JP4766228B2 - インク組成物、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents
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Description
少なくとも、水と、フタロシアニン系シアン染料と、下記の一般式(2)で表されるスルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩とを含んでなり、前記フタロシアニン系シアン染料が、下記の式(3)で表されるフタロシアニン系シアン染料であることを特徴とするインク組成物。
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表す。
a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表す。そしてa1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
但し、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基であるかまたはイオン性親水性基を置換基として有する基である。)
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態のインク組成物は、少なくとも、水と、フタロシアニン系シアン染料と、下記の一般式(1)及び/又は(2)で表されるスルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩とを含んでなり、前記フタロシアニン系シアン染料が、下記の式(3)で表されるフタロシアニン系シアン染料であることを特徴とする。
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表し、各々の基は、さらに置換基を有していてもよい。
a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表す。そしてa1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
但し、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基であるかまたはイオン性親水性基を置換基として有する基である。)
これらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、後述のZ、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。
中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ロ)Zに関しては、これらが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、置換アルキル基が最も好ましい。
(ハ)Y1〜Y4に関しては、これらが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ニ)a1〜a4はそれぞれ独立に1または2であることが好ましく、特に1であることが好ましい。b1〜b4はそれぞれ独立に、3または2であることが好ましく、特に3であることが好ましい。
(ホ)Mは、Cu、Ni、Zn、またはAlであることが好ましく、なかでもCuであることが最も好ましい。
(ヘ)フタロシアニン化合物の分子量は、750〜3000の範囲が好ましく、更に995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の範囲の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
Zに関しては、一般式(3)の中のZと同義であり、好ましい例も同じである。
a21〜a24は、4≦a21+a22+a23+a24≦8、好ましくは4≦a21+a22+a23+a24≦6を満たし、かつそれぞれ独立に1または2の整数を表す。特に好ましくはa21=a22=a23=a24=1の場合である。
X21、X22、X23、X24、Y21、Y22、Y23、Y24、Y25、Y26、Y27およびY28の少なくとも1つは、イオン性親水性基またはイオン性親水性基を置換基として有する基である。
イオン性親水性基の例は、一般式(3)におけるX1、X2、X3、X4の例と同義であり、好ましい例も同じである。
但し、本実施形態における一般式(7)で表されるフタロシアニン化合物が、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L−M−Pc)または3量体を形成する場合において、好ましい分子量、例えば特に好ましい分子量は、上記記載の特に好ましい分子量(995〜1800の範囲)の2倍(2量体の場合)、または3倍(3量体の場合)である。ここで、上記2または3量体の好ましい分子量は、連結基Lを含んだ値である。
(ロ)Zに関しては、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基が好ましく、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、置換アルキル基が最も好ましい。
(ハ)Y21〜Y28に関しては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
(ニ)a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2であることが好ましく、特にa11=a12=a13=a14=1であることが好ましい。
(ホ)Mは、Cu、Ni、Zn、またはAlであることが好ましく、なかでもCuであることが最も好ましい。
(ヘ)フタロシアニン化合物の分子量は、750〜2500の範囲が好ましく、更に995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の範囲の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
a31、a32、a33、a34は、それぞれ独立に、1または2の整数を表し、特に1であることが好ましく、その中でもa31=a32=a33=a34=1であることが最も好ましい。
Z1、Z2、Z3およびZ4の少なくとも1つはイオン性親水性基を置換基として有する。
イオン性親水性基の例は、前記一般式(3)におけるZの例と同義であり、好ましい例も同じである。
フタロシアニン化合物の分子量は、750〜2500の範囲が好ましく、更に995〜2500の範囲の分子量が好ましく、その中でも995〜2000の範囲の分子量が好ましく、特に995〜1800の範囲の分子量が最も好ましい。
さらに、置換基の異なる2種類以上の一般式(10)及び/又は一般式(11)を用いて染料を調製する場合には、一般式(9)で表される化合物は、置換基の種類、位置が異なる染料混合物となっている。
保湿剤を含むことにより、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させることなく粘度を容易に変更することができる。
また、糖類としては、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等が好ましい。
その含有量は、0.5〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜5重量%である。その含有量を、0.5重量%以上とすることで、添加することによる本発明における色材の溶解性向上を図ることができ、10重量%以下とすることで、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を悪化させることがない。
本発明に係る第2実施形態のインク組成物は、少なくとも、水と、フタロシアニン系シアン染料と、下記の一般式(5)及び/又は(6)で表されるスルホ基を有する芳香族化合物及び/又はその塩とを含んでなり、前記フタロシアニン系シアン染料が、下記の式(3)で表されるフタロシアニン系シアン染料であることを特徴とする。
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表し、各々の基は、さらに置換基を有していてもよい。
a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表す。そしてa1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
但し、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基であるかまたはイオン性親水性基を置換基として有する基である。)
[実施例1〜7,9,11〜14、比較例1〜5及び参考例1,2]
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印加Dutyを調整して印刷を行って得られた印刷物を、オゾンウェザーメータOMS−H型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、オゾン濃度20ppmの条件下にて、印刷物を12、18、24時間、曝露した。
曝露後、それぞれの印刷物のODを、濃度計(Spectrolino:Gretag社製)を用いて測定し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求め、下記判定基準により、評価した。
D:曝露試験後のOD
D0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red、光源:D50、視野角:2度)
評価A:RODが90%以上
評価B:RODが80%以上90%未満
評価C:RODが70%以上80%未満
評価D:RODが70%未満
印加Duty100%で印刷を行って得た印刷物を、25℃、50%RHの環境に2週間、4週間、6週間放置した。
放置後、印刷物を目視観察し、印加部表面に析出物の発生が認められるかどうかを見た。
評価A:析出物なし。
評価B:僅かに白っぽく見える部分はあるが、析出物として明確には認められない。実用上問題無いレベル。
評価C:印加表面が白っぽくなるが、析出物は認識できない。許容できるレベル。
評価D:明確に印加表面が白く、析出物の発生が容易に確認出来る。
1インチ平米当たり1.5〜2.2mgの打ち込み量になるように印加Dutyを調整して得た印刷物を、光沢度計(PG−1M:日本電色工業株式会社製)を用いて測定し(測定角度60°)、光沢度を求めた。印字は、20℃、55%RHと32℃、75%RHの2つの環境で行った。
得られた光沢度と以下の式から得た値をブロンズの判定基準とした。
光沢度(印刷物)−光沢度(記録媒体)
評価A:15未満
評価B:15以上35未満
評価C:35以上55未満
評価D:55以上
インクをインクジェットプリンタEM−930C(セイコーエプソン株式会社製)に充填後、10分間連続して印刷し、ノズルからインクが吐出していることを確認して、印字を停止した。これを、ヘッドにキャップしない状態で、40℃、25%RHの環境に2週間放置した。放置後、ノズルのクリーニング操作を行い、その後印字を行った。カスレ、抜けなどの不良印字がなく、初期と同等の印字が可能となるまでのクリーニング操作の回数で、そのインクの目詰まり特性を評価した。
評価A:1〜5回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価B:6〜10回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価C:11〜15回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価D:16回以上ののクリーニング操作によっても初期と同等の印字は不可能
Claims (18)
- 少なくとも、水と、フタロシアニン系シアン染料と、下記の一般式(2)で表されるスルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩とを含んでなり、前記フタロシアニン系シアン染料が、下記の式(3)で表されるフタロシアニン系シアン染料であることを特徴とするインク組成物。
Y1、Y2、Y3及びY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、ホスホリル基、アシル基またはイオン性親水性基を表す。
a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表す。そしてa1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、すべてが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
但し、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3及びY4のうち少なくとも1つは、イオン性親水性基であるかまたはイオン性親水性基を置換基として有する基である。) - 前記スルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩が、スルホ基を2つ以上有する、請求項1又は2に記載のインク組成物。
- 前記フタロシアニン系シアン染料が、リチウムイオンを対イオンとして含む基を有する、請求項1〜3の何れかに記載のインク組成物。
- 前記スルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩が、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−1,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸それぞれのリチウム塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項3記載のインク組成物。
- 前記スルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩を、インク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなる、請求項1〜5の何れかに記載のインク組成物。
- 前記フタロシアニン系シアン染料と、前記スルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩との含有比率が、1:0.1〜1:10の範囲内にある、請求項1〜6の何れかに記載のインク組成物。
- 更に、ノニオン系界面活性剤を含んでなる、請求項1〜7の何れかに記載のインク組成物。
- 前記ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤である、請求項8に記載のインク組成物。
- 前記ノニオン系界面活性剤をインク組成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなる、請求項8又は9に記載のインク組成物。
- 更に、浸透促進剤を含んでなる、請求項1〜10の何れかに記載のインク組成物。
- 前記浸透促進剤が、グリコールエーテル類である、請求項11に記載のインク組成物。
- 20℃におけるインク組成物のpHが、8.0〜10.5である、請求項1〜12の何れかに記載のインク組成物。
- インクジェット記録方法において用いられる、請求項1〜13の何れかに記載のインク組成物。
- 前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、請求項14に記載のインク組成物。
- 請求項1〜15の何れかに記載のインク組成物を少なくとも備えることを特徴とするインクカートリッジ。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜15の何れかに記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1〜15の何れかに記載のインク組成物を用いて記録されたことを特徴とする記録物。
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