JP2015144237A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱性に優れるリアクトルを提供する。
【解決手段】巻線を巻回してなるコイル2と、コイル2が配置されて閉磁路を形成する磁性コア3とを備えるリアクトル1Aであって、磁性コア3は、コイル2の内側に配置される内側コア部31を有し、コイル2の内周面と、コイル2の内周面に対向する内側コア部31の外周面との間の少なくとも一部に介在される放熱シート4を備え、放熱シート4は、コイル2と内側コア部31に接触している。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC−DCコンバータや電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトルに関する。特に、放熱性に優れるリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば特許文献1、2には、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータに利用されるリアクトルとして、巻線を巻回してなるコイルと、このコイルが配置される環状の磁性コアとを備えるものが開示されている。
特許文献1には、コイルと、コイルの内部に配置される内側コア部及びコイルから露出される外側コア部を有する磁性コアとを備え、コイルと磁性コアとの組合体を放熱板に配置した構成のリアクトルが開示されている。内側コア部は、分割コア(コア片)とギャップ板とを交互に積層して構成された積層体であり、コア片には、磁性粉末を用いた成形体や、磁性薄板(例、電磁鋼板)を複数積層した積層体が利用できる。また、コイルと内側コア部との間の絶縁性を高めるため、内側コア部の外周に一対の内側ボビンが配置されている。特許文献1には、組合体を搭載した放熱板を冷却ベースに固定して、リアクトルの設置対象となる冷却ベースに取り付けることで、放熱板を組合体から冷却ベースへの放熱経路に利用し、リアクトルの放熱性を改善することが開示されている。
特許文献2には、内側コアがコア分割体(コア片)とギャップ板とを交互に積層して構成された積層体であり、コア分割体とギャップ板とをシアノアクリレート系接着剤で相互に接着すると共に熱可塑性樹脂でインサート成形して一体化することが開示されている。
特開2013−135191号公報 特開2013−84767号公報
近年、ハイブリッド自動車などに利用されるリアクトルは、高周波・大電流で使用される傾向があり、それに伴いリアクトルのコイルや磁性コアに発生する熱が増加する傾向がある。コイルや磁性コアからの放熱が不十分であると、リアクトルの動作が不安定になる虞がある。
従来のリアクトルでは、コイルや磁性コアで発生した熱は、組合体を載置する放熱板などに伝えて外部(設置対象)に放熱している。磁性コアにおける内側コア部は、外周にボビンが配置されていたり、樹脂によって覆われていることから、内側コア部で発生した熱を外側コア部に伝え、主に外側コア部を介して放熱することになる。しかし、内側コア部から外側コア部に至る放熱経路が長いため、内側コア部の熱を外側コア部に伝えて放熱することが難しく、内側コア部は高温になり易い。特に、一対の外側コア部間に配置される内側コア部の中間付近では、温度上昇が大きい。また、一般に、ギャップ板は、樹脂で構成されており、熱伝導率が低い。従って、内側コア部がコア片とギャップ板とを交互に積層した構成の場合は、ギャップ板が熱の伝導を阻害する要因になるため、ギャップ板に挟まれるコア片から外側コア部に熱が伝わり難く、内側コア部の放熱が難しい。よって、内側コア部の放熱性を改善して、より放熱性に優れるリアクトルの開発が望まれている。
そこで、本発明の目的の一つは、放熱性に優れるリアクトルを提供することにある。
本発明の一態様に係るリアクトルは、巻線を巻回してなるコイルと、前記コイルが配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを備えるリアクトルであって、前記磁性コアは、前記コイルの内側に配置される内側コア部を有し、前記コイルの内周面と、前記コイルの内周面に対向する前記内側コア部の外周面との間の少なくとも一部に介在される放熱シートを備え、前記放熱シートは、前記コイルと前記内側コア部に接触している。
上記リアクトルは、放熱性に優れる。
実施形態1に係るリアクトルを示す概略斜視図である。 実施形態1に係るリアクトルの概略分解斜視部である。 実施形態1に係るリアクトルの概略横断面図である。 実施形態1に係るリアクトルの概略縦断面図である。 実施形態1に係るリアクトルに備える外側コア部の内端面におけるコイル対向領域を説明する概略説明図である。 実施形態1に係るリアクトルに備える磁性コアの変形例を説明する概略説明図である。 実施形態2に係るリアクトルを示す概略斜視図である。 実施形態3に係るリアクトルの概略分解斜視部である。 実施形態3に係るリアクトルの概略縦断面図である。 実施形態3に係るリアクトルの概略横断面図である。 実施形態3に係るリアクトルに備える放熱シートの変形例を説明する概略斜視図である。 実施形態3に係るリアクトルに備える放熱シートの変形例を説明する概略縦断面図である。 実施形態3に係るリアクトルの使用状態の一例を説明する概略説明図である。
《本発明の実施形態の説明》
最初に、本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の実施態様に係るリアクトルは、巻線を巻回してなるコイルと、コイルが配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを備える。磁性コアは、コイルの内側に配置される内側コア部を有する。そして、上記リアクトルは、コイルの内周面と、コイルの内周面に対向する内側コア部の外周面との間の少なくとも一部に介在される放熱シートを備え、放熱シートは、コイルと内側コア部に接触している。
上記リアクトルは、コイルと内側コア部との間に放熱シートが接触するように介在されていることで、放熱シートにより内側コア部の熱をコイルに伝えて、コイルを介して放熱できる。つまり、内側コア部からコイルへの放熱経路を確保できる。従って、上記リアクトルは、内側コア部の放熱性を改善でき、放熱性に優れる。
(2)上記リアクトルの一形態としては、上記放熱シートが、上記内側コア部の外周面のうち、設置対象に対向する設置対象側の面の少なくとも一部に配置されていることが挙げられる。
上記形態によれば、放熱シートが設置対象側の面に配置されていることで、内側コア部からコイルを介して設置対象に至る放熱経路が形成され、内側コア部から設置対象への放熱経路を短くできる。従って、内側コア部の熱をコイルを介して設置対象(例、冷却ベースなど)に伝え易く、内側コア部の熱を効率良く放熱でき、放熱性を高めることができる。
(3)上記リアクトルの一形態としては、上記放熱シートが、弾性材料で構成され、上記コイルと上記内側コア部との間に挟み込まれて弾性変形していることが挙げられる。
従来、リアクトルの構成として、例えば、コアとコイルとの組合体をケースに収納しケース内に封止材を充填したり、組合体の周囲を樹脂でモールドすることが行われている。しかし、リアクトルの小型軽量化や低コスト化の観点から、封止材や樹脂モールドを省略することが検討されている。また、別の構成として、リアクトルを液体冷媒に浸漬して液体冷媒を流通させることで、液体冷媒により強制冷却することも提案されている。この場合、コイルが封止材や樹脂モールドで覆われていると、コイルに液体冷媒が直接接触できないため、液体冷媒による放熱効果をより高める観点から、封止材や樹脂モールドを省略することが考えられる。しかしながら、封止材や樹脂モールドを省略すれば、コアに対してコイルが固定されず、リアクトル動作時のコイルやコアの振動、或いは外部環境の影響などにより、コイルが軸方向、径方向や周方向に動くことがある。コアに対してコイルが動くと、コイルがコアと衝突したり擦れたり、コイルの隣り合うターン同士が衝突したり擦れたりするなどして、騒音が発生する。また、コイルに被覆線を用いている場合は、コアとの衝突や擦れ、ターン同士の衝突や擦れなどにより、コイルの絶縁被覆が損傷する虞がある。
上記形態によれば、コイルと内側コア部との間の少なくとも一部に放熱シートが弾性変形した状態で介在されており、放熱シートの弾性変形によって、コイルが押圧される。放熱シートによりコイルを押圧することで、リアクトル動作時のコイルや磁性コアの振動、車両走行時の振動、或いは外部環境(例えば、液体冷媒の流通)の影響などによって、内側コア部に対してコイルが軸方向、径方向や周方向に動くことを規制できる。コイルの動きが規制されるため、コイルが磁性コア(内側コア部や外側コア部)と衝突したり擦れたり、コイルの隣り合うターン同士が衝突したり擦れたりすることを抑制できる。従って、衝突や擦れに起因する騒音や、コイルの絶縁被覆の損傷を低減できる。また、放熱シートがコイルと内側コア部との間に弾性変形した状態で挟み込まれていることから、放熱シート(弾性材料)が接着力を有していなかったり、放熱シートをコイルや内側コア部に接着剤で接着していなくても、放熱シートがずれることを抑制できる。
更に、放熱シートが弾性材料で構成されていることで、コイルの内周面や内側コア部の外周面に密着し、高い放熱効果を発揮できる。よって、上記形態によれば、放熱シートによって、コイルの固定と内側コア部の放熱性の改善を両立できる。
上記形態のリアクトルは、放熱シートによりコイルの動きが規制され、磁性コアに対してコイルが固定される。そのため、従来の封止材や樹脂モールドを省略しても、コイルを固定しながら、コイルの外周面を露出させることができる。従って、例えばリアクトルを液体冷媒が流通される箇所に設置した場合、コイルに液体冷媒が直接接触できるため、液体冷媒による放熱効果が効果的に発揮され、コイルの放熱性、延いてはリアクトルの放熱性を高めることができる。
(4)上記リアクトルの一形態としては、発泡樹脂から構成され、発泡樹脂の体積膨張による押圧力によって上記コイルの動きを規制するコイル固定部を備えることが挙げられる。上記コイル固定部は、上記コイルの内周面と、上記コイルの内周面に対向する上記内側コア部の外周面との間で、且つ、上記内側コア部の外周面のうち、上記放熱シートが配置されていない部分の少なくとも一部に介在される。上記コイル固定部は、上記コイルの内周面と上記内側コア部の外周面との間に介在される内側介在部と、上記コイルのターン間に介在されるターン介在部とを有する。
上記形態によれば、コイルと内側コア部との間の少なくとも一部に樹脂が発泡した状態、即ち気泡を含んで体積膨張した状態で介在している。この体積膨張によって、コイルが押圧される。発泡樹脂の押圧力によって、コイルがその径方向に変形したり、その軸方向に伸縮したりするようなコイルの動きが規制され、コイルが内側コア部に固定される。また、コイルのターン間に発泡樹脂の一部が介在して、ターン間の間隔が発泡樹脂によって規制される点からも、コイルの伸縮を抑制できる。このようにコイルの内周面及びその近傍に発泡樹脂が存在する上記形態のリアクトルは、封止材や樹脂モールドを備えていなくても、上述の動作時の振動などに起因するコイルの動きを規制できる。発泡樹脂が接着力を有していなくても、発泡樹脂の押圧力によってコイルの動きを抑制可能であるが、発泡樹脂が接着力を有する場合には、コイル固定部は、樹脂自体の接着力によってもコイルと内側コア部との両者に密着できたり、各ターンに密着できたりして、コイルを強固に固定できる。即ち、上記形態のリアクトルの一例として、コイルの固定にあたり、発泡樹脂の押圧力と、樹脂自体の接着力との双方の作用を有するものが挙げられる。上記形態のリアクトルは、発泡樹脂のコイル固定部を備えることで、磁性コアに対するコイルの位置の安定性が向上し、コイルが磁性コア(内側コア部や外側コア部)と衝突したり擦れたり、コイルの隣り合うターン同士が衝突したり擦れたりすることを抑制できる。従って、衝突や擦れに起因する騒音や、コイルの絶縁被覆の損傷を低減できる。
更に、コイル固定部が放熱シートが配置されていない部分に介在されているため、コイル固定部が放熱シートによる内側コア部からコイルへの放熱を阻害することもない。従って、コイル固定部によりコイルを固定しながら、放熱シートにより内側コア部の熱をコイルに伝えることができ、コイルの固定と内側コア部の放熱性の改善を両立できる。
上記形態のリアクトルは、例えば、コイルと内側コア部との間に未発泡の樹脂を配置した後、発泡に必要な熱処理を行うことで、容易に製造できる。未発泡の樹脂の厚さは、発泡後の樹脂の厚さよりも格段に薄く、コイルと内側コア部との間が狭くても(例えば、2mm以下)、容易に配置できる。発泡時、樹脂の一部がターン間に侵入してターン介在部が形成され、残部が内側介在部を形成する。ターン介在部は、ターン間の絶縁材としても機能する。
(5)上記リアクトルの一形態としては、上記内側コア部が、磁路となるミドル本体部と、ミドル本体部の外周面の少なくとも一部を覆うミドル樹脂モールド部とを有することが挙げられる。
上記形態によれば、内側コア部がミドル樹脂モールド部を有することで、コイルとミドル本体部との間の絶縁を確保できる。また、ミドル本体部を外部環境から保護でき、外部環境に対する耐食性を付与できる。
(6)上記リアクトルの一形態としては、上記内側コア部において、上記ミドル本体部の外周面のうち、設置対象に対向する設置対象側の面が上記ミドル樹脂モールド部で覆われておらず露出しており、上記放熱シートが、上記内側コア部における上記ミドル本体部が露出する前記設置対象側の面に配置されていることが挙げられる。
上記形態によれば、内側コア部のミドル本体部が露出する面に放熱シートが配置されており、放熱シートがミドル本体部に接触している。そのため、放熱シートにより発熱するミドル本体部から直接コイルに熱を伝えることができる。また、放熱シートが設置対象側の面に配置されていることで、内側コア部(ミドル本体部)から設置対象への放熱経路を短くでき、更に、ミドル樹脂モールド部が介在しないので、放熱経路の熱抵抗を低減できる。従って、内側コア部の熱を効率良く放熱でき、放熱性を高めることができる。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態に係るリアクトルの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
〈リアクトルの全体構成〉
図1〜図5を参照して、実施形態1のリアクトル1Aを説明する。リアクトル1Aは、巻線2wを巻回してなるコイル2と、コイル2が配置されて閉磁路を形成する磁性コア3との組合体10を備える。リアクトル1Aの主たる特徴とするところは、コイル2と磁性コア3の内側コア部31との間に介在され、内側コア部31に発生した熱をコイル2に伝える放熱シート4(図2,図3参照)を備える点を一つの特徴とする。以下、リアクトル1Aの特徴部分及び関連する部分の構成、並びに主要な効果を順に説明し、その後、各構成について詳しく説明する。なお、以下の説明では、便宜上、リアクトル1A(組合体10)の設置対象側を下側、その反対側を上側として説明する。また、図中の同一符号は同一名称物を示す。
〔主たる特徴部分及び関連する部分の構成〕
〈組合体〉
(コイル)
コイル2は、図1,図2に示すように、巻線2wを螺旋状に巻回してなる一対の巻回部2a,2bと、両巻回部2a,2bを連結する連結部2rとを有する。両巻回部2a,2bは、互いに同一の巻数、同一の巻回方向で中空筒状に形成され、各軸方向が平行になるように並列(横並び)に配置されている。この例では、各巻回部2a,2bは四角筒状に形成され、各巻回部2a,2bのコイル軸方向における端面形状は、角部が丸められた略矩形環状である。即ち、各巻回部2a,2bの内周面は、4つの平面と、隣り合う平面同士を連結する4つの角(曲面)とで構成されている。巻線2wは、平角線からなる導体の表面に絶縁被覆を有する被覆平角線である。そして、コイル2(巻回部2a,2b)は、被覆平角線をエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルである。
巻線2wは、銅やアルミニウム、それらの合金といった導電性材料からなる導体の表面に、ポリアミドイミド樹脂といった電気絶縁性材料からなる絶縁被覆を有する被覆線である。導体は、丸線や平角線が代表的である。この例に示すように、巻線2wに平角線を用いたエッジワイズコイルとした場合、丸線を用いた場合に比較して占積率の高いコイルが得られるため、コイル2(組合体10)を小型にできるなど利点がある。この例では、巻線2wは、導体が銅、絶縁被覆がポリアミドイミドからなるエナメル線である。
コイル2の巻線端部2eは、ターン形成部分から適宜な方向に引き出されている。ここでは、コイル2の両巻線端部2eがターン形成面(コイル上面)からコイル軸方向と直交するように上方に引き出されている。(図1を参照)。また、コイル2の両巻線端部2eにおける末端は、絶縁被覆が剥がされて導体が露出されており、この導体露出箇所には、電源などの外部装置(図示せず)に接続されたバスバ(図示せず)と接続するための端子金具20が取り付けられている。
(磁性コア)
磁性コア3は、図2に示すように、コイル2(巻回部2a,2b)の内側に配置される一対の柱状の内側コア部31,31と、コイル2(巻回部2a,2b)から突出され、内側コア部31に連結される一対のブロック状の外側コア部32,32とを有する。各内側コア部31はそれぞれ、横並びに配置された各巻回部2a,2bの内側に位置し、コイル2が配置される部分である。各外側コア部32は、各巻回部2a,2bの外側に位置し、コイル2が実質的に配置されない(即ち、コイル2から露出する)部分である。磁性コア3は、横並びに配置された両内側コア部31を両端から挟むように各外側コア部32が配置され、内側コア部31の両端面31eが外側コア部32の内端面32eにそれぞれ連結されることによって環状に形成されており、コイル2を励磁したときに閉磁路を形成する。
内側コア部31は、図2に示すように、磁路となるミドル本体部31bと、ミドル本体部31bの外周面の少なくとも一部を覆うミドル樹脂モールド部31cとを有する。ミドル本体部31bは、軟磁性材料を主成分とする複数のコア片31mと、コア片31mよりも比透磁率の小さい材料からなるギャップ材31gとを交互に積層した積層部材である。ミドル樹脂モールド部31cは、コイル2(巻回部2a,2b)とミドル本体部31bとの間の絶縁を確保する他、ミドル本体部31bを外部環境から保護する機能を備える。内側コア部31の形状は、各巻回部2a,2bの形状に合わせて、四角柱状に形成され、その端面形状は角部が丸められた略矩形状である。即ち、内側コア部31の外周面は、各巻回部2a,2bの内周面に沿って、4つの平面と、隣り合う平面同士を連結する4つの角(曲面)とで構成されている。この例では、内側コア部31において、ミドル本体部31bの外周面のうち、設置対象に対向する設置対象側の面(即ち、下面)がミドル樹脂モールド部3cで覆われておらず露出しているが、後述する放熱シート4によって絶縁や耐食性を確保している。
外側コア部32は、図2に示すように、磁路となるサイド本体部32bと、サイド本体部32bの表面の少なくとも一部を覆うサイド樹脂モールド部32cとを有する。サイド本体部32bは、軟磁性材料を主成分とする柱状のコア片である。
内側コア部31の上面と外側コア部32の上面とは略面一である。一方、外側コア部32の下面は、内側コア部31の下面よりも突出しており、コイル2(巻回部2a,2b)の下面と略面一である。つまり、組合体10の下面は、主として2つの外側コア部32の下面と、コイル2の下面とで構成される。
(放熱シート)
放熱シート4は、コイル2(巻回部2a,2b)の内周面と、コイル2の内周面に対向する内側コア部31の外周面との間の一部に介在され、コイル2と内側コア部31に接触して、内側コア部31に発生した熱をコイル2に伝える機能を有する。この例では、放熱シート4は、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間であって、図2〜図4に示すように、内側コア部31の外周面(4つの平面)のうち、設置対象に対向する設置対象側の面(即ち、下面)に配置されている。つまり、放熱シート4は、内側コア部31のミドル本体部31bが露出する面に配置されており、ミドル本体部31bに接触している。また、放熱シート4は、内側コア部31の下面と同等の大きさ(面積)を有し、内側コア部31(ミドル本体部31b)の実質的に下面全体に接触して配置されている。
〈熱伝導率〉
放熱シート4の熱伝導率は、1W/m・K以上であり、好ましくは2W/m・K以上、更に3W/m・K以上である。
〈構成材料〉
この例に示す放熱シート4は、ゴム材料に伝熱性フィラーを配合した弾性材料で構成されている。ゴム材料には、天然ゴムや合成ゴムを利用できる。合成ゴムとしては、例えば、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、オレフィン系ゴム、ニトリル系ゴム、ジエン系ゴム、エチレン系ゴム、ウレタン系ゴムなどが挙げられる。伝熱性フィラーとしては、例えば、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化硼素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスのフィラーが挙げられる。放熱シート4には、市販品や公知のものを利用できる。
放熱シート4は、ゴム材料(弾性材料)で構成されており、弾性や柔軟性を有する。そのため、放熱シート4は、コイル2(巻回部2a,2b)の内周面と内側コア部31の外周面との間に挟まれて変形することにより、コイル2(巻回部2a,2b)のターン間の段差や隙間、内側コア部31の外周面の凹凸などに入り込み、コイル2と内側コア部31の双方に密着している。また、弾性や柔軟性を有する材料であれば、コイル2や内側コア部31に直接接触しても、コイル2や内側コア部31を傷付けることが少ない。ゴム材料のゴム硬度としては、例えば30以上70以下、好ましくは40以上60以下が挙げられる。ここでいう「ゴム硬度」は、JIS K 6253:2006(デュロメータA型)に準拠して測定した値である。
放熱シート4はコイル2に接することから、放熱シート4の構成材料には、電気絶縁性に優れるもの、コイル2の最高到達温度に対する耐熱性に優れるもの(150℃以上、更に180℃以上)を選択することが好ましく、更に、外部環境に対する耐食性に優れるものが好ましい。放熱シート4が電気絶縁性に優れる材料で構成されていることで、放熱シート4の配置箇所では、ミドル樹脂モールド部31cが介在しない又は薄くても、コイル2と内側コア部31(ミドル本体部31b)との間の絶縁を確保できる。この例では、放熱シート4は、シリコーン系ゴムにアルミナフィラーを含有する弾性材料で構成されており、熱伝導率が約4.5W/m・Kである。
この例では、放熱シート4は、内側コア部31の軸方向(一方の端面から他方の端面の方向)に沿って配置されている。放熱シート4の長さ(内側コア部31の軸方向に沿った長さ)、放熱シート4の幅(内側コア部31の周方向に沿った長さ)は、いずれも適宜選択できる。放熱シート4の長さが長いほど、放熱シート4の幅が広いほど、コイル2及び内側コア部31に対する放熱シート4の接触面積が増え、内側コア部31の熱をコイル2に伝え易くなる。従って、内側コア部31の放熱を考慮すると、放熱シート4の長さは、内側コア部31の軸方向の長さに対して50%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上、更に好ましくは90%以上である。また、放熱シート4の幅は、放熱シート4が配置される内側コア部31の面(この例では下面)の周方向(幅方向)の長さに対して50%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上、更に好ましくは90%以上である。この例では、放熱シート4の長さが内側コア部31の軸方向の長さと実質的に同じで、放熱シート4の幅が内側コア部31の下面の幅と実質的に同じである(特に、図3,図4参照)。つまり、放熱シート4の形状は、放熱シート4が配置される内側コア部31の面(下面)の面積と実質的に同じである。
放熱シート4は、コイル2と内側コア部31との間に配置された状態で圧縮変形している。放熱シート4の厚さは、コイル2と内側コア部31との間のクリアランスと同等である。コイル2と内側コア部31との間のクリアランスは、例えば0.5mm以上3mm以下であり、この例では0.5mm以上1mm以下程度である。コイル2と内側コア部31との間のクリアランスは、コイル2や内側コア部31の寸法ばらつきによる誤差があることから、その誤差を放熱シート4の圧縮変形で埋められるようにするとよい。この例では、配置される前(圧縮変形前)の放熱シートは、厚さが1.5mm程度で、厚さの1/2〜1/3程度まで圧縮できるものである。
放熱シート4は、表裏の少なくとも一方の面に接着剤層を有してもよい。表裏の一方の面に接着剤層を有することで、放熱シート4をコイル2(巻回部2a,2b)の内周面や内側コア部31の外周面に貼り付けて固定できる。放熱シート4をコイル2の内周面や内側コア部31の外周面に固定しておくと、コイル2と内側コア部31との間に放熱シート4を確実に配置し易い。特に、内側コア部31(ミドル本体部31b)に接触する面に接着剤層が形成されていると、放熱シート4をミドル本体部31bが露出する面に接着でき、ミドル本体部31bの露出面を放熱シート4で被覆することができる。放熱シート4をミドル本体部31bの露出面に接着して被覆することで、ミドル本体部31bの露出面が外部環境と直接接触することを防止でき、外部環境に対する耐食性を高めることができる。加えて、表裏の両方の面に接着剤層を有する場合は、放熱シート4をコイル2の内周面や内側コア部31の外周面に接着でき、接着剤層によるコイル2の固定も期待できる。
(コイル固定部)
リアクトル1Aでは、図1〜図4に示すように、コイル2と内側コア部31との間に介在され、コイル2の動きを規制するコイル固定部6を備える。具体的には、コイル2(巻回部2a,2b)の内周面と、コイル2の内周面に対向する内側コア部31の外周面との間で、且つ、内側コア部31の外周面のうち、放熱シート4が配置されていない部分の少なくとも一部にコイル固定部6が介在されている。この例では、コイル固定部6は、内側コア部31の外周面(4つの平面)のうち、下面を除く、上面及び左右側面にそれぞれ配置されている。
コイル固定部6は、発泡樹脂で構成されており、発泡によって気泡を含んで体積膨張した状態で介在されている。そして、発泡樹脂の体積膨張によってコイル2(巻回部2a,2b)の内周面を径方向に押圧して、この押圧力によってコイル2(巻回部2a,2b)の動きを規制する。また、この例に示すコイル固定部6は、樹脂自体の接着力によって、コイル2と内側コア部31とに密着している。コイル固定部6は、図4の破線円内に示すように、内側介在部60と、ターン介在部62とを有する。
〈内側介在部〉
内側介在部60は、コイル2(巻回部2a,2b)の内周面と内側コア部31の外周面との間に介在される部分であり、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間に形成される内周空間において、その周方向の一部に介在されている。内側介在部60は、後述する製造過程における熱処理により、上記内周空間内という実質的に閉空間内で樹脂が体積膨張することで、この体積膨張によってコイル2を押圧して、コイル2の動きを規制する。更に、樹脂自体の接着力によって、コイル2と内側コア部31との双方に密着することからも、コイル2の動きを規制する。
この例に示す各コイル固定部6(内側介在部60)は、内側コア部31の軸方向(一方の端面から他方の端面の方向)に沿って配置されている。内側介在部60の長さ(内側コア部31の軸方向に沿った長さ)、内側介在部60の幅(内側コア部31の周方向に沿った長さ)は、いずれも適宜選択できる。内側介在部60の長さが長いほど、内側介在部60の幅が広いほど、コイル2及び内側コア部31に対する内側介在部60の接触面積が増え、コイル2の動きを規制し易い。従って、コイル2の固定を考慮すると、内側介在部60の長さは、内側コア部31の軸方向の長さの25%以上、更に50%以上、75%以上、更に90%以上が好ましいと考えられる。また、内側介在部60の幅は、コイル固定部6が配置される内側コア部31の面(この例では上面や側面)の周方向(幅方向)の長さの15%以上、20%以上、更に25%以上、30%以上、50%以上、更には75%以上が好ましいと考えられる。一方で、コイル2を実用上固定できれば、内側介在部60の形状はコイル固定部6が配置される内側コア部31の面の面積よりも小さくてもよく、これによりコイル固定部6の材料使用量を低減できる。この場合、内側介在部60の幅は、内側コア部31の面の周方向の長さの95%以下、更には90%以下、更には80%以下が好ましい。この例では、各内側介在部60の長さが内側コア部31の軸方向の長さと実質的に同じで、各内側介在部60の幅が内側コア部31の上面や側面の幅の約40%である(特に、図3,図4参照)。また、各内側介在部60は、図3に示すように、内側コア部31の上面や側面の幅方向の略中央に位置しており、上記内周空間において内側介在部60が存在しない領域には、隙間が存在する。
内側介在部60の平均厚さ6t(図3,図4参照)は、コイル2(巻回部2a,2b)の内周面と内側コア部31の外周面との間の距離(コイル−コア間の距離)に依存し、この距離に実質的に等しいため、この距離が短いほど、平均厚さ6tが薄いといえる。ここで、巻回部2a,2bの内周面とミドル本体部31b,31bの外周面との間の距離(以下、コイル−コア本体間の距離と呼ぶ)が短いほど、コイル2と内側コア部31とが近接配置されて、リアクトル1Aが小型になる。従って、小型化を考慮すれば、コイル−コア本体間の距離は、3mm以下、更に2.5mm以下、特に2mm以下、1.8mm以下、更には1.5mm以下が好ましい。この例では、平均厚さ6tは、コイル−コア本体間の距離よりもミドル樹脂モールド部31cの厚さ分だけ薄くなるため、2mm以下、1.8mm以下、1.5mm以下、更には1mm以下とすることができる。この例では、コイル−コア本体間の距離が2.5mm以下であり、平均厚さ6tは1mm以下であり、ミドル樹脂モールド部31cの厚さは2mm以下である。
〈ターン介在部〉
ターン介在部62は、図4の破線円内に示すように、コイル2(巻回部2a,2b)の隣り合うターン2t,2t間のうち、少なくとも一組の隣り合うターン2t,2t間に介在される部分である。この例では、ターン介在部62は、巻回部2a,2bの内周面から外方に向かって、ターン2tの途中までにのみ存在している。即ち、ターン介在部62は、巻回部2a,2bの内周面の近傍にのみ存在しており、巻回部2a,2bの外周面に達しない領域に存在する。このターン介在部62は、上述の内側介在部60に連続しており、内側介在部60を構成する発泡樹脂の一部が隣り合うターン2t,2t間のうち上述の内周面の近傍に侵入して存在する部分である。図4に示す例では、全ての隣り合うターン2t,2t間にターン介在部62が存在する場合を示すが、ターン介在部62が介在していないターン2t,2t間が存在することを許容する。
ここで、コイル2(巻回部2a,2b)のターン部分は、一対の外側コア部32に挟まれて、その軸方向の長さが規制されている。後述する製造過程において、このような規制区間内で上述の発泡樹脂の体積膨張がなされることで、ターン介在部62は、この体積膨張によって隣り合うターン2t,2t間に押圧した状態で存在して、この押圧力によってコイル2の動き(特に軸方向の動き)を規制する。
内側介在部60が存在することでコイル2の動きを十分に規制できるため、ターン介在部62の個数、高さ6H(ターン2tにおけるコイル2(巻回部2a,2b)の内周面から外周面に向かう方向の距離)、厚さ(隣り合うターン2t,2t間の間隔に実質的に等しい)は特に問わない。後述するように、ターン介在部62を、樹脂の発泡時に隣り合うターン2t,2t間に樹脂が自動的に侵入することで形成する場合は、ターン介在部60の個数、高さ6H、厚さを設計通りに制御することが実質的に難しいからである。ターン介在部62の個数が多いほど、又は高さ6Hが高いほど、又は厚さが厚いほど、ターン介在部62によってターン2t,2t間を押し広げ易くなり、コイル2の動きを規制し易い。ターン介在部62の高さ6Hは、ターン2tの高さ(ここでは巻線2wである被覆平角線の幅wに等しい)の50%以下、25%以下、20%以下、更に10%以下でも、コイル2の動きの規制に寄与する。
〈構成材料〉
コイル固定部6は、複数の気泡及びこれらの気泡を内包する樹脂、即ち発泡樹脂から構成されている。コイル固定部6はコイル2に接することから、コイル固定部6を構成する樹脂は、電気絶縁性に優れるもの、コイル2の最高到達温度に対する耐熱性に優れるもの(150℃以上、更に180℃以上)が好ましく、更に、外部環境に対する耐食性に優れるものが好ましい。具体的な樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ナイロンなどが挙げられる。
〈コイル固定部の形成方法〉
コイル固定部6は、例えば、未発泡の樹脂シートを所定の形状に切断し、この樹脂シート600(図2参照)をコイル2(巻回部2a,2b)の内周面と内側コア部31の外周面との間の所定の位置に配置した後、発泡に必要な熱処理を施すことで形成できる。樹脂シートを利用することで、厚さが均一であり、所定の形状に容易に加工できる上に、可撓性に優れるため任意の箇所に配置し易く、作業性に優れる。更に、樹脂シートであることから、液状樹脂に比べ、コイル固定部6(内側介在部60)の厚さや形状を一定にでき、また、液ダレなどの問題も生じないので、作業性を改善できる。樹脂シート600の配置は、例えば、内側コア部31をコイル2内に配置した後、コイル2と内側コア部31との間に形成される内周空間に樹脂シート600を挿入して配置することが挙げられる。或いは、内側コア部31の外周面に樹脂シート600を貼り付けるなどして配置した後、この内側コア部31をコイル2内に配置することが挙げられる。
上記熱処理の加熱温度及び保持時間は、樹脂シート600の構成材料に応じて適宜選択するとよい。例えば、加熱温度は100℃以上170℃以下程度が挙げられる。加熱温度が低く、保持時間が短くてよい樹脂(シート)を利用すると、熱処理時に、コイル2や磁性コア3(特に、樹脂モールド部31c,32c)、放熱シート4の熱損傷を防止できて好ましい。また、低温かつ短時間で発泡可能な樹脂(シート)を用いることで、製造性を向上できる上に、コストの削減にも寄与する。
未発泡の樹脂シート600には、市販品や公知のものを利用できる。例えば、発泡後の樹脂の厚さが、発泡前の樹脂の厚さの3倍以上、更に4.5倍以上、更には5倍以上のもの(膨張率((発泡後の樹脂の厚さ/発泡前の樹脂の厚さ)で求められる)が3以上、4.5以上、5以上であるもの)であれば、上述の押圧力を十分に発揮できると期待される。未発泡の樹脂シートとして、未発泡の樹脂層と、表裏の少なくとも一方の面に接着剤層とを有するものを利用できる。表裏の一方の面に接着剤層を有する場合、樹脂シート600をコイル2(巻回部2a,2b)の内周面や内側コア部31の外周面に貼り付けて仮固定できる。樹脂シート600をコイル2の内周面や内側コア部31の外周面に固定しておくと、コイル2と内側コア部31との間に樹脂シート600を確実に配置し易い。加えて、表裏の両方の面に接着剤層を有する場合、コイル固定部6(特に、内側介在部60)をコイル2の内周面や内側コア部31の外周面に強固に接着でき、押圧状態によるコイル2の固定に加えて、接着剤層によるコイル2の強固な固定も期待できる。また、接着剤層を備える場合には、未発泡の樹脂層の厚さが薄い場合でも、複数の樹脂シートを接着剤層によって接合して積層することで、所望の厚さのコイル固定部6を形成できる。未発泡の樹脂シート600の厚さ(接着剤層を備える場合には接着剤層の厚さも含む)は、発泡後の厚さがコイル2と内側コア部31との間の距離以上、更に上記距離超となるように選択するとよい。例えば、未発泡の樹脂シート600の厚さが0.2mm以上であり、膨張率が4であれば、内側介在部60の平均厚さ6t(発泡後の厚さ)は0.8mm以上が挙げられる。この例では、樹脂シート600は、発泡剤を含有するエポキシ系樹脂で構成されており、厚さが約0.2mm、膨張率が約4である。
〈リアクトルの製造方法〉
図2を主に参照して、リアクトル1Aの製造方法の一例を説明する。
まず、内側コア部31、外側コア部32をインサート成形などによって作製して用意する。また、巻線2wをエッジワイズ巻きしてコイル2を作製して用意する。
次に、コイル2の巻回部2a,2b内に内側コア部31をそれぞれ挿入して、コイル2を内側コア部31に配置すると共に、巻回部2a,2bの内周面と内側コア部31の外周面との間の所定の位置に放熱シート4と未発泡の樹脂シート600とを配置する。放熱シート4は、コイル2を内側コア部31に配置した後、巻回部2a,2bの内周面と内側コア部31の外周面との間の隙間に放熱シート4を挿入して配置する。或いは、内側コア部31の下面に放熱シート4を貼り付けておき、コイル2を内側コア部31に配置する際、内側コア部31と一緒に放熱シート4をコイル2内に挿入配置してもよい。放熱シート4は、巻回部2a,2bの内周面と内側コア部31の外周面との間のクリアランスより薄く、容易に配置できる。この例では、圧縮変形していない配置前の状態での放熱シート4の厚さが約1.5mmである。未発泡の樹脂シート600は、コイル2を内側コア部31に配置し、更にコイル2と内側コア部31との間に放熱シート4を配置した後、コイル2と内側コア部31との間の内周空間に樹脂シート600を挿入して配置する。或いは、放熱シート4と同じように、内側コア部31の上面及び側面に樹脂シート600をそれぞれ貼り付けておき、内側コア部31と一緒に各樹脂シート600をコイル2内に挿入配置してもよい。未発泡の樹脂シート600は、放熱シート4を配置した状態での上記内周空間の厚さよも十分に薄く、容易に配置できる。この例では、樹脂シート600の厚さが約0.2mmである。放熱シート4及び樹脂シート600は、所定の形状に切断して加工したものを使用している。
次いで、各内側コア部31の一方の端面31eを一方の外側コア部32の内端面32eに接続すると共に、各内側コア部31の他方の端面31eを他方の外側コア部32の内端面32eに接続して、内側コア部31,31と外側コア部32,32とを連結することで、環状の磁性コア3を形成する。これにより、コイル2と磁性コア3との組合体10を組み立てることができる。内側コア部31と外側コア部32とは、接着剤などで接合することが挙げられる。
その後、コイル2と内側コア部31との間に放熱シート4及び未発泡の樹脂シート600を配置した組合体10に熱処理を施して、樹脂シート600を発泡させる。樹脂シート600を発泡してなる樹脂は、コイル2と内側コア部31との間の内周空間(ここでは、周方向の一部かつ軸方向の全長)に充填されると共に、コイル2及び内側コア部31に密着し、内側介在部60及びターン介在部62を形成する。以上のようにして、放熱シート4及びコイル固定部6を備えるリアクトル1Aが得られる。
〔主たる特徴部分に基づく作用効果〕
実施形態1のリアクトル1Aによれば、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間に放熱シート4が接触するように介在されていることで、放熱シート4により内側コア部31の熱をコイル2に伝えて、コイル2を介して放熱できる。従って、内側コア部31からコイル2への放熱経路を確保でき、内側コア部31の放熱性を改善できることから、リアクトル1Aは放熱性に優れる。特に、リアクトル1Aでは、放熱シート4が内側コア部31の設置対象側の面(下面)に配置されていることから、内側コア部31からコイルを介して設置対象に至る放熱経路が形成され、内側コア部31から設置対象への放熱経路を短くできる。よって、内側コア部31の熱をコイル2を介して設置対象に伝え易く、内側コア部31の熱を効率良く放熱でき、放熱性を高めることができる。更に、内側コア部31のミドル本体部31bが露出する面に放熱シート4が配置されており、放熱シート4がミドル本体部31bに接触していることから、放熱シート4によりミドル本体部31bの熱を直接コイル2に伝えることができる。よって、ミドル樹脂モールド部31cが介在しない分、放熱経路の熱抵抗を低減できるので、内側コア部31の熱を効率良く放熱でき、放熱性を高めることができる。
実施形態1のリアクトル1Aは、コイル2と内側コア部31との間にコイル固定部6を備えており、コイル固定部6を構成する発泡樹脂の体積膨張による押圧力によって、コイル2の動きが規制され、磁性コア3(内側コア部31)に対してコイル2が固定される。そのため、リアクトル動作時のコイル2や磁性コア3の振動、車両走行時の振動、或いは外部環境の影響などによって、内側コア部31に対してコイル2が軸方向、径方向や周方向に動くことを規制できる。コイル2の動きが規制されることから、コイル2が磁性コア3(内側コア部31や外側コア部32)と衝突したり擦れたり、コイル2の隣り合うターン2t,2t同士が衝突したり擦れたりすることを抑制できる。従って、衝突や擦れに起因する騒音や、コイル2の絶縁被覆の損傷、磁性コア3の損傷などを低減できる。コイル2の動きが規制されることから、巻線端部2eとバスバとの接続箇所に応力がかかり難くなり、接続箇所の変形や損傷を抑制できる。特に、実施形態1のリアクトル1Aでは、未発泡の樹脂シート600を使用してコイル固定部6が形成されているため、コイル固定部6の厚さや形状を一定にできる上、樹脂シート600を必要な部分に配置するだけでよいので、製造性に優れる。これに対し、液状の樹脂を使用してコイル固定部6を形成する場合は、形状が安定せず、均一な厚さに塗布することが難しい上、塗布工程に時間を要したり、液ダレが生じるなど作業性の点で問題が多い。
実施形態1のリアクトル1Aは、コイル固定部6により磁性コア3(内側コア部31)に対してコイル2が固定されているため、従来のように、組合体10を封止材や樹脂モールドで覆って磁性コア3に対してコイル2を固定する必要がなく、封止材などを備えていない。そのため、封止材や樹脂モールド、更には封止材を充填するためのケースを省略することができ、小型軽量化や低コスト化を図ることができる。また、封止材や樹脂モールドを形成する工程を省略できる。
〔その他の特徴部分を含む各構成の説明〕
以下、リアクトル1Aの各構成の詳細、その他の利用可能な構成などを列挙して説明する。
〈コイル〉
コイル2は、図1,図2に示すように、連続する1本の巻線2wによって形成されている。具体的には、一方の巻回部2aを一端側から他端側に向かって形成した後、他端側から引き出した巻線2wをU字状に屈曲させて連結部2rを形成し、引き続き、他方の巻回部2bを他端側から一端側に向かって形成して作製している。その他、コイル2は、各巻回部2a,2bを別々の巻線によって形成し、各巻回部2a,2bの他端側の巻線端部同士を溶接や半田付け、圧着などによって直接接合したり、別途用意した導電性材料からなる連結部材(例えば、板材)を介して接合したりすることで作製することも可能である。また、この例では、各巻回部2a,2bの軸方向端面が略矩形環状であるが、略円環状など、適宜変更することが可能である。
〈磁性コア〉
(内側コア部)
内側コア部31は、図2に示すように、コア片31mとギャップ材31gとを交互に積層したミドル本体部31bと、ミドル本体部31bの外周面を覆うミドル樹脂モールド部31cとを有する。この例では、コア片31mとギャップ材31gとを接着剤によって接着している。ミドル本体部31bの形状は、適宜選択することができる。この例では、ミドル本体部31bは、四角柱状体である。
コア片31mの形成材料には、鉄や鉄合金、フェライトといった非金属などの軟磁性材料を利用できる。コア片31mは、軟磁性材料からなる軟磁性粉末を用いた成形体や、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、ケイ素鋼板に代表される電磁鋼板)を複数積層した積層体を利用できる。上記成形体としては、圧粉成形体(圧粉磁心)の他、焼結体、軟磁性粉末と樹脂とを含む複合材料などが挙げられる。複合材料は、射出成形などを利用することで、複雑な立体形状であっても、容易に成形できる。複合材料中のバインダとなる樹脂は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂やポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂などの熱可塑性樹脂を利用できる。上記複合材料中の軟磁性粉末の含有量は、複合材料を100体積%とするとき、例えば20体積%以上75体積%以下とすることが挙げられる。残部は、樹脂やアルミナやシリカなどのセラミックスといった非金属有機材料、非金属無機材料などの非磁性材料である。ここでは、各コア片31mは圧粉成形体としている。
一般に、圧粉成形体や複合材料からなるコア片は、それ自体の熱伝導率が低く、圧粉成形体や複合材料からなるコア片で内側コア部31を構成した場合は、内側コア部31の熱を外側コア部32に伝えて放熱することが難しい。特に、複合材料からなるコア片は、圧粉成形体からなるコア片よりも熱伝導率が低く、熱抵抗が大きい。上述したように、実施形態1のリアクトル1Aでは、放熱シート4を備えることで、放熱シート4により内側コア部31の熱をコイル2に伝えて、内側コア部31の放熱性を改善できる。従って、実施形態1のリアクトル1Aは、内側コア部31を構成するコア片31mが圧粉成形体や複合材料からなる場合に好適である。
ギャップ材31gの形成材料には、アルミナや不飽和ポリエステルなどの非磁性材料、PPS樹脂などの非磁性材料と軟磁性材料(例、鉄粉などの軟磁性粉末)とを含む混合物などを利用できる。
ミドル樹脂モールド部31cの被覆領域は、ミドル本体部31bの外周面における少なくともコイル2が配置される箇所とすることが挙げられる。また、ミドル本体部31bの外周面の全面をミドル樹脂モールド部31cで被覆しておくと、外部環境に対する耐食性を高めることができる。ミドル樹脂モールド部31cの被覆領域には、外側コア部32の内端面32eに接続される内側コア部31の端面31e(ミドル本体部31bの端面)を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。内側コア部31の端面31eは、外側コア部32の内端面32eに接続されるため、磁性コア3を組み立てた状態では露出することがなく、外部環境と接触することがない。一般に、ミドル樹脂モールド部31cの形成材料は、非磁性であるため、端面31eを覆う場合、ギャップ材として機能する。この例では、ミドル樹脂モールド部31cの被覆領域は、ミドル本体部31bの外周面のうち下面を除く面(即ち、上面及び左右側面)、並びに両端面としている。ミドル樹脂モールド部31cの形成材料については後述する。
実施形態1のリアクトル1Aでは、ミドル本体部31bの露出面に放熱シート4が配置されることで、放熱シート4によって耐食性を確保している。耐食性を高める観点から、ミドル本体部31bの外周面の全周をミドル樹脂モールド部31cで被覆してもよい。この場合、放熱シート4が配置される部分は、放熱シート4によって耐食性をある程度確保できるので、放熱シート4が配置される部分のミドル樹脂モールド部31cの厚さはそれ以外の部分より薄くてもよい。或いは、ミドル本体部31bの露出面にサビ止め剤を塗布して、耐食性を高めることも可能である。
(外側コア部)
外側コア部32は、図2に示すように、コア片からなるサイド本体部32bと、サイド本体部32bの表面の一部を除いて全体を覆うサイド樹脂モールド部32cとを有する。サイド本体部32bの形状は、適宜選択できる。この例では、サイド本体部32bは、上面及び下面がドーム状(内側コア部31の端面31eが接続される内端面32eから外方に向かって断面積が小さくなる変形台形状)の柱状体である。サイド本体部32bの形成材料は、上述のコア片31mと同じ形成材料を利用でき、軟磁性粉末の成形体や複数の磁性薄板の積層体を利用できる。ここでは、両サイド本体部32bは圧粉成形体としている。
外側コア部32の内端面32eは、内側コア部31の端面31eが接続されるコア接続領域と、コイル2(巻回部2a,2b)の端面に対向するコイル対向領域を含む面であり、コア接続領域及びコイル対向領域は平面で構成されている。この例では、外側コア部32の内端面32eにおける上記コイル対向領域は、図5に示すように、各巻回部2a,2bの端面のうち、両巻回部2a,2bの互いに隣り合う側の辺と、下側の辺と、これら両辺を連結する角部で構成されるL字状の部分に対向する2つのL字状の領域(図中、ハッチングで示す)である。
サイド樹脂モールド部32cは、サイド本体部32bを外部環境から保護する機能を備える。サイド樹脂モールド部32cの被覆領域は、磁性コア3を組み立てた状態で少なくとも露出する箇所とすることが挙げられる。これにより、サイド本体部32bが外部環境と直接接触することを防止でき、外部環境に対する耐食性を付与することが可能である。また、外側コア部32の内端面32eのうち、コイル2(巻回部2a,2b)の端面に対向する上記コイル対向領域をサイド樹脂モールド部32cで被覆しておくと、コイル2とサイド本体部32bとの間の絶縁も確保できる。サイド樹脂モールド部32cの形成材料については後述する。
サイド樹脂モールド部32cの被覆領域には、外側コア部32の内端面32e(サイド本体部32bの内端面)のうち、内側コア部31の端面31eが接続される上記コア接続領域を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。外側コア部32の内端面32eにおける上記コア接続領域は、内側コア部31の端面31eが接続されるため、磁性コア3を組み立てた状態では、露出することがなく、外部環境と接触することがない。一般に、サイド樹脂モールド部32cの形成材料は、非磁性であるため、上記コア接続領域を覆う場合、ギャップ材として機能する。内側コア部31の端面31e(ミドル本体部31bの端面)及びこの内側コア部31が接続される外側コア部32の内端面32e(サイド本体部32bの内端面)における上記コア接続領域うち、一方をミドル樹脂モールド部31c又はサイド樹脂モールド部32cで被覆する場合は、他方を露出させることが好ましい。この例では、サイド樹脂モールド部32cの被覆領域は、サイド本体部32bの内端面における上記コア接続領域を除く、全面としている。
ミドル樹脂モールド部31c及びサイド樹脂モールド部32c(これらを合わせて樹脂モールド部と呼ぶ場合がある)の形成材料には、絶縁性や耐食性を有する樹脂材料が好ましく、更に、熱伝導性を有する樹脂材料が好ましい。このような樹脂材料としては、例えば、PPS樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6、ナイロン66、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。樹脂モールド部31c,32cを形成する樹脂材料には、放熱性を高める観点から、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化硼素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスのフィラーを含有してもよい。樹脂モールド部31c,32cの形成は、樹脂材料をインサート成形したり、樹脂材料に浸漬するなどして行うことができる。
樹脂モールド部31c,32cの厚さは、例えば0.1mm以上とすることが挙げられる。樹脂モールド部31c,32cの厚さを0.1mm以上とすることで、コイル2(巻回部2a,2b)との絶縁を確保し易く、外部環境に対する耐食性も付与し易い。一方、樹脂モールド部31c,32cの厚さの上限は、厚くなり過ぎないように適宜設定すればよく、例えば3mm以下とすることが挙げられる。樹脂モールド部31c,32cは、局所的に厚くなっている部分(例えば、後述するサイド樹脂モールド部31cにおける取付部33や仕切部34など)があってもよい。
この例では、ミドル本体部31bのコア片31mやサイド本体部32b(コア片)を圧粉成形体で形成しているが、コア片31mやサイド本体部32bを上述した複合材料で形成することもできる。その場合、ミドル本体部31bやサイド本体部32bを樹脂モールド部31c、32cで被覆しない構成とすることも可能である。即ち、内側コア部31及び外側コア部32はそれぞれ、複合材料からなるミドル本体部31b及びサイド本体部32bで構成され、樹脂モールド部を有さない。コア片を複合材料で形成した場合、その表面領域には軟磁性粉末が殆ど含まれず、複合材料に含まれる樹脂で形成された樹脂層が形成された状態とすることができる。そのため、樹脂モールド部がなくても、コイル2との間の絶縁を確保し易く、複合材料に含まれる軟磁性粉末の腐食も抑制し易い。勿論、ミドル本体部31bやサイド本体部32bを樹脂モールド部31c,32cで被覆してもよいが、その場合は、樹脂モールド部の形成材料には、樹脂モールド部の形成する際に、複合材料中の樹脂が軟化や損傷しないような樹脂材料を選択することが挙げられる。
内側コア部31と外側コア部32とが連結されることによって、磁性コア3が構成される。この例では、内側コア部31と外側コア部32とを接着剤によって接着している。更に、この例では、外側コア部32の内端面32eにおいて、サイド樹脂モールド部32cに上記コア接続領域の周囲を囲む突壁部32tが形成されている。そして、この突壁部32tの内側に内側コア部31の端部が嵌め込まれ、内側コア部31の端面31eが外側コア部32の内端面32eにおける上記コア接続領域に接続されるようになっている。また、上記突壁部32tに嵌め込まれる内側コア部31の端部の外周面は、ミドル樹脂モールド部31cの厚さが薄い薄肉部31tになっており、突壁部32tの外周面と内側コア部31の端部を除く外周面とは略面一になっている。
この例では、一対の内側コア部31と一対の外側コア部32とがそれぞれ独立した形態を説明した。その他、少なくとも一方の内側コア部31と一方の外側コア部32とを一体化した形態とすることも可能である。例えば、図6に示すように、両内側コア部31と一方の外側コア部32とを一体化したU字型のコア成形体3bとすることが挙げられる。この場合、両内側コア部31のミドル本体部31bと一方の外側コア部32のサイド本体部32bとを接続した状態で、樹脂材料を被覆することで、ミドル樹脂モールド部31cとサイド樹脂モールド部32cとを一体に形成するとよい。これにより、両ミドル本体部31bとサイド本体部32bとが一体化され、両内側コア部31と一方の外側コア部32とが一体化したU字型のコア成形体3bが得られる。ミドル本体部31bとサイド本体部32bとは、予め接着剤により接着しておいてもよいし、ミドル樹脂モールド部31cとサイド樹脂モールド部32cとを一体に形成することで一体化されることから、接着剤により接着しておかなくてもよい。そして、このU字型のコア成形体3bと残る外側コア部32とを例えば接着剤によって接着することで、磁性コア3を形成できる。或いは、内側コア部31と外側コア部32の一方同士を一体化したL字型のコア成形体を一対備える形態とすることも可能である。この場合、内側コア部31のミドル本体部31bと外側コア部32のサイド本体部32bとを接続した状態で、樹脂材料を被覆することで、ミドル樹脂モールド部31cとサイド樹脂モールド部32cとを一体に形成するとよい。これにより、ミドル本体部31bとサイド本体部32bとが一体化され、内側コア部31と外側コア部32とが一体化したL字型のコア成形体が得られる。そして、一対のL字型のコア成形体を例えば接着剤によって接着することで、磁性コア3を形成できる。
接着剤には、(1)エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂、(2)PPS樹脂、LCPなどの熱可塑性樹脂などの樹脂を主体としたものが好適に利用できる。
〈放熱シート〉
放熱シート4は、ゴムやゲル、樹脂などの有機材料に、セラミックスなどの無機材料の伝熱性フィラーを配合した複合材料で構成することが挙げられる。実施形態1のリアクトル1Aでは、放熱シート4は、構成材料にゴム材料を使用したゴムタイプの放熱シートである。放熱シート4としては、ゴムタイプのシート以外にも、ゲルタイプや熱融着タイプの各種放熱シートを利用できる。ゲルタイプや熱融着タイプの放熱シートは、市販品や公知のものを利用できる。
ゲルタイプの放熱シートは、ゲル材料を構成材料に使用したものであり、ゲル材料としては、例えば、シリコーンゲル、アクリルゲル、ウレタンゲルなどが挙げられる。ゲルタイプの放熱シートは、ゴムタイプと同様に、弾性や柔軟性を有することから、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間に挟まれて変形することにより、コイル2のターン間の段差や隙間、内側コア部31の外周面の凹凸などに入り込み、コイル2と内側コア部31の双方に密着できる。加えて、ゲル材料は、粘着性を有することから、密着性も高い。ゲル材料の硬度としては、JIS K 7312:1996に準拠するアスカーC型硬度計で測定した値が、例えば30以下が挙げられる。
熱融着タイプの放熱シートは、加熱により溶融又は軟化して融着性を示す状態を経て硬化する熱融着材料を構成材料に使用したものであり、熱融着材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。熱融着タイプの放熱シートの場合、未硬化の状態でコイル2と内側コア部31との間に配置した後、加熱することで、放熱シートが溶融して、コイル2及び内側コア部31に融着する。その際、放熱シートが変形して、コイル2のターン間の段差や隙間、内側コア部31の外周面の凹凸などに入り込み、コイル2の内周面や内側コア部31の外周面に密着する。その状態で硬化することで、コイル2及び内側コア部31に密着した状態の放熱シートが形成され、高い放熱効果を発揮できる。
熱融着タイプの放熱シートを使用する場合は、コイル2(巻回部2a,2b)の内周面と内側コア部31の外周面との間の所定の位置に配置した後、溶融・硬化に必要な熱処理を施す。この熱処理の加熱温度及び保持時間は、放熱シートの構成材料に応じて適宜選択すればよく、例えば、加熱温度は80℃以上160℃以下程度が挙げられる。
〈その他〉
(取付部)
両外側コア部32の樹脂モールド部32cにはそれぞれ、組合体10を設置対象に固定するための取付部33が一体に形成されている(図2参照)。この例では、各外側コア部32にそれぞれ2つずつ、計4つ設けられている。取付部33は、外側コア部32における上下方向(高さ方向)の略中間位置から突出するように形成されている。取付部33の形成箇所は、設置対象の固定箇所(例えば、ボルトボス部)に対応する位置である。この取付部33には、組合体10を設置対象に固定するための固定部材(例えば、ボルト)が挿通される挿通孔を有する筒状のカラー35が埋設されている。カラー35は、挿通孔の変形を防止する観点から、高剛性の材料、例えばステンレスなどの金属材料で形成することが好ましい。
(仕切部)
両外側コア部32の樹脂モールド部32cにはそれぞれ、巻回部2a,2bの間に介在される仕切部34が一体に形成されている(図2参照)。両仕切部34によって、巻回部2a,2b同士の接触を防止し、巻回部2a,2b間の絶縁性を高められる。
(センサ)
リアクトル1Aは、図2に示すように、リアクトル動作時の物理量(例えば、温度、電流値、電圧値、加速度など)を測定するためのセンサ7sを備える形態とすることができる。図2に示すセンサ7sは、サーミスタといった感熱素子を有する温度センサであり、感熱素子を保護する保護部(例えば、樹脂などのチューブ)と、感熱素子からの電気信号が流れる配線7cとを有する。また、センサ7sの配置箇所は、巻回部2a,2bの間とし、センサ7sはホルダ70に収納されている。
ホルダ70は、組合体10に対してセンサ7sを所定の配置位置に保持する機能を有する。ホルダ70は、図2に示すように、巻回部2a,2b間に挿入され、両外側コア部32の仕切部34に係止するためのフック72を有しており、各フック72を両仕切部34に引っ掛けることで、センサ7sの配置位置を良好に保持する。ホルダ70は、上述した樹脂モールド部31c,32cと同様に絶縁性樹脂で形成するとよい。
〈リアクトルの使用例〉
リアクトル1Aの一使用例として、組合体10を封止材などで覆わずに、このままの状態(即ち、コイル2の外周面を露出させた状態)で冷却ベースやコンバータケースなどの設置対象(図示せず)に取り付けて使用することが挙げられる。具体的には、冷却ベースなどの設置対象上にリアクトル1Aの下面を載置し、リアクトル1Aをボルトなどで設置対象に固定する。リアクトル1A(組合体10)を設置対象上に設置する際、組合体10(特に、コイル2)の設置対象に対向する設置対象側の面(設置面)に接合層(図示せず)を形成したり、上述した放熱シート(図示せず)を配置してもよい。組合体10(特に、コイル2)の設置面(即ち、下面)に接合層や放熱シートを備えることで、コイル2と設置対象との絶縁を確保し易い。また、接合層を備えることで、ボルトによる固定に加えて、組合体10(特に、コイル2)を設置対象に強固に固定できる。放熱シートを備えることで、組合体10(特に、コイル2)の放熱性を改善できる。
接合層の形成材料は、代表的には、リアクトル使用時の最高到達温度に対して軟化しない程度の耐熱性を有する樹脂材料(接着剤)が好ましく、更に絶縁性を有する樹脂材料が好ましい。具体的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂や、PPS樹脂、LCPなどの熱可塑性脂が挙げられる。接合層を形成する樹脂材料には、放熱性を高める観点から、上述したセラミックスのフィラーを含有してもよい。接合層の熱伝導率は、0.1W/m・K以上、更に1W/m・K以上、特に2W/m・K以上であると、熱伝導性に優れて好ましい。接合層は、例えばシート状のものを用いたり、塗布やスプレーしたりして形成するとよい。リアクトル1A(組合体10)を設置対象に設置するまでの間、接合層の表面に離型材を取り付けておくと、接合層の表面を清浄に維持でき、持ち運び易い。
[実施形態2]
実施形態2では、実施形態1のリアクトル1Aに対して、更に放熱板9を備える形態を説明する。図7に示す実施形態2のリアクトル1Bは、放熱板9を備える点を除いて、放熱シートやコイル固定部6を含め、コイル2や磁性コア3などの基本的な構成は、上述した実施形態1のリアクトル1Aと同様であるので、以下では相違点を中心に説明する。
(放熱板)
放熱板9は、リアクトル使用時に発熱するコイル2の任意の箇所に配置することができ、代表的には、コイル2の設置対象側の面、即ちコイル2の設置面に配置することが挙げられる。図7に示すリアクトル1Bでは、コイル2の下面に放熱板9が配置されており、この放熱板9はコイル2と設置対象(図示せず)との間に介在されることになる。
放熱板9の形成材料には、熱伝導性に優れる材料、具体的には、アルミニウムやアルミニウム合金、マグネシウムやマグネシウム合金、銅や銅合金、銀や銀合金、鉄やオーステナイト系ステンレス鋼などの金属材料や、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化硼素、炭化珪素、ムライトなどのセラミックス材料が挙げられる。金属材料は、一般に熱伝導性に優れる上、特に、アルミニウムやマグネシウムの合金は、軽量であり、車載用部品の材料として好適である。また、アルミニウムやその合金は加工性、放熱性、耐食性に優れ、マグネシウムやその合金は制振性に優れる利点がある。放熱板9の厚さは、適宜選択することができ、例えば2mm以上5mm以下程度とすることが挙げられる。
放熱板9は、コイル2の設置面(即ち、下面)に接触可能な大きさを有していればよく、その大きさ、形状は適宜選択することができる。この例に示す放熱板9は、コイル2だけでなく、コイル2と磁性コア3との組合体10の下面に接触可能な大きさを有する略矩形状の平板である。そのため、リアクトル1Bでは、コイル2の熱に加えて、磁性コア3(外側コア部32)の熱も設置対象に良好に伝えることができる。また、放熱板9を組合体10の下面よりも十分に大きくすることで、組合体10を一体に支持する台座としての機能を放熱板9に持たせることもでき、リアクトルの持ち運びや取り扱いが容易になると期待される。放熱板9を組合体10の下面よりも大きくする場合は、例えば、設置対象に固定するためのボルトや設置対象に形成されたボス部と干渉しないように、放熱板9の四隅に貫通孔や切欠き(図示せず)を設けるとよい。
放熱板9は、例えば、上述した接合層によって組合体10(コイル2)の下面に固定することができる。放熱板9を接合層によってコイル2に固定することで、放熱板9とコイル2との接触状態が維持され易く、コイル2の熱を放熱板9に伝達し易い。また、放熱板9と組合体10(コイル2)との間に放熱シート(図示せず)を配置してもよい。
(作用効果)
実施形態2のリアクトル1Bは、実施形態1のリアクトル1Aが奏する上述した作用効果に加えて、放熱板9を備えることで、放熱板9をコイル2の放熱経路に利用することができ、放熱性をより高められる。
[実施形態3]
実施形態1では、コイル2の動きを規制するコイル固定部6を備える形態を説明した。実施形態3では、図8〜図10を参照して、放熱シート4がコイル2の動きを規制する機能を兼ね備える構成を説明する。なお、実施形態3のリアクトル1Cは、コイル2と内側コア部31との間に放熱シート4が配置されていることなどの基本的な構成は、上述した実施形態1のリアクトル1Aと同様であるので、以下では相違点を中心に説明する。
(放熱シート)
この例に示す放熱シート4は、ゴム材料(弾性材料)で構成され、コイル2と内側コア部31との間に挟み込まれて弾性変形している。つまり、放熱シート4は、コイル2(巻回部2a,2b)の内周面と内側コア部31の外周面との間に弾性変形した状態で介在されており、弾性変形によってコイル2(巻回部2a,2b)の内周面を径方向に押圧して、この押圧力によってコイル2(巻回部2a,2b)の動きを規制する。
この例では、実施形態1のリアクトル1Aと同じように、内側コア部31の外周面(4つの平面)のうち、設置対象に対向する設置対象側の面(即ち、下面)に放熱シート4が配置されている(図9,図10参照)。放熱シート4の形状は、内側コア部31の下面と同等の大きさである。また、実施形態1のリアクトル1Aとは異なり、この例では、内側コア部31において、ミドル本体部31bの外周面の全面がミドル樹脂モールド部31cで覆われている。
この例に示すように、放熱シート4を内側コア部31の下面に配置した場合は、放熱シート4がコイル2の内周面を下方向に押圧して、反対側のコイル2の内周面の上面が内側コア部31に押し付けられた状態になる。この例では、放熱シート4を内側コア部31の下面に配置しているが、これに限定されるものではなく、内側コア部31の上面や側面に放熱シート4を配置することも可能である。いずれの場合であっても、放熱シート4の反発力によって、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間に働く垂直抗力が大きくなるため、コイル2と内側コア部31との間の摩擦力が大きくなる。従って、磁性コア3(内側コア部31)に対してコイル2の径方向や周方向の動きが規制されると共に、軸方向の動きも規制される。
放熱シート4の長さが長いほど、放熱シート4の幅が広いほど、放熱シート4とコイル2(巻回部2a,2b)の内周面との接触面積が増え、コイル2の動きを規制し易い。この例に示すように、放熱シート4を内側コア部31の軸方向(一方の端面から他方の端面の方向)に沿って配置する場合、接触面積が増えると、コイル2の内周面を軸方向に亘って均等に押圧し易くなる。放熱シート4は、コイル2(巻回部2a,2b)の内周面を径方向に押圧し易いように、内側コア部31の軸方向及び幅方向に対称な位置に配置することが好ましい。
放熱シート4の厚さは、コイル2(巻回部2a,2b)の内周面と内側コア部31の外周面との間のクリアランスを埋める厚さであり、コイル2の内周面を十分に押圧できる程度とすることが挙げられる。放熱シート4は、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間に配置される前の状態では、上記クリアランスより厚く、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間に配置された後の状態では、コイル2と内側コア部31との間に挟み込まれて圧縮変形している。放熱シート4の厚さは、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間のクリアランスや放熱シート4を構成するゴム材料のゴム硬度などに応じて適宜決めればよい。この例に示すように、内側コア部31の外周面のうち、いずれか1つの面に放熱シート4を配置する場合、放熱シート4の厚さは、例えば、上記クリアランスの2倍に対して1.5倍以上3倍以下とすることが挙げられる。内側コア部31の外周面における対向する2面に放熱シート4をそれぞれ配置する場合は、各放熱シート4の厚さを、上記クリアランスに対して1.5倍以上3倍以下とすることが挙げられる。
上述したように、放熱シート4を内側コア部31の軸方向に沿って配置する場合は、内側コア部31の外周面の複数の面、特に外周面の全面に放熱シート4を配置すると、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間への放熱シート4の挿入が困難になる可能性がある。従って、内側コア部31の外周面のうち、いずれか1つの面に放熱シート4を配置することが好ましい。
上述の例では、放熱シート4を内側コア部31の軸方向に沿って配置する場合を説明した。放熱シート4の別の配置形態としては、内側コア部31の軸方向に沿って部分的に、内側コア部31の外周面の全面に放熱シート4を配置することが挙げられる。例えば、図11,図12に示すように、内側コア部31の軸方向に間隔をあけて複数のリング状の放熱シート4を配置する。内側コア部31の外周面の周方向に亘って放熱シート4を配置しても、放熱シート4の反発力によって、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間に働く垂直抗力が大きくなるため、コイル2と内側コア部31との間の摩擦力が大きくなる。但し、リング状の放熱シート4の場合は、内側コア部31の軸方向に沿った放熱シート4の長さの合計を、内側コア部31の軸方向の長さに対して50%未満、更に40%以下とすることが挙げられる。放熱シート4をある程度短くすることで、リング状の放熱シート4であっても、比較的挿入し易くなる。放熱シート4の長さの合計は、コイル2の内周面との接触面積を確保する観点から、内側コア部31の軸方向の長さに対して10%以上、更に20%以上とすることが挙げられる。また、リング状の放熱シート4を内側コア部31の軸方向に沿って間隔をあけて複数配置する場合は、内側コア部31の両端部近傍に放熱シート4を配置すると共に、残る放熱シート4を等間隔に配置することが好ましい。
(端部弾性部材)
リアクトル1Cでは、図8に示すように、コイル2と外側コア部32との間に介在され、コイル2の動きを規制する端部弾性部材5を備える。端部弾性部材5は、コイル2(巻回部2a,2b)の端面と、コイル2の端面に対向する外側コア部32の内端面32eとの間の少なくとも一部に配置され、コイル2の端面を軸方向に押圧する部材である。この例では、コイル2の端面と外側コア部32の内端面32eとの間であって、外側コア部32の内端面32eにおける上述のコイル対向領域(図5参照)に対応する位置に端部弾性部材5を一対配置している。また、各端部弾性部材5の形状は、上記コイル対向領域に対応する大きさのL字状の板材である。端部弾性部材5の構成材料には、放熱シート4を構成する上述のゴム材料を用いることができる。この例では、端部弾性部材5は、放熱シート4と同様のゴム材料(弾性材料)で構成されている。
端部弾性部材5は、コイル2(巻回部2a,2b)の端面を軸方向に押圧して、コイル2の動きを規制するものであれば特に問わない。端部弾性部材5の構成材料には、電気絶縁性に優れるもの、コイル2の最高到達温度に対する耐熱性に優れるもの(150℃以上、更に180℃以上)を選択することが好ましく、更に、外部環境に対する耐食性に優れるものが好ましい。端部弾性部材5の構成材料に電気絶縁性を有する材料を選択すれば、コイル2と外側コア部32との間の絶縁を確保できて好ましい。また、コイル2を押圧してコイル2の動きを規制する観点から、端部弾性部材5を構成するゴム材料のゴム硬度は、例えば30以上70以下であることが好ましく、より好ましくは40以上60以下である。ゴム硬度が30以上70以下、特に40以上60以下であることで、端部弾性部材5が圧縮変形(弾性変形)してコイル2を適切に押圧し易い。
端部弾性部材5の配置箇所は、少なくとも一方の外側コア部32の内端面32eにおける上記コイル対向領域に対応する位置とすることが挙げられる。端部弾性部材5の配置箇所をコイル2の連結部2r側の一方の外側コア部32とすれば、端部弾性部材5がコイル2の連結部2r側の端面を押圧して、コイル2の巻線端部2e側の端面が他方の外側コア部32に押し付けられた状態になる。逆に、端部弾性部材5の配置箇所をコイル2の巻線端部2e側の他方の外側コア部32とすれば、端部弾性部材5がコイル2の巻線端部2e側の端面を押圧して、コイル2の連結部2r側の端面が一方の外側コア部32に押し付けられた状態になる。いずれの場合であっても、磁性コア3(内側コア部31)に対してコイル2の軸方向の動きが規制されると共に、径方向や周方向の動きも規制される。端部弾性部材5をコイル2の一方の端面と一方の外側コア部32の内端面32eとの間にのみ配置する場合は、コイル2の連結部2r側とすることが好ましい。コイル2の巻線端部2eには、上述したように端子金具5を介してバスバ(図示せず)が接続されるため、コイル2の巻線端部2e側が動くと巻線端部2eとバスバとの接続箇所に応力がかかり好ましくない。端部弾性部材5の配置箇所をコイル2の連結部2r側とすることで、コイル2の巻線端部2e側が外側コア部32に押し付けられることから、コイル2の巻線端部2e側の動きがより規制され易く、接続箇所に応力がよりかかり難くなる。勿論、この例に示すように、端部弾性部材5は、コイル2の連結部2r側とコイル2の巻線端部2e側の両側に配置してもよい。この場合、各端部弾性部材5によって、コイル2の両端面を押圧することができ、コイル2の動きがより規制される上、コイル2が外側コア部32に直接接触して損傷することを防止できる。
端部弾性部材5は、外側コア部32の内端面32eにおける上記コイル対向領域のうち、少なくとも一部に配置されていればよい。端部弾性部材5の長さは(巻回部2a,2bの端面の周方向に沿った長さ)は、長いほど好ましく、端部弾性部材5の幅(巻回部2a,2bの端面の径方向に沿った長さ)は広いほど好ましい。上記コイル対向領域において、端部弾性部材5の長さが長いほど、端部弾性部材5の幅が広いほど、端部弾性部材5とコイル2の端面との接触面積が増え、コイル2の端面を均等に押圧し易くなる。そのため、コイル2の動きをより規制し易い。従って、端部弾性部材5の大きさは、上記コイル対向領域と同等の大きさとすることが好ましい。
端部弾性部材5の厚さは、コイル2(巻回部2a,2b)の端面と外側コア部32の内端面32eとの間のクリアランスを埋める厚さであり、コイル2の端面を十分に押圧できる程度とすることが挙げられる。端部弾性部材5は、コイル2の端面と外側コア部32の内端面32eとの間に配置される前の状態では、上記クリアランスより厚く、コイル2の端面と外側コア部32の内端面32eとの間に配置された後の状態では、圧縮変形している。端部弾性部材5の厚さは、コイル2の端面と外側コア部32の内端面32eとの間のクリアランスや端部弾性部材5を構成するゴム材料のゴム硬度などに応じて適宜決めればよく、例えば、クリアランスに対して1.5倍以上3倍以下とすることが挙げられる。また、コイル2(巻回部2a,2b)は巻線2wを螺旋状に巻回したものであり、コイル2の端面は傾斜している。そこで、端部弾性部材5におけるコイル2の端面との接触面をコイル2の端面の傾斜に合わせて傾斜させることが好ましく、これによりコイル2の端面を軸方向に押圧し易くなる。
端部弾性部材5は、外側コア部32の内端面32eにおける上記コイル対向領域又はコイル2(巻回部2a,2b)の端面に接着して固定しておくと、コイル2の端面と外側コア部32の内端面32eとの間に確実に配置し易い。その他、端部弾性部材5は、コイル2の端面形状に対応する大きさのリング状の板材とすることも可能である。この場合、端部弾性部材5の一部がコイル2の端面と外側コア部32の内端面32eとの間に確実に配置される。また、リング状の端部弾性部材5であれば、内側コア部31が挿通された状態となるから、コイル2の端面と外側コア部32の内端面32eとの間から脱落することもない。
この例では、図5に示すように、外側コア部32の内端面32eにおける上記コイル対向領域は、L字状の領域になっており、コイル2(巻回部2a,2b)の端面よりも面積が小さい。つまり、上述したL字状の端部弾性部材5は、コイル2の端面の一部を押圧する。そこで、上記コイル対向領域を拡張して端部弾性部材5とコイル2との端面との接触面積をより増やすことが挙げられる。具体的には、外側コア部32を上方(図5中、紙面上方向)に突出させたり、側方(図5中、紙面左右方向)に突出させるなどして、外側コア部32の内端面32eを周方向に拡張することが挙げられる。この内端面32eの拡張部分は、例えば、外側コア部32を構成する上述のサイド本体部32b自体で形成したり、上述のサイド樹脂モールド部32cを厚くすることで形成できる。内端面32eの拡張部分をサイド樹脂モールド部32cで形成する場合、サイド樹脂モールド部32cの内端面の外方(上方や側方)にフランジ状に突出するフランジ部(図示せず)を設けることが挙げられる。これにより、上述したリング状の端部弾性部材5を用いた場合に、端部弾性部材5とコイル2の端面との接触面積を最大限に確保できる共に、コイル2の端面全面を均等に押圧することができる。
図8を主に参照して、端部弾性部材5を備える組立体10(リアクトル1C)の作製方法の一例を説明する。組立体10作製するときは、一方の外側コア部32側に端部弾性部材5を配置する場合は、各内側コア部31の一方の端面31eを一方の外側コア部32の内端面32eに接続する際、コイル2の一方の端面と一方の外側コア部32の内端面32eとの間に端部弾性部材5を挟み込むように配置する。更に、他方の外側コア部32側に端部弾性部材5を配置する場合は、各内側コア部31の他方の端面31eを他方の外側コア部32の内端面32eに接続する際、コイル2の他方の端面と他方の外側コア部32の内端面32eとの間に端部弾性部材5を挟み込むように配置する。
〔実施形態3の特徴部分に基づく作用効果〕
実施形態3のリアクトル1Cによれば、放熱シート4が、内側コア部31の熱をコイル2に伝える機能に加えて、コイル2の動きを規制する機能を兼ね備える。具体的には、コイル2の内周面と内側コア部31の外周面との間に放熱シート4が配置され、放熱シート4がコイル2を径方向に押圧することで、コイル2の動きが規制され、磁性コア3(内側コア部31)に対してコイル2が固定される。また、コイル2が径方向に押圧されるため、コイル2のターン同士の間隔が維持された状態で保持される。そのため、実施形態1で説明したコイル固定部6を備えていなくても、リアクトル動作時のコイル2や磁性コア3の振動、車両走行時の振動、或いは外部環境の影響などによって、内側コア部31に対してコイル2が軸方向、径方向や周方向に動くことを規制できる。コイル2の動きが規制されることから、コイル2が磁性コア3(内側コア部31や外側コア部32)と衝突したり擦れたり、コイル2の隣り合うターン同士が衝突したり擦れたりすることを抑制できる。従って、衝突や擦れに起因する騒音や、コイル2の絶縁被覆の損傷を低減できる。更に、コイル2の動きが規制されることから、巻線端部2eとバスバとの接続箇所に応力がかかり難くなり、接続箇所の変形や損傷を抑制できる。よって、実施形態3のリアクトル1Cによれば、放熱シート4によって、内側コア部31の放熱性の改善と、コイルの固定とを両立できる。
更に、実施形態3のリアクトル1Cによれば、コイル2の端面と外側コア部32の内端面32eとの間に端部弾性部材5が配置され、端部弾性部材5がコイル2を軸方向に押圧することで、コイル2の動きが規制され、磁性コア3(内側コア部31)に対してコイル2が固定される。また、コイル2が軸方向に圧縮され、コイル2の隣り合うターン同士が接触した状態で保持される。そのため、放熱シート4だけでなく、端部弾性部材5によってもコイル2の動きが規制され、端部弾性部材5の併用により、コイル2の動きをより規制できる。
実施形態3のリアクトル1Cは、実施形態1のリアクトル1Aと同様、磁性コア3(内側コア部31)に対してコイル2が固定されているため、従来のように、組合体10を封止材や樹脂モールドで覆って磁性コア3に対してコイル2を固定する必要がない。そのため、封止材などを省略することができ、封止材などを備えていないことで、コイル2の外周面を露出させることができる。
実施形態3のリアクトル1Cは、実施形態1のリアクトル1Aと同じように、このままの状態で冷却ベースやコンバータケースなどの設置対象(図示せず)に取り付けて使用することが挙げられる。また、実施形態3のリアクトル1Cにおいて、実施形態2で説明した放熱板9(図7)を備える形態とすることも可能である。
[その他の実施形態]
上述した実施形態1〜3のリアクトル1A〜1Cにおいて、例えば図13に示すように、組合体10を内部に収納するケース8を備える形態とすることができる。図13では、リアクトル1Cについて、組合体10を内部に収納すると共に、液体冷媒Cが供給及び排出される冷却ケース8を備える形態を示す。
(ケース)
図13に示すケース8は、ケース8内に液体冷媒Cを供給する供給口80iと、ケース8内から液体冷媒Cを排出する排出口80oとを有し、液体冷媒Cが供給及び排出できる。この例では、排出口80oから排出された液体冷媒Cは、冷却器(図示せず)などにより冷却されて、再び供給口80iからケース8内に循環供給されるようになっている。また、図13に示すように、組合体10が液体冷媒Cに常時浸漬されるように、供給口80iからの液体冷媒Cの供給量と、排出口80oからの液体冷媒Cの排出量とを制御している。
図13に示すケース8は、矩形箱状の容器であり、組合体10が設置される取付面81を有する。この例では、内底面が取付面81である。また、取付面(内底面)81には、組合体10が載置される領域と、上述した外側コア部32のサイド樹脂モールド部32cに形成された取付部33に対応する位置にボス部82とを有する。ボス部82は、取付部33に合せて計4つ設けられている。そして、取付部33のカラー35(図1、図7、図8参照)とボス部82に形成されたボルト穴とに連通するようにボルト36を挿通してねじ込むことで、ケース8内に組合体10を固定できる。ケース8の底板にボス部82を有することで、底板全体を厚くしなくても、ボルト36の締結長を十分に確保できる。
ケース8の形成材料には、アルミニウムやアルミニウム合金、マグネシウムやマグネシウム合金、銅や銅合金、銀や銀合金、鉄やオーステナイト系ステンレス鋼などの金属材料が挙げられる。金属材料は、一般に熱伝導性に優れる上、特に、アルミニウムやマグネシウムの合金は、軽量であり、車載用部品の材料として好適である。また、アルミニウムやその合金は加工性、放熱性、耐食性に優れ、マグネシウムやその合金は制振性に優れる利点がある。
(液体冷媒)
液体冷媒Cは、リアクトル使用時の最高到達温度によって形態が変化しないもの(気化しないもの)が好適に利用できる。具体的には、オートマチックトランスミッションの潤滑油であるATF(Automatic Transmission Fluid)、フロリナート(登録商標)などのフッ素系不活性液体、HCFC−123やHFC−134aなどのフロン系冷媒、メタノールやアルコールなどのアルコール系冷媒、アセトンなどのケトン系冷媒などが挙げられる。リアクトルがハイブリッド自動車などに搭載される車載用部品の用途では、例えば上記ATFを流用することができ、液体冷媒Cを別途用意しなくてもよい。
(接合層)
また、図13に示すように、組合体10の設置対象側の面(即ち、下面)に上述した接合層89を備えてもよい。図13に示す接合層89は、組合体10の下面(2つの外側コア部32の下面及びコイル2の下面)とケース8の取付面81との間に介在される。この接合層89によって、ボルト36による固定に加えて、組合体10を強固に固定できる。特に、この例では、組合体10の下面は、上述したように、実質的に平面で構成されていることから、ケース8の取付面81に面接触することができ、組合体10が安定して固定される。また、組合体10の下面が平面的であることで、接合層89との接触面積を十分に確保でき、組合体10(コイル2)の熱をケース8に伝達し易い。この場合、コイル2が設置対象であるケース8の取付面81に接合層89によって固定されることから、実施形態1で説明したコイル固定部6や実施形態3で説明した放熱シート4などによるコイル2の動きを規制する効果に加えて、コイル2の動きを一層規制できる。換言すれば、コイル固定部6や放熱シート4などによってコイル2の動きが規制されることから、コイル2が接合層89から剥離することが抑制される。
組合体10を上述した冷却ケース8に収納することで、組合体10を液体冷媒Cにより強制冷却することができる。特に、実施形態1〜3のリアクトル1A〜1Cでは、コイル固定部6や放熱シート4などによってコイル2を固定しながら、コイル2の外周面を露出させることができ、コイル2に液体冷媒Cを直接接触させることができる。従って、液体冷媒による放熱効果が効果的に発揮され、コイルの放熱性、延いてはリアクトルの放熱性を高めることができる。
実施形態1〜3では、2つの巻回部2a,2bを有するコイル2を備えるリアクトルを具体例に挙げて説明したが、例えば、1つの巻回部を有するコイルに変更することができる。
上述した実施形態1〜3のリアクトルは、通電条件が、例えば最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用できる。
本発明のリアクトルは、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC−DCコンバータ)や、空調機のコンバータなどの種々のコンバータ、並びに電力変換装置の構成部品に好適に利用できる。
1A,1B,1C リアクトル
10 組合体
2 コイル 2a,2b 巻回部
2r 連結部 2w 巻線 2e 巻線端部
2t ターン
20 端子金具
3 磁性コア
31 内側コア部 31e 端面
31b ミドル本体部
31m コア片 31g ギャップ材
31c ミドル樹脂モールド部
31t 薄肉部
32 外側コア部 32e 内端面
32b サイド本体部
32c サイド樹脂モールド部
32t 突壁部
33 取付部 34 仕切部
35 カラー 36 ボルト
3b コア成形体
4 放熱シート
5 端部弾性部材
6 コイル固定部
60 内側介在部 62 ターン介在部
600 未発泡の樹脂シート
7s センサ 7c 配線
70 ホルダ 72 フック
8 ケース C 液体冷媒
80i 供給口 80o 排出口
81 取付面 82 ボス部
89 接合層
9 放熱板

Claims (6)

  1. 巻線を巻回してなるコイルと、前記コイルが配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを備えるリアクトルであって、
    前記磁性コアは、前記コイルの内側に配置される内側コア部を有し、
    前記コイルの内周面と、前記コイルの内周面に対向する前記内側コア部の外周面との間の少なくとも一部に介在される放熱シートを備え、
    前記放熱シートは、前記コイルと前記内側コア部に接触しているリアクトル。
  2. 前記放熱シートが、前記内側コア部の外周面のうち、設置対象に対向する設置対象側の面の少なくとも一部に配置されている請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記放熱シートが、弾性材料で構成され、前記コイルと前記内側コア部との間に挟み込まれて弾性変形している請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 発泡樹脂から構成され、前記発泡樹脂の体積膨張による押圧力によって前記コイルの動きを規制するコイル固定部を備え、
    前記コイル固定部は、前記コイルの内周面と、前記コイルの内周面に対向する前記内側コア部の外周面との間で、且つ、前記内側コア部の外周面のうち、前記放熱シートが配置されていない部分の少なくとも一部に介在され、
    前記コイル固定部は、前記コイルの内周面と前記内側コア部の外周面との間に介在される内側介在部と、前記コイルのターン間に介在されるターン介在部とを有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記内側コア部が、磁路となるミドル本体部と、前記ミドル本体部の外周面の少なくとも一部を覆うミドル樹脂モールド部とを有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記内側コア部において、前記ミドル本体部の外周面のうち、設置対象に対向する設置対象側の面が前記ミドル樹脂モールド部で覆われておらず露出しており、
    前記放熱シートが、前記内側コア部における前記ミドル本体部が露出する前記設置対象側の面に配置されている請求項5に記載のリアクトル。
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