JP4967612B2 - インク組成物、インクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録方法および記録物 - Google Patents

インク組成物、インクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録方法および記録物 Download PDF

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Description

本発明は、インク組成物、該インク組成物を含むインクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録方法および記録物に関し、特に記録媒体上での色ムラのない均一な混色による美麗な発色を可能にするのみならず、長期間に渡ってこの発色状態を維持することができるインク組成物、かかる特性を有するインク組成物を構成成分の1つとして用いたインクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録方法、及びこの記録方法で得られる美麗な発色状態を長期間に渡って維持することができる記録物に関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルヘッドからインクの小滴を吐出して飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度かつ高品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有する。そして、この方法を利用したインクジェット記録装置は、良好な印字品質、低コスト、比較的静かな動作及びグラフィック形成能により、商業的に広く受け入れられている。中でも、サーマル(バブルジェット(登録商標))および圧電ドロップ・オン・デマンドプリンターは、市場でとりわけ成功し、オフィスおよび家庭でのパソコン用プリンタとして広く用いられてきた。
インクジェット記録方法に用いられるインクとしては、例えば色材である染料を水性媒体中に溶解させたもの、顔料を界面活性剤や高分子分散剤で水性溶媒に分散させたものがインクとして提案されている。最近では、複数のカラーインク組成物を用意してインクセットとし、インクジェット記録によってカラー画像を形成することが行われている。一般に、カラー画像の形成は、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、およびシアンインク組成物の三色、さらに場合によってブラックインク組成物を加えた四色によって行われている。さらに、これらの四色にライトシアンインク組成物およびライトマゼンタインク組成物を加えた六色又は更にダークイエローインク組成物を加えた七色によってカラー画像形成を行う場合もある。
異なる色材からなる複数のカラーインク組成物を用いた多色印刷においては、複数の色材が記録媒体上で混合され、均一な発色を得ることで色ムラのない美麗な印刷物を作り出すことができる。
近年、カラーインクジェットプリンタによる"写真画質"の印刷は、ヘッド、インク組成物、記録方法、そしてメディアのそれぞれの継続的な改良によって"銀塩写真"と遜色ないレベルとなり、画質においては"写真並"となった。この一方で、得られた画像の保存性に関しても、インク組成物及びメディアの改良により、特性向上が図られている。特に耐光性の改善に関しては、例えば色材として特定の染料を組合せて用いる提案(特許文献1、2、3等参照)をはじめとして、従来から多数の提案がなされており、実用上問題のないレベルまでの特性改良が行われている。
ところが、多様な色材を用いたインクの中には、記録媒体上に印刷した際に、異なる色のインク組成物による記録媒体上での混色が均一に作用しない場合があり、その結果色ムラとなって美麗な印刷物が得られないばかりか、それぞれ単独では優秀な特性をもつ色材であっても、これらを組合せて利用できない場合がある。特に近年の高速印刷においては、この現象が顕著になる傾向にある。
特開2000−290559号公報 特開2001−288392号公報 特開2005−320530号公報 J.T.Davies and E.K.Rideal,"Interface Phenomena" 2nd ed.Academic Press,New York 1963
本発明はインクジェット記録方法において使用されるインク組成物に関する前記の諸事情を考慮してなされたものであり、それぞれ異なる色の色材を含む複数のインク組成物の組合せからなるインクセットとして用いた際に、記録媒体上での混色が均一であり、色ムラのない美麗な発色を可能にし、しかも長期間に渡ってこの美麗な発色状態を維持することができるインク組成物及び該インク組成物を含むインクセットと、かかる特性を有するインクセットを用いたインクジェット記録方法、及びこの記録方法により得られる美麗な発色状態を長期間に渡って維持することのできる記録物を提供することを課題とする。
本発明者等はインク組成物の色材として有用な種々の染料(以下、色材ともいう)と各種添加材との組合せからなる多数のインク組成物について、インクジェット記録方法により記録媒体上に印刷した場合の記録媒体上での混色により発生する色ムラの有無について鋭意検討の結果、少なくとも特定構造の染料とHLB値が特定値範囲内にあるグリコールエーテルとを必須成分として含有するインク組成物とすることにより、記録媒体上に印刷して単独はもとより、上記以外の染料との混色を行った際に、色ムラのない均一な発色を呈し、美麗な印刷物を得ることができるようになり、しかも該インク組成物を用いて印刷された記録物は特に耐光性、耐オゾン性、耐湿性等の耐候性にも優れるとの知見を得て本発明に至った。
即ち、本発明は以下の構成からなる。
(1) 少なくとも下記一般式〔式1〕で表される染料からなる色材と、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、及びエチレングリコールモノオクチルエーテルの中の少なくとも1種であるグリコールエーテルとを必須成分として含むインク組成物。
Figure 0004967612
(上記式中、Rはそれぞれ独立に、下記の置換基AまたはBのいずれかであり、その存在比率の範囲はA:B=25〜75%:75〜25%であり、かつ、A+B=100%である。
A: −SO 2 (CH 2 3 SO 3 Li
B: −SO 2 (CH 2 3 SO 2 NHCH 2 CH(OH)CH 3
(2) 前記グリコールエーテルの含有量が前記染料に対して4〜1200重量%である、前記(1)に記載のインク組成物。
(3) 前記インク組成物の全量に対して前記染料の含有量が、0.5〜6重量%である、前記(1)または(2)に記載のインク組成物。
(4) 前記インク組成物の全量に対して前記グリコールエーテルの含有量が0.25〜6重量%である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のインク組成物。
(5) さらにノニオン系界面活性剤を含有する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のインク組成物。
(6) 前記ノニオン系界面活性剤がアセチレンジオール系界面活性剤である、前記(5)に記載のインク組成物。
(7) インクジェット記録方法に用いるインクセットであって、少なくとも前記(1)〜(6)のいずれかに記載のインク組成物を構成成分として含んでなるインクセット。
(8) インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、前記(1)〜(6)のいずれかに記載のインク組成物、または前記(7)に記載のインクセットを用いて記録するインクジェット記録方法。
(9) 前記記録媒体の光沢度が30以上である、前記(8)に記載のインクジェット記録方法。
(10) 前記(8)または(9)に記載のインクジェット記録方法によって印刷された記録物。
本発明のインク組成物、インクセット並びに本発明のインクジェット記録方法により記録媒体上に印刷した場合、色ムラのない均一な発色を呈し、美麗で、かつ、耐光性、耐オゾン性、耐湿性等の耐候性に優れ、長期間に亘ってこの発色状態を維持することができる印刷物を提供することができる。
次に本発明をその好ましい実施形態に基づいて、さらに詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、水、又は水と水溶性有機溶剤からなる水性媒体(溶媒)中に、色材として、前記一般式〔式1〕で表される染料と、添加剤の1つとして、デービス法により算出されるHLB値が5.4〜8.0であるグリコールエーテルとを少なくとも必須成分として含有し、必要に応じてこれに保湿剤、界面活性剤、粘度調整剤、及びpH調整剤や、さらにその他の添加剤を含有させた組成物からなる。
本発明においては、前記一般式〔式1〕で表される染料と前記のHLB値が特定値範囲にあるグリコールエーテルとを併用することにより、上記以外の色材からなるインク組成物とともに記録媒体に印刷したとき、色ムラのない均一な発色を得ることができる上に、優れた耐光性及び耐湿性を有するインク組成物を提供することができる。
以下に本発明のインク組成物について説明する。
(色材)
本発明のインク組成物に使用される色材としては、下記一般式〔式1〕
Figure 0004967612
(上記式中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、−SO−R’、−SO2−R’、−SO2NR’R”、スルホ基、−COOR’、−CONR’R”、またはカルボキシル基を表す。R’およびR”はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、複素環基を表す。)で表される染料が使用される。
前記一般式〔式1〕で表される染料において、Rとしては、−SO2−R’特に、−SO2(CH2XSO2M(X=3、M=Li等)、−SO2(CH2YSO2NHCH2CH(OH)CH3(Y=2)であることが耐ガス性とブロンズ発生の両立の点で好ましい。
特に、Rは、前記一般式〔式1〕で表される染料1分子中の水酸基数が1〜3となるように水酸基を含むことがグリコールエーテル添加による改良効果をより発揮しやすい点で好ましく、とりわけ、その効果発揮と共に染料の溶解安定性との両立のためには水酸基数は染料1分子中に2が望ましい。
本発明のインク組成物における、前記一般式〔式1〕で表される染料固形分の合計は、インク組成物の全重量に対し0.5〜6重量%の範囲にあることが好ましい。0.5重量%以上とすることで必要な発色性(最高濃度)を得ることができ、6重量%以下とすることでインクセット等に使用したときの目詰まりを防止することができる。
(グリコールエーテル)
本発明のインク組成物は、前記一般式〔式1〕で表される染料に加えてHLB値が5.4〜8.0であるグリコールエーテルを必須の成分として含むことを特徴とする。インク組成物中にHLB値が5.4〜8.0の範囲、より好ましくは5.4〜6.9の範囲にあるグリコールエーテルを添加しておくことにより、本発明のインク組成物とは異なる色の色材を含むインク組成物とともに、記録媒体上に印刷して該記録媒体上で混色した時の色ムラを著しく低減させることができる。
本発明で必須成分として使用するグリコールエーテルとしては、全てのグリコールエーテルを使用し得るのではなく、HLB値が5.4〜8.0の範囲にあるグリコールエーテルを用いた時に限り、色ムラのない記録物が得られるインク組成物とすることができる。 すなわち、HLB値が5.4より小さいか、8.0よりも大きいグリコールエーテルを前記一般式〔式1〕で表される染料に添加しても色ムラの改善はみられない。
なお、本発明において用いるグリコールエーテルの前記各HLB値はデービスらが提唱した化合物の親水性を評価する値であり、例えば非特許文献1に定義されているデービス法により求められる数値で、下記の(1)式によって算出される値をいう。
[数1]
HLB値=7+Σ[1]+Σ[2] (1)
但し、[1]は親水基の基数を表し、[2]は疎水基の基数を表す。下記の表1に、代表的な親水基、及び疎水基の基数を例示する。
Figure 0004967612
本発明で使用する前記のHLB値が5.4〜8.0であるグリコールエーテルとしては、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、及びエチレングリコールモノオクチルエーテル等の中の少なくとも1種が特に好適に用いられる。
これらのグリコールエーテル類の中でも、顕著に色ムラを解消し得る点において、前記のHLB値が5.4〜6.9であるプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、及びエチレングリコールモノオクチルエーテルがより好ましい。
前記グリコールエーテルの含有量は、インク組成物の色ムラの低減効果、及び保存安定性、目詰まり、材料攻撃性等の信頼性の点でインク組成物の全重量に対し0.25〜6重量%の範囲とするのが好ましい。また、前記グリコールエーテルの含有量はインク組成物中の前記染料に対して4〜1200重量%(インク組成物中の前記グリコールエーテルと前記染料との含有比が4:100乃至1200:100)とするのが好ましい。
前記の染料やグリコールエーテルを安定して溶解させるためには、インク組成物のpH(20℃)は8.0以上であることが好ましい。また、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を考慮すると、インク組成物のpHは10.5以下であることが好ましく、これらの点をよりよく両立させるためには、インク組成物のpHを8. 5〜10.0に調整することがより好ましい。
(溶媒)
本発明のインク組成物は、主溶媒として、水又は水とグリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の水溶性有機溶剤の混合液を使用することが好ましい。
水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等を用いることができる。また、長期保存の観点から、紫外線照射や過酸化水素添加などの各種化学滅菌処理を施した水が好ましい。
(その他の添加成分)
本発明のインク組成物は、さらに蒸気圧が純水よりも小さい水溶性有機溶剤及びマルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等の糖類から選ばれる少なくとも1種の保湿剤を含むことができる。
保湿剤を含むことにより、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させることなく粘度を容易に変更させたりすることができる。
保湿剤は、インク組成物全量に対して好ましくは5〜50wt%、より好ましくは、5〜30wt%、さらに好ましくは、5〜20wt%の範囲で添加される。5wt%以上であれば、保湿性が得られ、また、50wt%以下であれば、インクジェット記録に用いられる粘度に調整しやすい。
また、本発明のインク組成物には、溶剤として含窒素系有機溶剤を含んでなることが好ましい。含窒素系有機溶剤としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等が挙げられ、中でも、2−ピロリドンが好適に用いられる。それらは、単独または2種以上併用して用いることもできる。
その含有量は、インク組成物全量に対して0.5〜10wt%が好ましく、さらに好ましくは、1〜5wt%である。その含有量を、0.5wt%以上とすることで、添加することによる各成分の溶解性向上を図ることができ、10wt%以下とすることで、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を悪化させることがない。
本発明のインク組成物には、インクの速やかな定着(浸透性)を得ると同時に、1ドットの真円度を保つのに効果的な添加剤として、ノニオン系界面活性剤を含むことが好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、アセチレンジオール系界面活性剤を用いるのが好ましく、具体的には、サーフィノール465、サーフィノール104(以上、エアプロダクツ社製、商品名)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(以上、日信化学工業(株)製、商品名)等が挙げられる。
インク組成物中にこれらのアセチレンジオール系界面活性剤を添加することによって十分な浸透性を得ることができ、加えてその添加量や界面活性剤の種類によってカラー印刷を行った場合の隣り合うカラーインクとの境界のブリードを減少させることができ、より鮮明な画像を得ることができる。
アセチレンジオール系界面活性剤添加量はインク組成物全量に対して好ましくは0.1〜5wt%、より好ましくは0.5〜2wt%である。添加量を0.1wt%以上とすることで、十分な浸透性を得ることができ、また、5wt%以下とすることで、画像のにじみの発生を防止し易い。
さらに、本発明のインク組成物には、必要に応じて、pH調整剤、ヒドロトロピー剤、アルギン酸ナトリウム等の水溶性ポリマー、水溶性樹脂、フッ素系界面活性剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤等が添加されてもよい。
防腐剤又は防黴剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(AVECIA製 プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。
pH調整剤、溶解助剤、又は酸化防止剤の例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリン等のアミン類及びそれらの変性物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの金属水酸化物、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアンモニウム等)等のアンモニウム塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩類など、あるいはN−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンなどのピロリドン類、アロハネート、メチルアロハネート等のアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩類を挙げることができる。
本発明のインク組成物においては、前記した任意成分は、単独又は各群内及び各群間において複数種選択して混合して用いることができる。
また、本発明のインク組成物においては、インク組成物の全ての成分の量は、インク組成物の粘度が20℃で10mPa・s未満であるように選択されるのが好ましい。
また、本発明のインク組成物は、その表面張力が好ましくは20℃で45mN/m以下、さらに好ましくは、25〜45mN/mの範囲である。
(インク組成物の調製)
本発明のインク組成物の調製方法は、インク構成主成分として、色材である前記一般式〔式1〕で表される染料、及びHLB値が5.4〜8.0であるグリコールエーテルを必須成分として用いる以外は従来のインク組成物と同様にして調製することができる。
例えば、各成分原料を溶媒中で十分混合溶解し、孔径0. 8μm程度のメンブランフィルターで加圧濾過したのち、真空ポンプを用いて脱気処理して調製される。
次に、本発明のインクセット、インクジェット記録方法及び記録物について説明する。
(インクセット)
本発明のインクセットは、色材である前記一般式〔式1〕で表される染料、及びHLB値が5.4〜8.0の範囲内にあるグリコールエーテルを必須成分として含む前記の本発明のインク組成物(シアンインク組成物)と、マゼンタインク組成物と、イエローインク組成物との組合せからなり、さらに必要に応じてこれにブラックインク組成物を加えたインク組成物を1組として、これらインク組成物を一体的に、または独立に収容したインクカートリッジからなる。本発明のインクセットは一般の筆記具用、記録計、ペンプロッター等の用途にも使用できることは言うまでもない。
なお、上記態様のインクセットにおいて、シアンインク組成物として色濃度の異なる少なくとも二種のシアンインク組成物、すなわち、少なくとも濃シアンインク組成物及び淡シアンインク組成物の二種を備えたインクセットであってもよい。
同様に、上記態様のインクセットにおいて、マゼンタインク組成物として色濃度の異なる少なくとも二種のマゼンタインク組成物、すなわち、少なくとも濃マゼンタインク組成物及び淡マゼンタインク組成物の二種を備えたインクセットであってもよい。
さらに、他のいかなる色のインク組成物についても同様に濃淡二種を備えることもできる。
(インクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録方法は、前記の本発明のインク組成物を含むインクセットの各インク組成物をインクジェットプリンタの各専用カートリッジに充填し、それぞれのノズルヘッドの微細孔(ノズル)から液滴として吐出させ、該液滴を記録媒体に付着させて印刷、記録を行うものである。
インクジェット記録方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法においては優れた画像記録を行うことが可能である。
かかるインクジェット記録方法により、本発明のインクセットから紙などの記録媒体上に各色のインク組成物からなる液滴を吐出させて文字や画像を形成させることによって本発明の記録物を得ることができる。本発明のインクセットにより記録物を得る場合、記録媒体として写真用紙クリスピア〈高光沢〉等の光沢層を有し、光沢度が30以上であるインクジェット記録用紙を用いた場合、特に色ムラの改善効果が顕著である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記
実施例中に記述した材料、組成、及び製造方法に何等限定されるものではない。
〔実施例1〜14及び比較例1〜7,15〜22
色材として、前記一般式〔式1〕で示される染料においてRがA:−SO2(CH23SO2Li、B:−SO2(CH23SO2NHCH2CH(OH)CH3のいずれかであり、その存在比がA:B=50:50であるもの(下記の染料A)を含む各インク組成物構成原料を下記の表2及び表3に示す各配合割合で混合して溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過して、それぞれ実施例1〜14及び比較例15〜22のインク組成物を調製した。
また、色材として前記実施例で用いた、染料Aを含む各インク組成物構成原料を下記の表4に示す各配合割合で混合して溶解させ、実施例1〜14及び比較例15〜22のインク組成物と同様にしてそれぞれ比較例1〜7のインク組成物を調製した。
Figure 0004967612
Rは、以下の置換基のいずれかであり、その存在比率はA:B=50%:50%である。
A: −SO2(CH23SO3Li
B: −SO2(CH23SO2NHCH2CH(OH)CH3
Figure 0004967612
Figure 0004967612
Figure 0004967612
なお、表2に記載の各グリコールエーテルの略称はそれぞれ下記の通りである。
実施例1及び2で用いた「BFG」はプロピレングリコールモノブチルエーテルの略称。
実施例3及び4で用いた「BFDG」はジプロピレングリコールモノブチルエーテルの略称。
実施例5及び6用いた「BFTG」はトリプロピレングリコールモノブチルエーテルの略称。
実施例7及び8用いた「HeG」はエチレングリコールモノヘキシルエーテルの略称。
実施例9及び10で用いた「HeDG」はジエチレングリコールモノヘキシルエーテルールの略称。
実施例11及び12で用いた「EHeG」はエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルの略称。
実施例13及び14で用いた「OcG」はエチレングリコールモノオクチルエーテルの略称。
また、表3に記載の各グリコールエーテルの略称はそれぞれ下記の通りである。
比較例15及び16で用いた「PFG」はプロピレングリコールモノプロピレングリコールの略称。
比較例17及び18で用いた「PFDG」はジプロピレングリコールモノプロピレングリコールの略称。
比較例19及び20で用いた「PFTG」はトリプロピレングリコールモノプロピレングリコールの略称。
比較例21及び22で用いた「iBG」はエチレングリコールモノイソブチルエーテルの略称。
尚、表4に記載の各グリコールエーテルの略称はそれぞれ下記の通りである。
比較例1に記載の「MFG」はプロピレングリコールモノメチルエーテルの略称。
比較例2に記載の「MFDG」はジプロピレングリコールモノメチルエーテルの略称。
比較例3に記載の「MG」はエチレングリコールモノメチルエーテルの略称。
比較例4に記載の「MDG」はジエチレングリコールモノメチルエーテルの略称。
比較例5に記載の「MTG」はトリエチレングリコールモノメチルエーテルの略称。
比較例6に記載の「iBDG」はジエチレングリコールモノイソブチルエーテルの略称。
比較例7に記載の「DoG」はエチレングリコールモノドデシルエーテルの略称。
<色ムラの評価>
インクジェットプリンタPM−A700(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、このプリンタのシアン専用カートリッジ(シアン室)に実施例1〜14、及び比較例1522の各インク組成物をそれぞれ充填するとともに、イエロー専用カートリッジ(イエロー室)にはイエロー系インク組成物を充填して、インクジェット専用記録媒体(写真用紙クリスピア<高光沢>(セイコーエプソン株式会社製))上に、シアンインク組成物によりシアン単色を印刷して、シアンインク組成物の前記記録媒体上での単色による色ムラの程度を評価した。尚、評価精度を高めるため上記シアンとイエローとの重ね合わせ印刷を行って視認性を高めた緑の部分についても、参照して評点した。
色ムラの評価は、シアン単色印刷面ならびに、評価精度を高めるため上記シアンとイエローとの重ね合わせ印刷を行って視認性を高めた緑の部分について目視観察し、印刷面に色ムラが全く認められなかったシアンインク組成物を評価6、色ムラが著しく認められたシアンインク組成物を評価1として、色ムラの程度を「6>5>4>3>2>1」の5段階に分類した(すなわち、評価6が色ムラに関して最も優れ、次に評価5が優れる)。
なお、本実施例においてシアン単色印刷と共に参照した色ムラ評価に用いたイエロー系インク組成物として、下記の表5に示す組成のものを用いた。
Figure 0004967612
表5中の染料Eは、下記構造の染料である。
Figure 0004967612
前記実施例1〜14及び比較例15〜22の各インク組成物に関する色ムラの評価結果を、用いた各インク組成物中に含まれるグリコールエーテルのHLB値とともに下記の表6に示し、前記比較例1〜7の各インク組成物に関する結果を下記の表7に示す。
Figure 0004967612
Figure 0004967612
表6及び表7の比較からわかるように、前記一般式[式1]で表される染料と、HLB値が5.4〜8.0の範囲にあるグリコールエーテルとを必須成分として含むインク組成物(実施例1〜14及び比較例15〜22のインク組成物)は、HLB値が5.4より小さいか、8.0よりも大きいグリコールエーテルを添加してなるインク組成物(比較例1〜7のインク組成物)に比べて記録物の色ムラがほとんど認められないか、色ムラが減少する。
〔実施例23〜25及び比較例8〜11〕
色材として、前記の染料Aのほか、下記染料B、C、およびDを使用した場合の各例について、実施例1と同様にインク組成物を調製し、同様の評価を行なった。その結果を表9に示す。
Figure 0004967612
Rは、以下の置換基のいずれかであり、その存在比率はA:B=75%:25%である。
A: −SO2(CH23SO3Li
B: −SO2(CH23SO2NHCH2CH(OH)CH3
Figure 0004967612
Rは、以下の置換基のいずれかであり、その存在比率はA:B=25%:75%である。
A: −SO2(CH23SO3Li
B: −SO2(CH23SO2NHCH2CH(OH)CH3
Figure 0004967612
Rは、以下の置換基のいずれかであり、その存在比率はA:B=0%:100%である。
A: −SO2(CH23SO3Li
B: −SO2(CH23SO2NHCH2CH(OH)CH3
Figure 0004967612
Figure 0004967612

Claims (10)

  1. 少なくとも下記一般式〔式1〕で表される染料からなる色材と、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、及びエチレングリコールモノオクチルエーテルの中の少なくとも1種であるグリコールエーテルとを必須成分として含むインク組成物。
    Figure 0004967612
    (上記式中、Rはそれぞれ独立に、下記の置換基AまたはBのいずれかであり、その存在比率の範囲はA:B=25〜75%:75〜25%であり、かつ、A+B=100%である。
    A: −SO 2 (CH 2 3 SO 3 Li
    B: −SO 2 (CH 2 3 SO 2 NHCH 2 CH(OH)CH 3
  2. 前記グリコールエーテルの含有量が前記染料に対して4〜1200重量%である、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記インク組成物の全量に対して前記染料の含有量が、0.5〜6重量%である、請求項1または2に記載のインク組成物。
  4. 前記インク組成物の全量に対して前記グリコールエーテルの含有量が0.25〜6重量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. さらにノニオン系界面活性剤を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記ノニオン系界面活性剤がアセチレンジオール系界面活性剤である、請求項記載のインク組成物。
  7. インクジェット記録方法に用いるインクセットであって、少なくとも請求項1〜のいずれか1項に記載のインク組成物を構成成分として含んでなるインクセット。
  8. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、請求項1〜のいずれか1項に記載のインク組成物、または請求項に記載のインクセットを用いて記録するインクジェット記録方法。
  9. 前記記録媒体の光沢度が30以上である、請求項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 請求項またはに記載のインクジェット記録方法によって印刷された記録物。
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