JP2015160439A - 車両用シートのシートリフターおよびシートリフター成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セクターギヤ36が左のリヤリンク32Rr−Lの縁部にその歯部が成形されて左のリヤリンクを兼ねる構成とし、右のリヤリンク32Rr−Rがスタビライザー34の右端に、セクターギヤがスタビライザーの左端に固定された形態のキャビティを持つ成形金型に、アルミ合金などの軽金属を流し込んで右のリヤリンク、セクターギヤ、スタビライザーが一体成形で鋳造されている。セクターギヤがスタビライザーに固定される部分aは肉厚に成形される。3部材を同一材料から鋳造で一体成形する代わりに、個別に成形してからそれらを鋳造で一体成形してもよい。また、3部材をすべて個別に成形する代わり、一部の部材のみを個別に成形してから鋳造で一体成形してもよい。
【選択図】図3
Description
しかしながら、スタビライザーが、通常、円形の鋼管であるため、セクターギヤをスタビライザーに十分な固定強度のもとで溶接することが難しい。また、フォージング加工による固定においては、フォージング圧力やセクターギヤの成形上の微小なバラつきによって強度変化があり、十分な固定強度を保証することが難しい。
また、本発明は、セクターギヤをスタビライザーに十分な強度のもとで固定してリヤリンク、セクターギヤ、スタビライザーを一体構造とした車両用シートのシートリフター成形方法の提供を他の目的としている。
すなわち、請求項1に係る本発明によれば、車両用シートのシートリフターは、車床上のシートライザー、シート下端のシートフレーム間でその左右に一対ずつ揺動可能に配置されたフロントリンク、リヤリンクと、左右のリヤリンクがその左右の端に固定されたスタビライザーと、スタビライザーの左右いずれかの端に固定されたセクターギヤと、駆動手段とを備え、駆動手段はセクターギヤに噛合するピニオンギヤと、ピニオンギヤを駆動する操作部材とを持ち、操作部材の操作のもとでピニオンギヤを駆動させ、セクターギヤとともにリヤリンクを揺動させてシートフレームの高さを調整している。そして、リヤリンク、セクターギヤ、スタビライザーが鋳造によって一体成形されている。
左右のフロントリンク32Frは、車床上のシートライザー42にその下端が、シート下端のシートフレーム20にその上端が、たとえば軸支ピン33によってそれぞれ取付けられて揺動可能となっている。また、左右のリヤフロント32Rrはシートフレーム20にその上端が同様に軸支ピン33によってピン止めされている。スタビライザー34は、たとえば、シートライザー42の後端の間を連結し、シートライザーに回動可能に設けられ、スタビライザーの左右の端に、左右のリヤリンク32Rrの下端が固定されている。
スタビライザー34をシートライザー後端間でなくシートフレーム後端間に設けてもよく、スタビライザーをシートフレーム後端間に設ければ、左右のリヤリンク32Rrの上端がスタビライザーの左右の端に固定され、リヤリンクの下端はシートライザーにピン止めされる。
フロントリンク32Fr、リヤリンク32Rrを連結ロッドで連結し、フロントリンクがシートフレーム20を介在することなく、リヤリンクに連動して揺動する構成としてもよい。
なお、参照符号34aはシートフレーム20が上昇する方向のトルク(ねじり力)をスタビライザー34に加えるねじりばねを示し(図2参照)、その先端がスタビライザー34の凹所に係合してスタビライザーの外側に配置されている。もちろん、ねじりばねをスタビライザー34の内部に延ばし、スタビライザーの一部を押圧変形してねじりばねの先端をスタビライザーの内側でスタビライダーに係合させてもよい。
また、フォージング加工での固定では成形上の微妙なバラつきによって強度変化が生じるおそれがあるのに対して、鋳造による成形では、強度変化の生じるおそれはなく、この点からも十分な強度がセクターギヤ36(およびリヤリンク32Rr−R)に保証される。
セクターギヤ36はスタビライザー34をねじりながら回動させており、セクターギヤがスタビライザーに固定される部分aに大きなトルクが加わる。しかし、図3(A)に示すように、この部分(固定部分)aを肉厚に成形すれば、十分な強度を確保でき、スタビライザー34からのセクターギヤ36の剥離が防止される。実施例では、右のリヤリンク32Rr−Rがスタビライザーに固定される部分a’も肉厚に成形してスタビライザー34からのリヤリンクの剥離を防止する構成としている。
チタン合金などの高強度の軽金属で鋳造成形すれば、リヤリンク32Rr−R、セクターギヤ36、スタビライザーの厚さを薄くでき、軽量化が促進される。
たとえば、スタビライザー34を一般鋼材(鋼管)から成形し、セクターギヤ36をクロムモリブデン鋼、または、モリブデン鋼からプレス成形して浸炭焼き入れなどの熱処理を施し、リヤリンク32Rr−Rを一般鋼材、または、高張力鋼からプレス成形する。そして、スタビライザー34、セクターギヤ36、リヤリンク32Rr−Rを成形金型(鋳造金型)にセットし(インサートし)、アルミ合金、マグネシウム合金、チタン合金などの軽金属を成形金型に流し込めば(インサート成型すれば)、スタビライザー、セクターギヤ、リヤリンクが鋳造で一体成形される。
セクターギヤ36に設けられる係合部36cは、セクターギヤが、空転し難い断面形状、つまり、大きな回転トルクをスタビライザーに伝達してスタビライザーを確実に回動させる断面形状であれば足り、円形断面は除かれ、多角形断面とされる。係合部36cを実施例のような星形断面形状、特に、任意の山形状からなる不規則な星形形状とすれば、セクターギヤがスタビライザーに確実に係合、連結されて、スタビライザーを確実に回動できる。
図1〜図3に示す上記実施例に対してこの変形例では、スタビライザーの断面形状が相違し、他の構成は共通しているため、共通する部材についてはこの変形例においても同じ参照符号を付してその説明を省略し、上記実施例と異なる変形例の構成を主として説明する。
すなわち、図4(A)〜(C)(E)、特に(E)に示すように、スタビライザー134は一部が開口されて、その断面が略U字形状の中空形状に成形され、その内壁を隔壁134bで連結して補強している。ここで、隔壁134bを3つ設けているが、隔壁の数は3つに限定されない。
20 シートクッションフレーム(シートフレーム)
22 シートバックフレーム
30 シートリフター
32Fr フロントリンク
32Rr(32Rr−L、32Rr−R) リヤリンク(左右のリヤリンク)
34 スタビライザー
36 セクターギヤ
36a 長孔
36b ストッパーピン
36c 係合部
38 駆動手段
38a 駆動レバー(操作部材)
38b ピニオンギヤ
42 シートライザー
Claims (12)
- 車床上のシートライザー、シート下端のシートフレーム間でその左右に一対ずつ揺動可能に配置されたフロントリンク、リヤリンクと、
前記左右のリヤリンクがその左右の端に固定されたスタビライザーと、
前記スタビライザーの左右いずれかの端に固定されたセクターギヤと、
前記セクターギヤに噛合するピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを駆動する操作部材とを持ち、前記記操作部材の操作のもとで前記ピニオンギヤを駆動させ、前記セクターギヤとともに前記リヤリンクを揺動させて前記シートフレームの高さを調整する駆動手段と、を備え、
前記リヤリンク、前記セクターギヤ、前記スタビライザーが鋳造によって一体成形された車両用シートのシートリフター。 - 前記リヤリンク、前記セクターギヤ、前記スタビライザーが軽金属から鋳造によって一体成形され、その一体成形品に熱処理が施された請求項1記載の車両用シートのシートリフター。
- 車床上のシートライザー、シート下端のシートフレーム間でその左右に一対ずつ連動して揺動可能に配置されたフロントリンク、リヤリンクと、
前記左右のリヤリンクがその左右の端に固定されたスタビライザーと、
前記スタビライザーの左右いずれかの端に固定されたセクターギヤと、
前記セクターギヤに噛合するピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを駆動する操作部材とを持ち、前記操作部材の操作のもとで前記ピニオンギヤを駆動させ、前記セクターギヤとともに前記リヤリンクを揺動させて前記シートフレームの高さを調整する駆動手段と、を備え、
前記リヤリンク、前記セクターギヤ、前記スタビライザーがそれぞれ成形され、前記セクターギヤの成形品を熱処理してから、前記リヤリンク、前記セクターギヤ、前記スタビライザーの成形品が軽金属から鋳造によって一体成形された車両用シートのシートリフター。 - 車床上のシートライザー、シート下端のシートフレーム間でその左右に一対ずつ連動して揺動可能に配置されたフロントリンク、リヤリンクと、
前記左右のリヤリンクがその左右の端に固定されたスタビライザーと、
前記スタビライザーの左右いずれかの端に固定されたセクターギヤと、
前記セクターギヤに噛合する前記ピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを駆動する操作部材とを持ち、前記操作部材の操作のもとで前記ピニオンギヤを駆動させ、前記セクターギヤとともに前記リヤリンクを揺動させて前記シートフレームの高さを調整する駆動手段と、を備え、
前記セクターギヤだけ、または、前記セクターギヤと前記リヤリンクとをプレス成形し、前記セクターギヤを熱処理してから、前記リヤリンク、前記セクターギヤ、前記スタビライザーの成形品が軽金属から鋳造によって一体成形された車両用シートのシートリフター。 - 鋳造時に軽金属が流れ込んで前記セクターギヤ、前記スタビライザーを係合、連結する係合部が前記セクターギヤに設けられた請求項4記載の車両用シートのシートリフター。
- 前記スタビライザーが開口した中空形状に成形された請求項1〜5のいずれか記載の車両用シートのシートリフター。
- 前記セクターギヤが前記左右のリヤリンクのいずれかと一体に成形されて前記リヤリンクを兼ねた請求項1〜6のいずれか記載の車両用シートのシートリフター。
- 車床上のシートライザー、シート下端のシートフレーム間でその左右に一対ずつフロントリンクとともに揺動可能に配置されるリヤリンク、
前記左右のリヤリンクがその左右の端に連結されるスタビライザー、
駆動レバーの操作のもとで駆動されるピニオンギヤと噛合可能に前記スタビライザーの左右いずれかの端に連結され、前記ピニオンギヤの駆動のもとで前記リヤリンクを伴って揺動して前記シートフレームの高さを調整する前記セクターギヤ、
の3部材を一体構造に成形する車両用シートのシートリフター成形方法において、
前記リヤリンク、前記セクターギヤ、前記スタビライザーを軽合金から鋳造によって一体成形する工程と、
その成形品を熱処理する工程と、
を備えた車両用シートのシートリフター成形方法。 - 車床上のシートライザー、シート下端のシートフレーム間でその左右に一対ずつフロントリンクとともに揺動可能に配置されるリヤリンク、
前記左右のリヤリンクがその左右の端に連結されるスタビライザー、
駆動レバーの操作のもとで駆動されるピニオンギヤと噛合可能に前記スタビライザーの左右いずれかの端に連結され、前記ピニオンギヤの駆動のもとで前記リヤリンクを伴って揺動して前記シートフレームの高さを調整する前記セクターギヤ、
の3部材を一体構造に成形する車両用シートのシートリフター成形方法において、
前記リヤリンク、前記セクターギヤ、前記スタビライザーをそれぞれ成形する工程と、
前記セクターギヤの成形品を熱処理する工程と、
前記リヤリンク、前記スタビライザーの成形品、熱処理された前記セクターギヤの成形品を前記スタビライザーの成形金型にセットし、軽合金による鋳造によって前記リヤリンク、前記セクターギヤ、前記スタビライザーを一体成形する工程と、
を備えた車両用シートのシートリフター成形方法。 - 車床上のシートライザー、シート下端のシートフレーム間でその左右に一対ずつフロントリンクとともに揺動可能に配置されるリヤリンク、
前記左右のリヤリンクがその左右の端に連結されるスタビライザー、
駆動レバーの操作のもとで駆動されるピニオンギヤと噛合可能に前記スタビライザーの左右いずれかの端に連結され、前記ピニオンギヤの駆動のもとで前記リヤリンクを伴って揺動して前記シートフレームの高さを調整する前記セクターギヤ、
の3部材を一体構造に成形する車両用シートのシートリフター成形方法において、
前記セクターギヤ、前記リヤリンクをプレス加工でそれぞれ成形する工程と、
前記セクターギヤの成形品を熱処理する工程と、
前記リヤリンクの成形品、熱処理された前記セクターギヤの成形品を前記スタビライザーの成形金型にセットし、軽合金による鋳造によって前記リヤリンク、前記セクターギヤ、前記スタビライザーを一体成形する工程と、
を備えた車両用シートのシートリフター成形方法。 - 車床上のシートライザー、シート下端のシートフレーム間でその左右に一対ずつフロントリンクとともに揺動可能に配置されるリヤリンク、
前記左右のリヤリンクがその左右の端に連結されるスタビライザー、
駆動レバーの操作のもとで駆動されるピニオンギヤと噛合可能に前記スタビライザーの左右いずれかの端に連結され、前記ピニオンギヤの駆動のもとで前記リヤリンクを伴って揺動して前記シートフレームの高さを調整するセクターギヤ、
の3部材を一体構造に成形する車両用シートのシートリフター成形方法において、
前記セクターギヤをプレス加工で成形する工程と、
前記セクターギヤの成形品を熱処理する工程と、
熱処理された前記セクターギヤの成形品を前記リヤリンク、前記スタビライザーの成形金型にセットし、軽合金による鋳造によって前記リヤリンク、前記セクターギヤ、前記スタビライザーを一体成形する工程と、
を備えた車両用シートのシートリフター成形方法。 - 前記セクターギヤが前記左右のリヤリンクのいずれかと一体に成形されて前記リヤリンクを兼ねた請求項8〜11のいずれか記載の車両用シートのシートリフター成形方法。
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