変化する。変位部9は、ハウジング4とは熱膨張係数の異なる材質からなっている。
ここで温度変化が発生すると、図4に示すように、光学素子1の形状が変化し、支持位置が変化して姿勢が傾こうとする。しかし、変位部9が、図4(b)に示すように幅T2だけ熱膨張することにより、温度変化による上記自由端12の変位と合わせて上記受け点11が副走査方向に変位し、光学素子1の傾きが修正されて被走査面における走査線の傾きを防止する。変位部9の材質としては、走査線の傾きの変化を防止できる限り、適宜のものを使用することができる。前記実施の形態と同様に、例えば、L=2.5μm/℃の補正量が必要である場合において、変位部9の素材をポリカーボネイト、ハウジング4の素材をアルミニウムとしたとする。ポリカーボネイトの熱膨張係数はα1=73×10−6、アルミハウジングの熱膨張係数がα2=23×10−6である。ポリカーボネイトの厚みをT(mm)とすると、T=L/(α1−α2)であるから、T=50mmの厚みのポリカーボネイトを変位部9の素材として用いれば、走査線の傾きを適切に補正することができる。したがって、この実施例では、変位部9が温度変化による光学素子1の自由端の変位と合わせて受け端を変位させて走査線の傾きを調整する受け点補正手段を構成している。
また、変位部9の熱膨張係数を正確に計算して走査線の傾きの変化を補正しなくても、ハウジング4とは熱膨張係数の異なる材質からなる変位部9を用いることで、温度変化による走査線の傾き発生量を低減することができる。そして、補正することができない傾きの残差は、傾き調整手段9を駆動することで除去することもできる。
また、変位部9の熱膨張係数を正確に計算して走査線の傾きの変化を補正しなくても、ハウジング4とは熱膨張係数の異なる材質からなる変位部9を用いることで、温度変化による走査線の傾き発生量を低減することができる。そして、補正することができない傾きの残差は、傾き調整手段9を駆動することで除去することもできる。
図5は、横軸を走査位置、縦軸を像高として、温度変化による走査位置の変化の実測値を表したグラフである。
図5において、四角のマークでプロットしたグラフは、光学素子1の温度が25℃のときに走査線の曲がりと傾きが最小になるように、走査装置を調整した場合の、走査位置と像高の関係を示している。光学素子1の温度が50℃に上昇すると、三角のマークでプロットされたグラフのように、下凸の反りによる曲がりと傾きが発生し、走査位置と像高の関係が変化する。実際の光学素子1のモデルでは、光学素子1が、図6(a)に示すような正常な状態から、図6(b)に示すように、温度変化により自由端12側が膨張などにより持ち上がった形に傾いてしまい、被走査面における走査線が傾く。
図5において、四角のマークでプロットしたグラフは、光学素子1の温度が25℃のときに走査線の曲がりと傾きが最小になるように、走査装置を調整した場合の、走査位置と像高の関係を示している。光学素子1の温度が50℃に上昇すると、三角のマークでプロットされたグラフのように、下凸の反りによる曲がりと傾きが発生し、走査位置と像高の関係が変化する。実際の光学素子1のモデルでは、光学素子1が、図6(a)に示すような正常な状態から、図6(b)に示すように、温度変化により自由端12側が膨張などにより持ち上がった形に傾いてしまい、被走査面における走査線が傾く。
また、光学素子1の温度が10℃に低下すると、図5(a)の菱形でプロットしたグラフのように、上凸の反りによる曲がりと傾きが発生し、走査位置と像高の関係が変化する。これは、保持部材5と光学素子1の熱膨張係数の差により発生する現象である。すなわち、金属で形成される保持部材5の熱膨張係数より、樹脂で形成される光学素子1の熱膨張係数が大きいため、温度が低下すると、光学素子1の材質の収縮が大きくなり、保持部材5のある上方に向かって上凸の反りが発生する。
前述のように、温度が50℃の状態では、光学素子1は、図6(b)のように下凸の反りによる曲がりと傾きが生じ、走査線が傾く。このため、前記受け点補正手段の熱膨張係数を、光走査装置のハウジング4の熱膨張係数より大きくすると、図2(b)、図4(b)、図6(c)のように走査線の傾きが補正される。このように、温度変化により、自由端12側が変位する方向と同方向に受け点11が変位する受け点補正手段を設けると、温度変化があっても自動的に図5(b)のグラフのように、走査線の傾きが補正された状態になり、傾きが抑制される。
以上説明した光走査装置を、露光プロセスを実行するためのユニットとして採用した画像形成装置では、副走査方向の走査位置を合わせるため、センサを用いて、周辺像高での書込み位置を一致させる(例えば、特開2006−215397号参照)。こうして、走査位置と像高の関係は、最終的に図5(c)のグラフのようになる。
以上は、本発明に係る光走査装置および画像形成装置を図示の実施例に基づいて説明したものであり、その具体的な構成はこれに限定されるものではない。例えば、図6のように、前記受け点補正手段が無い構成で、温度変化による傾き調整を傾き調整手段8のみによって行うようにしてもよい。具体的には、図6(a)のような正常な状態から、光学素子1の温度が変化すると、光学素子1及び保持部材5に反りが発生し、自由端12側が変位して光学素子1に傾きが発生する。ここで傾き調整手段8を駆動すると、光学素子1の傾きが補正される。各構成に関しては、受け点補正手段が無いことを除いて図1と同様であり省略する。
図6の模式図で示した実施例の場合、温度変化による傾き発生を常にモニターし、フィードバック制御しなければならないのに対し、図1乃至図4で示した実施例のように、変位部9または固定部材10からなる受け点補正手段の熱膨張率の差を利用すると、傾き補正が自動で行われるため、制御機構が不要となるだけでなく、信頼性も向上するため好ましい。
1 光学素子
2 加圧手段
3 支点
4 ハウジング
5 保持部材
6 湾曲調整手段
7 板ばね
8 傾き調整手段
9 変位部(受け点補正手段)
10 固定部材(受け点補正手段)
11 受け点
12 自由端
2 加圧手段
3 支点
4 ハウジング
5 保持部材
6 湾曲調整手段
7 板ばね
8 傾き調整手段
9 変位部(受け点補正手段)
10 固定部材(受け点補正手段)
11 受け点
12 自由端
Claims (6)
- 光源、光源からの発散光束を集光する集光光学素子、集光光学素子からの光束を被走査面に向け偏向走査する偏向器、偏向器からの光束を被走査面上に光スポットとして集光させかつ被走査面で等速走査させる複数の光学素子を有してなる光走査装置であって、
上記少なくとも一つの光学素子は、主走査方向の略中央に固定支点を有するとともに、主走査方向両端の一方端は自由端、他方端は傾き調整手段による受け端となっており、
上記傾き調整手段は、温度変化による上記自由端の変位と合わせて上記受け端を変位させ、走査線の傾きを調整する受け点補正手段を含んでいることを特徴とする光走査装置。 - 受け点補正手段は、走査線の傾きを調整する手段と、上記光走査装置のハウジングとの間に設けられた固定部材で構成され、固定部材の素材の熱膨張係数は、光走査装置のハウジング部の素材の熱膨張係数とは異なる請求項1に記載の光走査装置。
- 受け点補正手段は、傾き調整手段により変位駆動される変位部を有し、
変位部の素材の熱膨張係数は、光走査装置のハウジング部の素材の熱膨張係数とは異なる請求項1または2のいずれかに記載の光走査装置。 - 受け点補正手段全体の熱膨張係数は、光走査装置のハウジング部の熱膨張係数より大きい請求項2または3のいずれかに記載の光走査装置。
- 電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置であって、電子写真プロセスの露光プロセスを実行する装置として請求項1〜4のいずれかに記載の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
- 複数の感光体を備え、各感光体に電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置であって、各感光体にそれぞれの色に対応する画像信号が書き込む光走査装置を備え、この光走査装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の光走査装置であるカラー対応の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009011226A JP2010169829A (ja) | 2009-01-21 | 2009-01-21 | 光走査装置及び画像形成装置 |
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ID=42702065
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012068498A (ja) * | 2010-09-24 | 2012-04-05 | Ricoh Co Ltd | 光走査装置及び画像形成装置 |
JP2013083820A (ja) * | 2011-10-11 | 2013-05-09 | Ricoh Co Ltd | アクチュエータ、光走査装置及び画像形成装置 |
JP2014106342A (ja) * | 2012-11-27 | 2014-06-09 | Ricoh Co Ltd | 光走査装置及び画像形成装置 |
JP2015219314A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-07 | 株式会社リコー | 走査線調整装置、光走査装置および画像形成装置 |
-
2009
- 2009-01-21 JP JP2009011226A patent/JP2010169829A/ja active Pending
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