JP2015171848A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2015171848A JP2014048544A JP2014048544A JP2015171848A JP 2015171848 A JP2015171848 A JP 2015171848A JP 2014048544 A JP2014048544 A JP 2014048544A JP 2014048544 A JP2014048544 A JP 2014048544A JP 2015171848 A JP2015171848 A JP 2015171848A
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真依子 田邊
Maiko Tanabe
真依子 田邊
弘基 宇野
Hiroki Uno
弘基 宇野
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Abstract

【課題】質量の増加を抑えつつ、導電性の向上が達成された空気入りタイヤ2の提供。【解決手段】このタイヤ2は、その外面がトレッド面26をなすトレッド4と、それぞれが上記トレッド4の端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォール8と、それぞれがサイドウォール8の端から半径方向略内向きに延びる一対のクリンチ10と、それぞれがクリンチ10よりも軸方向内側に位置する一対のビード12と、上記トレッド4及び上記サイドウォール8の内側に沿って一方のビード12と他方のビード12との間に架け渡されたカーカス14とを備えている。上記カーカス14はカーカスプライ42を備えている。上記カーカスプライ42は並列された多数のコードを含んでいる。この多数のコードに、第一コードが含まれている。上記第一コードは導電性のポリエステル繊維を含んでいる。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、乗用車のための空気入りタイヤに関する。
例えば、タイヤのトレッドは架橋ゴムからなる。架橋ゴムは通常、補強剤を含む。補強剤は、剛性に寄与する。
補強剤としては、カーボンブラックが一般的である。しかし近年、車輌の燃費性能の観点から、カーボンブラックに換えて、又は、このカーボンブラックとともに、シリカを用いることがある。これは、主たる補強剤としてシリカを含む架橋ゴムは、主たる補強剤としてカーボンブラックを含む架橋ゴムよりも発熱しにくいからである。シリカを含む架橋ゴムは、タイヤの転がり抵抗の低減に寄与する。
シリカは、カーボンブラックに比べて電気を通しにくい。このため、補強剤としてシリカを用いると、タイヤの導電性が阻害される恐れがある。電気を通しにくいタイヤは、静電気を帯びやすい。静電気は、ラジオノイズを招来する。さらに静電気は、スパークによりドライバーに不快感を与える。
転がり抵抗の低減の観点から、シリカを含む架橋ゴムを採用するには、タイヤの導電性を考慮する必要がある。帯電を抑えつつ、転がり抵抗の低減を達成するとの観点から、様々な検討がなされている。この検討の一例が、特開2013−86568公報に開示されている。
特開2013−86568公報
タイヤは、トレッド及びサイドウォールの内側にカーカスを備えている。カーカスは、カーカスプライを備えている。
カーカスプライは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、トッピングゴムで覆われている。
カーカスプライには通常、有機繊維からなるコードが用いられる。この有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。従来のカーカスプライのためのコードは、電気を通しにくい。
カーカスプライのトッピングゴムには通常、カーボンブラックが配合される。トッピングゴムは、前述のコードに比べて電気を通しやすい。
カーカスプライは、両側のビードの間に架け渡されており、トレッド及びサイドウォールに沿っている。トレッド及びサイドウォールに、シリカを含む架橋ゴムを採用する場合、このカーカスプライが導電経路としての役割を担う。
前述の通り、カーカスプライのコードは電気を通しにくく、そのトッピングゴムは電気を通しやすい。このため、タイヤの導電性の観点から、コードを被覆するトッピングゴムが調整される。
導電性の観点から、コードを覆うトッピングゴムの体積を増やすことがある。体積の増加は、質量に影響する。大きな質量は、転がり抵抗を増大させる。
導電性の観点から、トッピングゴムに含まれるカーボンブラックの配合量を調整することがある。配合量の調整は、トッピングゴムの物性を変化させる。物性変化は、タイヤの性能に影響する。カーボンブラックを多く含むトッピングゴムは、質量に影響する。
本発明の目的は、質量の増加を抑えつつ、導電性の向上が達成された空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれがサイドウォールの端から半径方向略内向きに延びる一対のクリンチと、それぞれがクリンチよりも軸方向内側に位置する一対のビードと、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスとを備えている。上記カーカスはカーカスプライを備えている。上記カーカスプライは並列された多数のコードを含んでいる。この多数のコードに、第一コードが含まれている。上記第一コードは導電性のポリエステル繊維を含んでいる。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記多数のコードに、第二コードがさらに含まれている。上記第二コードは、有機繊維からなる本体と、この本体の表面を覆うスキンとを備えている。このスキンはメッキからなる。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記メッキはニッケル又は銅を含む。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記カーカスプライに含まれる上記コードの総本数に対する、上記第二コードの本数の比は、1/1000以上1/10以下である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、カーカスプライは多数のコードを含んでいる。この多数のコードには、導電性のポリエステル繊維を含む第一コードが含まれている。この第一コードは、カーカスプライに用いられる従来のコードよりも電気を通しやすい。このカーカスプライの電気抵抗は極めて小さい。このタイヤでは、導電性のために、カーカスプライのトッピングゴムの体積を増加させたり、トッピングゴムに含まれるカーボンブラックの量を調整する必要はない。このタイヤでは、薄いカーカスプライを採用しても、十分な導電性が確保される。本発明によれば、質量の増加を抑えつつ、導電性の向上が達成された空気入りタイヤが得られる。
このタイヤでは、シリカを含む架橋ゴムをサイドウォールに採用した場合、カーカスプライが導電経路として十分に機能する。本発明によれば、タイヤの転がり抵抗の一層の低減を図ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの赤道面に沿った拡大断面図である。 図3は、図1のタイヤのカーカスの一部が示された斜視図である。 図4は、図1のタイヤが、リム及び電気抵抗測定装置とともに示された模式図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤのカーカスの一部が示された斜視図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。
このタイヤ2は、トレッド4、貫通部6、サイドウォール8、クリンチ10、ビード12、カーカス14、ベルト16、バンド18、インナーライナー20、チェーファー22及びウィング24を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面26を形成する。トレッド4には、溝28が刻まれている。この溝28により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、キャップ層30とベース層32とを有している。キャップ層30は、ベース層32の半径方向外側に位置している。キャップ層30は、ベース層32に積層されている。
このタイヤ2では、キャップ層30は非導電性である。本発明において非導電性とは、当該部材の体積固有抵抗が1.0×10Ω・cm以上であることを意味する。特には、非導電性の部材の体積固有抵抗は、1.0×1010Ω・cm以上である。
キャップ層30は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。つまりキャップ層30は架橋ゴムである。このゴム組成物の好ましい基材ゴムは、ジエン系ゴムである。ジエン系ゴムの具体例としては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)及びポリクロロプレン(CR)が挙げられる。ジエン系ゴムには、共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル系モノマーとの共重合が含まれる。この共重合体の具体例としては、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体(S−SBR)及び乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体(E−SBR)が挙げられる。キャップ層30に特に適したポリマーは、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体である。
キャップ層30のゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。このキャップ層30を備えたタイヤ2の転がり抵抗は、小さい。シリカは、タイヤ2の低燃費性能に寄与する。低燃費性能とキャップ層30の強度との観点から、シリカの量は、基材ゴム100質量部に対して40質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましく、60質量部以上が特に好ましい。この量は、100質量部以下が好ましい。
キャップ層30のゴム組成物は、乾式シリカ、湿式シリカ、合成ケイ酸塩シリカ及びコロイダルシリカを含みうる。シリカの窒素吸着比表面積(BET)は150m/g以上が好ましく、175m/g以上が特に好ましい。入手容易なシリカの窒素吸着比表面積は、250m/g以下である。
キャップ層30のゴム組成物は、シリカと共に、シランカップリング剤を含んでいる。このカップリング剤により、ゴム分子とシリカとの間の堅固な結合が達成されると推測される。このカップリング剤により、シリカと他のシリカとの間の堅固な結合が達成されると推測される。
キャップ層30のゴム組成物が、他の補強剤として、少量のカーボンブラックを含んでもよい。カーボンブラックは、トレッド4の耐摩耗性に寄与する。少量のカーボンブラックは、シリカによる低燃費性能を大幅には阻害しない。カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下が特に好ましい。
キャップ層30のゴム組成物は、硫黄及び加硫促進剤を含んでいる。このゴム組成物が、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛等を含んでもよい。
ベース層32は、半径方向において、キャップ層30の内側に位置している。ベース層32は、キャップ層30と接合されている。このタイヤ2では、ベース層32は導電性である。本発明において導電性とは、当該部材の体積固有抵抗が1.0×10Ω・cm未満であることを意味する。特には、導電性の部材の体積固有抵抗は、1.0×10Ω・cm以下である。
ベース層32は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このゴム組成物の好ましい基材ゴムは、ジエン系ゴムである。キャップ層30に関して前述されたジエン系ゴムが、ベース層32にも用いられうる。ベース層32に特に適したポリマーは、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体である。
ベース層32のゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。カーボンブラックは、導電性物質である。ゴム組成物が、主たる補強剤としてカーボンブラックを含むことで、ベース層32の導電性が達成されている。導電性の観点から、カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して45質量部以上が好ましく、55質量部以上がより好ましく、65質量部以上が特に好ましい。この量は、100質量部以下が好ましい。
ベース層32のゴム組成物は、カーボンブラックとして、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック及びサーマルブラックを含みうる。カーボンブラックの吸油量は5cm/100g以上300cm/100g以下が好ましい。
ベース層32のゴム組成物は、硫黄及び加硫促進剤を含んでいる。このゴム組成物が、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛等を含んでもよい。
ベース層32に、前述されたキャップ層30のゴム組成物のように、主たる補強剤としてシリカを含むゴム組成物を用いてもよい。この場合、このベース層32は転がり抵抗の低減に寄与する。
貫通部6は、トレッド4を貫通している。貫通部6の一端は、トレッド面26に露出している。貫通部6の他端は、バンド18と接触している。貫通部6は、周方向に延在している。換言すれば、貫通部6は環状である。タイヤ2が、環状ではなく、周方向において互いに離間した複数の貫通部6を備えてもよい。貫通部6は、導電性である。
貫通部6は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このゴム組成物の好ましい基材ゴムは、ジエン系ゴムである。キャップ層30に関して前述されたジエン系ゴムが、貫通部6にも用いられうる。貫通部6に特に適したポリマーは、天然ゴム及びポリブタジエンである。
貫通部6のゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。キャップ層30に関して前述されたカーボンブラックが、貫通部6にも用いられうる。
貫通部6のゴム組成物は、硫黄及び加硫促進剤を含んでいる。このゴム組成物が、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛等を含んでもよい。
サイドウォール8は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール8の半径方向外側端は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール8の半径方向内側端は、クリンチ10と接合されている。このサイドウォール8は、カーカス14の損傷を防止する。サイドウォール8は、非導電性である。
サイドウォール8は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このゴム組成物の好ましい基材ゴムは、ジエン系ゴムである。キャップ層30に関して前述されたジエン系ゴムが、サイドウォール8にも用いられうる。耐カット性及び耐候性の観点から、サイドウォール8に特に適したポリマーは、天然ゴム及びポリブタジエンである。
サイドウォール8のゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。キャップ層30に関して前述されたシリカを、サイドウォール8は含みうる。このサイドウォール8を備えたタイヤ2の転がり抵抗は、小さい。シリカは、タイヤ2の低燃費性能に寄与する。低燃費性能とサイドウォール8の強度との観点から、シリカの量は、基材ゴム100質量部に対して35質量部以上が好ましく、45質量部以上が特に好ましい。この量は、100質量部以下が好ましい。
サイドウォール8のゴム組成物が、他の補強剤として、少量のカーボンブラックを含んでもよい。カーボンブラックは、サイドウォール8の強度に寄与する。少量のカーボンブラックは、シリカによる低燃費性能を大幅には阻害しない。カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下が特に好ましい。
サイドウォール8のゴム組成物は、シランカップリング剤を含んでいる。このゴム組成物はさらに、硫黄及び加硫促進剤を含んでいる。このゴム組成物が、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛等を含んでもよい。
クリンチ10は、サイドウォール8の半径方向略内側に位置している。クリンチ10は、軸方向において、ビード12及びカーカス14よりも外側に位置している。クリンチ10は、導電性である。クリンチ10は、リム34のフランジ36と当接している。フランジ36は、スチール又はアルミニウム合金からなる。従って、フランジ36は、導電性である。
クリンチ10は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このゴム組成物の好ましい基材ゴムは、ジエン系ゴムである。キャップ層30に関して前述されたジエン系ゴムが、クリンチ10にも用いられうる。耐摩耗性の観点から、クリンチ10に特に適したポリマーは、天然ゴム及びポリブタジエンである。
クリンチ10のゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。ベース層32に関して前述されたカーボンブラックが、クリンチ10にも用いられうる。
クリンチ10のゴム組成物は、硫黄及び加硫促進剤を含んでいる。このゴム組成物が、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛等を含んでもよい。
ビード12は、クリンチ10の軸方向内側に位置している。ビード12は、コア38と、このコア38から半径方向外向きに延びるエイペックス40とを備えている。コア38はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス40は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス40は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス14は、カーカスプライ42からなる。カーカスプライ42は、両側のビード12の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール8に沿っている。カーカスプライ42は、コア38の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ42には、主部44と折り返し部46とが形成されている。折り返し部46は、クリンチ10と積層されている。カーカス14が、2以上のカーカスプライ42を有してもよい。軽量化の観点から、カーカス14は1のカーカスプライ42で構成されるのが好ましい。
ベルト16は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト16は、カーカス14と積層されている。ベルト16は、カーカス14を補強する。ベルト16は、内側層48及び外側層50からなる。図1から明らかなように、軸方向において、内側層48の幅は外側層50の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層48及び外側層50のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層48のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層50のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードは、導電性である。ベルト16の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト16が、3以上の層を備えてもよい。
ベルト16のトッピングゴムは、導電性である。このトッピングゴムは、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このゴム組成物の好ましい基材ゴムは、ジエン系ゴムである。キャップ層30に関して前述されたジエン系ゴムが、トッピングゴムにも用いられうる。トッピングゴムに特に適したポリマーは、天然ゴムである。
トッピングゴムのゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。このゴム組成物は、ベース層32に関して前述されたカーボンブラックを含みうる。カーボンブラックは、導電性物質である。ゴム組成物が、主たる補強剤としてカーボンブラックを含むことで、トッピングゴムの導電性が達成されている。コード及びトッピングゴムが導電性なので、ベルト16の電気抵抗は極めて小さい。
バンド18は、ベルト16の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド18の幅はベルト16の幅と同等である。図示されていないが、このバンド18は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド18は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト16が拘束されるので、ベルト16のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
バンド18のトッピングゴムは、導電性である。このトッピングゴムは、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このゴム組成物の好ましい基材ゴムは、ジエン系ゴムである。キャップ層30に関して前述されたジエン系ゴムが、トッピングゴムにも用いられうる。トッピングゴムに特に適したポリマーは、天然ゴムである。
トッピングゴムのゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。このゴム組成物は、ベース層32に関して前述されたカーボンブラックを含みうる。カーボンブラックは、導電性物質である。ゴム組成物が、主たる補強剤としてカーボンブラックを含むことで、トッピングゴムの導電性が達成されている。
ベルト16及びバンド18は、補強層を構成している。ベルト16のみから、補強層が構成されてもよい。バンド18のみから、補強層が構成されてもよい。前述の通り、ベルト16のコード及びトッピングゴム並びにバンド18のトッピングゴムは導電性である。このタイヤ2では、補強層は導電性である。
インナーライナー20は、カーカス14の内側に位置している。インナーライナー20は、カーカス14の内面に接合されている。このインナーライナー20は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このゴム組成物は、空気遮蔽性に優れた基材ゴムを含む。インナーライナー20の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー20は、タイヤ2の内圧を保持する。
インナーライナー20のゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。キャップ層30に関して前述されたシリカを、インナーライナー20は含みうる。このインナーライナー20を備えたタイヤ2の転がり抵抗は、小さい。シリカは、タイヤ2の低燃費性能に寄与する。低燃費性能とインナーライナー20の強度との観点から、シリカの量は、基材ゴム100質量部に対して35質量部以上が好ましく、45質量部以上が特に好ましい。この量は、100質量部以下が好ましい。
インナーライナー20のゴム組成物が、他の補強剤として、少量のカーボンブラックを含んでもよい。カーボンブラックは、インナーライナー20の強度に寄与する。少量のカーボンブラックは、シリカによる低燃費性能を大幅には阻害しない。カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下が特に好ましい。
インナーライナー20のゴム組成物は、シランカップリング剤を含んでいる。このゴム組成物はさらに、硫黄及び加硫促進剤を含んでいる。このゴム組成物が、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛等を含んでもよい。
インナーライナー20のゴム組成物が、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでもよい。
チェーファー22は、ビード12の近傍に位置している。タイヤ2がリム34に組み込まれると、このチェーファー22がリム34と当接する。この当接により、ビード12の近傍が保護される。チェーファー22は、布とこの布に含浸した架橋ゴムとからなる。チェーファー22は、非導電性である。
ウィング24は、トレッド4とサイドウォール8との間に位置している。ウィング24は、トレッド4及びサイドウォール8のそれぞれと接合している。ウィング24は、非導電性である。
ウィング24は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このゴム組成物の好ましい基材ゴムは、ジエン系ゴムである。キャップ層30に関して前述されたジエン系ゴムが、ウィング24にも用いられうる。ウィング24に特に適したポリマーは、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体である。
ウィング24のゴム組成物は、主たる補強剤として、シリカを含んでいる。キャップ層30に関して前述されたシリカを、ウィング24は含みうる。このウィング24を備えたタイヤ2の転がり抵抗は、小さい。シリカは、タイヤ2の低燃費性能に寄与する。低燃費性能とウィング24の強度との観点から、シリカの量は、基材ゴム100質量部に対して35質量部以上が好ましく、45質量部以上が特に好ましい。この量は、100質量部以下が好ましい。
ウィング24のゴム組成物が、他の補強剤として、少量のカーボンブラックを含んでもよい。カーボンブラックは、ウィング24の強度に寄与する。少量のカーボンブラックは、シリカによる低燃費性能を大幅には阻害しない。カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下が特に好ましい。
ウィング24のゴム組成物は、シランカップリング剤を含んでいる。このゴム組成物はさらに、硫黄及び加硫促進剤を含んでいる。このゴム組成物が、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛等を含んでもよい。
図2には、このタイヤ2の赤道面に沿った断面が示されている。この図2において、左右方向は周方向であり、上下方向は半径方向であり、紙面に対して垂直な方向は軸方向である。
図2に示されているように、カーカスプライ42は、並列された多数のコード52と、トッピングゴム54とからなる。それぞれのコード52が赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス14はラジアル構造を有する。
カーカスプライ42のトッピングゴム54は、導電性である。このトッピングゴム54は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このゴム組成物の好ましい基材ゴムは、ジエン系ゴムである。キャップ層30に関して前述されたジエン系ゴムが、トッピングゴム54にも用いられうる。トッピングゴム54に特に適したポリマーは、天然ゴムである。
トッピングゴム54のゴム組成物は、主たる補強剤として、カーボンブラックを含んでいる。このゴム組成物は、ベース層32に関して前述されたカーボンブラックを含みうる。カーボンブラックは、導電性物質である。ゴム組成物が、主たる補強剤としてカーボンブラックを含むことで、トッピングゴム54の導電性が達成されている。導電性の観点から、カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して35質量部以上が好ましく、45質量部以上が特に好ましい。この量は、100質量部以下が好ましい。
トッピングゴム54のゴム組成物は、硫黄及び加硫促進剤を含んでいる。このゴム組成物が、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛等を含んでもよい。
図3には、カーカスプライ42におけるコード52の配列の様子が示されている。このタイヤ2では、カーカスプライ42に含まれる多数のコード52には第一コード56が含まれている。詳細には、このタイヤ2では、カーカスプライ42に含まれる多数のコード52は全て第一コード56で構成されている。
このタイヤ2では、第一コード56は10から10Ω/cmの線抵抗を有している。第一コード56は導電性である。この第一コード56では、カーボンブラックの含有量の調整により導電性が付与されたポリエステル繊維を用いて、その導電性が調節されている。言い換えれば、この第一コード56は導電性のポリエステル繊維を含んでいる。この第一コード56は、カーカスプライ42に用いられる従来のコードよりも電気を通しやすい。このような第一コード56として、東レ(株)社製の商品名「SCIMA」が挙げられる。
前述の通り、このタイヤ2のカーカス14はカーカスプライ42からなり、このカーカスプライ42は並列された多数のコード52とトッピングゴム54とからなる。トッピングゴム54は導電性であり、多数のコード52には導電性の第一コード56が含まれている。このカーカスプライ42からなるカーカス14の電気抵抗は極めて小さい。
このタイヤ2では、フランジ36、クリンチ10、カーカス14、補強層(ベルト16及びバンド18)、ベース層32及び貫通部6を通じて、静電気が放電される。クリンチ10と補強層、言い換えればベルト16との間の導電を担うのは、カーカス14である。
前述の通りカーカス14の電気抵抗は、極めて小さい。このタイヤ2では、導電性のために、カーカスプライ42のトッピングゴム54の体積を増加させたり、このトッピングゴム54に含まれるカーボンブラックの量を調整する必要はない。このタイヤ2では、薄いカーカスプライ42を採用しても十分な導電性が確保される。本発明によれば、質量の増加を抑えつつ、導電性の向上が達成された空気入りタイヤ2が得られる。
このタイヤ2では、シリカを含む架橋ゴムがサイドウォール8に採用されているが、カーカス14が導電経路として十分に機能する。本発明によれば、タイヤ2の転がり抵抗のより一層の低減を図ることができる。
図1において、符号Pで示されているのはこのタイヤ2の最大幅を示す位置である。両矢印tは、この位置Pにおけるカーカスプライ42の主部44の厚みを表している。カーカス14の剛性及び導電性の観点から、厚みtは0.3mm以上が好ましい。質量の観点から、厚みtは1.0mm以下が好ましい。
図1において、両矢印L1で示されているのは、クリンチ10とカーカス14との接触長さである。導電性の観点から、長さL1は5mm以上が好ましく、10mm以上が特に好ましい。
図1において、矢印L2で示されているのは、カーカス14と補強層との接触長さである。導電性の観点から、長さL2は5mm以上が好ましく、10mm以上が特に好ましい。
図1において、矢印L3で示されているのは、補強層とベース層32との接触長さである。導電性の観点から、長さL3は5mm以上が好ましく、10mm以上が特に好ましい。
図1において、両矢印Wで示されているのは、貫通部6の露出面の幅である。十分に放電がなされるとの観点から、幅Wは3mm以上が好ましく、5mm以上が特に好ましい。転がり抵抗への影響の観点から、幅Wは10mm以下が好ましい。
図4には、タイヤ2と共に、リム34及び電気抵抗測定装置58が示されている。この装置58は、絶縁板60、金属板62、軸64及び抵抗計66を備えている。絶縁板60の電気抵抗は、1.0×1012Ω以上である。金属板62の表面は、研磨されている。この金属板62の電気抵抗は、10Ω以下である。この装置58が用いられ、ISO16392規格に準拠して、タイヤ2の電気抵抗Rtが測定される。測定前に、タイヤ2の表面に付着した汚れ及び離型剤が除去される。このタイヤ2は、十分に乾燥させられる。このタイヤ2が、アルミニウム合金製のリム34に組み込まれる。組み込みのとき、タイヤ2とリム34との接触部に、潤滑剤として石けん水が塗布される。このタイヤ2に、内圧が200kPaとなるように、空気が充填される。このタイヤ2及びリム34が、試験室で2時間保持される。試験室の、温度は25℃であり、湿度は50%である。このタイヤ2及びリム34が、軸64に取り付けられる。このタイヤ2及びリム34に、5.3kNの荷重が0.5分間負荷されてから、この荷重が開放される。このタイヤ2及びリム34に、再度5.3kNの荷重が0.5分間負荷されてから、この荷重が開放される。さらに、このタイヤ2及びリム34に、5.3kNの荷重が2.0分間負荷されてから、この荷重が開放される。その後、軸64と金属板62との間に、1000Vの電圧が印可される。印可が開始されてから5分経過後の、軸64と金属板62との間の電気抵抗が、抵抗計66で測定される。測定は、タイヤ2の周方向に沿って90°刻みの4カ所で行われる。得られた4つの電気抵抗のうちの最大値が、このタイヤ22の電気抵抗Rtである。
電気抵抗Rtは、1.0×10Ω未満が好ましい。電気抵抗Rtが1.0×10Ω未満であるタイヤ2では、静電気が帯電しにくい。この観点から、電気抵抗Rtは8.8×10Ω以下がより好ましく、7.1×10Ω以下が特に好ましい。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リム34に組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。このタイヤ2が乗用車用である場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。後述するタイヤの各部材の寸法及び角度も、このタイヤ2と同様にして測定される。
図4は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤにおけるカーカス68の一部が示された斜視図である。このタイヤは、このカーカス68以外に、トレッド、貫通部、サイドウォール、クリンチ、ビード、ベルト、バンド、インナーライナー、チェーファー及びウィングを備えている。このタイヤの、カーカス68以外の部材の構成は、図1に示されたタイヤ2のそれらと同一である。
このタイヤでは、カーカス68は1枚のカーカスプライ70からなる。図4に示されているように、カーカスプライ70は、並列された多数のコード72と、トッピングゴム74とからなる。それぞれのコード72が赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。
カーカスプライ70のトッピングゴム74は、導電性である。このトッピングゴム74は、ゴム組成物が架橋されることによって成形されている。このトッピングゴム74は、図1に示されたタイヤ2におけるカーカスプライ42のトッピングゴム54と同一である。
このタイヤでは、カーカスプライ70に含まれる多数のコード72には、第一コード76及び第二コード78が含まれている。第一コード76は、図1に示されたタイヤ2におけるカーカスプライ42に含まれる第一コード56と同一である。この第一コード76は導電性のポリエステル繊維を含んでいる。この第一コード76は導電性である。
このタイヤでは、第二コード78は、本体80と、この本体80の表面を覆うスキン82とを備えている。本体80は、有機繊維からなるコードである。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
スキン82は金属の薄層、つまりメッキからなる。換言すれば、第二コード78は本体80の表面にメッキを施したものである。メッキは導電性である。メッキが表面に位置しているので、第二コード78の表面抵抗は小さい。詳細には第二コード78は、0.05Ω/sq以下の表面抵抗を有している。この第二コード78は電気を通しやすい。この第二コード78は導電性である。このタイヤでは、スキン82の厚みは0.1mm以下である。
メッキを構成する材質としては、ニッケル、銅、タングステン、スズ及び金が例示される。このタイヤでは、スキン82をなすメッキが単一の材質から構成されてもよく、2種以上の材質を組み合わせたものから構成されてもよい。このスキン82が、メッキからなる層を複数積層したものから構成されてもよい。汎用性及び導電性の観点から、スキン82をなすメッキはニッケル又は銅を含むのが好ましい。なお、このメッキの形成のための処理方法は、特に制限されない。無電解メッキ等の公知の処理方法が用いられる。
前述の通り、このタイヤのカーカス68はカーカスプライ70からなり、このカーカスプライ70は並列された多数のコード72とトッピングゴム74とからなる。トッピングゴム74は導電性であり、多数のコード72には導電性の第一コード76及び第二コード78が含まれている。しかも第二コード78はメッキからなるスキン82を備えている。この第一コード76及び第二コード78の組み合わせは、カーカス68の導電性を相乗的に向上させる。このカーカス68の電気抵抗は極めて小さい。カーカス68の導電性の観点から、カーカスプライ70に含まれる多数のコード72は、多数の第一コード76と、多数の第二コード78とから構成される、つまり、第一コード76及び第二コード78以外のコードを含まないのが好ましい。
このタイヤでは、フランジ、クリンチ、カーカス68、補強層、ベース層及び貫通部を通じて、静電気が放電される。クリンチとベルトとの間の導電を担うのは、カーカス68である。
前述の通り、このタイヤでは、カーカス68の電気抵抗は極めて小さい。このタイヤでは、導電性のために、カーカスプライ70のトッピングゴム74の体積を増加させたり、このトッピングゴム74に含まれるカーボンブラックの量を調整する必要がない。それどころか、第一コード76及び第二コード78の組み合わせがカーカス68の導電性を相乗的に向上させるので、カーカスプライ70におけるトッピングゴム74の体積を絞ることができる。このタイヤでは、薄いカーカスプライ70を採用しても十分な導電性が確保される。本発明によれば、質量の増加を抑えつつ、導電性の向上が達成された空気入りタイヤが得られる。
このタイヤでは、シリカを含む架橋ゴムがサイドウォールに採用されているが、カーカスプライ70が導電経路として十分に機能する。本発明によれば、タイヤの転がり抵抗の一層の低減を図ることができる。
このタイヤでは、第二コード78は、メッキからなるスキン82を備えているので、第一コード76の質量よりも大きな質量を有する。第二コード78による質量への影響を抑えるとの観点から、カーカスプライ70に含まれるコード72の総本数Nに対する、第二コード78の本数N2の比は、1/10以下が好ましい。カーカス68の導電性の観点から、この比は1/1000以上が好ましい。
図5に示されているように、このタイヤでは、一の第二コード78aと、他の第二コード78bとの間には、9本の第一コード76が存在している。換言すれば、複数の第一コード76からなる第一ユニット84が、一の第二コード78aと他の第二コード78bとの間に挟まれている。このタイヤでは、第一ユニット84と第二コード78とが交互に配置している。この配置は、周方向におけるカーカス68の剛性の均整化に寄与する。このタイヤでは、カーカス68によるユニフォミティへの影響が抑えられている。図示されているように、一の第一ユニット84aと他の第一ユニット84bとの間に存在する第二コード78の本数は1本である。この一の第一ユニット84aと他の第一ユニット84bとの間に、2本以上の第二コード78が存在していてもよい。質量への影響の観点から、この一の第一ユニット84aと他の第一ユニット84bとの間に存在する第二コード78の本数は5本以下が好ましい。第一ユニット84に含まれるコード72の本数は、9本以上が好ましく、999本以下が好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記の表1に示された実施例1の空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、155/65R14とされた。この実施例1では、カーカスプライの厚みtは1.0mmとされた。このカーカスプライに含まれるコードは全て、導電性のポリエステル繊維を含む第一コードとされた。このことが、表1のコードの欄に「C」で表されている。
[比較例1]
カーカスプライに含まれる全てのコードを従来のコード(非導電性のポリエステル繊維からなるコード(体積抵抗=1×1014Ω・cm)とした他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。従来のコードを用いていることが、表中、コードの欄に「N」で表されている。
[比較例2]
カーカスプライに含まれる全てのコードを従来のコード(非導電性のポリエステル繊維からなるコード(体積抵抗=1×1014Ω・cm)とし、カーカスプライの厚みtを1.5mmとした他は実施例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
[実施例8]
厚みtを下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例8のタイヤを得た。
[実施例2−7]
実施例2−7では、カーカスプライに含まれる多数のコードが、前述の第一コード以外に、表面にメッキからなるスキンを備えた第二コードを含むように構成された。このことが、表中、第一コードの欄に「C」で、第二コードの欄に「P」で表されている。カーカスプライの厚みt、及び、このカーカスプライに含まれるコードの総本数Nに対する、第二コードの本数N2の比(N2/N)は、下記の表2の通りとされた。この実施例2−7のカーカスプライには、第一コード及び第二コード以外のコードは含まれていない。この実施例2−7では、カーカスプライに含まれるコードの構成、カーカスプライの厚みt以外は、実施例1と同様にされている。
[質量]
タイヤの質量を計測した。この結果が、比較例1を100とした指数で、下記の表1及び2に示されている。数値が小さいほど軽いことを表している。
[電気抵抗]
図4に示された方法で、タイヤの電気抵抗を計測した。この結果が、比較例1を100とした指数で、下記の表1及び2に示されている。数値が小さいほど電気抵抗が小さいことを表している。
Figure 2015171848
Figure 2015171848
表1及び2に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、種々の車輌にも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
8・・・サイドウォール
10・・・クリンチ
12・・・ビード
14,68・・・カーカス
26・・・トレッド面
34・・・リム
36・・・フランジ
42,70・・・カーカスプライ
52,72・・・コード
54,74・・・トッピングゴム
56,76・・・第一コード
78、78a、78b・・・第二コード
80・・・本体
82・・・スキン

Claims (4)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、それぞれが上記トレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、それぞれがサイドウォールの端から半径方向略内向きに延びる一対のクリンチと、それぞれがクリンチよりも軸方向内側に位置する一対のビードと、上記トレッド及び上記サイドウォールの内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスとを備えており、
    上記カーカスがカーカスプライを備えており、
    上記カーカスプライが並列された多数のコードを含んでおり、
    この多数のコードに、第一コードが含まれており、
    上記第一コードが導電性のポリエステル繊維を含んでいる、空気入りタイヤ。
  2. 上記多数のコードに、第二コードがさらに含まれており、
    上記第二コードが、有機繊維からなる本体と、この本体の表面を覆うスキンとを備えており、
    このスキンがメッキからなる、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記メッキがニッケル又は銅を含む、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記カーカスプライに含まれる上記コードの総本数に対する、上記第二コードの本数の比が、1/1000以上1/10以下である、請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。
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