JP2018129501A - リアクトル - Google Patents
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Abstract
Description
巻線を巻回して構成され、液体冷媒が直接接触する露出領域を有する巻回部を備えるコイルと、
前記巻回部の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアと、
前記巻回部の露出領域に取り付けられる棒状のセンサ本体部と、前記センサ本体部に連結される配線とを有し、前記コイルの温度を測定するセンサ部材と、
前記センサ本体部の外周面のうち、前記巻回部への取付面と、前記配線が連結される連結面の少なくとも一部とを除いた面を覆うセンサ被覆部とを備える。
最初に、本発明の実施態様を列記して説明する。
巻線を巻回して構成され、液体冷媒が直接接触する露出領域を有する巻回部を備えるコイルと、
前記巻回部の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアと、
前記巻回部の露出領域に取り付けられる棒状のセンサ本体部と、前記センサ本体部に連結される配線とを有し、前記コイルの温度を測定するセンサ部材と、
前記センサ本体部の外周面のうち、前記巻回部への取付面と、前記配線が連結される連結面の少なくとも一部とを除いた面を覆うセンサ被覆部とを備える。
更に、前記磁性コアのうち前記巻回部の外側に配置される外側コア部と、前記巻回部の端面との間に介在される端面介在部材を備え、
前記センサ被覆部は、
前記端面介在部材に一体に設けられ、前記センサ本体部の外周面のうち、前記取付面と交差する方向に延びる交差面を覆う壁部と、
前記壁部とは個別に設けられ、前記センサ本体部の外周面のうち、前記取付面と対向する対向面を覆う蓋部とを備えることが挙げられる。
本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。図中の同一符号は、同一名称物を示す。
図1〜図4を参照して、実施形態1のリアクトル1を説明する。
≪全体構成≫
実施形態1のリアクトル1は、巻線を巻回してなる巻回部2cを有するコイル2と、巻回部2cの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コア3と、コイル2の温度を測定するセンサ部材5とを備える。センサ部材5は、巻回部2cの外周面に取り付けられる棒状のセンサ本体部52と、センサ本体部52に連結される配線54とを備える。実施形態1のリアクトル1は、更に、磁性コア3のうち巻回部2cの外側に配置される外側コア部32と、巻回部2cの端面との間に介在される端面介在部材4を備える。
以下、リアクトル1の構成について詳しく説明する。
コイル2は、図1及び図2に示すように、巻線を巻回してなる一対の巻回部2cと、両巻回部2cの一方の端部同士が接合されてなる接合部2rとを備える。巻回部2cは、巻線を螺旋状に巻回して筒状に形成され、両巻回部2cは、互いの軸方向が平行するように横並び(並列)に配置されている。接合部2rの接続には、各種の溶接や半田付け、ロウ付け等が利用できる。両巻回部2cの他方の端部は、巻回部2cから引き出され、端子金具(図示せず)が取り付けられ、コイル2に電力供給を行う電源等の外部装置(図示せず)に電気的に接続される。
磁性コア3は、図1及び図2に示すように、巻回部2cの外側に配置される一対の外側コア部32と、巻回部2cの内側に配置される一対の内側コア部(図示せず)とを備える。外側コア部32は、設置面(図1及び図2では下面)及びその対向面(図1及び図2では上面)がドーム状である柱状体である。内側コア部は、巻回部2cの内周形状に沿った外形を有する柱状体である。磁性コア3は、離間して配置される一対の内側コア部を挟むように一対の外側コア部32が配置され、各内側コア部の端面と外側コア部32の内端面とを接触させて環状に形成される。コイル2が励磁されると環状の磁性コア3に閉磁路を形成する。
端面介在部材4は、図2に示すように、外側コア部32と巻回部2cの端面との間に介在され、巻回部2cの両端面に対して個別に配置される。二つの端面介在部材4のうち、一方の端面介在部材4には、後述するセンサ被覆部6の一部が設けられている。他方の端面介在部材4は、センサ被覆部6が設けられていない点を除いて、一方の端面介在部材4と同様の構成を有する。
センサ部材5は、図1〜図4に示すように、巻回部2cの露出領域に取り付けられる棒状のセンサ本体部52と、センサ本体部52に連結される配線54とを備える。センサ本体部52は、温度センサ52aと、温度センサ52aを覆って保護する保護部52bとを備える(図4を参照)。配線54は、温度センサ52aで感知した情報(温度)の出力(電気信号)を制御装置といった外部装置(図示せず)に伝達する。配線54の端部には、外部装置の配線を電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。
センサ被覆部6は、センサ本体部52の外周面のうち、巻回部2cへの取付面521と、配線54が連結される連結面525とを除いた面(対向面522、側面523,524、連結対向面526)を覆う部材である。以下、センサ本体部52の外周面のうち、巻回部2cに取り付けられる面を取付面521、取付面521と対向する面を対向面522、取付面521に交差し、センサ本体部52の長手方向に沿った面を側面523,524、配線54が連結される面を連結面525、連結面525と対向する面を連結対向面526と呼ぶ。センサ被覆部6は、図1〜図3に示すように、センサ本体部52の外周面のうち、巻回部2cへの取付面521と交差する方向に延びる交差面(側面523,524、連結対向面526)を覆う壁部62a,62bと、巻回部2cへの取付面521と対向する対向面522を覆う蓋部64とを備える。
センサ本体部52と蓋部64との間に、弾性部材7を介在させることができる。弾性部材7は、センサ本体部52と蓋部64との間に介在されて圧縮されることで、センサ本体部52を巻回部2c側に押圧する。弾性部材7としては、例えば、コイルばね72を利用できる。本例では、センサ本体部52の軸方向に沿って、二つのコイルばね72を配置している。二つのコイルばね72を用いることで、センサ本体部52の軸方向の全長に亘って均一的にセンサ本体部52に対して押圧力を作用させ易い。コイルばね72は一つでもよく、その場合、センサ本体部52の軸方向の中央部分に配置することが好ましい。
上記構成を備えるリアクトル1は、例えば、コイル2と磁性コア3と端面介在部材4との組合体を作製⇒センサ部材5を配置⇒センサ部材5のセンサ本体部52を被覆、という手順によって製造することができる。
コイル2と磁性コア3と端面介在部材4とを組み付ける。端面介在部材4に対して、内部に内側コア部が配置された巻回部2cと、外側コア部32とをそれぞれ組み付ける。このとき、端面介在部材4におけるコイル収納部42に巻回部2cの端部を収納、内コア収納部44に内側コア部の端部を収納、外コア収納部46に外側コア部32の端部を収納することで、各内側コア部の端面と外側コア部32の内端面とを接触させて環状に形成できると共に、内側コア部に対して巻回部2cを配置できる。また、巻回部2cに対してセンサ被覆部6の壁部62a,62bが配置され、巻回部2cと壁部62a,62bとでセンサ本体部52の配置空間が形成される。
巻回部2cと壁部62a,62bとで形成された配置空間にセンサ本体部52が配置されるように、センサ部材5を組み付ける。このとき、巻回部2cの上面に放熱部材8を載置し、その放熱部材8の上面にセンサ本体部52を載置して、センサ本体部52と巻回部2cとの間に放熱部材8を介在させる。
壁部62a,62bに蓋部64を組み付ける。このとき、蓋部64の内面に備わる固定部64fをコイルばね72の内周に挿入し、センサ本体部52と蓋部64との間にコイルばね72を介在させる。壁部62a,62bと蓋部64とは、スナップフィット構造により組み付ける。具体的には、まず蓋部64の切欠き部64cを壁部62aの突出部62pに適合させた状態とし、その状態のまま蓋部64の係合爪64sを壁部62bのガイド溝62gに沿わせながら、蓋部64を壁部62a,62b側に押し込む。係合爪64sが壁部62bの係合溝62sに係合されると、壁部62a,62b及び蓋部64によって、センサ本体部52の外周面のうち、取付面521と連結面525とを除いた全面が覆われる。本例では、センサ本体部52と蓋部64との間にコイルばね72を介在させているため、センサ本体部52は、コイルばね72により巻回部2c側に押圧される。
実施形態1のリアクトル1は、使用形態として、巻回部2cの軸方向が上下方向となるように配置され、リアクトル1の下方から液体冷媒が連続的に吹き掛けられる場合に、好適に利用できる。上記リアクトル1は、巻回部2cに露出領域を有することで、巻回部2cに液体冷媒が直接接触され、コイル2が発熱して温度が上昇しても、液体冷媒によって効率的にコイル2の温度上昇を低減できる。上記リアクトル1は、使用形態において、センサ部材5を巻回部2cの軸方向の上方側に配置した場合、巻回部2cに液体冷媒が直接接触されたとしても、温度センサ52aが液体冷媒の影響を受け難く、巻回部2c(コイル2)の温度を精度よく測定できる。温度センサ52aが巻回部2cの端部近傍に設けられている上に、温度センサ52aを含むセンサ本体部52がセンサ被覆部6により覆われているため、リアクトル1の下方から巻き上げられる液体冷媒が温度センサ52aの位置まで届き難く、届いたとしてもセンサ被覆部6によりセンサ本体部52にかかり難いからである。また、センサ被覆部6は、リアクトル1の設置状態において、配線54の引出側の開口部が下方に向いて開口しているため、下方から上方に吹き掛けられた液体冷媒がセンサ被覆部6の内部に入り難く、入ったとしても自重により落下するため、センサ本体部52が液体冷媒に直接冷却されることは実質的にないからである。
実施形態1のリアクトル1は、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などの車両に搭載される車載用コンバータ(代表的にはDC−DCコンバータ)や空調機のコンバータなどの種々のコンバータ、電力変換装置の構成部品に利用できる。
実施形態1のリアクトル1は、温度センサ以外に、電流センサ、電圧センサ、磁束センサ等のリアクトルの物理量を測定するセンサ(図示せず)を備えることもできる。これらのセンサを備える場合、センサの外周面を上述したセンサ被覆部で覆うことができる。
実施形態2では、図5に示すように、センサ被覆部6は、センサ本体部52の外周面のうち、取付面521(図2)と、連結面525(図2)の一部とを除いた全面を覆っているリアクトルを説明する。連結面525の一部とは、配線54を引き出すのに必要な開口部のことである。実施形態2のリアクトルの基本的な構成は、実施形態1のリアクトル1と同様であり、センサ被覆部6が、更に、連結面525の他部を覆う点が主に異なる。図5では、リアクトルにおけるセンサ本体部52の近傍を示す断面拡大図のみを示す。
実施形態3では、図6に示すように、弾性部材7として板ばね74を用いるリアクトルを説明する。実施形態3のリアクトルの基本的な構成は、実施形態1のリアクトルと同様であり、弾性部材7として板ばね74を用いた点が異なる。図6では、リアクトルにおけるセンサ本体部52の近傍を示す断面拡大図のみを示す。
実施形態4では、図7,図8に示すように、壁部62a,62bと蓋部64とを一体化するスナップフィット構造をセンサ被覆部6の外側に設けるリアクトルを説明する。実施形態4のリアクトルの基本的な構成は、実施形態1のリアクトルと同様であり、スナップフィット構造が主に異なる。図7,図8では、リアクトルにおけるセンサ本体部52の近傍を示す概略斜視図のみを示す。
2 コイル
2c 巻回部
2r 接合部
3 磁性コア
32 外側コア部
4 端面介在部材
42 コイル収納部
44 内コア収納部
46 外コア収納部
5 センサ部材
52 センサ本体部
521 取付面 522 対向面
523,524 側面 525 連結面 526 連結対向面
52a 温度センサ
52b 保護部
52bp 突部 52bq 脚部
54 配線
6 センサ被覆部
62a,62b 壁部
62s 係合溝
62g ガイド溝
62p 突出部
62i 係合突起
64 蓋部
64e 延出部
64s 係合爪
64c 切欠き部
64h 係合孔
64f 固定部
642 天井部
644 壁部 644p 脱落防止部
7 弾性部材
72 コイルばね 74 板ばね
8 放熱部材
9 樹脂モールド部
92 取付部 94 カラー
Claims (9)
- 巻線を巻回して構成され、液体冷媒が直接接触する露出領域を有する巻回部を備えるコイルと、
前記巻回部の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアと、
前記巻回部の露出領域に取り付けられる棒状のセンサ本体部と、前記センサ本体部に連結される配線とを有し、前記コイルの温度を測定するセンサ部材と、
前記センサ本体部の外周面のうち、前記巻回部への取付面と、前記配線が連結される連結面の少なくとも一部とを除いた面を覆うセンサ被覆部とを備えるリアクトル。 - 更に、前記磁性コアのうち前記巻回部の外側に配置される外側コア部と、前記巻回部の端面との間に介在される端面介在部材を備え、
前記センサ被覆部は、
前記端面介在部材に一体に設けられ、前記センサ本体部の外周面のうち、前記取付面と交差する方向に延びる交差面を覆う壁部と、
前記壁部とは個別に設けられ、前記センサ本体部の外周面のうち、前記取付面と対向する対向面を覆う蓋部とを備える請求項1に記載のリアクトル。 - 前記蓋部と前記センサ本体部との間に介在され、前記センサ本体部を前記巻回部側に押圧する弾性部材を備える請求項2に記載のリアクトル。
- 前記弾性部材は、コイルばね又は板ばねである請求項3に記載のリアクトル。
- 前記壁部と前記蓋部とは、互いに嵌め合うスナップフィット構造を備える請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記センサ被覆部は、前記連結面のうち、前記配線の引出部分を除いた領域を覆い、前記センサ本体部の脱落を防止する脱落防止部を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 更に、前記巻回部と前記センサ本体部との間に、放熱シート又は放熱グリスを備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記取付面は、前記巻回部との間に空間を形成する脚部を備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリアクトル。
- 前記取付面は、平面を含む請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のリアクトル。
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