JP2016204448A - 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較してその画像の堅牢性が低い。特に、記録物が、光、湿度、熱、空気中に存在するオゾンガスなどの環境ガスに長時間さらされた際に、記録物の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいなどの問題がある。
ブラック色材を含有するインク(ブラックインク)を用いて記録した画像の褪色は、色材の劣化による色調の変化を伴うことが多い。また、ブラックインクはモノクロ画像及びフルカラー画像の両方に使用され、近年では光沢紙のみならず普通紙を用いた場合にも高い光学濃度を有する画像を記録可能であることが求められている。また、近年は様々な使用期間の観点から、インクを長期間の保存後も問題なく使用できることが求められており、インクの保存安定性への要求が高まっている。
ブラック色材については、分子構造のポリアゾ化が広く検討されている。例えば、電子吸引性基を有するテトラキスアゾ化合物、及び3つのナフタレン環を有するテトラキスアゾ化合物、及び含窒素ヘテロ環を有するテトラキスアゾ化合物に関する提案がある(特許文献1及び2参照)。
本発明者らは、画像の耐オゾン性と普通紙における発色性を高めるために、特許文献1に開示された色材について検討した。その結果、本発明者らは、特許文献1に開示された色材の一部では、記録された画像の耐オゾン性と普通紙における発色性は所望のレベルを満足しうるものの、保存後のインクの吐出安定性が低下するという別の課題が発生することを見出した。
したがって、本発明の目的は、保存後のインクの吐出安定性に優れると共に、光学濃度が高く、耐オゾン性に優れた画像を記録可能な水性インクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、色材及び界面活性剤を含有するインクジェット用の水性インクであって、前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物を含み、前記界面活性剤が、グリフィン法により求められるHLB値が12.9以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含むことを特徴とする水性インクが提供される。
(前記一般式(I)中、R1及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表し、R2は、水素原子又はスルホン酸基を表し、nは、0又は1を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
本発明によれば、保存後のインクの吐出安定性に優れると共に、光学濃度が高く、耐オゾン性に優れた画像を記録可能な水性インクを提供することができる。また、本発明によれば、この水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。
ブラック色材の分子構造と画像の光学濃度とは、以下のような関係を有すると考えられる。一般的に、可視光領域(概ね380nm以上830nm以下)における光の反射率が低い画像は光学濃度が高く認識されやすい。また、CIE(国際照明委員会)により規定された「標準明所分光視感効率曲線」にあるように、人間が最も明るく感じる、すなわち光学濃度が低く感じる波長は、555nm付近である。すなわち、画像の光学濃度を高めるためには、可視光領域のなかでも、特に555nm付近の光の反射率が低い、すなわち、555nm付近の吸収特性の高いブラック色材を用いることが重要である。特許文献1で提案された電子吸引性基を有するテトラキスアゾ化合物の最大吸収波長は、570nm付近である。一方、特許文献2で提案された3つのナフタレン環を有するテトラキスアゾ化合物の最大吸収波長は、640nm付近までシフトしている。このため、一般式(I)で表される化合物(電子吸引性基を有するテトラキスアゾ化合物)を用いると、他のテトラキスアゾ化合物を用いた場合と比べて、より光学濃度の高い画像を記録することができると考えられる。
普通紙などの記録媒体では色材(染料)が記録媒体の表面近傍に留まりにくいため、画像の光学濃度が低く見えやすい。このため、普通紙などの記録媒体に記録した画像の光学濃度の向上には、色材そのものの発色性の向上が重要である。また、光沢紙などの記録媒体では、記録した画像が長期間保存されることが多いため、画像の耐オゾン性の向上が重要である。ブラック色材である一般式(I)で表される化合物を含有するインクを用いれば、耐オゾン性及び光学濃度に優れた画像を記録することができる。しかし、本発明者らが、一般式(I)で表される化合物を含有するインクを用いて記録した画像、及びインクの信頼性について検討したところ、上述したように、保存後のインクを用いると、吐出安定性の低下が発生することが判明した。
一般式(I)で表される化合物は、分子の平面性が高く分子同士が凝集し易いと考えられる。そのため、長期間にわたってインク状態で保存された場合には、分子同士の凝集が加速され、その結果、記録ヘッドのインク流路やフィルターなどに凝集物が溜まる。この凝集物の影響により、インクの吐出安定性の低下が発生すると本発明者らは考えている。
このような状況の下、本発明者らは、所定期間保存した後であっても、一般式(I)で表される化合物を含有するインクの吐出安定性を向上させるための検討を行った。その結果、界面活性剤として、グリフィン法によるHLB値が12.9以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いた場合には、吐出安定性の低下が抑制されることが判明した。本発明者らはこの理由を以下のように推測している。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは直鎖構造を有しているため、他種の界面活性剤と比較して平面構造をとりやすい。そのため、一般式(I)で表される化合物同士が凝集する前に、その化合物の分子間にポリオキシエチレンアルキルエーテルが侵入し易いと考えられる。その結果、一般式(I)で表される化合物同士が凝集することを抑制しているものと推測される。これに加えて、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLB値が12.9以上であり親水性が高いため、一般式(I)で表される化合物を水になじませる作用を発揮すると考えられる。
これまでに述べてきたように、一般式(I)で表される化合物の構造に対して、使用する界面活性剤の構造とHLB値の双方が重要である。本発明では、HLB値が12.9以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用することで、保存後においても吐出安定性に優れ、光学濃度が高く、耐オゾン性に優れた高品質な画像を記録可能なインクを得ることができる。
<インク>
本発明のインクジェット用の水性インクは、色材及び界面活性剤を含有する。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性について詳細に説明する。
本発明のインクジェット用の水性インクは、色材及び界面活性剤を含有する。以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性について詳細に説明する。
(色材)
本発明のインクジェット用の水性インクは、下記一般式(I)で表される化合物を含む色材(染料)を含有する。
本発明のインクジェット用の水性インクは、下記一般式(I)で表される化合物を含む色材(染料)を含有する。
一般式(I)中、R1及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。
N−アルキルアミノスルホニル基中のアルキル部分の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。N−アルキルアミノスルホニル基としては、N−メチルアミノスルホニル基、N−エチルアミノスルホニル基、N−(n−ブチル)アミノスルホニル基、N,N−ジメチルアミノスルホニル基、N,N−ジ(n−プロピル)アミノスルホニル基などを挙げることができる。
アルキルスルホニル基には、置換又は無置換のアルキルスルホニル基が含まれる。アルキルスルホニル基中のアルキル基の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。また、置換基としてはヒドロキシ基を挙げることができる。アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどの無置換アルキルスルホニル基;ヒドロキシエチルスルホニル、2−ヒドロキシプロピルスルホニルなどの置換アルキルスルホニル基などを挙げることができる。
アシル基には、脂肪族アシル基が含まれる。アシル基中のアルキル部分の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。アシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルなどを挙げることができる。
ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい、炭素数1乃至4のアルキル基には、置換又は無置換のアルキル基、及び直鎖又は分岐鎖のアルキル基が含まれる。ここで、炭素数1乃至4のアルキル基における炭素数は、無置換の場合の炭素数をいう。したがって、炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換された炭素数1乃至4のアルキル基としては、その基全体で炭素数が4を超えていてもよい。アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの無置換アルキル基;2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、2−エトキシエチル、n−プロポキシエチル、イソプロポキシエチル、n−ブトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、n−プロポキシプロピル、イソプロポキシブチル、n−プロポキシブチルなどの置換アルキル基などを挙げることができる。
炭素数1乃至4のアルコキシ基には、置換又は無置換のアルコキシ基が含まれ、アルコキシ基中のアルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい。ここで、炭素数1乃至4のアルコキシ基における炭素数は、無置換の場合の炭素数をいう。したがって、アルコキシ基中のアルキル部分が置換された炭素数1乃至4のアルコキシ基としては、その基全体で炭素数が4を超えていてもよい。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの無置換アルコキシ基;2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシプロポキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、n−プロポキシエトキシ、イソプロポキシエトキシ、n−ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n−プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、n−プロポキシブトキシ、2−ヒドロキシエトキシエトキシ、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、3−スルホプロポキシ、4−スルホブトキシなどの置換アルコキシ基などを挙げることができる。
アシルアミノ基には、脂肪族アシルアミノ基が含まれる。アシルアミノ基中のアルキルの炭素数は、1乃至4であることが好ましい。アシル基としては、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノなどを挙げることができる。
アルキルスルホニルアミノ基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。アルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
一般式(I)中、R2は、水素原子又はスルホン酸基を表す。
一般式(I)中、nは、0又は1を表す。nが0である場合、一般式(I)中の該当する位置にスルホン酸基が結合しておらず、代わりに水素原子が結合していることを意味する。
一般式(I)中、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などを挙げることができる。本発明においては、一般式(I)中のMが、いずれもナトリウムであることが好ましい。
上記のカルボン酸基、スルホン酸基、及びホスホン酸基は、遊離酸型(H型)であってもよく、塩型であってもよい。カルボン酸基などが塩型である場合(塩を形成する場合)のカウンターイオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムのカチオンを挙げることができる。
一般式(I)中、R1、R2及びR3はスルホン酸基であることがより好ましい。また、一般式(I)中、nは1であることがより好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(II)中、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。一般式(II)中のMの具体例は、前述の一般式(I)中のMの具体例と同様である。
一般式(I)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、以下に示す例示化合物1乃至4を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(I)の構造及びその定義に包含されるものであれば、一般式(I)で表される化合物は以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも例示化合物1及び3がより好ましく、例示化合物1がさらに好ましい。
インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上6.0質量%以下であることがさらに好ましい。
なお、本発明のインクには、本発明の目的を損なわない限りにおいて、色材として、一般式(I)で表される化合物のほかに、一般式(I)で表される化合物以外の染料や顔料が含まれていてもよい。
(界面活性剤)
本発明のインクは、グリフィン法により求められるHLB値が12.9以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む界面活性剤を含有する。本発明のインクは、HLB値が12.9以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、前記一般式(I)で表される化合物とを含むことを特徴とする。このため、そのインクを数日さらには数週間などの長期間(例えば168時間(一週間)、336時間(二週間))保存した後においても、吐出安定性の低下が抑制され、光学濃度が高く、耐オゾン性に優れた画像を得ることができる。
本発明のインクは、グリフィン法により求められるHLB値が12.9以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含む界面活性剤を含有する。本発明のインクは、HLB値が12.9以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、前記一般式(I)で表される化合物とを含むことを特徴とする。このため、そのインクを数日さらには数週間などの長期間(例えば168時間(一週間)、336時間(二週間))保存した後においても、吐出安定性の低下が抑制され、光学濃度が高く、耐オゾン性に優れた画像を得ることができる。
グリフィン法により求められるHLB値の上限は後述する通り20.0であり、本発明のインクに使用可能なポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLB値の上限も20.0である。
グリフィン法によるHLB値は、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の親水性基(エチレンオキサイド基)の式量と、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の分子量とから、下記式(1)により算出される。HLB値は、界面活性剤の親水性や親油性の程度を、0.0から20.0の範囲で示すものである。HLB値が低いほど界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の親油性(疎水性)が高いことを示す。一方、HLB値が高いほど界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の親水性が高いことを示す。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、R−O−(CH2CH2O)nHで表される構造を有する。この構造式中、Rは炭化水素基を表し、nは正の整数を表す。疎水性基であるRで表される炭化水素基の炭素数は、例えば8乃至20が好ましく、より好ましくは10乃至18、さらに好ましくは12乃至16である。なお、炭化水素基は、不飽和の炭素結合を有していてもよいが、飽和炭化水素基であることが好ましい。また、炭化水素基は、分岐鎖を有していてもよいが、直鎖構造を有することが好ましい。Rで表される炭化水素基としては、例えば、セチル基、ラウリル基、パルミトレイル基、ステアリル基、オレイル基、リノレイル基、ミリストレイル基などを挙げることができる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルを表す前記構造式中、親水性基であるエチレンオキサイド基の数(付加モル数)nは、特に限定されず、Rの種類とHLB値との関係から決定すればよい。本発明では、nは、例えば2以上100以下が好ましく、より好ましくは4以上50以下、さらに好ましくは8以上30以下である。
HLB値12.9以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルとして、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、又はポリオキシエチレンオレイルエーテルを用いることが好ましい。なかでも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、又はポリオキシエチレンセチルエーテルがより好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量は、インク全質量を基準として、0.01質量%以上2.00質量%以下が好ましく、より好ましくは0.02質量%以上1.50質量%以下である。さらに好ましくは0.10質量%以上1.00質量%以下である。ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が0.10質量%未満であると、吐出安定性の低下を抑制する効果がやや弱まる場合があり、1.00質量%を超えると、インクの表面張力が下がり過ぎて画像の光学濃度がやや低下する場合がある。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量(質量%)は、一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)に対する質量基準で、0.01倍以上0.50倍以下であることが好ましく、0.02倍以上0.20倍以下であることがより好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量(質量%)は、一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)に対する質量基準で、0.01倍以上0.50倍以下であることが好ましく、0.02倍以上0.20倍以下であることがより好ましい。
なお、本発明のインクには、本発明の目的を損なわない限りにおいて、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのほかに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル以外の界面活性剤が含まれていてもよい。
(水性媒体)
本発明のインクは、水性媒体として少なくとも水を含有する、水性のインクである。本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水として、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
本発明のインクは、水性媒体として少なくとも水を含有する、水性のインクである。本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水として、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、高いレベルのインクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、前述の各成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
本発明のインクは、前述の各成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
(インクの物性)
本発明においては、インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上3.5mPa・s以下であることがより好ましい。また、インクの25℃における静的表面張力が、28mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。さらに、インクの25℃におけるpHは、5以上9以下であることが好ましい。
本発明においては、インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上3.5mPa・s以下であることがより好ましい。また、インクの25℃における静的表面張力が、28mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。さらに、インクの25℃におけるpHは、5以上9以下であることが好ましい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の合成>
(化合物A)
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(1)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物A」と記載する)を得た。
(化合物A)
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(1)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物A」と記載する)を得た。
(化合物B)
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(2)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物B」と記載する)を得た。
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(2)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物B」と記載する)を得た。
(化合物C)
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(3)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物C」と記載する)を得た。
特許文献1の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(3)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物C」と記載する)を得た。
(化合物D)
特許文献2の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(4)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物D」と記載する)を得た。
特許文献2の記載を参考にして、遊離酸型として下記の構造式(4)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物D」と記載する)を得た。
<インクの調製>
表1に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。なお、表1中の「NIKKOL BC−7」、「NIKKOL BC−10」、「NIKKOL BL−9EX」、及び「NIKKOL BC−20」は、いずれも日光ケミカルズ製のノニオン性界面活性剤の商品名である。「NIKKOL BC−7」は、HLB値が11.2のポリオキシエチレンセチルエーテル(アルキル基の炭素数:16、エチレンオキサイド基の数:7)である。「NIKKOL BC−10」は、HLB値が12.9のポリオキシエチレンセチルエーテル(アルキル基の炭素数:16、エチレンオキサイド基の数:10)である。「NIKKOL BL−9EX」は、HLB値が13.6のポリオキシエチレンラウリルエーテル(アルキル基の炭素数:12、エチレンオキサイド基の数:9)である。「NIKKOL BC−20」は、HLB値が15.7のポリオキシエチレンセチルエーテル(アルキル基の炭素数:16、エチレンオキサイド基の数:20)である。
また、「アセチレノールE100」(川研ファインケミカル製)及び「サーフィノール104」(日信化学製)は、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(界面活性剤)の商品名である。界面活性剤の括弧内の数値はグリフィン法によるHLB値である。
表1に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。なお、表1中の「NIKKOL BC−7」、「NIKKOL BC−10」、「NIKKOL BL−9EX」、及び「NIKKOL BC−20」は、いずれも日光ケミカルズ製のノニオン性界面活性剤の商品名である。「NIKKOL BC−7」は、HLB値が11.2のポリオキシエチレンセチルエーテル(アルキル基の炭素数:16、エチレンオキサイド基の数:7)である。「NIKKOL BC−10」は、HLB値が12.9のポリオキシエチレンセチルエーテル(アルキル基の炭素数:16、エチレンオキサイド基の数:10)である。「NIKKOL BL−9EX」は、HLB値が13.6のポリオキシエチレンラウリルエーテル(アルキル基の炭素数:12、エチレンオキサイド基の数:9)である。「NIKKOL BC−20」は、HLB値が15.7のポリオキシエチレンセチルエーテル(アルキル基の炭素数:16、エチレンオキサイド基の数:20)である。
また、「アセチレノールE100」(川研ファインケミカル製)及び「サーフィノール104」(日信化学製)は、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(界面活性剤)の商品名である。界面活性剤の括弧内の数値はグリフィン法によるHLB値である。
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/2400インチ×1/1200インチの単位領域に2.5pLのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。光学濃度及び耐オゾン性の評価の際には、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で光学濃度を測定した。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「C」を許容できないレベル、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベルとした。評価結果を表2に示す。
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/2400インチ×1/1200インチの単位領域に2.5pLのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。光学濃度及び耐オゾン性の評価の際には、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で光学濃度を測定した。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「C」を許容できないレベル、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベルとした。評価結果を表2に示す。
(光学濃度)
上記のインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(普通紙、商品名「PB PAPER」、キヤノン製)に、記録デューティが100%であるベタ画像を記録した。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した。得られた光学濃度の値から、以下に示す評価基準にしたがって光学濃度を評価した。
A:光学濃度が1.30以上であった。
B:光学濃度が1.15以上1.30未満であった。
C:光学濃度が1.15未満であった。
上記のインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(普通紙、商品名「PB PAPER」、キヤノン製)に、記録デューティが100%であるベタ画像を記録した。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した。得られた光学濃度の値から、以下に示す評価基準にしたがって光学濃度を評価した。
A:光学濃度が1.30以上であった。
B:光学濃度が1.15以上1.30未満であった。
C:光学濃度が1.15未満であった。
(耐オゾン性)
上記のインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(光沢紙、商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド」、キヤノン製)に、記録デューティが50%であるベタ画像を記録した。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐オゾン性試験前の光学濃度)。この記録物をオゾン試験装置(商品名「OMS−H」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度23℃、相対湿度50%、オゾンガス濃度10ppmで24時間、オゾン曝露を行った。その後、記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐オゾン性試験後の光学濃度)。得られた耐オゾン性試験前の光学濃度及び耐オゾン性試験後の光学濃度の値から、光学濃度の残存率=耐オゾン性試験後の光学濃度/耐オゾン性試験前の光学濃度×100%を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐オゾン性を評価した。なお、光学濃度の残存率は、上記分光光度計を用いて測定される、ブラック成分について算出した値を評価に用いた。
A:光学濃度の残存率が60%以上であった。
C:光学濃度の残存率が60%未満であった。
上記のインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(光沢紙、商品名「キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド」、キヤノン製)に、記録デューティが50%であるベタ画像を記録した。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐オゾン性試験前の光学濃度)。この記録物をオゾン試験装置(商品名「OMS−H」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度23℃、相対湿度50%、オゾンガス濃度10ppmで24時間、オゾン曝露を行った。その後、記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定した(耐オゾン性試験後の光学濃度)。得られた耐オゾン性試験前の光学濃度及び耐オゾン性試験後の光学濃度の値から、光学濃度の残存率=耐オゾン性試験後の光学濃度/耐オゾン性試験前の光学濃度×100%を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐オゾン性を評価した。なお、光学濃度の残存率は、上記分光光度計を用いて測定される、ブラック成分について算出した値を評価に用いた。
A:光学濃度の残存率が60%以上であった。
C:光学濃度の残存率が60%未満であった。
(吐出安定性)
各インクを温度80℃恒温槽内で336時間保存した。その後、インクをインクカートリッジに充填し、上記のインクジェット記録装置のヘッドカートリッジに搭載した。温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(普通紙、商品名「PB PAPER」、キヤノン製)に、記録デューティが100%及び50%であるA4サイズのベタ画像を任意の枚数連続で記録した。得られた画像を以下に示す評価基準にしたがって目視で評価した。
AA:100%デューティで記録しても不吐出がなかった。
A:100%デューティで記録した際に僅かな不吐出が確認された。
B:100%デューティで記録した際に不吐出が確認されたが、50%デューティでは不吐出がなかった。
C:50%デューティで記録した際に顕著な不吐出が確認された。
各インクを温度80℃恒温槽内で336時間保存した。その後、インクをインクカートリッジに充填し、上記のインクジェット記録装置のヘッドカートリッジに搭載した。温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(普通紙、商品名「PB PAPER」、キヤノン製)に、記録デューティが100%及び50%であるA4サイズのベタ画像を任意の枚数連続で記録した。得られた画像を以下に示す評価基準にしたがって目視で評価した。
AA:100%デューティで記録しても不吐出がなかった。
A:100%デューティで記録した際に僅かな不吐出が確認された。
B:100%デューティで記録した際に不吐出が確認されたが、50%デューティでは不吐出がなかった。
C:50%デューティで記録した際に顕著な不吐出が確認された。
Claims (5)
- 色材及び界面活性剤を含有するインクジェット用の水性インクであって、
前記色材が、下記一般式(I)で表される化合物を含み、
前記界面活性剤が、グリフィン法により求められるHLB値が12.9以上のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含むことを特徴とする水性インク。
(前記一般式(I)中、R1及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されていてもよい)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されていてもよい)、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表し、R2は、水素原子又はスルホン酸基を表し、nは、0又は1を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す) - 前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が、インク全質量を基準として、0.10質量%以上1.00質量%以下である請求項1又は2に記載の水性インク。
- インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
前記インクが、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。 - インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015084636A JP2016204448A (ja) | 2015-04-17 | 2015-04-17 | 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2015084636A Pending JP2016204448A (ja) | 2015-04-17 | 2015-04-17 | 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 |
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