JP2015203512A - 一体型空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物とデザイン的に調和する空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機10は、外気取り込み口12eと、外気と熱交換する外気用熱交換器18と、外気排出口12fと、鉛直方向の回転中心線C1中心に回転して外気A1を流すためのクロスフローファン20と、室内空気吸い込み口12gと、室内空気と熱交換する室内空気用熱交換器22と、室内空気吹き出し口12hと、室内空気A2を流すための室内空気用ファン24と、壁Wの吸い込み穴42aと室内空気吸い込み口12gとを連絡する吸い込み用内部流路40aおよび壁Wの吹き出し穴42bと室内空気吹き出し口12hとを連絡する吹き出し用内部流路40bを備える連結部40とを有する。筐体12と壁Wとをその対向方向に見たときにおける該筐体12の背後側に、外気取り込み口12e、外気排出口12f、室内空気吸い込み口12g、および室内空気吹き出し口12hが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、外気と熱交換する外気用熱交換器および室内空気と熱交換する室内空気用熱交換器が一つの筐体に収容されている一体型空気調和機に関する。
従来より、外気と熱交換する外気用熱交換器と室内空気と熱交換する室内空気用熱交換器とが一つの筐体に収容されている一体型空気調和機が存在する(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載された空気調和機のように、一体型空調和機は、室外に配置される筐体を有する。その筐体内に、外気と熱交換する外気用熱交換器と、外気用熱交換器に冷媒管を介して接続され、室内空気と熱交換する室内空気用熱交換器とが収容されている。また、筐体内には、外気用熱交換器を通過する外気の流れを発生させる外気用ファンと、室内空気用交換器を通過する室内空気の流れを発生させる室内空気用ファンとが収容されている。
また、このような一体型空気調和機は、室外と室内とを隔てる住居などの建物の壁に形成された貫通穴状の吸い込み穴および吹き出し穴の近傍に、すなわち壁の外側面に接近した状態で設置される。それにより、一体型空気調和機は、吸込み穴に接続された吸い込みダクトを介して室内空気を吸い込み、室内用熱交換器と熱交換された後の室内空気を吹き出し穴に接続された吹き出しダクトを介して室内に吹き出す。
実公平07−18906号公報
ところで、一体型空気調和機の前側に、外気用ファンを介して筐体内に外気を取り込むための外気取り込み口や外気用熱交換器と熱交換した後の外気を排出するための外気排出口が形成されている場合、その外気取り込み口や外気排出口とにより、一体型空気調和機と住居などの建物の壁とがデザイン的に調和せず、建物のデザイン性が損なわれる可能性がある。
特に、外気用ファンとしてプロペラファンが使用され、そのために筐体内に外気を取り込むための外気取り込み口が円形状に筐体の前側に形成されている場合、その円形状の外気取り込み口により、建物のデザイン性が損なわれる可能性がある。
また、一体型空気調和機と壁の吸い込み穴および吹き出し穴それぞれとを連結する2本のダクトにより、建物のデザイン性が損なわれる可能性がある。
そこで、本発明は、一体型空気調和機によって建物のデザイン性が損なわれることを抑制することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、
室内と室外とを連絡する吸い込み穴および吹き出し穴を備える壁に対して間隔をあけて接近した状態で配置される一体型空気調和機であって、
筐体と、
筐体に形成され、外気を取り込む外気取り込み口と、
筐体内に収容され、外気と熱交換する外気用熱交換器と、
筐体に形成され、外気用熱交換器と熱交換した後の外気を排出する外気排出口と、
外気取り込み口、外気用熱交換器、外気排出口の順に外気が流れる流れを発生させる、鉛直方向に延在する回転中心線を中心として回転するクロスフローファンと、
筐体に形成され、壁の吸い込み穴を介して室内空気を吸い込む室内空気吸い込み口と、
筐体内に収容され、外気用熱交換器と冷媒管を介して接続され、室内空気と熱交換する室内空気用熱交換器と、
筐体に形成され、室内空気用熱交換器と熱交換した後の室内空気を壁の吹き出し穴を介して室内に吹き出す室内空気吹き出し口と、
室内空気吸い込み口、室内空気用熱交換器、室内空気吹き出し口の順に室内空気が流れる流れを発生させる室内空気用ファンと、
壁の吸い込み穴と筐体の室内空気吸い込み口とを連絡する吸い込み用内部流路および壁の吹き出し穴と筐体の室内空気吹き出し口とを連絡する吹き出し用内部流路を備える連結部と、を有し、
筐体と壁とが対向する方向に該筐体と壁とを見たときにおける該筐体の背後側に、外気取り込み口、外気排出口、室内空気吸い込み口、および室内空気吹き出し口が形成されている、一体型空気調和機が提供される。
本発明によれば、一体型空気調和機によって建物のデザイン性が損なわれることを抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る一体型空気調和機の概略的な斜視図 一体型空気調和機を前側から見た図であって、一体型空気調和機の内部の構成を概略的に示す断面図 一体型空気調和機を横側から見た図であって、一体型空気調和機の内部の構成を概略的に示す断面図 図3に示すG−G線に沿った断面図 連結部の断面図 連結部のアスペクト比と圧力損失との関係を示すグラフ 連結部のアスペクト比と断熱材の容積との関係を示すグラフ 連結部のアスペクト比と該連結部の体積との関係を示すグラフ 流路構造体の斜視図 一体型空気調和機の換気部の構成を概略的に示す断面図 一体型空気調和機の筐体が分割された状態を示す部分断面図 一体型空気調和機の筐体が分割された状態を示す部分斜視図 本発明の実施の形態2に係る一体型空気調和機を前側から見た図であって、一体型空気調和機の内部の構成を概略的に示す断面図 本発明の実施の形態2に係る一体型空気調和機を横側から見た図であって、一体型空気調和機の内部の構成を概略的に示す断面図 本発明の実施の形態3に係る一体型空気調和機の外気熱交換部の水平面に沿った断面図 本発明の実施の形態4に係る一体型空気調和機の外気熱交換部の水平面に沿った断面図 本発明の実施の形態2に係る一体型空気調和機の変形例の一部を示す断面図
本発明の一態様は、室内と室外とを連絡する吸い込み穴および吹き出し穴を備える壁に対して間隔をあけて接近した状態で配置される一体型空気調和機であって、
筐体と、
筐体に形成され、外気を取り込む外気取り込み口と、
筐体内に収容され、外気と熱交換する外気用熱交換器と、
筐体に形成され、外気用熱交換器と熱交換した後の外気を排出する外気排出口と、
外気取り込み口、外気用熱交換器、外気排出口の順に外気が流れる流れを発生させる、鉛直方向に延在する回転中心線を中心として回転するクロスフローファンと、
筐体に形成され、壁の吸い込み穴を介して室内空気を吸い込む室内空気吸い込み口と、
筐体内に収容され、外気用熱交換器と冷媒管を介して接続され、室内空気と熱交換する室内空気用熱交換器と、
筐体にされ、室内空気用熱交換器と熱交換した後の室内空気を壁の吹き出し穴を介して室内に吹き出す室内空気吹き出し口と、
室内空気吸い込み口、室内空気用熱交換器、室内空気吹き出し口の順に室内空気が流れる流れを発生させる室内空気用ファンと、
壁の吸い込み穴と筐体の室内空気吸い込み口とを連絡する吸い込み用内部流路および壁の吹き出し穴と筐体の室内空気吹き出し口とを連絡する吹き出し用内部流路を備える連結部と、を有し、
筐体と壁とが対向する方向に該筐体と壁とを見たときにおける該筐体の背後側に、外気取り込み口、外気排出口、室内空気吸い込み口、および室内空気吹き出し口が形成されている、一体型空気調和機である。
本発明の一態様よれば、一体型空気調和機によって建物のデザイン性が損なわれることを抑制することができる。
例えば、筐体が、直方体形状であって、壁と平行に且つ間隔をあけて対向する背面と、背面に平行な正面と、正面と背面との間に位置する第1の側面および第2の側面とを備え、室内空気吸い込み口および室内空気吹き出し口の両方が背面、第1の側面、および第2の側面のいずれか一つに形成され、外気取り込み口が背面および第1の側面の少なくとも一方に形成され、外気排出口が背面および第2の側面の少なくとも一方に形成されている。
好ましくは、外気排出口が、背面に形成されている、これにより、筐体の少なくとも一方の側面に開口がなくなるため、建物のデザイン性が損なわれることが抑制される。
好ましくは、外気排出口が、外気取り込み口に対して離間する方向に熱交換後の外気を排出するように構成されている、これにより、外気排出口から排出された熱交換後の外気が外気取り込み口を介して筐体内に取り込まれることが抑制される。
外気排出口と外気取り込み口との間の筐体の部分から筐体の外部に向かって突出し、外気排出口から外気取り込み口に向かう外気の流れを遮断する遮断壁部を筐体に設けるのが好ましい。これにより、外気排出口から排出された熱交換後の外気が外気取り込み口を介して筐体内に取り込まれることがさらに抑制される。
好ましくは、連結部内において吸い込み用内部流路および吹き出し用内部流路が第1の方向に並んだ状態で平行に延在し、連結部が第1の方向に延在する一対の辺と該第1の方向に対して直交する第2の方向に延在する一対の辺を備える四角形形状の断面を備え、連結部の外側表面、吸い込み用内部流路、および吹き出し流路の間に断熱材が充填され、連結部の断面の第2の方向の大きさに対する第1の方向の大きさの比が、1〜2の範囲である。これにより、コンパクトで断熱効率に優れ、且つ圧力損失が小さい連結部が実現できる。
一体型空気調和機が筐体と対向する壁に嵌め込まれ、壁の一部を構成する流路構造体を有し、流路構造体が吸い込み穴および吹き出し穴を備えるのが好ましい。これにより、空気調和機の施工が容易になる。
連結部と流路構造体とが一体的に構成されているのが好ましい。これにより、連結部と流路構造体の間から室内空気が漏れることがなくなる。
室内空気吸い込み口と室内空気用熱交換器との間に鉛直方向に延在する第1の直線状流路を備え、室内空気用ファンと室内空気吹き出し口との間に鉛直方向に延在する第2の直線状流路を備え、第1および第2の直線状流路を分断するように、筐体が、室内空気吸い込み口および室内空気吹き出し口を備える上側ユニットと室内空気用熱交換器および室内空気ファンを備える下側ユニットとに分割可能に構成され、上側ユニットと下側ユニットとの間に選択的に配置され、上側ユニット側の第1および第2の直線状流路の部分それぞれと、下側ユニット側の第1および第2の直線状流路の部分それぞれとを連絡する2つの延長流路を備えた延長ユニットを一体型空気調和機は有するのが好ましい。これにより、室内空気吸い込み口および室内空気吹き出し口の鉛直方向位置を変更することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る一体型空気調和機の斜視図である。
図1に示すように、一体型空気調和機10は、室外に配置された状態で室内を空調するように構成されている。詳細は後述するが、一体型空気調和機10は、室外と室内とを隔てる住居などの建物の壁Wの外側面W1に対して間隔をあけて接近した状態で室外に設置される。
図2は一体型空気調和機10の内部の構成を概略的に示す該一体型空気調和機10の前側から見た断面図、図3は一体型空気調和機10の内部の構成を概略的に示す該一体型空気調和機10の横側から見た断面図、図4は、一体型空気調和機10の水平面に平行な断面であって、図3におけるG−G線に沿った断面図である。
なお、本明細書において、一体型空気調和機10の「前側」は、一体型空気調和機10と壁Wとの対向方向(X軸方向)に一体型空気調和機10および壁Wを見たときに視認できる一体型空気調和機10の部分(その筐体12の部分)を言う。一方、一体型空気調和機10の「背後側」は、一体型空気調和機10と壁Wとの対向方向(X軸方向)に一体型空気調和機10および壁Wを見たときに視認できない一体型空気調和機10の部分(その筐体12の部分)を言う。また、以下においては、一体型空気調和機10を省略して「空気調和機10」と称する。
本実施の形態1の空気調和機10は、図1に示すように、鉛直方向(Z軸方向)に大きい略直方体形状の筐体12を有する。
筐体12は、空気調和機10が室外に設置されたときに壁Wの外側面W1に対して略平行に且つ間隔をあけて対向する背面12aと、背面12aに平行な正面12bと、正面12bと背面12aとの間に位置する左側面12cおよび右側面12dとを備える。
このような略直方体形状の筐体12の場合、正面12bが空気調和機10の「前側」に相当し、背面12a、左側面12c、および右側面12dが空気調和機10の「背後側」に相当する。すなわち、空気調和機10と壁Wとの対向方向(X軸方向)に空気調和機10および壁Wを見たときには、筐体12の正面12bは視認できるが、残りの背面12a、左側面12c、および右側面12dは視認できない。
また、筐体12には、筐体12内に外気A1を取り込むための外気取り込み口12eと、筐体12内に取り込まれた外気A1を筐体12の外部に排出するための外気排出口12fとが形成されている。
さらに、筐体12には、室内空気A2を筐体12内に吸い込むための室内空気吸い込み口12gと、筐体12内に吸い込まれた室内空気A2を筐体12の外部に吹き出すための室内空気吹き出し口12hとが形成されている。
本実施の形態1の場合、外気取り込み口12eおよび外気排出口12fは、複数のスロット状の開口が鉛直方向(Z軸方向)および水平方向(X軸方向、Y軸方向)に並ぶことによって構成されている。外気取り込み口12eは、左側面12cおよび背面12aそれぞれに形成されている。一方、外気排出口12fは、背面12aと右側面12dとの間の角部に形成されている。したがって、空気調和機10と壁Wとの対向方向(X軸方向)に空気調和機10および壁Wを見たときには、これらの外気取り込み口12eおよび外気排出口12fは視認されない。なお、外気排出口12fは、背面12aと右側面12dとの間の角部ではなく、右側面12dのみに形成されてもよい。この場合、筐体12の構造的な強度を向上させるための複数の支柱を、筐体12の四隅に設けることができる。
また、本実施の形態1の場合、室内空気吸い込み口12gおよび室内空気吹き出し口12hは、水平方向(Y軸方向)に長い長方形状の開口であって、筐体12の背面12aに、鉛直方向(Z軸方向)に並んだ状態で形成されている。また、本実施の形態1の場合、室内空気吸い込み口12gが室内空気吹き出し口12hの上側に位置する。したがって、空気調和機10と壁Wとの対向方向(X軸方向)に空気調和機10およびWを見たときには、これらの室内空気吸い込み口12gおよび室内空気吹き出し口12hは視認されない。
図2および図3に示すように、空気調和機10は、概略、外気A1と熱交換を行うための外気熱交換部10A、室内空気A2と熱交換を行うための室内空気熱交換部10B、室内の換気を行うための換気部10C、および制御基板14、圧縮機16などを収容する収容部10Dから構成されている。
空気調和機10の外気熱交換部10Aの内部には、外気A1と熱交換を行う外気用熱交換器18と、外気取り込み口12e、外気用熱交換器18、外気排出口12fの順に外気A1が流れる流れを発生させるクロスフローファン20とが配置されている。
空気調和機10の室内空気熱交換部10Bは、空気調和機10の外気熱交換部10Aの上方に位置する。また、その内部には、室内空気A2と熱交換を行う室内空気用熱交換器22と、室内空気吸い込み口12g、室内空気用熱交換器22、室内空気吹き出し口12hの順に室内空気A2が流れる流れを発生させるシロッコファン24とが配置されている。
外気用熱交換器18は、図4に示すように、複数の外気取り込み口12eに沿って設けられている。また、外気用熱交換器18は、冷媒配管(図示せず)および四方弁(図示せず)を介して圧縮機16および室内空気用熱交換器22に熱的に接続されている。すなわち、圧縮機16、四方弁、外気用熱交換器18、室内空気用熱交換器22、およびそれらを接続する冷媒配管を冷媒が流れる冷凍サイクルが構成されている。
クロスフローファン20は、図4に示すように、鉛直方向(Z軸方向)に延在する回転中心線C1を中心として回転するようにモータ26によって駆動される。なお、モータ26は、図2に示すように、収容部10D内に配置されている。また、収容部10D内の圧縮機16に対して水平方向(X軸方向およびY軸方向)に並ぶように配置されている。これにより、モータ26が圧縮機16の上方に配置される場合に比べて、空気調和機10(筐体12)の鉛直方向(Z軸方向)のサイズが小さくされる。また、制御基板14は、モータ26より正面12b側に配置されることが、空気調和機10(筐体12)の鉛直方向(Z軸方向)のサイズが小さくすることと、制御基板14のメンテナンス性の向上の上で望ましい。
また、クロスフローファン20は、外気用熱交換器18を挟んで複数の外気取り込み口12eと対向するように、筐体12内(外気熱交換部10A)に配置されている。
それにより、モータ26によってクロスフローファン20が回転すると、筐体12の背面12aおよび左側面12cに形成された複数の外気取り込み口12eを介して外気A1が筐体12内(外気熱交換部10A内)に取り込まれ、外気用熱交換器18内を通過する。その結果、外気A1は外気用熱交換器18と熱交換する。
外気用熱交換器18を通過した熱交換後の外気A1は、クロスフローファン20に取り込まれ、筐体12の背面12aと右側面12dとの間の角部に形成された外気排出口12fを介して筐体12の外部に排出される。
本実施の形態1の場合、筐体12の背面12aが壁Wの外側面W1に対して略平行に且つ間隔をあけて対向するように空気調和機10が設置されたとき、壁Wの外側面W1に交差する方向に熱交換後の外気A1を排出するように外気排出口12fは構成されている。
具体的には、外気排出口12fから排出された熱交換後の外気A1が外気取り込み口12eを介して再び筐体12内に取り込まれないように、外気排出口12fは、外気取り込み口12eに対して離間する方向に熱交換後の外気A1を排出するように構成されている。本実施の形態1の外気排出口12fによれば、図4に示すように、外気排出口12fから排出された外気A1は、壁Wの外側面W1に交差する方向に、外側面W1に向かって流れる。そして、筐体12の背面12aと壁Wの外側面W1との対向領域とは反対方向に、外側面W1に沿って外気A1は流れる。
このように壁Wの外側面W1を利用することにより、熱交換後の外気A1が、筐体12の背面12aに形成された外気取り込み口12eを介して直接的に筐体12内に取り込まれることが抑制される。その結果、空気調和機12の空調効率(熱交換効率)の低下が抑制される。
なお、外気を筐体12内に空気を取り込むための外気用ファンとして、鉛直方向(Z軸方向)に延在する回転中心線C1を中心として回転するクロスフローファン20を使用する理由の1つは、プロペラファンを使用する場合に比べて筐体12の設置面積を小さくすることができることである。また、別の理由は、プロペラファンを外気用ファンとして使用した場合には円形状の外気取り込み口を設ける必要があり、その円形状の外気取り込み口が建物のデザイン性を大きく損ねるからである。
図2および図3に示すように、空気調和機10の室内空気熱交換部10Bには、筐体12の背面12aに形成された室内空気吸い込み口12gと室内空気吹き出し口12hとを連絡する内部流路28が形成されている。この内部流路28内に室内空気用熱交換器22とシロッコファン24が配置されている。この内部流路28内を空気吸い込み口12gから空気吹き出し口12hに向かって室内空気A2が流れる。
本実施の形態1の場合、シロッコファン24は、空気調和機10(筐体12)と壁Wとの対向方向(X軸方向)に延在する回転中心線C2を中心にして回転するようにモータ30によって駆動される。そのシロッコファン24に対して室内空気A2の流れ方向の上流側に室内空気用熱交換器22が配置される。
本実施の形態1の場合、シロッコファン24の回転軸を、X軸方向に延在するように設けているため、回転軸をY軸方向に延在するように設けた場合と比較して、シロッコファン24の側面(回転中心線C2と垂直な面)に対向して設けられる室内空気用熱交換器22の全面面積を大きくすることができる。また、シロッコファン24のファン径を大きくすることができる。
また、室内空気用熱交換器22の下方には、室内空気用熱交換器22から落下する結露水を受け水受け皿(図示せず)が設けられている。水受け皿に溜まった水は、排水経路(図示せず)を通じて、筐体12の外部に排水される。なお、水受け皿に溜まった水は、排水経路を通じて、外気用熱交換器18の表面に散布するようにしてもよい。本実施の形態1の場合、外気用熱交換器18は、室内空気用熱交換器22より上部に設けられているため、水を重力により外気用熱交換器18の表面に導くことができる。
モータ30によってシロッコファン24が回転すると、室内空気A2が室内空気吸い込み口12gを介して室内空気用熱交換部10Bの内部流路28内に流入する。内部流路28内に流入した室内空気A2は、室内空気用熱交換器22を通過する。その結果、室内空気A2は室内空気用熱交換器22と熱交換する。室内空気用熱交換器22と熱交換した室内空気A2はシロッコファン24に取り込まれ、室内空気吹き出し口12hを介して室内に吹き出される。これにより、室内が空気調和機10によって空調される。
本実施の形態1の場合、室内空気用熱交換器22は、シロッコファン24より空気調和機10(筐体12)の正面12b側に配置されているので、図3に示すように、内部流路28の一部を構成するX方向に延在する直線状流路を長くすることができる。これにより、内部流路28の一部を構成するZ方向に延在する直線状流路28aを介して、室内空気用熱交換器22に導かれる空気の流速分布を均一化できる。
空気調和機10の室内空気吸い込み口12gと室内空気吹き出し口12hは、図1に示すように、連結部40および流路構造体42を介して室内に連絡される。
連結部40は、図1および図3に示すように、空気調和機10の筐体12の背面12aと壁Wの外側面W1との間に配置されている。
連結部40はまた、直方体形状であって、その内部に、筐体12の背面12aに形成された室内空気吸い込み口12gと壁Wを室外から室内に向かって貫通する吸い込み穴42aとを連絡する吸い込み用内部流路40aを備える。吸い込み用内部流路40aは、室内空気吸い込み口12gと連結するために、水平方向(Y軸方向)に長い長方形形状の断面を備え、筐体12と壁Wとの対向方向(X軸方向)に延在する。
連結部40はさらに、筐体12の室内空気吹き出し口12hと壁Wを室外から室内に向かって貫通する吹き出し穴42aとを連絡する吹き出し用内部流路40bを備える。吹き出し用内部流路40bは、室内空気吸い込み口12gの下方に位置する室内空気吹き出し口12hと連結するために、水平方向(Y軸方向)に長い長方形形状の断面を備え、吸い込み用内部流路40bに対して下方を且つ平行に延在する。
室内空気A2を筐体12内に吸い込むための吸い込み用内部流路40aと熱交換後の室内空気A2を室内に吹き出すための吹き出し用内部流路40bとを一体的に備えた連結部40により、壁Wを備える建物のデザイン性が損なわれることが抑制される(すなわち、室内空気吸い込み口12gと吸い込み穴42aとを連結するダクト(流路)および室内空気吹き出し口12hと吹き出し穴42bとを連結するダクト(流路)が別々に構成される場合に比べて)。
また、本実施の形態1の場合、連結部40は筐体12の背面12aと壁Wの外側面W1との間に配置されるため、空気調和機10と壁Wとの対向方向(X軸方向)に空気調和機10および壁Wを見たときには、連結部40は視認されない。
このような連結部40により、壁Wと空気調和機10とがデザイン的に調和し、住居などの建物のデザイン性が損なわれることが抑制される。
なお、図5に示すように、連結部40が四角形形状の断面を備え、吸い込み用内部流路40aおよび吹き出し用内部流路40bが同一の四角形形状の流路断面を備えて鉛直方向(Z軸方向)に並んで連結部40内を平行に延在する場合、その断面のアスペクト比(縦L/横S)(すなわちZ軸方向サイズ/Y軸方向サイズ)は、約1〜2の範囲が好ましい。
連結部40の内部には断熱材が収容され、その断熱材を貫通するように吸い込み用内部流路40aおよび吹き出し用内部流路40bが鉛直方向(Z軸方向)に並んだ状態で延在する。すなわち、連結部40の外側表面、吸い込み用内部流路40a、および吹き出し用内部流路40bの間に断熱材が充填されている。
図6は、四角形形状の断面を備える連結部40のアスペクト比に対する吸い込み用内部流路40aおよび吹き出し用内部流路40bの圧力損失を示ししている。図7は、連結部40のアスペクト比に対する断熱材の容積を示している。図8は、連結部40のアスペクト比に対する連結部40の体積を示している。なお、断熱材の容積は断熱材の使用量に相当し、連結部40の体積は連結部40のコンパクトさに相当する。したがって、断熱材の容積および連結部40の体積は小さい方が好ましい。
図6〜図8に示すアスペクト比に対する連結部40の特性は、連結部40の長さが1mであって、風路面積(吸い込み用内部流路40aおよび吹き出し用内部流路40bそれぞれの断面積)が0.01mであって、且つ吸い込み用内部流路40aおよび吹き出し用内部流路40bそれぞれを流れる空気の風速が10m/sである場合の特性である。
図6〜図8に示すように、連結部40のアスペクト比が1になるまでは、圧力損失、断熱材の容積、および連結部40の体積は減少する。アスペクト比が2に比べて大きくなると、圧力損失、断熱材の容積、および連結部40の体積は増加する。したがって、連結部40のアスペクト比は、圧力損失、断熱材の容積、および連結部40の体積が小さくなる約1〜2の範囲が好ましい。このようなアスペクト比によれば、コンパクトなサイズで断熱効率に優れ、且つ圧力損失が小さい連結部40を得ることができ、その結果、空気調和機10は高い空調効率を得ることができる。
このような連結部40の吸い込み用内部流路40aおよび吹き出し用内部流路40bに連結される吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bは、本実施の形態1の場合、壁Wに直接的に形成されていない。吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bは、壁W内に嵌め込まれ、壁Wの一部を構成する流路構造体42に形成されている。
本実施の形態1の場合、流路構造体42は、図1および図9に示すように室外と室内とを連通するように壁Wに形成された、長方形状の断面を備える貫通穴状の取り付け穴W3に挿通される直方体形状の本体部42cと、壁Wの内側面W2に取り付けられる化粧パネル42dとを備える。
吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bは、本体部42cと化粧パネル42dとを貫通することによって室外と室内とを連絡する。
流路構造体42の本体部42cは、箱状であって、その内部に断熱材を有する。その断熱材を貫通するように吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bは形成されている。
また、流路構造体42の本体部42c内で、吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bの断面形状は、室外側から室内側に向かうにしたがって変化する。
具体的に説明すると、本実施の形態1の場合、筐体12の室内空気吸い込み口12gおよび室内空気吹き出し口12hは、それぞれ水平方向(Y軸方向)に長い長方形形状の開口であって、鉛直方向(Z軸方向)に並んでいる。このような室内空気吸い込み口12gおよび室内空気吹き出し口12hと連結部40(その内部流路40a、40b)を介して連結するために、吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bそれぞれの室外側の開口は、水平方向(Y軸方向)に長い長方形形状を備える。
一方、吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bの室内側の開口(すなわち化粧パネル42dに形成された開口)は、それぞれ鉛直方向(Z軸方向)に長い長方形形状を備え、鉛直方向に並んでいる。
すなわち、吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bは、四角形形状の断面のアスペクト比(縦(Z軸方向サイズ)/横(Y軸方向サイズ))が変化しながら、室外から室内に向かって延在している。
流路構造体42の化粧パネル42dは、壁Wの内側面W2に取り付けられ、本体部42cと壁Wの取り付け穴W3との隙間を覆う。また、化粧パネル42dには、空気調和機10をユーザが操作するためのスイッチなどの操作部(図示せず)が設けられている。あるいは、空気調和機10を遠隔操作するためのリモートコントローラから出射される信号、例えば赤外線信号を受光する受光部が設けられる。化粧パネル42dに設けられた操作部は、流路構造体42および連結部40を介して筐体12内の制御基板14に電気的に接続される。
このような流路構造体42によれば、吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bそれぞれを直接的に壁Wに形成する場合に比べて、空気調和機10の施行が容易になる。特に、本実施の形態1のように、吸い込み穴42および吹き出し穴42bが室外から室内に向かうにしたがってその断面形状が変化する場合、特に空気調和機10の施行が容易になる。
また、図1に示すように、流路構造体42が筐体12の背面12aに対向するように壁Wに嵌め込まれることにより、空気調和機10と壁Wとの対向方向(X軸方向)に空気調和機10および壁Wを見たときには、流路構造体42は視認されない。このような流路構造体42により、壁Wを備える住居などの建物のデザイン性が損なわれることが抑制される。
図2および図3に示すように、本実施の形態1の場合、空気調和機10において、換気部10Cは最上部に配置されている。
空気調和機10の換気部10Cは、外気A1を室内に供給しつつ、室内空気A2を室外に排出することにより、室内の換気を行うように構成されている。そのために、換気部10Cは、外気A1を吸い込むための外気吸い込み口50と、外気吸い込み口50から室内に向かう外気A1の流れを発生させるファン52と、室内空気A2を室外に排出するための室内空気吹き出し口54と、室内から室内空気吹き出し口54に向かう室内空気A2の流れを発生させるファン56とを有する。これに加えて、換気部10Cは、室内に供給される外気A1と室外に排出される室内空気A2との間で熱交換を行うための換気用熱交換器58を有する。
図2、図3、および図10に示すように、換気部10Cの外気吸い込み口50および室内空気排出口54は、筐体12の背面12aの上側部分に、水平方向(Y軸方向)に並んだ状態で形成されている。
なお、図3に示すように、外気吸い込み口50にHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタなどのフィルタ60を設け、微粒子などの室内への侵入を抑制してもよい。
外気吸い込み口50は、図2および図3に示すように、換気部10C内に形成された内部流路62を介して、室内空気用熱交換部10Bの内部流路28における室内空気用熱交換器22の上流側に接続されている。この内部流路62内に、外気吸い込み口50側から順に、換気用熱交換器58、ファン52が配置されている。本実施の形態1の場合、ファン52はシロッコファンである。
一方、室内空気排出口54は、図3および図10に示すように、換気部10C内に形成された内部流路64を介して、室内空気用熱交換部10Bの内部流路28における室内空気用熱交換器22の上流側に接続されている。図2に示すように、この内部流路64と内部流路28との接続部は、内部流路62と内部流路28との接続部に比べて、筐体12の室内空気吸い込み口12gに近い位置に位置する。また、内部流路64内に、室内空気排出口54から順に、換気用熱交換器58、ファン56が配置されている。本実施の形態1の場合、ファン56はシロッコファンである。
本実施の形態1の場合、換気部10C内に形成された内部流路62と内部流路64は、室内空気用熱交換器22の上流側の内部流路28に接続されているため、室内空気用熱交換器22の下流側の内部流路28に接続される場合と比較して、室内空気用熱交換器22で熱交換した熱を室外に排出してしまうことがなく効率的である。
さらに、本実施の形態1の場合、換気部10Cの2つのシロッコファン52、56は、筐体12と壁Wとの対向方向(X軸方向)に延在する共通の回転中心線C3を中心として回転するとともに、共通のモータ66によって駆動される。1つのモータ66によって2つのシロッコファン52、56が駆動されることにより、1つのモータを省略することができる。
なお、図3に示すように、外気吸い込み口50にHEPAフィルタなどのフィルタ60が設けられる場合、吸気抵抗を考慮して、外気A1を吸い込むためのファン52を、室内空気A2を排出するためのファン56に比べて大型化するのが好ましい。
このような空気調和機10の換気部10Cによれば、室内を空調しながら室内を換気することができる。なお、室内を空調せずに室内の換気のみを行う場合、圧縮機16とクロスフローファン20とが停止した状態で、3つのシロッコファン24、52、56が回転する。これにより、図3に示すように、室内空気A1が、流路構造体42の吸い込み穴42a、連結部40の吸い込み用流路40a、室内空気用熱交換部10Bの内部流路28、換気部10Cの内部流路64(シロッコファン56および換気用熱交換器58)、および室内空気排出口54を順に通過して、室外に排出される。また、外気A1が、外気吸い込み口50、換気部10Cの内部流路62(換気用熱交換器58およびシロッコファン52)、室内空気用熱交換部10Bの内部流路28(室内空気用熱交換器22およびシロッコファン24)、連結部40の吹き出し用内部流路40b、および流路構造体42の吹き出し穴42bを順に通過して、室内に供給される。
本実施の形態1の場合、上側に内部流路28を備えた室内空気用熱交換部10Bの上方に、下側に内部流路64を備えた換気部10Cを設けたため、内部流路64を出た空気を室内空気引き出し口12hに導くための流路を別途設けることなく、内部流路28を利用することができるため、空気調和機10(筐体12)の鉛直方向(Z軸方向)のサイズを小さくできる。
加えて、本実施の形態1の空気調和機10は、室内空気吸い込み口12gおよび室内空気吹き出し口12hの鉛直方向(Z軸方向)位置が変更可能に構成されている。
住居などの建物の構造上の制約によりおよび/またはユーザの好みにより、壁Wに対する流路構造体42の鉛直方向(Z軸方向)の取り付け位置、すなわち流路構造体42の吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bそれぞれの室内側の開口の鉛直方向の位置は、様々な位置を取りうる。
この対処として、本実施の形態1の空気調和機10の筐体12は、図11および図12に示すように、上下方向に分割可能に構成されている。
具体的には、本実施の形態1の場合、筐体12は、上側ユニット12iと下側ユニット12jとに分割可能に構成されている。上側ユニット12iは、室内空気吸い込み口12gおよび室内空気吹き出し口12hを備える。一方、下側ユニット12jは、室内空気用熱交換器22およびシロッコファン24を備える。
また、室内空気吸い込み口12gと室内空気用熱交換器22との間には、内部流路28の一部を構成し、鉛直方向(Z軸方向)に延在する直線状流路28aが存在し、シロッコ願24と室内空気吹き出し口12hとの間には、内部流路28の一部を構成し、鉛直方向に延在する直線状流路28bが存在する。これらの直線状流路28a、28bを分断するように、筐体12は、上側ユニット12iと下側ユニット12jとに分割可能に構成されている。
上側ユニット12iと下側ユニット12jとの間には、上側ユニット12iの室内空気吸い込み口12gおよび室内空気吹き出し口12hの鉛直方向(Z軸方向)の位置合わせを行うための延長ユニット12kが選択的に配置される。様々な高さの延長ユニット12kを用意すれば、上側ユニット12iの室内空気吸い込み口12gと室内空気吹き出し口12hを所望の鉛直方向位置に位置合わせすることができる。
または、延長ユニット12kを発砲スチロールなどの切断容易な断熱材で構成し、空気調和機10を設置する際に、建物の構造上の制約にあわせて、延長ユニット12kを切断して配置すれば、上側ユニット12iの室内空気吸い込み口12gと室内空気吹き出し口12hを所望の鉛直方向位置に位置合わせすることができる。なお、この場合には、延長ユニット12kを覆うカバーを別途、設けることで、デザイン性が損なわれることが抑制される。
また、延長ユニット12kには、上側ユニット12i側の直線状流路28aの部分28a1と下側ユニット12j側の直線状流路28aの部分28a2とを連絡する延長流路28a3と、上側ユニットi側の直線状流路28bの部分28b1と下側ユニット12j側の直線状流路28bの部分28b2とを連絡する延長流路28b3とを有する。
この延長ユニット12kの延長流路28a3、28b3により、上側ユニット12iと下側ユニット12jとの間に延長ユニット12kが介在しても、室内吸い込み口12gから室内吹き出し口12hまで室内空気A2が流れる内部流路28が構成される。
なお、本実施の形態1の場合、上側ユニット12iと延長ユニット12kとの間から室内空気A2が漏れないように、延長ユニット12kの延長流路28a3、28b3の上側ユニット12i側の開口を囲むリング状のシール部材70、72が延長ユニット12kに設けられている。また、延長ユニット12kと下側ユニット12jとの間から室内空気A2が漏れないように、下側ユニット12jの直線状流路28a、28bの開口を囲むシール部材74、76が設けられている。
なお、上述のように、延長ユニット12kを切断して配置する仕様の場合には、シール部材74、76は、延長ユニット12kではなく、上側ユニット12iや下側ユニット12jに設けるほうが望ましい。また、本実施の形態1の場合、上側ユニット12iを下側ユニット12jから分離できる構成であるため、空気調和機10の製造時や、輸送時の取り扱いが容易となる。
本実施の形態1によれば、空気調和機10によって建物のデザイン性が損なわれることを抑制することができる。すなわち、外気取り込み口12eおよび外気排出口12fが筐体12の背後側に形成されているため、さらに連結部40および流路構造体42が筐体12の背面12aに対向するため(すなわち筐体12によって隠れるため)、空気調和機10は、住居などの建物の壁Wとデザイン的に調和することができる。その結果、空気調和機10によって建物のデザイン性が損なわれることが抑制される。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る空気調和機は、上述の実施の形態1と略同一の構成を有する。したがって、異なる点を中心に、本実施の形態2に係る空気調和機を説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
図13および図14に示すように、本実施の形態2に係る空気調和機110の室内空気熱交換部110Bにおける室内空気吸い込み口112gおよび室内空気吹き出し口112hは、壁Wの外側面W1に対向する筐体112の背面112aではなく、右側面112dに形成されている。そのために、連結部140の形状が、直線状の実施の形態1の連結部40と異なり「L」字状である(すなわち、「L」字状の吸い込み用内部流路140aおよび吹き出し用内部流路140bとを備える)。
これにより、図13に示すように流路構造体42を空気調和機110の筐体112の背面112aに対向するように配置できない場合であっても、空気調和機110の室内空気吸い込み口112gおよび室内空気吹き出し口112hと流路構造体42の吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bとを連絡することができる。
本実施の形態2によれば、空気調和機110によって建物のデザイン性が損なわれることを抑制することができる。すなわち、外気取り込み口12eおよび外気排出口12fが筐体12の背後側に形成されているため、空気調和機110は、住居などの建物の壁Wとデザイン的に調和することができる。その結果、空気調和機110によって建物のデザイン性が損なわれることが抑制される。
なお、本実施の形態2では、室内空気吸い込み口112gおよび室内空気吹き出し口112hが、右側面112dに形成されているとして説明したが、左側面12cに形成されている場合であっても、同様に連結部140を接続できる。
(実施の形態3)
本実施の形態3に係る空気調和機は、遮断壁部以外は上述の実施の形態1と同一の構成を有する。したがって、遮断壁部について説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
図15に示すように、本実施の形態3に係る空気調和機210は、外気排出口12fから排出された熱交換後の外気A1が再び外気取り込み口12eを介して筐体12内に取り込まれないように、外気排出口12fから外気取り込み口12eへの外気A1の流れを遮断する遮断壁部280を有する。
例えば、筐体12の背面12aにおける外気排出口12fと外気取り込み口12eとの間の筐体12の部分に、筐体12の外部に向かって突出する遮断壁部280が設けられる。この遮断壁部280は、空気調和機210が壁Wに沿って設置されたとき、壁Wの外側面W1と協働することにより、外気排出口12から直接的に外気取り込み口12eに向かう外気A1の流れを遮断することができる。それにより、外気排出口12fから排出された熱交換後の外気A1が外気取り込み口12eを介して直接的に筐体12内に取り込まれることがさらに抑制される(遮断壁部280がない場合に比べて)。その結果、空気調和機210の空調効率の低下をさらに抑制することができる。なお、この遮断壁部280は、筐体12に一体的に形成されてもよいし、筐体12とは別体に構成されてもよい。
本実施の形態3によれば、上述の実施の形態1と同様に、空気調和機210によって建物のデザイン性が損なわれることを抑制することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4に係る空気調和機は、外気排出口以外は上述の実施の形態1と同一の構成を有する。したがって、外気排出口について説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
図16に示すように、本実施の形態4に係る空気調和機310における外気排出口312fは、筐体312の右側面312dに形成されている(実施の形態1と異なり、背面312aには形成されていない)。また、外気排出口312fは、壁Wの外壁面W1に平行な方向(Y軸方向)に熱交換後の外気A1を排出するように構成されている。このような外気排出口312fによっても、熱交換後の外気A1が筐体312の背面312aに形成された外気取り込み口312eを介して直接的に筐体12内に取り込まれることを抑制することができる。
本実施の形態4によれば、上述の実施の形態1と同様に、空気調和機310によって建物のデザイン性が損なわれることを抑制することができる。
以上、上述の4つの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、上述の実施の形態の場合、室内空気A2の流れを形成するファン24は、シロッコファンであるが、これに限らない。例えば、プロペラファンであってもよい。
例えば、上述の実施の形態の場合、筐体12(112)の室内空気吸い込み口12g(112g)が室内空気吹き出し口12h(112h)対して上方に位置するが、逆であってもよい。この場合、対応するように、連結部40(140)の吸い込み用内部流路40a(140a)が吹き出し用内部流路40b(140b)に対して下方に位置する。また同様に、流路構造体42の吸い込み穴42aが吹き出し穴42bに対して下方に位置する。
ただし、室内空気吹き出し口12h(112h)が室内空気吸い込み口12g(112g)の上側に位置するとともに、室内空気用熱交換器22がシロッコファン24に比べて筐体12(112)の正面12b(112b)側に位置する場合、ファン24から室内空気吹き出し口12h(112h)までの流路と、室内空気吸い込み口12g(112g)から室内空気用熱交換器22までの流路とが、筐体12(112)の側面視(Y軸方向視)で交差する。その結果、筐体12(112h)内における流路構成が複雑になる。そのため、実施の形態2で説明したように、筐体112の右側面112dと左側面12cのいずれにも連結部140を接続できるようにするためには、上述の実施の形態で説明したように、室内空気吸い込み口12g(112g)が室内空気吹き出し口12h(112h)の上側に位置するほうが望ましい。
なお、室内空気吹き出し口12h(112h)が室内空気吸い込み口12g(112g)の上側に位置する場合、例えば図17に示す空気調和機410の構成が考えられる。
図17に示す空気調和機410は、実施の形態2の空気調和機110の変形例であって、実施の形態2と同様に、筐体412の右側面(図面奥側)に室内空気吹き出し口412hと室内空気吸い込み口412gとを有する。
また、図17に示すように、室内空気用熱交換器22は、シロッコファン24より空気調和機410(筐体412)の背面412a側に配置される。これにより、シロッコファン24から室内空気吹き出し口412hまでの流路428dと、室内空気吸い込み口412gから室内空気用熱交換器22までの流路428cとが、筐体412の側面視(Y軸方向視)で交差することがなくなる。なお、図17に示すように、シロッコファン24から室内空気吹き出し口412hまでの流路428cは、室内の換気のために外気A1が流れる流路(シロッコファン52から室内空気用熱交換器22に向かう流路462に対して、筐体412の右側面側(図面奥側)を延在する。
また例えば、上述の実施の形態の場合、筐体12(112)の室内空気吸い込み口12g(112g)と室内空気吹き出し口12h(112h)は、鉛直方向(Z軸方向)に並んでいるが、これと異なり水平方向(Y軸方向(X軸方向))に並んでいてもよい。また、これらに連結する連結部40(140)の吸い込み用内部流路40a(140a)と吹き出し用内部流路40b(140b)も、鉛直方向ではなく水平方向に並んでいてもよい。同様に、流路構造体42の吸い込み穴42aと吹き出し穴42bも、鉛直方向ではなく、水平方向に並んでいてもよい。
さらに例えば、上述の実施の形態の場合、空気調和機10(110、210、310)は、鉛直方向(Z軸方向)に大きい略直方体形状であるが、これに限らない。例えば、円柱形状であってもよい。
このように、本発明の実施の形態に係る空気調和機は様々な形態をとることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る空気調和機は、広義には、
室内と室外とを連絡する吸い込み穴および吹き出し穴を備える壁に対して間隔をあけて接近した状態で配置される一体型空気調和機であって、
筐体と、
筐体に形成され、外気を取り込む外気取り込み口と、
筐体内に収容され、外気と熱交換する外気用熱交換器と、
筐体に形成され、外気用熱交換器と熱交換した後の外気を排出する外気排出口と、
外気取り込み口、外気用熱交換器、外気排出口の順に外気が流れる流れを発生させる、鉛直方向に延在する回転中心線を中心として回転するクロスフローファンと、
筐体に形成され、壁の吸い込み穴を介して室内空気を吸い込む室内空気吸い込み口と、
筐体内に収容され、外気用熱交換器と熱的に接続され、室内空気と熱交換する室内空気用熱交換器と、
筐体に形成され、室内空気用熱交換器と熱交換した後の室内空気を壁の吹き出し穴を介して室内に吹き出す室内空気吹き出し口と、
室内空気吸い込み口、室内空気用熱交換器、室内空気吹き出し口の順に室内空気が流れる流れを発生させる室内空気用ファンと、
壁の吸い込み穴と筐体の室内空気吸い込み口とを連絡する吸い込み用内部流路および壁の吹き出し穴と筐体の室内空気吹き出し口とを連絡する吹き出し用内部流路を備える連結部と、を有し、
筐体と壁とが対向する方向に該筐体と壁とを見たときにおける該筐体の背後側に、外気取り込み口、外気排出口、室内空気吸い込み口、および室内空気吹き出し口が形成されている、一体型空気調和機である。
さらにまた、上述の実施の形態の場合、空気調和機10(110、210、310)は、室内を換気する換気部10Cを備えるが、換気部10Cはなくてもよい。すなわち、換気部は、ユーザによって選択的に空気調和機に取り付けられるオプションであってもよい。
加えて、上述の実施の形態の場合、連結部40(140)と流路構造体42は別体であるが、これらは一体であってもよい。この場合、連結部40(140)と流路構造体42との間から室内空気A1が漏れることがないため、空気調和機10(110、210、310)の空調効率が向上する。
加えてまた、外気排出口12f(312f)は、熱交換後の外気A1を水平方向に排出してもよいし、また下方向に排出してもよい。好ましくは、空気調和機近傍に位置するユーザの顔に熱交換後の外気が当たらない下方向に、外気排出口は熱交換後の外気を排出するのが好ましい。
さらに加えて、上述の実施の形態の場合、外気取り込み口12e(312e)は、筐体12(112、312)の背面12a(312a)および左側面12c(312c)に形成されているが、これに限らない。例えば、筐体の右側面に形成されてもよい。ただし、この場合、外気排出口は左側面に形成される。これは、外気排出口から排出された熱交換後の外気が外気取り込み口に流入することを抑制するためである。
さらに加えて、上述の実施の形態の場合、吸い込み穴42aおよび吹き出し穴42bは流路構造体42に形成されているが、それぞれの構造が単純であれば(例えば断面形状が一定の穴)、壁Wに形成されてもよい。
本発明は、外気と熱交換する外気用熱交換器と室内空気と熱交換する室内熱交換器とが1つの筐体に収容されている一体型の空気調和機であれば適用可能である。
10 空気調和機(一体型空気調和機)
12 筐体
12e 外気取り込み口
12f 外気吸い込み口
12g 室内空気吸い込み口
12h 室内空気吹き出し口
18 外気用熱交換器
20 クロスフローファン
22 室内空気用熱交換器
24 室内空気用ファン(シロッコファン)
40 連結部
40a 吸い込み用内部流路
40b 吹き出し用内部流路
W 壁
A1 外気
A2 室内空気

Claims (9)

  1. 室内と室外とを連絡する吸い込み穴および吹き出し穴を備える壁に対して間隔をあけて接近した状態で配置される一体型空気調和機であって、
    筐体と、
    筐体に形成され、外気を取り込む外気取り込み口と、
    筐体内に収容され、外気と熱交換する外気用熱交換器と、
    筐体に形成され、外気用熱交換器と熱交換した後の外気を排出する外気排出口と、
    外気取り込み口、外気用熱交換器、外気排出口の順に外気が流れる流れを発生させる、鉛直方向に延在する回転中心線を中心として回転するクロスフローファンと、
    筐体に形成され、壁の吸い込み穴を介して室内空気を吸い込む室内空気吸い込み口と、
    筐体内に収容され、外気用熱交換器と冷媒管を介して接続され、室内空気と熱交換する室内空気用熱交換器と、
    筐体に形成され、室内空気用熱交換器と熱交換した後の室内空気を壁の吹き出し穴を介して室内に吹き出す室内空気吹き出し口と、
    室内空気吸い込み口、室内空気用熱交換器、室内空気吹き出し口の順に室内空気が流れる流れを発生させる室内空気用ファンと、
    壁の吸い込み穴と筐体の室内空気吸い込み口とを連絡する吸い込み用内部流路および壁の吹き出し穴と筐体の室内空気吹き出し口とを連絡する吹き出し用内部流路を備える連結部と、を有し、
    筐体と壁とが対向する方向に該筐体と壁とを見たときにおける該筐体の背後側に、外気取り込み口、外気排出口、室内空気吸い込み口、および室内空気吹き出し口が形成されている、一体型空気調和機。
  2. 筐体が、直方体形状であって、壁と平行に且つ間隔をあけて対向する背面と、背面に平行な正面と、正面と背面との間に位置する第1の側面および第2の側面とを備え、
    室内空気吸い込み口および室内空気吹き出し口の両方が背面、第1の側面、および第2の側面のいずれか一つに形成され、
    外気取り込み口が背面および第1の側面の少なくとも一方に形成され、
    外気排出口が背面および第2の側面の少なくとも一方に形成されている、請求項1に記載の一体型空気調和機。
  3. 外気排出口が、背面に形成されている、請求項2に記載の一体型空気調和機。
  4. 外気排出口が、外気取り込み口に対して離間する方向に熱交換後の外気を排出するように構成されている、請求項1または2に記載の一体型空気調和機。
  5. 外気排出口と外気取り込み口との間の筐体の部分から筐体の外部に向かって突出し、外気排出口から外気取り込み口に向かう外気の流れを遮断する遮断壁部が筐体に設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の一体型空気調和機。
  6. 連結部内において吸い込み用内部流路および吹き出し用内部流路が第1の方向に並んだ状態で平行に延在し、
    連結部が第1の方向に延在する一対の辺と該第1の方向に対して直交する第2の方向に延在する一対の辺を備える四角形形状の断面を備え、
    連結部の外側表面、吸い込み用内部流路、および吹き出し流路の間に断熱材が充填され、
    連結部の断面の第2の方向の大きさに対する第1の方向の大きさの比が、1〜2の範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の一体型空気調和機。
  7. 筐体と対向する壁に嵌め込まれ、壁の一部を構成する流路構造体を有し、
    流路構造体が、吸い込み穴および吹き出し穴を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の一体型空気調和機。
  8. 連結部と流路構造体とが一体的に構成されている、請求項7に記載の一体型空気調和機。
  9. 室内空気吸い込み口と室内空気用熱交換器との間に鉛直方向に延在する第1の直線状流路を備え、
    室内空気用ファンと室内空気吹き出し口との間に鉛直方向に延在する第2の直線状流路を備え、
    第1および第2の直線状流路を分断するように、筐体が、室内空気吸い込み口および室内空気吹き出し口を備える上側ユニットと室内空気用熱交換器および室内空気ファンを備える下側ユニットとに分割可能に構成され、
    上側ユニットと下側ユニットとの間に選択的に配置され、上側ユニット側の第1および第2の直線状流路の部分それぞれと、下側ユニット側の第1および第2の直線状流路の部分それぞれとを連絡する2つの延長流路を備えた延長ユニットを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の一体型空気調和機。
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