JP4701634B2 - インク組成物、それを用いたインクジェット記録方法および記録物 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録に好適なインク組成物、特に、印刷物堅牢性(主に耐ガス性、耐光性)、耐ブロンズ性に優れ、かつ目詰まり回復性やインク滴曲がり対策において改良されたインク組成物、それを用いたインクジェット記録方法及び該記録方法によって記録された記録物に関する。
インクジェット記録は、微細なノズルからインク組成物を小滴として吐出し、文字や画像(以下、単に「画像」ということもある。)を記録媒体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を断続的に吐出して記録媒体表面に文字や画像を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物を吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させて、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、記録媒体表面に文字や画像を記録する方法等が実用化されている。
また、インクジェット記録用のインク組成物としては、安全性や印字特性の面から各種染料を水または有機溶剤、あるいはそれらの混合液に溶解させたものが一般的であるが、様々な特性において、万年筆やボールペンの様な筆記具用インク組成物に比較し、より厳密な条件が要求される。
近年になって、広告用の印刷物の作成にインクジェットプリンタが採用されるようになってきている。作成された印刷物が、室内は勿論のこと室外にも設置されることがあるため、高い画像保存性が要求されている。印刷物は太陽光を初めとして種々の光や外気(オゾン、窒素酸化物、硫黄酸化物等)に晒されることとなるため、耐光性、耐ガス性に優れたインク組成物の開発がなされている。
シアン系染料においては、金属フタロシアニン系染料の改良により耐光性、耐ガス性に優れたシアンインク組成物の開発がなされている(例えば特許文献1参照)。しかし、耐ガス性の改良を図った金属フタロシアニン系染料においては、ベタ印刷(100 %Dutyの塗りつぶし印刷)など高Dutyで印刷を行った部分に赤浮き現象(以下、「ブロンズ現象」という)が見られる場合がある。このような場合、画像全体としての色バランスが不均一となって画像品質を低下させるため、その改善が望まれている。
また、近年では写真調に近い風合いを持つ記録媒体として光沢紙が多く採用されるようになっているが、特定の色がブロンズ現象を起こすことにより印刷物表面での光沢感にバラツキが生じ、画像の風合いを著しく損ねてしまうことから、画像全体の均一な光沢感を保つ観点からも、その改善が強く望まれるところである。
これらの問題を解決する手段として、本発明者らは、インク組成物にカルボキシル基を有する芳香族化合物を含有させることを提案した(特願2003−090345号明細書)。前記カルボキシル基を有する芳香族化合物は、リチウム塩として含有させるか、中和剤として水酸化リチウムとともに含有させると、ブロンズ現象の改善効果が著しく優れ、耐目詰まり性においても著しく良好な結果を示すことが確認されている。
この実施の形態において、プリンタが正しい状態で使用され、印刷終了後にプリントヘッドがホームポジションに戻され、キャッピングされて次の印刷を待機する条件下では、十分な耐目詰まり特性が確保されていた。
国際公開第02/060994号パンフレット
しかし、プリンタが印刷を行っている最中に電源供給がされなくなった場合、プリントヘッドはホームポジションではない位置で静止し、キャッピングされない状態で放置されることがある。この条件では、上記の実施形態でも、カルボキシル基を有する芳香族化合物のリチウム塩析出による目詰まりが発生したり、ノズルプレートの腐食・剥離によるインク滴曲がりが発生したりしており、さらなる改善の余地があった。
よって本発明は、画質(耐ブロンズ性)及び画像保存性(耐光性及び耐ガス性)を低下させることなく、さらに目詰まりやインク滴曲がりの信頼性を向上させたインク組成物、及びこれを用いるインクジェット記録方法と記録物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物とともに含有させる、もしくはシアン系染料のカウンターカチオンとして含有させるリチウムイオンとともに、インク組成物にナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンを含有させることで2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物のリチウム塩の析出を防止しうることを見出した。また、さらに尿素も含有させると、リチウム塩析出防止効果が増大することを見出し、これらの知見に基づき本発明をなすに到った。
すなわち本発明は以下の構成を有する。
(1)少なくとも水と下記一般式(II)で表されるシアン系染料と2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物を含んでなるインク組成物であって、リチウムイオンと、ナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンを含有することを特徴とするインク組成物。
(式中、Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。 1 〜R 4 はそれぞれ独立に−SO 2 Zを表す。Zは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。但し、4つのZのうち少なくとも1つはイオン性親水性基を置換基として有する。)
)前記シアン系染料が、前記一般式(II)におけるMが銅元素であり、イオン性親水性基を有するZがスルホアルキル基である()に記載のインク組成物。
)前記スルホアルキル基のカウンターカチオンがリチウムカチオンである()に記載のインク組成物。
)さらに尿素を含有することを特徴とする(1)〜()のいずれか一項に記載のインク組成物。
)前記尿素をインク組成物の1〜6重量%含有することを特徴とする()に記載のインク組成物。
)前記シアン系染料のイオン性親水性基を有するスルホアルキル基のモル数に対し、リチウムイオンのモル数が1.2倍以上であり、かつ、ナトリウムイオンとカリウムイオンのモル数の合計が0.7倍以下であることを特徴とする(1)〜()のいずれか一項に記載のインク組成物。
)前記2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物のカルボキシル基のモル数に対し、ナトリウムイオンとカリウムイオンのモル数の合計が0.3倍以上であることを特徴とする(1)〜()のいずれか一項に記載のインク組成物。
)前記シアン系染料のイオン性親水性基を有するスルホアルキル基のモル数と前記2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物のカルボキシル基のモル数の合計に対し、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンのモル数の合計が0.8倍以上1.2倍以下であることを特徴とする(1)〜()のいずれか一項に記載のインク組成物。
)前記2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物が、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−エトキシ−2−ナフトエ酸、6−プロポキシ−2−ナフトエ酸の少なくとも一種である、(1)〜()のいずれか一項に記載のインク組成物。
10)前記2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物をインク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなる、(1)〜()のいずれか一項に記載のインク組成物。
11)前記シアン系染料と、前記2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物の含有比率が、重量比で、1:0.2〜1:10の範囲である、(1)〜(10)のいずれか一項に記載のインク組成物。
12)インクジェット記録方法において用いられる、(1)〜(11)のいずれか一項に記載のインク組成物。
13)前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、(12)に記載のインク組成物。
14)インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として(1)〜(13)のいずれか一項に記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
15)(1)〜(13)のいずれか一項に記載のインク組成物を用いて記録された、又は(14)に記載の記録方法により記録されたことを特徴とする記録物。
本発明によれば、インク組成物中のカルボキシル基を有する芳香族化合物のリチウム塩析出が防止されているため、高い画質(耐ブロンズ性)及び画像保存性(耐光性及び耐ガス性)を低下させることなく、さらに目詰まりやインク滴曲がりの信頼性を向上させたインク組成物、及びこれを用いるインクジェット記録方法と記録物を提供することができる。
本発明のインク組成物は、水又は、水と水溶性有機溶剤からなる水性媒体中に、少なくとも下記一般式(I)で表されるシアン系染料とカルボキシル基を有する芳香族化合物を含んでなるインク組成物であって、リチウムイオンとナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンを含有し、必要に応じ、さらに尿素を含有する。また、本発明のインク組成物にはさらに、保湿剤、粘度調整剤、pH調整剤やその他の添加剤を含有させることができる。
まず、本発明のインク組成物で使用される一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物について詳細に説明する。
前記一般式(I)において、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Zまたは−SO2−Zを表し、特に−SO2−Zが好ましい。
Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を表し、特に置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、さらに置換アルキル基、置換アリール基が好ましく、置換アルキル基が最も好ましい。
Zが表す置換または無置換のアルキル基は、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。
Zが表す置換または無置換のシクロアルキル基は、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。
Zが表す置換または無置換のアルケニル基は、炭素原子数が2〜30のアルケニル基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。
Zが表す置換または無置換のアラルキル基は、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。
Zが表す置換または無置換のアリール基は、炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。
Zが表すヘテロ環基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であっても良い。以下にZで表されるヘテロ環基を、置換位置を省略してヘテロ環の形で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。中では芳香族ヘテロ環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。
これらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、後述のZ、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。
1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基、またはスルホ基を表し、各々はさらに置換基を有していてもよい。
中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
1、Y2、Y3、Y4及びZがさらに置換基を有することが可能な基であるときは、以下に挙げたような置換基をさらに有してもよい。
ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子);炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18のアラルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、側鎖を有していてもよい炭素数3〜12のシクロアルケニル基(上記基の具体的例として、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル):アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル);ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル);アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ);アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェノキシ);アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド);アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ);アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ);ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド);スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ);アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ);アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ);アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ);スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド);カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル);スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル);スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、4−メチルフェニルスルホニル);アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル);ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ);アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ);アシルオキシ基(例えば、アセトキシ);カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ);シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ);アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ);イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド);ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ);スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル);ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル);アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル);アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル);イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、4級アンモニウム基、スルホニルスルファモイル基およびアシルスルファモイル基);その他シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基等が挙げられる。これらの置換基の中でも、ヒドロキシ基、アルコキシ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基およびイオン性親水性基が好ましく、中でもヒドロキシ基、スルファモイル基、イオン性親水性基が特に好ましい。
一般式(I)においてa1〜a4、b1〜b4は、それぞれX1〜X4、Y1〜Y4の置換基数を表す。そしてa1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。ここで、a1〜a4およびb1〜b4が2以上の整数であるとき、複数のX1〜X4およびY1〜Y4はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
1およびb1は、a1+b1=4の関係を満たし、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、特に好ましいのは、a1が1または2を表し、b1が3または2を表す組み合わせであり、その中でもa1が1を表し、b1が3を表す組み合わせが最も好ましい。
2およびb2は、a2+b2=4の関係を満たし、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、特に好ましいのは、a2が1または2を表し、b2が3または2を表す組み合わせであり、その中でもa2が1を表し、b2が3を表す組み合わせが最も好ましい。
3およびb3は、a3+b3=4の関係を満たし、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、特に好ましいのは、a3が1または2を表し、b3が3または2を表す組み合わせであり、その中でもa3が1を表し、b3が3を表す組み合わせが最も好ましい。
4およびb4は、a4+b4=4の関係を満たし、それぞれ独立に、0〜4の整数を表し、特に好ましいのは、a4が1または2を表し、b4が3または2を表す組み合わせであり、その中でもa4が1を表し、b4が3を表す組み合わせが最も好ましい。
Mは、水素原子、金属元素、金属酸化物、金属水酸化物、または金属ハロゲン化物を表す。
Mとして好ましいものは、水素原子の他に、金属元素として、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。酸化物としては、VO、GeO等が好ましく挙げられる。 また、水酸化物としては、Si(OH)2、Cr(OH)2、Sn(OH)2等が好ましく挙げられる。さらに、ハロゲン化物としては、AlCl、SiCl2、VCl、VCl2、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。なかでも、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
また、一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物は、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L−M−Pc)または3量体を形成してもよく、そのとき複数個存在するMは、それぞれ同一であっても異なるものであってもよい。
Lで表される2価の連結基は、オキシ基−O−、チオ基−S−、カルボニル基−CO−、スルホニル基−SO2−、イミノ基−NH−、メチレン基−CH2−、及びこれらを組み合わせて形成される基が好ましい。
上記一般式(I)において、フタロシアニン化合物の分子量は750〜3000の範囲が好ましく、さらに995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物が、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L−M−Pc)または3量体を形成する場合において、好ましい分子量、例えば特に好ましい分子量は、上記記載の特に好ましい分子量(995〜1800の範囲)の2倍(2量体の場合)、または3倍(3量体の場合)である。ここで、上記2または3量体の好ましい分子量は、連結基Lを含んだ値である。
一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物は、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4の少なくとも1つは、イオン性親水性基であるかまたはイオン性親水性基を置換基として有する基である。
置換基としてのイオン性親水性基には、スルホ基(−SO3 -+)、カルボキシル基(−CO2 -+)、および4級アンモニウム基(−N+RR’R”X-)、アシルスルファモイル基(−SO2+-COR)、スルホニルカルバモイル基(−CON+-SO2R)、スルホニルスルファモイル基(−SO2+-SO2R)等が含まれる。好ましくは、スルホ基、カルボキシル基および4級アンモニウム基であり、特にスルホ基が好ましい。スルホ基、カルボキシル基、アシルスルファモイル基、スルホニルカルバモイル基およびスルホニルスルファモイル基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アンモニウムイオン、有機カチオン(例、テトラメチルグアニジニウムイオン)、有機及び/又は無機アニオン(例、ハロゲンイオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン)が含まれる。なお、上記カッコ内のXは、水素原子または対イオン、R、R’、R”は置換基を表す。
一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物は、一分子中にイオン性親水性基またはイオン性親水性基を置換基として有する基が少なくとも1つ存在しているので、水性媒体中に対する溶解性または分散性が良好となる。このような観点から、一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物としては、一分子中にイオン性親水性基を少なくとも2個有するものが好ましく、複数個のイオン性親水性基の少なくとも1個がスルホ基であるものがより好ましく、その中でも一分子中にスルホ基を少なくとも2個有するものが最も好ましい。
上記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物として特に好ましい化合物は、下記(イ)〜(へ)の組み合わせを有する化合物である。
(イ)X1〜X4に関しては、これらが、それぞれ独立に、−SO2−Zが好ましい。
(ロ)Zに関しては、これらが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、置換アルキル基が最も好ましい。
(ハ)Y1〜Y4に関しては、これらが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ニ)a1〜a4はそれぞれ独立に1または2であることが好ましく、特に1であることが好ましい。b1〜b4はそれぞれ独立に、3または2であることが好ましく、特に3であることが好ましい。
(ホ)Mは、Cu、Ni、Zn、またはAlであることが好ましく、なかでもCuであることが最も好ましい。
(ヘ)フタロシアニン化合物の分子量は、750〜3000の範囲が好ましく、更に995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の範囲の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物の中でも、下記一般式(III)で表される構造のフタロシアニン化合物がさらに好ましい。以下に、本発明で用いる一般式(III)で表されるフタロシアニン化合物について詳しく述べる。
前記一般式(III)において、X21、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に、−SO−Zおよび−SO2−Zのいずれかを表し、特に−SO2−Zが好ましい。
Zに関しては、一般式(I)の中のZと同義であり、好ましい例も同じである。
21〜Y28に関しては、それぞれ独立に一般式(I)の中のY1、Y2、Y3、Y4とそれぞれ同義であり、好ましい例も同じである。
21〜a24は、4≦a21+a22+a23+a24≦8、好ましくは4≦a21+a22+a23+a24≦6を満たし、かつそれぞれ独立に1または2の整数を表す。特に好ましくはa21=a22=a23=a24=1の場合である。
Mは前記一般式(I)におけるMと同義である。
21、X22、X23、X24、Y21、Y22、Y23、Y24、Y25、Y26、Y27およびY28の少なくとも1つは、イオン性親水性基またはイオン性親水性基を置換基として有する基である。
イオン性親水性基の例は、一般式(I)におけるX1、X2、X3、X4の例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(III)で表されるフタロシアニン化合物は、イオン性親水性基またはイオン性親水性基を置換基として有する基が一分子中に少なくとも1つ存在しているので、水性媒体中に対する溶解性または分散性が良好となる。このような観点から、一般式(III)で表されるフタロシアニン化合物は、一分子中にイオン性親水性基を少なくとも2個有するものが好ましく、複数個のイオン性親水性基の少なくとも1個がスルホ基であるものがより好ましく、その中でも一分子中にスルホ基を少なくとも2個有するものが最も好ましい。
上記一般式(III)において、フタロシアニン化合物の分子量は750〜3000の範囲が好ましく、さらに995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
但し、本発明における一般式(III)で表されるフタロシアニン化合物が、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L−M−Pc)または3量体を形成する場合において、好ましい分子量、例えば特に好ましい分子量は、上記記載の特に好ましい分子量(995〜1800の範囲)の2倍(2量体の場合)、または3倍(3量体の場合)である。ここで、上記2または3量体の好ましい分子量は、連結基Lを含んだ値である。
上記一般式(III)で表されるフタロシアニン化合物として特に好ましい化合物は、下記(イ)〜(へ)の組み合わせを有する化合物である。
(イ)X21〜X24に関しては、それぞれ独立に、−SO2−Zが好ましい。
(ロ)Zに関しては、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、置換アルキル基が最も好ましい。
(ハ)Y21〜Y28に関しては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ニ)a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2であることが好ましく、特にa11=a12=a13=a14=1であることが好ましい。
(ホ)Mは、Cu、Ni、Zn、またはAlであることが好ましく、なかでもCuであることが最も好ましい。
(ヘ)フタロシアニン化合物の分子量は、750〜2500の範囲が好ましく、更に995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の範囲の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
前記一般式(III)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
一般式(III)で表されるフタロシアニン化合物の中でも、下記一般式(IV)で表される構造のフタロシアニン化合物がさらに好ましい。以下に、本発明で用いる一般式(IV)で表されるフタロシアニン化合物について詳しく述べる。
一般式(IV)のZ1、Z2、Z3、Z4に関しては、それぞれ独立に一般式(I)中のZと同義であり、好ましい例も同じである。
1、q2、q3、q4は、それぞれ独立に、1または2の整数を表し、特に2であることが好ましく、その中でもq1=q2=q3=q4=2であることが最も好ましい。
31、a32、a33、a34は、それぞれ独立に、1または2の整数を表し、特に1であることが好ましく、その中でもa31=a32=a33=a34=1であることが最も好ましい。
Mは、前記一般式(I)におけるMと同義である。
1、Z2、Z3およびZ4の少なくとも1つはイオン性親水性基を置換基として有する。
イオン性親水性基の例は、前記一般式(I)におけるZの例と同義であり、好ましい例も同じである。
フタロシアニン化合物の分子量は、750〜2500の範囲が好ましく、更に995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の範囲の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
本発明で用いる一般式(I)で表される化合物の中では、下記一般式(II)で表される化合物が特に好ましい。
式中、Mは一般式(I)におけると同義であり、R1〜R4はそれぞれ独立に−SO2Zを表す。Zは一般式(I)におけるZと同義であり、好ましい例も同じである。但し、4つのZのうち少なくとも1つはイオン性親水性基を置換基として有する。
上記化合物のうち、一般式(II)におけるMが銅元素であり、イオン性親水性基を置換基として有するZがスルホアルキル基である化合物がより好ましく、さらにはスルホ基が塩の状態であり、塩を形成する対カチオンがリチウムカチオンである化合物が好ましい。
本発明で用いることのできる下記一般式(V)で表されるフタロシアニン化合物は、例えば下記一般式(VI)で表されるフタロニトリル化合物及び/又は下記一般式(VII)で表されるジイミノイソインドリン誘導体とM−(Y)dで表される金属誘導体を反応させることにより合成される。なお、式中、Z及びZ1〜Z4は一般式(I)におけるZと同義であり、Mは一般式(I)におけるMと同義である。Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセチルアセトネート、酸素などの1価又は2価の配位子を示し、dは1〜4の整数である。M−(Y)dで示される金属誘導体としては、Al、Si、Ti、V、Mn,Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Pt、Pbのハロゲン化物、カルボン酸誘導体、硫酸塩、硝酸塩、カルボニル化合物、酸化物、錯体等が挙げられる。具体例としては塩化銅、臭化銅、沃化銅、塩化ニッケル、臭化ニッケル、酢酸ニッケル、塩化コバルト、臭化コバルト、酢酸コバルト、塩化鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、酢酸亜鉛、塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、塩化アルミニウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、アセチルアセトンマンガン、塩化マンガン、塩化鉛、酢酸鉛、塩化インジウム、塩化チタン、塩化スズ等が挙げられる。
このようにして得られる前記一般式(V)で表される化合物は通常、R1(SO2−Z1)、R2(SO2−Z2)、R3(SO2−Z3)、R4(SO2−Z4)の各置換位置における異性体である下記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物の混合物となっている。
さらに、置換基の異なる2種類以上の一般式(VI)及び/又は一般式(VII)を用いて染料を調製する場合には、一般式(V)で表される化合物は、置換基の種類、位置が異なる染料混合物となっている。
本発明に用いるシアン系染料の例としては、特開2002−249677号、同2003−213167号、同2003−213168号、同2004−2670号公報に記載の該当する構造の化合物を挙げることができるが、特に好ましいものは下記表に挙げるものである。表1、表2に記載の化合物については、上記公報もしくは明細書中に記載の方法で合成できる。もちろん、出発化合物、色素中間体および合成方法について、これらに限定されるものではない。
本発明のインク組成物は、ベタ印刷した場合に見られるブロンズ現象を弱めるか、もしくは無くするために、カルボキシル基を有する芳香族化合物を少なくとも1種含有する。
本発明で使用されるカルボキシル基を有する芳香族化合物としては、分子構造中にカルボキシル基を少なくとも1つ有する芳香族化合物であればいかなるものでも良いが、カルボキシル基を少なくとも1つナフタレン骨格に有する化合物が好ましく、2位にカルボキシル基を有し、ナフタレン骨格を持つ化合物がより好ましい。
また、好ましい態様として、カルボキシル基を有する芳香族化合物をアルカリ金属塩として含有させるか、中和剤としてのアルカリ金属の水酸化物とともに含有させることが挙げられる(本明細書においては、カルボキシル基を有する芳香族化合物のアルカリ金属塩もカルボキシル基を有する芳香族化合物に含める)。アルカリ金属の中でもリチウムが、耐ブロンズ性の改善の点で特に好ましいばかりでなく、耐目詰り性の点でも好ましい。
カルボキシル基を有する芳香族化合物としては、具体的には、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−メトキシ−2−ナフトエ酸、3−エトキシ−2−ナフトエ酸、3−プロポキシ−2−ナフトエ酸、6−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−エトキシ−2−ナフトエ酸、6−プロポキシ−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
これらのカルボキシル基を有する芳香族化合物の含有量は、カルボキシル基を有する芳香族化合物の種類、染料の種類、溶媒成分の種類等により決められるが、インク組成物全重量に対し、0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜5重量%の範囲である。
本発明のインク組成物においては、シアン系染料とカルボキシル基を有する芳香族化合物の含有比率は、1:0.2〜1:10、より好ましくは1:0.3〜1:6の範囲であることが好ましい。1:0.2よりもカルボキシル基を有する芳香族化合物及び/又はその塩の比率を高くすることで、それらによるブロンズ現象の改善効果が十分に得られ、また、1:10よりもカルボキシル基を有する芳香族化合物及び/又はその塩の比率を低くすることで、目詰まり信頼性などを容易に確保できる。
本発明のインク組成物は、リチウムイオンを含有する。リチウムイオンは、カルボキシル基を有する芳香族化合物をリチウム塩として添加することにより含有するものであってもよいし、上記シアン系染料のカウンターカチオンとしてリチウムイオンを含有するものであってもよいし、中和剤として水酸化リチウムなどのリチウム化合物を別途添加して含有させてもよい。
リチウムイオンの含有量は、前記シアン系染料のイオン性親水性基を有するスルホアルキル基のモル数に対し、リチウムイオンのモル数が1.2倍以上であることが好ましく、1.4〜3.0倍がより好ましい。リチウムイオンの存在により、カルボキシル基を有する芳香族化合物の耐ブロンズの効果が向上し、インク組成物の耐目詰まりの信頼性も良好なものとなる。また、着色剤中の−SO3 -基にリチウムイオンを結合させた場合、着色剤の溶解性が向上する。
ナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンについても、上記リチウムイオンと同様、カルボキシル基を有する芳香族化合物や着色剤をナトリウム塩、カリウム塩として添加してもよいし、別途水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの化合物を添加してもよい。
ナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンは、インクノズルがより厳しい使用条件におかれた場合(たとえば印刷中に電源が切られてプリントヘッドがホームポジションに戻らず、ノズルがキャッピングされないまま放置された場合)、カルボキシル基を有する芳香族化合物のリチウム塩が析出して目詰まりやインク滴曲がりを生ずるのを防止する効果を奏し、他の特性を低下させることなく目詰まり等の信頼性がさらに向上したインク組成物とすることができる。−COO-基にナトリウムイオン、カリウムイオンが結合した場合、リチウムイオンが結合したよりも溶解性が高く、芳香族化合物が乾燥によりノズル近傍に析出しにくくなったためと考察される。
ナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンの含有量は、前記シアン系染料のイオン性親水性基を有するスルホアルキル基のモル数に対し、ナトリウムとカリウムのモル数の合計が0.7倍以下であることが好ましく、0.1〜0.6倍であることがより好ましい。この範囲で用いることにより、インク組成物の耐ブロンズの効果を低下させることなくリチウム塩の析出を防止できる。
本発明のインク組成物において、前記カルボキシル基を有する芳香族化合物のカルボキシル基のモル数に対し、ナトリウムとカリウムのモル数の合計が0.3倍以上であることが好ましく、0.4〜1.0倍であることがより好ましい。このような比率でナトリウム及び/又はカリウムを含有することにより、カルボキシル基を有する芳香族化合物の溶解性を高めることができ、リチウム塩の析出を防止しうる。
所定の染料およびカルボキシル基を有する芳香族化合物及び/又はその塩の量を安定して溶解させるためには、インク組成物のpH(20℃)は7.5以上であることが好ましい。また、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を考慮すると、インク組成物のpHは10.0以下であることが好ましい。これらの事項をよりよく両立させるためには、インク組成物のpHを8. 0〜9.5に調整することがより好ましい。
このようなpHを確保するうえで、前記シアン系染料のイオン性親水性基を有するスルホアルキル基と前記カルボキシル基を有する芳香族化合物のカルボキシル基のモル数の合計に対し、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンのモル数の合計が0.8倍以上1.2倍以下であることが好ましい。
また、pHを確保したうえでリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンのモル数の合計が上記範囲を超える場合があるが(例えば、NaCl、KCl等を添加し、1.2倍以上とする)、インク中必要以上にイオンが溶解している場合、染料の溶解性を低下させることもあり、好ましくない。
本発明のインク組成物に、さらに尿素を添加すると、目詰まりやインク滴曲がりを生ずるのを防止する効果はさらに向上する。尿素もカルボキシル基を有する芳香族化合物のリチウム塩析出を防止する効果がある。インク組成物中の尿素の濃度は、好ましくは1〜6重量%、さらに好ましくは1.5〜5.5重量%である。この範囲で用いることにより、リチウム塩の発生を有効に防止し、耐目詰まり性を悪化させることがない。また、カルボキシル基を有する芳香族化合物との併用により耐ブロンズ性をさらに向上させる効果も奏する。
本発明のインク組成物は、さらに蒸気圧が純水よりも小さい水溶性有機溶剤及び/又は糖類から選ばれる保湿剤を含むことができる。
保湿剤を含むことにより、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させたりすることなく粘度を容易に変更することができる。
水溶性有機溶剤は、溶質を溶解する能力を持つ媒体を指しており、有機性で蒸気圧が水より小さい水溶性の溶媒から選ばれる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類、アセトニルアセトン等のケトン類、γ−ブチロラクトン、リン酸トリエチル等のエステル類、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、チオジグリコール等が望ましい。
また、糖類は、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等が好ましい。
保湿剤は、インク組成物全量に対して5〜50重量%、より好ましくは、5〜30重量%、さらに好ましくは、5〜20重量%の範囲で添加されることが好ましい。5重量%以上であれば、保湿性が得られ、また、50重量%以下であれば、インクジェット記録に用いられる粘度に調整しやすい。
また、本発明のインク組成物には、溶剤として含窒素系有機溶剤を含んでなることが好ましい。含窒素系有機溶剤としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等が挙げられ、中でも、2−ピロリドンが好適に用いられることができる。それらは、単独または2種以上併用して用いられることもできる。
その含有量は、0.5〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは、1〜5重量%である。その含有量を、0.5重量%以上とすることで、添加することによる本発明における着色剤の溶解性向上を図ることができ、10重量%以下とすることで、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を悪化させることがない。
また、本発明のインク組成物には、インクの速やかな定着( 浸透性) を得ると同時に、1ドットの真円度を保つのに効果的な添加剤として、ノニオン系界面活性剤を含むことが好ましい。
本発明に用いられるノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤として、具体的には、サーフィノール465、サーフィノール104(以上、Air Products and Chemicals, Inc. 製、商品名)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(以上、日信化学工業(株)製、商品名) 等が挙げられる。その添加量は0. 1〜5重量%、好ましくは0. 5〜2重量%である。添加量を0. 1重量%以上とすることで、十分な浸透性を得ることができ、また、5重量%以下とすることで、画像のにじみの発生を防止し易い。
さらに、ノニオン系界面活性剤に加えて、浸透促進剤として、グリコールエーテル類を添加することにより、より浸透性が増すとともに、カラー印刷を行った場合の隣合うカラーインクとの境界のブリードが減少し、非常に鮮明な画像を得ることができる。
本発明に用いられるグリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。その添加量は3〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。添加量が3重量%未満であると、ブリード防止の効果が得られない。また、30重量%を越えると画像ににじみが発生するばかりか、油状分離が起きるためにこれらのグリコールエーテル類の溶解助剤が必要となり、それに伴ってインクの粘度が上昇し、インクジェットヘッドでは吐出が難しくなる。
さらに、本発明のインク組成物には、必要に応じて、トリエタノールアミンやアルカリ金属の水酸化物等のpH調整剤、尿素およびその誘導体等のヒドロトロピー剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防カビ剤、防錆剤等が添加されてもよい。
本発明のインク組成物の調製方法としては、たとえば、各成分を十分混合溶解し、孔径0. 8μm のメンブランフィルターで加圧濾過したのち、真空ポンプを用いて脱気処理して調製する方法などがある。
次に、上述のインク組成物を用いた本発明の記録方法について説明する。本発明の記録方法はインク組成物を微細孔から液滴として吐出させ、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方式がとりわけ好適に使用できるが、一般の筆記具用、記録計、ペンプロッター等の用途にも使用できることは言うまでもない。
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法においては優れた画像記録を行うことが可能である。
次に、本発明の実施例と比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
なお、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜10及び比較例1〜7]
実施例1〜10及び比較例1〜7のインク組成物を表3に示す配合割合で各成分を混合して溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過を行なって、各インク組成物を調製した。表3中に示すインク組成物の各成分はインク組成物全量に対する各成分の重量%を示す。なお、比較例4の組成では2−ナフトエ酸が完全に溶解せず、評価に使用できるインク組成物が得られなかった。また、比較例5についてはインクpHが11.8となり、プリンタ部品の耐インク性に問題を生じて評価が行えなかった。
この組成におけるシアン染料のイオン性親水性基を有するスルホアルキル基のモル数に対するリチウムイオンのモル数及びナトリウムイオン+カリウムイオンのモル数、2−ナフトエ酸のカルボキシル基のモル数に対するナトリウムイオン+カリウムイオンのモル数の比率等は表4に示すとおりである。
<記録物の印字>
上記実施例1〜10及び比較例1〜3、6、7のインク組成物を、インクジェットプリンタStylus Color 880(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、これの専用カートリッジ(Cyan室)に充填し、インクジェット専用記録媒体(PM写真用紙;セイコーエプソン株式会社製、型番;KA420PSK)に対し以下のように印刷、評価を行った。
<耐オゾン性評価>
実施例1及び比較例1のインク組成物を充填したカートリッジを用い、それぞれのインク組成物に対し、OD(Optical Density)値が0.9〜1.1の範囲に入るようにDutyを調整して印刷を行った。これを直射日光のあたらない常温常湿環境にて1日放置した後、得られた記録物の耐オゾン性を以下の条件下で評価した。
オゾンウェザーメーターOMS−H型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃60%RH、オゾン濃度10ppmの条件下にて、記録物を12時間曝露した。
曝露サンプルのOD値(Optical Density)を、反射濃度計(「Spectrolino」Gretag社製)を用いて測定した。各測定値を以下の式に代入することにより、退色後の光学濃度残存率(Relict Optical Density;ROD)を得た。
ROD(%)=(Dn/D0)×100
(Dn:照射試験後のOD、D0:照射試験前のOD)
A:ROD(%)85%以上
B:ROD(%)70%以上85%未満
C:ROD(%)55%以上70%未満
D:ROD(%)55%未満
この結果、実施例1のインク組成物ではA、比較例1のインク組成物ではDの評価であった。
<ブロンズ評価>
実施例1〜10及び比較例2、3、6、7のインク組成物を充填したカートリッジを用い、最大インク打ち込み量に対し32分割したパッチ画像を、32℃65%RH環境下で印刷した(32:最大、0:印刷無し)。ブロンズが発生した階調を、目視で判断した。結果を表5に示す。
<目詰り性評価>(キャップ有り)
実施例1〜10及び比較例2、3、6、7のインク組成物を充填したカートリッジを用い、10分間連続して印刷し、全てのノズルが正常に吐出していることを確認後、60℃15%RHの環境に3週間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により、回復しやすさを評価し、その結果を表5に示した。
A:1〜4回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
B:5〜8回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
C:9〜12回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
D:現実的な回数のクリーニング操作では回復せず。
<目詰り性評価>(キャップ無し)
(目詰り回復性)
実施例1〜10及び比較例2、3、6、7のインク組成物を充填したカートリッジを用い、10分間連続して印刷し、全てのノズルが正常に吐出していることを確認後、インクカートリッジを装着したまま、記録ヘッドをヘッドキャップから外した状態で、40℃20%RHの環境に1週間、及び2週間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により、回復しやすさを評価し、その結果を表5に示した。
A:1〜4回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
B:5〜8回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
C:9〜12回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
D:現実的な回数のクリーニング操作では回復せず。
(インク滴曲がり)
上記目詰りが回復したプリンタを使用し、duty40%でベタパターンを印刷した。以下の判定基準に従い、目視により判断した。結果を表5に示した。
A:ベタが埋まっており、初期と変化無し。
B:初期と比較し、若干変化している。
C:ベタが埋まらず、筋が多い。
耐ブロンズの性能は2−ナフトエ酸の使用によって向上する(比較例2に対する比較例6)が、尿素の添加によりさらに向上している(実施例2、3、6〜10)。このとき、尿素の含有量がインク組成物の1重量%以上であるほうが効果が大きい。また、シアン系染料のイオン性親水性基を有するスルホアルキル基のモル数に対し、リチウムのモル数が1.2倍以上であり、かつ、ナトリウムとカリウムのモル数の合計が0.7倍以下であるものは、リチウムイオン及びナトリウムイオン、又はカリウムイオンは含有するが、好ましい範囲から外れるものよりも耐ブロンズ性が高い(実施例4に対する実施例1、実施例6,7に対する実施例10)。
耐目詰まり性(キャップあり)についてもシアン系染料のイオン性親水性基を有するスルホアルキル基のモル数に対し、リチウムのモル数が1.2倍以上であり、かつ、ナトリウムとカリウムのモル数の合計が0.7倍以下であるものは、リチウムイオン及びナトリウムイオン、又はカリウムイオンは含有するが、好ましい範囲から外れるものよりも性能が向上している(実施例4に対する実施例1、実施例6,7に対する実施例10)。また、尿素の含有量を6重量%以下とするほうが、尿素による耐目詰まり性の低下が少ない(実施例3に対する実施例2)。
耐目詰まり性(キャップなし)の回復性及びインク滴曲がりの性能については、NaOHの使用により向上している。尿素の含有量は、6重量%以下とするほうが尿素による回復性の低下が少なく(実施例3に対する実施例2、10)、1重量%以上とするとインク滴曲がりを低減できる(実施例2に対する実施例10)。また、2−ナフトエ酸のカルボキシル基のモル数に対し、ナトリウムとカリウムのモル数の合計が0.3倍以上であるもののほうが効果が高い(実施例5に対する実施例1、実施例8,9に対する実施例10)。

Claims (15)

  1. 少なくとも水と下記一般式(II)で表されるシアン系染料と2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物を含んでなるインク組成物であって、リチウムイオンと、ナトリウムイオン及び/又はカリウムイオンを含有することを特徴とするインク組成物。

    (式中、Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。 1 〜R 4 はそれぞれ独立に−SO 2 Zを表す。Zは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。但し、4つのZのうち少なくとも1つはイオン性親水性基を置換基として有する。)
  2. 前記シアン系染料が、前記一般式(II)におけるMが銅元素であり、イオン性親水性基を有するZがスルホアルキル基である請求項に記載のインク組成物。
  3. 前記スルホアルキル基のカウンターカチオンがリチウムカチオンである請求項に記載のインク組成物。
  4. さらに尿素を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. 前記尿素をインク組成物の1〜6重量%含有することを特徴とする請求項に記載のインク組成物。
  6. 前記シアン系染料のイオン性親水性基を有するスルホアルキル基のモル数に対し、リチウムイオンのモル数が1.2倍以上であり、かつ、ナトリウムイオンとカリウムイオンのモル数の合計が0.7倍以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. 前記2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物のカルボキシル基のモル数に対し、ナトリウムイオンとカリウムイオンのモル数の合計が0.3倍以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. 前記シアン系染料のイオン性親水性基を有するスルホアルキル基のモル数と前記2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物のカルボキシル基のモル数の合計に対し、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンのモル数の合計が0.8倍以上1.2倍以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. 前記2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物が、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−メトキシ−2−ナフトエ酸、6−エトキシ−2−ナフトエ酸、6−プロポキシ−2−ナフトエ酸の少なくとも一種である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物。
  10. 前記2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物をインク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなる、請求項1〜のいずれか一項に記載のインク組成物。
  11. 前記シアン系染料と、前記2位にカルボキシル基を有するナフタレン骨格を持つ化合物の含有比率が、重量比で、1:0.2〜1:10の範囲である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインク組成物。
  12. インクジェット記録方法において用いられる、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインク組成物。
  13. 前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、請求項12に記載のインク組成物。
  14. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜13のいずれか一項に記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  15. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のインク組成物を用いて記録された、又は請求項14に記載の記録方法により記録されたことを特徴とする記録物。
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