JP2015173199A - 有機発光素子 - Google Patents

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Tetsuya Kosuge
哲弥 小菅
鎌谷 淳
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淳 鎌谷
石井 隆司
Ryuji Ishii
隆司 石井
賢悟 岸野
Kengo Kishino
賢悟 岸野
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Abstract

【課題】発光効率の高い有機発光素子を提供する。【解決手段】一対の電極と、前記一対の電極の間に配置され、有機化合物からなる発光層と、を有し、前記発光層が、下記一般式[1]に示されるイリジウム錯体と、下記一般式[3]に示される化合物と、を有することを特徴とする、有機発光素子。【選択図】なし

Description

本発明は、有機発光素子に関する。
有機発光素子は、陽極と陰極と、これら電極間に配置される有機化合物を有する発光層とを有する電子素子である。各電極(陽極、陰極)から注入される各キャリア(正孔、電子)が発光層内で再結合することで励起子が生成し、この励起子が基底状態に戻る際に有機発光素子は光を放出する。有機発光素子の最近の進歩は著しく、その特徴として、低駆動電圧、発光波長の多様性、高速応答性、発光デバイスの薄型・軽量化が可能であること等が挙げられる。
有機発光素子のうち、燐光を利用する燐光発光素子は、発光層中に燐光発光材料を有し、この燐光発光材料の三重項励起子に由来する発光が得られる発光素子である。この燐光発光素子では、電流励起によるキャリア再結合によって生成する励起子、具体的には、25%生成する一重項励起子と75%生成する三重項励起子との両方の励起子がそれぞれ有する励起エネルギーを発光に用いている。これにより、燐光発光素子は高い発光効率を得ることができ、理論上では内部発光量子収率を100%にすることが可能である。
しかしながら、燐光発光素子では、素子の発光効率という観点で更なる改善の余地がある。具体的には、燐光発光材料の発光量子収率の向上に加えて、発光素子の光取出し効率の向上も主たる課題となっている。
一般に、有機発光素子では、発光層内で励起された発光材料からの発光は、全方位に放射されたランダム光であり、有機化合物層と電極層との界面や光取り出し面等において発生する反射や屈折を経て、光取り出し面側から素子外部へ出射される。しかし、このとき、発光材料からの発光のうち所定の面において全反射する成分、即ち、ランダム光に含まれる臨界角以上の光については素子外部へ取り出すことができない。このため、有機発光素子の光取り出し効率は一般的に低く、有機化合物層と空気との屈折率の差を考慮すると多くても20%程度になることが知られている。
そこで、光取出し効率を向上させる方法の一つとして、発光層に配向性の発光材料を用いて、発光材料の遷移双極子モーメントを光取出し面(基板面)に対して水平にすることで、光取出し面に対して垂直方向の成分を多く含む発光を得る方法が知られている。例えば、燐光発光材料の一つである平板状の白金錯体と、同じく平板状のディスコチック液晶性ホストとを有する有機発光素子が知られている(特許文献1)。また非特許文献1には、光取出し面(基板面)に対して棒状分子を水平に配向させることが記載されている。
特開2011−228686号公報
Organic Electronics(2009),Vol.10,127−137
しかし平板状の白金錯体は、分子間相互作用が強いため、発光素子内部において結晶化等の有機薄膜の膜質の経時劣化が懸念される。また白金錯体は励起寿命が長いので、発光量子収率が比較的低いという問題があり燐光発光材料として最適な材料とはいえない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされるものであり、その目的は、発光効率の高い有機発光素子を提供することにある。
本発明の有機発光素子は、一対の電極と、
前記一対の電極の間に配置され、有機化合物からなる発光層と、を有し、
前記発光層が、下記一般式[1]に示されるイリジウム錯体と、下記一般式[3]に示される化合物と、を有することを特徴とする。
Figure 2015173199
〔式[1]において、R1乃至R11は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。nは、2乃至4の整数を表す。Ar1は、下記一般式[2−1]乃至[2−5]に示されるアリーレン基群から選ばれる置換基を表す。尚、複数あるAr1は、同じであってもよいし異なっていてもよい。
Figure 2015173199
〔式[2−1]乃至[2−5]において、X1乃至X36は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。*は、隣接する置換基との結合手を表す。〕〕
Figure 2015173199
〔式[3]において、R12及びR13は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。mは、3乃至5の整数を表す。Ar2は、一般式[2−1]乃至[2−5]に示されるアリーレン基群から選ばれる置換基を表す。尚、複数あるAr2は、同じであってもよいし異なっていてもよい。〕
本発明によれば、発光効率の高い有機発光素子を提供することができる。
(a)は、例示化合物A109の立体構造及び遷移双極子モーメントを示す図であり、(b)は、例示化合物A109と下地面との関係を示す図である。 (a)は、Ir(ppy)3の立体構造及び遷移双極子モーメントを示す図であり、(b)は、Ir(ppy)3と下地面との関係を示す図である。 (a)は、Ir−Dの立体構造及び遷移双極子モーメントを示す図であり、(b)は、Ir−Dと下地面との関係を示す図である。 本発明の有機発光素子を構成する発光層及びその内部を示す模式図である。 有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるTFT素子とを有する表示装置の例を示す断面模式図である。 本発明に係る有機発光素子を有する画像形成装置の例を示す模式図である。 (a)及び(b)は、図6の画像形成装置を構成する露光光源の具体例を示す平面概略図であり、(c)は、図6の画像形成装置を構成する感光体の具体例を示す概略図である。 本発明に係る有機発光素子を有する照明装置の例を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。本実施の形態に係わる有機発光素子は、一対の電極と、前記一対の電極の間に配置される有機化合物からなる発光層と、を有する。本発明において、発光層は、下記一般式[1]に示されるイリジウム錯体と、下記一般式[3]に示される化合物と、を有する。
Figure 2015173199
尚、一般式[1]のイリジウム錯体と、一般式[3]の化合物の詳細については、後述する。また一般式[1]のイリジウム錯体は、化合物全体の形状が棒状であるため、以下の説明においては、棒状イリジウム錯体と呼ぶことがある。また一般式[3]の化合物は、化合物全体の形状が棒状であるため、以下の説明においては、棒状化合物と呼ぶことがある。
(1)有機発光素子の構成
本発明の有機発光素子は、基板の上に、一対の電極と、この一対の電極の間に配置される有機化合物からなる層(有機化合物層)と、から構成される。
本発明の有機発光素子を構成する有機化合物層は、少なくとも発光機能を有する発光層を含む一層又は複数の層からなる積層体である。本発明の有機発光素子の具体的な構成として、下記(1a)乃至(1e)の構成が挙げられる。ただし、これら構成はあくまでも具体例の一つに過ぎず、本発明はこれら構成に限定されるものではない。
(1a)陽極/発光層/陰極
(1b)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(1c)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(1d)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(1e)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
また本発明においては、電極といずれかの有機化合物層との界面に絶縁性層、接着層あるいは干渉層を設けてもよい。さらに、本発明においては、有機化合物層に電子輸送層もしくは正孔輸送層が含まれる場合において、その電子輸送層もしくは正孔輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる二つの層から構成されていてもよい。さらにまた、本発明においては、発光層が、層に含まれる発光材料がそれぞれ異なる二つの層から構成されていてもよい。
上記(1a)乃至(1e)の構成のうち、(1e)の構成は、電子阻止層及び正孔阻止層を共に有している構成であるので、好ましい。つまり、電子阻止層及び正孔阻止層を有する(1e)の構成では、両キャリア(正孔、電子)を発光層内に確実に閉じ込めることができるので、キャリア漏れがなく発光効率がより高くなる。
(2)棒状イリジウム錯体
次に、本発明の有機発光素子を構成する発光層に含まれる材料の一つである、下記一般式[1]で表される棒状イリジウム錯体について説明する。
Figure 2015173199
式[1]において、R1乃至R11は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。
1乃至R11で表されるハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。
1乃至R11で表されるアルキル基として、好ましくは、炭素原子数が1以上6以下のアルキル基である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。これらアルキル基の中でも、特に好ましくは、メチル基もしくはtert−ブチル基である。
1乃至R11で表されるシクロアルキル基として、好ましくは、炭素原子数が5以上10以下のシクロアルキル基である。炭素原子数5以上10以下のアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。これらシクロアルキル基の中でも、特に好ましくは、シクロヘキシル基である。
1乃至R11で表されるアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。これらのアルコキシ基の中でも、好ましくは、メトキシ基である。
式[1]において、nは、2乃至4の整数を表す。
式[1]において、Ar1は、下記一般式[2−1]乃至[2−5]で示されるアリーレン基群から選ばれる置換基を表す。尚、nが2以上なので、式[1]においてAr1は複数存在するが、これら複数のAr1は、それぞれ同じであってもよいし異なっていてもよい。
Figure 2015173199
式[2−1]乃至[2−5]において、X1乃至X36は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。
1乃至X36で表されるハロゲン原子の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるハロゲン原子の具体例と同様である。
1乃至X36で表されるアルキル基の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるアルキル基の具体例と同様であり、好ましくは、メチル基、エチル基、i−プロピル基又はtert−ブチル基である。特に好ましくは、メチル基もしくはtert−ブチル基である。
1乃至X36で表されるシクロアルキル基の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるシクロアルキル基の具体例と同様であり、好ましくは、シクロヘキシル基である。
1乃至X36で表されるアルコキシ基の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるアルコキシ基の具体例と同様であり、好ましくは、メトキシ基である。
式[2−1]乃至[2−5]において、*は、隣接する置換基との結合手を表す。尚、ここでいう隣接する置換基とは、一般式[1]に示される部分構造、具体的には、R5、R7及びR8を有するピリジン骨格、Ar1又はR6である。
本発明において、一般式[1]の棒状イリジウム錯体は、好ましくは、下記一般式[4]に示される化合物である。
Figure 2015173199
式[4]において、Z1乃至Z5は、それぞれ水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。好ましくは、Z4及びZ5は、メチル基又はtert−ブチル基である。
1乃至Z5で表されるアルキル基の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるアルキル基の具体例と同様であり、好ましくは、メチル基、エチル基、i−プロピル基又はtert−ブチル基である。特に好ましくは、メチル基もしくはtert−ブチル基である。
1乃至Z5で表されるシクロアルキル基の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるシクロアルキル基の具体例と同様であり、好ましくは、シクロヘキシル基である。
式[4]において、Y1乃至Y13は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。好ましくは、Y1及びY3は、共にメチル基である。
1乃至Y13で表されるハロゲン原子の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるハロゲン原子の具体例と同様である。
1乃至Y13で表されるアルキル基の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるアルキル基の具体例と同様であり、好ましくは、メチル基、エチル基、i−プロピル基又はtert−ブチル基である。特に好ましくは、メチル基もしくはtert−ブチル基である。
1乃至Y13で表されるシクロアルキル基の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるシクロアルキル基の具体例と同様であり、好ましくは、シクロヘキシル基である。
1乃至Y13で表されるアルコキシ基の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるアルコキシ基の具体例と同様であり、好ましくは、メトキシ基である。
式[4]において、pは0乃至2の整数を表す。ここでpが2の場合、Y5乃至Y8を有するフェニレン基は複数(2個)存在することになるが、これらフェニレン基がそれぞれ有するY5乃至Y8は、それぞれ同じであってもよいし異なっていてもよい。
また、一般式[4]の棒状イリジウム錯体において、特に好ましくは、Z4及びZ5が共にメチル基であるか、又は共にt−ブチル基である。
さらにまた、一般式[4]の棒状イリジウム錯体において、特に好ましくは、Y1及びY3が共にメチル基である。この場合、配位子中のピリジン骨格とアリーレン部分とのπ共役が切れるので、棒状イリジウム錯体の発光色は、ppy部分に由来する緑色となる。
一般式[1]の棒状イリジウム錯体は、例えば、以下に示す合成スキームで合成することができる。
Figure 2015173199
〔合成スキーム中、R1乃至R11、n及びAr1は、それぞれ式[1]中のR1乃至R11、n及びAr1と同じである。〕
尚、上記合成スキームにおいて、ボロン酸化合物(PH、AR)を、対応するボロン酸エステル化合物に代用することができる。
また上記合成スキームは、具体的には、下記(i)乃至(iii)に示される工程からなる合成プロセスである。
(i)配位子L(棒状アリール置換基を有するフェニルピリジン誘導体)の合成
(ii)配位子Lを有するクロロ架橋錯体(Ir24Cl2)の合成
(iii)ジケトン系補助配位子L’を有する棒状イリジウム錯体(IrL2L’)の合成
上記合成スキームにおいて、フェニルボロン酸誘導体(PH)、クロロピリジン誘導体(PY)及び棒状アリールボロン酸化合物(AR)の各原料を適宜選択することで、所望の配位子Lを得ることができる。同様に、ジケトン系補助配位子L’を適宜選択することで、所望の棒状イリジウム錯体IrL2L’を得ることができる。
(3)棒状イリジウム錯体の具体例
以下に、棒状イリジウム錯体の具体例を示す。ただし以下に列挙されたものはあくまでも具体例に過ぎず、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
Figure 2015173199
Figure 2015173199
例示化合物のうち、A101乃至A116に示される棒状イリジウム錯体は、第A1群に属する化合物群である。具体的には、Ar1が全てフェニレン基であって、N−Ir−N方向の細長いアリーレン基としてオリゴフェニレン基を有する棒状イリジウム錯体である。第A1群に属する棒状イリジウム錯体は、分子量が過度に大きくなることはない。このように化合物自体の分子量を小さくすることができることは、昇華精製や加熱蒸着を行う上で有利となる。また第A1群に属する棒状イリジウム錯体は、簡便な構造でL1/L2が大きい棒状イリジウム錯体を得ることができる。尚、ここでいうL1/L2とは、化合物の形状を評価するパラメータである棒状パラメータであり、その詳細については、後述する。
さらに第A1群に属する棒状イリジウム錯体は、オリゴフェニレン基を構成するフェニレン基数を増減することで、あるいは所望の置換基を導入することで、錯体自体の発光色を調整することができる点でも優れている。具体的には、ppy部分に含まれるピリジンに直接結合するフェニレン基(ピリジン骨格に最も近いAr1)が2,3−ジメチル−1,4−フェニレンにすると、配位子中のピリジンとアリーレン基部分とのπ共役が切れる。これにより、棒状イリジウム錯体自体の発光色は、ppy部分に由来する緑色になる。
例示化合物のうち、A201乃至A211に示される棒状イリジウム錯体は、第A2群に属する化合物群である。具体的には、複数存在するAr1のうち少なくとも1つが、ナフチレン基、フルオレニレン基、フェナントレニレン基又はクリセニレン基である棒状イリジウム錯体である。第A2群に属する棒状イリジウム錯体は、フェニレン基よりもより棒状のアリーレン基を有しているため、フェニレン基と比較して棒状パラメータ(L1/L2)がより大きくなり、水平配向性が高くなる。
(4)棒状化合物について
次に、棒状イリジウム錯体と共に有機発光素子の発光層に含まれる下記一般式[3]に示される棒状化合物について説明する。
Figure 2015173199
式[3]において、R12及びR13は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。
12及びR13で表されるハロゲン原子の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるハロゲン原子の具体例と同じである。
12及びR13で表されるアルキル基の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるアルキル基の具体例と同じであり、好ましくは、メチル基、エチル基、i−プロピル基又はtert−ブチル基である。特に好ましくは、メチル基もしくはtert−ブチル基である。
12及びR13で表されるシクロアルキル基の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるシクロアルキル基の具体例と同じであり、好ましくは、シクロヘキシル基である。
12及びR13で表されるアルコキシ基の具体例は、一般式[1]中のR1乃至R11で表されるアルコキシ基の具体例と同じであり、好ましくは、メトキシ基である。
式[3]において、mは、3乃至5の整数を表す。
式[3]において、Ar2は、上述した一般式[2−1]乃至[2−5]に示されるアリーレン基群から選ばれる置換基を表す。尚、一般式[2−1]乃至[2−5]のいずれかであってAr2で定義されるアリーレン基において、このアリーレン基が有する*印は、隣接する置換基(R12、R13、Ar2)との結合手である。また複数あるAr2は、同じであってもよいし異なっていてもよい。
本発明において、棒状化合物は、パラジウム触媒を用いたカップリング反応を利用することで合成することができる。
一般式[3]中のmが3の化合物を合成したい場合は、例えば、以下に示す合成スキームで合成することができる。
Figure 2015173199
〔合成スキーム中、R12及びR13は、一般式[3]中のR12及びR13と同じであり、Ar21乃至Ar23は、それぞれ一般式[2−1]乃至[2−5]に示されるアリーレン基群から選ばれる置換基である。〕
尚、上記合成スキームにおいて、使用されるボロン酸化合物(R12−Ar12−B(OH)2、(HO)2B−Ar23−R13)は、それぞれ対応するボロン酸エステル化合物で代用することができる。
また一般式[3]中のmが4の化合物を合成したい場合は、例えば、以下に示す合成スキームで合成することができる。
Figure 2015173199
〔合成スキーム中、R12及びR13は、式[3]中のR12及びR13と同じであり、Ar21乃至Ar24は、それぞれ一般式[2−1]乃至[2−5]に示されるアリーレン基群から選ばれる置換基である。〕
尚、上記合成スキームにおいて、使用されるボロン酸化合物((HO)2B−Ar24−R13)は、それぞれ対応するボロン酸エステル化合物で代用することができる。
さらに、一般式[3]中のmが5の化合物を合成したい場合は、例えば、以下に示す合成スキームで合成することができる。
Figure 2015173199
〔合成スキーム中、R12及びR13は、式[3]中のR12及びR13と同じであり、Ar21乃至Ar25は、それぞれ一般式[2−1]乃至[2−5]に示されるアリーレン基群から選ばれる置換基である。〕
以上列挙した3種類の合成スキームの内のいずれかを選択し、両端の置換基(R12、R13)と、アリーレン基(Ar21乃至Ar25)と、を適宜選択することで、所望の棒状化合物を得ることができる。
(5)棒状化合物の具体例
以下に、棒状化合物の具体例を示す。ただし以下に列挙されたものはあくまでも具体例に過ぎず、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
Figure 2015173199
Figure 2015173199
Figure 2015173199
例示化合物のうち、B101乃至B115に示される棒状化合物は、第B1群の化合物群に属する。この第B1群の化合物群に属する化合物は、mが3である棒状化合物である。このため、第B1群に属する化合物は、比較的分子量が小さいので、加熱蒸着プロセスによる成膜が可能である。
例示化合物のうち、B201乃至B218に示される棒状化合物は、第B2群の化合物群に属する。この第B2群の化合物群に属する化合物は、mが4である棒状化合物である。第B2群に属する化合物のうち、フェニレン基を多く有する化合物は、比較的分子量が小さいので、第B1群に属する化合物と同様に加熱蒸着プロセスによる成膜が可能である。
例示化合物のうち、B301乃至B306に示される棒状化合物は、第B3群の化合物群に属する。この第B3群の化合物群に属する化合物は、mが5である棒状化合物である。第B3群に属する化合物は、棒状パラメータ(L1/L2)が大きいため、棒状イリジウム錯体の水平配向性を高めることができる。
(6)発光層
本発明の有機発光素子を構成する発光層は、発光材料のみからなる層であってもよいが、発光材料(ゲスト)と、発光材料以外の化合物(ホスト等)と、を有するであることが好ましい。ここで発光層に含まれるホストは、発光層に含まれるゲストの周囲に存在しゲストを凝集させない、即ち、マトリックスとして存在する化合物であって、主にゲストへキャリアを輸送するための、あるいはゲストへ励起エネルギーを供与するための化合物である。
発光層に含まれるゲストの濃度は、発光層の構成材料の全体量に対して、0.01重量%以上50重量%以下であり、好ましくは、0.1重量%以上30重量%以下である。ゲストの濃度消光を防ぐ観点から、ゲストの濃度は、15重量%以下であることが特に好ましい。
さらに発光層は、上述したゲスト及びホスト以外の材料、具体的には、発光アシスト材料や電荷注入材料を有してもよい。発光アシスト材料は、発光層内での重量比(含有濃度)がホストよりも小さい化合物である。電荷注入材料は、キャリア輸送層(発光層に隣接する層)から発光層へのキャリア注入を助ける化合物である。本発明において、発光アシスト材料として、好ましくは、イリジウム錯体やケトン含有化合物が用いられる。
本発明の有機発光素子を構成する発光層は、一般式[1]の棒状イリジウム錯体と、一般式[3]の棒状化合物と、を少なくとも有している。このときゲストが一般式[1]の棒状イリジウム錯体であって、ホストが一般式[3]の棒状化合物であることが好ましい。またこのとき、発光層に含まれるゲストは、発光層の全体に均一に存在していてもよいし、例えば、一対の電極間の方向にその濃度が勾配していてもよい。また発光層内の特定の領域にゲストを含ませて、ゲストが含まれていないホストのみの領域がある形態でもよい。
(7)発光層に含まれる化合物の特性(配向性等)
ところで、本発明者は、有機発光素子の発光効率を高くするために、高い発光量子収率を示すイリジウム錯体から、光取出し面に対して垂直成分が多い発光を得ることを考えた。そして本発明者は、垂直成分が多い発光を得るために、発光層に、遷移双極子モーメントが光取出し面に対して水平になるように分子配向する棒状イリジウム錯体と、同様に光取出し面に対して水平配向する棒状化合物と、を含ませることを想起した。
このように、本発明では、発光層に、棒状イリジウム錯体と、棒状化合物と、が含まれているが、これら化合物の特性について、以下に説明する。
発光層が有する、一般式[1]の棒状イリジウム錯体及び一般式[3]の棒状化合物は、共に、発光層内において光取出し面に対して水平方向に配向している。即ち、細長い分子形状に起因して、棒状イリジウム錯体及び棒状化合物は、それぞれ分子の長軸が光取出し面と平行になるように配向している。尚、ここでの光取出し面は、発光層の層面に対して平行であり、発光層の厚さ方向に対して垂直である。
ところで、一般式[1]の棒状イリジウム錯体が光取出し面に対して水平に配向されると、棒状イリジウム錯体の遷移双極子モーメントも光取出し面に対して水平になる。なぜなら一般式[1]の棒状イリジウム錯体では、分子の長軸方向と遷移双極子モーメントとがほぼ同じ向きで一致しているからである。以下、これを詳細に説明する。
本発明の有機発光素子(の発光層)に含まれる棒状イリジウム錯体は、2つのフェニル−ピリジン(以下、ppy)系配位子と、1つのジケトン系補助配位子と、を有する、オクタヘドラル構造のイリジウム錯体である。ここで、各ppy系配位子に含まれる窒素原子は、中心イリジウム金属に対して、互いにトランス方向に位置し、窒素−イリジウム−窒素がほぼ直線状に位置している。以下、このような窒素−イリジウム−窒素で形成される直線方向を、N−Ir−N方向という。
ここで、一般式[1]の棒状イリジウム錯体は、上記N−Ir−N方向と遷移双極子モーメントの方向とがほぼ一致することが、分子軌道計算の結果より明らかとなっている。また、一般式[1]の棒状イリジウム錯体は、N−Ir−N方向に細長い棒状の構造になっている。なぜなら、棒状イリジウム錯体の有する各ppy系配位子には、ppy中のピリジンの3位、即ちIr−N配位結合に対するパラ位に、細長いアリーレン基が導入されているためである。
以下、図面を適宜参照しながら、一般式[1]の棒状イリジウム錯体の分子構造(棒状構造)と遷移双極子モーメントとの関係について説明する。図1(a)は、下記例示化合物A109の立体構造及び遷移双極子モーメントを示す図であり、図1(b)は、例示化合物A109と下地面との関係を示す図である。尚、図1(b)において、Sは、後述する配向度パラメータである。
Figure 2015173199
ここで例示化合物A109は、図1(a)に示されるように、分子形状が棒状であり、3辺の長さがL1、L2及びL3(但し、L1≧L2≧L3)である直方体として記述することができる。ここで、例示化合物A109に代表される一般式[1]の棒状イリジウム錯体は、L1で表される分子の長軸と遷移双極子モーメントの向きとがほぼ一致する。
また図1(a)において、L1とL2との比、即ち、L1/L2は、一般式[1]の棒状イリジウム錯体の細長さを表すパラメータである。このL1/L2が大きければ大きいほど分子の形状(棒形状)が細長いことを示す。尚、図1(a)中のL1乃至L3は、分子軌道計算(B3LYP/6−31G*)より得られた最適化構造における各原子のxyz座標から計算して求めた値であり、分子を構成する原子自身の大きさを考慮して3Åが加算されている。
また、一般式[1]の棒状イリジウム錯体は、下地となる基板あるいは有機膜上に、蒸着あるいは塗布プロセスによって成膜されることで、その棒状構造に起因して、下地に対して棒状分子が水平に配向した配向膜が得られる。即ち、図1(b)示されるように、下地に対して棒状分子の長軸方向が平行になるようには移行されている配向膜が得られる。
ただし一般式[1]の棒状イリジウム錯体からなる薄膜を成膜する際に、下地面内での棒状分子の向き、即ち、下地面に対して垂直な軸回りの回転角度は、図1(b)に示されるように、各分子でランダムとなる場合が多い。しかし、本発明において、図1(b)に示される下地面の上に載置される各棒状イリジウム錯体のランダムな向き(配向)は、下地面に平行な光取出し面からの光取出し効率には影響しない。
ここで、図1(b)に示されるように、下地面の上にランダムに載置される棒状イリジウム錯体からなる薄膜(配向膜)は、ラビング等の配向処理のない基板上や、ランダム配向の有機膜上でも得ることができる。これに対して、配向処理された下地面の上に一般式[1]の棒状イリジウム錯体の薄膜を成膜すると、より水平配向度の高い配向膜が得られると考えられる。
このように、一般式[1]の棒状イリジウム錯体を単独で成膜しても配向膜が得られる。ただし、本発明のように、同じく棒状で水平配向性の高い化合物と共に混合膜を成膜すると、これら化合物からなる混合膜中において、一般式[1]の棒状イリジウム錯体は高い水平配向性を維持する。このとき、一般式[1]の棒状イリジウム錯体と、この棒状イリジウム錯体よりも水平配向性が高い化合物と、を混合してなる混合膜を成膜することで、混合膜中での棒状イリジウム錯体の水平配向度を、単体のときよりも高くすることも可能となる。棒状イリジウム錯体の水平配向度を向上させる化合物としては、例えば、一般式[3]の棒状化合物が挙げられる。またこのとき、棒状イリジウム錯体とは別の棒状の化合物において、その遷移双極子モーメントの向きは分子の長軸とほぼ一致している場合が多いが、必ずしも一致していなくてもよい。
ここで、有機膜中の分子の配向度、即ち、遷移双極子モーメントの配向度を示す指標として、有機膜に照射された光の透過係数kを用いて下記式[5]で定義される配向度パラメータSがある(非特許文献1参照)。
S={(ke−ko)/(ke+2ko)} [5]
式[5]において、keは、膜面に対して垂直方向の透過係数を表し、koは、膜面に対して水平方向の透過係数である。尚、どちらのパラメータも最大透過ピークとなる測定波長における透過係数である。式[5]より、配向度パラメータSは、遷移双極子モーメントが完全に水平配向(ke=0)である場合は−0.5となり、ランダム配向(ke=ko)である場合は0となり、完全に垂直配向(ko=0)である場合は1となる。即ち、Sは、膜中の分子の配向状態に応じて−0.5以上1以下の値をとる。尚、この配向度パラメータSは、有機膜のエリプソメトリーによって測定することができる。
本発明者は、一般式[1]の棒状イリジウム錯体及び一般式[3]の棒状化合物の各配向度パラメータSが、化合物の分子形状と相関があることを見出した。即ち、棒形状が細長いほど配向度パラメータSが小さい(水平配向性が高い)ことがわかった。ここで棒形状の細長さを表すパラメータとしては、上述したL1とL2との比(L1/L2)がある。
下記表1は、複数種のイリジウム錯体のL1/L2及び配向度パラメータSの実測値を示している。尚、表1中の数値は計算から求めたものである。また表1において、A101、A102及びA109は、一般式[1]の棒状イリジウム錯体である。
Figure 2015173199
表1より、一般式[1]の棒状イリジウム錯体は、L1/L2の値が大きく、水平配向性を示すことがわかる。これは以下の理由による。
Ir−Aも一般式[1]の棒状イリジウム錯体と同様に棒状の錯体ではあるが、一般式[1]の棒状イリジウム錯体よりもL1/L2の値が小さいため、分子形状が細長くないイリジウム錯体である。ただし、Ir−Aの配向度パラメータSは−0.14であり、弱い水平配向性を示している。従って、一般式[1]の棒状イリジウム錯体は、L1/L2の値は少なくともIr−Aより大きいので、少なくともIr−Aよりも大きな水平配向性を有しているということができる。
一方、Ir−Bと、Ir(ppy)2acacと、を比較すると、ppyを構成するピリジン骨格の3位の炭素原子、即ち、Ir−N配位結合に対するパラ位にアリール基を導入することでL1/L2の値を効果的に増大できることがわかる。また、Ir−Bと、Ir−Cと、を比較すると、ppyを構成するベンゼン骨格にアリール基が導入されることで、L1/L2の値が著しく減少することがわかる。即ち、ppyを構成するベンゼン骨格にアリール基を導入すると、錯体の水平配向度が下がると考えられる。
一方、分子形状が球状に近いIr(ppy)3やIr(ppy)2acacでは、L1/L2はほぼ1であり、Ir(ppy)3の配向度パラメータSは0(ランダム配向)である。この理由は、分子形状が球状であると、膜中での各分子の向き、即ち、遷移双極子モーメントの向きはランダムになり、膜全体としての配向性がなくなるからである。下記に示されるIr(ppy)3を例にして説明すると次のようになる。
Figure 2015173199
Ir(ppy)3は、3つのppy系配位子に含まれる窒素原子が相互にcis型であるfac体のイリジウム錯体である。このとき、図2(a)に示すように、3つの窒素原子で形成される面(以下、N−N−N平面という。)はオクタヘドラル構造の一つの面を占有している。また、Ir−DもIr(ppy)3と同様にN−N−N平面を有しており、そのN−N−N平面は円盤面と平行である。さらに、このようなfac体のIr錯体では、分子の遷移双極子モーメントはIr中心金属からN−N−N平面に対して垂直な向きであることが分子軌道計算の結果より明らかとなっている。
従って、球状分子が下地面に接するとき、球面上の接点に関する制限はないので、ランダムな向きで下地面上に配置される(図2(b))ため、分子の遷移双極子モーメントの向きは揃わないことがわかる。
また一方、下記に示されるIr−Dは、図3(a)に示すように、L1≒L2>L3の関係になる円板形状の分子である。
Figure 2015173199
このため、特許文献1に開示される平板状の白金錯体のように、基板面に対して分子の円板面が平行に積み重なっている配向膜が得られると予想される。しかしこのとき、分子の遷移双極子モーメントは基板面に対して垂直になるので、S>0になることが予想される。この状態は、基板面と平行な光取出し面からの光取出しという観点では不利な状態になり、光取出し効率は低下してしまう。ここでIr−Dにおいて、分子の遷移双極子モーメントが基板面に対して垂直になる理由を以下に説明する。
Ir−Dは、前述のIr(ppy)3と同様にfac体のイリジウム錯体であるが、そのN−N−N平面は円板面と平行になる。そしてIr−Dの遷移双極子モーメントは、Ir(ppy)3と同様に、中心金属(Ir)からN−N−N平面に対して垂直な向きである(図3(a))。つまり、Ir−Dの遷移双極子モーメントは、分子の円板面に対して垂直であり、前述のように円板面が基板面(光取出し面)と平行であるから、分子の遷移双極子モーメントは光取出し面に対して垂直となる(図3(b))。
同様に、一般式[3]の棒状化合物及びこの棒状化合物の比較対象となる化合物におけるL1/L2と配向度パラメータSの実測値を下記表2に示す。尚、表2において、B108、B201、B203及びB209は、一般式[3]の棒状化合物である。
Figure 2015173199
表2より、一般式[3]の棒状化合物は、一般式[1]の棒状イリジウム錯体と同様に、L1/L2の値が大きくて水平配向性を示すことがわかる。これは以下の理由による。
一般式[3]の棒状化合物であるB209は、L1/L2の値が3を超える程に十分に大きく、配向度パラメータSは−0.3近くまで小さくなり強い水平配向性を示している。従って、一般式[3]の棒状化合物は、L1/L2の値は少なくともB209と同程度かそれ以上であると考えられる。このため、少なくともB209と同程度かそれ以上に強い水平配向性を有しているということができる。
尚、表2において、H−1は、L1/L2が2よりも大きいため棒状構造であると考えられるが、一般式[3]の棒状化合物よりもL1/L2の値が大幅に小さく、分子形状が細長くない化合物である。また、H−1の配向度パラメータSは−0.07であり、極弱い水平配向性を有するのみである。
ここで、表1のIr−Aと表2のH−1とを比較すると、L1/L2値はともに2.2程度であるため、両者はほぼ同じ形状(棒状)であると考えられる。これに対し、配向度パラメータSは、両者との間には比較的大きな差がある。これは、極性の高いイリジウム錯体と、主に炭化水素からなる極性の低い化合物とでは、分子間相互作用の強さが異なるため、棒状パラメータ(L1/L2)と配向度パラメータSの相関の強さが異なるためである。具体的には、主に炭化水素からなる低極性の化合物と比較して、高極性のイリジウム錯体では分子間相互作用がより強く、L1/L2値がそれほど大きくなくても配向度パラメータSは小さくなる傾向がある。
(8)光取出し
一般に、有機発光素子の発光層に含まれる発光材料について、その遷移双極子モーメントを光取出し面(基板面)に対して水平配向させれば、発光素子の光取出し効率を高くすることができる(非特許文献1)。そして、理論上、完全に水平配向の場合には、ランダム配向の場合に比べて1.5倍高い光取出し効率が得られることが知られている。
本実施形態に係わる有機発光素子では、発光層内部の棒状イリジウム錯体及び棒状化合物は光取出し面に対して水平に配向しており、高い光取出し効率が得られる。この原理を、図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明の有機発光素子を構成する発光層及びその内部を示す模式図である。図4の発光層1は、内部に棒状イリジウム錯体2と、棒状化合物3と、を有しており、共に光取出し面4に対して水平方向に配向している。また棒状イリジウム錯体の遷移双極子モーメント2aは、棒状イリジウム錯体の長軸方向と一致しているため、遷移双極子モーメント2aも光取出し面4に対して水平方向に配向している。このため、臨界角以上の光である全反射成分が少なくなるので、高い光取り出し効率で取出し光5を得ることが可能である。
(9)有機発光素子の構成材料
本発明の有機発光素子では、構成材料として、棒状イリジウム化合物及び棒状化合物の他に、公知の材料を適宜用いることができる。この公知の材料は、有機化合物であってもよいし無機化合物であってもよい。またこの公知の材料は、低分子化合物であってもよいし高分子化合物であっても。
[陽極]
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きなもの(例えば、仕事関数が4.5eV以上5.5eV以下)がよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれら金属単体を複数種組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
[正孔を注入・輸送する層]
正孔を注入・輸送する層として、正孔輸送層、正孔注入層、電子阻止層等がある。また正孔を注入・輸送する層に該当する層は、一つの層として形成してもよいし、複数の層からなる積層体として形成してもよい。また正孔を注入・輸送する層の構成材料としては、必要とされる正孔の輸送性や陽極からの正孔の注入性を考慮して適宜選択すればよい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を防ぐために、ガラス転移点温度が高い材料が選択されることが好ましい。正孔を注入・輸送する性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。以下に、正孔注入輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2015173199
[発光層]
本発明において、発光層には、上述した棒状イリジウム錯体及び棒状化合物以外の材料、例えば、発光材料を含ませてもよい。発光層が有する発光材料とは、いわゆるゲストやドーパントと呼ばれる材料を指す。
発光材料としては、上述した棒状イリジウム錯体の他に、フルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等といった縮環化合物や、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体といった有機化合物や、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体や、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体といった各種有機金属錯体、ポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体といった高分子化合物等が挙げられる。
以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2015173199
さらに本発明においては、発光層に上述した棒状イリジウム錯体及び棒状化合物以外の材料、具体的には、ホストや発光をアシストするためのアシスト材料を有してもよい。これらの例としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等を挙げることができる。
以下に、発光層に含まれるホストあるいはアシスト材料の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2015173199
[電子を注入・輸送する層]
電子を注入・輸送する層として、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層等が挙げられる。電子を注入・輸送する層の構成材料としては、必要とされる電子の輸送性や陰極からの電子の注入性を考慮して適宜選択される。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を防ぐために、ガラス転移点温度が高い材料が選択されることが好ましい。電子注入輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)、が挙げられる。以下に、電子注入輸送性材料の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2015173199
尚、電子を注入・輸送する層として電子注入層を設ける場合は、この電子注入層はn型の還元性ドーパントを有してもよい。n型の還元性ドーパントとして、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属土類錯体、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、希土類金属錯体等が挙げられる。これらの還元性ドーパントは、上述した電子注入輸送性材料をホスト(あるいはマトリックス)にしてドープした形式で用いてもよいし、単体で用いてもよい。
[陰極]
陰極を構成する材料は仕事関数の小さなものがよい。具体的には仕事関数が2.0eV以上5.0eV以下である。
陰極の構成材料として、例えば、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体あるいは複数種有する材料を挙げることができる。あるいはこれら金属の少なくとも1種有する合金も使用することができる。例えばマグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。さらには酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
[有機化合物層の形成方法]
以上説明した有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、例えば、以下に示す方法により形成される。
例えば、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスによる形成方法である。他にも溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により溶液塗布し溶媒を乾燥させて層を形成するウェットプロセスによる形成方法も挙げることができる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
[有機発光素子に関するその他の事項]
本発明の有機発光素子は、発光層にて発光した光を一対の電極のうちどちら側(陽極側、陰極側、両方)から取り出す構成でもよい。
有機発光素子は、通常、ガラス基板やシリコン基板といった基板の上に配置される。このとき発光層にて発光した光の取り出し方として、一対の電極のうち基板に近い側の電極側から光を取り出すいわゆるボトムエミッション型であってよいし、基板の反対側から光を取り出すいわゆるトップエミッション型であってもよい。ボトムエミッション型の場合、発光層にて発光した光は基板(透明基板)を透過することになる。一方、トップエミッション型の場合、基板は透明でも不透明でもよく、例えば、シリコン基板を用いることができる。シリコン基板を用いることで、発光層にて発光した光は一対の電極のうち基板に遠いほうの電極から取り出される。また基板側及び基板の反対側から光を取り出す、両面取り出し型としてもよい。
(10)本発明の有機発光素子の用途
本発明の有機発光素子は、例えば、表示装置の表示部や照明装置の光源部として用いることができる。他にも、レーザービームプリンタや複写機といった電子写真方式の画像形成装置の感光体ドラムに静電潜像を書き込むための露光光源や、液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルターを有する発光装置等の用途がある。カラーフィルターは例えば赤、緑、青の3つの色が透過するフィルターが挙げられる。
本発明の表示装置は、本発明の有機発光素子を表示部に有する。尚、この表示部は複数の画素を有する。
そしてこの画素は、本発明の有機発光素子と、発光輝度を制御するための能動素子(スイッチング素子又は増幅素子の一例であるトランジスタ)とを有し、この有機発光素子の陽極又は陰極とトランジスタのドレイン電極又はソース電極とが電気接続されている。能動素子によってそれぞれの画素はその発光非発光も制御される。ここで表示装置は、PC等の画像表示装置として用いることができる。上記トランジスタとして、例えば、TFT素子が挙げられ、このTFT素子は、例えば、基板の絶縁性表面に設けられている。
TFT素子はシリコン等の半導体材料を有してもよいし、有機化合物である有機半導体材料を有してもよいし、酸化物半導体を有してもよい。
本発明において、表示装置は、画素を複数有してもよく、それぞれの画素は面内方向にバンク等の素子分離膜が配置されている離間領域を隔てて配置されていてもよい。それぞれの画素が有する有機発光素子には、電子注入層を有し、またその電子注入層が、ある有機発光素子とそれと隣り合う有機発光素子に離間領域を跨いで連続して配置されていてもよい。即ち、画素同士が共通して有する連続した層として電子注入層を設けてもよい。このような電子注入層の形成方法としては、具体的には、蒸着等を利用し、表示装置の表示領域全面に相当する領域に電子注入層を配置する方法が挙げられる。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された画像を表示部に表示する情報処理装置でもよい。
情報処理装置は、具体的にはデジタルカメラやデジタルビデオカメラといった撮像装置やインクジェットプリンタである。撮像装置の背面操作部やビューファインダー部に本実施の形態に係わる表示装置が配置されている。またインクジェットプリンタの操作部に本実施の形態に係わる表示装置が配置されている。こうした情報処理装置が有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は特に限定されない。
また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
表示装置が、PCのモニター等に用いられる画像表示装置である場合、画素(副画素)が有する有機発光素子は赤、青、緑、の何れかが発光してもよいし、黄色等の三原色以外の色が発光してもよい。そしてこうした色に限定されずに本発明の有機発光素子を用いることができる。また本発明の有機発光素子は、発光色の異なる複数種の発光材料を1つの発光層が有し混色により白を発光する有機発光素子であってもよい。有機発光素子毎に例えば赤、緑、青のカラーフィルターが配置されて、その結果フルカラー表示ができる画像表示装置の有機発光素子として本発明の有機発光素子を用いてもよい。
照明装置は、例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色(色温度が4200K)、昼白色(色温度が5000K)、その他青から赤の何れの色を発光する照明装置であってもよい。
照明装置は、本発明の有機発光素子と、この有機発光素子と接続するAC/DCコンバーター回路(交流電圧を直流電圧に変換する回路)とを有している。尚、この照明装置は、カラーフィルターをさらに有してもよい。またこの照明装置は、装置内に生じた熱を外部へ放出する放熱部を有していてもよい。
画像形成装置は、感光体とこの感光体の表面を帯電させる帯電器と、感光体を露光して靜電潜像を形成するための露光器と、感光体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像器とを有する画像形成装置である。ここで画像形成装置に備える露光器は、本発明の有機発光素子を含んでいる。
また本発明の有機発光素子は、感光体を露光するための露光装置の構成部材として使用することができる。露光装置は、例えば、本実施の形態に係わる複数の有機発光素子を配列して配置してもよい。具体的には複数の有機発光素子が所定の方向に沿って列を形成して配置されている露光装置である。
次に、図面を参照しながら画像表示装置につい説明する。図5は、有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるTFT素子とを有する表示装置の例を示す断面模式図である。 図5の画像表示装置6は、ガラス等の基板11とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。また符号13は金属のゲート電極13である。符号14はゲート絶縁膜14であり、15は半導体層である。
TFT素子18は、半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とを有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機発光素子を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機発光素子に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図5に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうち何れか一方とTFT素子ソース電極又はドレイン電極の何れか一方とが電気接続されていればよい。
図5の画像表示装置6では多層の有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図5の画像表示装置1が白色を発する画像表示装置の場合、有機化合物層22に含まれる発光層は、赤色発光材料、緑色発光材料及び青色発光材料を混合してなる層としてもよい。また赤色発光材料からなる層、緑色発光材料からなる層、青色発光材料からなる層をそれぞれ積層させてなる積層型の発光層としてもよい。さらに、赤色発光材料からなる層、緑色発光材料からなる層、青色発光材料からなる層を横並びにするなりして一の発光層の中にドメインを形成した態様であってもよい。他にも補色の関係になる発光色の異なる発光材料を1つの発光層が有する構成でもよいし、それぞれ異なる発光層を縦積みあるいは横に並べた構成としてもよい。
図5の画像表示装置6ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
トランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として単結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ、活性層としてアモルファスシリコンや微結晶シリコン等の非単結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ、活性層としてインジウム亜鉛酸化物やインジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタであってもよい。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
次に、本発明の有機発光素子の他の用途について説明する。図6は、本発明に係る有機発光素子を有する画像形成装置の例を示す模式図である。図6の画像形成装置26は、感光体27と、露光光源28と、現像器30と、帯電部31と、転写器32と、搬送ローラー33と、定着器33と、を有している。
図6の画像形成装置26は、露光光源28から感光体27へ向けて光29が照射され、感光体27の表面に静電潜像が形成される。図2の画像形成装置26において、露光光源28は、本発明に係る有機発光素子を有している。また図2の画像形成装置26において、現像器30は、トナー等を有している。図2の画像形成装置26において、帯電部31は、感光体27を帯電させるために設けられている。図2の画像形成装置26において、転写器32は、現像された画像を紙等の記録媒体34に転写するために設けられている。尚、記録媒体34は、搬送ローラー33によって転借32へ搬送される。図2の画像形成装置26において、定着器35は、記録媒体34に形成された画像を定着させるために設けられている。
図7(a)及び図7(b)は、図6の画像形成装置26を構成する露光光源の具体例を示す平面概略図であり、図7(c)は、図6の画像形成装置26を構成する感光体の具体例を示す概略図である。尚、図7(a)及び図7(b)は、露光光源28に有機発光素子を含む発光部36が長尺状の基板28aに複数配置されている点で共通している。また符合37の矢印は、発光部36が配列されている列方向を表わす。この列方向は、感光体27が回転する軸の方向と同じである。
ところで図7(a)では、発光部36は、感光体27の軸方向に沿って配置した形態である。一方、図7(b)では、第一の列αと第二の列βとのそれぞれにおいて発光部36が列方向に交互に配置されている形態である。図7(b)において、第一の列α及び第二の列βは、それぞれ行方向に異なる位置に配置されている。
また図7(b)において、第一の列αは、複数の発光部36αが一定の間隔を空けて配置される一方で、第二の列βは、第一の列αに含まれる発光部36α同士の間隔に対応する位置に発光部36βを有する。即ち、図7(b)の露光光源は、行方向にも、複数の発光部が一定の間隔を空けつつ配置されている。
尚、図7(b)の露光光源は、露光光源を構成する発光部(36α、36β)を、例えば、格子状、千鳥格子、あるいは市松模様に配置されている状態と言い換えることもできる。
図8は、本発明に係る有機発光素子を有する照明装置の例を示す模式図である。図8の照明装置は、基板(不図示)の上に設けられる有機発光素子38と、AC/DCコンバーター回路39と、を有している。また図8の照明装置は、装置内の熱を外部へ放出する放熱部に相当する放熱板(不図示)を、例えば、有機発光素子38が載置されている側とは反対側の基板面に有していてもよい。
図5の表示装置6に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
本発明の表示装置等で使用されるスイッチング素子は、そのチャネル部(活性領域)に酸化物半導体を有していてもよい。このスイッチング素子が有する酸化物半導体部は、アモルファスであってもよいし結晶であってもよい。あるいはアモルファス部分と結晶部分とが混在させたものであってもよい。酸化物半導体(部)が結晶で構成される場合、結晶の形態としては、単結晶、微結晶、あるいはC軸等の特定軸が配向している結晶のいずれかであってもよい。ただしこれら形態に限定されず、これら形態のうち少なくとも2種類が混合された形態であってもよい。
このようなスイッチング素子を有する有機発光素子は、それぞれの有機発光素子が画素として設けられる画像表示装置に用いられてもよい。あるいは照明装置、レーザービームプリンタ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置の感光体を露光する露光部として用いられてもよい。
基板内にトランジスタを設けるかどうかについては、精細度によって選択される。例えば1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板に有機発光素子を設けることが好ましい。
[合成例1]例示化合物A102の合成
以下に示す合成スキームに従い、例示化合物A102を合成した。
Figure 2015173199
(1)配位子L1の合成
以下に示す試薬、溶媒を300mLナスフラスコに投入した。
2,4−ジクロロピリジン:5.00g(33.8mmol)
フェニルボロン酸:4.24g(34.8mmol)
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0):781mg(0.68mmol)
トルエン:60mL
エタノール:30mL
10重量%炭酸ナトリウム水溶液:30mL
次に、反応溶液を、窒素下にて撹拌しながら3時間加熱還流させた。反応終了後、反応溶液にトルエン及び水を加えて撹拌し、分液操作によって有機層を分離した。次に、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥させた。次に、有機層を減圧濃縮することで粗生成物を得た。次に、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘプタン/クロロホルム=2/1)で精製することにより、4−クロロ−2−フェニルピリジンを6.08g(収率95%)得た。
続いて、窒素置換した50mLナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を投入した。
4−クロロ−2−フェニルピリジン:400mg(2.11mmol)
4−ビフェニルボロン酸:438mg(2.21mmol)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0):39mg(0.042mmol)
XPhos(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル):60mg(0.126mmol)
リン酸カリウム:1.12g(5.27mmol)
トルエン:16mL
次に、反応溶液を10分間窒素バブリングした後、反応溶液を窒素下で撹拌しながら110℃で3時間加熱して反応を行った。反応終了後、反応溶液にトルエン及び水を加えてさらに撹拌し、分液操作によって有機層を分離した後、この有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄して硫酸マグネシウムにて乾燥させた。次に、有機層を減圧濃縮することで粗生成物を得た。次に、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘプタン/クロロホルム=1/10)で精製し、配位子L1を433mg(収率68%)得た。
(2)例示化合物A102の合成
以下に示す試薬、溶媒を30mLナスフラスコに投入した。
塩化イリジウム(III)3水和物:231mg(0.655mmol)
2−エトキシエタノール:8.3mL
水:3.5mL
次に、この反応溶液を、窒素バブリングしながら15分間攪拌した。続いて、配位子L1を443mg(1.44mmol)を加えた後、この反応溶液を100℃に加熱し、この温度(100℃)で6時間撹拌を続けた。反応終了後、析出した目的物をろ取し、さらにエタノールに分散させて洗浄することで、IrダイマーDM1を、橙色粉末として526mg得た(収率96%)。
続いて、以下に示す試薬、溶媒を30mLナスフラスコに投入した。
IrダイマーDM1:300mg(0.189mmol)
炭酸ナトリウム:380mg(3.58mmol)
2−エトキシエタノール:6mL
次に、反応溶液を、窒素バブリングしながら15分間攪拌した。続いて2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオンを164mg(0.892mmol)加えた後、この反応溶液を100℃に加熱し、この温度(100℃)で6時間撹拌を続けた。反応終了後、反応溶液に水を加えてよく攪拌し、析出した目的物をろ取することで橙色の粗生成物を得た。次に、この粗生成物をクロロホルムに溶解させ、シリカゲルのショートカラムに通過させた後、クロロホルム/エタノール溶媒で再結晶を行うことで得られた結晶を130℃で真空乾燥した。これにより、例示化合物A102を217mg(収率62%)得た。
得られた例示化合物A102の同定を、NMR測定により行った。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ(ppm):8.46(d,2H),8.09(d,2H),7.89(d,4H),7.79(d,4H),7.67−7.81(m,6H),7.53−7.48(m,4H),7.35−7.43(m,4H),6.86(t,2H),6.73(t,2H),6.48(d,2H),5.53(s,1H),0.94(s,18H).
さらに得られた例示化合物A102について、MALDI−TOF−MS(マトリックス支援イオン化−飛行時間型質量分析)により質量分析を行った。
MALDI−TOF−MS 実測値:m/z=988.20、計算値:C5751IrN22=988.36
[合成例2乃至7]
上記合成例1の合成スキームにおいて、合成原料となる化合物(PH、PY、AR、L’)を下記表3に示す化合物に適宜変更する以外は、合成例1と同様の方法により棒状イリジウム錯体を合成した。また得られた棒状イリジウム錯体について、合成例1で得た棒状イリジウム錯体(例示化合物A102)と同様に同定を行いその構造を確認した。
Figure 2015173199
[合成例8]例示化合物B101の合成
下記に示す合成スキームにより、9,9−ジメチル−2−フルオレンボロン酸及び2−ブロモ−7−ヨード−9,9−ジメチルフルオレンを合成原料として、Pd触媒を用いたクロスカップリング反応を用いて、例示化合物B101を合成した。
Figure 2015173199
得られた例示化合物B101の同定を、MALDI−TOF−MS測定により行った。
MALDI−TOF−MS 実測値:m/z=578.15、計算値:C4538=578.30
[合成例9乃至12]
上記合成例8の合成スキームにおいて、合成原料となる化合物を下記表4に示す化合物に適宜変更する以外は、合成例8と同様の方法により表4に示される棒状化合物を合成した。得られた棒状化合物について、合成例8で得た棒状化合物B101と同様に同定を行いその構造を確認した。
[合成例13]例示化合物B201の合成
下記に示す合成スキームにより、Pd触媒を用いたクロスカップリング反応を用いて、例示化合物B201を合成した。
Figure 2015173199
[合成例14乃至16]
上記合成例13の合成スキームにおいて、合成原料となる化合物を下記表4に示す化合物に適宜変更する以外は、合成例13と同様の方法により表4に示される棒状化合物を合成した。得られた棒状化合物について、合成例8で得た棒状化合物B101と同様に同定を行いその構造を確認した。
Figure 2015173199
[実施例1]
本実施例では、基板上に、陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極がこの順に設けられた構成の有機発光素子を以下に示す方法で作製した。
まずガラス基板の上に、ITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。このときITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。
次に、上記ITO基板の上に、下記表5に示す有機化合物層及び電極を連続成膜することにより有機発光素子を得た。尚、このとき対向する電極(陽極、陰極)の電極面積が3mm2となるようにした。
Figure 2015173199
得られた素子について、ヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bを用いた電流電圧特性測定及びトプコン社製BM7を用いた発光輝度測定を行い、素子の特性を測定・評価した。その結果、本実施例において、色度が(x,y)=(0.47,0.52)の黄色発光が確認され、輝度2000cd/m2における外部量子効率は17.2%であった。
[実施例2、比較例1乃至3]
実施例1において、正孔輸送層(HTL)、発光層ホスト(EML−HOST)、発光層ゲスト(EML−GUEST)、正孔阻止層(HBL)として用いた化合物を、下記表6に示される化合物に適宜変更した。これを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例1と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表6に示す。
Figure 2015173199
実施例1及び2の有機発光素子は、発光層のゲストとして棒状イリジウム錯体を、発光層のホストとして棒状化合物を、それぞれ用いている。そのため、発光層に含まれるゲスト(棒状イリジウム錯体)の遷移双極子モーメントは、光取出し面に対して水平に配向しており、発光素子の光取出し効率が向上するので、発光素子の外部量子効率が高くなる。
一方、比較例2及び3の有機発光素子は、実施例の有機発光素子と比較して、いずれも外部量子効率が低かった。これは、発光層のゲストとして球状のイリジウム錯体を用いたことに起因する。即ち、ゲスト(球状イリジウム錯体)の遷移双極子モーメントが光取出し面に対してランダム配向であるため、発光素子の光取出し効率が向上しなかったためである。
また、比較例1では、発光層のゲストとして水平配向性の高い棒状イリジウム錯体を用いているが、発光層のホストとして水平配向性の低い用い化合物を用いている。そのため、比較例2及び3よりは発光素子の外部量子効率に向上が見られたが、棒状イリジウム錯体の水平配向度が弱められるので、実施例よりも外部量子効率は低かった。
[実施例3]
本実施例では、基板上に、陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極がこの順に設けられた構成の有機発光素子を以下に示す方法で作製した。
実施例1と同様の方法で作製したITO基板の上に、シグマアルドリッチ社製のPEDOT/PSSを滴下し、1000rpmで20秒間スピンコーティングを行った。次に、120℃の真空チャンバーで1時間乾燥することによって、膜厚40nmの正孔輸送層を形成した。次に、窒素雰囲気中で、正孔輸送層の上に、下記の分量で調製したトルエン溶液を滴下し、2000rpmで20秒間スピンコートした。
脱水トルエン:12g
例示化合物B204:85mg
例示化合物A110:15mg
次に、120℃の真空チャンバーで1時間乾燥することにより、膜厚50nmの発光層を形成した。
次に、発光層までが積層されている基板の上に、下記表7に示される有機化合物層(HBL、ETL、EIL)及び電極(陰極)を連続成膜することにより、有機発光素子を得た。尚、このとき対向する電極(陽極、陰極)の電極面積が3mm2となるようにした。
Figure 2015173199
得られた素子について、実施例1と同様に素子の特性を測定・評価した。本実施例において、色度が(x,y)=(0.48,0.51)の黄色発光が確認され、輝度2000cd/m2における外部量子効率は15.0%であった。
[実施例4及び5、比較例4乃至6]
実施例3において、発光層ホスト(EML−HOST)、発光層ゲスト(EML−GUEST)、正孔阻止層(HBL)、電子輸送層(ETL)として用いた化合物を、下記表8に示される化合物に適宜変更した。これを除いては、実施例3と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例1と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表8に示す。
Figure 2015173199
実施例3乃至5の有機発光素子は、発光層のゲストとして棒状イリジウム錯体を、発光層のホストとして棒状化合物をそれぞれ用いており、また塗布プロセスにより発光層を形成している。このように、湿式法(塗布法)を用いて発光層を形成した場合であっても実施例1及び2と同様に、ゲストである棒状イリジウム錯体の遷移双極子モーメントは光取出し面に対して水平配向する。従って、発光素子の光取出し効率が向上し、発光素子の外部量子効率が高くなる。
一方、比較例4乃至6の有機発光素子は、比較例1乃至3の有機発光素子と同様に、発光層のゲスト(イリジウム錯体)の遷移双極子モーメントが、光取出し面に対して水平配向しない、あるいは水平配向度が低いために、実施例よりも外部量子効率は低かった。
1:発光層、2:棒状イリジウム錯体、3:棒状化合物、4:光取出し面、5:取出し光

Claims (12)

  1. 一対の電極と、
    前記一対の電極の間に配置され、有機化合物からなる発光層と、を有し、
    前記発光層が、下記一般式[1]に示されるイリジウム錯体と、下記一般式[3]に示される化合物と、を有することを特徴とする、有機発光素子。
    Figure 2015173199
    〔式[1]において、R1乃至R11は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。nは、2乃至4の整数を表す。Ar1は、下記一般式[2−1]乃至[2−5]に示されるアリーレン基群から選ばれる置換基を表す。尚、複数あるAr1は、同じであってもよいし異なっていてもよい。
    Figure 2015173199
    〔式[2−1]乃至[2−5]において、X1乃至X36は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。*は、隣接する置換基との結合手を表す。〕〕
    Figure 2015173199
    〔式[3]において、R12及びR13は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。mは、3乃至5の整数を表す。Ar2は、一般式[2−1]乃至[2−5]に示されるアリーレン基群から選ばれる置換基を表す。尚、複数あるAr2は、同じであってもよいし異なっていてもよい。〕
  2. 前記イリジウム錯体が、下記一般式[4]に示される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
    Figure 2015173199
    〔式[4]において、Z1乃至Z5は、それぞれ水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Y1乃至Y13は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基又はシアノ基を表す。pは、0乃至2の整数を表し、pが2の場合、複数あるY5乃至Y8は、それぞれ同じであってもよいし異なっていてもよい。〕
  3. 前記Z4及び前記Z5が、それぞれメチル基又はt−ブチル基であることを特徴とする、請求項2に記載の有機発光素子。
  4. 前記Y1及び前記Y3が、共にメチル基であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の有機発光素子。
  5. 前記発光層が、ホストとゲストとを有し、
    前記ゲストが、前記一般式[1]に示されるイリジウム錯体であり、
    前記ホストが、前記一般式[3]に示される化合物であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  6. 複数の画素を有し、
    前記画素が、請求項1乃至5の何れか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする、表示装置。
  7. 前記能動素子が、活性領域に酸化物半導体を有することを特徴とする、請求項6に記載の表示装置。
  8. 画像を表示するための表示部と、
    画像情報を入力するための入力部と、を有し、
    前記表示部が、請求項6又は7に記載の表示装置であることを特徴とする、情報処理装置。
  9. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機発光素子と、
    前記有機発光素子に接続されているAC/DCコンバーター回路と、を有することを特徴とする照明装置。
  10. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機発光素子と、装置内の熱を外部へ放出する放熱部と、を有することを特徴とする照明装置。
  11. 感光体と、
    前記感光体の表面を帯電させる帯電手段と、
    前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
    前記感光体の表面に形成された静電潜像を現像する現像手段と、を有する画像形成装置であって、
    前記露光手段が、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする、画像形成装置。
  12. 感光体を露光するための露光装置であって、
    前記露光装置が、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機発光素子を有し、
    前記有機発光素子が、前記感光体の長軸方向に沿って列を形成して配置されていることを特徴とする、露光装置。
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