JP2006078774A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 帯電工程と、転写工程と、潜像形成工程と、現像工程と、トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを導電性ファーブラシにより一時的に回収し帯電状態を調整する帯電調整工程と、前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを前記潜像担持体表面に排出し現像手段により回収するトナー回収工程とを少なくとも含み、前記トナーが、樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させた複合粒子を含むことを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 なし
Description
しかし、カラー画像の形成においては、順次に各色のトナー像が重ね合わせて転写される場合、既に形成・転写された色に対応するトナー像は、転写工程時の放電履歴を受けて強い逆極帯電性を示す。このため、帯電調整部材が感光体表面に対して非接触である場合、非接触であるがゆえに、逆極化した残留トナーに対する帯電調整能力が不足し、正規の極性に再び反転させることが困難である。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、高湿環境下でも画像ボケ・白抜けの発生が長期に渡って抑制できる画像形成方法および画像形成装置を提供することを課題とする。
<1>
潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成工程と、現像手段から供給されるトナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを導電性ファーブラシにより一時的に回収し帯電状態を調整する帯電調整工程と、前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを前記潜像担持体表面に排出し現像手段により回収するトナー回収工程とを少なくとも含み、
前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを、前記導電性ファーブラシによりその極性を反転させた後に前記潜像担持体表面に排出する画像形成方法であって、
前記トナーが、樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させた複合粒子を含むことを特徴とする画像形成方法である。
前記複合粒子の体積平均粒径が0.05〜2μmの範囲内であることを特徴とする<1>に記載の画像形成方法である。
前記複合粒子の個数平均粒子径をd50とした時に、前記複合粒子の粒度分布において、全粒子数に対する粒径が(1/2)×d50以下である粒子数の割合、および、全粒子数に対する粒径が(3/2)×d50以上である粒子数の割合が、それぞれ20個数%以下であることを特徴とする<1>または<2>に記載の画像形成方法である。
前記無機微粒子が、前記複合粒子表面に凸部を形成するように前記複合粒子表面近傍に分散していることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに1つに記載の画像形成方法である。
前記複合粒子が、窒素元素を含有する樹脂を含むことを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに1つに記載の画像形成方法である。
前記窒素原子を含有する樹脂が、メラミン樹脂であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
下式(1)で規定される前記トナーの形状係数SFが100〜140の範囲内であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
・式(1) SF=100×π×ML2/4A
〔但し、式(1)中、SFは前記トナーの形状係数、MLは前記トナー粒子の絶対最大長、Aは前記トナー粒子の投影面積を表す。〕
潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを回収し帯電状態を調整する機能を少なくとも有する導電性ファーブラシと、を少なくとも備え、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の画像形成方法を利用して画像を形成する画像形成装置である。
このため、逆極性から再び正規の極性へと帯電した残留トナーは、現像機における現像ロールに印加されるバイアスと感光体背景部におけるバックグランドとの電位差によって現像手段に回収される。
なお、帯電調整用の導電性ファーブラシには、逆極化した残留トナーを一時保持し、導電性ファーブラシのブラシ先端部と潜像担持体との間のギャップ放電によって正極化する。また、導電性ファーブラシの帯電性能を維持するために、定期的に導電性ファーブラシ中に滞留した残留トナーを、非現像時に潜像担持体表面に放出する清掃サイクルを設けても良い。
しかし、本発明においては、樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させた複合粒子(以下、「複合粒子」と略す場合がある)を用いているため高湿環境下でも画像ボケ・白抜けの発生が長期に渡って抑制できる。これは、複合粒子の表面近傍に存在する無機微粒子が、感光体表面に付着した放電生成物の研磨効果を長期に渡って安定して発揮・維持するためであると考えられる。
すなわち、このような場合、表面に固着させた無機微粒子による研磨効果は、初期には十二分に発揮されても経時的には低下するものと考えられる。このため、初期においては研磨効果が強過ぎて、感光体表面を傷つけたりする恐れがあり、経時的には、研磨効果が低くなり過ぎて、放電生成物が十分に除去できなくなる恐れがあるものと考えられる。
これに対して、本発明で用いられる複合粒子は、研磨効果を発揮する表面近傍に存在する無機微粒子を囲む樹脂マトリックスが、無機微粒子に加わる圧力を適度に分散・吸収するクッションの役割を果たしたり、樹脂マトリックスによって保持されていない無機微粒子の表面が薄い樹脂層で覆われたりする等によって、感光体表面の傷や磨耗を適度に抑えつつも、放電生成物を除去するに十分な研磨効果が確保できるものと考えられる。
次に、本発明に用いられる複合粒子についてより詳細に説明する。
本発明において、複合粒子とは、既述したように、樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させたものである。なお、無機微粒子の分散状態は特に限定されるものではないが、少なくとも一部の無機微粒子が複合粒子表面近傍に位置するように分散していることが必要である。
さらに、十分な研磨能力を確保するために、複合粒子表面近傍に分散している無機微粒子は、複合粒子表面に凸部を形成していることが特に好ましい。このような状態で無機微粒子が分散していない場合には、複合粒子表面近傍に存在する無機微粒子が研磨能力を十分に発揮することができず、画像ボケ・白抜けが発生してしまう場合がある。
体積平均粒径が0.05μmより小さいと放電生成物等の感光体表面の付着物に対する除去効果が不充分となる場合がある。一方、2.0μmより大きいと、帯電調整能が不充分となる場合がある。
複合粒子の体積平均粒径は、例えば,レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]により測定することができる。「体積平均粒径」とは、粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積をそれぞれ小径側から累積分布を描いた場合に、累積が50%に達した時の粒径を意味する。
真比重が、2.0を超える場合には、トナー粒子に外添された複合粒子が、トナー粒子から脱落しやすくなる場合がある。一方、真比重が、1.3未満の場合には、複合粒子同士が凝集し易くなる場合がある。なお、本発明に用いられる複合粒子は、その表面近傍に無機微粒子が存在しているため、樹脂粒子のみを単独で用いた場合と比べると、粒子同士の接触点が少なく強い凝集を形成しにくいというメリットがある。
なお、個数平均粒子径は、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]により測定することができる。
なお、これら樹脂を利用した複合粒子の作製に際して、ジビニルベンゼン等の架橋成分も併用すれば、複合粒子の硬度をより高めることもできる。
これらの樹脂の中では、電子付与能を有する窒素原子を含有する樹脂を用いることが好ましく、窒素原子を含有する樹脂の中でも特に、熱硬化性であり、電子付与能が高いメラミン樹脂を用いることが好ましい。
この場合、複合粒子全体としてトナーの帯電性を安定化させる作用が強くなるものと推定され、残留トナーが感光体/帯電器間におけるギャップ放電による影響を受けにくくなり接触帯電器の汚染が防止されると考えられる。
また、無機微粒子による複合粒子表面の凹凸形状は、例えば、〔1〕使用する無機微粒子の使用量や粒径を調整したり、〔2〕液相中で、樹脂成分の前駆体(単量体等)と無機微粒子とからなる凝集体を形成後、この凝集体の重合や架橋反応による収縮を利用して、内部に埋没していた無機微粒子を表面に凸を形成するように露出させたり、〔3〕樹脂成分と無機微粒子とからなる潤湿状態の粒子を形成後、乾燥時の樹脂マトリックスの収縮を利用して内部に埋没していた無機微粒子を表面に凸を形成するように露出させたり、あるいは、〔4〕樹脂成分のみからなるコア粒子を形成後、樹脂成分と無機微粒子とからなる被覆層を形成したりすること等によって調整することができる。
まず、水性媒体に数nm〜数十nm程度の平均粒子径を有するコロイダルシリカとメラミン化合物とアルデヒド化合物と含む溶液を懸濁しながら、塩基性条件下でメラミン化合物とアルデヒド化合物と反応させて、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物を含む水溶液を調整する(工程(a))。
続いて、(a)工程で得られた水溶液に酸触媒を加えることによって、シリカ微粒子がメラミン樹脂中に分散した球状の複合粒子を析出させる(工程(b))。
また、上記(a)工程で使用されるアルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラールなどが挙げられるが、安価でメラミン化合物との反応性が良いホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒドが好ましい。
また、アルデヒド化合物は、前記メラミン化合物1モルに対して有効アルデヒド基当たり1.1〜6.0モル、特に1.2〜4.0モルとなるように配合することが好ましい。
・一般式(a) R1Si(X)3
・一般式(b) R1R2Si(X)2
・一般式(c) R1R2R3SiX
このような表面処理により、感光体表面のコメットやフィルミングの発生防止、トナーへの分散性や密着性、さらには疎水性の制御に伴う帯電の安定性、電荷交換性等の向上効果がより一層期待される。
ここで、上記「偏在」とは、複合粒子の粒径方向に対し表面から深さ方向に10%の範囲に、複合粒子に含まれる無機微粒子の40〜100%の範囲(数)が存在することをいう。このような偏在状態は、複合粒子の製造プロセスを適宜最適化することにより調整することができ、例えば、上述したコロイダルシリカとメラミン樹脂とからなる複合粒子の製造方法によれば、このような偏在状態を得ることができる。
また、トナーの流動性及び帯電性を制御するためには、トナー粒子表面を充分に被覆する必要があるが、複合粒子だけでは充分な被覆を得ることがでないことがあるため、複合粒子による放電生成物の除去効果を損なわない範囲において、無機化合物を併用することが好ましい。特に大粒径の複合粒子を用いる場合には、複合粒子による放電生成物の除去効果を損なわない範囲において、小粒径の無機化合物を併用することが好ましい。小粒径の無機化合物としては、体積平均粒径80nm以下の無機化合物が好ましく、300nm以下の無機化合物がより好ましい。
このような小粒径の無機化合物の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.3〜3質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。添加量が0.3質量部より少ないと、トナーの流動性が充分に得られない場合があり、また熱保管によるブロッキング抑制が不充分となりやすい場合がある。一方、添加量が3質量部より多いと、過剰被覆状態となり、過剰無機酸化物が接触部材に移行し、二次障害を引き起こす場合がある。
これらの添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等があげられる。
しかし、複合粒子と他の外添剤を併用する場合には、先ずトナーと複合粒子とを混合し、この混合時よりも弱いシア(剪断力)を加えて他の無機酸化物微粉末を添加することにより、高湿環境下でも画像ボケ・白抜けの発生を防止する効果をより顕著に発揮することができる。また、外添混合後に篩分プロセスを通しても一向にかまわない。
本発明に用いられる現像剤は、上述した複合粒子を含むトナーからなる一成分現像剤、あるいは、このトナーとキャリアとからなる二成分現像剤のいずれであってもよい。
本発明に用いられるトナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば結着樹脂と着色剤と離型剤と、さらに必要に応じて帯電制御剤等とを混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された分散液と、着色剤分散液と、離型剤分散液と、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む分散液とを混合した混合液中で、トナー構成成分を凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤や離型剤、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤と離型剤と、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものが使用できる。
・式(2) SF=100×π×ML2/4A
但し、式(2)中、SFはトナーの形状係数、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aは前記トナー粒子の投影面積を表す。
ここで、式(2)に示されるトナー径の絶対最大長、トナーの投影面積は光学顕微鏡(ニコン製、Microphoto−FXA)を用いて倍率500倍に拡大したトナー粒子像を撮影し、得られた画像情報をインターフェースを介して例えばニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入して画像解析を行うことにより求めた。また、形状係数SFの値は、無作為にサンプリングした1000個のトナー粒子を測定して得られたデータを元に、平均値として算出した。
また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も好ましく行うことができる。
なお、二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmであり、好ましくは20〜100μmである。さらに、低ストレス性を目的として、重合製法による球形の芯材を用いる事もできる。この芯材の真比重は3.0〜5.0g/cm3のものが好ましく、飽和磁化は40emu/g以上が好ましい。
これら単量体の一例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルペンチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
被覆樹脂中のフッ素量は目的に応じて選択できる。フッ素量が多いと汚染性が向上するが、帯電が下がるあるいは、芯材との密着性が悪くなる傾向がある。
単量体種にもよるが、被覆樹脂の合成に用いる全単量体に対するフッ素単量体量は、0.1〜60.0重量%が適当であり、より好ましくは0.5〜50.0重量%が密着性、帯電レベルに対して機能を発現できる。
具体的には、例えばキャリア芯材の粉末及び帯電付与部材を被覆樹脂層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆樹脂層形成用溶液をキャリア芯材及び帯電付与部材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆樹脂層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被覆樹脂層形成用溶液を混合し、続いて溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられるが、特に溶液を用いたものに限定されるものではなく、塗布するキャリア芯材及び帯電付与部材によっては、樹脂粉末と共に加熱混合するパウダーコート法等適当な方法を用いることが出来る。
被覆樹脂層形成用原料溶液に使用される溶剤としては、被覆樹脂層を構成するマトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えばキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化合物、が使用できる。
次に、本発明の画像形成方法を利用した画像形成装置の構成について説明する。本発明の画像形成装置は、本発明の画像形成方法を利用した公知の電子写真方式の画像形成装置であれば特に限定されないが、具体的には、以下のような構成を有することが好ましい。
すなわち、潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを回収し帯電状態を調整する機能を少なくとも有する導電性ファーブラシと、を少なくとも備えていることが好ましい。ここで、この画像形成装置の潜像担持体表面には架橋構造を有する樹脂が含まれていてもよく、また、トナーには、上述した複合粒子が必ず外添される。
なお、導電性ファーブラシ116には、逆極化トナーの極性と反対の直流電圧(負電圧)が少なくとも印加されており、これに交流電圧が重畳印加されていてもよいが、逆極化トナーを逆の極性に再帯電させるだけの十分な電圧が印加されていることが必要である。これにより、導電性ファーブラシ116により捕獲・回収された逆極化トナーは、導電性ファーブラシ116によって、その極性が反転させられて正規の極性に再帯電することができる。その後、正規の極性に再帯電した逆極化トナーは再び潜像担持体110表面に排出され、逆極化しなかった残留トナーと共に、潜像担持体110表面と現像器113内に配置された現像ロール(磁気ブラシ)113aとの電位差を利用して、現像器113に回収される。
本発明の画像形成装置は、図2に示す画像形成装置101のように、図1に示す画像形成装置100の構成に対して潜像担持体110の周囲に配置された転写ロール114と導電性ファーブラシ116との間に、残留トナーの帯電調整をより完全なものとするために導電性ファーブラシ(固定ブラシ)118を設けた構成としてもよい。なお、この導電性ファーブラシ118は、導電性ファーブラシ116と異なり、繊維(ブラシ)が固定されたものである。
以下に本発明の画像形成装置を構成する各部についてより詳細に説明する。
本発明の画像形成装置に用いられる帯電手段としては公知の帯電方式を利用した帯電器が適応可能である。例えばコロトロン帯電方式や接触帯電方式などを利用した帯電器が挙げられる。また接触帯電方式ではローラー状の帯電部材、ブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材、導電性ファーブラシ状の帯電部材などが適応可能である。特にローラー状の帯電部材、ブレード状の帯電部材については潜像担持体に対し、接触状態またはある程度の空隙(100μm以下)を有した非接触状態として配置しても構わない。
帯電部材を構成する材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴムやポリオレフィン、ポリスチレン、塩化ビニル等からなるエラストマーを主材料とし、導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合したものを用いることができる。これらの材料は、帯電部材として有効な電気抵抗を発現させることが容易である。
さらにナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂を塗料化し、そこに導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合し、得られた塗料をデイッピング、スプレー、ロールコート等の任意の手法により、積層して用いる事ができる。
本発明の画像形成装置に用いられる現像手段としては、トナー回収するために接触現像方式を利用したものであることが好ましい。キャリアとトナーとからなる現像ブラシを潜像担持体に接触させて現像させる二成分現像方式、あるいは、導電ゴム弾性体搬送ロール(現像ロール)上にトナーを付着させ潜像担持体にトナーを現像する接触式一成分現像方式が適している。二成分現像方式の場合、現像ロールの回転方向は潜像担持体の回転方向と同方向でも逆方向でも良く、潜像担持体と逆方向に周速差をつけると、潜像担持体上の残留トナーの回収性を上げることができる。なお、現像ロールに印加する電界は直流でも直流に交流を重畳させても良い。
・式(3) 0.75≦ρ/d≦1.5
なお、式(3)中、ρは磁気ブラシ密度(g/m2)、dは現像ロール(磁気ブラシ担持体)と感光体との距離(μm)を表す。
また本発明の画像形成装置に用いられる転写手段としては公知の転写方式を利用したものが利用可能である。例えば、転写コロトロンや転写ロール等を用いた直接転写方式、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いた中間転写方式、記録材を静電的に吸着して搬送し潜像担持体上の画像を転写する転写ベルト方式を利用した転写手段などが挙げられる。
また転写効率を向上させるために、潜像担持体と転写部材と間に周速差をつけてもよい。潜像担持体と転写部材と間の周速比は0.1%〜5%が良く、さらに好ましくは1%〜3%が良い。
トナーの帯電を調整する導電性ファーブラシは、図1や図2に例示したように回転ブラシでも固定ブラシされたものでも良いが、特に回転ブラシがトナーの保持性と、定期清掃時のトナーの放出性に優れる。
導電性ファーブラシにはトナーの正規の極性と同極性のバイアス(直流電圧)が印加されることが重要である。バイアス電圧は、絶対値で500V〜1200Vの範囲であることが好ましく、800V〜1200Vの範囲がより好ましい。バイアス電圧の絶対値が500Vより低いと、トナーを保持することはできるもののトナーの帯電調整が難しくなる。この場合、さらに交流電圧を重畳して印加しても良い。
回転ブラシの条件を上記範囲にすることにより、感光体表面へのダメージがなく、接触帯電器に突入する前のトナーの帯電の調整が良好となる。また、導電性ファーブラシとして固定ブラシを用いる場合も回転ブラシと同様の素材からなる繊維を用いることができる。
例えば、図2に示す画像形成装置においては、導電性ファーブラシ116にトナーの正規の極性と同極性のバイアスを印加し、導電性ファーブラシ118にトナーの正規の極性と逆極性のバイアスを印加することができる。
なお、トナーの正規の極性と逆極性のバイアス(直流電圧)が印加される導電性ファーブラシにおいては、バイアスの絶対値は0〜400Vの範囲であることが好ましく、200〜400Vの範囲であることがより好ましい。この場合、さらに交流電圧を重畳して印加しても良い。
次に、本発明に用いられる潜像担持体について詳細に説明する。
本発明に用いられる潜像担持体としては単層構成であってもよく、電荷発生層と電荷輸送層とからなるような積層構成など、公知の如何なる構成であってもよい。なお必要に応じて、潜像担持体の表面には架橋構造を有する樹脂が含まれていてもよい。
図3は、本発明の画像形成装置に用いられる潜像担持体の構成例を示す模式断面図であり、図3中、1が潜像担持体(感光体)、11が導電性基体、12が下引き層、13が電荷発生層、14が電荷輸送層、15が保護層、16が感光層を表す。
感光体1は、導電性基体11表面に、下引き層12、電荷発生層13、電荷輸送層14、保護層15をこの順に積層したものであり、電荷発生層13、電荷輸送層14および保護層15は感光層16を構成している。なお、潜像担持体が図3に示すような積層構成からなる場合には、保護層15に架橋構造を有する樹脂が含まれる。
感光体がレーザープリンターに使用される場合には、レーザーの発振波長としては350nmから850nmのものが好ましく、短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。
Raが0.04μmより小さいと、導電性基体11表面が鏡面に近い状態となるので干渉防止効果が得られなくなり、Raが0.5μmより大きいと、画質が粗くなってしまう場合がある。なお、非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止のための粗面化処理は特に必要なく、導電性基体11表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
なお、リン酸、クロム酸及びフッ酸からなる酸性処理液を用いて陽極酸化処理する場合には以下の様に実施される。まず、酸性処理液中のリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が、10〜11重量%の範囲、クロム酸が3〜5重量%の範囲、フッ酸が0.5〜2重量%の範囲であって、これらの酸全体の濃度は、13.5〜18重量%の範囲が好ましい。処理温度は、42〜48℃であるが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜を形成することができる。被膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く。
下引き層12に用いられる材料としてはジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物、とくに有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
電子輸送性顔料としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が上げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが、電子移動性が高いので好ましく使用される。
特に380nm〜500nmの波長の光を感光体に照射して潜像を形成する場合には無機顔料が好ましく、700nm〜800nmの波長の光を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。
これらの材料の中でも、特開平5−263007号公報及び、特開平5−279591号公報に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号公報及び、特開平5−140473号公報に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報及び、特開平5−43813号公報に開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、電荷発生層13の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層13を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
電荷輸送層14には、公知の電荷輸送材料を用いることができる。また、電荷輸送層14は、電荷輸送材料と結着樹脂とを含有して形成してもよく、結着樹脂の機能も兼ねる高分子電荷輸送材用いて形成してもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。
これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、下式(A)〜(C)に示す構造からなる材料が好ましい。
なお、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、または、置換若しくは未置換のアリール基を表す。また、Arは置換又は未置換のアリール基を表す。
これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重量比)は10:1〜1:5が好ましい。
塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。さらに電荷輸送層14を形成する際に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体があげられる。また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。
次に、本発明に用いられる潜像担持体の表面部分(図3に示すような積層構成の場合は保護層15に相当する部分)に、架橋構造を有する樹脂材料が含まれる場合についてより詳細に説明する。
本発明においては、潜像担持体の表面(最表面層)に架橋構造を有する樹脂が含まれる場合には、表面の硬度が高くなるため、耐磨耗性をより向上させることができる。このため、より長期に渡って画像形成を行っても表面に傷が発生したり表面の磨耗が抑制されるため、より均一なクリーニングが可能となる。
なお、最表面層には、架橋構造を有する樹脂に加え、必要に応じて、架橋構造を有さないバインダー樹脂や、導電性微粒子、電荷輸送材料(電荷輸送能を有する化合物)、また、フッ素樹脂やアクリル樹脂などからなる潤滑性微粒子が含まれていてもよく、最表面層の形成に際しては、必要に応じてシリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができる。また、最表面層の形成方法の詳細については後述するが、最表面層の形成には架橋構造を有する樹脂を構成する前駆体を少なくとも含む最表面層形成用溶液が用いられる。
このような電荷輸送能を有する構造単位を含み、且つ、架橋構造を有する樹脂を構成する電荷輸送能を有する構造単位は、下記一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される誘導体であることが強度や安定性に優れ特に好ましい。また、同様の観点から、電荷輸送能を有する化合物が、下記一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される誘導体であってもよい。
但し、一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、または、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。
但し、一般式(II)中、F’は正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子またはNH、mは1〜4の整数を示す。
ここで、kが1の場合は、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、一般式(I)中の−D−Si(R2)(3-a)Qaで表される結合基と結合可能な結合手を有し、kが0の場合は、Ar1、Ar2、Ar5のうち1〜2個は、一般式(I)中の−D−Si(R2)(3-a)Qaで表される結合基と結合可能な結合手を有する。
また、mおよびsは0または1を表わし、qおよびrは1から10の整数、tは1から3の整数を示す。ここで、Xは一般式(I)中に示した−D−Si(R2)(3-a)Qaで表わされる基を示す。
また構造群3中に示されるWは下記構造群4で示されるものが好ましい。なお、構造群4中、s’は0〜3の整数を示す。
また、表1〜7中の「Ar1」〜「Ar5」の欄に示される構造式中、ベンゼン環に結合する“−S”基は、表1〜7中の「S」の欄に示される一価の基(一般式(I)中の−D−Si(R2)(3-a)Qaで表される構造に相当する基)を意味する。
・一般式(IV) B―(Si(R2)(3-a)Qa)2
但し、一般式(IV)中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。
具体的には、以下の表8に示す化合物が好適な例として挙げられるが、一般式(IV)に示される化合物はこれらのみに限定されるものではない。
・一般式(V) Si(R2)(4-c)Qc
但し、一般式(V)中、R2は水素、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、cは1〜4の整数を表わす。
一般式(V)において、c=4である化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシランを挙げることができる。
一般式(V)において、c=1である化合物の具体例としては、トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等を挙げることができる。
これらのシランカップリング剤の中でも、最表面層の強度を向上させるためには3または4官能性のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには2または1官能のアルコキシシランが好ましい。
具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等をあげることができる。
これらの環状シロキサン化合物は単独で用いても良いが、それらを混合して用いても良い。
これらの樹脂は、最表面層の形成に際して、上述した一般式(I)〜(VI)に示すような材料と反応して架橋構造を有する樹脂を構成するものであってもよい。特に、最表面層形成用溶液に含まれる樹脂が架橋構造を有するシロキサン系樹脂を形成する場合には、アルコールに溶解する樹脂を利用することが好ましい。
このような微粒子の一例としては、ケイ素含有微粒子を挙げることができる。ケイ素含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカおよびシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径が1〜100nmであることが好ましく、10〜30nmであることがより好ましい。このコロイダルシリカは、酸性もしくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものが利用でき、一般に市販されているものを使用することができる。
即ち、シリコーン微粒子は、架橋構造を有する樹脂の強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、潜像担持体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。
潜像担持体の最表面層中のシリコーン微粒子の含有量は、最表面層の全固形分中の0.1〜30重量%の範囲内であることが好ましく0.5〜10重量%の範囲内がより好ましい。
シリコンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコンオイル等をあげることができる。
可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。本発明中の樹脂層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
これら酸化防止剤の中でも、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。
さらに、これら酸化防止剤は架橋構造を有する樹脂を形成する材料と架橋反応可能なアルコキシシリル基などの置換基で変性したものであってもよい。
このような樹脂としては、例えば、SG204(日本触媒社製)、ZX−007C、ZX022、ZX022H、ZX022G(富士化成工業社製)、モディパーシリーズ(日本油脂株式会社製)、セフラルコートシリーズ(セントラル硝子社製)などがあげられる。また、目的に応じ適宜合成することも可能である。
活性水素を有する基を側鎖に複数有し、かつ、フッ素原子もしくはシリコーン結合を有する樹脂を添加することで、放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、磨耗量コントロール、クリーニングシステムの寿命延長などの効果が得られると共に、この樹脂を用いた最表面層形成用溶液のポットライフを延長することもできる。
更に活性水素を側鎖に複数有し、かつ、フッ素原子もしくはシリコーン結合を有する樹脂を用いることで、最表面層形成用溶液に対する添加量が限られていたフッ素系の材料、シリコーン系の材料も、最表面層の形成に際して、塗膜の欠陥を生じることなく多量に添加出来るようになるという効果も得られる。
また、アルコキシシリル基の加水分解の反応性はアルコキシ基の炭素数に由来し、炭素数が小さい程加水分解の反応性が高い事が知られている。
保護基の交換は有機けい素化合物を単独、もしくは無機材料前駆体と共に、少なくとも所望の保護基前駆体を含む系中で反応させることにより実施される。ここで、アルコキシシリル基の場合を例にとると、保護基前駆体とはアルコールを意味し、炭素数の小さいアルコールを用いることにより、加水分解性の高い保護基に変換することが可能であり、炭素数の大きいアルコールを用いることにより、加水分解性の低い保護基に変換することが可能である。
上記樹脂の分子量は2000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましい。分子量は2000より小さいと所望の効果が得られなくなり、100000より大きいと溶解度が低くなり添加量が限られてしまったり、塗布時に成膜不良の原因になったりする。
この樹脂は、最表面層形成用溶液に含まれる架橋構造を有する樹脂の前駆体と併用されるものであるが、最表面層形成用溶液に対する添加量は1〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜30重量%である。1重量%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなり、40重量%よりも多くなると高温高湿下での画像ボケ・白抜けが発生しやすくなる場合がある。また、この樹脂は、2種類以上を混合して用いてもよい。
用いられる触媒としては塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミンなどのアルカリ触媒、さらにいかに示すような系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
なお、当該不溶な固体触媒とは、触媒成分が一般式(I)で示される化合物や、一般式(II)で示される化合物を形成するための材料、他の添加剤、水、溶剤等に不溶であれば特に限定されない。
そのような触媒としては、前述のものに加え、アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリ(sec−ブチレート)、モノ(sec−ブトキシ)アルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセチルアセトネート)、アルミニウムイソプロポキシ−ビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(トリフルオロアセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(ヘキサフルオロアセチルアセトネート)等の有機アルミニウム化合物を使用することができる。
しかし、安全性、低コスト、ポットライフ長さの観点から、有機アルミニウム化合物を使用するのが好ましく、特にアルミニウムキレート化合物がより好ましい。
中でも下記一般式(VII)で表される2座配位子がより好ましく、下記一般式(VII)中のR5とR6との構造が同一のものが特に好ましい。R5とR6との構造を同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、最表面層形成用溶液のさらなる安定化を図ることができる。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、用いる有機金属化合物の1モルに対し、0.01モル以上、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは1モル以上とするのが好ましい。
この場合、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂の前駆体材料を含む塗工液を、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の塗布形成方法を用いることにより塗布膜を形成し、乾燥、加熱処理を経て電荷輸送層を形成することができる。
但し、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なっても良いし、複数回重ね塗布した後でも良い。
単層型感光層形成用溶液に用いる溶剤や、この溶液の塗布方法は、上記と同様のものを用いることができる。形成される単層型感光層の膜厚は5〜50μmの範囲内が好ましく、10〜40μmの範囲内がより好ましい。
<複合粒子A>
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製、スノーテックスS(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、平均粒子径7.9nm]20.7部、水720部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.7に調整した。
この複合粒子Aをそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、およびスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギ−分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、その形状は球状で、かつ、コロイダルシリカが複合粒子Aの表面付近に偏在していることが確認された。また、複合粒子Aの表面は、凸凹しており、凸部はコロイダルシリカによって形成されていることが確認された。
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日本アエロジル(株)製、RY40(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、平均粒子径40nm]20.7部、水720部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.5に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物を含む水溶液を調製した。
この複合粒子Bをそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、およびスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギ−分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、その形状は球状で、かつ、コロイダルシリカが複合粒子Aの表面付近に偏在していることが確認された。また、複合粒子Bの表面は、凸凹しており、凸部はコロイダルシリカによって形成されていることが確認された。
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製、スノーテックスS(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、平均粒子径7.9nm]133.5部、水1820部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.5に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物を含む水溶液を調製した。
1Lビーカーに、メタノール500部、メチルトリエトキシシラン10部を投入し、更に複合粒子A100部を投入して攪拌し、エバポレーターでメタノールを留去した後、取り出した粒子に120℃で1時間の加熱を施して疎水化処理された複合粒子Dを得た。
なお、以下のトナーおよび現像剤の作製において、トナーの体積平均粒子径、および、形状係数SFは既述した測定装置、測定方法を利用して求めた。
[トナー母粒子の製造]
(樹脂微粒子分散液の調整)
スチレン370g,n−ブチルアクリレート30g,アクリル酸8g、ドデカンチオール24g四臭化炭素4gを混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。
続いてフラスコ内の窒素置換を行った後、フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、平均粒径150nmであり、ガラス転移温度Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
・カーボンブラック(モーガルL:キャボット製):60g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):6g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤(1)を調整した。
・Cyan顔料(C.I.ピグメント・ブルー15:3):60g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(2)を調整した。
・Magenta顔料(C.I.ピグメント・レッド122):60g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(3)を調整した。
・Yellow顔料(C.I.ピグメント・イエロー180):90g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(4)を調整した。
・パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃):100g
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
・樹脂微粒子分散液:234部
・着色剤分散液(1):30部
・離型剤分散液:40部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S):0.5部
・イオン交換水:600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。
この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを5.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子K1を得た。トナー母粒子K1の体積平均粒子径が6.2μm、形状係数SFは109であった
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(2)を用いた以外はトナー母粒子K1の作製と同様にしてトナー母粒子Cを得た。このトナー母粒子C1の体積平均粒子径は6.1μm,平均形状係数SFは110であった。
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(3)を用いた以外はトナー母粒子K1の作製と同様にしてトナー母粒子M1を得た。このトナー母粒子M1の体積平均粒子径は6.0μm,平均形状係数SFは114であった。
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(4)を用いた以外はトナー母粒子K1の作製と同様にしてトナー母粒子Y1を得た。このトナー母粒子Y1の体積平均粒子径は6.0μm,平均形状係数SFは108であった。
・フェライト粒子(平均粒径:50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン/メタクリレート共重合体(成分比(重量比):90/10):2部
・カーボンブラック(R330:キャボット社製):0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した芯材被覆用のコーティング液を調整し、次に、このコーティング液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより各々のトナー1〜6を用いた現像剤1〜6を得た。
−感光体1の作製−
(潜像担持体1の作製)
円筒状のAl基体をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さがRzで0.6μmとなるように調整した。次にこのAl基体の外周面を有機溶剤で脱脂処理し、続いて2重量%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理した後に、Al基体表面に残留するアルカリ成分を中和処理し、更に純水洗浄を行った。
電荷発生層の形成までは感光体1と同様に作製した。次に、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン40部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60重量部とをテトロヒドロフラン280重量部及びトルエン120重量部に十分に溶解混合した後、4フッ化エチレン樹脂粒子10重量部を加え、さらに混合した。このとき、室温を25℃に設定し、混合時における液温度を25℃に保った。その後、ガラスビーズを用いたサンドグラインダーにて分散し、4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を作製した。このとき、サンドクラインダーのベッセルに24度の水を流し、分散液の温度を50度に保持した。
このようにして得られた4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布し、乾燥することにより、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、感光体2を得た。
下記に示す構成材料を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン3部、蒸留水0.3部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
−構成材料−
・化合物1(下記に示す化合物):2部
・メチルトリメトキシシラン:2部
・テトラメトキシシラン:0.5部
・コロイダルシリカ:0.3部
評価に用いた画像形成装置は、導電性ファーブラシの代わりにブレードクリーナーが設けられている以外は主要部の構成が図1とほぼ同様の構成を有するFUJI XEROX製Docu Center Color 400機をベースにし、ブレードクリーナが設置されていたスペースに、(A)導電性ファーブラシ(回転ブラシ)を取り付けた改造機(主要部が図1に示す構成)、(B)2つの導電性ファーブラシ(回転ブラシ+固定ブラシ)を取り付けた改造機(主要部が図2に示す構成)、(C)ブレードクリーナを取り除いた改造機(主要部が図3に示す構成)の3種類を用いた。なお、これら改造機におけるトナーの正規の極性はマイナス極性である。
また、転写効率をさらに良くするために、転写部において感光体と中間転写ベルトとの速度差を3%とした。また、感光体周速度に対する中間転写ベルト速度の比(中間転写ベルト速度/感光体周速度)を1.03に設定した。さらに、帯電調整ブラシに溜滞留した逆極性のトナーを清掃するクリーニングサイクルを、100枚に1回の割合で設けた。
その時、回転ブラシに−400Vを印加し、+帯電のトナーを感光体上に放出し、この時帯電ロールには交流電界のみかかり、直流電圧はかけない。また転写電界の極性を反転させて中間転写ベルト上にトナーを転写し、中間転写ベルトの外周面に装着されているブレードクリーナにて回収した。
なお、画像形成テストは、フルカラーモードにて低温低湿(10℃、15%RH)下で10万枚画像形成後、続いて、高温高湿(28℃、85%RH)下で10万枚画像形成し、この際のトナーの回収性、感光体表面の傷、感光体フィルミング(トナー融着)、接触帯電ロール汚染、画像ボケを観察した。結果を表12に示す。
なお、表12中に示す各評価項目の評価方法および評価基準は以下の通りである。
〔トナー回収性(ゴースト)〕
現像機で回収されないトナーはゴースト現象として画像に現れるため、ソリッドチャート、および、ストレスチャートとして3色重ね合わせの縦ラインのチャートを流し、それぞれのゴーストを評価した。判断基準は以下の通りである。
◎:ストレスチャートでもゴースト全くなし。
○:ソリッドチャートはゴースト無し、ストレスチャートで軽微なゴーストが見られるが、2サイクル目で消滅する。
△:ソリッドチャートはゴースト無し、ストレスチャートでゴーストが見られ、2サイクル目で消滅しない。
×:ソリッドチャートでも明らかにゴーストが分かるレベルで、画質上NGと判断される。
感光体傷は、表面粗さ計(東京精密(株)製Surfcom1400A)での10点平均粗さ(Rz)を測定を行い評価した。判断基準は以下の通りである。
○:Rzが3.0μm以下。
△:Rzが3.0μmを超え3.5μm未満(画質的に問題ないレベル)。
×:Rzが3.5μm以上(画像上に白筋発生)。
走行後の感光体上フィルミングは目視観察による官能評価にて判断した。判断基準は以下の通りである。
○:固着全くなし。
△:固着が多少あるが、画質に影響の出ないレベル。
×:表面に明らかに固着があり、色筋、白筋として画質に現れる。
走行後の接触帯電器のトナーによる汚染は目視観察による官能評価にて判断した。判断基準は以下の通りである。
○:固着全くなし。
△:固着が多少あるが、画質に影響の出ないレベル。
×:表面に明らかに固着があり、白筋として画質に現れる。
画像ボケは、以下のように評価した。まず、高温高湿環境(28℃、85%RH)下でハーフトーン画像(画像密度30%)を10万枚プリントし終えた後に、水溶性である放電生成物を除去するため感光体表面の一部分のみを水拭きした。
その後、再度ハーフトーン画像(画像密度30%)をプリントし、反射型濃度測定機(X−rite)により、感光体表面の水拭きした箇所と水拭きしていない箇所とに対応する画像部分の濃度差(ΔSAD)を測定し、以下の判断基準で評価した。
画像ボケ(文字滲み)は、感光体表面の水拭き後にプリントしたハーフトーン画像の濃度差を対応しているため、この評価法で代用した。なお、白抜けは、画像ボケと同様に、放電生成物に起因して発生するものであるため、定量的評価が容易な画像ボケの評価を以って代用評価した。
○:ΔSADが0.15以下。
△:ΔSADが0.15を超え0.4未満。
×:ΔSADが0.4以上。
11 導電性基体
12 下引き層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
15 保護層
16 感光層
100、101、102 画像形成装置
110 潜像担持体(感光体)
111 帯電ロール
112 露光装置
113 現像器
113a 現像ロール(磁気ブラシ担持体)
114 転写ローラ
116 導電性ファーブラシ(回転ブラシ)
118 導電性ファーブラシ(固定ブラシ)
120 中間転写ベルト
Claims (8)
- 潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成工程と、現像手段から供給されるトナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを導電性ファーブラシにより一時的に回収し帯電状態を調整する帯電調整工程と、前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを前記潜像担持体表面に排出し現像手段により回収するトナー回収工程とを少なくとも含み、
前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを、前記導電性ファーブラシによりその極性を反転させた後に前記潜像担持体表面に排出する画像形成方法であって、
前記トナーが、樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させた複合粒子を含むことを特徴とする画像形成方法。 - 前記複合粒子の体積平均粒径が0.05〜2μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記複合粒子の個数平均粒子径をd50とした時に、前記複合粒子の粒度分布において、全粒子数に対する粒径が(1/2)×d50以下である粒子数の割合、および、全粒子数に対する粒径が(3/2)×d50以上である粒子数の割合が、それぞれ20個数%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 前記無機微粒子が、前記複合粒子表面に凸部を形成するように前記複合粒子表面近傍に分散していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに1つに記載の画像形成方法。
- 前記複合粒子が、窒素元素を含有する樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに1つに記載の画像形成方法。
- 前記窒素原子を含有する樹脂が、メラミン樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成方法。
- 下式(1)で規定される前記トナーの形状係数SFが100〜140の範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成方法。
・式(1) SF=100×π×ML2/4A
〔但し、式(1)中、SFは前記トナーの形状係数、MLは前記トナー粒子の絶対最大長、Aは前記トナー粒子の投影面積を表す。〕 - 潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを回収し帯電状態を調整する機能を少なくとも有する導電性ファーブラシと、を少なくとも備え、請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像形成方法を利用して画像を形成する画像形成装置。
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