JP2022092242A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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浩志 柿川
Koji Kakikawa
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Masayuki Ikegami
睦月 草田
Mutsuki Kusada
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Abstract

【課題】大容量のインク収容部を備えたインクジェット記録装置を使用して長期間記録した場合であっても、吐出安定性に優れているとともに、発色性に優れたブラック画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】水性インクと、第1インク収容部201と、熱可塑性樹脂で形成された筺体である第2インク収容部202と、第2インク収容部に他の部材を介在させることなく直接貼り合わされた記録ヘッド203と、チューブ104とを備えるインクジェット記録装置を使用して画像を記録する。水性インクが、ブラック染料と、水及び水溶性有機溶剤からなる水性媒体と、を含有し、ブラック染料が、トリスアゾ化合物又はテトラキスアゾ化合物であり、水性媒体の静的表面張力が、36mN/m以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びそれに用いるインクジェット記録装置に関する。
近年、インクジェット記録方法には、インクカートリッジ交換の手間を省きつつ、より大量の画像を記録するために、インクタンクの大容量化が市場から強く求められている。このような状況下、大量のインクを収容可能なインク収容部を備えるインクジェット記録装置が提案されている(特許文献1)。このインクジェット記録装置では、インクの大容量収容部(以下、「メインタンク」とも記す)と、記録ヘッドに装着したインク収容部(以下、「サブタンク」とも記す)の2つのインク収容部を設けたことで、インクタンクの大容量化を達成している。
また、近年、記録装置の小型化の需要も高まっている。上記特許文献1では、サブタンクのコンパクト化のために、記録ヘッド(記録素子基板)を放熱板などの他の部材を介さずにサブタンク(筐体)に直接貼り合わせた構成を有するインクジェット記録装置が提案されている。
ところで、高画質の写真画像を記録する場合には、光沢性に優れていることが要求されるため、染料インクを使用することが多い。さらに、基本色となるシアン、マゼンタ、及びイエローの3色のインクに加えて、長波長領域に吸収を持った色材を含有するブラックインクを用いることが好ましい。優れた発色性及び好ましい色相を有するブラックの画像を記録するためには、550nm以上の波長領域の光を吸収するブラック染料が用いられる。例えば、特許文献2では、3つのアゾ結合を介して芳香環が連なった長い共役系を持ったトリスアゾ化合物であるブラックの染料が提案されている。この化合物は550nm以上の波長領域の光をよく吸収するので、優れたブラック画像を記録することができる。また、特許文献3では、共役系がさらに伸長された、4つのアゾ結合を介して芳香環が連なったテトラキスアゾ化合物であるブラックの染料が提案されている。
特開2017-1391号公報 特開平3-294366号公報 国際公開第2012/081640号
本発明者らは、特許文献1で提案された記録装置を使用し、特許文献2及び3で提案された染料を含有するインクを光沢紙に付与して画像を記録した。しかし、上記の記録装置を長期間使用したところ、インクの吐出安定性が低下しやすくなることが判明した。
したがって、本発明の目的は、大容量のインク収容部を備えたインクジェット記録装置を使用して長期間記録した場合に生ずる課題を解決することにある。すなわち、上記のインクジェット記録装置を使用した場合であっても、吐出安定性に優れているとともに、発色性に優れたブラック画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、このインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、水性インクと、大気連通部を有する第1インク収容部と、熱可塑性樹脂で形成された筺体である第2インク収容部と、熱エネルギーの作用により前記水性インクを吐出する、前記第2インク収容部に他の部材を介在させることなく直接貼り合わされた記録ヘッドと、前記第1インク収容部から前記第2インク収容部へと前記水性インクを供給するチューブと、を備えるインクジェット記録装置を使用し、前記記録ヘッドから吐出した前記水性インクを記録媒体に付与して画像を記録する工程を有するインクジェット記録方法であって、前記水性インクが、ブラック染料と、水及び水溶性有機溶剤からなる水性媒体と、を含有し、前記ブラック染料が、トリスアゾ化合物又はテトラキスアゾ化合物であり、前記水性媒体の静的表面張力が、36mN/m以上であることを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
本発明によれば、大容量のインク収容部を備えたインクジェット記録装置を使用して長期間記録した場合であっても、吐出安定性に優れているとともに、発色性に優れたブラック画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することができる。また、本発明によれば、このインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明のインクジェット記録装置の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 インク供給系の一例を示す模式図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。
前述の通り、特許文献1で提案された記録装置を長期間使用し、特許文献2及び3で提案された染料のような3つ以上のアゾ結合を有するブラック染料を含有するインクを光沢紙に付与して画像を記録した。その結果、正常にインクが吐出されず、いわゆる「かすれ」が発生しやすくなることがわかった。この現象が発生した記録ヘッドを解析したところ、記録ヘッドから吐出されるインクの1滴当たりの質量が、累積吐出数が多くなるにつれて変化していくことがわかった。さらに、記録ヘッドの発熱部(ヒーター)を観察したところ、多くのコゲと気泡が生じていたことが確認された。
一方、特許文献1で提案された記録装置と、モノアゾやジスアゾのブラック染料を含有するインクとの組み合わせでは、コゲや気泡の発生は観察されず、インクの吐出安定性も低下しなかった。また、3つ以上のアゾ結合を有するブラック染料を含有するインクを、放熱板を有する記録ヘッドから吐出した場合にも、コゲや気泡の発生は観察されず、インクの吐出安定性も低下しなかった。さらに、3つ以上のアゾ結合を有するブラック染料を含有するインクを、メインタンクを有さず、インク収容部に放熱板を介して貼り付けられた記録ヘッドから吐出した場合には、コゲの発生は観察されたが、気泡の発生は観察されなかった。また、インクの吐出安定性も低下しなかった。
以上より、インクの吐出安定性が低下するといった課題は、以下に示す(i)~(iii)の3つの条件を満たす場合に初めて生ずることが明らかとなった。
(i)トリスアゾ化合物及びテトラキスアゾ化合物の少なくとも一方を含有するインクを使用する。
(ii)サブタンク(第2インク収容部)に放熱板などの他の部材を介在させることなく直接貼り合わされた記録ヘッドを使用する。
(iii)メインタンク(第1インク収容部)とサブタンク(第2インク収容部)を有する記録装置を使用する。
特許文献2及び3に記載されているような、トリスアゾ化合物及びテトラキスアゾ化合物は、配位結合を形成しやすい複数のアゾ結合を有するとともに、π-πスタッキングを形成する芳香環がアゾ結合に隣接しているので、分子間力が強く、凝集性が高い。このため、吐出時の熱エネルギーが付与されると、これらの化合物の溶解度が低下し、発熱部に堆積してコゲが発生すると考えられる。特許文献1に記載された、熱可塑性樹脂で形成された筐体であるサブタンクに直接貼り合わされた記録ヘッドを使用する場合には、放熱板がないために熱が逃げにくく、サブタンクが蓄熱しやすい。このため、サブタンクの内部温度が上昇してインクの水分蒸発が促進され、染料が凝集しやすくなる。したがって、トリスアゾ化合物やテトラキスアゾ化合物を含有するインクを特許文献1に記載された記録ヘッドから吐出して画像を長期間記録すると、発熱部にコゲが生じやすくなると考えられる。
また、記録ヘッド内に流入した気泡は、疎水性の高い物質に親和して吸着しやすい。このため、吐出時の発熱部には、トリスアゾ化合物やテトラキスアゾ化合物に由来するコゲに気泡が吸着している。したがって、吐出時の熱エネルギーがコゲに吸着した気泡に奪われてしまい、正常に吐出できない箇所が発生してインクの吐出安定性が低下すると考えられる。さらに、特許文献1に記載の記録装置のメインタンクは大気連通部を有するので、記録装置を長期間使用すると、メインタンクの水位が低下して大気連通部から空気が流入し、流入した空気の一部がインクに溶解する。インクに溶解した空気の一部は記録ヘッドに到達し、圧力の変動にともなってインク中に溶けきれなくなり、気泡が発生する。発生した気泡は発熱部のコゲに吸着するので、インクの吐出安定性が低下すると考えられる。
サーマル方式のインクジェット用の記録ヘッドの場合、インクの分子間力を超える熱エネルギーが発熱部からインクに付与されることで膜沸騰が生じ、インクが吐出される。このため、インクの分子間力は、インクの表面張力と相関性を有する。このため、本発明者らは、インクに用いる水性媒体の表面張力を制御することで、インクの吐出安定性を改善しうると考え、さらに検討した。その結果、水及び水溶性有機溶剤のみで実質的に構成される水性媒体の静的表面張力と、吐出安定性との間に相関関係が存在することを見出した。さらに、水性媒体の静的表面張力を36mN/m以上とすることによって、大容量のメインタンクを備えた記録装置を使用し、トリスアゾ化合物やテトラキスアゾ化合物を含有するインクを吐出する場合であっても吐出安定性が向上することを見出した。発泡時のインクは極めて短い時間しか移動しないので、界面活性剤及び染料が気液界面に配向する影響を無視することができる。このため、発泡時のインクの動的表面張力は、界面活性剤及び染料を除外した水及び水溶性有機溶剤のみで実質的に構成される水性媒体の静的表面張力と近似することができる。そして、この水性媒体の静的表面張力と、インクの吐出安定性とが高い相関関係を有すると考えられる。
本発明者らは、静的表面張力の高い水性媒体を含有するインクを用いた場合に吐出安定性が向上する理由につき、以下のように推測している。静的表面張力の高い水性媒体を含有するインクを発泡させるには高い温度が必要とされるので、熱エネルギーが付与されてから発泡に至るまで多くの時間を要する。このため、静的表面張力の高い水性媒体を含有するインクは、静的表面張力の低い水性媒体を含有するインクに比べて温められる時間が長くなるので、液室内の温度上昇が大きくなる。これにより、発熱部のコゲに付着している気泡が膨張しやすくなる。さらに、温度上昇によってインクの流動性も高まるので、発熱部のコゲから気泡が外れやすくなり、インクの吐出安定性が向上すると考えられる。インクに含有させる水性媒体の静的表面張力が36mN/m未満であった場合、インクの吐出安定性は向上しなかった。水性媒体の静的表面張力が低いと、液室内の温度上昇が小さく、発熱部のコゲから気泡を脱離させることができなかったと考えられる。
さらに、本発明者らは、その静的表面張力が36mN/m以上の水性媒体を含有するインクを用いた場合には、吐出安定性とともに、ブラック画像の発色性が向上することも見出した。発色性が向上する効果は、光沢紙などのコート層を有する記録媒体において特に顕著に発現する。記録媒体にインクが付与されると、インクと記録媒体の間に新たな固液界面が形成される。インクが記録媒体に付与されてから、固液界面が形成されてインクの浸透が開始するまでの時間は非常に短い。このため、インクに汎用の成分のうち、界面活性剤などの添加剤及び染料の気液界面への配向は無視することができるので、インクの動的表面張力は、水性媒体の静的表面張力と近似することができる。インク中の水性媒体の静的表面張力が高い場合、記録媒体にインクが付与された直後の表面エネルギーが高くなるので、記録媒体との表面エネルギーの差が大きく、インクが記録媒体に濡れにくくなるので、記録媒体にゆっくりと浸透していくと考えられる。ブラック画像は、通常、明度が小さいので、濃い箇所と薄い箇所が目立ちやすく、発色性が低下しやすい。一方、インク中の水性媒体の静的表面張力が高い場合、インクが記録媒体においてゆっくりと均一に濡れ広がるため、画像の均一性が高まり、発色性に優れたブラック画像が記録されると考えられる。
<インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録方法は、水性インクと、大気連通部を有する第1インク収容部と、第2インク収容部と、熱エネルギーの作用により水性インクを吐出する記録ヘッドと、チューブとを備えたインクジェット記録装置を使用する。第2インク収容部は、熱可塑性樹脂で形成された筺体である。記録ヘッドは、他の部材を介在させることなく第2インク収容部に直接貼り合わされている。チューブは、第1インク収容部から第2インク収容部へと水性インクを供給する部材(インク供給チューブ)である。そして、本発明のインクジェット記録方法は、記録ヘッドから吐出した水性インクを記録媒体に付与して画像を記録する工程を有する。水性インクは、ブラック染料と、水及び水溶性有機溶剤からなる水性媒体とを含有し、ブラック染料はトリスアゾ化合物又はテトラキスアゾ化合物である。そして、水性媒体の静的表面張力は36mN/m以上である。
また、本発明のインクジェット記録装置は、水性インクと、大気連通部を有する第1インク収容部と、第2インク収容部と、熱エネルギーの作用により水性インクを吐出する記録ヘッドと、チューブとを備える。第2インク収容部は、熱可塑性樹脂で形成された筺体である。記録ヘッドは、他の部材を介在させることなく第2インク収容部に直接貼り合わされている。チューブは、第1インク収容部から第2インク収容部へと水性インクを供給する部材(インク供給チューブ)である。水性インクは、ブラック染料と、水及び水溶性有機溶剤からなる水性媒体とを含有し、ブラック染料はトリスアゾ化合物又はテトラキスアゾ化合物である。そして、水性媒体の静的表面張力は36mN/m以上である。
(インクジェット記録装置)
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態を模式的に示す斜視図である。本実施形態のインクジェット記録装置は、X方向(主走査方向)に記録ヘッドを往復走査させて記録動作を行う、いわゆるシリアル方式のインクジェット記録装置である。記録媒体101は、搬送ローラ107によってY方向(副走査方向)へと間欠的に搬送される。キャリッジ103に搭載された記録ユニット102は、記録媒体101の搬送方向であるY方向と直交する方向であるX方向(主走査方向)に往復走査される。記録媒体101のY方向への搬送と、記録ユニット102のX方向への往復走査と、により記録動作が行われる。記録ユニット102は、供給されるインクを複数の吐出口から吐出するインクジェット方式の記録ヘッド203(図2)と、第2インク収容部としてのサブタンク202(図2)とで構成され、キャリッジ103に搭載される。キャリッジ103は、X方向に沿って配置されたガイドレール105に沿って移動可能に支持されており、ガイドレール105と並行に移動する無端ベルト106に固定されている。無端ベルト106はモータの駆動力によって往復運動し、それによってキャリッジ103がX方向に往復走査される。
メインタンク収容部108の内部には、第1インク収容部としてのメインタンク201(図2)が収納される。メインタンク収容部108のメインタンク201と、記録ユニット102のサブタンク202とは、インク供給チューブ104を介して接続される。インクは、メインタンク201からインク供給チューブ104を介してサブタンク202に供給された後、記録ヘッド203の吐出口から吐出される。メインタンク201、インク供給チューブ104、及びサブタンク202は、いずれもインクの種類に対応した数で設けることができる。
図2は、インク供給系の一例を概略的に示す模式図である。メインタンク201に収容されたインク(ハッチングで示す)は、インク供給チューブ104を介してサブタンク202に供給された後、記録ヘッド203へと供給される。メインタンク201には大気連通部としての気体導入チューブ204が接続される。記録が行われ、インクが消費されると、サブタンク202にメインタンク201からインクが供給され、メインタンク201内のインクが減少する。すると、その一端が大気に開放されている気体導入チューブ204からメインタンク201内に空気が導入されることによって、インク供給系において、インクを保持するための内部負圧が略一定に保たれる。
メインタンク201及びサブタンク202の筺体は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、及びこれらの混合物や改質物などの熱可塑性樹脂で形成されている。筺体の内部には、インクを保持するための負圧を発生しうるインク吸収体を配設してもよい。インク吸収体としては、ポリプロピレンやポリウレタンなどの繊維を圧縮したものが好ましい。また、インク吸収体を配設せず、筺体内部にインクを直接貯留する形態としてもよい。タンク交換の頻度を低減したり、記録可能枚数を多くすることで高い生産性を実現したりするには、メインタンク201の最大収容量V(mL)を多くすることが好ましい。
記録ユニット102は、記録ヘッド203と、サブタンク202とで構成される。記録ヘッド203が組み込まれたヘッドカートリッジである記録ユニット102にサブタンク202を装着するとともに、サブタンク202を装着した記録ユニット102をキャリッジ103に装着する形態としてもよい。さらに、サブタンク202と記録ヘッド203とで一体的に構成された記録ユニット102を、キャリッジ103に装着する形態としてもよい。特に、第2インク収容部であるサブタンク202が熱可塑性樹脂で形成された筐体であり、このサブタンク202に放熱板などの他の部材を介在させることなく記録ヘッド203が直接貼り合わされている。記録ヘッド203のインク吐出方式は、熱エネルギーをインクに付与して吐出する方式である。
インク供給チューブ104は、キャリッジ103に搭載された記録ユニット102を構成するサブタンク202に接続している。このため、インク供給チューブ104は、キャリッジ103の往復走査に追従して装置内を引き回される。したがって、インク供給チューブ104を構成する材料としては、キャリッジ103の頻繁な往復走査に耐えうる柔軟性を有するものを選択して用いる必要がある。このため、インク供給チューブ104は、樹脂材料で形成されている。
インク供給チューブは、樹脂材料を管状に成形した部材である。チューブを構成する樹脂材料は、単一の樹脂材料であっても、2種以上の樹脂材料の組み合わせであってもよい。また、各種の添加剤を配合した樹脂材料であってもよい。チューブの構造は、単層構造であっても積層構造であってもよい。樹脂材料としては、成形性、ゴム弾性、及び柔軟性に優れることから熱可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、スチレン系、塩化ビニル系などの樹脂を挙げることができる。なかでも、柔軟性及びゴム弾性に特に優れているため、スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。樹脂材料に配合される添加剤としては、例えば、軟化剤、滑剤、界面活性剤、酸化防止剤、老化防止剤、接着付与剤、顔料などを挙げることができる。
チューブの内径や肉厚は、成形などの生産性、記録装置内で引き回される際の曲げ剛性、インク供給性、ガスバリア性などの観点から、適宜設定される。チューブの内径は、1mm以上5mm以下であることが好ましく、1mm以上3mm以下であることがさらに好ましい。また、チューブの肉厚は、0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、0.5mm以上3mm以下であることがさらに好ましい。
メインタンク(第1インク収容部)の最大収容量V(mL)と、インク供給チューブ(チューブ)の容量V(mL)との合計は、150mL以下であることが好ましい。V(mL)とV(mL)との合計を150mL以下とすることで、インクの吐出安定性をさらに向上させることができる。メインタンクの容量が大きいと、長期間記録した場合にインクの液面の下がり方が大きくなるとともに、インクに溶存する空気の量が増加する。インクに溶存した空気は、チューブを経由してメインタンクからサブタンクへと移動した後、記録ヘッドに到達する。このとき、チューブの容量Vが大きいほど、発生した微小な気泡同士が接触して合体する確率が高くなる。これにより、インクの吐出安定性に影響を及ぼすサイズの気泡が多く生成するので、インクの吐出安定性が低下しやすくなる。すなわち、インクの吐出安定性に影響を及ぼすサイズの気泡の発生を抑制するには、メインタンクの最大収容量Vを小さくしたり、チューブの容量Vを小さくしたりすることが有効である。以上より、V(mL)とV(mL)との合計を150mL以下とすることで、インクの吐出安定性をさらに向上させることができると考えられる。V(mL)とV(mL)との合計は、35mL以上であることが好ましい。
メインタンク201の最大収容量V(mL)は、30mL以上145mL以下であることが好ましく、50mL以上130mL以下であることがさらに好ましい。メインタンク201の初期のインク充填量は、インク最大収容量を基準として、95%程度までとすることが好ましい。インク供給チューブ104の容量V(mL)は、1mL以上30mL以下であることが好ましく、2mL以上20mL以下であることがさらに好ましい。
(記録工程)
本発明のインクジェット記録方法は、上記のインクジェット記録装置を使用して画像を記録する工程(記録工程)を有する。記録工程では、具体的には、記録ヘッドから吐出したインクを記録媒体に付与して画像を記録する。画像を記録する対象の記録媒体としては、どのようなものを用いてもよい。なかでも、普通紙や非コート紙などのコート層を有しない記録媒体、及び、光沢紙やアート紙などのコート層を有する記録媒体のような、浸透性を有する紙を用いることが好ましい。
記録方式としては、記録媒体の搬送方向(副走査方向)に直交する主走査方向に記録ヘッドを往復走査しながら画像を記録するシリアル方式を挙げることができる。また、記録媒体(用紙)幅相当の長尺の記録ヘッド(ラインヘッド)を用い、記録媒体を搬送しながら画像を記録するライン方式を挙げることができる。シリアル方式の記録ヘッドを用いる記録方式が好ましい。
(水性インク)
本発明のインクジェット記録方法は、記録ヘッドから吐出したインクを記録媒体に付与して画像を記録する工程を有する。インクは、ブラック染料と、水及び水溶性有機溶剤からなる水性媒体とを含有する。
[染料]
ブラック染料は、トリスアゾ化合物又はテトラキスアゾ化合物である。本発明のインクジェット記録方法では、大気連通部を有する大容量のメインタンクと、サブタンクに直接貼り合わされた記録ヘッドとを備えるインクジェット記録装置を使用する。そして、上記のインクジェット記録装置を使用し、上記のブラック染料を含有するインクを吐出しながらも、吐出安定性に優れているとともに、発色性に優れたブラック画像を記録することができる。なかでも、テトラキスアゾ化合物が好ましい。トリスアゾ化合物やテトラキスアゾ化合物に代えて、モノアゾ化合物やジスアゾ化合物をブラック染料として用いると、ブラック画像の発色性が不十分になる。一方、5以上のアゾ結合を有するペンタキスアゾ化合物をブラック染料として用いると、インクの吐出安定性が低下する。ペンタキスアゾ化合物は多くの水素結合を形成するため、極めて凝集しやすい。このため、ペンタキスアゾ化合物をブラック染料として含有するインクを用いて長期にわたって画像を記録すると、記録ヘッドのインク流路内にペンタキスアゾ化合物が析出しやすく、吐出安定性が低下しやすい。
カーボンブラックを含むブラック顔料を含有する顔料インクを用いると、上記のブラック染料を含有する染料インクを用いる場合に比して、ブラック画像の発色性が劣る一方で、吐出安定性が低下するといった課題が生じにくいことが判明した。顔料インクを吐出した記録ヘッドの発熱部を観察したところ、コゲは付着していたが、気泡の量が少ないことが確認された。顔料インクは染料インクに比して凝集性が高いので、発熱部で焦げやすい。一方、カーボンブラックの表面は疎水性であることから、カーボンブラックには気泡が吸着しやすい。このため、インク中のカーボンブラックに液室内の気泡が吸着することで、コゲへの気泡の付着が抑制され、吐出安定性が低下しにくくなると考えられる。
インク中のブラック染料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上7.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以上6.0質量%以下であることがさらに好ましい。
テトラキスアゾ化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物を用いることが好ましい。一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2022092242000002
(前記一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N-アルキルアミノスルホニル基、アルキルスルホニル基、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、又はアルキルスルホニルアミノ基を表し、Rは、水素原子、又はスルホン酸基を表し、nは、0又は1を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
Figure 2022092242000003
(前記一般式(II)中、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。
N-アルキルアミノスルホニル基中のアルキル基の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。N-アルキルアミノスルホニル基としては、N-メチルアミノスルホニル基、N-エチルアミノスルホニル基、N-(n-ブチル)アミノスルホニル基、N,N-ジメチルアミノスルホニル基、N,N-ジ(n-プロピル)アミノスルホニル基などを挙げることができる。
アルキルスルホニル基には、置換又は無置換のアルキルスルホニル基が含まれる。アルキルスルホニル基中のアルキル基の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。また、置換基としてはヒドロキシ基を挙げることができる。アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどの無置換アルキルスルホニル基;ヒドロキシエチルスルホニル、2-ヒドロキシプロピルスルホニルなどの置換アルキルスルホニル基などを挙げることができる。
アシル基には、脂肪族アシル基が含まれる。アシル基中のアルキル基の炭素数は、1乃至4であることが好ましい。アシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルなどを挙げることができる。
アルキル基には、置換又は無置換のアルキル基、及び直鎖又は分岐鎖のアルキル基が含まれる。アルキル基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基(炭素数は1乃至4が好ましい)を挙げることができる。アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどの無置換アルキル基;2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、2-エトキシエチル、n-プロポキシエチル、イソプロポキシエチル、n-ブトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、n-プロポキシプロピル、イソプロポキシブチル、n-プロポキシブチルなどの置換アルキル基などを挙げることができる。
アルコキシ基には、置換又は無置換のアルコキシ基が含まれる。アルコキシ基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。置換基としては、ヒドロキシ基、スルホン酸基、カルボン酸基を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシなどの無置換アルコキシ基;2-ヒドロキシエトキシ、2-ヒドロキシプロポキシ、3-ヒドロキシプロポキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、n-プロポキシエトキシ、イソプロポキシエトキシ、n-ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ、n-プロポキシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、n-プロポキシブトキシ、2-ヒドロキシエトキシエトキシ、カルボキシメトキシ、2-カルボキシエトキシ、3-カルボキシプロポキシ、3-スルホプロポキシ、4-スルホブトキシなどの置換アルコキシ基などを挙げることができる。
アシルアミノ基には、脂肪族アシルアミノ基が含まれる。アシルアミノ基中のアルキルの炭素数は、1乃至4であることが好ましい。アシル基としては、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノなどを挙げることができる。
アルキルスルホニルアミノ基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。アルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
一般式(I)中、Rは、水素原子、又はスルホン酸基を表す。
一般式(I)中、nは、0又は1を表す。nが0である場合、一般式(I)中の該当する位置にスルホン酸基が結合しておらず、代わりに水素原子が結合していることを意味する。
一般式(I)中、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などを挙げることができる。本発明においては、一般式(I)中のMが、いずれもナトリウムであることが好ましい。
上記のカルボン酸基、スルホン酸基、及びホスホン酸基は、遊離酸型(H型)であってもよく、塩型であってもよい。カルボン酸基などが塩型である場合(塩を形成する場合)のカウンターイオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムのカチオンを挙げることができる。
一般式(I)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、以下に示す例示化合物1~7を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(I)の構造及びその定義に包含されるものであれば、一般式(I)で表される化合物は以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも例示化合物1が好ましい。
Figure 2022092242000004
Figure 2022092242000005
ブラック染料は、さらに、トリアジン環を有するアゾ化合物を含むことが好ましい。トリアジン環を有するアゾ化合物を調色のためのブラック染料として含有させることで、インクの吐出安定性をさらに向上させることができる。上記アゾ化合物中のトリアジン環は、トリスアゾ化合物やテトラキス化合物中の芳香環との親和性が高い。また、トリアジン環を有するアゾ化合物中のアゾ結合と、トリスアゾ化合物やテトラキス化合物中のアゾ結合とが分子間結合を形成することで、トリアジン環と芳香環が効率的に分子間相互作用することができる。これにより、トリアジン環を有するアゾ化合物が、トリスアゾ化合物やテトラキスアゾ化合物の会合体に配向し、トリスアゾ化合物やテトラキスアゾ化合物の凝集を緩和することができる。このため、ブラック染料として、トリアジン環を有するアゾ化合物をインクにさらに含有させることで、コゲの発生をさらに抑制し、インクの吐出安定性をより向上させることができると考えられる。
インク中のトリアジン環を有するアゾ化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.5質量%以上7.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上6.0質量%以下であることがさらに好ましい。
トリアジン環を有するアゾ化合物としては、下記一般式(III)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2022092242000006
(前記一般式(III)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、Rは、カルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方を有する脂肪族アミン残基を表す。Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
一般式(III)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基には、置換又は無置換のアルキル基、及び直鎖又は分岐鎖のアルキル基が含まれる。アルキル基の炭素数は1乃至4であることが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基(炭素数は1乃至4が好ましい)を挙げることができる。アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどの無置換アルキル基;2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、2-エトキシエチル、n-プロポキシエチル、イソプロポキシエチル、n-ブトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、n-プロポキシプロピル、イソプロポキシブチル、n-プロポキシブチルなどの置換アルキル基などを挙げることができる。
一般式(III)中、Rは、カルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方を有する脂肪族アミン残基を表す。脂肪族アミン残基としては、アルキルの炭素数が1乃至5のアミン残基にカルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方が置換したものを挙げることができ、モノアルキルアミン残基、ジアルキルアミン残基などが好ましい。カルボン酸基及びスルホン酸基の少なくとも一方を有する脂肪族アミン残基としては、アミノ-炭素数1乃至5のアルキルカルボン酸、ジイミノ-炭素数1乃至5のアルキルカルボン酸、アミノ-炭素数1乃至5のアルキルスルホン酸、ジイミノ-炭素数1乃至5のアルキルスルホン酸などを挙げることができる。
一般式(III)中、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などを挙げることができる。
なお、上記のカルボン酸基及びスルホン酸基は、遊離酸型(H型)であってもよく、塩型であってもよい。塩を形成する場合のカウンターイオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムのカチオンを挙げることができる。
一般式(III)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、下記一般式(IV)中のRが表1に示す脂肪族アミン残基である例示化合物8~19を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(III)の構造及びその定義に包含されるものであれば、一般式(III)で表される化合物は以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも例示化合物8が好ましい。
Figure 2022092242000007
Figure 2022092242000008
[水性媒体]
インクは、水及び水溶性有機溶剤の混合液体である水性媒体を含有する水性のインクである。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
インクに用いる水性媒体の静的表面張力は、36mN/m以上である。水性媒体の静的表面張力は、62mN/m以下であることが好ましい。その静的表面張力が62mN/m以下の水性媒体を用いることで、インクの吐出安定性をより向上させることができる。水性媒体の静的表面張力が62mN/m超であると、インクが満たされた記録ヘッドのインク流路内の温度がより上昇しやすくなる。インク流路内の温度が上昇すると、インク中の溶存気体の溶解度が低下するため、新たな気泡が発生しやすくなる。これにより、発熱部のコゲに新たに発生した気泡が吸着するので、吐出安定性の向上効果がやや低下する場合があると考えられる。
水溶性有機溶剤としては、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含室素化合物類、含硫黄化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。通常「水溶性有機溶剤」とは液体を指すものであるが、本発明においては、25℃(常温)で固体であるものも水溶性有機溶剤に含めることとし、水性媒体の静的表面張力を算出する対象とする。水性インクに汎用であり、25℃で固体である水溶性有機溶剤としては、例えば、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、エチレン尿素、尿素、数平均分子量1,000のポリエチレングリコールなどを挙げることができる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、数平均分子量400のポリエチレングリコール(-2.82)、数平均分子量200のポリエチレングリコール(-1.88)、テトラエチレングリコール(-1.88)、ビス(2-ヒドロキシエチル)スルホン(-1.86)、グリセリン(-1.85)、尿素(-1.66)、トリエチレングリコール(-1.65)、ジエチレングリコール(-1.41)、1,2,6-ヘキサントリオール(-1.39)、エチレングリコール(-1.36)、エチレン尿素(-1.24)、1、3-プロパンジオール(-1.09)、2-ピロリドン(-1.09)、1,2-プロパンジオール(-1.01)、トリメチロールプロパン(-0.97)、1,4-ブタンジオール(-0.77)、N-メチル-2-ピロリドン(-0.64)、γ―バレロラクタム(-0.57)、1,5-ペンタンジオール(-0.56)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(-0.21)、1,6-ヘキサンジオール(-0.05)、イソプロパノール(0.18)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(0.36)、1,2-ヘキサンジオール(0.52)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(0.60)などを挙げることができる。各水溶性有機溶剤に付した括弧内の数値は、市販の計算ソフト(商品名「ACD/PhysChemSuiteVersion12.00」(ACD/Labs製))を使用して求めた各水溶性有機溶剤のLogP値である。水溶性有機溶剤としては、25℃での蒸気圧が水より低いものを用いることが好ましく、また、LogP値が-7.00以上2.00以下の範囲内のものを用いることが好ましい。
水溶性有機溶剤のLogP値は、-1.09以上であることが好ましい。LogP値が-1.09以上の水溶性有機溶剤を含有する水性媒体を用いることで、インクの吐出安定性及び記録されるブラック画像の発色性をより向上させることができる。LogP値が-1.09以上の水溶性有機溶剤は疎水性が高いので、気泡と親和して吸着しやすい。このため、LogP値が-1.09以上の水溶性有機溶剤を含有する水性媒体を用いると、この水溶性有機溶剤が発熱部のコゲに吸着した気泡に効率よく配向する。そして、液温の上昇に伴って気泡を効率的にコゲから引き剥がし、吐出安定性をより高めることができると考えられる。また、LogP値が-1.09以上の水溶性有機溶剤は疎水性が高いので、親水性基を有するトリスアゾ化合物やテトラキスアゾ化合物との親和性が低い。このため、トリスアゾ化合物やテトラキスアゾ化合物の周囲からLogP値が-1.09以上の水溶性有機溶剤が離れやすく、トリスアゾ化合物やテトラキスアゾ化合物が濃縮された状態となりやすい。これにより、記録媒体上に濃縮されたブラック染料が残りやすくなり、ブラック画像の発色性が向上すると考えられる。水溶性有機溶剤のLogP値は、2.00以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤のLogP値(LogPow値)は、水溶性有機溶剤の極性を示す指標となる物性値であり、水とオクタノール(1-オクタノール)の分配係数である。LogP値は、対象物質の水への馴染みやすさに関連する物性値であり、LogP値が大きいほど低極性である。LogP値は、関係式:「LogP=Log10/C」(C:オクタノール相中の対象物質の濃度、C:水相中の対象物質の濃度)より算出される。また、LogP値は、JIS Z 7260-107に準拠した方法にしたがって実験的に測定及び算出することもできる。さらに、市販の計算ソフト(例;商品名「ACD/PhysChemSuite」(ACD/Labs製)など)を利用して求めることもできる。後述の実施例においては、商品名「ACD/PhysChemSuiteVersion12.00」(ACD/Labs製)を使用して求めた水溶性有機溶剤のLogP値を採用した。
〔水性媒体の静的表面張力の検証方法〕
水性媒体の静的表面張力を検証する方法について説明する。組成が未知のインクに含まれる水性媒体を構成する水溶性有機溶剤の種類及び量は、ガスクロマトグラフィ(GC/MS)などにより分析することができる。具体的には、組成が未知のインク1gをメタノールで所定の倍率に希釈して調製したサンプルを、GC/MSなどを使用して分析することで、水性媒体中の水溶性有機溶剤の種類及び量を同定することができる。GC/MSとしては、例えば、商品名「TRACEDSQ」(ThermoQuest製)などを使用することができる。また、組成が未知のインクに含まれる水の量は、カールフィッシャー水分計などを使用し、常法にしたがって同定することができる。このようにして同定した水性媒体を構成する水溶性有機溶剤の種類及び含有量、並びに水の含有量に基づき、同様の組成の水性媒体を調製する。そして、調製した水性媒体の静的表面張力を、温度25℃、湿度50%の環境下で測定する。静的表面張力は、白金プレートを用いたプレート法によって測定することができる。後述する実施例においては、自動表面張力計(商品名「CBVP-Z型」、協和界面科学製)を使用して水性媒体の静的表面張力を測定した。
[その他の成分]
インクには、上記成分以外にも必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。上記の添加剤は、「水溶性有機溶剤」には含めない。
インクには界面活性剤を含有させることが好ましい。界面活性剤としては、炭化水素系、フッ素系、シリコーン系などの骨格を有するものを挙げることができる。界面活性剤は、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性などのいずれの特性を有するものであってもよく、ノニオン性の界面活性剤が特に好ましい。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下であることがさらに好ましい。
インクは、ノニオン性の界面活性剤のなかでも、アセチレングリコール系の界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系の界面活性剤を含有するインクを用いることで、インクの吐出安定性をさらに向上させることができる。アセチレングリコール系の界面活性剤は、炭素-炭素三重結合に隣接する2つの炭素原子がそれぞれ酸素原子(O)と結合し、エーテル結合を形成している。このため、アセチレングリコール系の界面活性剤は三次元構造(立体構造)をとりやすく、分子が複雑に絡み合ってミセル化しにくい。したがって、アセチレングリコール系の界面活性剤は発熱部に存在するコゲに吸着している気泡に効率よく配向し、気泡をインク中へと移動させることができる。これにより、発熱部のコゲに付着した気泡の量を減少させ、インクの吐出安定性をより向上させることができると考えられる。
[インクの物性]
インクの25℃における静的表面張力は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上60mN/m以下であることがさらに好ましく、30mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上3.0mPa・s以下であることがさらに好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の準備>
(ブラック染料1)
特開2015-132327号公報の記載に準じて、遊離酸型として下記式(1)で表される化合物のナトリウム塩(ブラック染料1)を得た。
Figure 2022092242000009
(ブラック染料2)
国際公開第2007/077931号の記載に準じて、遊離酸型として下記式(2)で表される化合物のナトリウム塩(ブラック染料2)を得た。
Figure 2022092242000010
(ブラック染料3)
特開2015-193792号公報の記載に準じて、遊離酸型として下記式(3)で表される化合物のナトリウム塩(ブラック染料3)を得た。
Figure 2022092242000011
(ブラック染料4)
遊離酸型として下記式(4)で表される化合物(C.I.フードブラック2)のナトリウム塩(ブラック染料4)を用意した。
Figure 2022092242000012
(ブラック染料5)
国際公開第2006/132327号公報の記載に準じて、遊離酸型として下記式(5)で表される化合物のナトリウム塩(ブラック染料5)を得た。
Figure 2022092242000013
(調色染料1)
特開2015-193792号公報の記載の記載に準じて、遊離酸型として下記式(6)で表される化合物のナトリウム塩(調色染料1)を得た。
Figure 2022092242000014
(調色染料2)
特開2002-275380号公報の記載の記載に準じて、遊離酸型として下記式(7)で表される化合物のナトリウム塩(調色染料2)を得た。
Figure 2022092242000015
<顔料分散液の準備>
自己分散顔料を含有する顔料分散液(商品名「Cab-o-jet300」、キャボット製)を用意した。顔料分散液中の顔料の含有量は15.0%である。
<インクの調製>
表2-1及び2-2の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、色材として染料を用いた場合には、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。また、色材として顔料を用いた場合には、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルターのフィルターで加圧ろ過してインクを調製した。表2-1及び2-2中、各水溶性有機溶剤に付した括弧内の数値は、各水溶性有機溶剤のLogP値を表す。表2-1及び2-2中、「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製の界面活性剤の商品名である。「サーフィノール420」、は日信化学工業製の界面活性剤の商品名である。「NIKKOL BO-50V」は、日光ケミカルズ製の界面活性剤の商品名である。
Figure 2022092242000016
Figure 2022092242000017
<インクジェット記録装置>
(実施例1~20、比較例1~4)
図1に示す主要部の構成を有するとともに、図2に示す構成のインク供給系を組み込んだインクジェット記録装置を用意した。この記録装置は、表3に示す最大収容量(V)のメインタンク、熱可塑性樹脂で形成された筺体であるサブタンク、サブタンクに放熱板を介在させることなく直接貼り合わされた記録ヘッド、及び表3に示す容量(V)のチューブを備える。この記録装置を用いて各評価を行った。
(参考例1)
図1に示す主要部の構成を有するとともに、図2に示す構成のインク供給系を組み込んだインクジェット記録装置を用意した。この記録装置は、表3に示す最大収容量(V)のメインタンク、熱可塑性樹脂で形成された筺体であるサブタンク、サブタンクに放熱板を介在させて貼り合わされた記録ヘッド、及び表3に示す容量(V)のチューブを備える。この記録装置を用いて各評価を行った。
(参考例2)
メインタンク及びチューブを有しないこと以外は、上述の実施例1~20、比較例1~4と同様の構成を有するインクジェット記録装置を用意した。この記録装置を用いて各評価を行った。
<評価>
本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「C」を許容できないレベル、「A」、及び「B」を許容できるレベルとした。評価結果を表3に示す。
(吐出安定性)
A4サイズのPPC用紙(商品名「GF-500」、キヤノン製)に記録デューティ5%の画像を10枚記録し、1時間放置した後、ノズルチェックパターンを1枚記録する操作を行った。上記の操作を繰り返し行い、以下に示す評価基準にしたがって吐出安定性を評価した。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴当たりの質量が5ngであるインク滴を2滴付与する条件で記録したベタ画像の記録デューティを100%と定義する。
AA:合計5,000枚記録後のノズルチェックパターンが乱れていなかった。
A:合計4,000枚記録後のノズルチェックパターンに乱れがあった。
B:合計2,000枚記録後のノズルチェックパターンに乱れがあった。
C:合計1,000枚記録後のノズルチェックパターンに乱れがあった。
(発色性)
温度23℃、相対湿度55%の条件で、光沢紙(商品名「キヤノン写真用紙・光沢プロ[プラチナグレード]PT201」、キヤノン製)に記録デューティ100%の画像を記録した。分光光度計(商品名「Spectrolino」、GretagMacbeth製)を使用し、光源:D50、視野:2°の条件で記録した画像の光学濃度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって画像の発色性を評価した。
A:光学濃度が1.60以上であった。
B:光学濃度が1.60未満1.40以上であった。
C:光学濃度が1.40未満であった。
Figure 2022092242000018

Claims (9)

  1. 水性インクと、大気連通部を有する第1インク収容部と、熱可塑性樹脂で形成された筺体である第2インク収容部と、熱エネルギーの作用により前記水性インクを吐出する、前記第2インク収容部に他の部材を介在させることなく直接貼り合わされた記録ヘッドと、前記第1インク収容部から前記第2インク収容部へと前記水性インクを供給するチューブと、を備えるインクジェット記録装置を使用し、前記記録ヘッドから吐出した前記水性インクを記録媒体に付与して画像を記録する工程を有するインクジェット記録方法であって、
    前記水性インクが、ブラック染料と、水及び水溶性有機溶剤からなる水性媒体と、を含有し、
    前記ブラック染料が、トリスアゾ化合物又はテトラキスアゾ化合物であり、
    前記水性媒体の静的表面張力が、36mN/m以上であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記水性媒体の静的表面張力が、62mN/m以下である請求項1記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記水性インクが、アセチレングリコール系の界面活性剤を含有する請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記水溶性有機溶剤のLogP値が、-1.09以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記第1インク収容部の最大収容量V(mL)と、前記チューブの容量V(mL)との合計が、150mL以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記ブラック染料が、テトラキスアゾ化合物である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記ブラック染料が、さらに、トリアジン環を有するアゾ化合物を含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記他の部材が、放熱板である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 水性インクと、大気連通部を有する第1インク収容部と、熱可塑性樹脂で形成された筺体である第2インク収容部と、熱エネルギーの作用により前記水性インクを吐出する、前記第2インク収容部に他の部材を介在させることなく直接貼り合わされた記録ヘッドと、前記第1インク収容部から前記第2インク収容部へと前記水性インクを供給するチューブと、を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記水性インクが、ブラック染料と、水及び水溶性有機溶剤からなる水性媒体と、を含有し、
    前記ブラック染料が、トリスアゾ化合物又はテトラキスアゾ化合物であり、
    前記水性媒体の静的表面張力が、36mN/m以上であることを特徴とするインクジェット記録装置。
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