JP2015193792A - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015193792A
JP2015193792A JP2015022887A JP2015022887A JP2015193792A JP 2015193792 A JP2015193792 A JP 2015193792A JP 2015022887 A JP2015022887 A JP 2015022887A JP 2015022887 A JP2015022887 A JP 2015022887A JP 2015193792 A JP2015193792 A JP 2015193792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
general formula
group
compound represented
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015022887A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6385289B2 (ja
JP2015193792A5 (ja
Inventor
悠平 清水
Yuhei Shimizu
悠平 清水
池上 正幸
Masayuki Ikegami
正幸 池上
貴史 齋藤
Takashi Saito
貴史 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015022887A priority Critical patent/JP6385289B2/ja
Publication of JP2015193792A publication Critical patent/JP2015193792A/ja
Publication of JP2015193792A5 publication Critical patent/JP2015193792A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6385289B2 publication Critical patent/JP6385289B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/328Inkjet printing inks characterised by colouring agents characterised by dyes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/38Inkjet printing inks characterised by non-macromolecular additives other than solvents, pigments or dyes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】耐固着性に優れているとともに、光学濃度が高く、耐オゾン性及び耐湿性に優れた画像を記録可能なインクを提供する。
【解決手段】色材及び水溶性有機溶剤を含有するインクジェット用のインクである。色材が、下記一般式(I)で表される化合物を含み、水溶性有機溶剤が、一般式(II):R8−[A]−R9で表される化合物、及び、炭素数4乃至6の直鎖両末端アルカンジオールを含み、下記一般式(II)で表される化合物の含有量A(質量%)が、4.0質量%以上12.0質量%以下であり、かつ、アルカンジオールの含有量B(質量%)に対する質量比率(A/B)で、2.5倍以上4.0倍以下である。
Figure 2015193792

【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較してその画像の堅牢性が低い。特に、記録物が、光、湿度、熱、空気中に存在するオゾンガスなどの環境ガスに長時間さらされた際に、記録物の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいといった問題がある。
ブラック色材を含有するインク(ブラックインク)を用いて記録した画像の褪色は、色材の劣化による色調の変化を伴うことが多い。また、ブラックインクはモノクロ画像及びフルカラー画像の両方に使用され、近年では光沢紙のみならず普通紙を用いた場合にも高い光学濃度を有する画像を記録可能であることが求められている。
ブラック色材については、分子構造のポリアゾ化が広く検討されている。例えば、2つのナフタレン環を有するトリスアゾ化合物や、含窒素ヘテロ環を有するトリスアゾ化合物に関する提案がある(特許文献1及び2参照)。また、電子吸引性基を有するテトラキスアゾ化合物、3つのナフタレン環を有するテトラキスアゾ化合物、及び含窒素ヘテロ環を有するテトラキスアゾ化合物に関する提案がある(特許文献3〜6参照)。
特開2003−201412号公報 国際公開第2007/077931号 国際公開第2005/108502号 国際公開第2005/097912号 国際公開第2006/051850号 特開2013−072061号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、特許文献1及び2で提案されたトリスアゾ化合物を含有するインクで記録した画像は、光学濃度と耐オゾン性の両立が不十分であることがわかった。例えば、特許文献1で提案されたトリスアゾ化合物は分子構造中に2つのナフタレン環を有するために共役系が伸びており、より長波長領域の光まで吸収することができる。このため、画像の光学濃度は向上するが、分子内の電子が非局在化していて酸化されやすいので、画像の耐オゾン性が不十分となる。
また、特許文献2で提案されたトリスアゾ化合物は、電子求引性の含窒素ヘテロ環が導入されているために酸化電位が高い。さらに、電子移動が抑制されているために酸化されにくく、画像の耐オゾン性が向上する。しかし、共役系の伸びが不十分であるため、吸収することができる長波長領域が狭められており、画像の光学濃度が不十分となる。
一方、テトラキスアゾ化合物を含有するインクは、トリスアゾ化合物を含有するインクと比べて、記録した画像の光学濃度が向上するが、分子構造によって光学濃度が異なる場合があることがわかった。例えば、特許文献3で提案されたテトラキスアゾ化合物は3つのナフタレン環を有するので、π電子が多く、最大吸収波長が長波長領域にシフトする。このため、画像の光学濃度はある程度向上するが、分子内の電子が非局在化していて酸化されやすいので、画像の耐オゾン性が不十分となる。
また、特許文献4で提案されたテトラキスアゾ化合物は含窒素ヘテロ環を有するため、画像の耐オゾン性は向上する。さらに、π電子が多く、最大吸収波長が長波長領域にシフトするので、画像の光学濃度も少しは向上する。しかし、特許文献4で提案されたテトラキスアゾ化合物を用いたインクであっても、記録される画像の光学濃度は依然として不十分であった。
特許文献5及び6で提案されたテトラキスアゾ化合物の一部は、トリスアゾ化合物に比べてπ電子が多く、最大吸収波長が長波長領域にシフトするので画像の光学濃度はある程度向上しやすい。さらに、特許文献5及び6で提案されたテトラキスアゾ化合物のうち、電子吸引性基を有する化合物を用いると、画像の耐オゾン性も向上する。しかし、特許文献5及び6で提案されたテトラキスアゾ化合物を用いたインクであっても、記録される画像の光学濃度についてはさらなる改良の余地があった。
本発明者らは、特許文献5及び6で提案されたテトラキスアゾ化合物のうち、耐オゾン性を高めやすい化合物として、電子吸引性基を有する化合物についての検討を行う過程において、この化合物特有の問題点を見出した。この色材は芳香環が少なく、また含窒素ヘテロ環も有しない。そのため、このような色材は分極しにくく、会合しにくい。このことに起因する問題として、この化合物を含有するインクで記録した画像を高湿度の環境で保存すると、水分によって色材が滲み出す現象が生じ、すなわち耐湿性が低下する場合があることを見出した。そこで、耐湿性を向上するための手法について検討したところ、その手法によっては、耐湿性は向上するものの、インクの耐固着性が低下する場合があることを見出した。
したがって、本発明の目的は、耐固着性に優れているとともに、光学濃度が高く、耐オゾン性及び耐湿性に優れた画像を記録可能なインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、色材及び水溶性有機溶剤を含有するインクジェット用のインクであって、前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物を含み、前記水溶性有機溶剤が、下記一般式(II)で表される化合物、及び、炭素数4乃至6の直鎖両末端アルカンジオールを含み、インク全質量を基準とした、下記一般式(II)で表される化合物の含有量A(質量%)が、4.0質量%以上12.0質量%以下であり、かつ、前記アルカンジオールの含有量B(質量%)に対する質量比率(A/B)で、2.5倍以上4.0倍以下であることを特徴とするインクが提供される。
Figure 2015193792
(前記一般式(I)中、R1及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、アルキルスルホニル基、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表し、R2は、水素原子、又はスルホン酸基を表し、nは、0又は1を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
4−[A]−R5 ・・・(II)
(前記一般式(II)中、−[A]−は、−S−又は−S(=O)2−を表し、R4及びR5は、それぞれ独立に、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す)
本発明によれば、耐固着性に優れているとともに、光学濃度が高く、耐オゾン性及び耐湿性に優れた画像を記録可能なインクを提供することができる。また、本発明によれば、このインクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用のインクのことを、単に「インク」と記載することがある。また、本発明において、常温(20〜25℃)で固体であっても、水に溶解させて水溶液とした場合に、色材などの成分を溶解又は分散させる溶媒となりうるものであれば、水溶性有機溶剤に含まれるものとする。
ブラック色材の分子構造と画像の光学濃度とは、以下のような関係を有すると考えられる。一般的に、可視光領域(概ね380〜830nm)における光の反射率が低い画像は光学濃度が高く認識されやすい。また、CIE(国際照明委員会)により規定された「標準明所分光視感効率曲線」にあるように、人間が最も明るく感じる、すなわち光学濃度が低く感じる波長は、555nm付近である。すなわち、画像の光学濃度を高めるためには、可視光領域のなかでも、特に555nm付近の光の反射率が低い、すなわち、555nm付近の吸収特性の高いブラック色材を用いることが重要である。特許文献5及び6で提案された電子吸引性基を有するテトラキスアゾ化合物の最大吸収波長は、570nm付近である。一方、特許文献3で提案された3つのナフタレン環を有するテトラキスアゾ化合物の最大吸収波長は、640nm付近までシフトしている。さらに、特許文献4で提案された含窒素ヘテロ環を有するテトラキスアゾ化合物の最大吸収波長は、600nm付近である。このため、一般式(I)で表される化合物(電子吸引性基を有するテトラキスアゾ化合物)を用いると、他のテトラキスアゾ化合物を用いた場合と比べて、より光学濃度の高い画像を記録することができると考えられる。
普通紙などの記録媒体では色材(染料)が記録媒体の表面近傍に留まりにくいため、画像の光学濃度が低く見えやすい。このため、普通紙などの記録媒体に記録した画像の光学濃度の向上には、色材そのものの発色性の向上が重要である。また、記録した画像が長期間保存されることが多い、光沢紙などの記録媒体では、画像の耐オゾン性の向上が重要である。ブラック色材である一般式(I)で表される化合物を含有するインクを用いれば、耐オゾン性及び光学濃度に優れた画像を記録することができる。しかし、本発明者らが、一般式(I)で表される化合物を含有するインクを用いて記録した画像、及びインクの信頼性について検討したところ、先に述べたように、画像の耐湿性及びインクの耐固着性について課題を有することが判明した。
一般式(I)で表される化合物は、従来のブラック色材であるテトラキスアゾ化合物に比べて芳香環の数が少なく、かつ、含窒素ヘテロ環が導入されていない。これは、高い光学濃度を有する画像を記録可能とするために、最大吸収波長が555nm前後となる吸収特性を示すように設計されているからである。このような分子設計に起因して、一般式(1)で表される化合物は分極しにくい。したがって、一般式(1)で表される化合物は記録媒体のカチオン性成分(アルミナ及びその水和物、カチオン性樹脂、填料など)に吸着しにくい。また、一般式(1)で表される化合物は会合しにくいため、一般式(I)で表される化合物を含有するインクで記録した画像を高湿度の環境で保存すると、色材が移動しやすくなる。その結果、画像が滲むという現象が生ずると考えらえる。
このような状況の下、本発明者らは、一般式(I)で表される化合物を含有するインクで記録した画像の耐湿性を向上させるための検討を行った。まず、水溶性有機溶剤の種類が異なる複数のインクを調製して画像を記録し、得られた各画像を高湿度の環境で保存した。そして、保存前後の画像の滲みを観察した。その結果、水溶性有機溶剤として炭素数が4以上のアルカンジオールを用いた場合には、画像の滲みが抑制されることが判明した。本発明者らがさらに検討したところ、ヒドロキシ基を直鎖状の炭化水素鎖の両末端に有する炭素数4以上のアルカンジオールを用いることで、光学濃度を低下させることなく耐湿性が向上した画像を記録可能となることを見出した。この理由を本発明者らは以下のように推測している。
一般式(I)で表される化合物を含有するインクに、炭素数が4以上のアルカンジオールを使用しても、極性が低い水溶性有機溶剤である炭素数4以上のアルカンジオールは、インク中においては一般式(I)で表される化合物への作用が小さい。しかし、記録媒体に画像を記録した後は、水などの液体成分の蒸発に伴い、疎水性相互作用により、一般式(I)で表される化合物の近傍にアルカンジオールが存在しやすくなる。このため、近傍に存在する水和水が減少することによって一般式(I)で表される化合物が不安定化し、化合物の分子同士が集まってクラスターが形成される。一般式(I)で表される化合物によって形成されたクラスターは、一般式(I)で表される化合物に比べて分子サイズが大きいため、記録媒体内を移動しにくくなる。その結果、画像の耐湿性が向上すると考えられる。
一方、炭素数4未満のアルカンジオールやアルカントリオールを水溶性有機溶剤として用いると、アルカンジオールの極性が高いために十分な疎水効果を得ることができず、一般式(I)で表される化合物はクラスターを形成しにくくなる。このため、画像の耐湿性は向上しないと考えられる。また、ヒドロキシ基が炭化水素鎖の両末端に存在しないアルカンジオールや、分岐した炭化水素鎖を有するアルカンジオールを用いると、記録媒体へのインクの浸透性が高まるために画像の光学濃度が低下すると考えられる。
次に、本発明者らは、ヒドロキシ基を直鎖状の炭化水素鎖の両末端に有する炭素数4以上のアルカンジオールのみを水溶性有機溶剤として含有するインクを用いて種々の検討を行った。具体的には、調製した上記のインクをインクジェット記録装置に搭載して長期間放置した後、正常な吐出が可能となるまでの回復性について検討した。その結果、回復性が良好ではなく、正常に吐出できない場合があることがわかった。そして、正常に吐出できなかった記録ヘッドの吐出口を観察すると、吐出の回復操作を行ったにもかかわらず吐出口付近に色材の析出が認められた。すなわち、水溶性有機溶剤を単に画像の耐湿性を向上させる効果を有するという観点のみで選択して用いると、インクの耐固着性が著しく低下することが判明した。
なお、本発明における「インクの耐固着性が優れる」とは、以下のことを意味する。すなわち、インクを装置に搭載した状態で長期間放置した場合などに生じやすい吐出口付近に析出した色材などによる記録ヘッドの目詰まりに対して、正常な吐出が可能となるまでに回復する際に要する吐出の回復操作の回数が少なくて済むことを意味する。このため、「耐固着性に優れたインク」は、より少ない回復操作の回数で正常な吐出が可能となるものである。
そこで、本発明者らは、一般式(I)で表される化合物及びヒドロキシ基を直鎖状の炭化水素鎖の両末端に有する炭素数4以上のアルカンジオールと併用する水溶性有機溶剤について検討を行った。その結果、一般式(I)で表される化合物を含有するインクを調製する場合には、上記のアルカンジオールとともに、後述する一般式(II)で表される化合物を併用する必要があることを見出した。
一般式(II)で表される化合物のような含硫黄化合物は、一般的にπ電子をもった芳香環と強い相互作用を示す。具体的には、一般式(II)で表される化合物の硫黄原子のd軌道と、一般式(I)で表される化合物のπ電子との間で、強い相互作用が生じる。一般式(I)で表される化合物及び前記アルカンジオールを含有するインクを装置に搭載した状態で長期間放置すると、吐出口付近において水などの液体成分が蒸発することにより、一般式(I)で表される化合物がより多くのクラスターを形成する。ここで、一般式(II)で表される化合物をさらに含有するインクの場合、吐出口付近の水などの液体成分の量が微量であると、一般式(I)で表される化合物はクラスターに吸着すると考えられる。その結果、クラスターの成長が抑制されるとともに、形成されたクラスター同士の間に一般式(II)で表される化合物が存在することになる。このため、一般式(I)で表される化合物が析出した場合であっても、析出物の凝集性は低く、目詰まりが生じてもより少ない回復操作により正常な吐出が可能となる。
また、一般式(II)で表される化合物に代えて、一般式(I)で表される化合物の溶解性が高いグリセリン、トリエチレングリコール、2−ピロリドン、尿素などの水溶性有機溶剤を用いた場合について検討した。その結果、インクの耐固着性が改善する効果は、一般式(II)で表される化合物に比べて小さいことがわかった。特に、尿素などの高保湿性の水溶性有機溶剤を多く使用すると、耐固着性は改善されるものの、耐湿性が不十分となる。これは、高湿度の環境において尿素が水分を引き寄せやすく、この水分によって色材が移動しやすくなるためである。このことから、一般式(I)で表される化合物を含有するインクの耐固着性は、一般式(I)で表される化合物の溶解性を単に高めるだけでは改善しないことがわかった。そして、一般式(I)で表される化合物と強く相互作用することにより、クラスターの成長を抑制しうる水溶性有機溶剤を用いることが重要であることがわかった。
本発明者らは、ここまでの結論を踏まえた上でさらなる検討を行った結果、以下に示す構成が重要であることを見出した。すなわち、一般式(II)で表される化合物及び炭素数4乃至6の直鎖両末端アルカンジオールを適切な含有量及び質量比率で併用することにより、画像の耐湿性とインクの耐固着性を両立しうることを見出した。具体的には、一般式(II)で表される化合物の含有量A(質量%)が、4.0質量%以上12.0質量%以下であり、かつ、上記のアルカンジオールの含有量B(質量%)に対する質量比率(A/B)で、2.5倍以上4.0倍以下であればよいことを見出した。
一般式(II)で表される化合物の含有量A(質量%)が4.0質量%未満であると、一般式(I)で表される化合物のクラスターに対する吸着が不十分になる。このため、クラスターの成長を抑制することができず、インクの耐固着性が不十分となる。一方、一般式(II)で表される化合物の含有量A(質量%)が12.0質量%超であると、インクの耐固着性は十分であるが、上記のアルカンジオールによって一般式(I)で表される化合物のクラスター化が阻害される。このため、画像の耐湿性が不十分となる。
また、一般式(II)で表される化合物の含有量A(質量%)が、上記のアルカンジオールの含有量B(質量%)に対する質量比率(A/B)で、2.5倍未満であると、クラスターの成長を抑制することができず、インクの耐固着性が不十分となる。一方、一般式(II)で表される化合物の含有量A(質量%)が、上記のアルカンジオールの含有量B(質量%)に対する質量比率(A/B)で、4.0倍超であると、上記のアルカンジオールによって一般式(I)で表される化合物のクラスター化が阻害される。このため、画像の耐湿性が不十分となる。
さらに、炭素数4乃至6の直鎖両末端アルカンジオールに代えて、炭素数が6を超える直鎖両末端アルカンジオールを用いると、一般式(I)で表される化合物のクラスター形成が促進されてしまい、インクの耐固着性が不十分となる。
なお、一般式(II)で表される化合物及び炭素数4乃至6の直鎖両末端アルカンジオールを適切な含有量及び質量比率で用いても、特許文献6で提案された電子吸引性基を有するテトラキスアゾ化合物を用いた場合は、耐固着性が不十分であることがわかった。これは、上記のテトラキスアゾ化合物は、その構造に起因してクラスターの成長が急激に進みやすいためであると考えられる。
<インク>
以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性について詳細に説明する。
(色材)
[一般式(I)で表される化合物]
本発明のインクジェット用のインクは、下記一般式(I)で表される化合物を含む色材(染料)を含有する。インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量C(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上6.0質量%以下であることがさらに好ましい。特に、3.6質量%以上6.0質量%以下であることが好ましい。
Figure 2015193792
一般式(I)中、R1及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、アルキルスルホニル基、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。
N−アルキルアミノスルホニル基中のアルキル基の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。N−アルキルアミノスルホニル基としては、N−メチルアミノスルホニル基、N−エチルアミノスルホニル基、N−(n−ブチル)アミノスルホニル基、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−ジ(n−プロピル)アミノスルホニル基などを挙げることができる。
アルキルスルホニル基には、置換又は無置換のアルキルスルホニル基が含まれる。アルキルスルホニル基中のアルキル基の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。また、置換基としてはヒドロキシ基を挙げることができる。アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどの無置換アルキルスルホニル基;ヒドロキシエチルスルホニル、2−ヒドロキシプロピルスルホニルなどの置換アルキルスルホニル基などを挙げることができる。
アシル基には、脂肪族アシル基が含まれる。アシル基中のアルキル基の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。アシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルなどを挙げることができる。
アルキル基には、置換又は無置換のアルキル基、及び直鎖又は分岐鎖のアルキル基が含まれる。アルキル基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基(炭素数は1乃至4が好ましい)を挙げることができる。アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの無置換アルキル基;2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、2−エトキシエチル、n−プロポキシエチル、イソプロポキシエチル、n−ブトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、n−プロポキシプロピル、イソプロポキシブチル、n−プロポキシブチルなどの置換アルキル基などを挙げることができる。
アルコキシ基には、置換又は無置換のアルコキシ基が含まれる。アルコキシ基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。置換基としては、ヒドロキシ基、スルホン酸基、カルボン酸基を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの無置換アルコキシ基;2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、n−プロポキシエトキシ、イソプロポキシエトキシ、n−ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n−プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、n−プロポキシブトキシ、2−ヒドロキシエトキシエトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシなどの置換アルコキシ基などを挙げることができる。
アシルアミノ基には、脂肪族アシルアミノ基が含まれる。アシルアミノ基中のアルキルの炭素数は、1乃至4であることが好ましい。アシル基としては、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノなどを挙げることができる。
アルキルスルホニルアミノ基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。アルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
一般式(I)中、R2は、水素原子、又はスルホン酸基を表す。
一般式(I)中、nは、0又は1を表す。nが0である場合、一般式(I)中の該当する位置にスルホン酸基が結合しておらず、代わりに水素原子が結合していることを意味する。
一般式(I)中、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などを挙げることができる。本発明においては、一般式(I)中のMが、いずれもナトリウムであることが好ましい。
上記のカルボン酸基、スルホン酸基、及びホスホン酸基は、遊離酸型(H型)であってもよく、塩型であってもよい。カルボン酸基などが塩型である場合(塩を形成する場合)のカウンターイオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムのカチオンを挙げることができる。
一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。一般式(I)で表される化合物のなかでも、一般式(III)で表される化合物は溶解性が高い。このため、一般式(III)で表される化合物は耐固着性をより向上させることができる。
Figure 2015193792
一般式(III)中、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。一般式(I)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、以下に示す例示化合物1〜7を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(I)の構造及びその定義に包含されるものであれば、一般式(I)で表される化合物は以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも例示化合物1及び3が好ましく、例示化合物1がさらに好ましい。
Figure 2015193792
Figure 2015193792
インク全質量を基準とした、一般式(I)で表される化合物の含有量を「含有量C(質量%)」とする。また、インク全質量を基準とした、一般式(II)で表される化合物の含有量を「含有量A(質量%)」とする。さらに、インク全質量を基準とした、特定のアルカンジオールの含有量を「含有量B(質量%)」とする。この場合、含有量C(質量%)は、含有量A(質量%)及び含有量B(質量%)の合計に対する質量比率(C/(A+B))で、0.15倍以上1.00倍以下であることが好ましい。C/(A+B)が0.15倍未満であると、一般式(I)で表される化合物がクラスターを十分に形成しないため、画像の耐湿性を向上させる効果が弱まる場合がある。一方、C/(A+B)が1.00倍超であると、クラスターの成長を抑制しきれず、インクの耐固着性が低下する場合がある。
[その他の色材]
本発明のインクには、色材として、一般式(I)で表される化合物に加えて、その他の色材を含有させることができる。このような色材としては、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、ブルー、グリーン、及びブラックなどに分類されるいずれの色相のものを用いてもよい。その他の色材としては染料が好ましく、なかでもアニオン性染料が特に好ましい。その他の色材を使用する場合、インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)の、全色材に占める割合は、50.0質量%以上であることが好ましく、72.0%質量以上であることがさらに好ましい。また、前記上記の割合は、95.0質量%以下であることが好ましく、78.0質量%以下であることがさらに好ましい。このような割合とすることで、ブラックインクとして好ましいニュートラルな色調とすることができる。
また、その他の色材(染料)が、下記一般式(IV)で表される化合物であることが好ましい。インク全質量を基準とした、一般式(IV)で表される化合物の含有量(質量%)は、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上6.0質量%以下であることがさらに好ましい。また、一般式(I)で表される化合物及び一般式(IV)で表される化合物を色材として用いる場合、ぞれぞれの色材の含有量は以下のようにすることが好ましい。すなわち、インク全質量を基準とした、一般式(I)で表される化合物及び一般式(IV)で表される化合物の合計の含有量(質量%)は、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。また、1.0質量%以上6.0質量%以下であることがさらに好ましい。インク全質量を基準とした、一般式(I)で表される化合物の含有量C(質量%)は、一般式(IV)で表される化合物の含有量D(質量%)に対する質量比率(C/D)で、0.8倍以上18.0倍以下であることが好ましい。また、1.0倍以上5.0倍以下であることが好ましく、1.5倍以上3.5倍以下であることが特に好ましい。
Figure 2015193792
一般式(IV)で表される化合物を用いると、一般式(I)で表される化合物のみを色材として用いる場合と比較して、インクの耐固着性をより向上させることができる。この理由を本発明者らは以下のように推測している。水などの液体成分がインクから蒸発するのに伴い、一般式(I)で表される化合物はクラスターを形成し、さらには形成されたクラスター同士が引き寄せ合った後に析出する。この一連の過程において、一般式(I)で表される化合物と類似骨格を有する一般式(IV)で表される化合物が、一般式(I)で表される化合物のクラスターに配向すると考えられる。その結果、一般式(I)で表される化合物が析出した場合であっても、凝集性の低い析出物となり、少ない回復操作で正常な吐出に回復すると推測される。
一般式(IV)中、R6は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基には、置換又は無置換のアルキル基、及び直鎖又は分岐鎖のアルキル基が含まれる。アルキル基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基(炭素数は1乃至4が好ましい)を挙げることができる。アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの無置換アルキル基;2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、2−エトキシエチル、n−プロポキシエチル、イソプロポキシエチル、n−ブトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、n−プロポキシプロピル、イソプロポキシブチル、n−プロポキシブチルなどの置換アルキル基などを挙げることができる。
一般式(IV)中、R7は、カルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方を有する脂肪族アミン残基を表す。脂肪族アミン残基としては、アルキルの炭素数が1乃至5のアミン残基にカルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方が置換したものを挙げることができ、モノアルキルアミン残基、ジアルキルアミン残基などが好ましい。カルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方を有する脂肪族アミン残基としては、アミノ−炭素数1乃至5のアルキルカルボン酸、ジイミノ−炭素数1乃至5のアルキルカルボン酸、アミノ−炭素数1乃至5のアルキルスルホン酸、ジイミノ−炭素数1乃至5のアルキルスルホン酸などを挙げることができる。
一般式(IV)中、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などを挙げることができる。
なお、上記のカルボン酸基及びスルホン酸基は、遊離酸型(H型)であってもよく、塩型であってもよい。塩を形成する場合のカウンターイオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムのカチオンを挙げることができる。
一般式(IV)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、下記一般式(IV’)中のR7が表1に示す脂肪族アミン残基である例示化合物8〜19を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(IV)の構造及びその定義に包含されるものであれば、一般式(IV)で表される化合物は以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも例示化合物8、12、及び16が好ましい。
Figure 2015193792
Figure 2015193792
(一般式(II)で表される化合物)
本発明のインクは、下記一般式(II)で表される化合物を含む水溶性有機溶剤を含有する。インク全質量を基準とした、一般式(II)で表される化合物の含有量A(質量%)は、4.0質量%以上12.0質量%以下であり、好ましくは8.0質量%以上12.0質量%以下である。
4−[A]−R5 ・・・(II)
一般式(II)中、−[A]−は、−S−又は−S(=O)2−を表す。また、一般式(II)中、R4及びR5は、それぞれ独立に、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。アルキル基には、直鎖又は分岐鎖のアルキル基が含まれる。アルキル基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどを挙げることができる。また、ヒドロキシアルキル基には、直鎖又は分岐鎖のヒドロキシアルキル基が含まれる。ヒドロキシアルキル基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基などを挙げることができる。
一般式(II)で表される化合物の具体例としては、ジメチルスルホン、(2−ヒドロキシエチル)メチルスルホン、チオジグリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホキシド、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンなどを挙げることができる。本発明においては、一般式(II)で表される化合物として、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンを用いることが好ましい。ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンは、電子吸引性が特に高いスルホニル基を有するため、一般式(I)で表される化合物がクラスターを形成して析出する一連の過程において、クラスターへの吸着性が特に高い。このため、析出した場合であっても、凝集性の低い析出物となるので、少ない回復操作で正常な吐出に回復させることができる。
(炭素数4乃至6の直鎖両末端アルカンジオール)
本発明のインクに含有させる水溶性有機溶剤は、一般式(II)で表される化合物とともに炭素数4乃至6の直鎖両末端アルカンジオール(以下、「特定のアルカンジオール」とも記す)を含む。インク全質量を基準とした、特定のアルカンジオールの含有量B(質量%)は、1.0質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
上記特定のアルカンジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールを挙げることができる。なかでも、1,5−ペンタンジオールが好ましい。1,5−ペンタンジオールを用いることで、さらに高い光学濃度を有する画像を記録可能なインクとすることができる。この理由を本発明者らは以下のように推測している。
前述の通り、インク中の水などの液体成分の減少に伴い、特定のアルカンジオールは一般式(I)で表される化合物の近傍に存在することとなり、一般式(I)で表される化合物のクラスターの形成を促進させる。アルカンジオールの炭素数が多く、疎水性が高いほど、一般式(I)で表される化合物のクラスターの形成を促進させる効果は大きい。但し、アルカンジオールは一般式(I)で表される化合物に疑似的に吸着するため、一般式(I)で表される化合物の親水性は高まることになる。その結果、このようなインクを用いて記録すると、一般式(I)で表される化合物が記録媒体に浸透してしまい、画像の光学濃度が低下すると考えられる。一方、アルカンジオールの炭素数が少なく、疎水性が低いほど、一般式(I)で表される化合物のクラスターの形成を促進させる効果は小さく、画像の耐湿性は低下する傾向にある。以上のことから、特定のアルカンジオールのなかでも、1,5−ペンタンジオールは一般式(I)で表される化合物に対して絶妙な位置に存在することとなるため、光学濃度を低下させることなく、画像の耐湿性を向上させることができると考えられる。
なお、特許文献3及び4で提案されたトリスアゾ化合物を色材として用いた場合、水溶性有機溶剤として1,5−ペンタンジオールを併用しても、1,5−ペンタンジオールはこれらの色材に吸着しやすいので、画像の光学濃度は低下してしまう。すなわち、1,5−ペンタンジオールは、一般式(I)で表される化合物と組み合わせた場合に上記の特有の効果を生じさせる。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。本発明においては、水性媒体として少なくとも水を含有する、水性のインクとすることが好ましい。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、上記のアルカンジオール及び一般式(II)で表される化合物以外に、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。なお、水溶性有機溶剤の含有量は、一般式(II)で表される化合物及び炭素数4乃至6の直鎖両末端アルカンジオールの含有量を含む値である。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、高いレベルのインクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
(その他のインク)
フルカラーの画像などを形成するために、本発明のインクと、本発明のインクとは別の色相を有するその他のインクとを組み合わせて用いることができる。その他のインクとしては、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、レッドインク、グリーンインク、及びブルーインクからなる群より選択される少なくとも一種のインクを挙げることができる。また、これらのインクと実質的に同一の色相を有する、いわゆる淡インクをさらに組み合わせて用いることもできる。その他のインクや淡インクに用いられる色材は、公知の染料であっても、新規に合成された染料であってもよい。
(インクの物性)
本発明のインクの25℃における表面張力は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上60mN/m以下であることがさらに好ましく、30mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。インクの表面張力を上記した範囲内とすることで、インクジェット方式に適用した際に吐出口近傍の濡れによる吐出よれ(インクの着弾点のズレ)などの発生を有効に抑制することが可能となる。インクの表面張力は、インク中の界面活性剤や水溶性有機溶剤などの含有量を適宜設定することで調整することができる。また、インクジェット方式の記録ヘッドの吐出口から吐出する際に良好な吐出特性が得られるように、インクの粘度を調整することが好ましい。本発明のインクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・sであることが好ましく、1.0mPa・s以上3.0mPa・s以下であることがさらに好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の合成>
(化合物A)
特許文献5の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(1)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物A」と記載する)を得た。
Figure 2015193792
(化合物B)
特許文献5の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(2)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物B」と記載する)を得た。
Figure 2015193792
(化合物C)
特許文献5の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(3)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物C」と記載する)を得た。
Figure 2015193792
(化合物D)
特許文献3の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(4)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物D」と記載する)を得た。
Figure 2015193792
(化合物E)
特許文献4の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(5)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物E」と記載する)を得た。
Figure 2015193792
(化合物F)
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(6)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物F」と記載する)を得た。
Figure 2015193792
(化合物G)
特許文献2の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(7)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物G」と記載する)を得た。
Figure 2015193792
(化合物H)
特許文献6の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(8)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物H」と記載する)を得た。
Figure 2015193792
(化合物I)
国際公開第2006/001274号の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(9)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩の化合物(この化合物を「化合物I」と記載する)を得た。
Figure 2015193792
<インクの調製>
表2の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。なお、表2中の「アセチレノールE100」(川研ファインケミカル製)及び「サーフィノール105」(日信化学製)は、ノニオン性界面活性剤の商品名である。また、表2の下段には、インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量C(%)、一般式(II)で表される化合物の含有量A(%)、炭素数4乃至6の直鎖両末端アルカンジオール(「特定のアルカンジオール」と表記)の含有量B(%)を示した。さらに、表2の下段には、A/Bの値及びC/(A+B)の値を示した。
Figure 2015193792
Figure 2015193792
Figure 2015193792
Figure 2015193792
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/2400インチ×1/1200インチの単位領域に2.5pLのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。光学濃度及び耐オゾン性の評価の際には、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で光学濃度を測定した。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「C」を許容できないレベル、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベルとした。評価結果を表3に示す。
(光学濃度)
上記のインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(普通紙、商品名「PB PAPER」、キヤノン製)に、記録デューティが100%であるベタ画像を記録した。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した。得られた光学濃度の値から、以下に示す評価基準にしたがって光学濃度を評価した。
AA:光学濃度が1.30以上であった。
A:光学濃度が1.25以上1.30未満であった。
B:光学濃度が1.15以上1.25未満であった。
C:光学濃度が1.20未満であった。
(耐オゾン性)
上記のインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(光沢紙、商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド」、キヤノン製)に、記録デューティが50%であるベタ画像を記録した。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐オゾン性試験前の光学濃度)。この記録物をオゾン試験装置(商品名「OMS−H」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度23℃、相対湿度50%、オゾンガス濃度10ppmで24時間、オゾン曝露を行った。その後、記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐オゾン性試験後の光学濃度)。得られた耐オゾン性試験前の光学濃度及び耐オゾン性試験後の光学濃度の値から、光学濃度の残存率=耐オゾン性試験後の光学濃度/耐オゾン性試験前の光学濃度×100%を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐オゾン性を評価した。なお、光学濃度の残存率は、上記分光光度計を用いて測定される、ブラック成分、イエロー成分、マゼンタ成分、及びシアン成分のそれぞれについて算出し、最も低い値を評価に用いた。
A:光学濃度の残存率が68%以上であった。
B:光学濃度の残存率が60%以上68%未満であった。
C:光学濃度の残存率が60%未満であった。
(耐湿性)
上記のインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(光沢紙、商品名「キヤノン写真用紙・光沢 プロ [プラチナグレード]」、キヤノン製)に、記録デューティが100%であるベタ画像を記録した。得られた記録物を、温度23℃、相対湿度55%の環境で24時間乾燥させた後、ベタ画像の滲みの状態を目視で確認した(耐湿性試験前の状態)。その後、この記録物を、温度25℃、相対湿度85%の環境に1週間載置し、さらに、温度23℃、相対湿度55%の環境に24時間載置した後、ベタ画像の滲みの状態を目視で確認した(耐湿性試験後の状態)。そして、耐湿性試験前後の状態を比較し、以下に示す評価基準にしたがって耐湿性を評価した。
A:耐湿性試験前後で、ベタ画像の滲みの状態が同等であった。
B:耐湿性試験前と比較すると、耐湿性試験後のベタ画像は滲んでいたが輪郭は乱れていなかった。
C:耐湿性試験前と比較すると、耐湿性試験後のベタ画像は滲んでいて輪郭も乱れていた。
(耐固着性)
各インクが充填されたインクカートリッジを、上記のインクジェット記録装置のヘッドカートリッジに装着して、記録ヘッドの吐出口までインクを満たした。その後、インクジェット記録装置からヘッドカートリッジを取り外し、吐出口を露出させた状態で、温度35℃、相対湿度10%の環境に2週間載置した。その後、再びヘッドカートリッジをインクジェット記録装置に装着した。そして、回復操作を所定の回数行った後のインクの吐出状態を確認し、以下に示す評価基準にしたがって耐固着性を評価した。なお、回復操作は、インクジェット記録装置の「プリントヘッドのクリーニング」のことである。
A:4回以下の回復操作で全ての吐出口が正常に吐出できる状態に回復した。
B:5回の回復操作で全ての吐出口が正常に吐出できる状態に回復した。
C:6回以上の回復操作を行っても正常に吐出できない吐出口があった。
Figure 2015193792
なお、実施例2及び10の耐固着性は、他のAランクのものと比較して相対的に低かった。

Claims (8)

  1. 色材及び水溶性有機溶剤を含有するインクジェット用のインクであって、
    前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物を含み、
    前記水溶性有機溶剤が、下記一般式(II)で表される化合物、及び、炭素数4乃至6の直鎖両末端アルカンジオールを含み、
    インク全質量を基準とした、下記一般式(II)で表される化合物の含有量A(質量%)が、4.0質量%以上12.0質量%以下であり、かつ、前記アルカンジオールの含有量B(質量%)に対する質量比率(A/B)で、2.5倍以上4.0倍以下であることを特徴とするインク。
    Figure 2015193792
    (前記一般式(I)中、R1及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、アルキルスルホニル基、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表し、R2は、水素原子、又はスルホン酸基を表し、nは、0又は1を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
    4−[A]−R5 ・・・(II)
    (前記一般式(II)中、−[A]−は、−S−又は−S(=O)2−を表し、R4及びR5は、それぞれ独立に、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す)
  2. 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(III)で表される化合物である請求項1に記載のインク。
    Figure 2015193792
    (前記一般式(III)中、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
  3. インク全質量を基準とした、前記一般式(I)で表される化合物の含有量C(質量%)が、前記一般式(II)で表される化合物の含有量A(質量%)及び前記アルカンジオールの含有量B(質量%)の合計に対する質量比率(C/(A+B))で、0.15倍以上1.00倍以下である請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記一般式(II)で表される化合物が、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク。
  5. 前記アルカンジオールが、1,5−ペンタンジオールである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク。
  6. 前記色材が、さらに、下記一般式(IV)で表される化合物を含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインク。
    Figure 2015193792
    (前記一般式(IV)中、R6は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、R7は、カルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方を有する脂肪族アミン残基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
  7. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  8. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2015022887A 2014-03-24 2015-02-09 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Active JP6385289B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015022887A JP6385289B2 (ja) 2014-03-24 2015-02-09 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014060735 2014-03-24
JP2014060735 2014-03-24
JP2015022887A JP6385289B2 (ja) 2014-03-24 2015-02-09 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015193792A true JP2015193792A (ja) 2015-11-05
JP2015193792A5 JP2015193792A5 (ja) 2018-02-08
JP6385289B2 JP6385289B2 (ja) 2018-09-05

Family

ID=52626950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015022887A Active JP6385289B2 (ja) 2014-03-24 2015-02-09 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9453138B2 (ja)
EP (1) EP2924082B1 (ja)
JP (1) JP6385289B2 (ja)
CN (1) CN104946020B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015019702A1 (ja) * 2013-08-08 2017-03-02 日本化薬株式会社 水性インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体
US11827034B2 (en) 2020-12-10 2023-11-28 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording method and ink jet recording apparatus

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6827747B2 (ja) 2015-10-30 2021-02-10 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
US10240053B2 (en) 2017-03-24 2019-03-26 Canon Kabushiki Kaisha Aqueous ink, ink cartridge, and ink jet recording method
US11833838B2 (en) 2020-07-22 2023-12-05 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording method and ink jet recording apparatus
US11827033B2 (en) 2020-07-22 2023-11-28 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording method and ink jet recording apparatus
US11654693B2 (en) 2020-12-08 2023-05-23 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording method and ink jet recording apparatus

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006051850A1 (ja) * 2004-11-12 2006-05-18 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha アゾ化合物、インク組成物及び着色体
JP2009256601A (ja) * 2008-03-19 2009-11-05 Canon Inc インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP2014015600A (ja) * 2012-06-15 2014-01-30 Canon Inc インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2014051648A (ja) * 2012-08-09 2014-03-20 Canon Inc インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

Family Cites Families (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003089752A (ja) 2001-03-23 2003-03-28 Canon Inc 刺激応答性ポリマーを含む組成物、それを含むインク組成物、並びに該インク組成物を用いた画像形成方法および装置
US7004579B2 (en) 2001-07-10 2006-02-28 Canon Kabushiki Kaisha Ink composition containing a polymer complex, and an image formation method and equipment using the ink composition
JP3595805B2 (ja) 2001-08-07 2004-12-02 キヤノン株式会社 刺激応答性組成物、並びに該組成物を用いた画像形成方法および装置
JP2003201412A (ja) 2001-10-26 2003-07-18 Orient Chem Ind Ltd 新規トリスアゾ化合物
JP4208841B2 (ja) 2002-07-03 2009-01-14 キヤノン株式会社 ブロックポリマー化合物、それを含有するポリマー含有組成物、それを用いた画像形成方法および画像形成装置
JP4367925B2 (ja) 2003-05-08 2009-11-18 キヤノン株式会社 ブロックポリマー、それを用いた組成物、画像記録方法および画像記録装置
JP4455143B2 (ja) 2003-05-08 2010-04-21 キヤノン株式会社 ブロックポリマー、記録材料、画像記録方法及び画像記録装置
JP4708731B2 (ja) 2003-05-27 2011-06-22 キヤノン株式会社 液体組成物のセット、それを用いた液体付与方法および液体付与装置
JP2005036185A (ja) 2003-06-25 2005-02-10 Canon Inc ブロックポリマー、それを含有するポリマー含有組成物、インク組成物、及び前記ポリマー含有組成物を用いた液体付与方法および液体付与装置
JP4803977B2 (ja) 2003-08-05 2011-10-26 キヤノン株式会社 機能物質内包構造体及び機能物質分散組成物
JP4649140B2 (ja) 2003-08-05 2011-03-09 キヤノン株式会社 ブロックポリマー
JP4776892B2 (ja) 2003-10-31 2011-09-21 キヤノン株式会社 化合物、その高分子化合物、該高分子化合物を用いた組成物、記録材料、画像形成方法及び装置
US7328991B2 (en) 2003-11-11 2008-02-12 Canon Kabushiki Kaisha Ink and ink-applying process and apparatus using the same
US7601790B2 (en) 2004-01-15 2009-10-13 Canon Kabushiki Kaisha Amphiphilic block copolymer, polymer-containing composition containing the same, and method and apparatus for applying liquid using the polymer-containing composition
US7538147B2 (en) 2004-03-05 2009-05-26 Canon Kabushiki Kaisha Image forming method, pattern forming method and liquid-applying apparatus which make use of liquid compositions
WO2005097912A1 (ja) 2004-04-09 2005-10-20 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha アゾ化合物、インク組成物及び着色体
JP2005320428A (ja) 2004-05-07 2005-11-17 Canon Inc 高分子化合物、その製造方法、ポリマー含有組成物、インク付与方法及びインク付与装置
WO2005108507A1 (en) 2004-05-07 2005-11-17 Canon Kabushiki Kaisha Composition, image-forming method employing the composition, and method for forming electroconductive pattern
US7423075B2 (en) 2004-05-07 2008-09-09 Canon Kabushiki Kaisha Polymer, polymer-containing composition containing the same, ink composition, and ink applying method, image forming method and image forming apparatus which make use of ink composition
KR20070005009A (ko) 2004-05-10 2007-01-09 니폰 가야꾸 가부시끼가이샤 테트라키스아조 화합물, 기록용 색소, 잉크 조성물 및착색체
US7427319B2 (en) 2004-06-23 2008-09-23 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Azo compound, ink composition, and colored object
JP2006312724A (ja) 2005-04-05 2006-11-16 Canon Inc 高分子化合物を含有する組成物、画像形成方法及び装置
US8167991B2 (en) 2006-01-06 2012-05-01 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Trisazo compound, ink composition, recording method, and colored article
US7918928B2 (en) 2007-02-09 2011-04-05 Canon Kabushiki Kaisha Pigment ink, ink jet recording method, ink cartridge, recording unit and ink jet recording apparatus
JP5995396B2 (ja) 2008-08-08 2016-09-21 キヤノン株式会社 インクセット、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP5610722B2 (ja) 2008-08-08 2014-10-22 キヤノン株式会社 インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP5517515B2 (ja) 2008-08-08 2014-06-11 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、インクセット及びインクジェット記録装置
JP5787482B2 (ja) 2009-01-22 2015-09-30 キヤノン株式会社 インクジェット記録用インク及びインクジェット画像形成方法
JP5852301B2 (ja) 2009-07-02 2016-02-03 キヤノン株式会社 クリアインク、インクジェット記録方法、インクセット、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
US8764178B2 (en) * 2010-06-22 2014-07-01 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording method and ink jet recording apparatus
JP5882628B2 (ja) 2010-08-31 2016-03-09 キヤノン株式会社 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP5950512B2 (ja) 2010-08-31 2016-07-13 キヤノン株式会社 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
US8882255B2 (en) 2011-06-10 2014-11-11 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet ink and ink jet recording method
JP2013072061A (ja) 2011-09-29 2013-04-22 Nippon Kayaku Co Ltd アゾ化合物、インク組成物及び着色体
US8871013B2 (en) 2012-04-13 2014-10-28 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge and ink jet recording method
US8986435B2 (en) 2012-04-13 2015-03-24 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge and ink jet recording method
EP2671928B1 (en) 2012-06-06 2015-08-05 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge and ink jet recording process
JP6210778B2 (ja) 2012-09-05 2017-10-11 キヤノン株式会社 インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006051850A1 (ja) * 2004-11-12 2006-05-18 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha アゾ化合物、インク組成物及び着色体
JP2009256601A (ja) * 2008-03-19 2009-11-05 Canon Inc インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP2014015600A (ja) * 2012-06-15 2014-01-30 Canon Inc インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2014051648A (ja) * 2012-08-09 2014-03-20 Canon Inc インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015019702A1 (ja) * 2013-08-08 2017-03-02 日本化薬株式会社 水性インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体
US11827034B2 (en) 2020-12-10 2023-11-28 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording method and ink jet recording apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
US20150267065A1 (en) 2015-09-24
CN104946020A (zh) 2015-09-30
JP6385289B2 (ja) 2018-09-05
CN104946020B (zh) 2017-09-05
US9453138B2 (en) 2016-09-27
EP2924082A1 (en) 2015-09-30
EP2924082B1 (en) 2017-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6385289B2 (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP4577265B2 (ja) 黒色インク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP6108893B2 (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
US20070181034A1 (en) Dye sets for inkjet imaging and ink sets using the same
JP4581364B2 (ja) インク組成物、インクジェット記録方法及び記録物
JP2008231309A (ja) インクジェット記録用インクセット
JP4761022B2 (ja) インク組成物、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
US20080072789A1 (en) Ink-Jet Ink Set
JP6584548B2 (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP3326705B2 (ja) インクジェット記録用インク
US10851256B2 (en) Inkjet printing method and inkjet printing apparatus
JP6132951B2 (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP7071138B2 (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
US20080072787A1 (en) Ink-Jet Ink Set
JP2018095754A (ja) 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2015183094A (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP4595341B2 (ja) インク組成物、インクジェット記録方法及び記録物
JP6345329B2 (ja) インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2017222825A (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2011111607A (ja) インクジェット記録用水性インク、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP2016204448A (ja) 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP5871200B2 (ja) インク組成物
JP2016060794A (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2018095753A (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2014051545A (ja) インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171220

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180710

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180807

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6385289

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151