JP2015153806A - 配線基板の製造方法、配線基板、電子デバイス、電子機器および移動体 - Google Patents
配線基板の製造方法、配線基板、電子デバイス、電子機器および移動体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】配線基板の製造方法は、貫通孔213を有するセラミックス焼結体基板211と、金属片251と、Ti−Ag−Cu系合金からなる粒子を含んでいる金属ペーストXと、を用意する工程と、貫通孔213に金属片251を配置し、金属片251と貫通孔213との間に金属ペーストXを配置する工程と、金属ペーストXを焼成し、金属片251をセラミックス焼結体基板211に固定する工程と、を含んでいる。
【選択図】図5
Description
しかしながら、このような製造方法では、焼成時の溶融によって、金属ペースト層が貫通孔内から流れ出し、スルーホール内の金属材料の充填性が悪化し、これに伴って、貫通孔の気密性が悪化するという問題がある。
[適用例1]
本適用例の配線基板の製造方法は、貫通孔を有する基板と、金属片と、前記基板に含まれる成分に対して活性な活性金属、銀および銅を含み前記金属片よりも融点が低い合金を含んでいる金属ペーストと、を用意する工程と、
前記貫通孔に前記金属片の少なくとも一部を配置し、前記金属片と前記貫通孔との間に前記金属ペーストを配置する工程と、
前記金属ペーストを焼成し、前記金属片を前記基板に固定する工程と、
を含んでいることを特徴とする。
これにより、貫通孔からの金属材料の流出を低減でき、そのため、貫通孔の金属材料の充填性の低下を低減することができる。また、金属ペーストを焼成することで、金属片と基板との間に活性金属層が形成されるため、セラミックス基板と金属片との接着性が高まり、高い気密性を有する配線基板が得られる。
本適用例の配線基板の製造方法では、前記用意する工程において、
前記基板は、セラミックス基板であり、
前記活性金属は、前記セラミックス基板に含まれるセラミックス成分に対して活性であることが好ましい。
これにより、金属片と基板との密着性に優れる配線基板が得られる。
本適用例の配線基板の製造方法では、前記用意する工程において、
前記セラミックス基板は、焼結した基板であることが好ましい。
これにより、貫通孔への金属片の配置等を簡単に行うことができる。
[適用例4]
本適用例の配線基板の製造方法では、前記用意する工程において、
前記セラミックス基板は、焼結していない基板であり、
前記金属ペーストを焼成する工程では、前記金属ペーストと共に前記焼結していない基板も焼成することが好ましい。
これにより、配線基板の製造工程を減らすことができる。
本適用例の配線基板の製造方法では、前記金属片は、幅が前記貫通孔よりも大きい挿入規制部を有していることが好ましい。
これにより、挿入規制部が基板に引っ掛かり、貫通孔から金属片が抜け出てしまうことを防止することができる。
本適用例の配線基板の製造方法では、前記金属ペーストを配置する工程では、前記挿入規制部と前記基板との間にも前記金属ペーストを配置することが好ましい。
これにより、挿入規制部と基板との間にも活性金属層を形成することができるので、金属片と基板との密着性がより向上する。
本適用例の配線基板の製造方法では、前記活性金属は、周期律表の第4族に属する金属であることが好ましい。
これにより、良質な活性金属層を形成することができる。
[適用例8]
本適用例の配線の製造方法では、前記周期律表の第4族に属する金属は、チタンであることが好ましい。
これにより、より良質な活性金属層を形成することができる。
本適用例の配線基板の製造方法では、前記金属ペーストを焼成する温度は、前記合金の融点よりも高く、前記金属片の融点よりも低いことが好ましい。
これにより、より確実に、金属片の溶融を防止することができる。
[適用例10]
本適用例の配線基板の製造方法では、さらに、前記セラミックス基板の表面に前記金属片と電気的に接続する金属配線を形成する工程を含んでいることが好ましい。
これにより、基板上に配線を形成することができる。
本適用例の配線基板は、貫通孔を備えている基板と、
前記基板の表面と前記貫通孔内とに一体で配置されている金属配線と、
前記貫通孔の内周面と前記金属配線との間に配置され、チタンを含んでいる活性金属層と、
を含んでいることを特徴とする。
これにより、基板と金属片との接着性が高く、さらに、高い気密性を有する配線基板が得られる。
本適用例の電子デバイスは、上記適用例の配線基板と、
前記配線基板に搭載されている電子部品と、を含むことを特徴とする。
これにより、高い信頼性を有する電子デバイスが得られる。
[適用例13]
本適用例の電子機器は、上記適用例の電子デバイスを備えていることを特徴とする。
これにより、高い信頼性を有する電子機器が得られる。
[適用例14]
本適用例の移動体は、上記適用例の電子デバイスを備えていることを特徴とする。
これにより、高い信頼性を有する移動体が得られる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる電子デバイスの平面図である。図2は、図1中のA−A線断面図である。図3は、図1に示す電子デバイスが有する振動素子の平面図である。図4は、図1に示す電子デバイスが有するベース基板の部分拡大断面図である。図5および図6は、それぞれ、図4に示すベース基板の製造方法を説明するための図である。なお、以下では、説明の都合上、図2中の上側を「上」、下側を「下」として説明する(その他の図面についても同様である)。
まず、本発明の配線基板を備える電子デバイスについて説明する。
図1および図2に示す電子デバイス100は、パッケージ200と、パッケージ200内に収容された電子部品としての振動素子300とを有している。なお、電子部品としては、振動素子300に限定されず、例えば、ICチップ等の各種電子部品であってもよい。
図3(a)は、振動素子300を上方から見た平面図であり、同図(b)は、振動素子300を上方から見た透過図(平面図)である。図3(a)、(b)に示すように、振動素子300は、平面視形状が長方形の板状をなす圧電基板310と、圧電基板310の表面に形成された一対の励振電極320、330とを有している。
このような振動素子300は、一対の導電性接着剤291、292を介してパッケージ200に固定されている。
図1および図2に示すように、パッケージ200は、板状のベース基板(本発明の配線基板)210と、下側に開放する凹部を有するキャップ状のリッド230と、ベース基板210とリッド230との間に介在しこれらを接合するメタライズ層240とを有している。このようなパッケージ200では、リッド230の凹部の開口がベース基板210で塞がれることにより、前述の振動素子300を収納する気密的な収納空間Sが形成されている。
セラミックス焼結体基板211への貫通孔213、215の形成方法は、特に限定されない。例えば、焼結処理前にパンチング等によって形成してもよいし、焼結処理後にレーザー加工、エッチング加工、ドリル加工等によって形成してもよい。ただし、セラミックス焼結体基板211は、焼結処理によって収縮するため、貫通孔213、215の配置や寸法の精度を高めたいのでれば、焼結処理後に形成した方が好ましい。貫通孔213、215の径としては、特に限定されないが、例えば、20μm以上、100μm以下程度とすることができる。
また、図2に示すように、内部端子253は、導電性接着剤291を介して振動素子300のボンディングパッド322と電気的に接続されており、内部端子263は、導電性接着剤292を介して振動素子300のボンディングパッド332と電気的に接続されている。
以上、セラミックス焼結体基板211と第1、第2金属配線250、260の構成について説明した。ベース基板210では、セラミックス焼結体基板211と第1金属配線250との間に第1活性金属層270が配置されており、セラミックス焼結体基板211と第2金属配線260との間に第2活性金属層280が配置されている。
次に、上述した電子デバイス100が備えるベース基板(配線基板)210の製造方法について説明する。
ベース基板210の製造方法は、セラミックス焼結体基板211、金属片251、261、金属ペーストXおよび金属ペーストYを用意する第1工程と、貫通孔213、215に金属片251、261の挿入部251a、261aを配置し、金属片251、261とセラミックス焼結体基板211との間に金属ペーストXを配置し、さらに、セラミックス焼結体基板211の上下面に金属ペーストYを配置する第2工程と、金属ペーストX、Yを焼成して、第1、第2金属配線250、260および第1、第2活性金属層270、280を形成する第3工程と、を含んでいる。
−セラミックス焼結体基板211を準備する工程−
セラミックス焼結体基板211は、例えば、セラミックス粉末、焼結助剤、有機バインダー等が含まれている混合材料をシート状に成形してグリーンシートを得、このグリーンシートを焼結処理することにより得られる。貫通孔213、215は、焼結処理前にパンチング等によって形成してもよいし、焼結処理後にレーザー加工、エッチング加工、ドリル加工等によって形成してもよい。ただし、焼結処理によってセラミックス焼結体基板211が収縮するため、焼結処理前に貫通孔213、215を形成すると、配置や寸法の精度が低下するおそれがある。そのため、貫通孔213、215の配置や寸法の精度を高めたいのでれば、焼結処理後に形成した方が好ましい。なお、貫通孔213、215の径としては、特に限定されないが、例えば、20μm以上、100μm以下程度とすることができる。
第4属金属M4、銀(Ag)および銅(Cu)を含む第1合金(M4−Ag−Cu系合金)からなる第1粒子Aと、バインダーCとを用意し、これらを混合することで金属ペーストXが得られる。
第1合金に含まれる第4属金属M4は、セラミックス焼結体基板211に含まれるセラミックス成分と反応する(すなわち、セラミックス成分に対して活性な)活性金属である。そのため、第1合金が第4属金属M4を含むことで、後の第3工程にて、セラミックス焼結体基板211との界面に第1、第2活性金属層270、280を形成することができる。なお、第4属金属M4として、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)のいずれを用いてもよいが、これらの中でも、チタン(Ti)を用いることが好ましい。チタン(Ti)は、これらの中で融点が最も低いため、第3工程(焼成工程404)における焼成温度を抑えることができる。また、金属片251、261との融点の差を十分に大きく確保することができる。そのため、第3工程にて、金属片251、261が不本意に溶融してしまうことを防止することができるとともに、第3工程にて加わるセラミックス焼結体基板211への熱ダメージを低減することができる。その結果、良質な第1、第2活性金属層270、280を形成することができる。
なお、本実施形態では、活性金属として第4属金属M4を用いているが、セラミックス焼結体基板211に含まれるセラミックス成分と反応する金属であれば、第4属に属する金属に限定されない。
以上、金属ペーストXについて説明した。なお、金属ペーストXには、第1粒子AおよびバインダーCの他にも、必要に応じて、例えば、有機溶剤、分散剤、可塑剤等が含まれていてもよい。
第1粒子Aと、第6属金属M6およびニッケル(Ni)を含む第2合金(M6−Ni系合金)からなる第2粒子Bと、バインダーCと、を用意し、これらを混合することで金属ペーストYが得られる。なお、第1粒子AおよびバインダーCには、前述した金属ペーストXに含まれるものと同様である。そのため、以下では、主に第2粒子Bについて説明する。
なお、本実施形態では、第2粒子Bとして、M6−Ni系合金を用いているが、第2粒子Bとして、第6属金属M6を用いてもよい。
以上、金属ペーストYについて説明した。なお、金属ペーストYには、第1粒子A、第2粒子BおよびバインダーCの他にも、必要に応じて、例えば、有機溶剤、分散剤、可塑剤等が含まれていてもよい。
金属片251、261の製造方法は、特に限定されず、例えば、銅、タングステン、モリブテン等の金属の塊を鍛造技術や鋳造技術を用いて形成することができるし、削り出しによって形成することもできる。また、金属片251、261の融点は、第1粒子Aの融点よりも高く設定される。金属片251、261の融点と、第1粒子Aの融点の差としては、特に限定されないが、例えば、50℃以上であるのが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。なお、このような金属片251、261は、挿入部251a、261aの長さが貫通孔213、215の長さとほぼ等しいか、若干長くなるように形成される。
図5(a)に示すように、まず、金属片251、261の挿入部251a、261aの外周および挿入規制部251b、261bの下面に金属ペーストXを塗布する。なお、これに限定されず、金属片251、261の挿入部251a、261aの外周にのみ金属ペーストXを塗布してもよい。
次に、図5(d)に示すように、金属ペースト層X1、Y1、Y2を焼成処理し、セラミックス焼結体基板211上に、第1、第2活性金属層270、280および第1、第2金属配線250、260を形成する。なお、金属ペースト層X1、Y1、Y2の焼成処理は、図6に示すような温度条件で行うことが好ましい。
まず、金属片251、261、金属ペースト層X1、Y1、Y2が配置されたセラミックス焼結体基板211をチャンバー内に配置し、チャンバー内を真空雰囲気(例えば、1.33×10−3Pa以下)とする。これにより、金属ペースト層X1、Y1、Y2中のチタン(Ti)の酸化を防止することができ、良質な第1、第2活性金属層270、280を形成することができる。この真空雰囲気は、以下のバインダー除去工程402、第2昇温工程403、焼成工程404、冷却工程405においても維持される。なお、チャンバー内は、真空雰囲気に替えて、アルゴン(Ar)ガス充填雰囲気等の非酸化雰囲気としてもよい。アルゴンガス充填雰囲気としても、真空雰囲気と同様に良質な第1、第2活性金属層270、280を形成することができる。
本工程では、第1昇温工程401での目標温度T1をほぼ一定に維持する。本工程によれは、第1粒子Aの溶融を防ぎつつ、金属ペースト層X1、Y1、Y2から第1粒子A以外の材料(すなわち、バインダーC、有機溶剤、水分等)を除去することができる。これにより、金属ペースト層X1、Y1、Y2の焼成(第1粒子Aの溶融)をより確実に行うことができる。
本工程では、バインダー除去工程402を終えた後、再びチャンバー内の温度を上昇させ、金属ペースト層X1、Y1、Y2を加熱する。第2昇温工程403での目標温度(ピーク温度)T2は、第1粒子Aの融点よりも高く、金属片251、261および第2粒子Bの融点よりも低い温度である。これにより、金属片251、261および第2粒子Bの溶融を防止しつつ、第1粒子Aだけを溶融させることができる。また、目標温度T2は、セラミックス焼結体基板211の焼成温度よりも低いことが好ましい。これにより、セラミックス焼結体基板211への熱ダメージを低減でき、信頼性の高いベース基板210が得られる。このような目標温度T2としては、特に限定されず、第1、第2粒子A、Bおよび金属片251、261の融点によっても異なるが、例えば、800℃以上1000℃以下程度であるのが好ましい。なお、セラミックス焼結体基板211の焼成温度とは、セラミックス焼結体基板211を得る際にグリーンシートを焼成処理するときの目標温度であり、ある程度の幅を有する温度である。
本工程では、第2昇温工程403での目標温度T2をほぼ一定に維持する。これにより、第1粒子Aが溶融し、図5(d)に示すように、金属ペースト層X1、Y1、Y2から第1、第2活性金属層270、280および第1、第2金属配線250、260が形成される。具体的に説明すると、本工程によって、金属ペースト層X1、Y1、Y2中の第1粒子Aが溶融し、第1粒子A中に存在していたチタン(Ti)がセラミックス焼結体基板211のセラミックス成分と反応し、セラミックス焼結体基板211との界面に第1、第2活性金属層270、280が形成される。また、これとともに、第1粒子A中に存在していた銀(Ag)や銅(Cu)が金属片251、261と反応して、これらの界面に反応層(図示せず)が形成される。さらに、金属ペースト層Y1、Y2においては、第1粒子A中に存在していた銀(Ag)や銅(Cu)が流動して第2粒子B間に浸透し、第1、第2活性金属層270、280上に内部端子253、263および実装端子255、265が形成される。これにより、第1、第2金属配線250、260が得られる。
なお、本実施形態の焼成工程では、目標温度T2をほぼ一定に保っているが、第1粒子Aの融点よりも高く、金属片251、261および第2粒子Bの融点よりも低い温度を維持している限り、これに限定されず、昇温させてもよいし、反対に降温させてもよい。また、昇温と降温とを交互に繰り返してもよい。
本工程では、目標温度T2から温度を徐々に低くしていき、セラミックス焼結体基板211、第1、第2活性金属層270、280および第1、第2金属配線250、260を例えば常温まで冷却する。本工程での1時間あたりの温度降下量(降温レート:℃/h)としては、特に限定されないが、例えば、20℃/h以上100℃/h以下であることが好ましく、40℃/h以上60℃/h以下であることがより好ましい。このように十分に時間をかけて冷却することで、セラミックス焼結体基板211、第1、第2活性金属層270、280、第1、第2金属配線250、260間の熱膨張率の差から、セラミックス焼結体基板211にクラック(亀裂)等が発生してしまうことを効果的に低減することができる。そのため、気密性や機械的強度に優れたベース基板210が得られる。
以上のようなベース基板210の製造方法によれば、第1、第2金属配線250、260とセラミックス焼結体基板211との密着性に優れ、さらには、第1、第2金属配線250、260の形状保持性に優れたベース基板210が得られる。また、セラミックス焼結体基板211へのクラックの発生を低減することができる。
図7は、本発明の第2実施形態にかかるベース基板の製造方法を説明する断面図である。
以下、第2実施形態の配線基板の製造方法について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態の配線基板の製造方法は、金属ペーストXをセラミックス焼結体基板211に塗布する以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
本実施形態のベース基板210の製造方法は、前述した第1実施形態と同様に、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を有しているが、第2工程が異なる以外は、第1実施形態のベース基板210の製造方法と同様であるため、以下では、第2工程のみを説明する。
図7(a)に示すように、セラミックス焼結体基板211の貫通孔213、215の内周面と、セラミックス焼結体基板211の上面の貫通孔213、215の周囲(金属片251、261の挿入規制部251b、261bと重なる位置)に、金属ペーストXを塗布する。金属ペーストXの塗布は、スクリーン印刷法によって行うことができる。次に、図7(b)に示すように、セラミックス焼結体基板211の上面側から金属片251、261の挿入部251a、261aを貫通孔213、215に挿入する。これにより、挿入部251a、261aと貫通孔2123、215の内周面との間、および、挿入規制部251b、261とセラミックス焼結体基板211の上面との間に、金属ペーストXからなる金属ペースト層X1が配置される。次に、図7(c)に示すように、セラミックス焼結体基板211の上面および下面に金属ペーストYを内部端子253、263および実装端子255、265に対応した形状に配置し、金属ペースト層Y1、Y2を形成する。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
図8は、本発明の第3実施形態にかかる電子デバイスが有するベース基板の断面図である。図9は、図8に示すベース基板の製造方法を説明する断面図である。
以下、第3実施形態の配線基板の製造方法および配線基板について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態の配線基板の製造方法および配線基板は、セラミックス焼結体基板211に配置された貫通孔213、215の形状が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図8に示すように、本実施形態の貫通孔213は、セラミックス焼結体基板211の上面に開放する有底の凹部213aと、凹部213aの底面とセラミックス焼結体基板211の下面とを貫通する貫通孔213bと、で構成されている。凹部213aは、金属片251の挿入規制部251bの形状に対応しており、凹部213a内に挿入規制部251bが配置されている。また、貫通孔213bは、金属片251の挿入部251aの形状に対応しており、貫通孔213b内に挿入部251aが配置されている。ただし、貫通孔213bに挿入規制部251bを挿入することはできない。
本実施形態のベース基板210の製造方法は、前述した第1実施形態と同様に、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を有しているが、第2工程が異なる以外は、第1実施形態のベース基板210の製造方法と同様であるため、以下では、第2工程のみを説明する。
図9(a)に示すように、まず、金属片251、261の挿入部251a、261aの外周および挿入規制部251b、261bの下面および側面に金属ペーストXを塗布する。次に、図9(b)に示すように、金属片251、261を貫通孔213、215に挿入する。これにより、金属片251、261と貫通孔213、215の内周面との間に、金属ペーストXからなる金属ペースト層X1が配置される。次に、図9(c)に示すように、セラミックス焼結体基板211の上面および下面に金属ペーストYを内部端子253、263および実装端子255、265に対応した形状に配置し、金属ペースト層Y1、Y2を形成する。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
図10は、本発明の第4実施形態にかかる電子デバイスが有するベース基板の断面図である。図11は、図10に示すベース基板の製造方法を説明する断面図である。
以下、第4実施形態にかかる配線基板の製造方法および配線基板について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第4実施形態の配線基板の製造方法および配線基板は、金属片251、261が内部端子253、263を兼ねていること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図10に示すように、本実施形態のベース基板210では、金属片251の挿入規制部251bが内部端子253を兼ねており、金属片261の挿入規制部261bが内部端子263を兼ねている。これにより、例えば、前述した第1実施形態と比較して、ベース基板210の構成および製造が簡単なものとなる。
本実施形態のベース基板210の製造方法は、前述した第1実施形態と同様に、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を有しているが、第2工程が異なる以外は、第1実施形態のベース基板210の製造方法と同様であるため、以下では、第2工程のみを説明する。
まず、挿入規制部251b、261bが内部端子253、263の形状に整えられた金属片251、261を用意する。次に、図11(a)に示すように、金属片251、261の挿入部251a、261aの外周および挿入規制部251b、261bの下面に金属ペーストXを塗布する。次に、図11(b)に示すように、金属片251、261を貫通孔213、215に挿入する。これにより、金属片251、261と貫通孔213、215の内周面との間に金属ペーストXからなる金属ペースト層X1が配置される。次に、図11(c)に示すように、セラミックス焼結体基板211の下面に金属ペーストYを実装端子255、265に対応した形状に配置し、金属ペースト層Y1、Y2を形成する。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
図12は、本発明の第5実施形態にかかる電子デバイスが有するベース基板の断面図である。図13は、図12に示すベース基板の製造方法を説明する断面図である。
以下、第5実施形態にかかる配線基板の製造方法および配線基板について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第5実施形態の配線基板の製造方法および配線基板は、金属片251、261が内部端子253、263および実装端子255、265を兼ねていること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図12に示すように、本実施形態のベース基板210では、セラミックス焼結体基板211の貫通孔213に一対の金属片251(251’、251”)が配置されている。一方の金属片251’は、セラミックス焼結体基板211の上面側から貫通孔213に挿入されており、その挿入規制部251bが内部端子253を兼ねている。一方、他方の金属片251”は、セラミックス焼結体基板211の下面側から貫通孔213に挿入されており、その挿入規制部251bが実装端子255を兼ねている。また、金属片251’、251”の挿入部251a同士が貫通孔213内で突き当て接触しており、これによりビアが形成されている。
このような構成とすることで、例えば、前述した第1実施形態と比較して、ベース基板210の構成が簡単なものとなる。
本実施形態のベース基板210の製造方法は、前述した第1実施形態と同様に、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を有しているが、第2工程が異なる以外は、第1実施形態のベース基板210の製造方法と同様であるため、以下では、第2工程のみを説明する。
図13(a)に示すように、まず、金属片251’、251”、261’、261”の挿入部251a、261aの外周および挿入規制部251b、261bの下面に金属ペーストXを塗布する。次に、図13(b)に示すように、金属片251’を上側から貫通孔213に挿入し、金属片251”を下側から貫通孔213に挿入する。また、金属片261’を上側から貫通孔215に挿入し、金属片261”を下側から貫通孔215に挿入する。これにより、金属片251’、251”、261’、261”とセラミックス焼結体基板211との間に、金属ペーストXからなる金属ペースト層X1が配置される。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
図14は、本発明の第6実施形態にかかる電子デバイスが有するベース基板の製造方法を説明する断面図である。
以下、第6実施形態にかかる配線基板の製造方法および配線基板について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第6実施形態の配線基板の製造方法および配線基板は、配線基板の製造方法が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
ベース基板210の製造方法は、貫通孔213、215を有するセラミックス未焼結体基板211Aと、金属片251、261と、金属ペーストXと、金属ペーストYと、を用意する第1工程と、貫通孔213、215に金属片251、261を挿入し、金属片251、261とセラミックス未焼結体基板211Aとの間に金属ペーストXを配置し、セラミックス未焼結体基板211Aの上下面に金属ペーストYを配置する第2工程と、セラミックス未焼結体基板211Aおよび金属ペーストX、Yを焼成して、セラミックス焼結体基板211、第1、第2金属配線250、260および第1、第2活性金属層270、280を形成する第3工程と、を含んでいる。
−セラミックス未焼結体基板211Aを準備する工程−
セラミックス未焼結体基板211Aは、例えば、セラミックス粉末、焼結助剤、有機バインダー等が含まれている混合材料をシート状に成形してグリーンシートを得、このグリーンシートにパンチング加工、ドリル加工等によって貫通孔213、215を形成することで得られる。すなわち、セラミックス未焼結体基板211Aは、焼結されていない基板である。
−金属ペーストX、Yおよび金属片251、261を準備する工程−
前述した第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
図14(a)に示すように、まず、金属片251、261の挿入部251a、261aの外周および挿入規制部251b、261bの下面に金属ペーストXを塗布する。次に、図14(b)に示すように、金属片251、261を貫通孔213、215に挿入する。これにより、金属片251、261とセラミックス未焼結体基板211Aとの間に、金属ペーストXからなる金属ペースト層X1が配置される。次に、図14(c)に示すように、セラミックス未焼結体基板211Aの上面および下面に金属ペーストYを内部端子253、263および実装端子255、265に対応した形状に配置し、金属ペースト層Y1、Y2を形成する。
次に、セラミックス未焼結体基板211Aおよび金属ペースト層X1、Y1、Y2を焼成処理し、図14(d)に示すように、セラミックス焼結体基板211、第1、第2活性金属層270、280および第1、第2金属配線250、260を形成する。前述の第1実施形態と同様に、本工程は、第1昇温工程401と、バインダー除去工程402と、第2昇温工程403と、焼成工程404と、冷却工程405と、を有しており、焼成工程404にて、セラミックス未焼結体基板211Aおよび金属ペースト層X1、Y1、Y2を同時に焼成する。したがって、焼成工程404の温度(目標温度T2)は、セラミックス未焼結体基板211Aの焼成温度および第1粒子Aの融点よりも高く、かつ、第2粒子Bの融点よりも低い温度に設定される。
以上のようなベース基板210の製造方法によれば、例えば、第1実施形態の製造方法と比較して、焼成工程が減るので、その分、ベース基板210の製造工程が減り、より少ない工程でベース基板210を製造方法することができる。また、ベース基板210の熱履歴を低減することができるので、熱ダメージが減り、例えば、残留応力を低減することができる。
このような第6実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、電子デバイス100を備えた電子機器について説明する。
図15は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100にはフィルター、共振器、基準クロック等として機能する電子デバイス100が内蔵されている。
次に、電子デバイス100を備えた移動体について説明する。
図18は、本発明の移動体を適用した自動車を示す斜視図である。自動車1500には、電子デバイス100が搭載されている。電子デバイス100は、例えば、キーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
Claims (14)
- 貫通孔を有する基板と、金属片と、前記基板に含まれる成分に対して活性な活性金属、銀および銅を含み前記金属片よりも融点が低い合金を含んでいる金属ペーストと、を用意する工程と、
前記貫通孔に前記金属片の少なくとも一部を配置し、前記金属片と前記貫通孔との間に前記金属ペーストを配置する工程と、
前記金属ペーストを焼成し、前記金属片を前記基板に固定する工程と、
を含んでいることを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記用意する工程において、
前記基板は、セラミックス基板であり、
前記活性金属は、前記セラミックス基板に含まれるセラミックス成分に対して活性である請求項1に記載の配線基板の製造方法。 - 前記用意する工程において、
前記セラミックス基板は、焼結した基板である請求項2に記載の配線基板の製造方法。 - 前記用意する工程において、
前記セラミックス基板は、焼結していない基板であり、
前記金属ペーストを焼成する工程では、前記金属ペーストと共に前記焼結していない基板も焼成する請求項2に記載の配線基板の製造方法。 - 前記金属片は、幅が前記貫通孔よりも大きい挿入規制部を有している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
- 前記金属ペーストを配置する工程では、前記挿入規制部と前記基板との間にも前記金属ペーストを配置する請求項5に記載の配線基板の製造方法。
- 前記活性金属は、周期律表の第4族に属する金属である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
- 前記周期律表の第4族に属する金属は、チタンである請求項7に記載の配線の製造方法。
- 前記金属ペーストを焼成する温度は、前記合金の融点よりも高く、前記金属片の融点よりも低い請求項1ないし8のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
- さらに、前記セラミックス基板の表面に前記金属片と電気的に接続する金属配線を形成する工程を含んでいる請求項1ないし9のいずれか1項に記載の配線基板の製造方法。
- 貫通孔を備えている基板と、
前記基板の表面と前記貫通孔内とに一体で配置されている金属配線と、
前記貫通孔の内周面と前記金属配線との間に配置され、チタンを含んでいる活性金属層と、
を含んでいることを特徴とする配線基板。 - 請求項11に記載の配線基板と、
前記配線基板に搭載されている電子部品と、を含むことを特徴とする電子デバイス。 - 請求項12に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする電子機器。
- 請求項12に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする移動体。
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