JP2006078774A - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高湿環境下でも画像ボケ・白抜けの発生が長期に渡って抑制できる画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 帯電工程と、転写工程と、潜像形成工程と、現像工程と、トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを導電性ファーブラシにより一時的に回収し帯電状態を調整する帯電調整工程と、前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを前記潜像担持体表面に排出し現像手段により回収するトナー回収工程とを少なくとも含み、前記トナーが、樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させた複合粒子を含むことを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法を利用した画像形成方法および画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真法による画像の形成は、潜像担持体の表面を帯電、露光して作製した静電潜像を着色トナーにより現像してトナー像を作製し、トナー像を転写紙等に転写し、これを熱ロール等で定着して画像を形成することにより行われている。転写工程を終えた後の潜像担持体(以下、「感光体」と称す場合がある)表面には未転写のトナーや、帯電プロセスによって生成した放電生成物などが残留する。このため、これらの残留物を次の画像形成プロセスに先立って除去するクリーニングプロセスが必要になる。
このようなクリーニングプロセスとしては、ゴムブレードを感光体に当接させる方式が簡便であるがゆえに最も広く用いられている。しかし、クリーニング部では感光体表面とクリーニングブレードとの摺擦によるストレスが発生する。このため、有機感光体を用いた場合には感光体表面の磨耗及び傷の発生が問題となっていた。
これらを改善するために、有機感光体の最表層に高硬度の保護層を設けたり、アモルファスシリコンなど傷が付きにくい硬い感光体を用いる方法がある。また、長期に渡って良好な画質を得るためには、感光体表面劣化のみならず、クリーニング部材の劣化も防止しなければならない。しかしながら、このような高硬度の感光体を用いると、感光体表面の摩耗や傷は低減されるが、クリーニングブレード(以下、「ブレード」と略す場合がある)に用いられるゴムブレードの摩滅が加速的に進み、ブレード劣化によってクリーニング不良や付着物の除去ができなくなるという問題が発生する。
一方、環境保護や資源有効利用の点で廃トナーはないほうが望ましく、例えば、転写後に生じたトナーをブレード等から構成されるクリーナ部で回収し、現像機に戻し再利用するという廃トナーレスシステムが提案されている。しかし、オーガー等の搬送機構を取り付けなければならず装置が大型化するという問題がある。
これに対して、ブレード等のトナーを堰き止める部材を用いずに、トナー像を感光体から中間転写体や記録媒体等の転写媒体へと転写する転写工程後の感光体表面に残留するトナー(残留トナー)を現像機で現像しながら同時に回収するクリーナレスシステムは、省スペースで廃トナーレスを実現できる方法である。この方式におけるトナークリーニングメカニズムは、正規の極性(現像機から感光体表面にトナーが供給される際の極性)に帯電した状態の残留トナーが、現像機における現像ロールに印加されるバイアスと、感光体背景部におけるバックグランドとの電位差によって現像機側に戻されるというものである。
しかしながら転写工程後に感光体表面に存在する残留トナーは、転写工程時の放電履歴を受けて、一部の残留トナーの極性が正規の極性と逆に反転(逆極化)する。逆極化した残留トナーは現像機に回収されずに感光体表面に残留し続け、露光部における障害になったり、接触帯電器を用いた場合は帯電器に付着し帯電障害の原因となったり、帯電器や転写部材などの接触部材との度重なる接触により感光体表面にトナーが融着する等の問題を引き起こす。
このような逆極化した残留トナーによる障害を避けるために、導電性ゴムローラ、導電性ファーブラシ、磁気ブラシ等の帯電調整部材を利用して転写後の逆極化した残留トナーの帯電状態を再び正規の極性に調整する方法が提案されている。この方法では、感光体表面をクリーニングブレード等により直接クリーニングするクリーニング装置/工程が不要(クリーナレス)になるというメリットがある。
しかし、カラー画像の形成においては、順次に各色のトナー像が重ね合わせて転写される場合、既に形成・転写された色に対応するトナー像は、転写工程時の放電履歴を受けて強い逆極帯電性を示す。このため、帯電調整部材が感光体表面に対して非接触である場合、非接触であるがゆえに、逆極化した残留トナーに対する帯電調整能力が不足し、正規の極性に再び反転させることが困難である。
また帯電調整部材が接触型の導電性ゴムローラの場合は、導電性ゴムローラ表面に保持されたトナーが長期間感光体と摺擦されると、感光体への融着を招き易く、特に定着性を改善するためにガラス転移温度の低い結着樹脂を用いたトナーの場合はより顕著となる。このような問題を避けるためにの多孔質の導電性スポンジローラを用いる場合もあるが、導電性スポンジローラの場合、長期に渡って安定した性能が維持できないという課題がある。
このような問題を解決するために、ブラシ型の帯電調整部材(導電性ファーブラシ)によって転写後工程後の逆極化したトナーを一時保持し、正規の極性の帯電に調整し、現像中に徐々に現像機に戻す方法が提案されている(特許文献1参照)。導電性ファーブラシを用いると、トナーの帯電調整性能が良好な上に、トナー保持性が良く、さらに長期間、トナーが導電性ファーブラシ上に保持されてもトナーにかかるストレスが少ないので、トナーが融着するという問題も回避される。
しかし、低湿環境下においてトナーの帯電が極端に高くなると、転写電界を高くしなくてはならないため、高帯電の逆極化した残留トナーが多量に発生する。この場合、導電性ファーブラシを利用しても、残留トナーを導電性ファーブラシで全て捕獲することが出来ず、帯電ロールを汚染させるという問題が発生する場合がある。
一方、オゾンレスで感光体表面の均一な帯電が得られる交番電界を重畳した接触型帯電ロールによる帯電方式では、放電によって感光体表面に放電生成物が生じてしまう。このため、感光体表面から放電生成物を除去できないと、高湿環境下で水分リークによって白抜けや、画像ボケ現象が発生する。しかし、ブレードクリーニングにおいては、ブレードと感光体表面とのストレスにより感光体表面の摩耗量が比較的多く、感光体表面に付着した放電生成物が掻き取られるため、このような画像ボケや白抜けは発生しにくい。
一方、トナーの飛散を抑制することにより画像班等の発生を防止し、優れた画質を得るために、有機粒子の表面に個数平均一次粒径が5〜100nmの無機微粒子を固着させた粒径が0.1〜5.0μmの複合粒子を含有するトナーを用い、非接触現像方式の現像手段を備えるクリーナレスタイプの画像形成装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−188416号公報 特開2002−62681号公報
しかしながら、上述した複合粒子を外添したトナーを用いたようなクリーナレスタイプの画像形成装置も含めて、ブレードのないクリーナレスシステムにおいては、この放電生成物の感光体表面からの除去がブレードクリーニングシステムと比較して充分でなく、高湿度下で発生する画像ボケ・白抜けが問題となる場合がある。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、高湿環境下でも画像ボケ・白抜けの発生が長期に渡って抑制できる画像形成方法および画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1>
潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成工程と、現像手段から供給されるトナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを導電性ファーブラシにより一時的に回収し帯電状態を調整する帯電調整工程と、前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを前記潜像担持体表面に排出し現像手段により回収するトナー回収工程とを少なくとも含み、
前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを、前記導電性ファーブラシによりその極性を反転させた後に前記潜像担持体表面に排出する画像形成方法であって、
前記トナーが、樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させた複合粒子を含むことを特徴とする画像形成方法である。
<2>
前記複合粒子の体積平均粒径が0.05〜2μmの範囲内であることを特徴とする<1>に記載の画像形成方法である。
<3>
前記複合粒子の個数平均粒子径をd50とした時に、前記複合粒子の粒度分布において、全粒子数に対する粒径が(1/2)×d50以下である粒子数の割合、および、全粒子数に対する粒径が(3/2)×d50以上である粒子数の割合が、それぞれ20個数%以下であることを特徴とする<1>または<2>に記載の画像形成方法である。
<4>
前記無機微粒子が、前記複合粒子表面に凸部を形成するように前記複合粒子表面近傍に分散していることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに1つに記載の画像形成方法である。
<5>
前記複合粒子が、窒素元素を含有する樹脂を含むことを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに1つに記載の画像形成方法である。
<6>
前記窒素原子を含有する樹脂が、メラミン樹脂であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
<7>
下式(1)で規定される前記トナーの形状係数SFが100〜140の範囲内であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1つに記載の画像形成方法である。
・式(1) SF=100×π×ML2/4A
〔但し、式(1)中、SFは前記トナーの形状係数、MLは前記トナー粒子の絶対最大長、Aは前記トナー粒子の投影面積を表す。〕
<8>
潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを回収し帯電状態を調整する機能を少なくとも有する導電性ファーブラシと、を少なくとも備え、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の画像形成方法を利用して画像を形成する画像形成装置である。
以上に説明したように本発明によれば、高湿環境下でも画像ボケ・白抜けの発生が長期に渡って抑制できる画像形成方法および画像形成装置を提供することができる。
本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成工程と、現像手段から供給されるトナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを導電性ファーブラシにより一時的に回収し帯電状態を調整する帯電調整工程と、前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを前記潜像担持体表面に排出し現像手段により回収するトナー回収工程とを少なくとも含み、前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを、前記導電性ファーブラシによりその極性を反転させた後に前記潜像担持体表面に排出する画像形成方法であって、前記トナーが、樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させた複合粒子を含むことを特徴とする。
本発明の画像形成方法においては、転写後工程後に逆極化した残留トナーは、現像手段から供給されるトナーの(正規の)極性と逆極性のバイアスが印加された導電性ファーブラシによって一時的に回収・保持されることによって、再び正規の極性に帯電状態が調整された後、再び、潜像担持体表面に排出される。
このため、逆極性から再び正規の極性へと帯電した残留トナーは、現像機における現像ロールに印加されるバイアスと感光体背景部におけるバックグランドとの電位差によって現像手段に回収される。
なお、帯電調整用の導電性ファーブラシには、逆極化した残留トナーを一時保持し、導電性ファーブラシのブラシ先端部と潜像担持体との間のギャップ放電によって正極化する。また、導電性ファーブラシの帯電性能を維持するために、定期的に導電性ファーブラシ中に滞留した残留トナーを、非現像時に潜像担持体表面に放出する清掃サイクルを設けても良い。
なお、感光体表面には、その帯電のために利用される帯電手段によって放電生成物が付着・蓄積してしまい、特に、交番電界を重畳した接触型帯電ロールを用いた場合により顕著になる。この放電生成物は、導電性ファーブラシによる摺擦効果に加えて、現像機における磁気ブラシによる摺擦効果によってある程度除去されるものの、十分に除去できず、画像ボケ・白抜けの発生を招いてしまう場合もある。
しかし、本発明においては、樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させた複合粒子(以下、「複合粒子」と略す場合がある)を用いているため高湿環境下でも画像ボケ・白抜けの発生が長期に渡って抑制できる。これは、複合粒子の表面近傍に存在する無機微粒子が、感光体表面に付着した放電生成物の研磨効果を長期に渡って安定して発揮・維持するためであると考えられる。
一方、特許文献2に開示された技術に用いられている複合粒子も無機微粒子を有するため、本発明と同様の効果が期待されるようにも考えられる。しかし、この複合粒子は、無機微粒子を表面に固着させた粒子である。それゆえ、経時的にみた場合、現像機中における撹拌等のストレスが加わることによって、表面に固着させた無機微粒子が脱落したり、また、樹脂粒子本体部分から大きくはみ出るように無機微粒子が存在するため、無機微粒子に押圧力が集中して樹脂粒子内部へと埋没したりするものと考えられる。
すなわち、このような場合、表面に固着させた無機微粒子による研磨効果は、初期には十二分に発揮されても経時的には低下するものと考えられる。このため、初期においては研磨効果が強過ぎて、感光体表面を傷つけたりする恐れがあり、経時的には、研磨効果が低くなり過ぎて、放電生成物が十分に除去できなくなる恐れがあるものと考えられる。
これに対して、本発明で用いられる複合粒子は、樹脂粒子中の樹脂マトリックスにしっかりと無機微粒子が固定されているため、表面近傍に存在する無機微粒子が脱落したり、樹脂粒子表面から内部へと埋没することが無い。それゆえ、研磨効果が長期に渡って安定して維持される。
一方、感光体表面に付着した放電生成物は、トナーに研磨剤を添加することによっても除去できる。しかし、研磨剤は100%無機材料からなる粒子であるため、感光体の表面が高強度でない場合には、研磨効果が強過ぎて感光体表面の傷や磨耗を招いてしまう。
これに対して、本発明で用いられる複合粒子は、研磨効果を発揮する表面近傍に存在する無機微粒子を囲む樹脂マトリックスが、無機微粒子に加わる圧力を適度に分散・吸収するクッションの役割を果たしたり、樹脂マトリックスによって保持されていない無機微粒子の表面が薄い樹脂層で覆われたりする等によって、感光体表面の傷や磨耗を適度に抑えつつも、放電生成物を除去するに十分な研磨効果が確保できるものと考えられる。
−複合粒子−
次に、本発明に用いられる複合粒子についてより詳細に説明する。
本発明において、複合粒子とは、既述したように、樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させたものである。なお、無機微粒子の分散状態は特に限定されるものではないが、少なくとも一部の無機微粒子が複合粒子表面近傍に位置するように分散していることが必要である。
さらに、十分な研磨能力を確保するために、複合粒子表面近傍に分散している無機微粒子は、複合粒子表面に凸部を形成していることが特に好ましい。このような状態で無機微粒子が分散していない場合には、複合粒子表面近傍に存在する無機微粒子が研磨能力を十分に発揮することができず、画像ボケ・白抜けが発生してしまう場合がある。
ここで、「凸部を形成する」とは、複合粒子を電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡等で観察した場合に、複合粒子表面に、無機微粒子に起因する凸形状の存在が確認できる状態を意味する。
なお、本発明に用いられる複合粒子は、感光体表面に付着した放電生成物等の付着物を除去する機能を有するものであれば、その他の機能は特に限定されるものではないが、通常は、トナーの帯電制御剤としての機能も兼ね備えていることが好ましい。従って、以下の説明では、本発明に用いられる複合粒子は帯電制御剤としての機能も兼ね備えたことを前提として説明するが、勿論、トナーの帯電制御機能を有していなくてもよい。
また、複合粒子の体積平均粒径は0.05〜2.0μmの範囲のものが好ましく、0.10〜1.0μmの範囲がより好ましく、さらに好ましくは0.3〜0.6μmの範囲である。
体積平均粒径が0.05μmより小さいと放電生成物等の感光体表面の付着物に対する除去効果が不充分となる場合がある。一方、2.0μmより大きいと、帯電調整能が不充分となる場合がある。
複合粒子の体積平均粒径は、例えば,レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]により測定することができる。「体積平均粒径」とは、粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積をそれぞれ小径側から累積分布を描いた場合に、累積が50%に達した時の粒径を意味する。
また、トナー粒子に外添された複合粒子の脱落を防止するために、複合粒子の真比重は1.3〜2.0の範囲内であることが好ましく、1.4〜1.8の範囲内であることがより好ましい。
真比重が、2.0を超える場合には、トナー粒子に外添された複合粒子が、トナー粒子から脱落しやすくなる場合がある。一方、真比重が、1.3未満の場合には、複合粒子同士が凝集し易くなる場合がある。なお、本発明に用いられる複合粒子は、その表面近傍に無機微粒子が存在しているため、樹脂粒子のみを単独で用いた場合と比べると、粒子同士の接触点が少なく強い凝集を形成しにくいというメリットがある。
また、複合粒子の粒度分布はある程度の範囲に制御されていることが望ましい。具体的には、複合粒子の個数平均粒子径をd50とした場合、複合粒子の粒度分布において、全粒子数に対する粒径が(1/2)×d50以下である粒子数の割合(以下、「小径側粒子比率」と略す場合がある)、および、全粒子数に対する粒径が(3/2)×d50以上である粒子数の割合(以下、「大径側粒子比率」と略す場合がある)が、それぞれ20個数%以下であることが好ましく、15個数%以下であることがより好ましく、10個数%以下であることが更に好ましい。
小径側粒子比率が20個数%を越える場合には、より小径の複合粒子が多くなるため、この小径の複合粒子が感光体表面に付着してしまう上に、トナーの帯電性も不安定にしてしまう場合がある。一方、大径側粒子比率が20個数%を越える場合には、帯電調整効果が小さくなる。
なお、個数平均粒子径は、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]により測定することができる。
後述するトナー粒子に対する複合粒子の添加量は、トナー粒子100質量部に対し、0.1〜3.0重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.0重量%である。添加量が0.1重量%より少ないと、高温高湿下に保管した後に、複合粒子を添加したトナーを用いると形成される画像の濃度ムラ及び高温高湿下の連続画像形成後の画像流れが悪化する場合がある。一方、添加量が3.0重量%より多いものでは、帯電調整効果が小さくなる。
次に、複合粒子を構成する材料について説明する。複合粒子を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等、公知の各種の樹脂から適宜選択することができる。しかし、熱可塑性樹脂は、複合粒子全体の硬度を充分高めることができない場合があるため、熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。これは、複合粒子に、長期に渡って安定した研磨効果を付与するためには、現像機中における撹拌等のストレス下でも複合粒子が変形せず、また、複合粒子表面近傍に存在する無機微粒子の埋没を防止する必要があるためである。
熱可塑性樹脂の例としては、具体的には、ポリオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品;フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリカーボネート等が挙げられる。
なお、これら樹脂を利用した複合粒子の作製に際して、ジビニルベンゼン等の架橋成分も併用すれば、複合粒子の硬度をより高めることもできる。
熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂;アミノ樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂;エポキシ樹脂、等が挙げられる。
これらの樹脂の中では、電子付与能を有する窒素原子を含有する樹脂を用いることが好ましく、窒素原子を含有する樹脂の中でも特に、熱硬化性であり、電子付与能が高いメラミン樹脂を用いることが好ましい。
一方、無機微粒子としては、感光体表面の放電生成物等の付着物に対する研磨能力を有するものであれば特に限定されないが、例えば、モース硬度が3〜9の範囲内であることが好ましく、粒径(1次粒径)が5〜500nmの範囲内であることが好ましい。また、形状としては特に限定されないが、不定形、球形、立方体等が挙げられる。
上記のような無機微粒子としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム等をあげることができるが、帯電付与能力を調整する目的からシリカを用いることが好ましい。
なお、本発明の画像形成方法においては、低湿度下においてトナーの帯電が50μc/g以上と高くなったような場合、正規の極性と逆の極性に帯電した残留トナーの帯電調整が困難になり、感光体の帯電手段として帯電ロール等の接触帯電器を用いた場合では、この残留トナーにより接触帯電器が汚染されてしまう場合がある。
このような接触帯電器の汚染を防止する方法としては、トナーの正規の極性に対して、複合粒子を構成する樹脂成分として、トナーの正規の極性と反対側へシフトさせた帯電特性の材料を選択し、複合粒子を構成する無機微粒子(無機材料)として、樹脂成分の極性と反対側へシフトさせた帯電特性を有する材料を選択することが好ましい(すなわち、相対的な電位差で表せば、例えば、トナーの正規の極性がマイナスであるとすると、トナーの正規の極性と樹脂成分と無機微粒子との間の相対的な電位差の関係は、「トナーの正規の極性<樹脂成分>無機微粒子」、となる)。
この場合、複合粒子全体としてトナーの帯電性を安定化させる作用が強くなるものと推定され、残留トナーが感光体/帯電器間におけるギャップ放電による影響を受けにくくなり接触帯電器の汚染が防止されると考えられる。
なお、上述したような、トナーの正規の極性(マイナス)と樹脂成分と無機微粒子との間の相対的な電位差の関係:「トナーの正規の極性(マイナス)<樹脂成分>無機微粒子」を満たす樹脂成分と無機微粒子との好適な組合せの一例としては、強い正帯電性を有するメラミン樹脂と、強い負帯電性を有するシリカとの組合せや、強い正帯電性を有するフェノール樹脂と、強い負帯電性を有するシリカとの組合せ等が等が挙げられる。
本発明に用いられる複合粒子は、特に限定されるものではないが、例えば、サスペンジョン重合、乳化重合、懸濁重合などの重合方法を利用して粒状樹脂を製造する方法、モノマーもしくはオリゴマーを貧溶媒中に分散して、架橋反応を行いつつ表面張力により粒状化する方法、低分子成分と架橋剤とを溶融混練などにより、混合反応させた後、風力、機械力により、所定の粒度に粉砕する方法等の公知の樹脂粒子の製造過程において、無機微粒子を混入させることで得ることができる。例えば、単量体等の樹脂成分の前駆体を少なくとも含む溶液に、無機微粒子を分散させた後、重合や架橋反応等により複合粒子を得ることができる。
また、無機微粒子による複合粒子表面の凹凸形状は、例えば、〔1〕使用する無機微粒子の使用量や粒径を調整したり、〔2〕液相中で、樹脂成分の前駆体(単量体等)と無機微粒子とからなる凝集体を形成後、この凝集体の重合や架橋反応による収縮を利用して、内部に埋没していた無機微粒子を表面に凸を形成するように露出させたり、〔3〕樹脂成分と無機微粒子とからなる潤湿状態の粒子を形成後、乾燥時の樹脂マトリックスの収縮を利用して内部に埋没していた無機微粒子を表面に凸を形成するように露出させたり、あるいは、〔4〕樹脂成分のみからなるコア粒子を形成後、樹脂成分と無機微粒子とからなる被覆層を形成したりすること等によって調整することができる。
以下に、シリカ微粒子とメラミン樹脂とからなる複合粒子を例に、本発明に用いられる複合粒子の製造例を詳細に説明するが、本発明の複合粒子の製造例はこれに限定されるものではない。
まず、水性媒体に数nm〜数十nm程度の平均粒子径を有するコロイダルシリカとメラミン化合物とアルデヒド化合物と含む溶液を懸濁しながら、塩基性条件下でメラミン化合物とアルデヒド化合物と反応させて、水に可溶なメラミン系樹脂の初期縮合物を含む水溶液を調整する(工程(a))。
続いて、(a)工程で得られた水溶液に酸触媒を加えることによって、シリカ微粒子がメラミン樹脂中に分散した球状の複合粒子を析出させる(工程(b))。
ここで、上記(a)工程で使用されるメラミン化合物としては、メラミン、メラミンのアミノ基の水素をアルキル基、アルケニル基、フェニル基で置換した置換メラミン化合物など公知のものが使用できる。この中では安価なメラミンが最も好ましい。
また、上記(a)工程で使用されるアルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラールなどが挙げられるが、安価でメラミン化合物との反応性が良いホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒドが好ましい。
また、アルデヒド化合物は、前記メラミン化合物1モルに対して有効アルデヒド基当たり1.1〜6.0モル、特に1.2〜4.0モルとなるように配合することが好ましい。
上記(a)工程で使用されるコロイダルシリカとしては、平均粒子径が好ましくは5〜70nmの範囲内のものが使用できる。また、沈降性シリカパウダー、気相法シリカパウダーなどのパウダー状のコロイダルシリカを使用することもできるが、好ましくは媒体中で一次粒子レベルまで安定分散させたコロイダルシリカのゾルを使用するのが良い。
コロイダルシリカの平均粒子径が70nmを超える場合は、前記(b)工程で析出する複合粒子の形状が球状になり難くなる場合がある。また、5nmに満たないと、複合粒子の粒度分布をシャープに制御し難くなる場合がある。(b)工程を経て得られた複合粒子のS平均粒子径は、一般的にメラミン系樹脂濃度が低いほど、またコロイダルシリカの平均粒子径が小さいほど小さくなる。
コロイダルシリカの添加量は、メラミン化合物100質量部に対して0.5〜100質量部の範囲が好ましく、1〜50質量部の範囲がより好ましい。添加量が0.5質量部未満では、(b)工程で複合粒子を得ることが困難になる場合がある。また、添加量が100質量部を超えても複合粒子が得られるが、この場合、微小で球状でない凝集粒子が副生するので好ましくない場合がある。
以上、シリカ微粒子とメラミン樹脂とからなる複合粒子を例として、複合粒子自体の具体的な製造過程について説明したが、次に、無機微粒子や樹脂成分の種類に関係無く、本発明に用いることが可能な全ての種類の複合粒子に共通する事項について説明する。
まず、複合粒子は、その表面を下記一般式で示されるようなシランカップリング剤等のカップリング剤で表面処理しておいてもよい。
・一般式(a) R1Si(X)3
・一般式(b) R12Si(X)2
・一般式(c) R123SiX
なお、上記各式中、R1は、炭素数1〜20のアルキル基またはパーフルオロアルキル基を表し、R2およびR3は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、パーフルオロアルキル基、またはアリール基を表し、Xは塩素原子、アルコキシ基、NCO基、またはアセトキシ基を表す。
このような表面処理により、感光体表面のコメットやフィルミングの発生防止、トナーへの分散性や密着性、さらには疎水性の制御に伴う帯電の安定性、電荷交換性等の向上効果がより一層期待される。
これらの中でも、帯電量の増加という点で、一般式(a)で示されるものが好ましく、特にCH3(CH2)nSi(OCH33(ただし、n=5〜19)が好ましい。また、同様の理由で、R1が炭素数7〜16のアルキル基またはパーフルオロアルキル基であるものが好ましい。
このような、カップリング剤による処理は、例えば、カップリング剤を含有する溶液中に複合粒子を浸漬し、乾燥する方法の場合は、均一な被覆を形成することができるので好ましい。前記カップリング剤の付着量は、複合粒子に対して0.1〜25重量%の範囲であることが好ましい。
また、複合粒子自体の表面をシリコーンオイル等で処理しても良い。この処理には公知のシリコーンオイルを用いることができ、気相中で浮遊させられた複合粒子に対して処理剤または処理剤を含む溶液を噴霧するスプレードライ法等による乾式法や、処理剤を含有する溶液中に複合粒子を浸漬し、乾燥する湿式法を利用して処理することができる。
本発明に用いられる複合粒子中は、無機微粒子が均一に分散されていても、不均一に分散されていてもよいが、既述したように無機微粒子が複合粒子の表面近傍に必ず存在している必要がある。また、不均一に分散している場合には、十分な研磨効果を確保するために、無機微粒子は複合粒子の表面近傍に偏在していることが好ましい。
ここで、上記「偏在」とは、複合粒子の粒径方向に対し表面から深さ方向に10%の範囲に、複合粒子に含まれる無機微粒子の40〜100%の範囲(数)が存在することをいう。このような偏在状態は、複合粒子の製造プロセスを適宜最適化することにより調整することができ、例えば、上述したコロイダルシリカとメラミン樹脂とからなる複合粒子の製造方法によれば、このような偏在状態を得ることができる。
なお、トナーの流動性又は帯電性等の向上を目的として、複合粒子と共に、シリカ等の無機微粉末、脂肪酸又はその誘導体或いは金属塩等の有機微粉末、フッ素系樹脂微粉末等公知の微粉末を併用することもできる。
また、トナーの流動性及び帯電性を制御するためには、トナー粒子表面を充分に被覆する必要があるが、複合粒子だけでは充分な被覆を得ることがでないことがあるため、複合粒子による放電生成物の除去効果を損なわない範囲において、無機化合物を併用することが好ましい。特に大粒径の複合粒子を用いる場合には、複合粒子による放電生成物の除去効果を損なわない範囲において、小粒径の無機化合物を併用することが好ましい。小粒径の無機化合物としては、体積平均粒径80nm以下の無機化合物が好ましく、300nm以下の無機化合物がより好ましい。
上記小粒径の無機化合物としては、公知のものを用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等が挙げられる。また、目的に応じてこれら無機微粒子の表面には公知の表面処理を施してもよい。
このような小粒径の無機化合物の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.3〜3質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。添加量が0.3質量部より少ないと、トナーの流動性が充分に得られない場合があり、また熱保管によるブロッキング抑制が不充分となりやすい場合がある。一方、添加量が3質量部より多いと、過剰被覆状態となり、過剰無機酸化物が接触部材に移行し、二次障害を引き起こす場合がある。
複合粒子は、トナー粒子に添加し、混合されるが、混合は、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。また、この際必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。
これらの添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等があげられる。
また、トナーへの外添方法としては、複合粒子を単独で外添しても、複合粒子と他の外添剤を同時に添加混合しても、複合粒子を先に添加混合した後他の外添剤を添加混合しても、他の外添剤を先に添加混合した後に複合粒子を添加混合しても構わない。
しかし、複合粒子と他の外添剤を併用する場合には、先ずトナーと複合粒子とを混合し、この混合時よりも弱いシア(剪断力)を加えて他の無機酸化物微粉末を添加することにより、高湿環境下でも画像ボケ・白抜けの発生を防止する効果をより顕著に発揮することができる。また、外添混合後に篩分プロセスを通しても一向にかまわない。
−トナー(および現像剤)−
本発明に用いられる現像剤は、上述した複合粒子を含むトナーからなる一成分現像剤、あるいは、このトナーとキャリアとからなる二成分現像剤のいずれであってもよい。
本発明に用いられるトナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば結着樹脂と着色剤と離型剤と、さらに必要に応じて帯電制御剤等とを混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させて形成された分散液と、着色剤分散液と、離型剤分散液と、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む分散液とを混合した混合液中で、トナー構成成分を凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤や離型剤、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤と離型剤と、更に必要に応じて帯電制御剤等を含む溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものが使用できる。
また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに結着樹脂微粒子を付着させた後、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができる。これらの製造方法の中でも、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
トナーは結着樹脂、着色剤、離型剤等を含み、必要であれば、シリカや帯電制御剤を含んでいてもよい。トナーの体積平均粒径は2〜12μmの範囲が好ましく3〜9μmの範囲がより好ましい。また、既述したようにトナーの形状係数SFが100〜140の範囲のものを用いることにより、高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。特にクリーニング手段として磁気ブラシを用いた本発明では、転写性に関し、高転写性を維持するためにはトナーの球形化度が高いことが好ましい。なお、より好ましい形状指数の範囲は100〜135であり、さらに好ましくは100〜120の範囲である。
また、トナーの形状係数SFとは、下式(2)で定義される値を意味する。
・式(2) SF=100×π×ML2/4A
但し、式(2)中、SFはトナーの形状係数、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aは前記トナー粒子の投影面積を表す。
ここで、式(2)に示されるトナー径の絶対最大長、トナーの投影面積は光学顕微鏡(ニコン製、Microphoto−FXA)を用いて倍率500倍に拡大したトナー粒子像を撮影し、得られた画像情報をインターフェースを介して例えばニコレ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入して画像解析を行うことにより求めた。また、形状係数SFの値は、無作為にサンプリングした1000個のトナー粒子を測定して得られたデータを元に、平均値として算出した。
さらに、トナーの体積平均粒径(累積体積平均粒径体積平均粒子径)は、例えばコールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径として求めた。
トナーの結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができる。
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
また、トナーには必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー、および磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
また、本発明に用いられるトナーには、既述したように必ず複合粒子が外添され、この他にも公知の外添剤を必要に応じて添加できるが、必要に応じて、複合粒子の研磨能力を補うために研磨剤を併用することもできる。研磨剤を併用することにより感光体表面の研磨性がより向上し、放電生成物がより除去しやすくなる。但し、感光体表面が後述するような架橋構造を有する樹脂のような高強度材料を含まない場合には、感光体表面を傷つけたり磨耗を招く場合がある。このため、研磨剤の使用量を少なめにしたり、あるいは、感光体表面の強度が高い場合に併用することが好適である。
研磨剤としては、特に研磨性に優れる不定形状の無機微粒子が特に好ましい。このような無機微粒子としては、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。
また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。
また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も好ましく行うことができる。
研磨剤の粒径としては、50nm〜10μmが好ましく、さらに好ましくは100nm〜1μmである。研磨剤の粒径は小径過ぎると研磨効果が不足し、大径過ぎると傷が発生することがあり好ましくない。トナーに対する研磨剤の適性な添加量は、0.1重量%以上あることが望ましい。さらに好ましい範囲は0.2重量%以上である。0.1重量%より少ないと十分な研磨効果が得られない場合がある。なお、研磨効果を十分に確保する点からは研磨剤の添加量は多い方が好ましいが、実用上は、1.0重量%以下であることが好ましい。
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が50nm以下の小径無機酸化物を、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を挙げることができる。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用することができるが、精密な帯電制御を行うためには、シリカと酸化チタンとを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を向上させる効果が大きくなる。
本発明に用いるトナーには潤滑剤も添加することができる。潤滑剤としては、例えばグラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;及びそれらの変性物が使用でき、これらを単独で使用するか、あるいは併用しても良い。
特にトナーに添加する潤滑剤としては劈開性が有することより摩擦低減効果の高い脂肪酸金属塩、特にはステアリン酸亜鉛が良い。トナーに対するステアリン酸亜鉛の添加量は0.01〜2.0重量%が好ましく、更に0.05〜0.5重量%がより好ましい。添加量が0.01重量%より少ない場合は十分な潤滑効果を発揮できず、2.0重量%よりも多い場合は像担持体の付着量が過剰となり、高温高湿下で像流れが発生し易くなる上、トナーその物の帯電特性に悪影響を与えてしまう。
また、トナーには上記の種々の外添剤をヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合することによって外添することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に被覆樹脂層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
なお、二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmであり、好ましくは20〜100μmである。さらに、低ストレス性を目的として、重合製法による球形の芯材を用いる事もできる。この芯材の真比重は3.0〜5.0g/cm3のものが好ましく、飽和磁化は40emu/g以上が好ましい。
キャリアの芯材を被覆する被覆樹脂として(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体を用いる場合には、アルキル基が異なる2種類以上の単量体を用いることができる。
これら単量体の一例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルペンチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合させるカルボン酸基を有する単量体の一例としては、(メタ)アクリル酸、カルボキシルスチレンの様なスチレンにカルボキシル基を持つもの、p−カルボキシルスチレンの様なカルボキシル基を2つ以上含むもの等が挙げられる。アイオノマー樹脂の様な、アクリル共重合体に金属カチオンを作用させてカルボキシル基を有した重合体でも同様の効果が見られる。
カルボン酸量は、そのカルボン酸単量体の種類、カルボン酸基の量、単量体の分子量によっても変わるが、被覆樹脂の合成に用いる全単量体に対し0.1〜15.0重量%が適当であり、より好ましくは0.5〜10.0重量%が密着性、環境安定性に対して機能を発現できる。導入量が少ないと、耐久性の効果が小さく、多すぎると粘度が高く、均一な被覆層を得る事が難しく、又環境差が悪化してしまう。
被覆樹脂の合成に際し、フッ素含有単量体を用いる場合には、パーフルオロアクリル系の単量体が好ましい。一例としてはテトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、等フッ素含有アクリル酸系の単量体、その他にトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロペン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等のフッ素含有単量体を用いる事もできる。
被覆樹脂中のフッ素量は目的に応じて選択できる。フッ素量が多いと汚染性が向上するが、帯電が下がるあるいは、芯材との密着性が悪くなる傾向がある。
単量体種にもよるが、被覆樹脂の合成に用いる全単量体に対するフッ素単量体量は、0.1〜60.0重量%が適当であり、より好ましくは0.5〜50.0重量%が密着性、帯電レベルに対して機能を発現できる。
被覆樹脂の共重合比率は、トナー種、システム適正に応じて、適宜選択可能である。特に、2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルは重合比を変える事により、所望の特性が得られる。これら単量体の共重合方法としては、ランダム共重合、グラフト共重合等の重合方法を用いる事ができる。グラフト共重合は、機能を発現させ易い点、コアとの密着性を上げる事が可能な点、被覆樹脂のガラス転移温度を上げる事ができる点等で優れた重合方法である。
上記被覆樹脂層をキャリア芯材及び帯電付与部材の表面に形成する代表的な方法としては、被覆樹脂層形成用原料溶液(溶剤中にマトリックス樹脂、樹脂微粒子、導電性微粉末等を適宜含む)を利用するものである。
具体的には、例えばキャリア芯材の粉末及び帯電付与部材を被覆樹脂層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆樹脂層形成用溶液をキャリア芯材及び帯電付与部材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆樹脂層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被覆樹脂層形成用溶液を混合し、続いて溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられるが、特に溶液を用いたものに限定されるものではなく、塗布するキャリア芯材及び帯電付与部材によっては、樹脂粉末と共に加熱混合するパウダーコート法等適当な方法を用いることが出来る。
被覆樹脂の塗布量は、芯材に対して総量で0.05〜5.0重量%の範囲が、画質、二次障害、帯電性を両立させるのに適当である。また、帯電付与部材に塗布する場合には、帯電量、維持性等対してに適当な膜厚が得られるよう適宜塗布量及び塗布方法の調節を行なうことが好ましい。
被覆樹脂層形成用原料溶液に使用される溶剤としては、被覆樹脂層を構成するマトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えばキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化合物、が使用できる。
芯材の具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
−画像形成装置−
次に、本発明の画像形成方法を利用した画像形成装置の構成について説明する。本発明の画像形成装置は、本発明の画像形成方法を利用した公知の電子写真方式の画像形成装置であれば特に限定されないが、具体的には、以下のような構成を有することが好ましい。
すなわち、潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを回収し帯電状態を調整する機能を少なくとも有する導電性ファーブラシと、を少なくとも備えていることが好ましい。ここで、この画像形成装置の潜像担持体表面には架橋構造を有する樹脂が含まれていてもよく、また、トナーには、上述した複合粒子が必ず外添される。
なお、本発明の画像形成装置は、上述した以外の公知の部材を備えていてもよい。また、カラー画像を形成する場合には、本発明の画像形成装置は、1つの潜像担持体の周囲に各色に対応した複数の現像器を配置したロータリー方式、1対の潜像担持体と現像器とを含むユニットを、各色に対応した数だけ備えたタンデム方式いずれであってもよい。
次に、本発明の画像形成装置の具体例を図面を用いて説明する。図1は本発明の画像形成装置の構成例を示す模式断面図であり、図1中、100は画像形成装置、110は潜像担持体(感光体)、111が帯電ロール、112が露光装置、113が現像器、113aが現像ロール(磁気ブラシ担持体)、113bが層規制部材、114が転写ローラ、116が導電性ファーブラシ(回転ブラシ)、120が中間転写ベルトを表す。なお、導電性ファーブラシ116は、繊維(ブラシ)が放射状に伸びた回転体であり、感光体110と同方向に回転するものである。
画像形成装置100は、図中の矢印A方向に回転可能な潜像担持体110の周囲に沿って時計周り方向に、帯電ロール111、露光装置112、現像器113、転写ローラ114、導電性ファーブラシ116が配置されている。また、潜像担持体110と転写ローラ114とは中間転写ベルト120を挟んで互いに押圧しながら当接し1次転写部を形成している。また、現像器113内には、潜像担持体110と対向する位置に現像ロール113aが設けられており、現像ロール113表面に形成される磁気ブラシ(不図示)は、現像器113の現像ロール113aに近接する位置に設けられた層規制部材113bにより磁気ブラシ密度が調整される。
次に、この画像形成装置100による画像形成プロセスについて説明する。まず、矢印A方向に回転する潜像担持体110の表面が帯電ローラ111により帯電される。続いて、この帯電された潜像担持体110表面には、露光装置112から照射される画像情報に対応した光により露光されることにより潜像が形成される。次に、この潜像を現像器113から供給される現像剤により現像しトナー像を形成する。なお、この現像時のトナーの極性(正規の極性)としては、例えば負極性となるように選択できる(以下、正規の極性が負極性であることを前提として説明する)。
潜像担持体110表面に形成されたトナー像は、1次転写部において中間転写ベルト120に転写され、不図示の定着手段により用紙等の記録媒体上に定着される。なお、転写時に中間転写体120へと転写されずに潜像担持体110表面に残留するトナー(残留トナー)中には、転写ロール114に印加されたバイアスによって、正規の極性と逆の極性(正極)に帯電した残留トナー(逆極化トナー)が発生する。
トナー像の転写を終えた後の潜像担持体110表面は、導電性ファーブラシ116により潜像担持体110表面に存在する逆極化トナーが捕獲・回収され、次の画像形成に備える。
なお、導電性ファーブラシ116には、逆極化トナーの極性と反対の直流電圧(負電圧)が少なくとも印加されており、これに交流電圧が重畳印加されていてもよいが、逆極化トナーを逆の極性に再帯電させるだけの十分な電圧が印加されていることが必要である。これにより、導電性ファーブラシ116により捕獲・回収された逆極化トナーは、導電性ファーブラシ116によって、その極性が反転させられて正規の極性に再帯電することができる。その後、正規の極性に再帯電した逆極化トナーは再び潜像担持体110表面に排出され、逆極化しなかった残留トナーと共に、潜像担持体110表面と現像器113内に配置された現像ロール(磁気ブラシ)113aとの電位差を利用して、現像器113に回収される。
このように、画像形成装置100においては、画像を形成しながら、導電性ファーブラシ116により捕獲・回収された残留トナー(逆極化トナー)が、逆の極性に再帯電して潜像担持体110表面に排出されるため、導電性ファーブラシ116にトナーが蓄積しにくい。このため、長期に渡って、画像形成(現像プロセス)の中断を伴う導電性ファーブラシ116そのもののクリーニングを実行する必要がない。また、転写後に発生した逆極化トナーは、導電性ファーブラシにより回収され、逆の極性に再帯電した後に潜像担持体110表面に排出されるため、帯電ロール111の汚染を引き起こす等の逆極化トナーに起因する問題を抑制することができる。
次に、図1に示した構成とは異なる画像形成装置の具体例を図面を用いて説明する。図2は本発明の画像形成装置の他の構成例を示す模式断面図であり、図2中、図1と同様の機能・構成を有する部材には同じ番号の符号が付してあり、101は画像形成装置、118は導電性ブラシ(固定ブラシ)を意味する。
本発明の画像形成装置は、図2に示す画像形成装置101のように、図1に示す画像形成装置100の構成に対して潜像担持体110の周囲に配置された転写ロール114と導電性ファーブラシ116との間に、残留トナーの帯電調整をより完全なものとするために導電性ファーブラシ(固定ブラシ)118を設けた構成としてもよい。なお、この導電性ファーブラシ118は、導電性ファーブラシ116と異なり、繊維(ブラシ)が固定されたものである。
以下に本発明の画像形成装置を構成する各部についてより詳細に説明する。
−帯電手段−
本発明の画像形成装置に用いられる帯電手段としては公知の帯電方式を利用した帯電器が適応可能である。例えばコロトロン帯電方式や接触帯電方式などを利用した帯電器が挙げられる。また接触帯電方式ではローラー状の帯電部材、ブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材、導電性ファーブラシ状の帯電部材などが適応可能である。特にローラー状の帯電部材、ブレード状の帯電部材については潜像担持体に対し、接触状態またはある程度の空隙(100μm以下)を有した非接触状態として配置しても構わない。
ローラー状の帯電部材、ブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材は帯電部材として有効な電気抵抗(103Ω〜108Ω)に調整された材料から構成される物であり、単層又は複数の層から構成されていても構わない。
帯電部材を構成する材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴムやポリオレフィン、ポリスチレン、塩化ビニル等からなるエラストマーを主材料とし、導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合したものを用いることができる。これらの材料は、帯電部材として有効な電気抵抗を発現させることが容易である。
さらにナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂を塗料化し、そこに導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合し、得られた塗料をデイッピング、スプレー、ロールコート等の任意の手法により、積層して用いる事ができる。
−現像手段−
本発明の画像形成装置に用いられる現像手段としては、トナー回収するために接触現像方式を利用したものであることが好ましい。キャリアとトナーとからなる現像ブラシを潜像担持体に接触させて現像させる二成分現像方式、あるいは、導電ゴム弾性体搬送ロール(現像ロール)上にトナーを付着させ潜像担持体にトナーを現像する接触式一成分現像方式が適している。二成分現像方式の場合、現像ロールの回転方向は潜像担持体の回転方向と同方向でも逆方向でも良く、潜像担持体と逆方向に周速差をつけると、潜像担持体上の残留トナーの回収性を上げることができる。なお、現像ロールに印加する電界は直流でも直流に交流を重畳させても良い。
また、トナーの回収性および放電生成物の掻き取り性を向上させるために、現像ロール表面に形成される磁気ブラシは、感光体に面する磁気ブラシ密度が常に一定になるように層規制部材により層規制されることによって、磁気ブラシ密度が適正な範囲内に調整されることが好ましく、具体的には下式(3)に示される関係を満たすことが特に好ましい。
・式(3) 0.75≦ρ/d≦1.5
なお、式(3)中、ρは磁気ブラシ密度(g/m2)、dは現像ロール(磁気ブラシ担持体)と感光体との距離(μm)を表す。
ρ/dが0.75より小さいと放電生成物の掻き取り性が不足し、ρ/dが1.5より大きいと、特に現像ロールの回転方向が感光体と逆の場合、トナー詰まりが発生してキャリアが下方に落下するといった不具合が生じる場合がある。現像ロールは感光体の回転方向に対して同方向でも逆方向でも良いが、磁気ブラシの感光体に対する相対速度差が100mm/sec以上であると、トナーの回収性と放電生成物掻き取り性能がより向上するので好ましい。
現像ロールに印加するバイアスは、トナーの正規の極性が負極性である場合、−50V〜−600Vが良く、さらに好ましくは−100V〜−550Vである。さらに画質を向上させるために交流電界を重畳させてもよい。この交流電圧のピークトゥピークは0.5kVp−p〜1.5kVp−pであることが好ましい。
−転写手段−
また本発明の画像形成装置に用いられる転写手段としては公知の転写方式を利用したものが利用可能である。例えば、転写コロトロンや転写ロール等を用いた直接転写方式、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いた中間転写方式、記録材を静電的に吸着して搬送し潜像担持体上の画像を転写する転写ベルト方式を利用した転写手段などが挙げられる。
また転写効率を向上させるために、潜像担持体と転写部材と間に周速差をつけてもよい。潜像担持体と転写部材と間の周速比は0.1%〜5%が良く、さらに好ましくは1%〜3%が良い。
−導電性ファーブラシ−
トナーの帯電を調整する導電性ファーブラシは、図1や図2に例示したように回転ブラシでも固定ブラシされたものでも良いが、特に回転ブラシがトナーの保持性と、定期清掃時のトナーの放出性に優れる。
導電性ファーブラシにはトナーの正規の極性と同極性のバイアス(直流電圧)が印加されることが重要である。バイアス電圧は、絶対値で500V〜1200Vの範囲であることが好ましく、800V〜1200Vの範囲がより好ましい。バイアス電圧の絶対値が500Vより低いと、トナーを保持することはできるもののトナーの帯電調整が難しくなる。この場合、さらに交流電圧を重畳して印加しても良い。
導電性ファーブラシの繊維の材質としては、ナイロン、アクリル又はポリプロピレンが好ましく、この中でも特にナイロンが長期安定性に優れるため好ましい。また、繊維に導電性を持たせるため、カーボンブラックを練り込んだものがより好ましい。また、導電性の繊維と、強度を持たせるための絶縁性繊維との混紡繊維を用いてもよい。導電性ファーブラシに用いられる繊維の電気抵抗値は102〜105Ωcmが好ましい。また、導電性ファーブラシが回転ブラシである場合、回転方向は感光体の回転方向と同方向でも逆方向でも良い。
導電性ファーブラシ表面の繊維密度は、15×103〜120×103本/inch2(23.4〜186本/mm2)が好ましい。繊維太さは2〜20デニールが好ましい。導電性ファーブラシ表面の繊維長さ(但し、当該繊維長さには、起毛の接着層厚みは含まれない)は2.5mm〜7mmが好ましく、さらに好ましくは3mm〜6.5mmである。回転ブラシの場合における、繊維の感光体表面への進入量は0.3mmから1.5mmが好ましい。なお当該進入量とは、繊維が真っ直ぐに伸びた状態で、感光体表面に対して突き刺さったと仮定した場合の、感光体表面から繊維先端までの距離を意味する。
回転ブラシの条件を上記範囲にすることにより、感光体表面へのダメージがなく、接触帯電器に突入する前のトナーの帯電の調整が良好となる。また、導電性ファーブラシとして固定ブラシを用いる場合も回転ブラシと同様の素材からなる繊維を用いることができる。
また、画像形成装置に設けられる導電性ファーブラシは1つのみでも良いが、複数であっても良い。この場合は、トナーの正規の極性と同極性のバイアスを印加する導電性ファーブラシと併用して、トナーの正規の極性と逆極性のバイアスを印加した導電性ファーブラシを組み合わせるのが好ましい。
例えば、図2に示す画像形成装置においては、導電性ファーブラシ116にトナーの正規の極性と同極性のバイアスを印加し、導電性ファーブラシ118にトナーの正規の極性と逆極性のバイアスを印加することができる。
なお、まれに低湿環境下で低画像密度の画像を形成した場合などにおいて、トナーの帯電が高くなり過ぎて、正規の極性側に強く帯電した残留トナーが現像手段で回収しきれずに転写ゴーストとして画像に現れることがある。しかし、上述したような組合せからなる複数の導電性ファーブラシを用いることによって、転写ゴーストを防ぐことができる。
なお、トナーの正規の極性と逆極性のバイアス(直流電圧)が印加される導電性ファーブラシにおいては、バイアスの絶対値は0〜400Vの範囲であることが好ましく、200〜400Vの範囲であることがより好ましい。この場合、さらに交流電圧を重畳して印加しても良い。
−潜像担持体(感光体)−
次に、本発明に用いられる潜像担持体について詳細に説明する。
本発明に用いられる潜像担持体としては単層構成であってもよく、電荷発生層と電荷輸送層とからなるような積層構成など、公知の如何なる構成であってもよい。なお必要に応じて、潜像担持体の表面には架橋構造を有する樹脂が含まれていてもよい。
図3は、本発明の画像形成装置に用いられる潜像担持体の構成例を示す模式断面図であり、図3中、1が潜像担持体(感光体)、11が導電性基体、12が下引き層、13が電荷発生層、14が電荷輸送層、15が保護層、16が感光層を表す。
感光体1は、導電性基体11表面に、下引き層12、電荷発生層13、電荷輸送層14、保護層15をこの順に積層したものであり、電荷発生層13、電荷輸送層14および保護層15は感光層16を構成している。なお、潜像担持体が図3に示すような積層構成からなる場合には、保護層15に架橋構造を有する樹脂が含まれる。
導電性基体11としては、例えば、アルミニウムを円筒状(ドラム状)に成形したものが利用できるが、これ以外にも、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金などの金属材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、フェノール樹脂などの高分子材料又は硬質紙などの絶縁材料に導電物質を分散させて導電処理したものや導電性ポリマー;酸化インジウム等の導電性金属酸化物;紙、プラスチックフィルム等の絶縁材料に上述した導電性材料をラミネートや蒸着等により積層したもの;などを用いることができる。また、導電性基体11の形状は、シート状、プレート状等であってもよい。
感光体がレーザープリンターに使用される場合には、レーザーの発振波長としては350nmから850nmのものが好ましく、短波長のものほど解像度に優れるため好ましい。
また、レーザー光を照射する際に生じる干渉縞を防止するために、導電性基体11表面は、中心線平均粗さRaで0.04μm〜0.5μmに粗面化することが好ましい。粗面化の方法としては、研磨剤を水に懸濁させて導電性基体11に吹き付けることによって行う湿式ホーニング、あるいは、回転する砥石に導電性基体11を圧接し、連続的に研削加工を行うセンタレス研削、陽極酸化処理などが好ましい。
Raが0.04μmより小さいと、導電性基体11表面が鏡面に近い状態となるので干渉防止効果が得られなくなり、Raが0.5μmより大きいと、画質が粗くなってしまう場合がある。なお、非干渉光を光源に用いる場合には、干渉縞防止のための粗面化処理は特に必要なく、導電性基体11表面の凹凸による欠陥の発生が防げるため、より長寿命化に適する。
陽極酸化処理は、アルミニウムを陽極とし電解質溶液中で陽極酸化することによりアルミニウム表面に酸化膜を形成するものである。電解質溶液としては硫酸溶液、シュウ酸溶液等が挙げられる。しかし、そのままの多孔質陽極酸化膜は化学的に活性であり、汚染され易く、環境による抵抗変動も大きい。そこで、陽極酸化膜の微細孔を加圧水蒸気または沸騰水中(ニッケル等の金属塩を加えてもよい)で水和反応による体積膨張でふさぎ、より安定な水和酸化物に変える封孔処理を行う。
陽極酸化膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない場合がある。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く場合がある。
なお、リン酸、クロム酸及びフッ酸からなる酸性処理液を用いて陽極酸化処理する場合には以下の様に実施される。まず、酸性処理液中のリン酸、クロム酸およびフッ酸の配合割合は、リン酸が、10〜11重量%の範囲、クロム酸が3〜5重量%の範囲、フッ酸が0.5〜2重量%の範囲であって、これらの酸全体の濃度は、13.5〜18重量%の範囲が好ましい。処理温度は、42〜48℃であるが、処理温度を高く保つことにより、一層速く、かつ厚い被膜を形成することができる。被膜の膜厚については0.3〜15μmが好ましい。0.3μmより薄い場合は注入に対するバリア性が乏しく効果が十分でない。また、15μmより厚い場合は繰り返し使用による残留電位の上昇を招く。
陽極酸化処理は、90〜100℃の純水中に5〜60分間浸漬するか、90〜120℃の加熱水蒸気に5〜60分間接触させることにより行うことができる。被膜の膜厚については0.1〜5μmが好ましい。これをさらにアジピン酸、硼酸、硼酸塩、燐酸塩、フタル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩などの皮膜溶解性の低い電解質溶液を用いて陽極酸化処理してもよい。
また、図3に示すように導電性基体11と感光層16との間に下引き層12を形成することもできる。
下引き層12に用いられる材料としてはジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物、とくに有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
また、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。
さらに、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。
これら材料の混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。また、下引き層中には電子輸送性顔料を混合/分散して使用することもできる。
電子輸送性顔料としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が上げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが、電子移動性が高いので好ましく使用される。
また、これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、バインダーなどで表面処理しても良い。電子輸送性顔料は多すぎると下引き層12の強度が低下し、塗膜欠陥を生じるため95重量%以下、好ましくは90重量%以下で使用される。混合/分散方法は、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等をもちいる常法が適用される。混合/分散は有機溶剤中で行われるが、有機溶剤としては、有期金属化合物や樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものでも使用できる。
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。下引き層12の厚みは一般的には、0.1〜30μm、好ましくは0.2〜25μmが適当である。
また、下引き層12を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。塗布したものを乾燥させて下引き層を得るが、通常、乾燥は溶剤を蒸発させ、製膜可能な温度で行われる。特に、酸性溶液処理、ベーマイト処理を行った基材は、基材の欠陥隠蔽力が不十分となり易いため、中間層を形成することが好ましい。
次に電荷発生層13について説明する。電荷発生層12に用いられる電荷発生材料としては、公知の電荷発生物質なら何でも使用できるが、例えば、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料や、三方晶セレン、酸化亜鉛などの無機顔料などを挙げることができる。
特に380nm〜500nmの波長の光を感光体に照射して潜像を形成する場合には無機顔料が好ましく、700nm〜800nmの波長の光を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。
これらの材料の中でも、特開平5−263007号公報及び、特開平5−279591号公報に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5−98181号公報に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5−140472号公報及び、特開平5−140473号公報に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873号公報及び、特開平5−43813号公報に開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
電荷発生材料と混合して用いられる結着樹脂としては、公知の絶縁性樹脂から選択することができる、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。
好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷発生材料と結着樹脂との配合比は(重量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。またこれら材料を分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができる。なお、電荷発生材料が、結晶性の顔料である場合には、結晶型が変化しない条件で分散させることが特に好ましい。さらにこの分散に際して、電荷発生材料の粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下のサイズにすることが有効である。
またこれらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、電荷発生層13の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層13を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
次いで、電荷輸送層14について説明する。
電荷輸送層14には、公知の電荷輸送材料を用いることができる。また、電荷輸送層14は、電荷輸送材料と結着樹脂とを含有して形成してもよく、結着樹脂の機能も兼ねる高分子電荷輸送材用いて形成してもよい。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。
これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、下式(A)〜(C)に示す構造からなる材料が好ましい。
Figure 2006078774
式(A)中、R14は、水素原子またはメチル基を示す。また、nは1又は2を意味する。Ar6及びAr7は置換若しくは未置換のアリール基、又は、−C(R18)=C(R19)(R20)、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表わし、置換基としてはハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又は炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。
なお、R18、R19、R20は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、または、置換若しくは未置換のアリール基を表す。また、Arは置換又は未置換のアリール基を表す。
Figure 2006078774
式(B)中、R15、R15’は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、または、炭素数1〜5のアルコキシ基を表わす。R16、R16’、R17、R17’は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換若しくは未置換のアリール基、または、−C(R18)=C(R19)(R20)、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表わす。mおよびnは0〜2の整数である。なお、R18、R19、R20、Arは、式(A)において説明した場合と同様である。
Figure 2006078774
式(C)中、R21は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換若しくは未置換のアリール基、または、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表す(Arは、置換又は未置換のアリール基を表す)。R22、R23は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、または、置換若しくは未置換のアリール基を表す。
さらに電荷輸送層14に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランや、さらに、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。
これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重量比)は10:1〜1:5が好ましい。
また、高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており、とくに好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれ単体で電荷輸送層14を形成することも可能であるが、上記結着樹脂と混合して用いてもよい。
電荷輸送層14の厚みは一般的には、5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当である。
塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。さらに電荷輸送層14を形成する際に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。
例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体があげられる。また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。
電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等を挙げることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl,CN,NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
−潜像担持体表面−
次に、本発明に用いられる潜像担持体の表面部分(図3に示すような積層構成の場合は保護層15に相当する部分)に、架橋構造を有する樹脂材料が含まれる場合についてより詳細に説明する。
本発明においては、潜像担持体の表面(最表面層)に架橋構造を有する樹脂が含まれる場合には、表面の硬度が高くなるため、耐磨耗性をより向上させることができる。このため、より長期に渡って画像形成を行っても表面に傷が発生したり表面の磨耗が抑制されるため、より均一なクリーニングが可能となる。
この最表面層を構成する材料としては、耐磨耗性を向上させ十分な硬度を確保するために、架橋構造を有する樹脂が少なくとも用いられる。このような材料を用いない場合には、表面の硬度が低く十分な耐磨耗性が得られないため、傷が発生したり磨耗が進行し易く、より長期に渡って画像形成を行うことができなくなる場合がある。
なお、最表面層には、架橋構造を有する樹脂に加え、必要に応じて、架橋構造を有さないバインダー樹脂や、導電性微粒子、電荷輸送材料(電荷輸送能を有する化合物)、また、フッ素樹脂やアクリル樹脂などからなる潤滑性微粒子が含まれていてもよく、最表面層の形成に際しては、必要に応じてシリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができる。また、最表面層の形成方法の詳細については後述するが、最表面層の形成には架橋構造を有する樹脂を構成する前駆体を少なくとも含む最表面層形成用溶液が用いられる。
なお、架橋構造を有する樹脂としては、最表面層の硬度を確保する点から種々の材料を用いることができるが、特性上、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン系樹脂等を挙げることができ、これらの中でも特にシロキサン系樹脂が最も好ましい。
さらに電気特性や画質維持性などの観点からは、架橋構造を有する樹脂は、電荷輸送性を有している(電荷輸送能を有する構造単位を含む)ことが好ましい。この場合、図3に示すような積層構成型の潜像担持体では、保護層15が、電荷輸送層14の一部として機能することもできる。
このような電荷輸送能を有する構造単位を含み、且つ、架橋構造を有する樹脂を構成する電荷輸送能を有する構造単位は、下記一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される誘導体であることが強度や安定性に優れ特に好ましい。また、同様の観点から、電荷輸送能を有する化合物が、下記一般式(I)や(II)で示される化合物から誘導される誘導体であってもよい。
・一般式(I) F−[D−Si(R2(3-a)ab
但し、一般式(I)中、Fは正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、Dは可とう性サブユニット、R2は水素、アルキル基、または、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。
・一般式(II) F’−(R1−ZH)m
但し、一般式(II)中、F’は正孔輸送能を有する化合物から誘導される有機基、R1はアルキレン基、Zは酸素原子、硫黄原子またはNH、mは1〜4の整数を示す。
なお、一般式(I)中のDで示される可とう性サブユニットとしては、−(CH2)n−基を必ず含み、これに−COO−、−O−、−CH=CH−、−CH=N−基を組み合わせた2価の直鎖基であってもよい。なお、−(CH2)n−基のnは1〜5の整数を表す。また、Qで表される加水分解性基としては、−OR基(但し、Rはアルキル基を表す)を表す。
また、一般式(I)や(II)で示される化合物の有機基F、有機基F’は、特に下記一般式(III)で示される化合物から誘導される有機基であることが特に好ましい。
Figure 2006078774
但し、一般式(III)中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を表し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を表し、kは0または1である。
ここで、kが1の場合は、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される結合基と結合可能な結合手を有し、kが0の場合は、Ar1、Ar2、Ar5のうち1〜2個は、一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される結合基と結合可能な結合手を有する。
Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換または未置換のアリール基を示すが、具体的には、下記構造群1に示されるものが好ましい。
Figure 2006078774
なお、構造群1中に示されるArは下記構造群2から選択されるものが好ましく、Z’は下記構造群3から選択されるものが好ましい
Figure 2006078774
Figure 2006078774
また、構造群1中に示されるR6は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、または、炭素数7〜10のアラルキル基から選択され、R7〜R13は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、または、ハロゲンから選択される。
また、mおよびsは0または1を表わし、qおよびrは1から10の整数、tは1から3の整数を示す。ここで、Xは一般式(I)中に示した−D−Si(R2(3-a)aで表わされる基を示す。
また構造群3中に示されるWは下記構造群4で示されるものが好ましい。なお、構造群4中、s’は0〜3の整数を示す。
Figure 2006078774
また、一般式(III)におけるAr5の具体的構造としては、k=0の時は、上記構造群1に示したAr1〜Ar4のm=1の構造が、k=1の時は、上記構造群1に示したAr1〜Ar4のm=0の構造が挙げられる。
なお、一般式(III)で示される化合物の具体例としては、以下の表1〜7に示す化合物(III−1)〜(III−61)を挙げることができるが、本発明に用いられる一般式(III)で示される化合物は、これらのみに限定されるものではない。
また、表1〜7中の「Ar1」〜「Ar5」の欄に示される構造式中、ベンゼン環に結合する“−S”基は、表1〜7中の「S」の欄に示される一価の基(一般式(I)中の−D−Si(R2(3-a)aで表される構造に相当する基)を意味する。
Figure 2006078774
Figure 2006078774
Figure 2006078774
Figure 2006078774
Figure 2006078774
Figure 2006078774
Figure 2006078774
一般式(II)に示す化合物の具体例としては、下記構造式(II)−1〜(II)−23に示す化合物を例示することができるが、一般式(II)に示す化合物としてはこれらのみに限定されるものではない。
Figure 2006078774
Figure 2006078774
Figure 2006078774
また、最表面層の強度を高めるために、架橋構造を有する樹脂を含む最表面層の形成に際し、一般式(IV)に示すような2つのケイ素原子を有する化合物を用いることも好ましい。
・一般式(IV) B―(Si(R2(3-a)a2
但し、一般式(IV)中、Bは2価の有機基、R2は水素、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を表わす。
具体的には、以下の表8に示す化合物が好適な例として挙げられるが、一般式(IV)に示される化合物はこれらのみに限定されるものではない。
Figure 2006078774
また、最表面層の強度や電気抵抗などの種々の物性をコントロールするために、架橋構造を有する樹脂を含む最表面層の形成に際し、下記一般式(V)で示される化合物を利用することもできる。
・一般式(V) Si(R2(4-c)c
但し、一般式(V)中、R2は水素、アルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わし、cは1〜4の整数を表わす。
一般式(V)で示される化合物の具体例としては以下のようなシランカップリング剤があげられる。
一般式(V)において、c=4である化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の四官能性アルコキシシランを挙げることができる。
一般式(V)において、c=3である化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン等の三官能性アルコキシシランを挙げることができる。
一般式(V)において、c=2である化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等の二官能性アルコキシシランを挙げることができる。
一般式(V)において、c=1である化合物の具体例としては、トリメチルメトキシシラン等の1官能アルコキシシラン(c=1)等を挙げることができる。
これらのシランカップリング剤の中でも、最表面層の強度を向上させるためには3または4官能性のアルコキシシランが好ましく、可とう性、成膜性を向上させるためには2または1官能のアルコキシシランが好ましい。
また、主にこれらのカップリング剤より作製されるシリコン系ハードコート剤も用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、およびAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)などを用いることができる。
また、最表面層形成用溶液のポットライフの長寿命化や、最表面層の硬度等の特性のコントロールのため、下記一般式(VI)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物、もしくはその化合物の誘導体を利用することもできる。
Figure 2006078774
但し、一般式(VI)中、A1、A2はそれぞれ独立に一価の有機基を示す。このような一般式(VI)で示される繰り返し構造単位を持つ環状化合物としては、市販の環状シロキサンをあげることができる。
具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等をあげることができる。
これらの環状シロキサン化合物は単独で用いても良いが、それらを混合して用いても良い。
また、最表面層の放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、トルク低減、磨耗量コントロールや、最表面層形成用溶液に粒子状の材料を添加する場合の粒子分散性や、最表面層形成用溶液の粘度のコントロール、ポットライフの長寿命化などの目的で、アルコール系やケトン系の溶剤、あるいはこれら以外の溶剤に溶解する種々の樹脂を利用するができる。
これらの樹脂は、最表面層の形成に際して、上述した一般式(I)〜(VI)に示すような材料と反応して架橋構造を有する樹脂を構成するものであってもよい。特に、最表面層形成用溶液に含まれる樹脂が架橋構造を有するシロキサン系樹脂を形成する場合には、アルコールに溶解する樹脂を利用することが好ましい。
アルコール系、ケトン系の溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
上記樹脂の重量平均分子量は2000〜100000の範囲内が好ましく、5000〜50000の範囲内がさらに好ましい。重量平均分子量が2000より小さいと所望の効果が得られなくなる場合がある。また、重量平均分子量が100000より大きいと溶解度が低くなるため、最表面層形成用溶液中の樹脂の添加量が限られてしまったり、最表面層形成用溶液を塗布して塗膜を形成する場合に成膜不良を引き起こしたりする場合がある。
最表面層形成用溶液中の樹脂の添加量は1〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜30重量%であり、5〜20重量%が最も好ましい。1重量%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなる場合があり、40重量%よりも多くなると高温高湿下での画像ボケ・白抜けが発生しやすくなる場合がある。
更に、潜像担持体表面の耐汚染物付着性や、潤滑性を改善するために、最表面層形成用溶液中には各種の微粒子を添加することもできる。これら微粒子は、単独で用いることもできるが、併用してもよい。
このような微粒子の一例としては、ケイ素含有微粒子を挙げることができる。ケイ素含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカおよびシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径が1〜100nmであることが好ましく、10〜30nmであることがより好ましい。このコロイダルシリカは、酸性もしくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものが利用でき、一般に市販されているものを使用することができる。
最表面層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性、電気特性、強度の面から最表面層の全固形分中の0.1〜50重量%の範囲内が好ましく、0.1〜30重量%の範囲内がより好ましい。
また、ケイ素含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径が1〜500nmの範囲内であることが好ましく、10〜100nmの範囲内であることがより好ましい。このようなシリコーン微粒子としては、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子から選択でき、一般に市販されているものを使用することができる。
シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂マトリックスへの分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、最表面層の形成に際して架橋反応により架橋構造を有する樹脂の生成を阻害することなく、潜像担持体の表面性状を改善することができる。
即ち、シリコーン微粒子は、架橋構造を有する樹脂の強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、潜像担持体表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。
潜像担持体の最表面層中のシリコーン微粒子の含有量は、最表面層の全固形分中の0.1〜30重量%の範囲内であることが好ましく0.5〜10重量%の範囲内がより好ましい。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子を用いることができ、さらにこれらフッ素樹脂と水酸基を有するモノマーとを共重合させた樹脂からなる微粒子(例えば、第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p89参照)や、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物をあげることができる。
また、最表面層形成用溶液中には同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。
シリコンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコンオイル等をあげることができる。
また、可塑剤、表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤を使用することもできる。
可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブチルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。本発明中の樹脂層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
酸化防止剤としては以下のような化合物、例えば、ヒンダートフェノール系として「Sumilizer BHT−R」、「Sumilizer MDP−S」、「Sumilizer BBM−S」、「Sumilizer WX−R」、「Sumilizer NW」、「Sumilizer BP−76」、「Sumilizer BP−101」、「Sumilizer GA−80」、「Sumilizer GM」、「Sumilizer GS」以上、住友化学社製;、「IRGANOX1010」、「IRGANOX1035」、「IRGANOX1076」、「IRGANOX1098」、「IRGANOX1135」、「IRGANOX1141」、「IRGANOX1222」、「IRGANOX1330」、「IRGANOX1425WL」、「IRGANOX1520L」、「IRGANOX245」、「IRGANOX259」、「IRGANOX3114」、「IRGANOX3790」、「IRGANOX5057」、「IRGANOX565」以上、チバスペシャリティーケミカルズ社製;、「アデカスタブAO−20」、「アデカスタブAO−30」、「アデカスタブAO−40」、「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」、「アデカスタブAO−70」、「アデカスタブAO−80」、「アデカスタブAO−330」以上、旭電化製;を挙げることができる。
また、ヒンダートアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」、「スミライザーTPS」、チオエーテル系として「スミライザーTP−D」、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP・8」、「マークPEP・24G」、「マークPEP・36」、「マーク329K」、「マークHP・10」以上;が挙げらる。
これら酸化防止剤の中でも、特にヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。
さらに、これら酸化防止剤は架橋構造を有する樹脂を形成する材料と架橋反応可能なアルコキシシリル基などの置換基で変性したものであってもよい。
また、より潤滑性を向上させる目的で活性水素を有する基を側鎖に複数有し、かつ、フッ素原子もしくはシリコーン結合を有する樹脂を添加することもできる。
このような樹脂としては、例えば、SG204(日本触媒社製)、ZX−007C、ZX022、ZX022H、ZX022G(富士化成工業社製)、モディパーシリーズ(日本油脂株式会社製)、セフラルコートシリーズ(セントラル硝子社製)などがあげられる。また、目的に応じ適宜合成することも可能である。
活性水素を有する基を側鎖に複数有し、かつ、フッ素原子もしくはシリコーン結合を有する樹脂を添加することで、放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、磨耗量コントロール、クリーニングシステムの寿命延長などの効果が得られると共に、この樹脂を用いた最表面層形成用溶液のポットライフを延長することもできる。
さらに、この樹脂は活性水素を側鎖に複数有するため、架橋構造を有する樹脂に対して化学結合を形成することができるため、最表面層中にこれらの樹脂が均一に分散しやすくなり、上記効果を長期にわたって持続させることが出来るようになる、塗布時の欠陥が減少するなどの効果が得られる。
更に活性水素を側鎖に複数有し、かつ、フッ素原子もしくはシリコーン結合を有する樹脂を用いることで、最表面層形成用溶液に対する添加量が限られていたフッ素系の材料、シリコーン系の材料も、最表面層の形成に際して、塗膜の欠陥を生じることなく多量に添加出来るようになるという効果も得られる。
上記の効果は、活性水素を側鎖に複数有し、かつ、フッ素原子もしくはシリコーン結合を有する樹脂を最表面層形成用溶液中に単純に添加することで発揮することが出来る。また、特に架橋構造を有する樹脂が、珪素原子を有する化合物またはその加水分解物または加水分解縮合物の少なくとも一種以上を含むシロキサン系樹脂からなる場合は、最表面層形成用溶液の調整を以下のように行うことによって更に上記の効果をより発揮させることが出来る。
加水分解性置換基にはクロルシリル基、アルコキシシリル基、アセトキシシリル基、エノキシシリル基、アミノシリル基等が用いられるが、その中で最も一般的に用いられるのがアルコキシシリル基である。
また、アルコキシシリル基の加水分解の反応性はアルコキシ基の炭素数に由来し、炭素数が小さい程加水分解の反応性が高い事が知られている。
保護基の交換は有機けい素化合物を単独、もしくは無機材料前駆体と共に、少なくとも所望の保護基前駆体を含む系中で反応させることにより実施される。ここで、アルコキシシリル基の場合を例にとると、保護基前駆体とはアルコールを意味し、炭素数の小さいアルコールを用いることにより、加水分解性の高い保護基に変換することが可能であり、炭素数の大きいアルコールを用いることにより、加水分解性の低い保護基に変換することが可能である。
本活性水素を有する基を側鎖に複数有しかつ、フッ素原子もしくはシリコーン結合を有する樹脂はこの場合、この樹脂は炭素数の大きいアルコール、すなわち加水分解性の低い保護基として考えることが出来、保護基の交換反応を行うことにより、電荷輸送能を有する化合物等と化学結合を有するようになるためそれぞれの親和性が高くなり、製膜性の向上につながる。また、後に行われる加水分解においてはその加水分解性の低さゆえに電荷輸送能を有する化合物等との化学結合が加水分解により切れることはほとんどない。これら一連の過程は種々の分析手段により確認可能であるが、GPC、NMR、TLC(薄層クロマトグラフィー)等による方法が簡便である。
その際、適切な触媒を用いることにより、効率よく保護基の交換を行うことができる。用いる触媒としては、加水分解の際に用いる触媒と同様なものを用いることができる、以下にあげるものを好ましい例としてあげることができるが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
活性水素を側鎖に複数有し、かつ、フッ素原子もしくはシリコーン結合を有する樹脂はアルコール系、ケトン系の溶剤に可溶のものが均一分散性、塗布液安定性、塗布性などの面で好ましい。
上記樹脂の分子量は2000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましい。分子量は2000より小さいと所望の効果が得られなくなり、100000より大きいと溶解度が低くなり添加量が限られてしまったり、塗布時に成膜不良の原因になったりする。
この樹脂は、最表面層形成用溶液に含まれる架橋構造を有する樹脂の前駆体と併用されるものであるが、最表面層形成用溶液に対する添加量は1〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは5〜30重量%である。1重量%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなり、40重量%よりも多くなると高温高湿下での画像ボケ・白抜けが発生しやすくなる場合がある。また、この樹脂は、2種類以上を混合して用いてもよい。
最表面層形成用溶液もしくは最表面層形成用溶液作製時に触媒を添加もしくは用いることが好ましい。
用いられる触媒としては塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などの無機酸、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリエチルアミンなどのアルカリ触媒、さらにいかに示すような系に不溶な固体触媒を用いることもできる。
アンバーライト15、アンバーライト200C、アンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26−C、デュオライトC−433、デュオライト−464(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(O3PCH2CH2SO3H)2,Th(O3PCH2CH2COOH)2などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など複合系金属酸化物;酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなどの粘土鉱物;LiSO4,MgSO4などの金属硫酸塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン酸塩;LiNO3,Mn(NO32などの金属硝酸塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコーン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。
また、最表面層形成用溶液の作製の際に、光機能性化合物、反応生成物、水、溶剤などに不溶な固体触媒を用いると、この溶液の安定性が向上する傾向にあるため好ましい。
なお、当該不溶な固体触媒とは、触媒成分が一般式(I)で示される化合物や、一般式(II)で示される化合物を形成するための材料、他の添加剤、水、溶剤等に不溶であれば特に限定されない。
これらの固体触媒の使用量は特に制限されないが、一般式(I)等に示す加水分解性基を有する化合物の合計100重量部に対して0.1〜100重量部が好ましい。また、これらの固体触媒は、前述の通り、原料化合物、反応生成物、溶剤などに不溶であるため、反応後、常法にしたがって容易に除去することができる。反応温度及び反応時間は原料化合物や固体触媒の種類及び使用量に応じて適宜選択されるものであるが、反応温度は通常0〜100℃、好ましくは10〜70℃、より好ましくは15〜50℃であり、反応時間は好ましくは10分〜100時間である。反応時間が前記上限値を超えるとゲル化が起こりやすくなる傾向にある
最表面層形成用溶液の作製工程において、この溶液に不溶な触媒を用いた場合は、強度、液保存安定性などを向上させる目的で、さらにこの溶液に溶解する触媒を併用することが好ましい。
そのような触媒としては、前述のものに加え、アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリ(sec−ブチレート)、モノ(sec−ブトキシ)アルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセチルアセトネート)、アルミニウムイソプロポキシ−ビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(トリフルオロアセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(ヘキサフルオロアセチルアセトネート)等の有機アルミニウム化合物を使用することができる。
また、有機アルミニウム化合物以外の触媒としては、ジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の有機ズズ化合物;チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等の有機チタニウム化合物;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等のジルコニウム化合物;等も使用することができる。
しかし、安全性、低コスト、ポットライフ長さの観点から、有機アルミニウム化合物を使用するのが好ましく、特にアルミニウムキレート化合物がより好ましい。
これらの触媒の使用量は特に制限されないが、加水分解性基を有する化合物の合計100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.3〜10重量%が特に好ましい。
また、本発明において有機金属化合物を触媒として用いた場合は、ポットライフ、硬化効率の面から、共に多座配位子を添加することが好ましい。このような多座配位子としては、以下に示すような化合物及びこの化合物から誘導される誘導体を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
具体的には、アセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ジピバロイルメチルアセトン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアセト酢酸エステル類;ビピリジン及びその誘導体;グリシン及びその誘導体;エチレンジアミン及びその誘導体;8−オキシキノリン及びその誘導体;サリチルアルデヒド及びその誘導体;カテコール及びその誘導体;2−オキシアゾ化合物等の2座配位子;ジエチルトリアミン及びその誘導体;ニトリロトリ酢酸及びその誘導体等の3座配位子;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びその誘導体等の6座配位子;等を挙げることができる。
さらに、上記のような有機系配位子の他、ピロリン酸、トリリン酸等の無機系の配位子を挙げることができる。多座配位子としては、特に2座配位子が好ましく、具体例としては、上記の他、下記一般式(VII)で表される2座配位子が挙げられる。
中でも下記一般式(VII)で表される2座配位子がより好ましく、下記一般式(VII)中のR5とR6との構造が同一のものが特に好ましい。R5とR6との構造を同一にすることで、室温付近での配位子の配位力が強くなり、最表面層形成用溶液のさらなる安定化を図ることができる。
Figure 2006078774
なお、一般式(VII)中、R5、R6はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、もしくはフッ化アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。
多座配位子の配合量は、任意に設定することができるが、用いる有機金属化合物の1モルに対し、0.01モル以上、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは1モル以上とするのが好ましい。
最表面層形成用溶液は、溶媒を用いずに、上述した一般式(I)等に示すような有機ケイ素化合物等の種々の原料のみを用いて調整することもできるが、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等の他、種々の溶媒が使用できる。
このような溶媒としては、沸点が100℃以下のものが好ましく、任意に混合して使用することができる。溶媒量は任意に設定できるが、少なすぎると有機ケイ素化合物が析出しやすくなるため、有機ケイ素化合物1重量部に対し0.5〜30重量部の範囲内で用いることが好ましく、1〜20重量部の範囲内で用いることがより好ましい。
最表面層形成用溶液を用いて塗膜を形成した後、架橋・硬化させて最表面層を形成する際の反応温度及び反応時間は特に制限されないが、形成される架橋構造を有する樹脂を含む最表面層の機械的強度及び化学的安定性の点から、反応温度は好ましくは60℃以上であることが好ましく、80〜200℃の範囲内であることがより好ましく、反応時間は好ましくは10分〜5時間である。
また、塗膜の架橋・硬化により得られる最表面層を高湿度状態に保つことは、最表面層の特性の安定化を図る上で有効である。さらには、用途に応じてヘキサメチルジシラザンやトリメチルクロロシランなどを用いて最表面層に表面処理を施して疎水化することもできる。
なお、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂は、優れた機械強度を有する上に光電特性も十分であるため、これをそのまま積層型の潜像担持体の電荷輸送層を形成する材料として用いることもできる。
この場合、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂の前駆体材料を含む塗工液を、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の塗布形成方法を用いることにより塗布膜を形成し、乾燥、加熱処理を経て電荷輸送層を形成することができる。
但し、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なっても良いし、複数回重ね塗布した後でも良い。
なお、本発明に用いられる潜像担持体の感光層が単層型である場合は、この感光層は、既述した電荷発生物質と、一般式(I)等に示したような架橋構造を有する樹脂が形成可能な材料とを少なくとも含む単層型感光層形成用溶液を用いて形成してもよい。この場合、形成される単層型感光層の適度な弾性や柔軟性を確保するために、架橋構造を形成しない樹脂(結着樹脂)を併用することが好ましい。
結着樹脂としては、前記電荷発生層および電荷輸送層に用いられる結着樹脂と同様の材料を用いることができる。単層型感光層中の電荷発生物質の含有量は、10〜85重量%の範囲内であることが好ましく20〜50重量%の範囲内であることが好ましい。また、単層型感光層には、光電特性を改善する等の目的で電荷輸送物質や高分子電荷輸送物質を添加してもよい。その添加量は5〜50重量%とすることが好ましい。
単層型感光層形成用溶液に用いる溶剤や、この溶液の塗布方法は、上記と同様のものを用いることができる。形成される単層型感光層の膜厚は5〜50μmの範囲内が好ましく、10〜40μmの範囲内がより好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
[複合粒子の作製]
<複合粒子A>
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製、スノーテックスS(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、平均粒子径7.9nm]20.7部、水720部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.7に調整した。
次に、上記混合物を撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物を含む水溶液を調製した。次に温度70℃を維持したまま、得られた初期縮合物を含む水溶液にドデシルベンゼンスルホン酸を10重量%含む水溶液を添加してpHを7.0に調整した。約20分後に反応系内が白濁して、硬化したメラミン樹脂中にシリカ微粒子が分散した粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して白色の複合粒子Aを得た。
得られた複合粒子Aの体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、0.3μmであった。また、個数平均粒子径d50は0.27μmであり、小径側粒子比率(粒径が(1/2)×d50以下の粒子数/全粒子数)は5個数%、大径側粒子比率(粒径が(3/2)×d50以上の粒子数/全粒子数)は15個数%であった。
この複合粒子Aをそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、およびスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギ−分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、その形状は球状で、かつ、コロイダルシリカが複合粒子Aの表面付近に偏在していることが確認された。また、複合粒子Aの表面は、凸凹しており、凸部はコロイダルシリカによって形成されていることが確認された。
<複合粒子B>
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日本アエロジル(株)製、RY40(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、平均粒子径40nm]20.7部、水720部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.5に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物を含む水溶液を調製した。
次に、温度70℃を維持したまま、得られた初期縮合物を含む水溶液にドデシルベンゼンスルホン酸を10重量%含む水溶液を添加してpHを7.0に調整した。約25分後に反応系内が白濁して、硬化したメラミン樹脂中にシリカ微粒子が分散した粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して白色の複合粒子Bを得た。
得られた複合粒子Bの体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、1.65μmであった。また、個数平均粒子径d50は1.5μmであり、小径側粒子比率(粒径が(1/2)×d50以下の粒子数/全粒子数)は10個数%、大径側粒子比率(粒径が(3/2)×d50以上の粒子数/全粒子数)は7個数%であった。
この複合粒子Bをそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、およびスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギ−分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、その形状は球状で、かつ、コロイダルシリカが複合粒子Aの表面付近に偏在していることが確認された。また、複合粒子Bの表面は、凸凹しており、凸部はコロイダルシリカによって形成されていることが確認された。
<複合粒子C>
撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を装備した2Lの反応フラスコに、メラミン50.0部、37%ホルマリン96.5部、水性シリカゾル[日産化学工業(株)製、スノーテックスS(商品名):SiO2濃度30.5重量%、pH10.0、平均粒子径7.9nm]133.5部、水1820部を仕込み、25%アンモニア水にてpHを8.5に調整した。その後、上記混合物を撹拌しながら昇温し、温度を70℃に保ち、30分反応させてメラミン樹脂の初期縮合物を含む水溶液を調製した。
次に、温度70℃を維持したまま、得られた初期縮合物を含む水溶液にドデシルベンゼンスルホン酸を10重量%含む水溶液を添加してpHを7.0に調整した。約25分後に反応系内が白濁して、硬化したメラミン樹脂中にシリカ微粒子が分散した粒子が析出した。その後、温度を90℃まで昇温して3時間硬化反応を続けた。冷却後、得られた反応液を濾過、乾燥して白色の複合粒子Cを得た。
得られた複合粒子Cの体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、0.05μmであった。個数平均粒子径d50は0.03μmであり、小径側粒子比率(粒径が(1/2)×d50以下の粒子数/全粒子数)は15個数%、大径側粒子比率(粒径が(3/2)×d50以上の粒子数/全粒子数)は10個数%であった。
この複合粒子Cをそのままの状態で走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、およびスライス片の状態で透過型電子顕微鏡−エネルギ−分散型X線分析(TEM−EDX)にて観察したところ、その形状は球状で、かつ、コロイダルシリカが複合粒子Aの表面付近に偏在していることが確認された。また、複合粒子Cの表面は、凸凹しており、凸部はコロイダルシリカによって形成されていることが確認された。
<複合粒子D>
1Lビーカーに、メタノール500部、メチルトリエトキシシラン10部を投入し、更に複合粒子A100部を投入して攪拌し、エバポレーターでメタノールを留去した後、取り出した粒子に120℃で1時間の加熱を施して疎水化処理された複合粒子Dを得た。
得られた複合粒子Dの体積平均粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置[マスターサイザー2000(商品名)マルバーン社製]で測定したところ、0.3μmであった。また、個数平均粒子径d50は0.27μmであり、小径側粒子比率(粒径が(1/2)×d50以下の粒子数/全粒子数)は4個数%、大径側粒子比率(粒径が(3/2)×d50以上の粒子数/全粒子数)は18個数%であった。
−トナーおよび現像剤の作製−
なお、以下のトナーおよび現像剤の作製において、トナーの体積平均粒子径、および、形状係数SFは既述した測定装置、測定方法を利用して求めた。
[トナー母粒子の製造]
(樹脂微粒子分散液の調整)
スチレン370g,n−ブチルアクリレート30g,アクリル酸8g、ドデカンチオール24g四臭化炭素4gを混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。
続いてフラスコ内の窒素置換を行った後、フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、平均粒径150nmであり、ガラス転移温度Tg=58℃、重量平均分子量Mw=11500の樹脂粒子が分散された樹脂微粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40重量%であった。
(着色剤分散液(1)の調整)
・カーボンブラック(モーガルL:キャボット製):60g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):6g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤(1)を調整した。
(着色剤分散液(2)の調整)
・Cyan顔料(C.I.ピグメント・ブルー15:3):60g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(2)を調整した。
(着色剤分散液(3)の調整)
・Magenta顔料(C.I.ピグメント・レッド122):60g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(3)を調整した。
(着色分散液(4)の調整)
・Yellow顔料(C.I.ピグメント・イエロー180):90g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(4)を調整した。
(離型剤分散液)
・パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃):100g
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):5g
・イオン交換水:240g
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
<トナー母粒子K1の調整>
・樹脂微粒子分散液:234部
・着色剤分散液(1):30部
・離型剤分散液:40部
・ポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、Paho2S):0.5部
・イオン交換水:600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。
40℃で30分保持した後、体積平均粒子径が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、体積平均粒子径は5.3μmとなった。その後、この凝集体粒子を含む分散液に26重量部の樹脂微粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。
この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを5.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子K1を得た。トナー母粒子K1の体積平均粒子径が6.2μm、形状係数SFは109であった
<トナー母粒子C1の調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(2)を用いた以外はトナー母粒子K1の作製と同様にしてトナー母粒子Cを得た。このトナー母粒子C1の体積平均粒子径は6.1μm,平均形状係数SFは110であった。
<トナー母粒子M1の調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(3)を用いた以外はトナー母粒子K1の作製と同様にしてトナー母粒子M1を得た。このトナー母粒子M1の体積平均粒子径は6.0μm,平均形状係数SFは114であった。
<トナー母粒子Y1の調整>
着色粒子分散液(1)のかわりに、着色粒子分散液(4)を用いた以外はトナー母粒子K1の作製と同様にしてトナー母粒子Y1を得た。このトナー母粒子Y1の体積平均粒子径は6.0μm,平均形状係数SFは108であった。
[キャリヤの製造]
・フェライト粒子(平均粒径:50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン/メタクリレート共重合体(成分比(重量比):90/10):2部
・カーボンブラック(R330:キャボット社製):0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した芯材被覆用のコーティング液を調整し、次に、このコーティング液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
トナー母粒子としてK1,C1,M1,Y1を用い、トナー100重量部に対して、外添剤として、表9に組成・物性等の概要を示した複合粒子、メラミン樹脂粒子、流動化剤(SiO2)を、以下の表10に示す組合せとなるように5Lヘンシェルミキサーで周速30m/s×15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、外添剤の組成が各々異なるトナー1〜6を得た。
また、キャリア100部とこのトナー5部をV−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより各々のトナー1〜6を用いた現像剤1〜6を得た。
Figure 2006078774
Figure 2006078774
<感光体の作製>
−感光体1の作製−
(潜像担持体1の作製)
円筒状のAl基体をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さがRzで0.6μmとなるように調整した。次にこのAl基体の外周面を有機溶剤で脱脂処理し、続いて2重量%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理した後に、Al基体表面に残留するアルカリ成分を中和処理し、更に純水洗浄を行った。
次に、10重量%硫酸溶液を用いてAl基体の外周面を陽極酸化処理して陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm2)を形成した。続いて、水洗した後、80℃に保持した1重量%酢酸ニッケル溶液中にAl基体を20分間浸漬して封孔処理を行い、更に純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、Al基体の外周面にに膜厚7μmの陽極酸化膜(下引き層)を形成した。
次に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニンの1重量部、ポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学)1重量部、および、酢酸n−ブチル100重量部を混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散した後に得られた塗布液を下引き層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
続いて、下記の左側に示される構造のベンジジン化合物2重量部と、下記の右側に示される高分子化合物(粘度平均分子量=39,000)2重量部とをクロロベンゼン20重量部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布した後、110℃、40分の加熱処理を行なって膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、直径30mmの潜像担持体1(感光体1)を得た。
Figure 2006078774
−感光体2の作製−
電荷発生層の形成までは感光体1と同様に作製した。次に、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン40部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量40,000)60重量部とをテトロヒドロフラン280重量部及びトルエン120重量部に十分に溶解混合した後、4フッ化エチレン樹脂粒子10重量部を加え、さらに混合した。このとき、室温を25℃に設定し、混合時における液温度を25℃に保った。その後、ガラスビーズを用いたサンドグラインダーにて分散し、4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を作製した。このとき、サンドクラインダーのベッセルに24度の水を流し、分散液の温度を50度に保持した。
このようにして得られた4フッ化エチレン樹脂粒子分散液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布し、乾燥することにより、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、感光体2を得た。
−感光体3の作製−
下記に示す構成材料を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン3部、蒸留水0.3部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
−構成材料−
・化合物1(下記に示す化合物):2部
・メチルトリメトキシシラン:2部
・テトラメトキシシラン:0.5部
・コロイダルシリカ:0.3部
Figure 2006078774
加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4部を加え、このコーティング液を感光体1表面(電荷輸送層表面)にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚約3μmの表面層を形成し、感光体3を得た。
−画像形成装置−
評価に用いた画像形成装置は、導電性ファーブラシの代わりにブレードクリーナーが設けられている以外は主要部の構成が図1とほぼ同様の構成を有するFUJI XEROX製Docu Center Color 400機をベースにし、ブレードクリーナが設置されていたスペースに、(A)導電性ファーブラシ(回転ブラシ)を取り付けた改造機(主要部が図1に示す構成)、(B)2つの導電性ファーブラシ(回転ブラシ+固定ブラシ)を取り付けた改造機(主要部が図2に示す構成)、(C)ブレードクリーナを取り除いた改造機(主要部が図3に示す構成)の3種類を用いた。なお、これら改造機におけるトナーの正規の極性はマイナス極性である。
導電性ファーブラシ(回転ブラシ)は、ベルトロンB12N(鐘紡(株)社製)、繊維太さは2デニール、ブラシ毛密度は12×103本/inch2、ブラシ毛長さ3mm(接着層含む))を用い、感光体に対する進入量を0.5mmに設定した。この回転ブラシの回転方向は感光体回転方向と逆方向で、感光体に対する周速比は1.0に設定し回転ブラシに印加する電圧は−0.8〜−1.2Kvで適宜調整した。
また、固定ブラシは回転ブラシと同一材質の繊維を用い、ブラシ毛密度は40×103本/inch2、ブラシ毛長さ5.5mm(接着層含む)、感光体に対する進入量0.5mm、接触幅5mmに設定し、固定ブラシに印加する電圧は+200Vとした。
帯電ロールはφ10mmのソフトロール(鈴鹿富士ゼロックス社製)を用い、帯電ロールへの印加電圧は、直流成分−570V、感光体/帯電ロール間の電流値が0.8mAと一定になるように交流電界を制御した。交流電界の周波数は614Hzである。
また、転写効率をさらに良くするために、転写部において感光体と中間転写ベルトとの速度差を3%とした。また、感光体周速度に対する中間転写ベルト速度の比(中間転写ベルト速度/感光体周速度)を1.03に設定した。さらに、帯電調整ブラシに溜滞留した逆極性のトナーを清掃するクリーニングサイクルを、100枚に1回の割合で設けた。
その時、回転ブラシに−400Vを印加し、+帯電のトナーを感光体上に放出し、この時帯電ロールには交流電界のみかかり、直流電圧はかけない。また転写電界の極性を反転させて中間転写ベルト上にトナーを転写し、中間転写ベルトの外周面に装着されているブレードクリーナにて回収した。
以上に説明したような図1〜3に示す画像形成装置を用いて、回転ブラシの印加電圧と、感光体と、外添剤組成を変えたトナーとを以下の表11に示すように組合せて画像形成テストを実施した。
なお、画像形成テストは、フルカラーモードにて低温低湿(10℃、15%RH)下で10万枚画像形成後、続いて、高温高湿(28℃、85%RH)下で10万枚画像形成し、この際のトナーの回収性、感光体表面の傷、感光体フィルミング(トナー融着)、接触帯電ロール汚染、画像ボケを観察した。結果を表12に示す。
Figure 2006078774
Figure 2006078774
−評価方法−
なお、表12中に示す各評価項目の評価方法および評価基準は以下の通りである。
〔トナー回収性(ゴースト)〕
現像機で回収されないトナーはゴースト現象として画像に現れるため、ソリッドチャート、および、ストレスチャートとして3色重ね合わせの縦ラインのチャートを流し、それぞれのゴーストを評価した。判断基準は以下の通りである。
◎:ストレスチャートでもゴースト全くなし。
○:ソリッドチャートはゴースト無し、ストレスチャートで軽微なゴーストが見られるが、2サイクル目で消滅する。
△:ソリッドチャートはゴースト無し、ストレスチャートでゴーストが見られ、2サイクル目で消滅しない。
×:ソリッドチャートでも明らかにゴーストが分かるレベルで、画質上NGと判断される。
〔感光体傷〕
感光体傷は、表面粗さ計(東京精密(株)製Surfcom1400A)での10点平均粗さ(Rz)を測定を行い評価した。判断基準は以下の通りである。
○:Rzが3.0μm以下。
△:Rzが3.0μmを超え3.5μm未満(画質的に問題ないレベル)。
×:Rzが3.5μm以上(画像上に白筋発生)。
〔感光体上トナー融着(感光体フィルミング)〕
走行後の感光体上フィルミングは目視観察による官能評価にて判断した。判断基準は以下の通りである。
○:固着全くなし。
△:固着が多少あるが、画質に影響の出ないレベル。
×:表面に明らかに固着があり、色筋、白筋として画質に現れる。
〔帯電器汚染〕
走行後の接触帯電器のトナーによる汚染は目視観察による官能評価にて判断した。判断基準は以下の通りである。
○:固着全くなし。
△:固着が多少あるが、画質に影響の出ないレベル。
×:表面に明らかに固着があり、白筋として画質に現れる。
〔高温高湿度下の画像ボケ〕
画像ボケは、以下のように評価した。まず、高温高湿環境(28℃、85%RH)下でハーフトーン画像(画像密度30%)を10万枚プリントし終えた後に、水溶性である放電生成物を除去するため感光体表面の一部分のみを水拭きした。
その後、再度ハーフトーン画像(画像密度30%)をプリントし、反射型濃度測定機(X−rite)により、感光体表面の水拭きした箇所と水拭きしていない箇所とに対応する画像部分の濃度差(ΔSAD)を測定し、以下の判断基準で評価した。
画像ボケ(文字滲み)は、感光体表面の水拭き後にプリントしたハーフトーン画像の濃度差を対応しているため、この評価法で代用した。なお、白抜けは、画像ボケと同様に、放電生成物に起因して発生するものであるため、定量的評価が容易な画像ボケの評価を以って代用評価した。
○:ΔSADが0.15以下。
△:ΔSADが0.15を超え0.4未満。
×:ΔSADが0.4以上。
本発明の画像形成装置の構成例を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の他の構成例を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置に用いられる潜像担持体の構成例を示す模式断面図である。 比較例に用いた画像形成装置の構成を示す模式断面図である。
符号の説明
1 潜像担持体(感光体)
11 導電性基体
12 下引き層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
15 保護層
16 感光層
100、101、102 画像形成装置
110 潜像担持体(感光体)
111 帯電ロール
112 露光装置
113 現像器
113a 現像ロール(磁気ブラシ担持体)
114 転写ローラ
116 導電性ファーブラシ(回転ブラシ)
118 導電性ファーブラシ(固定ブラシ)
120 中間転写ベルト

Claims (8)

  1. 潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成工程と、現像手段から供給されるトナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを導電性ファーブラシにより一時的に回収し帯電状態を調整する帯電調整工程と、前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを前記潜像担持体表面に排出し現像手段により回収するトナー回収工程とを少なくとも含み、
    前記導電性ファーブラシにより回収された前記残留トナーを、前記導電性ファーブラシによりその極性を反転させた後に前記潜像担持体表面に排出する画像形成方法であって、
    前記トナーが、樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させた複合粒子を含むことを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記複合粒子の体積平均粒径が0.05〜2μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記複合粒子の個数平均粒子径をd50とした時に、前記複合粒子の粒度分布において、全粒子数に対する粒径が(1/2)×d50以下である粒子数の割合、および、全粒子数に対する粒径が(3/2)×d50以上である粒子数の割合が、それぞれ20個数%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記無機微粒子が、前記複合粒子表面に凸部を形成するように前記複合粒子表面近傍に分散していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに1つに記載の画像形成方法。
  5. 前記複合粒子が、窒素元素を含有する樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに1つに記載の画像形成方法。
  6. 前記窒素原子を含有する樹脂が、メラミン樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の画像形成方法。
  7. 下式(1)で規定される前記トナーの形状係数SFが100〜140の範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の画像形成方法。
    ・式(1) SF=100×π×ML2/4A
    〔但し、式(1)中、SFは前記トナーの形状係数、MLは前記トナー粒子の絶対最大長、Aは前記トナー粒子の投影面積を表す。〕
  8. 潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に光を照射して潜像を形成させる潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を転写した後の前記潜像担持体表面に残留し、前記現像手段から供給されるトナーの極性と逆極性に帯電した残留トナーを回収し帯電状態を調整する機能を少なくとも有する導電性ファーブラシと、を少なくとも備え、請求項1〜7のいずれか1つに記載の画像形成方法を利用して画像を形成する画像形成装置。
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