JP7071138B2 - インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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(i)C.I.ダイレクトイエロー132を含有するイエローインクと、β位に置換基を有するフタロシアニン化合物を含有するシアンインクとの組み合わせの場合
(ii)C.I.ダイレクトイエロー132を含有するイエローインクと、一般式(1)で表される化合物を含有するシアンインクとの組み合わせの場合
本発明のインクセットは、シアンインク及びイエローインクの組み合わせを有する水性のインクセットである。シアンインクは、一般式(1)で表される化合物を色材として含有する。また、イエローインクは、C.I.ダイレクトイエロー132を色材として含有する。本発明のインクセットは、インクジェット用のインクセットとして特に好適である。本発明のインクセットの形態には、上記各インクをそれぞれ独立に収容してなる複数のインクカートリッジのセットや、複数のインクをそれぞれ収容してなる複数のインク収容部を組み合わせて一体的に構成されたインクカートリッジの状態、が含まれる。本発明のインクセットは、シアンインク及びイエローインクを組み合わせて用いることができるように構成されていれば、上記の形態に限られるものではなく、どのような形態であってもよい。以下、本発明のインクセットを構成する各インクに含有させる成分などについて説明する。
〔シアンインクの色材:一般式(1)で表される化合物〕
本発明のインクセットを構成するシアンインクの色材(染料)は、α位置換型のフタロシアニン染料である下記一般式(1)で表される化合物である。インク中の一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上6.0質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のインクセットを構成するイエローインクの色材(染料)は、C.I.ダイレクトイエロー132である。インク中のC.I.ダイレクトイエロー132の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上6.0質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のインクセットを構成する各インクは、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する水性インクである。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましく、70.00質量%以上90.00質量%以下であることがさらに好ましい。
εsol=2ε50%-εwater ・・・(1)
εsol:25℃で固体の水溶性有機溶剤の比誘電率
ε50%:25℃で固体の水溶性有機溶剤の50質量%水溶液の比誘電率
εwater:水の比誘電率
本発明のインクセットを構成する各インクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及びその他の水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。なお、これらの添加剤は、一般的にインク中の含有量もかなり少なく、本発明の効果への影響も小さい。このため、本発明においては、これらの添加剤は「水溶性有機溶剤」に含めず、比誘電率を算出する対象としない。
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクセットに含まれる各インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。また、本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクセットに含まれる各インクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
(化合物A)
特開2002-249677号公報の記載を参考にして、遊離酸型として下記式(a)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物A」と記載する)を得た。
特開2002-249677号公報の記載を参考にして、遊離酸型として下記式(b)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物B」と記載する)を得た。
特開2007-191707号公報の記載を参考にして、遊離酸型として下記式(c)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物(この化合物を「化合物C」と記載する)を得た。化合物(c)は、「3位、3’位」の少なくとも1つに置換基を有し、xは約2.0、yは約2.0である。
表1及び2の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズが0.2μmであるミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧ろ過して各インクを調製した。表1の下段にはインクの特性を示した。表1及び2中の「アセチレノールE100」は川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤であり、「プロキセルGXL(S)」はアーチケミカルズ製の防腐剤の商品名である。
表3に示す各インクを組み合わせてインクセットとし、以下に示す評価を行った。各インクを充填したインクカートリッジを、熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro 9000」、キヤノン製)にセットした。イエローインクはライトマゼンタインクのポジション、シアンインクはブラックインクのポジションにそれぞれセットした。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に22ngのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。そして、イエローインク及びシアンインクの付与量の比率(質量基準)を1:1として、記録デューティを20~200%の間で20%刻みとした10種の2次色(グリーン)のベタ画像を記録媒体に記録して記録物を得た。記録媒体としては、商品名「キヤノン写真用紙・光沢プロ[プラチナ]」(キヤノン製)を用いた。高濃度領域の評価を行うため、得られた記録物における、記録デューティが160%~200%の5種類のベタ画像について、以下のようにして色変化の程度を求めた。
AA:色変化ΔEの平均値が1.0未満であった。
A:色変化ΔEの平均値が1.0以上1.5未満であった。
B:色変化ΔEの平均値が1.5以上2.0未満であった。
C:色変化ΔEの平均値が2.0以上であった。
Claims (12)
- シアンインク及びイエローインクの組み合わせを有する水性のインクセットであって、
前記シアンインクの色材が、下記一般式(1)で表される化合物であり、
前記イエローインクの色材が、C.I.ダイレクトイエロー132であり、
前記イエローインクが、比誘電率が18.0以上の第1水溶性有機溶剤を含有し、
前記イエローインク中の、前記第1水溶性有機溶剤の含有量の、水溶性有機溶剤の合計含有量に占める割合(質量%)が、70.0質量%以上であり、
前記シアンインクが、前記第1水溶性有機溶剤を含有し、
前記シアンインク中の、前記第1水溶性有機溶剤の含有量の、水溶性有機溶剤の合計含有量に占める割合(質量%)が、75.0質量%以上であることを特徴とするインクセット。
(前記一般式(1)中、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つにはアニオン性基が置換している。a、b、c、及びdは、それぞれ独立に、1又は2を表す) - 前記イエローインク中の、前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)が、前記C.I.ダイレクトイエロー132の含有量(質量%)に対する質量比率で、5.0倍以上である請求項1に記載のインクセット。
- 前記イエローインク中の前記第1水溶性有機溶剤が、グリセリンを含む請求項1又は2に記載のインクセット。
- 前記イエローインク中の、色材の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、1.0質量%以上6.0質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記イエローインク中の、前記第1水溶性有機溶剤の含有量の、水溶性有機溶剤の合計含有量に占める割合(質量%)が、80.0質量%以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記イエローインク中の、前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)が、前記C.I.ダイレクトイエロー132の含有量(質量%)に対する質量比率で、7.0倍以上である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記シアンインク中の前記第1水溶性有機溶剤が、グリセリンを含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記シアンインク中の、前記第1水溶性有機溶剤の含有量の、水溶性有機溶剤の合計含有量に占める割合(質量%)が、85.0質量%以下である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記シアンインク中の、水溶性有機溶剤の合計含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下である請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクセット。
- 前記シアンインク中の、色材の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、1.0質量%以上6.0質量%以下である請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインクセット。
- インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記インクが、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインクセットを構成する各インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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