JP2016013977A - trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物から、効率よくtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを工業的に取得できる製造方法を提供する。【解決手段】 cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物をアミノ基と反応する保護化剤と反応させて、2つのアミノ基を保護基で保護し、塩基の存在下で、晶析することにより、1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物のtrans/cis比率を向上させるtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンからなる1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物から高純度のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンが収率よく取得できるtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法に関する。
高純度のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンは、近年、ポリイミドやポリアミドなどの高分子材料の原料として使用されており、フィルム用途、電子材料用途として有用である(特許文献1参照)。
trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法として、例えばtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物から無水酢酸により1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを合成し、再結晶によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを取得し、塩酸により脱アセチル化反応を行い、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン取得する方法(特許文献2参照)が知られている。
この方法は、アセチル化反応時や抽出時に、ハロゲン系溶媒であるクロロホルムが使用されている点や粗1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを合成、濃縮乾固で単離したのちに、再結晶によりtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを精製する方法であり、単位操作が多く作業が煩雑である。
trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物とホスゲンを反応させて、N,N’−シクロヘキシレン尿素を合成した後、高温下で無機酸と反応、その後、塩基と接触させて、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン取得する方法(特許文献3参照)が知られている。
この方法は、反応剤であるホスゲンの毒性が高く、また、N,N’−シクロヘキシレン尿素合成時の反応選択性が低い。
trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物とベンジルを反応させて、trans−ヘキサヒドロ−2,3−ジフェニルキノキサリンを合成した後、高温下で酸と反応、その後、塩基と接触させて、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを取得する方法(特許文献4参照)が知られている。
この方法は、1回の晶析収率が低く、また、反応時に脱水操作が必要であり、上記の3種類の方法は、いずれも工業的に不利な方法である。
また、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの混合物を水溶媒中に当量の硫酸を加えて、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン硫酸塩として取り出した後、塩基を加えてtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを取得する方法(特許文献5参照)が知られている。
この方法は、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン硫酸塩とcis−1,2−ジアミノシクロヘキサン硫酸塩の水への溶解度差はほとんどないため、高純度のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを取得するには再結晶を繰り返す必要があり、収率が低くなる。
trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの混合物をアルコール溶媒中に当量のアジピン酸を加えて、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンアジピン酸塩として取り出した後、塩基を加えてtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを取得する方法(特許文献6参照)が知られている。
この方法は、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの混合物をイソプロパノール溶媒中で当量のアジピン酸を加えて、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンアジピン酸塩を取り出そうとすると、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンアジピン酸塩も一緒に析出してしまうため、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを効率的に製造するができない。
このように、公知の方法では、効率的にtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを工業的に生産可能な方法ではなかった。
特開2013−23597号公報 特開昭61−9725号公報 米国特許第3167587号公報 米国特許第3163675号公報 米国特許第3187045号公報 特開昭45−29655号公報
本発明は、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物から、効率よくtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを工業的に取得できる製造方法を提供することにある。
cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物をアミノ基と反応する保護化剤と反応させて、2つのアミノ基を保護基で保護し、塩基の存在下で、晶析することにより、1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物のtrans/cis比率を向上させるtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法である。
本発明では、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物をアミノ基と反応する保護化剤と反応させて、2つのアミノ基を保護基で保護し、塩基の存在下で、晶析することにより、1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物のtrans/cis比率を向上させるtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造する方法により、安価な原料から、工業的に生産可能な方法により、効率よく、高純度のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを取得できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物から、効率よくtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを工業的に取得できる製造方法である。
本発明のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを製造する方法では、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの混合物は、例えば、下記の方法で製造する。ナイロン−6,6の原料である1,6−ジアミノヘキサンの製造工程において、1,4−ジシアノブタンを還元して1,6−ジアミノヘキサンを生成する際に副生物としてtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの混合物が得られる。
本発明では、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの混合物は、異性体2種を含むが、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの割合が少ないとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの生産効率が低くなる傾向にある。そのため、cis体とtrans体の比は、cis体:trans体=1:20〜10:6であることが好ましく、より好ましくは、cis体:trans体=1:20〜10:8である。工業品では、一般にcis体:trans体=1.2:2のものが入手可能である。
また、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンの混合物は、1,2−ジアミノシクロヘキサン以外のアミン類、例えば、1,6−ジアミノヘキサン等が混入していても、使用可能である。好ましくは、1,2−ジアミノシクロヘキサン以外のアミン類は、1,2−ジアミノシクロヘキサンと等量以下である。1,2−ジアミノシクロヘキサン以外のアミン類の存在量が多くなれば生産効率が低下する場合がある。
本発明のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法は、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物をアミノ基と反応する保護化剤と反応させ、2つのアミノ基を保護基で保護する。
アミノ基を保護基した保護基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメトキシカルボニル基、2−クロロ−3−インデニルメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル基、2−フェニルエトシキカルボニル基、2−クロロエトキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2−クロロエトキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエトキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、1−アダマンチルオキシカルボニル基、2−アダマンチルオキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、1−イソプロピルアリルオキシカルボニル基、シンナミルオキシカルボニル基、N−ヒドロキシピペリジニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトシキベンジルオキシカルボニル基、p−クロロベンジルオキシカルボニル基、p−ブロモベンジルオキシカルボニル基、4−メチルスルフィニルベンジルオキシカルボニル基、ビフェニルメトキシカルボニル基などのウレタン型保護基類、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トルクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、3−フェニルプロピオニル基、3−フェニルプロパナミド基、ピコリノイル基、ニコチノイル基、ベンゾイル基などのアミド型保護基類、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、アリル基、N−シアノメチル基などのN−アルキル型保護基類、ベンジル基などのN−アリール型保護基類などが挙げられる。保護基は、好ましくは、ウレタン型保護基類、アミド型保護基類である。
アミノ基を保護基した保護基は、より好ましくは、ホルミル基、アセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンゾイル基、または、ベンジルオキシカルボニル基である。
アミノ基と反応する保護化剤は、保護基の種類によって異なるが、例えば、アミノ基をアセチル基で保護し、アセタミド基とした場合、用いる保護化剤は、無水酢酸、塩化アセチル、酢酸メチル、酢酸エチルなどが挙げられる。例えば、アミノ基をtert−ブトキシカルボニル基で保護し、tert−ブチルカルバメート基とした場合、用いる保護化剤は、ニ炭酸ジ−tert−ブチル、クロロ炭酸tertブチルなどが挙げられる。
保護化剤の添加量は、使用する保護化剤の種類にもよるが、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物に対し、1.5〜5.0モル倍が好ましく、より好ましくは1.9〜3.0モル倍である。
アミノ基と反応する保護化剤との反応は、溶媒を用いることが好ましい。溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、スチレン、クロロベンゼン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカンなどの脂肪族炭化水素類、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどの含ハロゲン溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、2−ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノールなどのアルコール類、酢酸アリル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸フェニル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ベンジル、酢酸メチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸ペンチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸エチル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチルなどの脂肪族エステル類、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどの芳香族エステル類、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテルなどのエーテル類、アセトン、アセチルアセトン、エチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノンなどのケトン類、アセトニトリルなどのニトリル類などが挙げられ、好ましくは、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルメチルケトン、より好ましくは、トルエン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルである。好ましくは、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール類、アセトン、エチルメチルケトン、より好ましくは、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、エチルメチルケトンである。また、溶媒は単一、あるいは2種類以上の混合溶媒でも構わない。
使用する溶媒量は溶媒の種類にもよるが、例えば、水の場合、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物に対し、1.0重量倍以上が好ましく、より好ましくは、1.0〜10.0重量倍である。例えば、アセトンの場合、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物に対し、0.1重量倍以上が好ましく、より好ましくは、0.5〜5.0重量倍である。
本発明では、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物の2つのアミノ基を保護基で保護して、塩基の存在下で、晶析する。
塩基は、好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、マグネシウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、リチウムtert−ブトキシド、アンモニア、メチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、より好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、トリメチルアミンである。塩基を添加しないと、塩基を添加した場合に比べて、アミノ基が保護された1,2−ジアミノシクロヘキサン誘導体の析出量が少なく、生産効率が低下する。
塩基は、好ましくは、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物に対し、0.9〜4.0モル倍使用し、より好ましくは、1.0〜3.0モル倍使用する。
本発明では、好ましくは、塩基の存在下での晶析回数が1回である。
本発明では、好ましくは、1回の晶析で、晶析前の1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物のtrans/cis比率に比べ、trans/cis比率が1.3倍以上、より好ましくは、3倍以上となる。
本発明では、好ましくは、アミノ基が保護された1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物を固液分離することで取得する。
本発明では、好ましくは、アミノ基が保護された1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物を結晶として取得する。
本発明では、好ましくは、得られたアミノ基が保護された1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物を脱保護し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンとする。
本発明では、より好ましくは、得られたアミノ基が保護された1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物を、例えば鉱酸と接触せしめて脱保護化、あるいは、金属触媒存在下で水素と接触せしめて脱保護化、その後、単離、精製する。
本発明で得られたtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの純度は、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの総計を100%とした時、好ましくは、75〜100%、より好ましくは、80〜100%である。
以下にアミノ基と反応する保護化剤にニ炭酸ジ−tert−ブチル、溶媒にメタノールを使用したtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法を例示する。
メタノールの仕込み量は、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物に対し、1.0重量倍以上が好ましく、より好ましくは、2.5〜3.5重量倍である。メタノール仕込み後、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物と塩基としてトリエチルアミンを添加する。この時のトリエチルアミンの仕込み量は、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物に対し、1.0モル倍以上が好ましく、より好ましくは、1.9〜2.5モル倍である。
添加後の反応液の温度は、0℃以上が好ましく、より好ましくは10〜50℃である。次に、二炭酸ジ−tert−ブチルを滴下する。二炭酸ジ−tert−ブチルの仕込み量は、1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物に対し、1.5モル倍以上が好ましく、より好ましくは、1.9〜2.5モル倍である。二炭酸ジ−tert−ブチルの滴下時間は0.5時間以上が好ましく、より好ましくは、1.0時間以上である。滴下終了後、反応液を冷却する。冷却温度は30℃以下が好ましく、より好ましくは15℃以下である。
冷却後、固液分離しtrans−1,2−ジ−tert−ブトシキカルボニルジアミノシクロヘキサンを得る。得られたtrans−1,2−ジ−tert−ブトシキカルボニルジアミノシクロヘキサンを脱保護、単離、精製し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンが得られる。
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度は以下に示す方法で測定した。
<化学純度分析方法>
trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン 約0.1gを10mlメスフラスコに採取し、標線までメタノールで希釈した。調製した溶液をガスクロマトグラフィーで分析し、面積百分率により純度を出した。
ガスクロマトグラフィー分析条件
カラム Inert Cap1(GL Science製)
ID 0.4mm、Film 0.25μm、Length 60m
ヘリウム流量 50 ml/min
カラム温度 100 ℃(10min)→15℃/min(10min)→200℃(10min)
注入口温度 230℃
検出器温度 250℃
検出器 F I D
注入量 1.0μl
スプリット比 13
保持時間 trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン 8.6分
cis−1,2−ジアミノシクロヘキサン 9.0分 。
(実施例1)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた2000mlの4つ口フラスコに水228.4gを仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物228.4g(2.0モル)を添加した。反応液を65℃まで加熱し、無水酢酸449.2g(4.4モル)を滴下ロートより2.5時間で滴下した。滴下終了後さらに70〜80℃で1時間加熱撹拌した後、反応温度を保ちながら、水342.6gを添加した。2時間以上かけて55〜60℃まで冷却し、アセトン228.4gを加えて希釈した。その後、55〜60℃を保ちながら、種晶を加えて結晶を析出させた。1時間以上かけて40℃以下まで冷却し、20〜40℃を保ちながら、48%水酸化ナトリウム水溶液366.7g(4.4モル)を添加した。25〜35℃で1時間以上撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、水でリンス、乾燥して220.9g(1.1モル)のtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率89%で、cis体とtrans体の比は1:200であった。
温度計、バキュームスターラー、コンデンサーを装着した1000mlの4ツ口フラスコに、水390.2gと取得したtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサン全量を仕込んだ。次いで、硫酸215.7g(2.2モル)を添加した。硫酸添加後、反応液を約8時間加熱還流させた。5時間以上かけて25℃まで冷却し、20〜30℃で1時間以上撹拌した後、桐山ロートで固液分離し、乾燥して193.8g(0.9モル)のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩を得た。収率83%で、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度は99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
得られたtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩全量と水327.5gを仕込み、20〜30℃で撹拌した。そこに、48%水酸化ナトリウム水溶液155.4g(1.9モル)を20〜40℃を保ちながら滴下した。20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、反応液は2層に分かれているので、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。水層である下層に1−ブタノール416.6gを加えて、20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。分液して、採取した2つの油層を混合し、この溶液を減圧下で濃縮して1−ブタノールおよび水を留去し、つづいて残渣を減圧蒸留し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン64.6g(0.6モル)を取得した。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩に対して収率62%、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
(比較例1)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた5000mlの4つ口フラスコに水1000.0gを仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物400.0g(3.5モル)を添加した。反応液を65℃まで加熱し、無水酢酸858.3g(8.4モル)を滴下ロートより2.5時間で滴下した。滴下終了後さらに70〜80℃で1時間加熱撹拌した後、3時間以上かけて40℃まで冷却し、アセトン400.0gを加えて希釈した。1時間以上かけて25℃まで冷却し、20〜30℃で1時間以上撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、水でリンス、乾燥して151.1g(0.8モル)のtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率35%で、trans−1,2−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンの化学純度は99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
(比較例2)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた5000mlの4つ口フラスコにクロロホルム2000mlを仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物114.2g(1.0モル)を添加し、溶解させた。無水酢酸245.0g(2.4モル)を室温で撹拌しながら、30分かけて滴下した。滴下後、室温でさらに1時間撹拌した後、反応液に20%水酸化ナトリウム水溶液1000mlで洗浄した。分液後、クロロホルム層を減圧下で濃縮乾固して、粗1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを199g得た。cis体とtrans体の比は1.2:2のままであった。粗1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンの全量を水730gに加熱溶解させた後、徐々に室温まで冷却し、結晶を析出させた。結晶を濾過し、乾燥して98g(0.5モル)のtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率80%で、cis体とtrans体の比は1:32であった。得られたtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサン75.9g(0.38モル)を2規定塩酸水溶液600mlに溶かし、9時間加熱還流させた。放冷後、クロロホルムで洗浄した後、減圧下で濃縮した。残渣に25%水酸化ナトリウム水溶液200gを室温に保ちながら添加した。添加後、クロロホルムで生成したtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを抽出した。クロロホルム層は、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮し、さらに減圧蒸留して、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン36g(0.32モル)を得た。trans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサンに対して収率は83%で、cis体とtrans体の比は1:32のままであった。
(実施例2)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた2000mlの4つ口フラスコに水228.4gを仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物228.4g(2.0モル)を添加した。反応液を65℃まで加熱し、ギ酸−酢酸混合酸無水物387.5g(4.4モル)を滴下ロートより2.5時間で滴下した。滴下終了後さらに70〜80℃で1時間加熱撹拌した後、反応温度を保ちながら、水342.6gを添加した。2時間以上かけて55〜60℃まで冷却し、アセトン228.4gを加えて希釈した。その後、55〜60℃を保ちながら、種晶を加えて結晶を析出させた。1時間以上かけて40℃以下まで冷却し、20〜40℃を保ちながら、48%水酸化ナトリウム水溶液366.7g(4.4モル)を添加した。25〜35℃で1時間以上撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、水でリンス、乾燥して180.8g(1.1モル)のtrans−1,2−ジホルミルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率85%で、cis体とtrans体の比は1:32であった。
温度計、バキュームスターラー、コンデンサーを装着した1000mlの4ツ口フラスコに、水390.2gと取得したtrans−1,2−ジアセチルジアミノシクロヘキサン全量を仕込んだ。次いで、硫酸208.4g(2.1モル)を添加した。硫酸添加後、反応液を50〜55℃まで加熱し、約5時間加熱撹拌した。その後、5時間以上かけて25℃まで冷却し、20〜30℃で1時間以上撹拌した後、桐山ロートで固液分離し、乾燥して180.4g(0.9モル)のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩を得た。収率80%で、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度は99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
得られたtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩全量と水304.9gを仕込み、20〜30℃で撹拌した。そこに、48%水酸化ナトリウム水溶液149.4g(1.79モル)を20〜40℃を保ちながら滴下した。20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、反応液は2層に分かれているので、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。水層である下層に1−ブタノール387.9gを加えて、20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。分液して、採取した2つの油層を混合し、この溶液を減圧下で濃縮して1−ブタノールおよび水を留去し、つづいて残渣を減圧蒸留し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン61.1g(0.5モル)を取得した。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩に対して収率63%、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
(比較例3)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた2000mlの4つ口フラスコにメタノール228gを仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物114.2g(1.0モル)を添加した。反応液を20〜30℃で、ギ酸メチル132.1g(2.2モル)を滴下ロートより約1時間で滴下した。滴下終了後20〜30℃で1時間熟成した後、1時間以上かけて10℃以下まで冷却し、0〜10℃で1時間以上撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、乾燥して31.4g(0.2モル)のtrans−1,2−ジホルミルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率27.3%で、cis体とtrans体の比は7.5:92.5であった。
温度計、バキュームスターラー、コンデンサーを装着した500mlの4ツ口フラスコに、水55.6gと取得したtrans−1,2−ジホルミルジアミノシクロヘキサン全量を仕込んだ。次いで、硫酸36.2g(0.4モル)を添加した。硫酸添加後、反応液を約8時間加熱還流させた。5時間以上かけて25℃まで冷却し、20〜30℃で1時間以上撹拌した後、桐山ロートで固液分離し、乾燥して29.0g(0.1モル)のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩を得た。収率80%で、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度は99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
得られたtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩全量と水49.0gを仕込み、20〜30℃で撹拌した。そこに、48%水酸化ナトリウム水溶液24.0g(0.3モル)を20〜40℃を保ちながら滴下した。20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、反応液は2層に分かれているので、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。水層である下層に1−ブタノール62.4gを加えて、20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。分液して、採取した2つの油層を混合し、この溶液を減圧下で濃縮して1−ブタノールおよび水を留去し、つづいて残渣を減圧蒸留し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン10.0g(0.1モル)を取得した。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩に対して収率64%、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
(実施例3)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた2000mlの4つ口フラスコにメタノール228gを仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物114.2g(1.0モル)とトリエチルアミン222.6g(2.2モル)を添加した。反応液を30℃で、クロロギ酸メチル207.9g(2.2モル)を滴下ロートより約1時間で滴下した。滴下終了後20〜30℃で約1時間熟成した後、水228gを加えて、その後、1時間以上かけて10℃以下まで冷却し、0〜10℃で1時間以上撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、乾燥して120.4g(0.5モル)のtrans−1,2−ジメトシキカルボニルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率78.4%で、cis体とtrans体の比は6.3:93.7であった。
温度計、バキュームスターラー、コンデンサーを装着した1000mlの4ツ口フラスコに、水212.4gと取得したtrans−1,2−ジメトシキカルボニルジアミノシクロヘキサン全量を仕込んだ。次いで、硫酸102.6g(1.0モル)を添加した。硫酸添加後、反応液を約8時間加熱還流させた。5時間以上かけて25℃まで冷却し、20〜30℃で1時間以上撹拌した後、桐山ロートで固液分離し、乾燥して83.2g(0.4モル)のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩を得た。収率80%で、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度は99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
得られたtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩全量と水140.6gを仕込み、20〜30℃で撹拌した。そこに、48%水酸化ナトリウム水溶液68.9g(0.8モル)を20〜40℃を保ちながら滴下した。20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、反応液は2層に分かれているので、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。水層である下層に1−ブタノール178.9gを加えて、20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。分液して、採取した2つの油層を混合し、この溶液を減圧下で濃縮して1−ブタノールおよび水を留去し、つづいて残渣を減圧蒸留し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン29.1g(0.3モル)を取得した。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩に対して収率65%、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
(実施例4)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた2000mlの4つ口フラスコにメタノール343gを仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物114.2g(1.0モル)とトリエチルアミン222.6g(2.2モル)を添加した。反応液を30〜50℃で、二炭酸ジ−tert−ブチル480.2g(2.2モル)を滴下ロートより1時間で滴下した。滴下終了後20〜30℃で1時間熟成した後、1時間以上かけて10℃以下まで冷却し、0〜10℃で1時間以上撹拌した後、遠心脱水機で固液分離し、乾燥して167.6g(0.5モル)のtrans−1,2−ジ−tert−ブトシキカルボニルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率71.5%で、cis体とtrans体の比は16.1:83.9であった。
温度計、バキュームスターラー、コンデンサーを装着した1000mlの4ツ口フラスコに、水335.2gと取得したtrans−1,2−ジ−tert−ブトシキカルボニルジアミノシクロヘキサン全量を仕込んだ。次いで、硫酸104.6g(1.1モル)を添加した。硫酸添加後、反応液を約8時間加熱還流させた。5時間以上かけて25℃まで冷却し、20〜30℃で1時間以上撹拌した後、桐山ロートで固液分離し、乾燥して66.4g(0.3モル)のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩を得た。収率70%で、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度は99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
得られたtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩全量と水112.2gを仕込み、20〜30℃で撹拌した。そこに、48%水酸化ナトリウム水溶液55.0g(0.7モル)を20〜40℃を保ちながら滴下した。20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、反応液は2層に分かれているので、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。水層である下層に1−ブタノール142.8gを加えて、20〜30℃で0.5時間撹拌熟成した後、撹拌を止めて分液させ、油層である上層を採取した。分液して、採取した2つの油層を混合し、この溶液を減圧下で濃縮して1−ブタノールおよび水を留去し、つづいて残渣を減圧蒸留し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン23.2g(0.2モル)を取得した。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの硫酸塩に対して収率65%、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
(実施例5)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた3000mlの4つ口フラスコにメタノール1311gを仕込んだ。次いで撹拌しながらcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物114.2g(1.0モル)とトリエチルアミン222.6g(2.2モル)を添加した。反応液を30℃で、クロロギ酸ベンジル375.3g(2.2モル)を滴下ロートより2時間で滴下した。滴下終了後25〜35℃で2時間熟成した後、遠心脱水機で固液分離し、乾燥して157.3g(0.4モル)のtrans−1,2−ジベンジルオキシカルボニルジアミノシクロヘキサンを得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率65.8%で、cis体とtrans体の比は0:100であり、cis体は検出されなかった。
2000mlSUS製オートクレーブに、メタノール629.2gと取得したtrans−1,2−ジベンジルオキシカルボニルジアミノシクロヘキサン全量および5%Pd/C15.7gを仕込んだ。水素圧0.05MPa、反応温度20〜40℃で約10時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、メンブランフィルターでPd/Cを除去した。Pd/Cを除去した濾液中にtrans−1,2−ジベンジルオキシカルボニルジアミノシクロヘキサンは存在しておらず、溶媒を除くtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度は99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
得られた濾液を減圧下で濃縮してメタノールおよび水を留去し、つづいて残渣を減圧蒸留し、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン37.6g(0.3モル)を取得した。trans−1,2−ジベンジルオキシカルボニルジアミノシクロヘキサンに対して収率80%、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの化学純度99.9%以上であり、cis体は検出されなかった。
(比較例4)
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた500mlの4つ口フラスコにcis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの比が1.2:2である1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物11.4g(0.1モル)と2−プロパノール100gを仕込み、溶解させた。滴下ロートにアジピン酸14.6g(0.1モル)を2−プロパノール100gに溶解させた溶液仕込み、反応液に滴下した。析出した結晶を遠心脱水機で固液分離し、乾燥して25.0g(1.0モル)の1,2−ジアミノシクロヘキサン・アジピン酸塩を得た。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンに対して収率96%で、cis体とtrans体の比は1.2:2.0で、原料の1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物とcis体とtrans体の比が変わらなかった。
表1に実施例と比較例における原料の1,2−ジアミノシクロヘキサン異性体混合物と、アミノ基を保護基で保護し、アミノ基が保護された1,2−ジアミノシクロヘキサン誘導体が1回の晶析で得られた結晶のtrans体/cis体比率および1回の晶析収率をまとめた。
Figure 2016013977

Claims (6)

  1. cis−1,2−ジアミノシクロヘキサンとtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンを含む1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物をアミノ基と反応する保護化剤と反応させて、2つのアミノ基を保護基で保護し、塩基の存在下で、晶析することにより、1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物のtrans/cis比率を向上させるtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。
  2. 保護基がウレタン型保護基、あるいは、アミド型保護基である請求項1に記載のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。
  3. 2つのアミノ基を保護基で保護された1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物を、晶析により、結晶として取得した後、脱保護する請求項1または2に記載のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。
  4. 保護基が、ホルミル基、アセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンゾイル基、または、ベンジルオキシカルボニル基である請求項1〜3のいずれかに記載のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。
  5. 晶析前の1,2−ジアミノシクロヘキサンの異性体混合物と比較して、1回の晶析により、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの増加比が、3倍以上である請求項1〜4のいずれかに記載のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。
  6. 塩基の存在下での晶析回数が1回である請求項1〜5のいずれかに記載のtrans−1,2−ジアミノシクロヘキサンの製造方法。
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