JP2015149533A - パッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法および電子デバイス - Google Patents

パッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法および電子デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】優れた接合強度と高い気密性を有するパッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法および電子デバイスを提供する。【解決手段】本発明のパッケージの製造方法は、低融点ガラス270が設けられているベース基板210とリッド259とを用意する工程と、低融点ガラス270を減圧雰囲気下で流動点以上に加熱して、低融点ガラス270を脱泡する工程と、低融点ガラス270を介してベース基板210およびリッド250を重ね合わせた後、低融点ガラス270を脱泡する工程よりも大気圧に近い圧力雰囲気下で流動点以上に加熱して、ベース基板210およびリッド250を接合する工程と、を有している。【選択図】図6

Description

本発明は、パッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法および電子デバイスに関するものである。
従来から、振動素子等の電子部品をパッケージに収納して構成される電子デバイスが知られている。また、このような電子デバイスは、一般的に、ベース基板を用意し、ベース基板に振動素子を実装し、リッドをベース基板に接合して振動素子を気密封止することにより製造される(例えば特許文献1)。
特許文献1では、まず、ベース基板にペースト状の低融点ガラスを塗布し、この低融点ガラスを真空炉で脱泡した後に焼成する。次に、ベース基板に振動素子を実装し、最後に、低融点ガラスを介してリッドをベース基板に接合し振動素子を気密封止する。このような方法では、低融点ガラスの脱泡を予め行っているため、リッドをベース基板に接合する際の加熱温度を比較的低くすることができ、当該工程中でのガスの発生を抑制することができる。
しかしながら、特許文献1では脱泡の条件が不明であるため、低融点ガラスの脱泡を効率的に行うことができず、残った気泡がリークパスとなって気密性が低下する。そのため、パッケージの真空度が低下してしまうと言った問題がある。
特開2004−172752号公報
本発明の目的は、高い気密性を有するパッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法および電子デバイスを提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例のパッケージの製造方法は、少なくとも一方に低融点ガラスが設けられているベース基板および蓋体を用意する工程と、
前記低融点ガラスを減圧雰囲気下で流動点以上に加熱して、前記低融点ガラスを脱泡する工程と、
前記低融点ガラスを介して前記ベース基板および前記蓋体を重ね合わせた後、前記脱泡する工程よりも大気圧に近い圧力雰囲気下で前記低融点ガラスを流動点以上に加熱して、前記ベース基板および前記蓋体を接合する工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、脱泡を効果的に行うことができ、高い気密性を有するパッケージを製造することができる。
[適用例2]
本適用例の電子デバイスの製造方法は、少なくとも一方に低融点ガラスが設けられているベース基板および蓋体を用意する工程と、
前記低融点ガラスを減圧雰囲気下で流動点以上に加熱して、前記低融点ガラスを脱泡する工程と、
前記低融点ガラスを介して前記ベース基板および前記蓋体を重ね合わせた後、前記脱泡する工程よりも大気圧に近い圧力雰囲気下で前記低融点ガラスを流動点以上に加熱して、前記ベース基板および前記蓋体を接合する工程と、
前記接合する工程より前に行われ、前記ベース基板に接着剤を介して機能素子を実装する工程と、
を含むことを特徴とする。
これにより、脱泡を効果的に行うことができ、高い気密性を有する電子デバイスを製造することができる。
[適用例3]
本適用例の電子デバイスの製造方法では、前記脱泡する工程では、前記低融点ガラスを作業点以上に加熱することが好ましい。
これにより、低融点ガラスの脱泡をより効果的に行うことができる。
[適用例4]
本適用例の電子デバイスの製造方法では、前記接合する工程では、前記低融点ガラスを流動点以上かつ作業点以下に加熱することが好ましい。
これにより、接合時の温度を最小限に抑えることができるため、パッケージ内でのガスの発生を効果的に抑制することができる。また、パッケージ内の真空度を高めることができる。
[適用例5]
本適用例の電子デバイスの製造方法では、前記脱泡する工程より前に、前記低融点ガラスを酸素含有雰囲気中で転移点未満に加熱する工程を含むことが好ましい。
これにより、低融点ガラスに含まれるバインダーを除去(焼却)することができるため、後の工程中にバインダーが気化してガスとなるのを防止することができる。
[適用例6]
本適用例の電子デバイスの製造方法では、前記低融点ガラスは、少なくとも前記ベース基板に設けられており、
前記機能素子を実装する工程は、前記脱泡する工程より前に行われることが好ましい。
これにより、脱泡する工程にて、低融点ガラスの脱泡とともに、接着剤の焼成を行うことができる。そのため、製造工程の削減を行うことができ、また、低融点ガラスが受ける熱ダメージを低減することができる。
[適用例7]
本適用例の電子デバイスの製造方法では、前記脱泡する工程にて、前記低融点ガラスの脱泡とともに、前記接着剤の焼成が行われることが好ましい。
これにより、製造工程の削減を行うことができる。また、低融点ガラスが受ける熱ダメージを低減することができる。
[適用例8]
本適用例の電子デバイスは、ベース基板と蓋体とが低融点ガラスにより接合して構成されている内部空間に機能素子が配置されている電子デバイスであって、前記低融点ガラスの断面が緻密状態であることを特徴とする。
これにより、優れた接合強度と高い気密性を有する電子デバイスが得られる。
本発明の第1実施形態にかかる電子デバイスの製造方法によって製造される電子デバイスの平面図である。 図1に示す電子デバイスの断面図(図1中のA−A線断面図)である。 図1に示す電子デバイスが有する振動素子の平面図である。 本発明の第1実施形態にかかる電子デバイスの製造方法を示す断面図である。 仮焼成後の低融点ガラスの断面写真である。 本発明の第1実施形態にかかる電子デバイスの製造方法を示す断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる電子デバイスの製造方法を示す断面図である。 本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。 本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用した移動体(自動車)の構成を示す斜視図である。
以下、本発明のパッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法および電子デバイスを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる電子デバイスの製造方法によって製造される電子デバイスの平面図、図2は、図1に示す電子デバイスの断面図(図1中のA−A線断面図)、図3は、図1に示す電子デバイスが有する振動素子の平面図、図4は、本発明の第1実施形態にかかる電子デバイスの製造方法を示す断面図、図5は、仮焼成後の低融点ガラスの断面写真、図6は、本発明の第1実施形態にかかる電子デバイスの製造方法を示す断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図2中の上側を「上」と言い、下側を「下」と言う。
1.電子デバイス
まず、本発明の電子デバイス(本発明の電子デバイスの製造方法によって製造される電子デバイス)について説明する。
図1および図2に示すように、電子デバイス100は、パッケージ200と、パッケージ200内に収容された振動素子(機能素子)300とを有している。
−振動素子−
図3(a)は、振動素子300を上方から見た平面図であり、同図(b)は、振動素子300を上方から見た透過図(平面図)である。
図3(a)、(b)に示すように、振動素子300は、平面視形状が長方形の板状をなす圧電基板310と、圧電基板310の表面に形成された一対の励振電極320、330とを有している。
圧電基板310は、主として厚み滑り振動をする水晶素板である。本実施形態では、圧電基板310としてATカットと呼ばれるカット角で切り出された水晶素板を用いている。なお、ATカットとは、水晶の結晶軸であるX軸とZ軸とを含む平面(Y面)をX軸回りにZ軸から反時計方向に約35度15分程度回転させて得られる主面(X軸とZ’軸とを含む主面)を有するように切り出すことを言う。このような圧電基板310は、その長手方向が水晶の結晶軸であるX軸と一致する。
励振電極320は、圧電基板310の上面に形成された電極部321と、圧電基板310の下面に形成されたボンディングパッド322と、電極部321およびボンディングパッド322を電気的に接続する配線323とを有している。一方、励振電極330は、圧電基板310の下面に形成された電極部331と、圧電基板310の下面に形成されたボンディングパッド332と、電極部331およびボンディングパッド332を電気的に接続する配線333とを有している。そして、電極部321、331は、圧電基板310を介して対向して設けられており、ボンディングパッド322、332は、圧電基板310の下面の図3中右側の端部に離間して設けられている。
このような励振電極320、330は、例えば、圧電基板310上に蒸着、スパッタリングによってNiまたはCrの下地層を成膜した後、下地層の上に蒸着、スパッタリングによってAuの電極層を成膜し、その後フォトリソグラフィーおよび各種エッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングすることにより形成することができる。下地層を形成することにより、圧電基板310と前記電極層との接着性が向上し、信頼性の高い振動素子300が得られる。
このような振動素子300は、一対の銀ペースト(導電性接着剤)291、292を介してパッケージ200に固定されている。
−パッケージ−
図1および図2に示すように、パッケージ200は、上側に開放する凹部を有するキャビティ状のベース基板210と、板状のリッド(蓋体)250と、ベース基板210とリッド250の間に介在し、これらを接合する低融点ガラス270とを有している。このようなパッケージ200は、低融点ガラス270によって、その内部空間(収納空間S)が気密的に封止されている。なお、収納空間S内は、減圧状態(例えば、10Pa以下)とされることが好ましい。これにより、振動素子300の振動特性が向上かつ安定し、信頼性の高い電子デバイス100となる。
ベース基板210およびリッド250の構成材料は、それぞれ、特に限定されないが、例えば、酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックス等の各種セラミックスなどを用いることができる。
また、ベース基板210には一対の電極配線230、240が設けられている。電極配線230は、ベース基板210の上面に設けられた接続電極231と、ベース基板210の下面に設けられた外部実装電極232と、ベース基板210を貫通して設けられ、接続電極231と外部実装電極232とを接続する貫通電極233と、を有している。同様に、電極配線240は、ベース基板210の上面に設けられた接続電極241と、ベース基板210の下面に設けられた外部実装電極242と、ベース基板210を貫通して設けられ、接続電極241と外部実装電極242とを接続する貫通電極243と、を有している。
このような電極配線230、240は、例えば、ベース基板210上に蒸着やスパッタリングによってNiまたはCrの下地層を成膜した後、下地層の上に蒸着やスパッタリングによってAuの電極層を成膜し、その後フォトリソグラフィー技法およびエッチング技術を用いて、所望の形状にパターニングすることにより形成することができる。また、マスクを用いたスクリーン印刷法によって金属ペーストを塗布し、塗布した金属ペーストを焼成することによっても形成することができる。
収納空間Sに収納された振動素子300は、一対の銀ペースト291、292を介してベース基板210に片持ち支持されている。銀ペースト291は、接続電極231とボンディングパッド322とに接触して設けられており、これにより、銀ペースト291を介して接続電極231とボンディングパッド322とが電気的に接続されている。一方の銀ペースト292は、接続電極241とボンディングパッド332とに接触して設けられており、これにより、銀ペースト292を介して接続電極241とボンディングパッド332とが電気的に接続されている。
低融点ガラス270は、その断面が緻密状態となっている。言い換えると、低融点ガラス270中からほとんど気泡が除去されている。これにより、前記気泡によるリークパスの形成が低減(防止)され、収納空間Sの気密性が増す。すなわち、例えば、経時的な収納空間S内の真空度の低下を防止することができ、信頼性の高い電子デバイス100となる。ここで、前記「緻密状態」は、例えば、空孔率(空隙率)で言い換えることができる。低融点ガラス270の空孔率(空隙率)としては、特に限定されないが、例えば、1μm以下の空孔率(空隙率)が5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。これにより、十分に緻密な低融点ガラス270となり、上記効果を効果的に発揮することができる。
このような低融点ガラス270としては、特に限定されず、例えば、バナジウム系(V−P−O)の低融点ガラス、ビスマス系(Bi−B−O)の低融点ガラス、鉛系(Pb−B−O)系の低融点ガラスなどを用いることができる。これらの中でも、低融点ガラス270としては、ベース基板210およびリッド250の線膨張係数により近い線膨張係数を有するものが好ましく、この観点から、バナジウム系の低融点ガラスを好適に用いることができる。
2.電子デバイスの製造方法
次に、図4〜図6に基づいて、電子デバイス100の製造方法(本発明の電子デバイスの製造方法および本発明のパッケージの製造方法)を説明する。
なお、以下では、ガラスの粘度(η)が4.0×1014P(logη=14.6)となる点(温度)を「ひずみ点Ts」と言い、ガラスの粘度が2.0×1013P(logη=13.3)となる点(温度)を「転移点Tg」と言い、ガラスの粘度が1.0×1013P(logη=13.0)となる点(温度)を「徐冷点Ta」と言い、ガラスの粘度が4.5×10P(logη=7.65)となる点(温度)を「軟化点Tsoft」と言い、ガラスの粘度が1.0×10P(logη=5.0)となる点(温度)を「流動点Tf」といい、ガラスの粘度が1.0×10P(logη=4.0)となる点(温度)を「作業点Tw」と言う。なお、これら各点は、ガラスの粘度特性を表すために広く用いられているものであり、また、ガラスの種類を問わずに用いることができる指標である。
電子デバイス100の製造方法は、少なくとも一方に低融点ガラス270が塗布されたベース基板210およびリッド(蓋体)250を用意する準備工程と、低融点ガラス270を仮焼成して脱泡する仮焼成工程と、ベース基板210に振動素子300を実装する実装工程と、ベース基板210とリッド250とを接合する接合工程とを有している。以下、これら各工程について順次説明する。なお、パッケージ200の製造方法は、この電子デバイス100の製造方法から実装工程を省略したものとなる。
[準備工程]
まず、図4(a)に示すように、ベース基板210とリッド250とを用意する。ベース基板210は、例えば、シート状のセラミックグリーンシートを複数枚積層することによって所定の外形形状に整形した未焼結体に、電極配線230、240となる金属ペーストをスクリーン印刷法によって成膜し、これを焼結することにより得られる。同様に、リッド250は、シート状のセラミックグリーンシートを単層または複数枚積層することによって所定の外形形状に整形した未焼結体を焼結することにより得られる。
次に、図4(b)に示すように、ベース基板210の側壁の頂面211に低融点ガラス270を一様に塗布する。低融点ガラスの塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、ガラス成分とバインダーの混合物に有機溶剤を加えて粘度を下げたペーストをスクリーン印刷によって塗布する方法が挙げられる。なお、低融点ガラス270は、ベース基板210に換えてリッド250に塗布してもよい。この場合は、リッド250の下面の縁部(頂面211と対向する部分)に沿って枠状に塗布すればよい。また、低融点ガラス270は、ベース基板210およびリッド250の両方に塗布してもよい。
また、低融点ガラス270としては、特に限定されず、例えば、バナジウム系(V−P−O)の低融点ガラス、ビスマス系(Bi−B−O)の低融点ガラス、鉛系(Pb−B−O)系の低融点ガラスなどを用いることができる。これらの中でも、低融点ガラス270としては、ベース基板210およびリッド250の線膨張係数により近い線膨張係数を有するものが好ましく、この観点から、バナジウム系の低融点ガラスを好適に用いることができる。
また、低融点ガラス270は、ギャップ材を含んでいてもよい。キャップ材を含むことにより、低融点ガラス270の線膨張係数を微調整することができる。また、ギャップ材によって、ベース基板210とリッド250との間に低融点ガラス270の存在スペースが確保されるため、ベース基板210とリッド250との間に低融点ガラス270が確実に存在でき、これらを確実に接合することができる。また、ギャップ材によって、パッケージ200の高さを簡単に制御することもできる。なお、ギャップ材の形状は、特に限定されず、例えば、球状、楕円球状、扁平形状、異形状、ブロック状などとすることができる。
また、ギャップ材としては、後述する本焼成温度よりも高い融点(転移点Tg)を有するもの、すなわち、本焼成温度以下で溶解しないものが用いられる。このようなギャップ材の構成材料としては、特に限定されず、例えば、Al、Au、Cr、Nb、Ta、Tiのような金属材料、石英ガラス、ケイ酸ガラス(石英ガラス)、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、鉛(アルカリ)ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガラスのようなガラス材料、アルミナ、ジルコニア、フェライト、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化タングステンのようなセラミックス材料、グラファイトのような炭素材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、ギャップ材としては、高融点ガラス(シリカビーズ)であるのが好ましい。高融点ガラスは、低融点ガラス270との馴染みが良く、さらには、高い強度を有するため、少ない添加量(1wt%以下程度)で機能を発揮することができるという利点がある。
次に、ベース基板210に塗布された低融点ガラス270を加熱し、低融点ガラス270中から有機溶媒を除去する。この際の低融点ガラス270の加熱温度としては、有機溶媒を除去することのできる温度であれば、特に限定されないが、低融点ガラス270の転移点Tg未満であるのが好ましい。具体的には、有機溶剤の種類によっても異なるが、例えば、120〜180℃程度であるのが好ましい。このように、転移点Tg以下の温度で有機溶剤の除去を行うことによって、低融点ガラス270が受ける熱ダメージを低減することができる。そのため、低融点ガラス270の結晶化を効果的に抑制することができる。
なお、このような有機溶剤の除去は、大気圧中で行うのが好ましい。これにより、例えば、減圧雰囲気下などの特殊な環境を設ける必要がないため、有機溶剤の除去を簡単かつ低コストで行うことができる。
次に、ベース基板210に塗布された低融点ガラス270を大気中(酸素含有雰囲気下)で加熱し、低融点ガラス270中からバインダーを焼却(除去)する。この際の低融点ガラス270の加熱温度としては、バインダーを焼却することのできる温度であれば、特に限定されないが、低融点ガラス270の転移点Tg未満であるのが好ましい。具体的には、バインダーの種類によっても異なるが、例えば、バインダーがアクリル系のものである場合には、200〜300℃程度であるのが好ましい。このように、転移点Tg未満の温度でバインダーの焼却を行うことによって、低融点ガラス270が受ける熱ダメージを低減することができる。そのため、低融点ガラス270の結晶化を効果的に抑制することができる。
[仮焼成工程]
次に、ベース基板210に塗布された低融点ガラス270を、減圧雰囲気下で流動点Tf以上に加熱して仮焼成する。仮焼成を行うことにより、低融点ガラス270中のガスを除去(脱泡)することができる。具体的には、低融点ガラス270を流動点Tf以上に加熱すると、低融点ガラス270の粘度が十分に低くなり、減圧雰囲気によって低融点ガラス270中の気泡(ガス)が表面へ引っ張られる。そして、表面まで移動してきた気泡は、そのまま消滅する。そのため、このような仮焼成を行うことにより、低融点ガラス270中のガスの除去を確実に行うことができる。
このような仮焼成を行うことによって、後述する本焼成時において、低融点ガラス270からのガスの発生を防止(抑制)することができる。そのため、収納空間S内を高い真空度とすることができる。さらには、低融点ガラス270中の気泡が除去されていることから、当該気泡を介する気体の移動がなく、ベース基板210とリッド250とを気密的に接合することができる。そのため、収納空間Sの真空度を長期的に維持することができる。
このような低融点ガラス270の仮焼成は、例えば、ヒーターが内蔵された金属製のステージ(ヒートプレート)上にベース基板210を載置し、この状態でベース基板210を真空炉に入れ、真空炉内を減圧した状態にてヒーターを発熱させることにより行うのが好ましい。このような方法によれば、ヒーターの熱がステージおよびベース基板を伝って低融点ガラス270に効率的に伝達されるため、減圧雰囲気下であっても、低融点ガラス270を効率的に加熱することができる。また、大気中の酸素の影響を抑えることができるため、結晶化の促進を抑えることが可能になる。
ここで、低融点ガラス270の仮焼成温度は、流動点Tf以上であれば、特に限定されないが、作業点Tw以上であるのが好ましい。低融点ガラス270を作業点Tw以上に加熱することにより、低融点ガラス270の粘度がさらに低下する。そのため、上記のような気泡の移動がより起こり易くなり、ガスの除去をより確実に行うことができるようになる。なお、作業点Twを超えたあたりから低融点ガラス270の粘度変化率が緩やかになる。そのため、作業点Twを過度に超える温度まで低融点ガラス270を加熱しても、脱泡の効果はそれほど向上せず、かえって低融点ガラス270が受ける熱ダメージが増大してしまう。そのため、作業の効率性と、低融点ガラス270が受ける熱ダメージの低減とを両立させる観点から、作業点Tw以上、作業点Tw+100℃以下程度の範囲で低融点ガラス270を加熱するのがより好ましい。
また、減圧雰囲気としては、より真空度の高い環境であるのが好ましい。具体的には100Pa以下であるのが好ましく、1Pa以下であることがより好ましく、1.0×10−4Pa以下であるのがさらに好ましい。このような減圧雰囲気下によれば、前述したような低融点ガラス270からの気泡の除去をより効果的に行うことができる。また、加熱時間を短くすることができるため、低融点ガラス270が受ける熱ダメージをより低減することができる。なお、本工程にて真空度を急峻に高めると、低融点ガラス270中の気泡が一気に発泡し、低融点ガラス270が周辺への飛散するおそれがある。また、発泡することで、穴(クレーター)が発現し、封止時にリークパスとなるおそれがある。そのため、作業点Tw以上では、徐々に真空度を上げた方が良い。真空度の上昇レートとしては、特に限定されない。
また、加熱時間としては、加熱温度などによっても異なるが、例えば、加熱温度が作業点Tw〜作業点Tw+30℃程度であれば、10分〜60分程度であるのが好ましい。このような時間によれば、低融点ガラス270中の気泡を十分に除去することができるとともに、低融点ガラス270が過度な熱ダメージを受けてしまうことを防止することができる。
ここで、図5は、仮焼成後の低融点ガラス270の断面写真(SEM写真)である。図5(a)は、1.0×10−4Paの減圧雰囲気下/転移点Tg未満/10分の条件で仮焼成した場合の写真、(b)は、1.0×10−4Paの減圧雰囲気下/流動点Tf以上)/10分の条件で仮焼成した場合の写真、(c)は、1.0×10−4Paの減圧雰囲気下/作業点Tw以上/60分の条件で仮焼成した場合の写真である。図5から、流動点Tf以上の温度で仮焼成したものについては、効果的に脱泡されていくことが分かり、温度が高い程、また、加熱時間が長い程、より効果的に脱泡されているのが分かる。特に(c)では気泡がほぼ抜けきっている緻密状態となっている。
[実装工程]
次に、図6(a)に示すように、一対の銀ペースト291、292を介してベース基板210に振動素子300を実装する。
次に、銀ペースト291、292を乾燥し、銀ペースト291、292に含まれる不要な有機溶媒等を除去する。このような乾燥は、具体的には、例えば、N雰囲気下、200〜250℃程度、60〜100分程度の条件によって行うのが好ましい。また、乾燥温度は、低融点ガラス270の転移点Tg以下の温度で行うのが好ましい。このような温度によれば、加熱温度が比較的低く抑えられ、低融点ガラス270が受ける熱ダメージを低減することができる。
次に、銀ペースト291、292を減圧雰囲気下で加熱して焼成する。焼成を行うことにより、銀ペースト291、292に含まれる有機溶媒や反応副生成物が焼失するとともに、銀ペースト291、292が硬化する。銀ペースト291、292が硬化することによって振動素子300がベース基板210に固定、支持されるとともに、ボンディングパッド322、332と接続電極231、241が銀ペースト291、292を介して電気的に接続される。
なお、銀ペースト291、292の焼成温度としては、シリコーン系、エポキシ系、ポリイミド系の種類によっても異なるが、例えば、150〜300℃程度であるのが好ましい。言い換えれば、銀ペースト291、292として、焼成温度が150〜300℃程度のものを用いるのが好ましい。また、焼成温度は、低融点ガラス270の転移点Tg以下の温度で行うのが好ましい。このような焼成温度とすることで、銀ペースト291、292の焼成時に低融点ガラス270が受ける熱ダメージを低減することができる。
また、銀ペースト291、292の加熱時間としては、加熱温度などによっても異なるが、例えば、前述したように焼成温度が150〜300℃程度であれば、5〜6時間程度であるのが好ましい。このような時間によれば、銀ペースト291、292の焼成を確実に行うことができるとともに、低融点ガラス270が過度な熱ダメージを受けてしまうことを防止することができる。
また、減圧雰囲気としては、より真空度の高い環境であるのが好ましい。具体的には、100Pa以下であるのが好ましく、1Pa以下であるのがより好ましく、1.0×10−4Pa以下であるのがさらに好ましい。このような減圧雰囲気下によれば、銀ペースト291、292内部の有機溶媒や反応副生成物の除去がより促進され、これらを効率的に除去することができる。
[接合工程]
次に、図6(b)に示すように、ベース基板210とリッド250とを、間に低融点ガラス270が介在するように重ね合わせて積層体400を得る。このような積層体400を一対の押圧板910、920を備える冶具で挟持し、一対の押圧板910、920の離間距離を制御することにより、必要に応じて積層体400に所定圧力を加えることができるようになっている。
一対の押圧板910、920は、例えば金属等の熱伝導性に優れた材料で構成されており、さらには、ヒーター911、921を内蔵している。ヒーター911、921は、積層体400(低融点ガラス270)を加熱するための加熱手段である。すなわち、押圧板910、920は、ヒートプレートである。
このような押圧板910、920によれば、ヒーター911、921から発生した熱が押圧板910、920を介して効率的に積層体400に伝達されるため、積層体400を効率的に加熱することができる。また、このような押圧板910、920によれば、熱が伝達し難い減圧雰囲気下においても積層体400への熱の伝達を効率的に行うことができるため、後述する接合を効率的かつ確実に行うことができる。
次に、一対の押圧板910、920によって積層体400がほとんど加圧されていない状態で、積層体400を減圧雰囲気下に置く。低融点ガラス270の表面は微小に凹凸しているため、低融点ガラス270とリッド250との間には隙間(図示せず)が形成されている。そのため、積層体400を減圧雰囲気下に置くと、前記隙間を介して積層体400の内部空間(収納空間S)内の気体が積層体400の外部へ吸い出され、内部空間が減圧される。
ここで、減圧雰囲気としては、上述の仮焼成工程における減圧雰囲気よりも大気圧に近い雰囲気とされる。このような減圧雰囲気とすることで、本工程中の低融点ガラス270の発泡を低減することができる。具体的に説明すると、発泡は、低融点ガラス270内の圧力(内圧)と、低融点ガラス270の周囲の圧力(外圧)との差で起こる。そして、これら内圧と外圧の差(以下、単に「圧力差」とも言う。)が大きい程、発泡が多く発生する。そこで、本工程では、上述の仮焼成工程における減圧雰囲気よりも大気圧に近い雰囲気とし、前記圧力差を比較的小さくすることによって、低融点ガラス270の発泡を低減している。これにより、より気泡が少なく緻密な低融点ガラス270が得られ、製造された電子デバイス100の収納空間S内の真空度を高く維持することができる。
なお、本工程における減圧雰囲気としては、上述の仮焼成工程における減圧雰囲気よりも大気圧に近い雰囲気であれば、特に限定されないが、例えば、製造する電子デバイス100に求められる収納空間S内の真空度の1/10〜1/20程度の雰囲気とすることが好ましい。すなわち、例えば、電子デバイス100に求められている収納空間Sの真空度が10Pa以下であれば、1Pa〜0.5Pa程度の雰囲気とすることが好ましい。前述したように、低融点ガラス270とリッド250との間には隙間が形成されていて、この隙間から収納空間S内の気体が外部へ吸い出されるが、例えば、前記隙間が小さい場合には、収納空間S内の気体が外部へ吸い出され難く、収納空間S内の減圧状態を減圧雰囲気と等しくすることが困難な場合もある。そこで、減圧雰囲気を、製造する電子デバイス100に求められる収納空間S内の真空度の1/10〜1/20程度とすることで、上述のような問題が発生しても、より確実に、収納空間S内の真空度を求められている値以下とすることができる。
次に、減圧雰囲気を維持した状態にて、ヒーター921、922を駆動し、低融点ガラス270を流動点Tf以上に加熱して本焼成する。これにより、低融点ガラス270の粘度を十分に下げることができる。
なお、本工程における加熱温度(本焼成温度)としては、流動点Tf以上であれば、特に限定されないが、作業点Tw以下であるのが好ましい。加熱温度を作業点Tw以下とすることにより、銀ペースト291、292、ベース基板210、リッド250からのガスの発生を効果的に抑制することができる。さらには、低融点ガラス270が受ける熱ダメージを低減することができるため、低融点ガラス270の結晶化を抑制することができる。特に、前述したように、本実施形態では低融点ガラス270に酸化銀(AgO)粒子を混合し、低融点ガラス270の各点(流動点Tf、作業点Tw等)の温度を下げている。そのため、本工程での加熱温度を低く抑えることができ、上記効果をより顕著に発揮することができる。
また、本工程における加熱温度は、前述の仮焼成工程における加熱温度よりも低いことが好ましい。これにより、低融点ガラス270の過度な粘度の低下を防止することができ、後に、積層体400が両側から加圧されたときに、低融点ガラス270が収納空間S内へ流れ出てしまうことを低減することができる。収納空間S内に流れ出てしまった低融点ガラス270は、ガスの発生源となるおそれもあるため、前記流れ出しを低減することで、より確実に、収納空間S内の真空度を高く維持することができる。
このように、低融点ガラス270を流動点Tf以上に加熱し、低融点ガラス270の粘度を適度に下げた後、一対の押圧板910、920によって積層体400を両側から加圧する。そして、この加圧状態を一定時間(好ましくは、10〜30分程度)維持する。これにより、低融点ガラス270が潰されて前記隙間が消滅する。
なお、本実施形態では、低融点ガラス270を本焼成する工程と、積層体400を加圧する工程とを順に行っているが、これら2つの工程を同時に行ってもよい。すなわち、積層体400を加圧しながら低融点ガラス270を加熱してもよい。このように、2つの工程を同時に行うことにより、電子デバイス100の製造工程を削減することができるとともに、製造時間を短縮することができる。
次に、積層体400への加圧を維持しつつ、低融点ガラス270を冷却する。これにより、低融点ガラス270が硬化し、ベース基板210とリッド250とが低融点ガラス270を介して気密的に接合される。なお、冷却方法としては、特に限定されないが、まず、低融点ガラス270を徐冷点Taまで冷却し、この温度を一定時間(例えば15〜30分)維持することにより低融点ガラス270内のひずみを除去した後、低融点ガラス270をひずみ点Ts以下に冷却するのが好ましい。これにより、ひずみのない(少ない)低融点ガラス270とすることができる。
以上によって、収納空間Sが気密封止された電子デバイス100が製造される。このようにして電子デバイス100が製造された後、減圧雰囲気を解除するとともに、押圧板910、920による加圧を解除し、電子デバイス100を取り出す。
以上、電子デバイス100の製造方法について詳細に説明した。
このような電子デバイス100の製造方法では、本焼成時において、低融点ガラス270は、仮焼成によって脱泡された状態にあるため、低融点ガラス270内や低融点ガラス270とベース基板210およびリッド250との界面での前記気泡に起因したリークパス(収納空間Sの内外を連通する空洞)の形成が防止され、その結果、気密性の高い電子デバイス100が製造される。また、本焼成時の減圧雰囲気を、仮焼成時の減圧雰囲気よりも大気圧に近い雰囲気としているため、本焼成時の低融点ガラス270の発泡を低減することができる。この点からも、気密性の高い電子デバイス100が製造される。
また、各工程での温度管理を適切に制御することによって、低融点ガラス270が過度な熱ダメージを受けることを防止し、低融点ガラス270の結晶化(変質)を抑制している。そのため、低融点ガラス270は、優れた接着強度を発揮することができ、ベース基板210とリッド250とをより強固に接合することができる。特に、本焼成時の加熱温度を制御し、銀ペースト291、292からのガスの発生を抑えているため、収納空間S内の真空度の低下を効果的に抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の電子デバイスの製造方法の第2実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態にかかる電子デバイスの製造方法を説明する断面図である。
以下、第2実施形態の電子デバイスの製造方法について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態の電子デバイスは、銀ペーストの焼成と、低融点ガラスの仮焼成を同時に(同じ工程で)行うこと以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
電子デバイス100の製造方法は、少なくとも一方に低融点ガラス270が塗布されたベース基板210およびリッド(蓋体)250を用意する準備工程と、ベース基板210に振動素子300を実装する実装工程と、銀ペースト291、292の焼成と低融点ガラス270の仮焼成とを行う仮焼成工程と、ベース基板210とリッド250とを接合する接合工程とを有している。以下、これら各工程について順次説明する。
[準備工程]
本工程は、前述した第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
[実装工程]
まず、図7に示すように、一対の銀ペースト291、292を介してベース基板210に振動素子300を実装する。
次に、銀ペースト291、292を乾燥し、銀ペースト291、292に含まれる不要な有機溶媒等を除去する。このような乾燥は、具体的には、例えば、N雰囲気下、200〜250℃程度、60〜100分程度の条件によって行うのが好ましい。また、乾燥温度は、低融点ガラス270の転移点Tg以下の温度で行うのが好ましい。このような温度によれば、加熱温度が比較的低く抑えられ、低融点ガラス270が受ける熱ダメージを低減することができる。
[仮焼成工程]
まず、ベース基板210に塗布された低融点ガラス270を、減圧雰囲気下で流動点Tf以上に加熱して仮焼成する。低融点ガラス270を仮焼成することにより、低融点ガラス270中のガスを除去(脱泡)することができる。また、このような低融点ガラス270の仮焼成中の熱を利用して、銀ペースト291、292を焼成する。すなわち、低融点ガラス270の仮焼成と同時に銀ペースト291、292の焼成を行う。銀ペースト291、292を焼成することにより、銀ペースト291、292内部の有機溶媒や反応副生成物の除去がより効率的に焼結し、銀ペースト291、292が硬化する。なお、本工程の条件は、前述した第1実施形態の仮焼成工程と同様とすることができる。低融点ガラス270の仮焼成と比較して、銀ペースト291、292の焼成の条件が緩いため、低融点ガラス270の仮焼成に条件を合わせることにより、低融点ガラス270の仮焼成と銀ペースト291、292の焼成とを確実に行うことができ、出ガスの抑制効果を発揮することができる。
このように、低融点ガラス270の仮焼成と銀ペースト291、292の焼成とを同時に行うことにより(同じ工程で行うことにより)、例えば、前述した第1実施形態と比較して、低融点ガラス270の熱履歴(熱が加わった回数)を少なくすることができるため、低融点ガラス270が受ける熱ダメージをより効果的に低減することができる。また、封止時に発生の恐れのある、銀ペースト291、292からの出ガスをより強力に除去することによって、収納空間Sの真空度をより確実に維持することができる。
[接合工程]
本工程は、前述した第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上のような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
(電子機器)
次いで、本発明の電子デバイスを備える電子機器について、図8〜図11に基づき、詳細に説明する。
図8は、本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部2000を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する電子デバイス100が内蔵されている。
図9は、本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部2000が配置されている。このような携帯電話機1200には、フィルター、共振器等として機能する電子デバイス100が内蔵されている。
図10は、本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなディジタルスチルカメラ1300には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する電子デバイス100が内蔵されている。
図11は、本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用した移動体(自動車)の構成を示す斜視図である。自動車1500には、例えば、ジャイロセンサーとして本発明の電子デバイスが組み込まれる。この場合は、機能素子として、振動素子300に換えて角速度検出素子(ジャイロ素子)を用いた電子デバイス100’を用いることができる。このような電子デバイス100’によれば、車体1501の姿勢を検出することができる。電子デバイス100’の検出信号は、車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。その他、このような姿勢制御は、二足歩行ロボットやラジコンヘリコプターで利用することができる。以上のように、各種移動体の姿勢制御の実現にあたって、電子デバイス100’が組み込まれる。
なお、本発明の電子デバイスを備える電子機器は、図8のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図9の携帯電話機、図10のディジタルスチルカメラ、図11の移動体の他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
以上、本発明のパッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法および電子デバイスについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、ベース基板がキャビティ型をなし、リッドが板状をなしている構成について説明したが、ベース基板およびリッドの形状は、接合されてパッケージとなったときに、内部に振動素子を収納する空間を形成することができれば、特に限定されない。例えば、前述した実施形態とは逆に、ベース基板を板状とし、リッドをキャビティ型としてもよい。また、両者をキャビティ型としてもよい。
また、前述した実施形態では、機能素子がATカット水晶振動素子であるが、機能素子としては特に限定されず、例えば、水晶Z板を用いた音叉型の水晶振動素子であってもよいし、シリコンを用いた振動素子であってもよい。
100、100’…電子デバイス 200…パッケージ 210…ベース基板 211…頂面 230…電極配線 231…接続電極 232…外部実装電極 233…貫通電極 240…電極配線 241…接続電極 242…外部実装電極 243…貫通電極 250…リッド 270…低融点ガラス 291、292…銀ペースト 300…振動素子 310…圧電基板 320…励振電極 321…電極部 322…ボンディングパッド 323…配線 330…励振電極 331…電極部 332…ボンディングパッド 333…配線 400…積層体 910、920…押圧板 911、921…ヒーター 1100…パーソナルコンピューター 1102…キーボード 1104…本体部 1106…表示ユニット 1200…携帯電話機 1202…操作ボタン 1204…受話口 1206…送話口 1300…ディジタルスチルカメラ 1302…ケース 1304…受光ユニット 1306…シャッタボタン 1308…メモリー 1312…ビデオ信号出力端子 1314…入出力端子 1430…テレビモニター 1440…パーソナルコンピューター 1500…自動車 1501…車体 1502…車体姿勢制御装置 1503…車輪 2000…表示部 S…内部空間(収納空間)

Claims (8)

  1. 少なくとも一方に低融点ガラスが設けられているベース基板および蓋体を用意する工程と、
    前記低融点ガラスを減圧雰囲気下で流動点以上に加熱して、前記低融点ガラスを脱泡する工程と、
    前記低融点ガラスを介して前記ベース基板および前記蓋体を重ね合わせた後、前記脱泡する工程よりも大気圧に近い圧力雰囲気下で前記低融点ガラスを流動点以上に加熱して、前記ベース基板および前記蓋体を接合する工程と、を含むことを特徴とするパッケージの製造方法。
  2. 少なくとも一方に低融点ガラスが設けられているベース基板および蓋体を用意する工程と、
    前記低融点ガラスを減圧雰囲気下で流動点以上に加熱して、前記低融点ガラスを脱泡する工程と、
    前記低融点ガラスを介して前記ベース基板および前記蓋体を重ね合わせた後、前記脱泡する工程よりも大気圧に近い圧力雰囲気下で前記低融点ガラスを流動点以上に加熱して、前記ベース基板および前記蓋体を接合する工程と、
    前記接合する工程より前に行われ、前記ベース基板に接着剤を介して機能素子を実装する工程と、を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  3. 前記脱泡する工程では、前記低融点ガラスを作業点以上に加熱する請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。
  4. 前記接合する工程では、前記低融点ガラスを流動点以上かつ作業点以下に加熱する請求項2または3に記載の電子デバイスの製造方法。
  5. 前記脱泡する工程より前に、前記低融点ガラスを酸素含有雰囲気中で転移点未満に加熱する工程を含む請求項2ないし4のいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
  6. 前記低融点ガラスは、少なくとも前記ベース基板に設けられており、
    前記機能素子を実装する工程は、前記脱泡する工程より前に行われる請求項2ないし5のいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
  7. 前記脱泡する工程にて、前記低融点ガラスの脱泡とともに、前記接着剤の焼成が行われる請求項6に記載の電子デバイスの製造方法。
  8. ベース基板と蓋体とが低融点ガラスにより接合して構成されている内部空間に機能素子が配置されている電子デバイスであって、前記低融点ガラスの断面が緻密状態であることを特徴とする電子デバイス。
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