JP2015147748A - trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法 - Google Patents

trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015147748A
JP2015147748A JP2014021889A JP2014021889A JP2015147748A JP 2015147748 A JP2015147748 A JP 2015147748A JP 2014021889 A JP2014021889 A JP 2014021889A JP 2014021889 A JP2014021889 A JP 2014021889A JP 2015147748 A JP2015147748 A JP 2015147748A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaminocyclohexane
trans
cis
diacetyldiaminocyclohexane
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014021889A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6287290B2 (ja
Inventor
森井 清二
Seiji Morii
清二 森井
康和 菅
Yasukazu Suga
康和 菅
森本 正雄
Masao Morimoto
正雄 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Toray Fine Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Fine Chemicals Co Ltd filed Critical Toray Fine Chemicals Co Ltd
Priority to JP2014021889A priority Critical patent/JP6287290B2/ja
Publication of JP2015147748A publication Critical patent/JP2015147748A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6287290B2 publication Critical patent/JP6287290B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】 trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物から、効率よくtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを工業的に製造する。【解決手段】 cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物から、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを製造する方法において、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物をアセチル化し、塩基の存在下で、プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒から晶析によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを取得した後、脱アセチル化するtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンからなる1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物から高純度のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンが収率よく取得できる、工業的に量産可能なtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法に関する。
trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法として、例えばtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物から無水酢酸により1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを合成し、再結晶によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを取得し、塩酸により脱アセチル化反応を行い、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン取得する方法(特許文献1参照)、或いはtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの混合物を光学活性酒石酸で光学分割する方法が知られている(特許文献2参照)。
特許文献1に記載の方法は、アセチル化反応時や抽出時に、ハロゲン系溶媒であるクロロホルムが使用されている点や粗1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを合成、濃縮乾固で単離したのちに、再結晶によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを精製する方法であり、単位操作が多く作業が煩雑な点、特許文献2に記載の方法は、酒石酸との塩を形成し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対し分子量が2倍以上となり、生産性が低下する上、再結晶を繰り返し精製するため、収率が低くなる点があり、いずれも工業的に有利な方法とは言い難い。
このように、公知の方法では、効率的にtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを工業的に生産可能な方法ではなかった。従って、安価な原料で工業的に生産可能なtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを取得する方法の確立が望まれていた。
特開昭61−9725号公報 特開平7−188121号公報
本発明は、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物から、効率よくtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを工業的に取得できる製造方法を提供することにある。
本発明者らは前記の課題を解決する方法について鋭意検討した結果、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物から、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを製造する方法において、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物をアセチル化し、塩基の存在下で、プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒から晶析によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを取得した後、脱アセチル化するtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物から、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを製造する方法において、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物をアセチル化し、塩基の存在下で、プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒から晶析によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを取得した後、脱アセチル化するtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法である。
本発明のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法は、安価な原料で工業的に生産可能なtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを取得できる。
本発明によれば、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物から、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを製造する方法において、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物をアセチル化し、プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒から晶析によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを取得した後、脱アセチル化するtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造する方法により、安価な原料で工業的に生産可能なtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを取得できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物から、効率よくtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを工業的に取得できる製造方法である。
本発明のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを製造する方法の原料であるtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの混合物は、異性体2種を含む限り任意ではあるが、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの割合が少ないとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの生産効率が低くなる傾向にある。そのため、cis体とtrans体の比は、cis体:trans体=1:20〜10:6であることが好ましく、より好ましくは、cis体:trans体=1:20〜10:8である。工業品では、一般にcis体:trans体=1.2:2のものが入手可能である。また、その他のアミン類、例えば、1,6−ジアミノヘキサン等が混入していてもDACHと等量以下であれば問題ないが、不純物の存在量が多くなれば生産効率が低下する。
本発明のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法は、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物にアセチル化誘導化剤を添加し、ジアセチル化することにより、結晶化したtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを固液分離することで取得する。得られたtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを鉱酸と接触せしめて脱アセチル化し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの鉱酸塩を取得し、これをアルカリと接触させて、遊離したtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを単離、精製することからなり、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを分離するものである。
以下、製造方法について、さらに詳細に説明する。
ジアセチル化反応は、溶媒を用いることが好ましい。溶媒は、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール類、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類などが挙げられ、好ましくは、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、エチルメチルケトン、より好ましくは、水、メタノール、エタノール、アセトンである。反応後、晶析によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを取得するため、使用する溶媒は2種類以上使用することが好ましく、特に水、メタノール、エタノールなどのプロトン性溶媒とアセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類との組み合わせがより好ましく、さらに好ましくは、水とアセトンの組み合わせである。
使用する溶媒量は溶媒の種類にもよるが、例えば、水の場合、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物に対し、1.0重量倍以上が好ましく、より好ましくは、1.0〜3.0重量倍である。例えば、アセトンの場合、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物に対し、0.1重量倍以上が好ましく、より好ましくは、0.5〜1.5重量倍である。
ジアセチル化反応に使用するアセチル化剤としては、無水酢酸、塩化アセチル、酢酸メチル、酢酸エチルなどの酢酸エステル類が挙げられ、好ましくは、無水酢酸である。
アセチル化剤の添加量は、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物に対し、1.5〜3.0モル倍が好ましく、より好ましくは1.9〜2.5モル倍である。
ジアセチル化反応は、好ましくは、水と1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物を仕込み、完全に溶解させる。次いで、好ましくは、50℃以上、より好ましくは60〜80℃まで加熱し、好ましくは、60〜70℃を保ちながら、無水酢酸を添加する。好ましくは、無水酢酸添加して1時間以上、より好ましくは2〜4時間熟成させ、好ましくは、熟成終了後は65℃以下、好ましくは50〜60℃まで冷却し、アセトンを添加する。
本発明のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法は、塩基の存在下で、プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒から晶析によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを取得する。
プロトン性溶媒は、好ましくは、水、メタノール、エタノールであり、より好ましくは、水、エタノールである。
ケトン類は、好ましくは、アセトン、エチルメチルケトンであり、より好ましくは、アセトンである。
プロトン性溶媒とケトン類の混合比は、好ましくは、プロトン性溶媒:ケトン類=1:1〜5:1であり、より好ましくは、プロトン性溶媒:ケトン類=2.5:1である。
溶媒から晶析によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを取得する。
プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒から晶析によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを取得するときの使用する溶媒量は、好ましくは、trans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンに対し、2〜10重量倍が好ましく、より好ましくは、3〜5重量倍である。
晶析によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを高収率で取得するに、塩基の存在下で、晶析を行う。塩基は、好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、マグネシウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、リチウムtert−ブトキシド、アンモニア、メチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、より好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリメチルアミンである。プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒に塩基を添加することが好ましく、プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒に塩基を添加することがより好ましい。塩基を添加しないと、塩基を添加した場合に比べて、trans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンの析出量が少なく、生産効率が低下する。
プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒に塩基を添加する場合は、混合溶媒を、50℃以下、好ましくは20〜40℃まで冷却し、塩基を添加することが好ましい。塩基添加後は、好ましくは、30℃以下、より好ましくは10〜30℃まで冷却し、1時間以上熟成することが好ましい。
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なおtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度は以下に示す方法で測定した。
<化学純度分析方法>
trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン 約0.1gを10mlメスフラスコに採取し、標線までメタノールで希釈した。調製した溶液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析し、面積百分率により純度を出した。
GC分析条件
カラム Inert Cap1(GL Science製)
ID 0.4mm、Film 0.25μm、Length 60m
He流量 50 ml/min
COL温度 100 ℃(10min)→15℃/min(10min)→200℃(10min)
INJ温度 230℃
DET温度 250℃
DET F I D
注入量 1.0μl
スプリット比 13
保持時間 trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン 8.6分
cis−1,2−ジアミノシクロヘキサン 9.0分
trans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサン 26分
cis−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサン 27分
(実施例1)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた2000mlの4つ口フラスコに水228.4gを仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物228.4g(2.0モル)を添加した。反応液を65℃まで加熱し、無水酢酸449.2g(4.4モル)を滴下ロートより2.5時間で滴下した。滴下終了後さらに70〜80℃で1時間加熱撹拌した後、反応温度を保ちながら、水342.6gを添加した。2時間以上かけて55〜60℃まで冷却し、アセトン228.4gを加えて希釈した。その後、55〜60℃を保ちながら、種晶を加えて結晶を析出させた。1時間以上かけて40℃以下まで冷却し、20〜40℃を保ちながら、48%水酸化ナトリウム水溶液366.7g(4.4モル)を添加した。25〜35℃で1時間以上撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、水でリンス、乾燥して220.9g(1.1モル)のtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率89%で、cis体とtrans体の比は1:200であった。
温度計、バキュームスターラー、コンデンサーを装着した1000mlの4ツ口フラスコに、水390.2gと取得したtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサン全量を仕込んだ。次いで、硫酸215.7g(2.2モル)を添加した。硫酸添加後、反応液を約8時間加熱還流させた。5時間以上かけて25℃まで冷却し、20〜30℃で1時間以上撹拌した後、桐山ロートで固液分離し、乾燥して193.8g(0.9モル)のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩を得た。収率83%で、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度は99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
得られたtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩全量と水327.5gを仕込み、20〜30℃で撹拌した。そこに、48%水酸化ナトリウム水溶液155.4g(1.9モル)を20〜40℃を保ちながら滴下した。20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、反応液は2層に分かれているので、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。水層である下層に1−ブタノール416.6gを加えて、20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。分液して、採取した2つの油層を混合し、この溶液を減圧下で濃縮して1−ブタノールおよび水を留去し、つづいて残渣を減圧蒸留し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン64.6g(0.6モル)を取得した。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩に対して収率62%、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
(実施例2)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた2000mlの4つ口フラスコに水500.0gとトリエチルアミン372.2g(3.7モル)を仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物200.0g(1.8モル)を添加した。反応液を65℃まで加熱し、無水酢酸375.5g(3.7モル)を滴下ロートより2.5時間で滴下した。滴下終了後さらに70〜80℃で1時間加熱撹拌した後、3時間以上かけて40℃まで冷却し、アセトン200.0gを加えて希釈した。1時間以上かけて25℃まで冷却し、20〜30℃で1時間以上撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、水でリンス、乾燥して215.3g(1.1モル)のtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率98%で、cis体とtrans体の比は1:49であった。
温度計、バキュームスターラー、コンデンサーを装着した1000mlの4ツ口フラスコに、水380.3gと取得したtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサン全量を仕込んだ。次いで、硫酸213.0g(2.2モル)を添加した。硫酸添加後、反応液を約8時間加熱還流させた。5時間以上かけて25℃まで冷却し、20〜30℃で1時間以上撹拌した後、桐山ロートで固液分離し、乾燥して191.3g(0.9モル)のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩を得た。収率83%で、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度は99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
得られたtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩全量と水323.3gを仕込み、20〜30℃で撹拌した。そこに、48%水酸化ナトリウム水溶液155.4g(1.9モル)を20〜40℃を保ちながら滴下した。20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、反応液は2層に分かれているので、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。水層である下層に1−ブタノール411.3gを加えて、20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。分液して、採取した2つの油層を混合し、この溶液を減圧下で濃縮して1−ブタノールおよび水を留去し、つづいて残渣を減圧蒸留し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン63.8g(0.6モル)を取得した。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩に対して収率62%、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度は99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
(比較例1)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた5000mlの4つ口フラスコにクロロホルム2000mlを仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物114.2g(1.0モル)を添加し、溶解させた。無水酢酸245.0g(2.4モル)を室温で撹拌しながら、30分かけて滴下した。滴下後、室温でさらに1時間撹拌した後、反応液に20%水酸化ナトリウム水溶液1000mlで洗浄した。分液後、クロロホルム層を減圧下で濃縮乾固して、粗1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを199g得た。cis体とtrans体の比は1.2:2のままであった。粗1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンの全量を水730gに加熱溶解させた後、徐々に室温まで冷却し、結晶を析出させた。結晶を濾過し、乾燥して98g(0.5モル)のtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率80%で、cis体とtrans体の比は1:32であった。得られたtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサン75.9g(0.38モル)を2規定塩酸水溶液600mlに溶かし、9時間加熱還流させた。放冷後、クロロホルムで洗浄した後、減圧下で濃縮した。残渣に25%水酸化ナトリウム水溶液200gを室温に保ちながら添加した。添加後、クロロホルムで生成したtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを抽出した。クロロホルム層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮し、さらに減圧蒸留して、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン36g(0.32モル)を得た。trans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンに対して収率は83%で、cis体とtrans体の比は1:32のままであった。
(比較例2)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた500mlの4つ口フラスコに水125.0gとトリエチルアミン88.6g(0.9モル)を仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物50.0g(0.4モル)を添加した。反応液を65℃まで加熱し、無水酢酸89.4g(0.9モル)を滴下ロートより2.5時間で滴下した。滴下終了後さらに70〜80℃で1時間加熱撹拌した後、5時間以上かけて25℃まで冷却し、20〜30℃で1時間以上撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、水でリンス、乾燥して42.8g(0.2モル)のtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率79%で、cis体とtrans体の比は1:82であった。
(比較例3)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた5000mlの4つ口フラスコに水1000.0gを仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物400.0g(3.5モル)を添加した。反応液を65℃まで加熱し、無水酢酸858.3g(8.4モル)を滴下ロートより2.5時間で滴下した。滴下終了後さらに70〜80℃で1時間加熱撹拌した後、3時間以上かけて40℃まで冷却し、アセトン400.0gを加えて希釈した。1時間以上かけて25℃まで冷却し、20〜30℃で1時間以上撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、水でリンス、乾燥して151.1g(0.8モル)のtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率35%で、trans−1,2−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンの化学純度は99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。

Claims (3)

  1. cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物から、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを製造する方法において、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物をアセチル化し、塩基の存在下で、プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒から晶析によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを取得した後、脱アセチル化するtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。
  2. プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒中のプロトン性溶媒が、水あるいはメタノール、エタノールである請求項1に記載のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。
  3. プロトン性溶媒とケトン類との混合溶媒中のケトン類が、アセトンである請求項1または2に記載のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。
JP2014021889A 2014-02-07 2014-02-07 trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法 Active JP6287290B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014021889A JP6287290B2 (ja) 2014-02-07 2014-02-07 trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014021889A JP6287290B2 (ja) 2014-02-07 2014-02-07 trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015147748A true JP2015147748A (ja) 2015-08-20
JP6287290B2 JP6287290B2 (ja) 2018-03-07

Family

ID=53891457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014021889A Active JP6287290B2 (ja) 2014-02-07 2014-02-07 trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6287290B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016013977A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 東レ・ファインケミカル株式会社 trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52111544A (en) * 1976-03-15 1977-09-19 Yoshinori Kitani Separation purification process of 1*22diaminocyclohexane isomer
JPS6197250A (ja) * 1984-10-19 1986-05-15 Toray Ind Inc トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサンの精製法
JP2010516818A (ja) * 2007-01-30 2010-05-20 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド cisおよび/またはtrans−オルト−シクロヘキサンジアミン開始ポリオールとそれから作製された硬質ポリウレタンフォーム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52111544A (en) * 1976-03-15 1977-09-19 Yoshinori Kitani Separation purification process of 1*22diaminocyclohexane isomer
JPS6197250A (ja) * 1984-10-19 1986-05-15 Toray Ind Inc トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサンの精製法
JP2010516818A (ja) * 2007-01-30 2010-05-20 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド cisおよび/またはtrans−オルト−シクロヘキサンジアミン開始ポリオールとそれから作製された硬質ポリウレタンフォーム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
実験化学講座1 基本操作I, vol. 第4版, JPN6017034361, 5 November 1990 (1990-11-05), JP, pages 184−186 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016013977A (ja) * 2014-07-01 2016-01-28 東レ・ファインケミカル株式会社 trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6287290B2 (ja) 2018-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3044212B1 (en) Process for the large scale production of 1h- [1,2,3]triazole and its intermediate 1-benzyl-1h-[1,2,3]triazole
KR102479201B1 (ko) (1r,3r)- 및 (1s,3s)-2,2-디할로-3-(치환된 페닐)시클로프로판카르복실산의 제조 방법
JP2018502909A5 (ja)
CN104529735A (zh) 一种1-(5-溴-4-氯-2-氟苯基)-乙酮的合成方法
JP6287290B2 (ja) trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法
JP5212740B2 (ja) 1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造法
CN104803846B (zh) 制备双[4-(6-丙烯酰氧己基)苯基]环己烷-1,4-二羧酸酯的方法
CN104926682A (zh) 一种对氯苯肼盐酸盐的制备方法
CN104649983A (zh) 一种酸的制备方法
CN111132955A (zh) 用于生产β-春烯的新方法
CN111196777A (zh) 一种布瓦西坦的合成制备
JP6277470B2 (ja) trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法
JP2021516667A (ja) スプリンゲンを製造するプロセス
KR20190135475A (ko) cis,cis-1,2,4-시클로헥산트리카르본산결정의 제조방법
TW201815779A (zh) (r)-5-(3,4-二氟苯基)-5-〔(3-甲基-2-氧代吡啶-1(2h)-基)甲基〕咪唑啶-2,4-二酮之製造方法及用於該製造之中間體
CN106748853A (zh) 一种(s)‑邻氯苯甘氨酸甲酯盐酸盐的制备方法
KR101085170B1 (ko) (s)-리바스티그민의 제조방법
CN113880724A (zh) 一种3-(2-氨基苯基)-2-丙烯酸酯的制备方法
JP6433809B2 (ja) 1−(3−ヒドロキシメチルピリジル−2−)−2−フェニル−4−メチルピペラジンの製造方法
CN117865996A (zh) 一种1-甲基-1h-吡唑-4-硼酸-3,5-13c2的制备方法
JP4560309B2 (ja) 光学活性なアミノ酸誘導体の製造方法
RU2508286C1 (ru) Способ получения 4,6-динитро-о-крезола
WO2015166557A1 (ja) 3-クロロ-4-メトキシベンジルアミン塩酸塩含有組成物およびその製造方法
CN103694208B (zh) 乙酰化l-阿拉伯糖烯的制备方法
JP5704182B2 (ja) 光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160115

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160115

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6287290

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250