JP2015161858A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の解決課題は、ローラー帯電方式の画像形成方法において、帯電ムラによる画像欠陥の発生のない高画質な画像を長期間にわたって安定して形成することができる画像形成方法を提供することである。
【解決手段】本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体の表面を帯電ローラーによって帯電し、露光することにより形成した静電潜像を、トナーにより顕像化する画像形成方法において、当該トナーが、少なくともトナー母体粒子及び外添剤微粒子を含有し、当該外添剤微粒子が、シリカ・ポリマー複合体微粒子を含有し、当該シリカ・ポリマー複合体微粒子のケイ素原子存在比率が、少なくとも下記条件Aを満たすことを特徴とする。
条件A:15.0atm%≦ケイ素原子存在比率({Si/(C+O+Si)}×100)≦30.0atm%
【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成方法に関し、更に詳しくは、ローラー帯電方式の画像形成方法において、画像欠陥の発生のない高画質な画像を長期間にわたって安定して形成することができる電子写真画像形成方法に関する。
近年、電子写真方式の画像形成装置においては、パーソナル・コンピューターを利用したネットワークの発展に伴い、特にデジタル方式のデータを容易に送受信できるようになったことから、単なる複写という行為から発展して、パーソナル・コンピューター上で作成した文書や画像を直接出力して配布物や出版物等のオリジナル画像を作成すること(デスクトップパブリッシング)が一般的になってきている。このオリジナル画像の作成においては、カラーのデジタル画像などが容易に取り込めることから高品質な画像を形成できることが要求されている。また、小規模オフィス等では、設置スペース上の問題や机の側において使用するなどの利便性から、小型化・軽量化された画像形成装置が求められている。
電子写真方式の画像形成方法においては、静電潜像担持体(「感光体」ともいう。)を均一に帯電させる工程が必要であり、そのためにコロナ帯電方式の帯電装置が一般的に使用されている。この帯電装置は、構成や使用方法が簡単であるために使用しやすいという利点を有している。しかし、コロナ放電によりオゾンが発生し、このオゾンによって生成される酸化物により静電潜像担持体表面に欠陥が発生して、得られる画像に画像ボケなどの画像欠陥が発生してしまうため、長期間にわたって安定した画像を形成することができないという問題があった。
このような問題を解決するために、帯電装置として帯電ローラーを使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような帯電ローラーを使用した帯電装置においては、帯電部位においてオゾンを発生させることがなく、また、帯電ローラーは、コロナ帯電方式の帯電装置に比べて非常に小型な部材であるため、プリンター等の画像形成装置の小型化を図ることができる。
しかしながら、この帯電ローラーを用いたローラー帯電方式の画像形成方法においては、長期間にわたって使用した場合に、トナー中に含有されるシリカ粒子、チタニア粒子などの研磨性の高い外添剤のために帯電ローラーが部分的に摩耗し、静電潜像担持体上に均一に帯電することができなくなり、そのため帯電ムラが発生し、長期間にわたって安定した画像を形成することができないという問題があった。
特許第3902943号公報
本発明は上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、ローラー帯電方式の画像形成方法において、帯電ムラによる画像欠陥の発生のない高画質な画像を長期間にわたって安定して形成することができる画像形成方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、ローラー帯電方式を用いた画像形成方法において、外添剤として、シリカ・ポリマー複合体微粒子を含有するトナーを用いることによって上記課題が解決できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.静電潜像担持体の表面を帯電ローラーによって帯電し、露光することにより形成した静電潜像を、トナーにより顕像化する画像形成方法であって、
当該トナーが、少なくともトナー母体粒子及び外添剤微粒子を含有し、
当該外添剤微粒子が、シリカ・ポリマー複合体微粒子を含有し、
X線光電子分光分析装置を用いて、当該シリカ・ポリマー複合体微粒子の最表面及び最表面から深さ方向3nm以内に存在する炭素原子、酸素原子及びケイ素原子の存在量を測定したときのケイ素原子存在比率が、少なくとも下記条件Aを満たすことを特徴とする画像形成方法。
条件A:
15.0atm%≦ケイ素原子存在比率({Si/(C+O+Si)}×100)≦30.0atm%
2.前記シリカ・ポリマー複合体微粒子の個数平均一次粒子径が、50〜500nmの範囲内であることを特徴とする第1項に記載の画像形成方法。
3.前記トナーが、ドメイン・マトリクス構造を有するトナー母体粒子を含有するトナーであって、当該マトリクスが酸基を有するビニル系ポリマーを含有し、当該ドメインがビニル系重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなるポリマーを含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の画像形成方法。
本発明の上記手段により、ローラー帯電方式の画像形成方法において、帯電ムラによる画像欠陥の発生のない高画質な画像を長期間にわたって安定して形成することができる画像形成方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の画像形成方法によれば、トナーが特定の外添剤微粒子を含有するものであり、当該特定の外添剤微粒子が帯電ローラーに付着するトナー及びトナー構成成分を研磨し、除去することにより帯電ローラーの汚染の蓄積が抑制できる。さらに当該特定の外添剤微粒子は帯電ローラーにダメージを与えることがないので、長期間にわたって安定した高画質の画像を形成することができる。
トナーに含有される外添剤微粒子として、例えば、シリカ、チタニア、チタン酸カルシウム及びチタン酸ストロンチウムなどの一般的に研磨剤として知られるものを使用した場合には、研磨剤としての機能は発現し、付着物の抑制は可能であるが、帯電ローラーにダメージを与え、結果として長期にわたって安定した高画質の画像を形成することができない。
しかし、本発明においては、トナーに含有される特定の外添剤微粒子により、帯電ローラーへのトナー汚染の蓄積を抑制する効果を発揮するが、帯電ローラーへのダメージを与えることがない。帯電ローラーにダメージを与えない理由としては、シリカ・ポリマー複合体微粒子のシリカ部が研磨剤の機能を発現しつつ、ポリマー部が過度な圧力を吸収することにあるためと推察される。
本発明に係るシリカ・ポリマー複合体微粒子の形状を説明する模式図 本発明の画像形成方法を用いた画像形成装置の構成の一例を示す概略図 本発明の画像形成方法に用いられる帯電ローラーの構成の一例を示す概略図
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体の表面を帯電ローラーによって帯電し、露光することにより形成した静電潜像を、トナーにより顕像化する画像形成方法であって、
当該トナーが、少なくともトナー母体粒子及び外添剤微粒子を含有し、
当該外添剤微粒子が、シリカ・ポリマー複合体微粒子を含有し、
X線光電子分光分析装置を用いて、当該シリカ・ポリマー複合体微粒子の最表面及び最表面から深さ方向3nm以内に存在する炭素原子、酸素原子及びケイ素原子の存在量を測定したときのケイ素原子存在比率が、少なくとも前記条件Aを満たすことを特徴とする。
本発明の実施態様として、本発明の効果発現の観点から、前記シリカ・ポリマー複合体微粒子の個数平均一次粒子径が、50〜500nmの範囲内であることが、適度な研磨効果が得られるので好ましい。
また、前記トナーが、ドメイン・マトリクス構造を有するトナー母体粒子を含有するトナーであって、当該マトリクスが、酸基を有するビニル系ポリマーを含有し、当該ドメインが、ビニル系重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなるポリマーを含有することが好ましい。トナー母体粒子がドメイン・マトリクス構造を有していることにより、トナー母体粒子表面の硬さに分布を持っているものと考えられ、この硬さ分布によりシリカ・ポリマー複合体微粒子のトナーへの付着性が適度に調整され、研磨剤として機能するシリカ・ポリマー複合体微粒子の脱離量も適度に調整されるものと考えられる。
以下本発明の構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で用いる。
≪画像形成方法の概要≫
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体の表面を帯電ローラーによって帯電し、露光することにより形成した静電潜像を、トナーにより顕像化する画像形成方法であって、当該トナーが、少なくともトナー母体粒子及び外添剤微粒子を含有し、当該外添剤微粒子が、シリカ・ポリマー複合体微粒子を含有し、X線光電子分光分析装置を用いて、当該シリカ・ポリマー複合体微粒子の最表面及び最表面から深さ方向3nm以内に存在する炭素原子、酸素原子及びケイ素原子の存在量を測定したときのケイ素原子存在比率が、少なくとも下記条件Aを満たすことを特徴とする。
条件A:
15.0atm%≦ケイ素原子存在比率({Si/(C+O+Si)}×100)≦30.0atm%
以下、本発明の構成要素について詳細な説明をする。
≪シリカ・ポリマー複合体微粒子≫
本発明に係るシリカ・ポリマー複合体微粒子は、シリカ微粒子とポリマーによって構成され、トナー母体粒子の表面に外添剤として含有されており、トナー母体粒子の表面に付着している。シリカ・ポリマー複合体微粒子を構成するシリカ微粒子の表面は、第1の疎水化剤で修飾されており、第1の疎水化剤が有するビニル基、アクリルオキシ基などの重合性の官能基が重合してポリマーを形成し、シリカ・ポリマー複合体微粒子を形成している。
図1は、本発明に係るシリカ・ポリマー複合体微粒子1の形状を説明する模式図である。図1中、2はシリカ微粒子を表し、3は第1の疎水化剤で形成されたポリマーを表している。ここで、シリカ微粒子2は、ポリマー3に結合してポリマー中に分散されており、複合体微粒子中で比較的表面近傍に存在しシリカ・ポリマー複合体微粒子1から一部頭を露出する形で、シリカ・ポリマー複合体微粒子を形成している。
このシリカ・ポリマー複合体微粒子は、X線光電子分光分析装置を用いて、当該シリカ・ポリマー複合体微粒子の最表面及び最表面から深さ方向3nm以内に存在する炭素原子、酸素原子及びケイ素原子の存在量を測定したときのケイ素原子存在比率が、少なくとも下記条件Aを満たすことを特徴としている。
条件A:
15.0atm%≦ケイ素原子存在比率({Si/(C+O+Si)}×100)≦30.0atm%
ケイ素原子存在比率は、以下のようにして求めた値である。
(ケイ素原子表面存在比率の測定)
シリカ・ポリマー複合体微粒子のケイ素原子存在比率は、X線光電子分光分析装置「K−Alpha」(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、下記条件によってケイ素原子、炭素原子及び酸素原子の定量分析を行い、各々の原子ピーク面積から相対感度因子を用いて、シリカ・ポリマー複合体微粒子の最表面及び最表面から深さ方向3nm以内のシリカ・ポリマー複合体微粒子の表面元素濃度を算出する。
(測定条件)
X線 :AlモノクロマチックX線源
加速 :12kV、6mA
分解能 :50eV
ビーム径 :400μm
パスエネルギー:50eV
ステップサイズ:0.1eV
ケイ素原子存在比率が、15.0atm%未満では、ケイ素原子量が少なすぎて、研磨効果が十分に発揮されない。また、30.0atm%を超えると研磨効果が大きくなりすぎて感光体や、帯電ローラーにダメージを与えてしまう。
ここで計測されるケイ素原子存在比率には、シリカ微粒子及び疎水化剤が有するケイ素原子の両方のケイ素原子が含まれる。ケイ素原子存在比率は、シリカ微粒子の個数平均一次粒子径、シリカ微粒子の添加量、ケイ素原子を有する疎水化剤の添加量、共重合モノマー量、架橋剤量によって制御することができる。
<シリカ>
本発明のシリカ・ポリマー複合体微粒子に好ましく用いられるシリカ微粒子は、公知の方法によって製造される。シリカ微粒子の製造方法としては、乾式法(「気相法」ともいう。)としては、燃焼法及びアーク法が挙げられ、湿式法としては、沈殿法、ゲル法、ゾルゲル法等が挙げられる。
本発明に好適なシリカ微粒子は、沈殿法シリカ微粒子又はコロイダルシリカ微粒子であるが、本発明においては、これらに限定されない。これらのシリカ微粒子は公知の方法で製造することができ、また、市販品を使用することもできる。
沈殿法シリカ微粒子は、一般的な方法を用いて製造することができ、高い塩濃度、酸又は他の凝固剤の存在下に水性媒体から所望の粒子サイズに凝固させて形成されることが多い。シリカ微粒子は、公知の一般的な方法による、他の反応生成物の残留物からろ過され、洗浄され、乾燥され、そして分離される。沈殿粒子は、多くの一次粒子が互いに凝固して幾分球状の凝集クラスターを形成して凝集することが多い。このような凝集クラスターが燃焼法シリカ(「フュームドシリカ」ともういう。)若しくは熱的に調製された粒子(凝集一次粒子の鎖状構造であり、一次粒子が互いに融合されている)とは構造的に異なっている。市販品として入手可能な沈殿法シリカとしては、PPG Industries,Inc.からのHi−Sil(登録商標)及びDegussa Corporation から入手できるSIPERNAT(登録商標)等が挙げられる。
その他に使用可能なシリカ微粒子としては、米国特許第4,755,368号及び6,702,994号明細書、並びにMuellerらの “Nanoparticle synthesis at high production by flame spray pyrolysis”Chemical Engineering Science, 58:1969 (2003)に開示されている方法を用いて得ることができる。
コロイダルシリカ微粒子は、非凝集の、個々に分離した粒子(一次粒子)であることが多く、形状が球状若しくは球状に近いが、他の形状(例えば、通常は楕円形、正方形又は長方形の断面)を有していてもよい。コロイダルシリカ微粒子は、市販品として入手可能であり、又は種々の出発原料から公知の方法により製造することができる(例えば、湿式法のシリカ)。コロイダルシリカ微粒子は、典型的には、沈殿法シリカ微粒子と同様の方法で作られる(すなわち、それらは水性媒体から凝固される)が、液体媒体(水単独、又は共溶媒又は必要に応じて安定剤を含む水)中に分散された状態で入手することもできる。シリカ微粒子は、例えば、pH9〜11のケイ酸アルカリ塩溶液に由来するケイ酸から調製することができ、ケイ酸塩アニオンは重合して、個々に分離したシリカ微粒子を形成し、シリカ微粒子は水性分散体の形態で所望の平均粒子径を有する。典型的には、コロイダルシリカ出発原料は、ゾルとして利用可能であり、好適な溶媒(水単独、又は共溶媒又は必要に応じて安定剤を含む水であることが最も多い)中のコロイド状のシリカ分散体である。
これらは、例えば、Stoeberらの Controlled Growth of Monodisperse Silica Spheres in the Micron Size Range, Journal of Colloid and Interface Science,26,1968,pp.62−69;Akitoshi Yoshida、Silica Nucleation,Polymerization,and Growth Preparation of Monodispersed Sols,in Colloidal Silica Fundamentals and Applications、p.47〜56(H.E.Bergna & W.O.Roberts, eds.,CRC Press:Boca raton,Florida,2006)、及びIler,R.K.,The Chemistry of silica,p866(John Wiley & Sons:New York,1979)等に記載されている。
本発明で用いるのに市販品として容易に入手可能なコロイダルシリカの例は、日産化学工業(株)のスノーテックス(登録商標)製品、W.R.Grace & Co.,から入手可能なルドックス(LUDOX)(登録商標)製品、Nyacol Nanotechnologies,Inc.から入手可能なネクシル(NexSil)(登録商標)及びネクシル A(NexSil A)(登録商標)シリーズの製品、扶桑化学工業(株)から入手可能なクォートロン(登録商標)製品、並びにAkzoNobel社から入手可能なラバシル(Lavasil)(登録商標)製品等が挙げられる。
コロイダルシリカ微粒子の個数平均一次粒子径は、5〜100nmの範囲内が好ましく、更に好ましくは10〜70nmの範囲内であり、更に好ましくは20〜50nmの範囲内である。シリカ微粒子は、非凝集(例えば、実質的に球状)であるか、又は、僅かに凝集していてもよい。例えば、個数平均一次粒子径に対する凝集径の比は、1.0〜3.0の範囲内が好ましく、更に好ましくは、1.0〜2.0の範囲内、更に好ましくは1.0〜1.5の範囲内である。粒子径は動的光散乱(DLS)により測定することができる。
シリカ微粒子は、第1の疎水化剤で処理される。第1の疎水化剤は、シリカ微粒子の表面に存在するヒドロキシ基と反応可能な基とポリマーを形成する重合性の官能基とを有している。
疎水性シリカ微粒子の疎水化度は、疎水化剤の種類や添加量によって変化させることができるが、シリカ微粒子表面のヒドロキシ基の15〜85%が反応していることが好ましく、50〜80%が反応していることがより好ましい。
第1の疎水化剤は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2015161858
ここで、xは1、2又は3を表し、Rはメチル基又はエチル基を表す。Rは一般式C2nで表されるアルキレン基(nは1〜10の整数を表す。)を表す。Qは、置換又は非置換のビニル基、アクリルオキシ基(アクリロイルオキシ基)又はメタクリルオキシ基(メタクリロイルオキシ基)を表す。
第1の疎水化剤として使用するのに好ましい疎水化剤としては、ビニルトリアセトキシシラン、(3−アクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−アクリルオキシプロピル)トリエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、(3−アクリルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランが挙げられる。
シリカ微粒子は、第1の疎水化剤での処理の前、若しくは後に、又はシリカ・ポリマー複合体微粒子の形成後に、第2の疎水化剤で付加的に処理することができる。そこではシリカ微粒子の露出表面のみが処理される。第2の疎水化剤として好ましく用いられる疎水化剤は、シラザン化合物、シロキサン化合物及びシラン化合物、並びに共溶媒を有してもよい水にいくらかの溶解性を有するシリコーンオイルである。好適には、第2の疎水化剤として使用されるシリコーンオイルは、高々10000の数平均分子量を有する。第2の疎水化剤は、シラザン化合物、シロキサン化合物、シラン化合物、及び高々10000の数平均分子量をもつシリコーンオイルから選ばれ得る。シラン化合物の具体例としては、アルキルシラン及びアルコキシシランが挙げられる。
アルコキシシランは、下記一般式(2)で表される化合物である。
一般式(2)
Si(OR4−x
(ここで、Rは、C〜C30の、分岐又は直鎖アルキル基、アルケニル基、C〜C10のシクロアルキル基、又はC〜C10のアリール基を表す。Rは、C〜C10の分岐又は直鎖アルキル基を表す。xは1〜3の整数を表す。)
金属酸化物がシリカを含まないとき、第2の疎水化剤は、二又は三官能シラン、若しくはシロキサン、又はシリコーンオイルであることが好ましい。
第2の疎水化剤として使用され得るシラン化合物の好ましい例は、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。本発明に有用なシロキサン化合物の好ましい例は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン等が挙げられる。本発明に有用なシラザン化合物の好ましい例は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン等が挙げられる。例えば、HMDSは、シリカ微粒子の表面の未反応ヒドロキシ基を覆うのに用いられ得る。さらに、典型的な疎水化剤としては、ヘキサメチルジシラザン、イソブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、及び米国特許第5,989,768号明細書に開示される環状シラザンが挙げられる。このような環状シラザンは、下記一般式(3)で表される。
Figure 2015161858
ここで、R及びRは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基からなる群より各々独立して選ばれる。Rは、水素、(CHCH(ここでrは0〜3の整数)、C(O)(CHCH(ここでrは0〜3の整数)、C(O)NH、C(O)NH(CHCH(ここでrは0〜3の整数)、及びC(O)N[(CHCH](CHCH(ここでr及びsは0〜3の整数)からなる群より選ばれる。Rは、下記一般式(4)で表される。
一般式(4)
[(CH(CHX)(CYZ)
(ここでX、Y、及びZは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基からなる群より各々独立して選ばれ、a、b及びcは0〜6の整数を表し、(a+b+c)は、2〜6の整数を表す。)
本発明に好ましい環状シラザンは、下記一般式(5)で表される5員又は6員環である。
Figure 2015161858
ここでRは、下記一般式(6)で表される。
一般式(6)
[(CH(CHX)(CYZ)
(ここでX、Y、及びZは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びアリールオキシ基からなる群より各々独立して選ばれ、a、b及びcは0〜6の整数を表す。(a+b+c)は、3又は4の整数を表す。)
第2の疎水化剤として好適なシリコーンオイルは、非官能化シリコーンオイル及び官能化シリコーンオイルの両方を含む。シリカ微粒子を表面処理するのに用いられる条件及び使用される特定のシリコーンオイルに依存して、シリコーンオイルは、非共有結合的に結合された被覆として存在することができ、又はシリカ微粒子の表面に共有結合的に結合することができる。
本発明に有用な非官能化シリコーンオイルの好ましい例は、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン コポリマー、フルオロアルキルシロキサン コポリマー、ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン コポリマー、フェニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン コポリマー、フェニルメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン コポリマー、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン コポリマー、ポリアルキレンオキシド変性シリコーン等が挙げられる。
官能化シリコーンオイルとは、有機基と反応しうる官能基をシリコーンの両末端又は片方の末端に有するシリコーンオイルである。官能化シリコーンオイルの官能基としては、例えば、ビニル基、ヒドロキシ基、チオール基、シラノール基、アミノ基及びエポキシ基からなる群より選ばれる官能基を有することができる。官能基は、シリコーンポリマー主鎖に直接結合することができる。またアルキル基、アルケニル基又はアリール基を介して結合することができる。
本発明においては、2010年4月6日に出願された米国特許出願公開第2012/798540号明細書に開示されるジメチルシロキサン コポリマーをシリカ微粒子を処理するのに用いることができる。
典型的なジメチルシロキサン コポリマーとしては、下記一般式(7)で表されるコポリマーが好ましい。
Figure 2015161858
(ここで、R10は、水素原子又はメチル基を表す。R11は、水素原子又はメチル基を表す。R12は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、アラルキル基(−CHAr又は−CHCHAr)、アリール基、−CHCHCF、又は−CHCH−R(RはC〜Cパーフルオロアルキル基)を表す。R13は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、トリフルオロプロピル基、又は−CHCH−R(RはC〜Cパーフルオロアルキル基)を表す。R14は、メチル基、エチル基、アラルキル基(−CHAr、−CHCHAr)、又はアリール基を表す。R15は、水素原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、又はエトキシ基を表す。Arは、非置換フェニル又は一つ以上のメチル基、ハロゲン原子、エチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基又はトリフルオロエチル基で置換されたフェニル基を表す。n、m及びkは整数を表し、n≧1、m≧1、及びk≧0である。ここでコポリマーは、200〜20000の分子量を有することが好ましい。
第2の疎水化剤は、荷電制御剤であってもよい。米国特許出願公開第2010/0009280号明細書に開示される荷電変性剤を用いることができる。本発明に好ましく用いられる荷電制御剤は、3−(2,4−ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン(DNPS)、3,5−ジニトロベンズアミド−n−プロピルトリエトキシシラン、3−(トリエトキシリルプロピル)−p−ニトロベンズアミド(TESPNBA)、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン(PFPTES)、及び2−(4−クロロスルホニルフェニル)エチルトリメトキシシラン(CSPES)が挙げられるが、これらに限定されない。ニトロ基を含む荷電制御剤は、ハイドライド基がニトロ基を還元し得るので、コポリマーの後でシリカ微粒子を後処理するのに使用されることが好ましい。
シリカ微粒子は、第2の疎水化剤に加えて、第3の疎水化剤で処理されることができ、第2、第3の疎水化剤で処理することにより、シリカ・ポリマー複合体微粒子が形成されてもよい。
第3の疎水化剤は、アルキルハロシラン又は10000より大きい数平均分子量をもつシリコーンオイルを用いることができる。
アルキルハロシランは、下記一般式(8)で表される化合物を含有する。
一般式(8)
SiR 4−x−y
(ここで、R及びRは上記一般式(2)で規定したとおりであり、Xはハロゲン原子、好ましくは塩素原子を表す。yは、1、2又は3の整数を表す。x+yは3を表す。) 第2の疎水化剤と第3の疎水化剤は、シリカ・ポリマー複合体微粒子の形成後に用いられシリカ・ポリマー複合体微粒子のポリマー成分との間の相互作用に依存して、これらの疎水化剤はシリカ・ポリマー複合体微粒子から露出しているシリカ微粒子表面をさらに表面処理することができる。
シリカ・ポリマー複合体微粒子に使用されるポリマーは、第1の疎水化剤と同一であっても異なっていてもよい。すなわち、第1の疎水化剤が重合可能な基を含むとき、同一材料がポリマーを形成するために用いることができる。
本発明においては、上記重合可能な基を含む疎水化剤の他に、第1の疎水化剤の末端基と共重合し得る、異なるモノマーが使用されてもよい。シリカ・ポリマー複合体微粒子を製造するのに用いられる好適なモノマーは、置換又は非置換のビニル及びアクリレートモノマー、並びにラジカル重合により重合する、他のモノマーが挙げられる。典型的なモノマーとしては、スチレン、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステル、オレフィン、ビニルエステル及びアクリロニトリル等が挙げられる。これらは、例えば、Sigma−Aldrich社(Milwaukee,WI)から入手することができる。このようなモノマーは、単独で、コポリマーを形成する混合物として必要に応じて後述の架橋剤とともに、使用することができる。
<シリカ・ポリマー複合体微粒子の製造法>
シリカ・ポリマー複合体微粒子は、公知方法によって容易に製造することができる。一つの典型的な方法において、水性分散体が第1の疎水化剤とシリカの質量比で疎水化剤/シリカ=0.8〜20.0の範囲内が好ましく、更に好ましくは、1.2〜16.0の範囲内で調製される。pHは8.0〜8.5とされ、分散体はエマルションを形成するために撹拌され(通常1〜3時間)、温度は50〜60℃に維持される。撹拌に続いて、開始剤が、モノマーに対し1〜4質量%の量でエタノール若しくは他の水と混和し得る溶媒の溶液として導入される。好適な開始剤は、油溶性アゾ若しくはパーオキシド熱開始剤を含むが、本発明においては、それに限定されない。例えば、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーアセテート、及びシクロヘキサノンパーオキシドを用いることができる。これらの開始剤は、和光純薬工業(株)から入手可能である。開始剤はシリカの導入前にモノマーに溶解される。得られる溶液は、撹拌しながら4〜6時間、65〜95℃で温置される。得られるスラリーは、100〜130℃で、一夜乾燥され、残る固体は粉砕され粉末を形成する。第2の疎水化剤は、シリカ・ポリマー複合体微粒子の形成後に添加されるとき、乾燥段階前に添加されてもよい。例えば、第2の疎水化剤が添加され、スラリーは60〜75℃での温度でさらに2〜4時間撹拌される。
シリカ・ポリマー複合体微粒子の表面に露出しているシリカの量は、シリカ微粒子が、第1の疎水化剤に晒されている(接触している)時間に依存して変化していく。エマルション中のシリカ微粒子は、第1の疎水化剤を含有する液滴(ミセル)の表面に吸着している。シリカ微粒子は、第1の疎水化剤と粒子表面に結合を形成して疎水化されていくことにより、シリカ微粒子は、次第に疎水性が強くなり、エマルションの水性連続相から液滴中に移動し、第1の疎水化剤の液滴の表面から露出している部分が少なくなっていくと考えられる。重合が完了すると、シリカ微粒子は、第1の疎水化剤を含有する液滴が重合して形成したポリマー粒子中に固定され、シリカ・ポリマー複合体微粒子が形成される。
第2の疎水化剤は、複合体微粒子表面に露出しているシリカ微粒子の露出している部分の疎水化度を調整するために用いることができる。
共重合モノマー又は架橋剤は、第1の疎水化剤に加えて反応混合物に添加することができる。これらのモノマーは、第1の疎水化剤と同時に又は後から添加されてもよい。共重合モノマーは、第1の疎水化剤と共重合してシリカ・ポリマー複合体微粒子のポリマー部を構成し、トナーの添加剤として好適に用いられる。共重合モノマー及び架橋剤としては、トナーの添加剤として使用可能なモノマーであればよい。例えば、第1の疎水化剤のジビニル末端型疎水化剤(例えば、ビニル基置換シラン化合物)を使用することができる。また、その他に、公知のビニル架橋剤、例えば、ジビニルベンゼン、又はエチレングリコールジメタクルレート等を使用することができる。架橋剤の添加量は、ポリマーの架橋の程度に応じて適宜選択することができる。
第1の疎水化剤でのシリカの表面処理の程度は、初期溶液のpH及び温度を調節することにより調節することができる。第1の疎水化剤のシリカ粒子上への吸着率(表面と疎水化剤の間でシロキサン結合が形成される率)は、シラン上の脱離基の選定により調節することができ、エトキシ基はメトキシ基よりも加水分解の進行が遅い。
表面処理の程度は、シリカ・ポリマー複合体微粒子の表面に露出されるシリカ微粒子の表面量に影響する。第1の疎水化剤が水性溶液と一緒になり、撹拌されると、混合物はエマルションを形成し、第1の疎水化剤の液滴表面へシリカ微粒子が移行することにより安定化される。シランは加水分解し、シリカ表面上に吸着するので、初期に疎水性の表面はさらに疎水性となり、有機相との相溶性が高くなり、有機/水性界面の水性側から有機側に徐々に移行する。したがって、重合前のシリカの表面処理の程度を調節することにより、得られるシリカ・ポリマー複合体微粒子の表面に露出するシリカの量を調節することができる。
あるいは、シリカ・ポリマー複合体微粒子は、国際公開第2008/142383号及びSchmidら(Advanced Materials,2008,20,3331−3336; さらにFiejdingらのLangmuir,July 21,2011オンラインで発行、DOI 10.1021/1a202066n参照)に開示される方法により製造することができる。すなわち、末端若しくは他の利用できるヒドロキシ基を持つ第1の疎水化剤が、例えば国際公開第2004/035474号に記載されるような、公知の方法を用いてコロイダルシリカ微粒子を表面処理するのに用いられる。処理されたシリカ微粒子3.5〜5質量%の分散体を撹拌しながらモノマーを加えて10%モノマー混合物を製造する。混合物は、脱気され60℃に加温する。シリカ微粒子の表面に吸着し、過剰の開始剤を持つのに十分な水溶性ラジカル開始剤が混合物中に溶解され、24時間重合を行う。混合物は、例えば、3000〜6000rpm30分間で遠心分離され、過剰のシリカ微粒子を上澄みとともに除去する。
あるいは、シリカ・ポリマー複合体微粒子は、Sacannaら(Langmuir 2007,23,9974−9982及びLangmuir 2007,23,10486−10492)に開示される方法により製造することができる。すなわち、シリカ微粒子は、2M水酸化テトラメチルアンモニウム又は水酸化アンモニウム中に分散され、次いで水中に再分散される。第1の疎水化剤、例えば、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを分散体に添加し、カリウムパーサルフェートを加えて重合する。
シリカ・ポリマー複合体微粒子の形状は、通常球形である。粒子は球形である必要はないが、シリカ微粒子の表面で露出される程度に依存して、凹凸のある(bumpy)表面を有している。シリカ・ポリマー複合体粒子のアスペクト比は、0.80〜1.15の範囲内が好ましく、更に好ましくは、0.90〜1.10の範囲内である。
シリカ・ポリマー複合体微粒子の個数平均一次粒子径は、50〜500nmの範囲内が好ましく、更に好ましくは、70〜250nmの範囲内である。個数平均一次粒子径が、上記範囲内であると帯電ローラーに対する適度な研磨効果が得られるとともに、帯電ローラーの摩耗を抑制する効果が得られる。
(シリカ・ポリマー複合体微粒子の粒子径制御方法)
シリカ・ポリマー複合体微粒子の個数平均一次粒子径は、原料となるシリカ微粒子の水性分散液中に添加された第1の疎水化剤を含む液滴の粒径を制御することによって制御することができる。例えば、シリカ微粒子の水性分散液と第1の疎水化剤とを混合撹拌するときの撹拌強度によって制御することができる。また、第1の疎水化剤の質量をMMON、シリカの質量をMsilicaとしたとき、質量比MMON/Msilicaを変化させることによって、あるいは、コロイダルシリカの粒子径を変化させることによって、制御することができる。
(シリカ・ポリマー複合体微粒子の個数平均一次粒子径の測定法)
シリカ・ポリマー複合体微粒子の個数平均一次粒子径は、具体的には下記の方法によって測定されるものである。
走査型電子顕微鏡にてシリカ・ポリマー複合体微粒子3万倍の写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。画像処理解析装置「LUZEX(登録商標) AP」((株)ニレコ製)にて、該写真画像のトナー表面に存在する酸化物粒子について2値化処理し、複合体微粒子100個についての水平方向フェレ径を算出、その平均値を個数平均一次粒子径とする。ここで水平方向フェレ径とは、外添剤の画像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さをいう。
≪トナー≫
本発明の画像形成方法に用いられるトナーは、少なくともトナー母体粒子及び外添剤微粒子を含有し、当該外添剤微粒子が、シリカ・ポリマー複合体微粒子を含有し、X線光電子分光分析装置を用いて、当該シリカ・ポリマー複合体微粒子の最表面及び最表面から深さ方向3nm以内に存在する炭素原子、酸素原子及びケイ素原子の存在量を測定したときのケイ素原子存在比率が、少なくとも下記条件Aを満たすことを特徴としている。
条件A:
15.0atm%≦ケイ素原子存在比率({Si/(C+O+Si)}×100)≦30.0atm%
本発明においては、「トナー母体粒子」に、外添剤を添加したものを「トナー粒子」という。「トナー」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいう。
<トナー母体粒子の説明>
トナー母体粒子は、結着樹脂を含有し、必要に応じて、着色剤、離型剤、荷電制御剤等を含有する。トナー母体粒子は、一般的には、そのままでもトナー粒子として用いることもできるが、本発明においては、トナー母体粒子に本発明に係るシリカ・ポリマー複合体微粒子を外添剤として添加したものをトナー粒子として用いる。
(結着樹脂)
本発明のトナーを構成するトナー母体粒子が粉砕法、溶解懸濁法などによって製造される場合には、トナー母体粒子を構成する結着樹脂として、例えば、スチレン系ポリマーやアクリル系ポリマー、スチレン−アクリル系コポリマー、ポリエステル、シリコーンポリマー、オレフィン系ポリマー、アミド系ポリマー及びエポキシポリマーなどが挙げられる。
この中でも、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有するスチレン系ポリマー、アクリル系ポリマー、スチレン−アクリル系コポリマー、及びポリエステルが好適に挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明のトナーを構成するトナー母体粒子が懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法などによって製造される場合には、トナーを構成する各ポリマーを得るための重合性モノマーとして、例えばビニル系モノマーなどの公知の種々の重合性モノマーを挙げることができる。また、重合性モノマーとしては、イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。さらに、重合性モノマーとしては、多官能性ビニル系モノマーを用いて架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
(着色剤)
本発明のトナー母体粒子を構成する着色剤としては、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。着色剤としてはカーボンブラック、磁性粉の他、各種有機、無機の顔料、染料等が使用できる。着色剤の添加量はトナー母体粒子に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とされる。
(離型剤)
本発明に係るトナー母体粒子には、離型剤を添加することができる。離型剤としては、ワックスが好ましく用いられる。ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス類、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、クエン酸ベヘニルなどのエステルワックス類などが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ワックスとしては、トナーの低温定着性及び離型性を確実に得る観点から、その融点が50〜95℃であるものを用いることが好ましい。ワックスの含有割合は、結着樹脂全量に対して2〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜18質量%、さらに好ましくは4〜15質量%である。
また、トナー母体粒子中におけるワックスの存在状態として、ドメインを形成することが離形性効果を発揮する上で好ましい。結着樹脂中にドメインを形成することで、それぞれの機能を発揮しやすくなる。
ワックスのドメイン径としては300nm〜2μmが好ましい。この範囲であれば、十分に離形性の効果が得られる。
(荷電制御剤)
また、本発明に係るトナー母体粒子中には、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、種々の公知のものを使用することができる。
荷電制御剤としては、水系媒体中に分散することができる公知の種々の化合物を用いることができ、具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体などが挙げられる。
荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂全量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%とされる。
<トナー母体粒子の製造方法>
トナーを構成するトナー母体粒子を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、粉砕法、懸濁重合法、乳化重合凝集法、ミニエマルション重合凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル分子伸長法その他の公知の方法などを挙げることができる。当該トナーを構成するトナー母体粒子は、中でも乳化重合凝集法によって得ることが好ましく、特に、ミニエマルション重合粒子を乳化重合によって多段重合構成としたポリマー粒子を、会合(凝集/融着)するミニエマルション重合凝集法によって得ることが好ましい。
具体的には、例えばミニエマルション重合凝集法は、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、離型剤を重合性モノマー中に溶解してなる重合性モノマー溶液を、機械的エネルギーを利用して油滴(10〜1000nm)を形成して分散液を調製し、得られた分散液に水溶性重合開始剤を添加して、ラジカル重合させて得られるポリマー微粒子を会合(凝集/融着)してトナー母体粒子を得る方法である。なお、このミニエマルション重合凝集法においては、水溶性重合開始剤を添加することに代えて、又は当該水溶性ラジカル重合開始剤を添加するとともに、油溶性ラジカル重合開始剤を前記モノマー溶液中に添加してもよい。また、ポリマー微粒子は、組成の異なるポリマーよりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従ったミニエマルション重合処理(第1段重合)により調製した第1ポリマー粒子の分散液に、重合性モノマーと重合開始剤とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。また、必要に応じて、さらに重合性モノマーと重合開始剤とを添加して重合処理(第3段重合)を行い、3層構成とすることもできる。
トナー母体粒子を製造するための方法として、ミニエマルション重合凝集法を用いる場合の一例を具体的に示すと、
(1)結着樹脂となる重合性モノマーに、必要に応じて離型剤、荷電制御剤などのトナー母体粒子構成材料を溶解又は分散させて重合性モノマー溶液を得る溶解・分散工程
(2)重合性モノマー溶液を水系媒体中で油滴化し、ミニエマルション重合法によりポリマー微粒子の水系分散液を調製する重合工程
(3)着色剤を水系媒体中で分散し、着色剤微粒子の水系分散液を調製する工程
(4)ポリマー微粒子の水系分散液と着色剤微粒子の水系分散液とを混合し、水系媒体中で塩析、凝集、融着させて凝集粒子を形成する凝集・融着工程
(5)凝集粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整しトナー母体粒子の水系分散液を得る熟成工程
(6)トナー母体粒子の水系分散液を冷却する冷却工程
(7)冷却されたトナー母体粒子の水系分散液から当該トナー母体粒子を固液分離し、当該トナー母体粒子から界面活性剤などを除去する濾過・洗浄工程
(8)洗浄処理されたトナー母体粒子を乾燥する乾燥工程
から構成される。
ここに、「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、ポリマーを溶解しない有機溶媒であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
本発明においては、上記のように結着樹脂となるポリマー微粒子の水系分散液と着色剤微粒子の水系分散液を混合して、凝集、融着し、トナー母体粒子を作製し、このトナー母体粒子を用いてトナーを作製する。また、このトナー母体粒子をコアとして、このコア粒子の表面にさらにシェルを形成して、コア・シェル構造を有するトナー母体粒子としてもよい。
この場合、上記(5)項の熟成工程の後、トナー母体粒子の水系分散液にシェル用ポリマー微粒子の水系分散液を添加混合し、シェル用ポリマー微粒子を当該トナー母体粒子(コア粒子)表面に凝集、融着させてシェル層を形成することにより、コア・シェル構造を有するトナー母体粒子を作製することができる。
また、上記製造方法を利用して、ガラス転移点や軟化点など異なるポリマー物性を有する複数種のポリマー微粒子の水系分散液を用いて、凝集、融着し、トナー母体粒子をドメイン・マトリクス構造を有するトナー母体粒子とすることもできる。ドメイン・マトリクス構造を有するトナー母体粒子は、ドメインを構成するポリマー微粒子の水系分散液とマトリクスを構成するポリマー微粒子の水系分散液及び着色剤微粒子の水系分散液を混合して、凝集、融着することにより作製することができる。
本発明において、ドメイン・マトリクス構造とは、連続したマトリクス相中に、閉じた界面(相と相との境界)を有するドメイン相が存在している構造のものをいう。
本発明に係るトナー母体粒子は、ドメイン・マトリクス構造を有していることが好ましい。トナー母体粒子が、ドメイン・マトリクス構造を有していると、トナー母体粒子の表面の硬さに分布(部分的に硬さが異なる)を持ち、この硬さ分布により、シリカ・ポリマー複合体微粒子への付着性が適度に調整され、研磨剤として機能するシリカ・ポリマー複合体微粒子のトナー母体粒子からの脱離量も適度に調整される。
≪ドメイン・マトリクス構造のトナー母体粒子≫
ドメイン・マトリクス構造を有するトナー母体粒子について、以下、詳細に説明する。
本発明に係るトナー母体粒子は、ドメイン・マトリクス構造を有していることが好ましい。マトリクスは、酸基を有するビニル系ポリマーを含有することが好ましく、ドメインは、スチレン−アクリル重合セグメントとポリエステル重合セグメントが結合してなるポリマーを含有することが好ましい。ドメイン・マトリクス構造を有するトナー母体粒子は、ミニエマルション重合凝集法で作製することができる。以下、それぞれのポリマーの構成及びトナー母体粒子の構成について、順を追って説明する。
<マトリクスを構成するポリマー>
マトリクスを構成するポリマーは、酸基を有するビニル系ポリマーを含有することが好ましく、酸基を有するビニル系ポリマーを含有する非晶性ポリマーであることが好ましい。酸基を有するビニル系ポリマーは、少なくとも酸基を有するモノマーを重合して得られたポリマーを含有する。
(酸基を有するモノマー)
ここで、酸基とは、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などのイオン性解離基を表し、酸基を有するモノマーとしては、カルボキシ基を有するものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなどが挙げられる。また、スルホン酸基を有するものとしては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。さらに、リン酸基を有するものとしてはアシドホスホオキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
これらの中では、水系媒体中で、乳化重合によりラテックスを形成したときの表面の極性の観点から、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
本発明においては、ビニル系ポリマー中に酸基を有することにより、スチレン−アクリル変性ポリエステルより極性を高くすることができるので、水系媒体中でトナー母体粒子を作製する場合に、極性の低いスチレン−アクリル変性ポリエステルをトナー内部に存在させやすく、耐熱保管性と低温定着性を両立させることができるものと考えられる。
(アクリル酸エステルモノマー)
また、本発明に係る酸基を有するビニル系ポリマーは、上記酸基を有するモノマーの他、アクリル酸エステルモノマーを重合して得られたポリマーを含有することが好ましい。
アクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル又はアクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
(その他のビニル系モノマー)
酸基を有するビニル系ポリマーは、酸基を有するモノマー、上記アクリル酸エステル系モノマー以外の他のビニル系モノマーを用いてもよく、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸t−ブチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸ラウリル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸ジエチルアミノエチル、メタアクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸又はメタアクリル酸誘導体等のビニル系モノマーが挙げられる。
これらのビニル系モノマーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸基を有するビニル系ポリマーを構成する酸基を有するモノマーの含有量は、4〜10質量%が好ましい。この範囲内であるとビニル系ポリマーが適度な極性を有するので、スチレン−アクリル変性ポリエステルと相溶することがなく、相分離することができるので、ドメイン・マトリクス構造を形成することができる。また、低温定着性が良好となる。
<酸基を有するビニル系ポリマーの重合方法>
酸基を有するビニル系ポリマーの重合方法としては、通常の重合方法が採用できるが、本発明においては、乳化重合法が好ましい。
(重合開始剤)
酸基を有するビニル系ポリマーの重合工程において使用される重合開始剤としては、公知の種々の重合開始剤が好適に用いられる。具体的には、例えば過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化−tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸−tert−ヒドロペルオキシド、過ギ酸−tert−ブチル、過酢酸−tert−ブチル、過安息香酸−tert−ブチル、過フェニル酢酸−tert−ブチル、過メトキシ酢酸−tert−ブチル、過N−(3−トルイル)パルミチン酸−tert−ブチルなどの過酸化物類;2,2′−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸塩、2,2′−アゾビス−(2−アミノジプロパン)硝酸塩、1,1′−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びポリ(テトラエチレングリコール−2,2′−アゾビスイソブチレート)などのアゾ化合物などが挙げられる。
(連鎖移動剤)
酸基を有するビニル系ポリマーの重合工程においては、ビニル系ポリマーの分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えばアルキルメルカプタン及びメルカプト脂肪酸エステルなどを挙げることができる。連鎖移動剤は、上記の混合工程においてポリマー形成材料とともに混合させておくことが好ましい。
(重量平均分子量)
酸基を有するビニル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、7500〜100000が好ましく、更に好ましくは、10000〜50000の範囲内である。重量平均分子量(Mw)がこの範囲内であると十分な耐熱保管性が得られる。またこの範囲内であると十分な耐高温オフセット性が得られる。
(重量平均分子量(Mw)の測定法)
酸基を有するビニル系ポリマーの重量平均分子量の測定は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフ)を用いて行う。
すなわち、濃度1mg/mLになるように測定試料をテトラヒドロフランに溶解させる。溶解条件としては、室温にて超音波分散機を用いて5分間行う。次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理した後、GPCへ10μL試料溶解液を注入する。
GPCの測定条件
装置:HLC−8220(東ソー製)
カラム:TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連(東ソー製)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.2mL/min
検出器:屈折率検出器(RI検出器)
試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
(ガラス転移点(Tg))
酸基を有するビニル系ポリマーのガラス転移点(Tg)としては、35〜70℃の範囲内であることが好ましい。ガラス転移点が、この範囲内であると十分な耐熱保管性の効果が得られる。
(ガラス転移点(Tg)の測定法)
本発明に係る酸基を有するビニル系ポリマーのガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」((株)パーキンエルマー製)を用いて行うことができる。
測定手順としては、ポリマー4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤しアルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、サンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、昇温(Heat)−降温(cool)−昇温(Heat)の温度制御で行い、その2回目の昇温(Heat)におけるデータをもとに解析を行う。
ガラス転移点は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
<ドメインを構成するポリマー>
ドメインを構成するポリマーは、スチレン−アクリル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合して形成されたポリマーを含有することが好ましい。スチレン−アクリル重合セグメントとポリエステル重合セグメントが結合したポリマー(以下、「スチレン−アクリル変性ポリエステル」ともいう。)は、スチレン−アクリル重合セグメントとポリエステル重合セグメントが両反応性モノマーを介して結合されたポリマーであることが好ましく、上記ポリエステル重合セグメントは結晶性ポリエステルであっても非晶性ポリエステルであってもよいが、結晶性ポリエステルであることが好ましい。また、ドメイン中にスチレン−アクリル変性ポリエステル以外にワックス等が添加されていてもよい。
トナー母体粒子中におけるスチレン−アクリル変性ポリエステルの含有量は3〜30質量%の範囲内であることが好ましい。この範囲内であると、マトリクスを構成する酸基を有するビニル系ポリマーとドメインを構成するスチレン−アクリル変性ポリエステルが混ざり合うことなく相分離し、良好なドメイン・マトリクス構造が形成され、耐熱保管性が良好となり、十分な低温定着性が得られる。
本発明において、「結晶性ポリマー」の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するポリマーをいう。明確な吸熱ピークとは、具体的には、示差走査熱量測定(DSC)において、昇温速度10℃/minで測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。
スチレン−アクリル変性ポリエステルが結晶性ポリマーである場合、スチレン−アクリル変性ポリエステルは、融点が50〜95℃であることが好ましく、より好ましくは55〜85℃である。
スチレン−アクリル変性ポリエステルの融点が上記の範囲にあることにより、十分な耐熱保管性、低温定着性及び優れた耐ホットオフセット性が得られる。
なお、スチレン−アクリル変性ポリエステルの融点は、ポリエステル重合セグメントのモノマー組成によって主に制御することができる。
本発明において、スチレン−アクリル変性ポリエステルの融点は、以下のようにして測定される値である。
具体的には、示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用い、昇降速度10℃/minで0℃から200℃まで昇温する第1昇温過程、冷却速度10℃/minで200℃から0℃まで冷却する冷却過程及び昇降速度10℃/minで0℃から200℃まで昇温する第2昇温過程をこの順に経る測定条件(昇温・冷却条件)によって測定されるものであり、この測定によって得られるDSC曲線に基づいて、第1昇温過程における結晶性ポリエステルに由来の吸熱ピークトップ温度を、融点とするものである。測定手順としては、測定試料3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、ダイヤモンドDSCサンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。
スチレン−アクリル変性ポリエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される分子量が、重量平均分子量(Mw)で5000〜70000であることが好ましい。
〔スチレン−アクリル重合セグメント〕
スチレン−アクリル変性ポリエステルを構成するスチレン−アクリル重合セグメントは、アクリル系モノマーと芳香族系ビニルモノマーを共重合して得られたポリマーを含有し、アクリル系モノマーとしてアクリル酸エステルモノマーを重合して得られたセグメントを含有することが好ましい。
アクリル酸エステルモノマーとしては、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。これらのアクリル酸エステルモノマーは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
スチレン−アクリル変性ポリエステルを構成するスチレン−アクリル重合セグメントは、アクリル酸エステルモノマーを重合して得られた重合セグメントを含有することが好ましい。アクリル酸エステルモノマーを重合して得られた重合セグメントを含有すると酸基を有するビニル系ポリマーとスチレン−アクリル変性ポリエステルのスチレン−アクリル重合セグメントとの組成がより近くなり、親和性向上の効果が得られるので好ましい。
また、スチレン−アクリル変性ポリエステル中におけるスチレン−アクリル系重合セグメントは、5〜30質量%の範囲内であることが好ましい。この範囲内であると、良好なドメイン・マトリクス構造が得られ、また酸基を有するビニル系ポリマーとの界面で高分子鎖が適度に絡み合うので、トナー画像の強度を高くすることができる。
スチレン−アクリル変性ポリエステルを構成するスチレン−アクリル重合セグメントは、アクリル酸エステルモノマーの他に、芳香族系ビニルモノマーを組み合わせて、これらのコポリマーとする。
芳香族系ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレンなど及びその誘導体が挙げられる。
これらの芳香族系ビニルモノマーは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(重合開始剤)
スチレン−アクリル変性ポリエステルを構成するビニル系重合セグメントの重合に用いられる重合開始剤としては、前述の酸基を有するビニル系ポリマーの重合に用いられる重合開始剤が使用できる。
(連鎖移動剤)
また、スチレン−アクリル変性ポリエステルを構成するビニル系重合セグメントの重合においては、ビニル系重合セグメントの分子量を調整することを目的として、連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、前述の酸基を有するビニル系重合セグメントの重合に用いられる連鎖移動剤が使用できる。
(重量平均分子量)
スチレン−アクリル変性ポリエステルを構成するビニル系重合セグメントの重量平均分子量は、1000〜20000の範囲内であることが好ましい。重量平均分子量がこの範囲内であると良好なドメイン・マトリクス構造を形成しやすくなるので好ましい。
〔ポリエステル重合セグメント〕
本発明に係るスチレン−アクリル変性ポリエステルを構成するポリエステル重合セグメントは、多価カルボン酸化合物と多価アルコール化合物とを触媒の存在下で、重縮合反応を行うことにより製造された結晶性ポリエステルであることが好ましい。
ポリエステル重合セグメントが結晶性ポリマーの場合の融点としては60〜90℃が好ましい。また、重量平均分子量(Mw)としては2000から40000が好ましい。結晶性ポリマーとして、前述した融点及び重量平均分子量の範囲であることが好ましい。
(多価カルボン酸)
ポリエステル重合セグメントを形成する多価カルボン酸化合物とは、1分子中にカルボキシ基を2個以上有する化合物である。多価カルボン酸化合物としては、多価カルボン酸化合物のアルキルエステル、酸無水物及び酸塩化物を用いることができる。
多価カルボン酸化合物としては、例えばシュウ酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−ジカルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p′−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸などの2価のカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸などの3価以上のカルボン酸と組み合わせてもよい。本発明においては、結晶性ポリエステルを形成する多価カルボン酸としては、脂肪族多価カルボン酸が好ましい。
(多価アルコール)
多価アルコール化合物とは、1分子中にヒドロキシ基を2個以上有する化合物である。多価アルコール化合物としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの2価のアルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミンなどの3価以上のポリオールなどを挙げることができる。本発明においては、結晶性ポリエステルを形成する多価アルコールとしては、脂肪族多価アルコールが好ましい。
(両反応性モノマー)
本発明において、両反応性モノマーとは、ポリエステル重合セグメントとビニル系重合セグメントとを結合するモノマーで、分子内に、ポリエステル重合セグメントを形成するヒドロキシ基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基から選択される基とビニル系重合セグメントを形成するエチレン性不飽和基の両方を有するモノマーであって、好ましくは、ヒドロキシ基又はカルボキシ基とエチレン性不飽和基の両方を有するモノマーが好ましい。更に好ましくは、カルボキシ基とエチレン性不飽和基の両方を有するモノマーであることが好ましい。すなわち、ビニル系カルボン酸であることが好ましい。
両反応性モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸及びマレイン酸等が挙げられ、さらにこれらのヒドロキシアルキル(炭素原子数1〜3個)のエステルであってもよいが、反応性の観点からアクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸が好ましい。この両反応性モノマーを介してポリエステル重合セグメントとビニル系重合セグメントとが結合される。
両反応性モノマーの使用量は、トナーの低温定着性、耐高温オフセット性及び耐久性を向上させる観点から、ビニル系モノマーの総量100質量部に対して1〜10質量部が好ましく、4〜8質量部がより好ましい。
〔スチレン−アクリル変性ポリエステルの製造方法〕
スチレン−アクリル変性ポリエステルを製造する方法としては、既存の一般的なスキームを使用することができる。代表的な方法としては、次の三つが挙げられる。
(1)ポリエステル重合セグメントをあらかじめ重合しておき、当該ポリエステル重合セグメントに両反応性モノマーを反応させ、さらに、スチレン−アクリル重合セグメントを形成するための芳香族系ビニルモノマー及び(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを反応させることにより、スチレン−アクリル変性ポリエステルを形成する方法。
(2)スチレン−アクリル重合セグメントをあらかじめ重合しておき、当該スチレン−アクリル重合セグメントに両反応性モノマーを反応させ、さらに、ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸化合物及び多価アルコール化合物を反応させることにより、ポリエステル重合セグメントを形成する方法。
(3)ポリエステル重合セグメント及びスチレン−アクリル重合セグメントをそれぞれあらかじめ重合しておき、これらに両反応性モノマーを反応させることにより、両者を結合させる方法。
本発明においては、上記製造方法のうち、どちらも用いることができるが、好ましくは、上記(2)項の、スチレン−アクリル重合セグメントをあらかじめ重合しておき、当該スチレン−アクリル重合セグメントに両反応性モノマーを反応させ、さらに、ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸化合物及び多価アルコール化合物を反応させることにより、ポリエステルを形成する方法が好ましい。
具体的には、ポリエステル重合セグメントを形成する多価カルボン酸化合物及び多価アルコール化合物、並びにスチレン−アクリル重合セグメントを形成するビニル系モノマー及び両反応性モノマーを混合し、重合開始剤を加えてビニル系モノマーと両反応性モノマーを付加重合させてスチレン−アクリル重合セグメントを形成した後、エステル化触媒を加えて、重縮合反応を行うことが好ましい。
ポリエステル重合セグメントの重縮合反応における上記の多価カルボン酸化合物と多価アルコール化合物の比率は、多価アルコール化合物のヒドロキシ基[OH]と多価カルボン酸のカルボキシ基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]が、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
(触媒)
ポリエステル重合セグメントを合成するための触媒としては、従来公知の種々の触媒を使用することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチルスズ、2−エチルヘキサン酸スズ(II)等のスズ化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物と両反応性モノマー成分の総量100質量部に対して、0.01〜1.5質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。エステル化助触媒の使用量は、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物と両反応性モノマー成分の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.1質量部がより好ましい。
≪ドメイン・マトリクス構造のトナー母体粒子の製造方法≫
ドメイン・マトリクス構造を有するトナー母体粒子の製造方法は、「酸基を有するビニル系ポリマーの水系分散液」と「スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子の水系分散液」と「着色剤微粒子の水系分散液」とを凝集、融着することによって作製することができる。
<酸基を有するビニル系ポリマー微粒子の水系分散液の調製工程>
酸基を有するビニル系ポリマーの水系分散液は、前述したように乳化重合法又はミニエマルション重合法により調製することが好ましい。
上述のトナー母体粒子を構成する酸基を有するビニル系ポリマーを重合する工程において形成させるポリマー微粒子は、単一の構成であってもよいし、また、前述のように組成の異なるポリマーよりなる2層又は3層構成のものとすることもできる。
トナー母体粒子をこのような構成とすることにより、それぞれの層を構成するポリマーの重量平均分子量やガラス転移点などのポリマー物性を自由に選択することができるので、トナー母体粒子の特性を目的に応じて制御することができる。
酸基を有するビニル系ポリマーの重合工程において界面活性剤を使用する場合は、界面活性剤として、例えば下記の界面活性剤を使用することができる。重合開始剤、連鎖移動剤は前述のものを使用することができる。
(界面活性剤)
水系媒体中には、分散させた微粒子の凝集を防ぐために、分散安定剤が添加されていることが好ましい。
分散安定剤としては、公知の種々のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などの界面活性剤を使用することができる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド及びヘキサデイシルトリメチルアンオニウムブロマイドなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノリルフェニルポリキオシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、スチリルフェニルポリオキシエチレンエーテル及びモノデカノイルショ糖などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウムなどの脂肪族石鹸や、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどが挙げることができる。
以上の界面活性剤は、所望に応じて、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
この結着樹脂の重合工程において得られるポリマー微粒子の平均粒子径は、体積基準のメディアン径で、例えば50〜500nmの範囲にあることが好ましい。
なお、体積基準のメディアン径は、粒度分布測定装置「UPA−150」(マイクロトラック社製)を用いて測定することができる。
<スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子の水系分散液の調製工程>
スチレン−アクリル変性ポリエステルを微粒子分散液とする方法としては、機械的方法により粉砕し、界面活性剤を用いて水系媒体中で分散する方法、有機溶媒に溶解したスチレン−アクリル変性ポリエステル溶液を水系媒体中に投入、分散し、水系媒体分散液とする方法、スチレン−アクリル変性ポリエステルを溶融状態で水系媒体中と混合し、機械的分散方法により水系媒体分散液とする方法及び転相乳化法等が挙げられるが、本発明においてはいずれの方法を用いてもよい。
界面活性剤としては上述の界面活性剤と同様の界面活性剤が使用できる。
このスチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子の水系分散液の調製工程において得られるスチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子の平均粒子径は、体積基準のメディアン径で、例えば80〜250nmの範囲にあることが好ましい。
なお、体積基準のメディアン径は、粒度分布測定装置「UPA−150」(マイクロトラック社製)を用いて測定したものである。
<着色剤微粒子の水系分散液の調製工程>
着色剤微粒子分散液は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、着色剤が均一に分散されることから、水系媒体中において界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われることが好ましい。着色剤の分散処理に使用する分散機としては、公知の種々の分散機を用いることができる。
使用される界面活性剤としては、例えば上述の界面活性剤と同様の界面活性剤を挙げることができる。
この着色剤微粒子分散液調製工程において調製される着色剤微粒子分散液中の着色剤微粒子の分散径は、体積基準のメディアン径で10〜300nmとされることが好ましい。
この着色剤微粒子分散液中の着色剤微粒子の体積基準のメディアン径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」で測定されるものである。
この着色剤微粒子分散液調製工程において界面活性剤を使用する場合は、界面活性剤として、例えば上述のポリマー粒子分散液調製工程において使用することのできる界面活性剤として挙げたものと同じものを使用することができる。
<トナー母体粒子の作製工程(凝集、融着工程)>
ドメイン・マトリクス構造のトナー母体粒子は、上記マトリクスを構成するポリマーとして、前述の酸基を有するビニル系ポリマー微粒子の水系分散液と、ドメインを構成する前述のスチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子の水系分散液と着色剤微粒子の水系分散液とを混合して、これらを凝集・融着することによって製造することができる。
本発明に係るトナー母体粒子には、その他にワックス、荷電制御剤等の内添剤を添加することができる。また、このような内添剤は、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、トナー母体粒子形成工程においてポリマー微粒子及び着色剤微粒子とともに当該内添剤微粒子を凝集させることにより、トナー粒子中に導入することもできるが、結着樹脂の重合工程において、あらかじめ導入しておく方法を採用することが好ましい。
(トナー母体粒子の粒径)
本発明の画像形成方法に用いられるトナー粒子を構成するトナー母体粒子の粒径は、個数平均粒径で3〜8μmであることが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー母体粒子を形成させる場合には、上述したトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、又は融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。個数平均粒径が3〜8μmであることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できるとともに、大粒径トナーを用いた場合に比較してトナーの消費量を削減することができる。
(トナー母体粒子の粒径の測定)
トナー母体粒子の体積基準メディアン径(D50)は、例えば、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。測定手順としては、トナー母体粒子0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー母体粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー母体粒子分散液を作製する。このトナー母体粒子分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを25000個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は100μmのものを使用する。測定範囲1〜30μmの範囲を256分割しての頻度数を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径(D50)とする。
(トナー母体粒子の平均円形度の測定)
本発明で用いられるトナー母体粒子の平均円形度は0.850〜0.990の範囲内が好ましい。ここで、トナー母体粒子の平均円形度はフロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定した値である。具体的には、トナー母体粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行い、分散した後、「FPIA−2100」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある測定値が得られる。円形度は下記式(2)で計算される。
式(2):
円形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、測定した全粒子数で割った算術平均値である。
トナー粒子の粒径及び平均円形度は、トナー母体粒子と同様にして測定することができる。
≪トナー粒子の作製≫
<シリカ・ポリマー複合体微粒子の添加量>
本発明に係るシリカ・ポリマー複合体微粒子は、トナー母体粒子100質量部に対して、0.3〜5.0質量部の範囲内で含有されることが好ましい。この範囲内であると、トナーの帯電特性やトナーの流動性の観点から好ましく、また、帯電ローラーの耐摩耗性向上の効果を発揮することができる。
<その他の外添剤粒子>
本発明の画像形成方法に用いられるトナーに含有される外添剤微粒子としては、以上説明したような特定の外添剤微粒子のみに限定されず、その他の外添剤微粒子を併用してもよい。その他の外添剤微粒子を併用する場合は、全外添剤微粒子としてトナー母体粒子100質量部に対して0.1〜10質量部添加されることが好ましい。そのうち、前述のように、特定の外添剤微粒子が0.3〜5.0質量部添加されることがより好ましい。
その他の外添剤微粒子としては、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。例えば、無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物の微粒子を使用することが好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形のものを使用することができる。この有機微粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などの重合体を使用することができる。これらのその他の外添剤微粒子としては、種々のものを組み合わせて使用してもよい。これらを併用する場合は、本発明に係るシリカ・ポリマー複合体微粒子はスペーサーとしても機能し、微粒のシリカ、チタニアなどの他の外添剤が、現像装置内で撹拌されることによりトナー母体粒子に埋没するのを防止する効果を有している。
<外添剤微粒子の添加処理>
以上のようなシリカ・ポリマー複合体微粒子を含む外添剤微粒子を、トナー母体粒子に添加混合することにより、トナーが得られる。外添剤微粒子の添加処理において、使用される混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
≪現像剤≫
本発明の画像形成方法において用いられるトナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、公知の種々のキャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
キャリアの体積平均粒径としては20〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは25〜80μmである。キャリアの体積平均粒径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
このような特定の外添剤微粒子を含有するトナーによる現像剤は、以下に詳述する帯電ローラーが搭載された画像形成装置を用いた画像形成方法において使用される。
≪画像形成装置≫
図2は、本発明の画像形成方法を用いた画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。この画像形成装置は、感光層を有し、図示しない駆動源からの動力により時計方向に回転される静電潜像担持体である感光体ドラム10と、下記に詳述する、当該感光体ドラム10の表面に一様な電位を与える帯電ローラー11と、例えばポリゴンミラーなどによって感光体ドラム10の回転軸と平行に走査を行い、一様に帯電された感光体ドラム10の表面上に画像データに基づいて像露光を行うことにより潜像を形成させる露光手段12と、回転する現像スリーブ131を備え、この上に保持されたトナーを感光体ドラム10の表面に搬送する現像手段13とを有する構成とされている。なお、図2において、18は、転写後に感光体ドラム10上に残留したトナーを除去するクリーニング手段である。
このような画像形成装置においては、感光体ドラム10上に形成されたトナー像が、タイミングを合わせて搬送される画像支持体P上に転写手段14により転写され、分離手段16によって感光体ドラム10から分離されて定着手段17において定着されて画像が形成される。
<帯電ローラー>
帯電ローラー11は、図3に示されるように、芯金11aの表面上に積層された、帯電音を低減させるとともに弾性の付与して感光体ドラム10に対する均一な密着性を得るための弾性層11bの表面上に、必要に応じて帯電ローラー11が全体として高い均一性の電気抵抗を得るための抵抗制御層11cが積層され、この上に、感光体ドラム10上にピンホールなどの欠陥があってもリークが発生するのを防止することなどのための表面層11dが積層された構成とされており、押圧バネ11eによって感光ドラム10の方向に付勢されて感光ドラム10の表面に対して所定の押圧力で圧接されて帯電ニップ部が形成された状態とされ、感光ドラム10の回転に従動して回転される。
芯金11aは、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム及びニッケルなどの金属、あるいはこれらの金属表面に、防錆性や耐付傷性を得るために導電性を損なわない範囲においてメッキ処理したものからなり、その外径は例えば3〜20mmとされる。
弾性層11bは、例えば、ゴムなどの弾性材料中にカーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子;アルカリ金属塩、アンモニウム塩などよりなる導電性塩微粒子などの導電剤が添加されたものカーボンブラックなどの導電性粒子、又はアルカリ金属塩及びアンモニウム塩などの導電剤が添加された、導電性を有する材料からなるものである。弾性材料の具体例としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンメチレンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及びクロロプレンゴム(CR)などの合成ゴムや、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーンポリマー及びフッ素系ポリマーなどのポリマー、あるいは発泡スポンジなどの発泡体などを挙げることができる。弾性の大きさは、プロセス油、可塑剤などを弾性材料中に添加することにより調整することができる。
弾性層11bは、その体積抵抗率が1×10〜1×1010Ω・cmの範囲であることが好ましい。また、その層厚は500〜5000μmであることが好ましく、より好ましくは500〜3000μmである。弾性層11bの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値とされる。
表面層11dは、弾性層11b中の可塑剤などの得られる帯電ローラーの表面へのブリードアウトを防止する目的や帯電ローラーの表面の滑り性や平滑性を得る目的、あるいは感光体ドラム10上にピンホールなどの欠陥があってもリークが発生するのを防止する目的などにより設けられるものであって、適度な導電性を有する材料を塗工すること、あるいは適度な導電性を有するチューブを被覆させることによって設けられる。
表面層11dを材料の塗工により設ける場合は、具体的な材料としては、ポリアミド、ポリウレタン、アクリルポリマー、フッ素系ポリマー及びシリコーンポリマーなどのポリマー、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム及びアクリロニトリル系ゴムなどの基礎材料中に、カーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子;導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛、導電性酸化スズなどよりなる導電性金属酸化物微粒子などの導電剤が添加されたものが挙げられる。塗工方法としては、浸漬塗工法、ロール塗工法及びスプレー塗工法などが挙げられる。
また、表面層11dをチューブの被覆により設ける場合は、具体的なチューブとしては、ナイロン12、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレンコポリマー(FEP);ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系及びポリアミド系などの熱可塑性エラストマーなどに上記の導電剤が添加されたものがチューブ状に成形されたものが挙げられる。このチューブは熱収縮性のものでもよく、非熱収縮性のものでもよい。
表面層11dは、その体積抵抗率が1×10〜1×10Ω・cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1×10〜1×10Ω・cmである。また、その層厚は0.5〜100μmであることが好ましく、より好ましく1〜50μm、さらに好ましくは1〜20μmである。
表面層11dの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値とされる。また、表面層11dは、その表面粗さRzが1〜30μmのものが好ましく、より好ましくは2〜20μm、さらに好ましくは5〜10μmである。ここで、Rzとは、JIS B0601(1994)に規定される十点平均表面粗さである。
抵抗制御層11cは、帯電ローラー11を全体として均一な電気抵抗を有する目的などにより設けられるものであるが、なくてもよい。この抵抗制御層11cは、適度な導電性を有する材料を塗工すること、あるいは適度な導電性を有するチューブを被覆させることによって設けられる。
この抵抗制御層11cを構成する具体的な材料としては、ポリアミド、ポリウレタン、フッ素系ポリマー、シリコーンポリマーなどのポリマー;エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム及びアクリロニトリル系ゴムなどのゴム類などの基礎材料中に、カーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子;導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛、導電性酸化スズなどよりなる導電性金属酸化物微粒子;アルカリ金属塩、アンモニウム塩などよりなる導電性塩微粒子などの導電剤が添加されたものが挙げられる。
抵抗制御層11cは、その体積抵抗率が1×10−2〜1×1014Ω・cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1×10〜1×1010Ω・cmである。また、その層厚は0.5〜100μmであることが好ましく、より好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは1〜20μmである。抵抗制御層11cの体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定された値とされる。
以上のような帯電ローラー11においては、帯電ローラー11の芯金11aに電源S1より帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光ドラム10の表面が所定の極性の所定の電位に帯電される。ここに、帯電バイアス電圧は、例えば直流電圧(Vdc)に交流電圧(Vac)が重畳された振動電圧とすることができる。
図3に示した帯電ローラーによる帯電条件の一例を示せば、帯電バイアス電圧を形成する直流電圧(Vdc)が−500V、交流電圧(Vac)が周波数1000Hz、ピーク間電圧1300Vの正弦波であり、この帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光体ドラム10の表面が−500Vに一様に帯電される。この帯電ローラー11は、感光体ドラム10の長手方向長さに基づいた長さとされ、長手方向の長さは例えば320mmとすることができる。
<画像支持体>
本発明の画像形成方法において用いられる画像支持体Pは、トナー像を保持する支持体であって、具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以上のような画像形成方法によれば、トナーが特定の外添剤微粒子を含有するものであり、当該特定の外添剤微粒子が、帯電ローラーに付着するトナー及びトナー構成成分を研磨することにより帯電ローラーの汚染が防止できる。さらには、当該特定の外添剤微粒子は帯電ローラーにダメージを与えることがないので、長期間にわたって安定した高画質の画像を形成することができる。トナーに含有される特定の外添剤微粒子により、トナーの汚染を抑制しつつ、帯電ローラーにダメージを与えない理由としては、複合体微粒子のシリカ部が研磨剤の機能を発現しつつ、ポリマー部が過度な圧力を吸収するためと推察される。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りのない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
≪シリカ・ポリマー複合体微粒子の作製≫
<シリカ・ポリマー複合体微粒子1の合成方法>
オーバーヘッド撹拌モーター、コンデンサー及び熱電対を備えた250mL四つ口丸底フラスコに、Ludox AS−40 コロイダルシリカ分散体(W.R.Grace & Co.)(個数平均一次粒子径25nm、BET SA 126m/g,pH9.1、シリカ濃度40質量%)18.7g、脱イオン水125mL,及び第1の疎水化剤として、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン15.0g(CAS #2530−85−0、Mw=248.3)を添加した。質量比MMON/Msilicaは2.0であった。
反応混合物の温度を65℃まで昇温し、混合物を120rpmで撹拌しながら窒素ガスを30分間、混合物に吹き込んだ。3時間後に、エタノール10mLに溶解したラジカル開始剤2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBNと略記、CAS #78−67−1、Mw=164.2)0.16g(メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン 1質量%以下)を添加し、温度を75℃まで昇温した。
その後、5時間ラジカル重合を行い、次いで、第2の疎水化剤として、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS)3mL(2.3g、0.014モル)を混合物に添加した。反応はさらに3時間行った。最終混合物は170メッシュ篩でろ過し、粗大な凝集粒子を除去し、分散体をパイレックス(登録商標)トレイ内で120℃で一夜乾燥した。翌日、白色の粉末状固体が捕集し、IKA M20 Universalミルを用いて粉砕し、シリカ・ポリマー複合体微粒子1を得た。シリカ・ポリマー複合体微粒子1の個数平均一次粒子径は、106nm、ケイ素原子存在比率は、24.8atm%であった。シリカ・ポリマー複合体微粒子1の個数平均一次粒子径は、前述のように走査型電子顕微鏡にてシリカ・ポリマー複合体微粒子3万倍の写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX(登録商標) AP」((株)ニレコ製)を用いて測定した。ケイ素原子存在比率は、X線光電子分光分析装置「K−Alpha」(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて測定した。
<シリカ・ポリマー複合体微粒子2〜9の合成>
シリカ・ポリマー複合体粒子1の合成方法において、表1に記載のように、コロイダルシリカの粒子径、及び質量比MMON/Msilicaを変化させることにより、個数平均一次粒子径の異なる「シリカ・ポリマー複合体微粒子2〜9」を得た。
<シリカ・ポリマー複合体微粒子10及び11の合成>
また、表1に記載のように、第1の疎水化剤を(3−アクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン(CAS #4369−14−6、Mw=234.3)、第2の疎水化剤として、イソブチルトリメトキシシランを用いた他は、シリカ・ポリマー複合体微粒子1と同様にして、シリカ・ポリマー複合体微粒子10を合成した。また、第1の疎水化剤として、メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン(CAS #21142−29−0、Mw=290.4)を用い、第2の疎水化剤として、オクチルトリエトキシシランを用いた他は、シリカ・ポリマー複合体微粒子1と同様にして、シリカ・ポリマー複合体微粒子11を合成した。
Figure 2015161858
≪トナーの作製≫
<1.トナー母体粒子(1)の製造例(スチレン−アクリル単独構造トナー母体粒子の製造例)>
(1)ポリマー微粒子分散液(1)の製造例
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、再度液温80℃とし、スチレン480質量部、n−ブチルアクリレート250質量部、メタクリル酸68.0質量部及びn−オクチル−3−メルカプトプロピオネート16.0質量部よりなる重合性モノマー溶液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、ポリマー微粒子(1h)を含有するポリマー微粒子分散液(1H)を調製した。
(第2段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、上記のポリマー微粒子分散液(1H)260質量部とスチレン245質量部、n−ブチルアクリレート120質量部、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート1.5質量部、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−11」(日本精蝋社製)67質量部を90℃にて溶解させた重合性モノマー溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CREARMIX」(エム・テクニック社製)により1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行い、ポリマー微粒子(1hm)を含有するポリマー微粒子分散液(1HM)を調製した。
(第3段重合)
上記のポリマー微粒子分散液(1HM)に過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、スチレン435質量部、n−ブチルアクリレート130質量部、メタクリル酸33質量部及びn−オクチル−3−メルカプトプロピオネート8質量部からなる重合性モノマー溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却しポリマー微粒子aを含有するポリマー微粒子分散液(1)を得た。このポリマー微粒子分散液(1)におけるポリマー微粒子aの粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメディアン径で150nmであった。また、このポリマー微粒子aのガラス転移点温度を測定したところ、45℃であった。
(2)着色剤微粒子分散液(1)の調製
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子分散液(1)を調製した。この着色剤微粒子分散液(1)における着色剤微粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(3)トナー母体粒子(1)の作製
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、「ポリマー微粒子分散液(1)」を固形分換算で300質量部と、イオン交換水1400質量部と、「着色剤微粒子分散液(1)」を120質量部と、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水120質量部に溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム35質量部をイオン交換水35質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加し、3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。
この状態で、「コールターマルチサイザーIII」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径(D50)が6.0μmになった時点で、塩化ナトリウム150質量部をイオン交換水600質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、融着工程として液温度98℃にて加熱撹拌することにより、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」による測定で平均円形度0.955になるまで、粒子間の融着を進行させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、撹拌を停止した。
上記の工程にて生成した分散液をバスケット型遠心分離機「MARK III 型式番号60×40+M」((株)松本機械製作所製)で固液分離し、着色粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥し、「トナー母体粒子(1)」を得た。
<2.トナー母体粒子(2)の製造例(ドメイン・マトリクス構造トナー母体粒子の製造例1)>
(1)ポリマー微粒子分散液(2)の調製工程
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、温度制御装置、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、あらかじめアニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2.0質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させたアニオン性界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
このアニオン性界面活性剤溶液に重合開始剤「過硫酸カリウム(KPS)」9.0質量部を添加し、内温を78℃とさせた後、
・スチレン 540質量部
・n−ブチルアクリレート 154質量部
・メタクリル酸 77質量部
・n−オクチルメルカプタン 17質量部
からなるモノマー溶液〔1〕を3時間かけて滴下した。滴下終了後、78℃において1時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第1段重合)を行うことにより、「ポリマー微粒子〔a1〕」の分散液を調製した。
(第2段重合)中間層の形成
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、
・スチレン 94質量部
・n−ブチルアクリレート 27質量部
・メタクリル酸 6質量部
・n−オクチルメルカプタン 1.7質量部
からなる溶液に、オフセット防止剤としてパラフィンワックス(融点:73℃)51質量部を添加し、85℃に加温して溶解させてモノマー溶液〔2〕を調製した。
一方、アニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2質量部をイオン交換水1100質量部に溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温し、この界面活性剤溶液に上記の「ポリマー微粒子〔a1〕」の分散液を、ポリマー微粒子〔a1〕の固形分換算で28質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記モノマー溶液〔2〕を4時間混合・分散させ、分散粒子径350nmの乳化粒子を含有する分散液を調製し、この分散液に重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を90℃において2時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第2段重合)を行うことにより、「ポリマー微粒子〔a11〕」の分散液を調製した。
(第3段重合)外層の形成
上記の「ポリマー微粒子〔a11〕」の分散液に、重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
・スチレン 230質量部
・n−ブチルアクリレート 78質量部
・メタクリル酸 16質量部
・n−オクチルメルカプタン 4.2質量部
からなるモノマー溶液〔3〕を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第3段重合)を行った。その後、28℃まで冷却し、アニオン性界面活性剤溶液中にポリマー微粒子(2)が分散された「ポリマー微粒子分散液(2)」を作製した。
ポリマー微粒子(2)のガラス転移点は45℃、軟化点は100℃であった。
(2)スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子分散液(1)の調製工程
(2−1)スチレン−アクリル変性ポリエステル(1)の合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応容器に、
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 500質量部
・テレフタル酸 117質量部
・フマル酸 82質量部
・エステル化触媒(オクチル酸スズ) 2質量部
を入れ、230℃で8時間縮重合反応させ、さらに、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した後、
・アクリル酸 10質量部
・スチレン 30質量部
・n−ブチルアクリレート 7質量部
・重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 10質量部
の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を継続させた後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持した後、アクリル酸、スチレン、ブチルアクリレートを除去することにより、スチレン−アクリル変性ポリエステルポリマー(1)を得た。
このスチレン−アクリル変性ポリエステル(1)のガラス転移点は60℃、軟化点は105℃であった。
(2−2)スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子分散液(1)の調製
得られたスチレン−アクリル変性ポリエステル(1)100質量部を、「ランデルミル 形式:RM」(徳寿工作所社製)で粉砕し、あらかじめ作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム水溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL、300μAで30分間超音波分散し、体積基準のメディアン径(D50)が250nmであるスチレン−アクリル変性ポリエステル(1)が分散された「スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子分散液(1)」を作製した。
(3)トナー母体粒子(2)の作製(凝集、融着−熟成−洗浄−乾燥工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、「ポリマー微粒子分散液(2)」を固形分換算で288質量部と「スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子分散液(1)」を固形分換算で72質量部をイオン交換水2000質量部を投入し、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
その後、前述の「着色剤微粒子分散液(1)」を固形分換算で40質量部投入し、次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。
この状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター・ベックマン社製)にてコア粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径(D50)が6.0μmになった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.945になった時点で30℃に冷却し、「トナー母体粒子(2)の分散液」を得た。
この「トナー母体粒子(2)の分散液」を遠心分離機で固液分離し、トナー粒子のウェットケーキを形成し、これを遠心分離機を用いて濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥した。
上記の工程にて生成した着色粒子をバスケット型遠心分離機「MARK III 型式番号60×40+M」((株)松本機械製作所製)で固液分離し、着色粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥し、ドメイン・マトリクス構造を有する「トナー母体粒子(2)」を得た。
<3.トナー母体粒子(3)の製造例(ドメイン・マトリクス構造トナー母体粒子の製造例2)>
(1)酸基を有するビニル系ポリマー微粒子分散液(1)の調製
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部及びイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、液温75℃とし、
・スチレン 584質量部
・アクリル酸n−ブチル 160質量部
・メタクリル酸 56質量部
からなるモノマー混合液を1時間かけて滴下後、75℃にて2時間加熱、撹拌しながら重合を行うことにより、ポリマー微粒子〔b1〕の分散液を調製した。
(第2段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、80℃に加熱後、上記のポリマー微粒子〔b1〕42質量部(固形分換算)、マイクロクリスタリンワックス「HNP−0190」(日本精蝋社製)70質量部を、
・スチレン 239質量部
・アクリル酸n−ブチル 111質量部
・メタクリル酸 26質量部
・n−オクチルメルカプタン 3質量部
からなるモノマー溶液に80℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散させることにより、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5質量部をイオン交換水100質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて1時間にわたって加熱撹拌して重合を行うことにより、ポリマー微粒子〔b2〕の分散液を調製した。
(第3段重合)
上記のポリマー微粒子〔b2〕の分散液に、さらに、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、80℃の温度条件下に、
・スチレン 380質量部
・アクリル酸n−ブチル 132質量部
・メタクリル酸 39質量部
・n−オクチルメルカプタン 6質量部
からなるモノマー混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合した後、28℃まで冷却することにより、酸基を有するビニル系ポリマー微粒子分散液(1)を得た。
(2)スチレン−アクリル変性ポリエステル2の合成
ポリエステル重合セグメントの材料の多価カルボン酸化合物としてのセバシン酸(分子量202.25)259質量部と、多価アルコール化合物としての1,12−ドデカンジオール(分子量202.33)259質量部を窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応容器に入れ160℃に加熱し、溶解させた。あらかじめ混合したビニル系重合セグメントの材料となる、スチレン46質量部、アクリル酸n−ブチル12質量部、ジクミルパーオキサイド4質量部及び両反応性モノマーとしてアクリル酸3質量部の溶液を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。
170℃に保持したまま1時間撹拌を続け、スチレン、アクリル酸n−ブチル及びアクリル酸を重合させた後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)2.5質量部、没食子酸0.2質量部を加えて210℃に昇温し8時間反応を行った。さらに8.3kPaにて1時間反応を行い、ビニル系重合セグメントとポリエステル重合セグメントが結合したスチレン−アクリル変性ポリエステル2を得た。
得られたスチレン−アクリル変性ポリエステル2について、前述のようにして示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」((株)パーキンエルマー製)を用い、昇温速度10℃/minの条件でDSC曲線を得、吸熱ピークトップ温度を測定する手法によって融点(Tm)を測定したところ、82.2℃、また、GPC「HLC−8120GPC」(東ソー社製)によって前述のようにして分子量を測定したところ、標準スチレン換算のMwが28000であった。
(3)スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子分散液(2)の調製
スチレン−アクリル変性ポリエステル2、30質量部を溶融させて溶融状態のまま、乳化分散機「キャビトロンCD1010」((株)ユーロテック製)に対して毎分100質量部の移送速度で移送した。また、この溶融状態のスチレン−アクリル変性ポリエステル2の移送と同時に、当該乳化分散機に対して、水性溶媒タンクにおいて試薬アンモニア水70質量部をイオン交換水で希釈した濃度0.37質量%の希アンモニア水を、熱交換機で100℃に加熱しながら毎分0.1リットルの移送速度で移送した。そして、この乳化分散機を、回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cmの条件で運転することにより、体積基準のメディアン径が200nm、固形分量が30質量部のスチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子分散液(2)を調製した。
(4)トナー母体粒子(3)の作製
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、「酸基を有するビニル系ポリマー微粒子分散液(1)」300質量部(固形分換算)と、「スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子分散液(2)」60質量部(固形分換算)と、イオン交換水1100質量部と、前述の「着色剤微粒子分散液(1)40質量部」(固形分換算)とを仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて85℃まで昇温し、85℃を保持したまま凝集し粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて凝集粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径が6μmになった時点で、塩化ナトリウム40質量部をイオン交換水160質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成工程として液温度80℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより粒子間の融着を進行させ、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.948になった時点で30℃に冷却し、これにより、ドメイン・マトリクス構造を有する「トナー母体粒子(3)の分散液」を調整した。
(洗浄・乾燥工程)
上記トナー母体粒子(3)の分散液をバスケット型遠心分離機「MARK III 型式番号60×40+M」((株)松本機械製作所製)で固液分離し、トナー母体粒子(3)のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」((株)セイシン企業製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、「トナー母体粒子(3)」を作製した。
<トナー(Bk−1)の作製>(外添剤添加工程)
トナー母体粒子(1)に、シリカ・ポリマー複合体微粒子1を0.8質量部、その他にフュームドシリカ(HMDS処理、疎水化度69%、個数平均一次粒子径30nm)0.65質量部及び疎水性チタニア(オクチルシラン処理、疎水化度60%、個数平均一次粒子径30nm)0.25質量部を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合することにより、「トナー(Bk−1)」を作製した。
<トナー(Bk−2)〜トナー(Bk−19)の作製>
「トナー(Bk−1)」の作製において、トナー母体粒子とシリカ・ポリマー複合体微粒子の種類と添加量を表2のようにした他は同様にして、「トナー(Bk−2)」〜「トナー(Bk−19)」を作製した。
「トナー(Bk−17)」〜「トナー(Bk−19)」の作製においては、シリカ・ポリマー複合体微粒子の代わりにチタン酸カルシウム(TC−100、チタン工業社製)、チタン酸ストロンチウム(SW−100、チタン工業社製)、シリカ(YC100C−SP3、株式会社アドマテックス社製)をそれぞれ用いた他は同様にして、「トナー(Bk−17)」〜「トナー(Bk−19)」を作製した。トナー(Bk−1)〜トナー(Bk−14)は本発明のトナーであり、トナー(Bk−15)〜トナー(Bk−19)は比較例のトナーとした。
<現像剤の製造例〔Bk-1〕〜〔Bk-19〕の作製>
トナー(Bk−1)〜(Bk−16)の各々に対して、シリコーンポリマーを被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6%となるよう混合することにより、現像剤〔Bk−1〕〜〔Bk−19〕を調製した。
〔実施例1〜14、比較例1〜5〕
以上のようにして得られた現像剤〔Bk−1〕〜〔Bk−19〕と各々対応するトナー(Bk−1)〜(Bk−19)を組み合わせて、デジタル複写機「bizhub PRO C450」(コニカミノルタ社製)の帯電装置を図3に示す帯電ローラー方式のものに変更したものを用いて、下記の実写テストを行い、帯電ムラの評価を行った。
〔帯電ムラの評価〕
常温常湿環境(温度20℃、湿度55%RH)下において、画像支持体としてA4サイズの普通紙を用いて、1枚目(初期)に絶対反射濃度0.50のハーフトーン画像(これを「初期画像」という。)を印字し、次いで、画素率5%の画像を1枚間欠モードで5万枚印字し、その後、反射濃度0.50のハーフトーン画像(これを「5万枚後画像」という。)を1枚印字し、この初期画像及び5万枚後画像において、それぞれ20か所の反射濃度を測定し、その最大値と最小値の差を測定した。この最大値と最小値の差が0.05を超えた場合に、実用上問題が生じるため不良と判断される。濃度測定は、反射濃度計「RD−919」(マクベス社製)を用いて行った。
Figure 2015161858
表2の結果から明らかなように、本発明の画像形成方法に係る実施例1〜14においては、5万枚実写した後においても帯電ムラによる画像欠陥の発生が抑制され高画質の画像を得ることができることが確認された。それに対して、比較例1〜5においては、5万枚後の画像において濃度ムラが大きい結果であった。
1 シリカ・ポリマー複合体微粒子
2 シリカ微粒子
3 ポリマー
10 感光体ドラム(静電潜像担持体)
11 帯電ローラー
11a 芯金
11b 弾性層
11c 抵抗制御層
11d 表面層
11e 押圧バネ
S1 電源
12 露光手段
13 現像手段
131 現像スリーブ
P 画像支持体
14 転写手段
16 分離手段
17 定着手段
18 クリーニング手段

Claims (3)

  1. 静電潜像担持体の表面を帯電ローラーによって帯電し、露光することにより形成した静電潜像を、トナーにより顕像化する画像形成方法であって、
    当該トナーが、少なくともトナー母体粒子及び外添剤微粒子を含有し、
    当該外添剤微粒子が、シリカ・ポリマー複合体微粒子を含有し、
    X線光電子分光分析装置を用いて、当該シリカ・ポリマー複合体微粒子の最表面及び最表面から深さ方向3nm以内に存在する炭素原子、酸素原子及びケイ素原子の存在量を測定したときのケイ素原子存在比率が、少なくとも下記条件Aを満たすことを特徴とする画像形成方法。
    条件A:
    15.0atm%≦ケイ素原子存在比率({Si/(C+O+Si)}×100)≦30.0atm%
  2. 前記シリカ・ポリマー複合体微粒子の個数平均一次粒子径が、50〜500nmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記トナーが、ドメイン・マトリクス構造を有するトナー母体粒子を含有するトナーであって、当該マトリクスが酸基を有するビニル系ポリマーを含有し、当該ドメインがビニル系重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなるポリマーを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成方法。
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