JP4595339B2 - インク組成物、インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents
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1.少なくとも、水と、下記の式(I)で示されるフタロシアニン系シアン染料と、下記の一般式(b)で表されるスルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩とを含んでなることを特徴とするインク組成物を提供するものである。
また、本発明は、以下に示すインク組成物、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、及び記録物それぞれを提供するものである。
2.前記式(I)で示されるフタロシアニン系シアン染料が、下記の式(II)で示されるフタロシアニン系染料である、1に記載のインク組成物。
3.前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩が、スルホン基を2つ以上有する、1又は2記載のインク組成物。
4.前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩が、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−1,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,7−ジスルホン酸、ナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、3記載のインク組成物。
5.前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩を、インク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなる、1〜4の何れかに記載のインク組成物。
6.前記フタロシアニン系シアン染料と、前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩との含有比率が、1:0.1〜1:10の範囲内にある、1〜5の何れかに記載のインク組成物。
7.更に、ノニオン系界面活性剤を含んでなる、1〜6の何れかに記載のインク組成物。
8.前記ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤である、7記載のインク組成物。
9.前記ノニオン系界面活性剤をインク組成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなる、7又は8に記載のインク組成物。
10.更に、浸透促進剤を含んでなる、1〜9の何れかに記載のインク組成物。
11.前記浸透促進剤が、グリコールエーテル類である、10に記載のインク組成物。
12.20℃におけるインク組成物のpHが、8.0〜10.5である、1〜11の何れかに記載のインク組成物。
13.インクジェット記録方法において用いられる、1〜12の何れかに記載のインク組成物。
14.前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、13に記載のインク組成物。
15.1〜14の何れかに記載のインク組成物を少なくとも備えることを特徴とするインクカートリッジ。
16.インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として1〜14の何れかに記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
17.1〜14の何れかに記載のインク組成物を用いて記録されたことを特徴とする記録物。
(イ)X1〜X4に関しては、これらが、それぞれ独立に、−SO2−Zが好ましい。
(ロ)Zに関しては、これらが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、置換アルキル基が最も好ましい。
(ハ)Y1〜Y4に関しては、これらが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホン基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、およびスルホン基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ニ)a1〜a4はそれぞれ独立に1または2であることが好ましく、特に1であることが好ましい。b1〜b4はそれぞれ独立に、3または2であることが好ましく、特に3であることが好ましい。
(ホ)Mは、Cu、Ni、Zn、またはAlであることが好ましく、なかでもCuであることが最も好ましい。
(ヘ)フタロシアニン化合物の分子量は、750〜3000の範囲が好ましく、更に995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の範囲の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
(イ)X21〜X24に関しては、それぞれ独立に、−SO2−Zが好ましい。
(ロ)Zに関しては、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、置換アルキル基が最も好ましい。
(ハ)Y21〜Y28に関しては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホン基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、およびスルホン基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ニ)a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2であることが好ましく、特にa11=a12=a13=a14=1であることが好ましい。
(ホ)Mは、Cu、Ni、Zn、またはAlであることが好ましく、なかでもCuであることが最も好ましい。
(ヘ)フタロシアニン化合物の分子量は、750〜2500の範囲が好ましく、更に995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の範囲の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
前記一般式(a)及び/又は(b)で表されるスルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩としては、分子構造中にスルホン基を少なくとも1つ有する芳香族化合物又はその塩であればいかなるものでも良いが、スルホン基を2つ以上有するもの、特に、1,3−ベンゼンジスルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−1,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,7−ジスルホン酸、ナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種が、得られる画像の耐オゾン性の改善の点で好ましい。
[実施例1,3,4,7,8,9,10,12,13及び比較例1〜13]
実施例1,3,4,7,8,9,10,12,13及び比較例1〜13のインク組成物を、表3に示す配合割合で各成分を混合して溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過を行って、各インク組成物を調製した。
≪耐オゾン性の試験≫
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印加Dutyを調整して印刷を行って得られた印刷物を、オゾンウェザーメータOMS−H型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、オゾン濃度20ppmの条件下にて、印刷物を所定時間(12、24時間)曝露した。
D:曝露試験後のOD
D0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red、光源:D50、視野角:2度)
[判定基準]
評価A:RODが90%以上
評価B:RODが80%以上90%未満
評価C:RODが70%以上80%未満
評価D:RODが70%以下
≪窒素酸化物性の試験≫
実施例1,3,4,7,8,9,10,12,13及び比較例1〜13のインク組成物を充填した上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印加Dutyを調整して印刷を行って得られた印刷物を、ガス腐食試験機GS−UV型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、二酸化窒素濃度10ppmの条件下にて、印刷物を所定時間(12、24時間)曝露した。
L*、a*、b* :曝露試験後の各座標値
L0 *、a0 *、b0 *:曝露試験前の各座標値
[判定基準]
評価A:ΔEが3未満
評価B:ΔEが3以上10未満
評価C:ΔEが10以上20未満
評価D:ΔEが20以上
≪耐目詰り性≫
インクをインクジェットプリンタPM970C(セイコーエプソン株式会社製)に充填し、10分間連続して印刷し、ノズルからインクが吐出していることを確認後、印字を停止した。ヘッドにキャップせずにプリンタを、実施例1,3,4,7,8,9,10,12,13及び比較例1〜13の各インク組成物について40℃、25%RHの環境に2週間放置した。放置後、ノズルのクリーニング操作を行い、その後印字を行った。カスレ、抜けなどの不良印字がなく、初期と同等の印字が可能となるまでのクリーニング操作の回数で、そのインクの目詰まり特性を評価した。
[判定基準]
評価A:1〜5回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価B:6〜10回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価C:11〜15回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価D:16回以上のクリーニング操作によっても初期と同等の印字は不可能
得られた評価結果を表4に示す。
Claims (17)
- 少なくとも、水と、下記の式(I)で示されるフタロシアニン系シアン染料と、下記の一般式(b)で表されるスルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩とを含んでなることを特徴とするインク組成物
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表す。
a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表す。そしてa1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
但し、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基であるかまたはイオン性親水性基を置換基として有する基である。)
- 前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩が、スルホン基を2つ以上有する、請求項1又は2記載のインク組成物。
- 前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩が、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−1,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,7−ジスルホン酸、ナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項3記載のインク組成物。
- 前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩を、インク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなる、請求項1〜4の何れかに記載のインク組成物。
- 前記フタロシアニン系シアン染料と、前記スルホン基を有する芳香族化合物及び/又はその塩との含有比率が、1:0.1〜1:10の範囲内にある、請求項1〜5の何れかに記載のインク組成物。
- 更に、ノニオン系界面活性剤を含んでなる、請求項1〜6の何れかに記載のインク組成物。
- 前記ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤である、請求項7記載のインク組成物。
- 前記ノニオン系界面活性剤をインク組成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなる、請求項7又は8に記載のインク組成物。
- 更に、浸透促進剤を含んでなる、請求項1〜9の何れかに記載のインク組成物。
- 前記浸透促進剤が、グリコールエーテル類である、請求項10に記載のインク組成物。
- 20℃におけるインク組成物のpHが、8.0〜10.5である、請求項1〜11の何れかに記載のインク組成物。
- インクジェット記録方法において用いられる、請求項1〜12の何れかに記載のインク組成物。
- 前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、請求項13に記載のインク組成物。
- 請求項1〜14の何れかに記載のインク組成物を少なくとも備えることを特徴とするインクカートリッジ。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜14の何れかに記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1〜14の何れかに記載のインク組成物を用いて記録されたことを特徴とする記録物。
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