JP6899999B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、リアクトルに関する。
例えば、特許文献1には、巻線を巻回してなる巻回部を有するコイルと、閉磁路を形成する磁性コアとを備え、ハイブリッド自動車のコンバータの構成部品などに利用されるリアクトルが開示されている。このリアクトルの磁性コアは、巻回部の内部に配置される内側コア部と、巻回部の外部に配置される外側コア部と、に分けることができる。また、特許文献1には、コイルの巻回部の内部に樹脂を充填した構成が開示されている。
特開2014−003125号公報
特許文献1の構成では、巻回部の内部に十分な樹脂を充填できない場合がある。巻回部の内部への樹脂の充填が不十分であると、樹脂の充填が十分な場合に比べて樹脂で構成される部材(内側樹脂部)の強度が低下する。その結果、リアクトルの使用時の振動などによって樹脂が損傷する恐れがある。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、巻回部の内部に樹脂が十分に充填されたリアクトルを提供することを目的の一つとする。
本開示のリアクトルは、
第一巻回部及び第二巻回部を有するコイルと、
前記第一巻回部と前記第二巻回部のそれぞれの内部に配置される内側コア部、及び前記内側コア部と環状の磁路を形成する外側コア部を有する磁性コアと、を備えるリアクトルであって、
前記内側コア部の少なくとも一部を覆う内側樹脂部と、
前記外側コア部の少なくとも一部を覆う外側樹脂部と、を備え、
前記外側コア部は、前記コイルに対向するコイル対向面に開口する第一溝部と第二溝部とを備え、
前記第一溝部の開口は、前記第一巻回部の軸方向から見たときに、前記第一巻回部の外周輪郭線と、前記第一巻回部の内部に配置される前記内側コア部の外周輪郭線と、の間に位置し、
前記第二溝部の開口は、前記第二巻回部の軸方向から見たときに、前記第二巻回部の外周輪郭線と、前記第二巻回部の内部に配置される前記内側コア部の外周輪郭線と、の間に位置し、
前記内側樹脂部と前記外側樹脂部とは、前記第一溝部と前記第二溝部とを介して繋がっている。
本開示のリアクトルは、巻回部の内部に樹脂が十分に充填されたリアクトルである。
実施形態1のリアクトルの斜視図である。 図1のリアクトルの概略側面図である。 図1のリアクトルに備わる磁性コアの概略斜視図である。 図1のリアクトルに備わる介在部材の概略正面図である。 図4の介在部材に内側コア部と外側コア部を組み合わせた状態を示す図である。 図1のリアクトルに備わる外側コア部の第一溝部と第二溝部の位置を説明する説明図である。 実施形態1のリアクトルの製造方法を説明する説明図である。
・本願発明の実施形態の説明
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。
<1>実施形態に係るリアクトルは、
第一巻回部及び第二巻回部を有するコイルと、
前記第一巻回部と前記第二巻回部のそれぞれの内部に配置される内側コア部、及び前記内側コア部と環状の磁路を形成する外側コア部を有する磁性コアと、を備えるリアクトルであって、
前記内側コア部の少なくとも一部を覆う内側樹脂部と、
前記外側コア部の少なくとも一部を覆う外側樹脂部と、を備え、
前記外側コア部は、前記コイルに対向するコイル対向面に開口する第一溝部と第二溝部とを備え、
前記第一溝部の開口は、前記第一巻回部の軸方向から見たときに、前記第一巻回部の外周輪郭線と、前記第一巻回部の内部に配置される前記内側コア部の外周輪郭線と、の間に位置し、
前記第二溝部の開口は、前記第二巻回部の軸方向から見たときに、前記第二巻回部の外周輪郭線と、前記第二巻回部の内部に配置される前記内側コア部の外周輪郭線と、の間に位置し、
前記内側樹脂部と前記外側樹脂部とは、前記第一溝部と前記第二溝部とを介して繋がっている。
上記構成のリアクトルは、外側コア部の外方側から樹脂をモールドし、外側コア部に形成した第一溝部と第二溝部を介してその樹脂を巻回部の内部に導くことで作製される。第一溝部と第二溝部が存在することで、巻回部の内部に樹脂が導入され易くなり、巻回部の内部に空隙などができ難い。第一溝部と第二溝部の軸方向端部が、外側コア部のコイル対向面に開口しているからである。外側コア部にモールドされた樹脂は、硬化(固化)することで外側樹脂部となり、溝部を介して巻回部の内部に充填された樹脂は、硬化することで内側樹脂部となる。空隙が少ない内側樹脂部は強度に優れるため、リアクトルの使用時の振動などによって内側樹脂部が損傷し難く、リアクトルの動作が安定する。
また、外側コア部に形成する樹脂の流路が、外側コア部を貫通する貫通孔ではなく外側コア部の外周に形成される溝部であることで、樹脂の流路を設けたことによる外側コア部の強度の低下を抑制できる。そのため、樹脂の充填圧力が高くても外側コア部が損傷し難い。また、外側コア部の外周に溝部を形成することは容易で、しかも外側コア部の外周に形成された溝部は外側コア部の磁気特性を低下させ難い。
<2>実施形態に係るリアクトルの一形態として、
前記第一溝部と前記第二溝部は、前記外側コア部の上面における一対の前記内側コア部に挟まれる位置に形成される形態を挙げることができる。
外側コア部の外方から樹脂をモールドして、その樹脂を第一巻回部(第二巻回部)と内側コア部との隙間に導く場合、当該隙間のうち、一対の内側コア部で挟まれる部分(コア間部分と呼ぶ)は、他の部分に比べて樹脂が充填され難い。これに対して、巻回部の軸方向から見たときに、外側コア部の上面における一対の内側コア部で挟まれる位置に両溝部を形成すれば、上記コア間部分に樹脂を充填し易くできる。
<3>実施形態に係るリアクトルの一形態として、
前記外側コア部は、前記コイル対向面と反対側の外方面を有し、
前記第一溝部と前記第二溝部は、前記コイル対向面から前記外方面に及び、かつ一様な幅及び深さを有する形態を挙げることができる。
外側コア部のコイル対向面と外方面とを繋ぐように両溝部を設けることで、外側コア部の外部から樹脂を充填する際、外側コア部から内側コア部に向う樹脂の流れを円滑にすることができる。また、外側コア部のコイル対向面と外方面とを繋ぐように両溝部を設けると共に、溝部の幅及び深さを一様とすることで、外側コア部の作製が容易になる。外側コア部を作製する際に、金型から外側コア部を抜き易くなるからである。
<4>実施形態に係るリアクトルの一形態として、
前記第一溝部の前記開口の幅と、前記第二溝部の前記開口の幅は共に、1mm以上4mm以下である形態を挙げることができる。
両溝部の開口の幅を1mm以上とすることで、外側コア部の外部から内側コア部に向って樹脂を充填し易くできる。また、両溝部の開口の幅を4mm以下とすることで、両溝部を設けたことによる外側コア部の磁気特性の低下を抑制できる。
<5>上記<1>から<4>のリアクトルの一形態として、
前記第一溝部の前記開口の全体が、前記第一巻回部の軸方向から見たときに、前記第一巻回部の端面に重複し、
前記第二溝部の前記開口の全体が、前記第二巻回部の軸方向から見たときに、前記第二巻回部の端面に重複する形態を挙げることができる。
第一溝部(第二溝部)の開口の全体が第一巻回部(第二巻回部)の端面に重複するということは、両溝部が、外側コア部における内側コア部との接続箇所から遠い位置に配置されているということである。このような構成によれば、第一溝部と第二溝部を設けたことによる磁性コアの磁気特性の低下を抑制でき、低損失なリアクトルとできる。
<6>上記<1>から<4>のリアクトルの一形態として、
前記第一溝部の前記開口の一部が、前記第一巻回部の軸方向から見たときに、前記第一巻回部の端面に重複し、
前記第二溝部の前記開口の一部が、前記第二巻回部の軸方向から見たときに、前記第二巻回部の端面に重複する形態を挙げることができる。
第一溝部(第二溝部)の開口の一部が第一巻回部(第二巻回部)の端面に重複するということは、前記開口の残部が、第一巻回部(第二巻回部)とその内部に配置される内側コア部との隙間に重複しているということである。つまり、溝部の開口が、樹脂を充填すべき上記隙間に近いため、巻回部の内部に樹脂が充填され易くなる。
<7>実施形態に係るリアクトルの一形態として、
前記内側コア部の比透磁率は、5以上50以下で、
前記外側コア部の比透磁率は、50以上500以下で、かつ前記内側コア部の比透磁率よりも高い形態を挙げることができる。
外側コア部の比透磁率を内側コア部の比透磁率よりも高くすることで、両コア部間における漏れ磁束を低減できる。特に、両コア部の比透磁率の差を大きくすることで、両コア部間での漏れ磁束をより確実に低減できる。上記差によっては、上記漏れ磁束をかなり低減できる。また、上記形態では、内側コア部の比透磁率が低いため、磁性コア全体の比透磁率が高くなり過ぎることを抑制でき、ギャップレス構造の磁性コアとすることができる。
<8>上記<7>のリアクトルの一形態として、
前記内側コア部は、軟磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体で構成される形態を挙げることができる。
複合材料の成形体は、軟磁性粉末の量を調整することでその比透磁率を小さくし易い。そのため、複合材料の成形体であれば、比透磁率が上記<7>の範囲を満たす内側コア部を作製し易い。
<9>上記<7>又は<8>のリアクトルの一形態として、
前記外側コア部は、軟磁性粉末の圧粉成形体で構成される形態を挙げることができる。
圧粉成形体であれば、第一溝部と第二溝部を有する外側コア部を精度良く作製することができる。また、軟磁性粉末を緻密に含む圧粉成形体であれば、比透磁率が上記<7>の範囲を満たす外側コア部を作製し易い。
・本願発明の実施形態の詳細
以下、本願発明のリアクトルの実施形態を図面に基づいて説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本願発明は実施形態に示される構成に限定されるわけではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内の全ての変更が含まれることを意図する。
<実施形態1>
実施形態1では、図1〜図7に基づいてリアクトル1の構成を説明する。図1に示すリアクトル1は、コイル2と磁性コア3と介在部材4とを組み合わせて構成される。リアクトル1は更に、コイル2に備わる第一巻回部2Aと第二巻回部2Bの内部に配置される内側樹脂部5(図2参照)と、磁性コア3の一部を構成する外側コア部32を覆う外側樹脂部6と、を備える。このリアクトル1の特徴の一つとして、外側コア部32に第一溝部g1と第二溝部g2が形成されていることを挙げることができる。以下、リアクトル1に備わる各構成を詳細に説明すると共に、上記溝部g1,g2の形状や位置、その機能などについては、項目を設けて詳述する。
≪コイル≫
本実施形態のコイル2は、図1に示すように、一対の第一巻回部2A及び第二巻回部2Bと、両巻回部2A,2Bを連結する連結部2Rと、を備える。各巻回部2A,2Bは、互いに同一の巻数、同一の巻回方向で中空筒状に形成され、各軸方向が平行になるように並列されている。本例では、別々の巻線2wにより作製した巻回部2A,2Bを連結することでコイル2を製造しているが、一本の巻線2wでコイル2を製造することもできる。
本実施形態の各巻回部2A,2Bは角筒状に形成されている。角筒状の巻回部2A,2Bとは、その端面形状が四角形状(正方形状を含む)の角を丸めた形状の巻回部のことである。もちろん、巻回部2A,2Bは円筒状に形成しても構わない。円筒状の巻回部とは、その端面形状が閉曲面形状(楕円形状や真円形状、レーストラック形状など)の巻回部のことである。
巻回部2A,2Bを含むコイル2は、銅やアルミニウム、マグネシウム、あるいはその合金といった導電性材料からなる平角線や丸線などの導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を備える被覆線によって構成することができる。本実施形態では、導体が銅製の平角線(巻線2w)からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線をエッジワイズ巻きにすることで、各巻回部2A,2Bを形成している。
コイル2の両端部2a,2bは、巻回部2A,2Bから引き延ばされて、図示しない端子部材に接続される。両端部2a,2bではエナメルなどの絶縁被覆は剥がされている。この端子部材を介して、コイル2に電力供給を行なう電源などの外部装置が接続される。
≪磁性コア≫
磁性コア3は、図1,2に示すように、第一巻回部2Aと第二巻回部2Bのそれぞれの内部に配置される内側コア部31,31と、内側コア部31,31と閉磁路を形成する外側コア部32,32と、を備える。
[内側コア部]
内側コア部31は、磁性コア3のうち、コイル2の巻回部2A,2Bの軸方向に沿った部分である。本例では、図2に示すように、磁性コア3のうち、巻回部2A,2Bの軸方向に沿った部分の両端部が巻回部2A,2Bの端面から突出している(内側コア部31の端面31eの位置を参照)。その突出する部分も内側コア部31の一部である。
内側コア部31の形状は、巻回部2A(2B)の内部形状に沿った形状であれば特に限定されない。本例の内側コア部31は、略直方体状である。内側コア部31は、複数の分割コアとギャップ板とを連結した構成としても良いが、本例のように一つの部材とすると、リアクトル1の組み立てが容易となるため好ましい。
[外側コア部]
外側コア部32は、磁性コア3のうち、巻回部2A,2Bの外部に配置される部分である。外側コア部32の形状は、一対の内側コア部31,31の端部を繋ぐ形状であれば特に限定されない。本例の外側コア部32は、略直方体状である。この外側コア部32は、コイル2の巻回部2A,2Bの端面に対向するコイル対向面32eと、コイル対向面32eと反対側の外方面32oと、周面32sと、を有する。図2,3に示すように、外側コア部32のコイル対向面32eと、内側コア部31の端面31eと、は接触しているか、または接着剤を介して実質的に接触している。本例では、図3に示すように、外側コア部32の周面32sのうち、鉛直上方を向く上面32uに第一溝部g1と第二溝部g2とが形成されている。両溝部g1,g2は、後述するように、内側樹脂部5となる樹脂を巻回部2A,2Bの内部に充填する際に、樹脂の充填性を改善するためのものである。
[磁気特性・材質など]
内側コア部31の比透磁率は5以上50以下で、外側コア部32の比透磁率は50以上500以下で、かつ内側コア部31の比透磁率よりも高いことが好ましい。内側コア部31の比透磁率は、更に10以上45以下、15以上40以下、20以上35以下とすることができる。一方、外側コア部32の比透磁率は、更に80以上、100以上、150以上、180以上とすることができる。外側コア部32の比透磁率を内側コア部31の比透磁率よりも高くすることで、両コア部31,32間における漏れ磁束を低減できる。特に、両コア部31,32の比透磁率の差を大きくする、例えば外側コア部32の比透磁率を内側コア部31の比透磁率の2倍以上とすることで、両コア部31,32間での漏れ磁束をより低減できる。また、上記形態では、内側コア部31の比透磁率が外側コア部32の比透磁率に比べて低いため、磁性コア3全体の比透磁率が高くなり過ぎることを抑制でき、ギャップレス構造の磁性コア3とすることができる。
内側コア部31と外側コア部32は、軟磁性粉末を含む原料粉末を加圧成形してなる圧粉成形体、あるいは軟磁性粉末と樹脂との複合材料の成形体で構成することができる。圧粉成形体の軟磁性粉末は、鉄などの鉄族金属やその合金(Fe−Si合金、Fe−Ni合金など)などで構成される軟磁性粒子の集合体である。軟磁性粒子の表面には、リン酸塩などで構成される絶縁被覆が形成されていても良い。原料粉末には潤滑材などが含まれていてもかまわない。
複合材料の軟磁性粉末には、圧粉成形体で使用できるものと同じものを使用できる。一方、複合材料に含まれる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、低温硬化性樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6やナイロン66といったポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂等が挙げられる。その他、不飽和ポリエステルに炭酸カルシウムやガラス繊維が混合されたBMC(Bulk molding compound)、ミラブル型シリコーンゴム、ミラブル型ウレタンゴム等も利用できる。上述の複合材料は、軟磁性粉末及び樹脂に加えて、アルミナやシリカ等の非磁性かつ非金属粉末(フィラー)を含有すると、放熱性をより高められる。非磁性かつ非金属粉末の含有量は、0.2質量%以上20質量%以下、更に0.3質量%以上15質量%以下、0.5質量%以上10質量%以下が挙げられる。
複合材料中の軟磁性粉末の含有量は、30体積%以上80体積%以下であることが挙げられる。飽和磁束密度や放熱性の向上の観点から、磁性粉末の含有量は更に、50体積%以上、60体積%以上、70体積%以上とすることができる。製造過程での流動性の向上の観点から、磁性粉末の含有量を75体積%以下とすることが好ましい。複合材料の成形体では、軟磁性粉末の充填率を低く調整すれば、その比透磁率を小さくし易い。そのため、複合材料の成形体は、比透磁率が5以上50以下を満たす内側コア部31の作製に好適である。本例では、内側コア部31を複合材料の形成体で構成し、その比透磁率を20としている。
圧粉成形体は、複合材料の成形体よりも軟磁性粉末の含有量を高め易く(例えば80体積%超、更に85体積%以上)、飽和磁束密度や比透磁率がより高いコア片を得易い。そのため、圧粉成形体は、比透磁率が50以上500以下の外側コア部32の作製に好適である。本例では、外側コア部32を圧粉成形体で構成し、その比透磁率を200としている。
≪介在部材≫
図1に示す本例のリアクトル1は更に、コイル2と磁性コア3との間に介在される介在部材4を備える。介在部材4は、代表的には絶縁材料からなり、コイル2と磁性コア3との間の絶縁部材や、巻回部2A,2Bに対する内側コア部31、外側コア部32の位置決め部材として機能する。この例の介在部材4は、長方形の枠状部材であって、巻回部2A,2Bに充填する樹脂の流路を形成する部材としても機能する。
以下、図4,5を参照して介在部材4の一例を説明する。図4は、介在部材4を外側コア部32(図1)が配置される一面側からみた正面図であり、巻回部2A,2B(図1)が配置される他面側は紙面奥であり、みえない。図5は、図4の介在部材4に内側コア部31,31と一方の外側コア部32とが組み付けられた状態を示す図である。
介在部材4は、図4に示すように、一対の貫通孔41h,41hと、各貫通孔41hに設けられる複数の支持部41と、コイル収納部(図示せず)と、コア収納部42と、を備える。貫通孔41hは介在部材4の厚み方向に貫通し、貫通孔41hには図5に示すように内側コア部31が挿通される。貫通孔41h,41hを形成する内周面は巻回部2A,2B(図1)の内周面に実質的に一致する。支持部41は、貫通孔41hの内周面から部分的に突出して内側コア部31の四つの角部を支持する。コイル収納部は、図面上見えない介在部材4の他面側に設けられ、各巻回部2A,2B(図1)の端面及びその近傍が嵌め込まれる。コア収納部42は、介在部材4の一面側の一部が厚み方向に凹むことで形成され、外側コア部32のコイル対向面32e及びその近傍が嵌め込まれる(図2を合わせて参照)。介在部材4の貫通孔41hに嵌め込まれた内側コア部31の端面31e(図5)はコア収納部42の底面から突出する(後述する図7も参照)。そのため、コア収納部42に嵌め込まれた外側コア部32は、コア収納部42の底部から離隔する。この外側コア部32とコア収納部42の底部とが離隔することで形成される隙間は、後述するように樹脂の流路となる。
本例の介在部材4では、図5に示すように、巻回部2A,2Bがコイル収納部に嵌め込まれ、内側コア部31,31が各貫通孔41h,41hに挿通された状態において、巻回部2A,2Bと内側コア部31との隙間に連通する四つの樹脂充填孔h1,h2,h3,h4が形成される。より具体的には、内側コア部31の端面31eの上端縁と貫通孔41h(図4)の内周面との間に樹脂充填孔h1が形成され、上記端面31eの外側縁と貫通孔41hの内周面との間に樹脂充填孔h2が形成される。また、上記端面31eの内側縁と貫通孔41hの内周面との間に樹脂充填孔h3が形成され、上記端面31eの下側縁と貫通孔41hの内周面との間に樹脂充填孔h4が形成される。樹脂充填孔h1,h2は、外側コア部32に覆われていないが、樹脂充填孔h3,h4は外側コア部32に覆われている。外側コア部32に覆われる樹脂充填孔h3,h4からの樹脂の充填性を高めるために、本例のリアクトル1では外側コア部32の上面32uに第一溝部g1と第二溝部g2を設けている。
介在部材4は、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ナイロン6やナイロン66といったポリアミド(PA)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂などの熱可塑性樹脂で構成することができる。その他、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂などで介在部材4を形成することができる。これらの樹脂にセラミックスフィラーを含有させて、介在部材4の放熱性を向上させても良い。セラミックスフィラーとしては、例えば、アルミナやシリカなどの非磁性粉末を利用することができる。
≪内側樹脂部≫
内側樹脂部5は、図2に示すように、第一巻回部2A(図示しない第二巻回部2Bでも同様)の内部に配置され、第一巻回部2Aの内周面と内側コア部31の外周面とを接合する。内側樹脂部5は、第一巻回部2Aの内周面と外周面との間に跨がることなく、第一巻回部2Aの内部に留まっている。つまり、巻回部2A,2Bの外周面は、図1に示すように、樹脂に覆われることなく外部に露出している。
内側樹脂部5は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂や、PPS樹脂、PA樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂、常温硬化性樹脂、あるいは低温硬化性樹脂を利用することができる。これらの樹脂にアルミナやシリカなどのセラミックスフィラーを含有させて、内側樹脂部5の放熱性を向上させても良い。
この内側樹脂部5の内部には大きな空隙が殆ど形成されておらず、しかも小さな空隙も殆ど形成されていない。その理由は、後述するリアクトルの製造方法の項目で詳しく述べる。
≪外側樹脂部≫
外側樹脂部6は、図1,2に示すように、外側コア部32における介在部材4から露出する外周面全体を覆うように配置され、外側コア部32を介在部材4に固定すると共に、外側コア部32を外部環境から保護する。本例の外側樹脂部6は、内側樹脂部5に繋がっている。つまり、外側樹脂部6と内側樹脂部5とは同じ樹脂で一度に形成されたものである。ここで、本例とは異なり、外側コア部32の下面が外側樹脂部6から露出するようにしてもかまわない。その場合、外側コア部32の下方部分のうち、介在部材4に嵌め込まれない部分(外方面32o側の部分)を、介在部材4の下面と面一になるように延設することが好ましい。リアクトル1の設置対象面に外側コア部32の下面を直接接触させる、あるいは設置対象面と外側コア部32の下面との間に接着剤や絶縁シートを介在させることで、外側コア部32を含む磁性コア3の放熱性を高めることができる。
本例の外側樹脂部6は、介在部材4における外側コア部32が配置される側に設けられ、巻回部2A,2Bの外周面に及んでいない。外側コア部32の固定と保護を行なうという外側樹脂部6の機能に鑑みれば、外側樹脂部6の形成範囲は図示する程度で十分であり、樹脂の使用量を低減できる点で好ましいと言える。もちろん、図示する例とは異なり、外側樹脂部6が巻回部2A,2B側に及んでいても構わない。
≪第一溝部及び第二溝部≫
外側コア部32に設けられる第一溝部g1と第二溝部g2については、図1,3,4,6を参照して説明する。ここで、図6は、図5から介在部材4を取り除いた状態を示す図である。
第一溝部g1と第二溝部g2は、外側コア部32の外方から樹脂をモールドしたときに、その樹脂が、外側コア部32に覆われる樹脂充填孔h3,h4(図5)に流入し易くするためのものである。その観点から、両溝部g1,g2は、図3に示すように、コイル対向面32eに開口している必要がある。両溝部g1,g2は、外側コア部32の周面32sのどの位置に設けられていても良いが、本例では外側コア部32の上面32uで、かつ図6に示すように巻回部2A,2Bの軸方向から見たときに一対の内側コア部31間に挟まれる位置に設けられている。
第一溝部g1の開口は、図6に示すように、第一巻回部2Aの軸方向から見たときに、第一巻回部2Aの外周輪郭線と、第一巻回部2Aの内部に配置される内側コア部31の外周輪郭線と、の間の第一領域R1に位置している。また、第二溝部g2の開口は、第二巻回部2Bの軸方向から見たときに、第二巻回部2Bの外周輪郭線と、第二巻回部2Bの内部に配置される内側コア部31の外周輪郭線と、の間の第二領域R2に位置している。溝部g1,g2の開口から、図5に示す外側コア部32と介在部材4との隙間に流入した樹脂は、樹脂充填孔h3や樹脂充填孔h4から巻回部2A,2B(図6参照)の内部に流入する。ここで、第一溝部g1と第二溝部g2とが繋がった一つの大きな溝部とすると、却って介在部材4と外側コア部32との隙間に樹脂が流れ込み難くなるし、外側コア部32が大きく切り欠かれるので外側コア部32の磁気特性も低下し易い。
溝部g1,g2は、図3に示すように、コイル対向面32eから外方面32oに及び、かつ一様な幅及び深さを有することが好ましい。溝部g1,g2は、外方面32oに及ばない長さであっても良いが、外方面32oに及ぶ長さである方が、外側コア部32の外部から樹脂をモールドする際、外側コア部32から内側コア部31に向う樹脂の流れを円滑にすることができる。また、外側コア部32のコイル対向面32eと外方面32oとを繋ぐように両溝部g1,g2を設けると共に、溝部の幅及び深さを一様とすることで、外側コア部32の作製が容易になる。外側コア部32を作製する際に、金型から外側コア部32を抜き易くなるからである。
図6に示す溝部g1,g2の開口の幅は1mm以上4mm以下とすることが好ましい。開口の幅とは、溝部g1,g2の対向する内壁間距離のうち、最大の内壁間距離のことである。本例の場合、溝部g1,g2の一方の内壁の上端と他方の内壁の上端との離隔距離が、溝部g1,g2の幅となる。溝部g1,g2の開口の幅を1mm以上とすることで、外側コア部32の外部から内側コア部31に向って樹脂を充填し易くできる。また、溝部g1,g2の開口の幅を4mm以下とすることで、溝部g1,g2を設けたことによる外側コア部32の磁気特性の低下を抑制できる。より好ましい溝部g1,g2の幅は1mm以上2mm以下である。
溝部g1,g2の深さは1mm以上4mm以下とすることが好ましい。溝部g1,g2の深さとは、溝部g1,g2の上方開口部から最深部までの距離のことである。溝部g1,g2の深さを1mm以上とすることで、外側コア部32の外部から内側コア部31に向って樹脂を充填し易くできる。また、溝部g1,g2の深さを4mm以下とすることで、溝部g1,g2を設けたことによる外側コア部32の磁気特性の低下を抑制できる。より好ましい溝部g1,g2の深さは1mm以上2mm以下である。
溝部g1,g2の延伸方向と直交する溝部g1,g2の内周面形状は特に限定されない。例えば、溝部g1,g2の内周面形状は、本例のような円弧状としても良いし、V字状としても良い。
その他、第一領域R1(第二領域R2)における第一溝部g1(第二溝部g2)の位置について述べる。まず、図6に示すように、第一溝部g1(第二溝部g2)の開口の全体が、第一巻回部2A(第二巻回部2B)の軸方向から見たときに、第一巻回部2A(第二巻回部2B)の端面に重複する形態を挙げることができる。この形態は、両溝部g1,g2が、図3に示すように、外側コア部32における内側コア部31との接続箇所から遠い位置に配置されている形態である。この場合、溝部g1,g2を設けたことによる磁性コア3の磁気特性の低下を抑制でき、低損失なリアクトル1(図1)とできる。
図6とは異なり、第一溝部g1(第二溝部g2)の開口の一部が、第一巻回部2A(第二巻回部2B)の軸方向から見たときに、第一巻回部2A(第二巻回部2B)の端面に重複する形態を挙げることができる。第一溝部g1(第二溝部g2)の開口の一部が第一巻回部2A(第二巻回部2B)の端面に重複するということは、開口の残部が第一巻回部2A(第二巻回部2B)とその内部に配置される内側コア部31との隙間に重複しているということである。つまり、溝部g1,g2の開口が、樹脂を充填すべき上記隙間に近いため、巻回部2A,2Bの内部に樹脂が充填され易くなる。
≪使用態様≫
本例のリアクトル1は、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった電動車両に搭載される双方向DC−DCコンバータなどの電力変換装置の構成部材に利用することができる。本例のリアクトル1は、液体冷媒に浸漬された状態で使用することができる。液体冷媒は特に限定されないが、ハイブリッド自動車でリアクトル1を利用する場合、ATF(Automatic Transmission Fluid)などを液体冷媒として利用できる。その他、フロリナート(登録商標)などのフッ素系不活性液体、HCFC−123やHFC−134aなどのフロン系冷媒、メタノールやアルコールなどのアルコール系冷媒、アセトンなどのケトン系冷媒などを液体冷媒として利用することもできる。本例のリアクトル1では、巻回部2A,2Bの外部に露出しているため、リアクトル1を液体冷媒等の冷却媒体で冷却する場合には、巻回部2A,2Bを冷却媒体に直接接触させられるので、本例のリアクトル1は放熱性に優れる。
≪効果≫
本例のリアクトル1では、巻回部2A,2Bの内部に充填される内側樹脂部5に大きな空隙が殆ど形成されていない。大きな空隙がなく、小さな空隙も少ない内側樹脂部5は強度に優れるため、リアクトル1の使用時の振動などによって内側樹脂部5が損傷し難く、リアクトル1の動作が安定する。内側樹脂部5に空隙が形成され難い理由は、後述するリアクトルの製造方法で詳しく述べる。
また、本例のリアクトル1では、コイル2の巻回部2A,2Bの外周が樹脂でモールドされておらず、外部環境に直接曝された状態となっているため、本例のリアクトル1は放熱性に優れたリアクトル1となる。リアクトル1を液体冷媒に浸漬された状態とすれば、リアクトル1の放熱性をより向上させることができる。
≪リアクトルの製造方法≫
次に、実施形態1に係るリアクトル1を製造するためのリアクトルの製造方法の一例を説明する。リアクトルの製造方法は、大略、次の工程を備える。
・コイル作製工程
・組付工程
・充填工程
・硬化工程
[コイル作製工程]
この工程では、巻線2wを用意し、巻線2wの一部を巻回することでコイル2を作製する。巻線2wの巻回には、公知の巻線機を利用することができる。巻線2wの表面に熱融着樹脂層を形成し、巻線2wを巻回して巻回部2A,2Bを形成した後、コイル2を熱処理しても良い。その場合、巻回部2A,2Bの各ターンを一体化でき、後述する充填工程を行い易い。
[組付工程]
この工程では、コイル2と磁性コア3と介在部材4とを組み合わせる。例えば、巻回部2A,2Bの内部に内側コア部31を配置し、一対の介在部材4,4をそれぞれ巻回部2A,2Bの軸方向の一端側端面と他端側端面に当接させた第一組物を作製する。そして、その第一組物を一対の外側コア部32で挟み込んだ第二組物を作製する。内側コア部31の端面31eと外側コア部32のコイル対向面32eは、接着剤などで接合することができる。
ここで、図5に示すように、外側コア部32の外方側から第二組物を見たときに、外側コア部32の側縁と上縁には、巻回部2A,2Bの内部に樹脂を充填するための樹脂充填孔h1,h2が形成されている。また、外側コア部32に覆われているものの、内側コア部31の内側縁や下側縁にも樹脂充填孔h3,h4が形成されている。
[充填工程]
充填工程では、第二組物における巻回部2A,2Bの内部に樹脂を充填する。本例では、図7に示すように、第二組物を金型7内に配置し、金型7内に樹脂を注入する射出成形を行なう。射出成形の圧力は、例えば10ton/cm以上である。
樹脂の注入は、金型7の二つの樹脂注入孔70から行なう。樹脂注入孔70は、外側コア部32の外方面32oに対応する位置に設けられており、樹脂の注入は、各外側コア部32の外方側(外方面32o側)から行なわれる。金型7内に充填された樹脂は、外側コア部32の外周を覆うと共に、外側コア部32の外周面を回り込んで、図5の樹脂充填孔h1,h2を介して巻回部2A,2Bの内部に流入する。また、外側コア部32を覆う樹脂は、溝部g1,g2を介して、外側コア部32のコイル対向面32eと、介在部材4のコア収納部42の底部と、の隙間に流入し、その隙間から更に図5の樹脂充填孔h3,h4を介して巻回部2A,2Bの内部に流入する。
射出成形によって圧力を高くすることで、巻回部2A,2B内に充填された樹脂は、巻回部2A,2Bと内側コア部31との狭い隙間に十分に行き渡る。外側コア部32の外周に形成される溝部g1,g2は、外側コア部32の強度を殆ど低下させないため、射出成形の圧力を高くしても、外側コア部32に損傷が生じることはない。
[硬化工程]
硬化工程では、熱処理などで樹脂を硬化させる。硬化した樹脂のうち、巻回部2A,2Bの内部にあるものは図2に示すように内側樹脂部5となり、外側コア部32を覆うものは外側樹脂部6となる。
[効果]
以上説明したリアクトルの製造方法によれば、図1に示すリアクトル1を製造することができる。このリアクトル1では、特に溝部g1,g2を介した巻回部2A,2Bへの樹脂の流入により、巻回部2A,2Bの内部に十分な樹脂が充填されており、巻回部2A,2Bの内部に形成される内側樹脂部5に大きな空隙ができ難い。
また、本例のリアクトルの製造方法では、内側樹脂部5と外側樹脂部6とを一体に形成しており、充填工程と硬化工程が1回ずつで済むので、生産性良くリアクトル1を製造することができる。
<実施形態2>
実施形態1のリアクトル1をケースに収納し、ポッティング樹脂でケース内に埋設しても構わない。例えば、実施形態1のリアクトルの製造方法に係る組付工程で作製した第二組物をケース内に収納し、ケース内にポッティング樹脂を充填する。その場合、外側コア部32の外周を覆うポッティング樹脂が外側樹脂部6となる。また、外側コア部32の溝部g1,g2を介して巻回部2A,2B内に流入したポッティング樹脂が内側樹脂部5となる。
1 リアクトル
2 コイル 2w 巻線
2A 第一巻回部 2B 第二巻回部 2R 連結部 2a,2b 端部
3 磁性コア
31 内側コア部 31e 端面
32 外側コア部
32e コイル対向面 32o 外方面 32s 周面 32u 上面
4 介在部材
41 支持部 41h 貫通孔 42 コア収納部
5 内側樹脂部
6 外側樹脂部
7 金型 70 樹脂注入孔
g1 第一溝部 g2 第二溝部
h1,h2,h3,h4 樹脂充填孔
R1 第一領域 R2 第二領域

Claims (9)

  1. 第一巻回部及び第二巻回部を有するコイルと、
    前記第一巻回部と前記第二巻回部のそれぞれの内部に配置される内側コア部、及び前記内側コア部と環状の磁路を形成する外側コア部を有する磁性コアと、を備えるリアクトルであって、
    前記内側コア部の少なくとも一部を覆う内側樹脂部と、
    前記外側コア部の少なくとも一部を覆う外側樹脂部と、を備え、
    前記外側コア部は、前記コイルに対向するコイル対向面に開口する第一溝部と第二溝部とを備え、
    前記第一溝部の開口は、前記第一巻回部の軸方向から見たときに、前記第一巻回部の外周輪郭線と、前記第一巻回部の内部に配置される前記内側コア部の外周輪郭線と、の間に位置し、
    前記第二溝部の開口は、前記第二巻回部の軸方向から見たときに、前記第二巻回部の外周輪郭線と、前記第二巻回部の内部に配置される前記内側コア部の外周輪郭線と、の間に位置し、
    前記内側樹脂部と前記外側樹脂部とは、前記第一溝部と前記第二溝部とを介して繋がっているリアクトル。
  2. 前記第一溝部と前記第二溝部は、前記外側コア部の上面における一対の前記内側コア部に挟まれる位置に形成される請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記外側コア部は、前記コイル対向面と反対側の外方面を有し、
    前記第一溝部と前記第二溝部は、前記コイル対向面から前記外方面に及び、かつ一様な幅及び深さを有する請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記第一溝部の前記開口の幅と、前記第二溝部の前記開口の幅は共に、1mm以上4mm以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記第一溝部の前記開口の全体が、前記第一巻回部の軸方向から見たときに、前記第一巻回部の端面に重複し、
    前記第二溝部の前記開口の全体が、前記第二巻回部の軸方向から見たときに、前記第二巻回部の端面に重複する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記第一溝部の前記開口の一部が、前記第一巻回部の軸方向から見たときに、前記第一巻回部の端面に重複し、
    前記第二溝部の前記開口の一部が、前記第二巻回部の軸方向から見たときに、前記第二巻回部の端面に重複する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記内側コア部の比透磁率は、5以上50以下で、
    前記外側コア部の比透磁率は、50以上500以下で、かつ前記内側コア部の比透磁率よりも高い請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリアクトル。
  8. 前記内側コア部は、軟磁性粉末と樹脂とを含む複合材料の成形体で構成される請求項7に記載のリアクトル。
  9. 前記外側コア部は、軟磁性粉末の圧粉成形体で構成される請求項7又は請求項8に記載のリアクトル。
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