JP4595341B2 - インク組成物、インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents
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Description
1.少なくとも、水と、下記の式(I)で示されるフタロシアニン系シアン染料と、下記の一般式(b)で表されるスルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩とを含んでなることを特徴とするインク組成物を提供するものである。
18のうちの少なくとも1つは、イオン性親水性基であるかまたはイオン性親水性基を置換基として有する基である。)
2.前記式(I)で示されるフタロシアニン系シアン染料が、下記の式(II)で示されるフタロシアニン系染料である、1.に記載のインク組成物。
(イ)X11〜X14に関しては、これらが、それぞれ独立に、−SO2NR1R2が好ましい。
(ロ)R1は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ハ)R2は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、置換アルキル基が最も好ましい。更に、R1とR2のうちの少なくとも一方がイオン性親水性基かイオン性親水性基を置換基として有する基を置換基として有することがより好ましい。
(ニ)Y11〜Y18に関しては、これらが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホン基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、およびスルホン基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ホ)a11〜a14はそれぞれ1であることが好ましい。
(ヘ)Mは、Cu、Ni、Zn、またはAlであることが好ましく、なかでもCuであることが最も好ましい。
(ト)フタロシアニン化合物の分子量は、750〜3000の範囲が好ましく、更に995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の範囲の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
構造のフタロシアニン化合物がさらに好ましい。以下に、本発明で用いる一般式(II)で
表されるフタロシアニン化合物について詳しく述べる。
一般式(II)
もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無
置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリー
ル基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を表す。
ある。
もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは
無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の
ヘテロ環基を表す。
Y15、Y16、Y17およびY18とそれぞれ同義であり、好ましい例も同じである。
、Y36、Y37およびY38の少なくとも1つはイオン性親水性基であるかまたはイオン性親
水性基を置換基として有する基である。
あり、好ましい例も同じである。
水性基を置換基として有する基が一分子中に少なくとも1つ存在しているので、水性媒体
中に対する溶解性または分散性が良好となる。このような観点から、一般式(II)で表さ
れるフタロシアニン化合物は、一分子中にイオン性親水性基を少なくとも2個有するもの
が好ましく、複数個のイオン性親水性基の少なくとも1個がスルホン基であるものがより好
ましく、その中でも一分子中にスルホン基を少なくとも2個有するものが最も好ましい。
が好ましく、さらに995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2
000の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L−M−Pc)
または3量体を形成する場合において、好ましい分子量、例えば特に好ましい分子量は、
上記記載の特に好ましい分子量(995〜1800の範囲)の2倍(2量体の場合)、ま
たは3倍(3量体の場合)である。ここで、上記2または3量体の好ましい分子量は、連
結基Lを含んだ値である。
(イ)〜(ホ)の組み合わせを有する化合物である。
(イ)R11、R12、R13およびR14は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置
換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中で
も水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、水素原子が
最も好ましい。
(ロ)V1、V2、V3およびV4は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置
換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも置換アルキル
基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、置換アルキル基が最も好ましい。更に
、R11、R12、R13、R14、V1、V2、V3およびV4のうちの少なくとも一つがイオン性
親水性基であるかもしくはイオン性親水性基を置換基として有する基であることがより好
ましい。
(ハ)Y31〜Y38に関しては、これらが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミ
ド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、
およびスルホン基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、およびスルホン基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ニ)Mは、Cu、Ni、Zn、またはAlであることが好ましく、なかでもCuであることが
最も好ましい。
(ホ)フタロシアニン化合物の分子量は、750〜2500の範囲が好ましく、更に99
5〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の範囲の分子量が
好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の
置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基で
ある化合物が最も好ましい。
る構造のフタロシアニン化合物がさらに好ましい。以下に、本発明で用いる一般式(III
)で表されるフタロシアニン化合物について詳しく述べる。
(イ)R21、R22、R23、R24に関しては、これらが、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表し、特に水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、その中でも水素原子が最も好ましい。
(ロ)V11、V12、V13、V14に関しては、これらが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基を表し、特に置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、その中でもイオン性親水性基を置換基として有するアルキル基が最も好ましい。
(ハ)Mは、Cu、Ni、Zn、またはAlであることが好ましく、なかでもCuであることが最も好ましい。
(ニ)フタロシアニン化合物の分子量は、750〜2500の範囲が好ましく、更に995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の範囲の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
(ホ)一般式(III)で表されるフタロシアニン化合物は、分子内に少なくとも1つのイオン性親水性基を有しているので、水性媒体中に対する溶解性または分散性が良好となる。このような観点から、上記一般式(III)で表されるフタロシアニン化合物は、一分子中にイオン性親水性基を少なくとも2個有するものが好ましく、複数個のイオン性親水性基の少なくとも1個がスルホン基であるものが好ましく、その中でも一分子中にスルホン基を少なくとも2個有するものが最も好ましい。
一般式(IV)
β−位置換型:(2および/または3位、6および/または7位、10および/または11位、14および/または15位に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)。
α−位置換型:(1および/または4位、5および/または8位、9および/または12位、13および/または16位に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)。
α,β−位混合置換型:(1〜16位に規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)。
前記一般式(a)及び/又は(b)で表されるスルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩としては、分子構造中にスルホン基を少なくとも1つ有する芳香族化合物又はその塩であればいかなるものでも良いが、スルホン基を2つ以上有するもの、特に、1,3−ベンゼンジスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−1,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,7−ジスルホン酸、ナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種が、得られる画像の耐オゾン性の改善の点で好ましい。
実施例1,3,4,7,8,9,10,12,13及び比較例1〜13のインク組成物を、表2に示す配合割合で各成分を混合して溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過を行って、各インク組成物を調製した。
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印加Dutyを調整して印刷を行って得られた印刷物を、オゾンウェザーメータOMS−H型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、オゾン濃度20ppmの条件下にて、印刷物を所定時間(12、24時間)曝露した。
D:曝露試験後のOD
D0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red、光源:D50、視野角:2度)
評価A:RODが90%以上
評価B:RODが80%以上90%未満
評価C:RODが70%以上80%未満
評価D:RODが70%以下
実施例1,3,4,7,8,9,10,12,13及び比較例1〜13のインク組成物を充填した上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印加Dutyを調整して印刷を行って得られた印刷物を、ガス腐食試験機GS−UV型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、二酸化窒素濃度10ppmの条件下にて、印刷物を所定時間(12、24時間)曝露した。
L*、a*、b* :曝露試験後の各座標値
L0 *、a0 *、b0 *:曝露試験前の各座標値
評価A:ΔEが3未満
評価B:ΔEが3以上10未満
評価C:ΔEが10以上20未満
評価D:ΔEが20以上
インクをインクジェットプリンタPM970C(セイコーエプソン株式会社製)に充填し、10分間連続して印刷し、ノズルからインクが吐出していることを確認後、印字を停止した。ヘッドにキャップせずにプリンタを、実施例1,3,4,7,8,9,10,12,13及び比較例1〜13の各インク組成物について40℃、25%RHの環境に2週間放置した。放置後、ノズルのクリーニング操作を行い、その後印字を行った。カスレ、抜けなどの不良印字がなく、初期と同等の印字が可能となるまでのクリーニング操作の回数で、そのインクの目詰まり特性を評価した。
評価A:1〜5回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価B:6〜10回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価C:11〜15回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価D:16回以上のクリーニング操作によっても初期と同等の印字は不可能
得られた評価結果を表3に示す。
Claims (17)
- 少なくとも、水と、下記の式(I)で示されるフタロシアニン系シアン染料と、下記の一般式(b)で表されるスルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩とを含んでなることを特徴とするインク組成物。
Y11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17およびY18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表す。
a11〜a14は、それぞれX11〜X14の置換基数を表し、それぞれ独立に、0〜2の整数であるが、すべてが同時に0になることはない。
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
但し、X11、X12、X13、X14、Y11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17およびY18のうちの少なくとも1つは、イオン性親水性基であるかまたはイオン性親水性基を置換基として有する基である。)
- 前記式(I)で示されるフタロシアニン系シアン染料が、下記の式(II)で示されるフタロシアニン系染料である、請求項1に記載のインク組成物。
V1、V2、V3およびV4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。
Y31、Y32、Y33、Y34、Y35、Y36、Y37およびY38は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表す。
Mは一般式(I)におけるMと同義である。
R11、R12、R13、R14、V1、V2、V3、V4、Y31、Y32、Y33、Y34、Y35、Y36、Y37およびY38のうちの少なくとも1つはイオン性親水性基であるかまたはイオン性親水性基を置換基として有する基である。) - 前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩が、スルホン基を2つ以上有する、請求項1又は2記載のインク組成物。
- 前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩が、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−1,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,7−ジスルホン酸、ナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項3記載のインク組成物。
- 前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩を、インク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなる、請求項1〜4の何れかに記載のインク組成物。
- 前記フタロシアニン系シアン染料と、前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩との含有比率が、1:0.1〜1:10の範囲内にある、請求項1〜5の何れかに記載のインク組成物。
- 更に、ノニオン系界面活性剤を含んでなる、請求項1〜6の何れかに記載のインク組成物。
- 前記ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤である、請求項7記載のインク組成物。
- 前記ノニオン系界面活性剤をインク組成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなる、請求項7又は8に記載のインク組成物。
- 更に、浸透促進剤を含んでなる、請求項1〜9の何れかに記載のインク組成物。
- 前記浸透促進剤が、グリコールエーテル類である、請求項10に記載のインク組成物。
- 20℃におけるインク組成物のpHが、8.0〜10.5である、請求項1〜11の何れかに記載のインク組成物。
- インクジェット記録方法において用いられる、請求項1〜12の何れかに記載のインク組成物。
- 前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、請求項13に記載のインク組成物。
- 請求項1〜14の何れかに記載のインク組成物を少なくとも備えることを特徴とするインクカートリッジ。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜14の何れかに記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1〜14の何れかに記載のインク組成物を用いて記録されたことを特徴とする記録物。
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