JP2015144108A - リチウムイオン二次電池正極用の表面修飾リチウム含有複合酸化物 - Google Patents

リチウムイオン二次電池正極用の表面修飾リチウム含有複合酸化物 Download PDF

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Abstract

【課題】高い充電電圧下でも使用可能であり、かつ放電容量、放電平均電圧、充放電サイクル耐久性、安全性などの電池性能に優れた正極活物質を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表わされるリチウム含有複合酸化物の表面が、グループS1およびグループS2の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む表面修飾化合物で修飾されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極用の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
Li1+x(Co(1−a−b−m)NiAl1−x2−(f/2) (1)
(ただし、グループS1はAl、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、Mo、Ta、W、及び希土類からなる群であり、グループS2はF、P、及びSからなる群である。Mは、Co及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Na、K、B、C、Si、P、S、Zn、Ga、Bi、第2族の元素、並びに希土類からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、−0.05≦x≦0.05、0<a≦0.25、0<b≦0.05、0≦m≦0.04、0≦f≦0.05である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、高電圧充電時のサイクル耐久性、安全性に優れたリチウムイオン二次電池正極用の表面修飾リチウム含有複合酸化物に関する。
近年、パソコン、携帯電話等の情報関連機器や通信機器の急速な発達が進むにつれて、小型、軽量でかつ高エネルギー密度を有するリチウム二次電池等の非水電解質二次電池に対する要求が高まっている。非水電解質二次電池用の正極活物質としては、LiCoO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiNi0.8Co0.2、LiMn、LiMnOなどのリチウムと遷移金属等との複合酸化物(以下、リチウム遷移金属含有複合酸化物ともいう)などが知られている。
なかでも、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)を正極活物質として用い、かつリチウム合金、グラファイト、カーボンファイバー等のカーボンを負極として用いたリチウム二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高エネルギー密度を有する電池として特に広く使用されている。
しかしながら、リチウムコバルト複合酸化物のコバルト源となる原料化合物が希少であり、また高価であるという問題がある。
また、LiCoOを正極活物質として用いた非水系二次電池の場合、放電容量、加熱時の熱に対する安定性(以下、単に安全性ともいう)及び正極電極層の単位体積あたりにおける容量密度(以下、単に体積容量密度ともいう)などの更なる向上が望まれるとともに、特に、高い充電電圧では、充放電サイクルを繰り返し行うことにより、正極活物質界面と電解液との反応による、電池放電容量の減少や膨化などの充放電サイクル耐久性などの問題があった。
一方、比較的安価なニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)は高容量であるが、熱に対する安定性が低く、電池にしたときの安全性がLiCoOより低いという問題がある。
また、安価なマンガンを用いたスピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)は熱に対する安定性が高く、電池にしたときの安全性が高いが、容量が低いという問題がある。
そこで、コバルト、ニッケル又はマンガン元素を単独で使用したときの短所を補い、かつ長所を合わせ有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物といった正極活物質が使用されている。
しかし、これら2種類以上の遷移金属元素を含む正極活物質でも、放電容量、充放電を繰り返すことによる放電容量の減少に係る充放電サイクル耐久性、短時間で放電できる電気容量に係るレート特性、及び充電後の加熱時における安全性といった各特性を全て満足するものは得られていない。特に、高い充電電圧で使用する際の各特性は不十分である。
これらの問題を解決するために、例えば、リチウムコバルト複合酸化物中のCoの一部をMgと、NiまたはAlで置換することで、充放電サイクル耐久性と安全性を向上させることが提案されている(特許文献1)。
また、リチウムコバルト複合酸化物中のCoの一部をMgとAlで置換することで、高い充電電圧での充放電サイクル耐久性、安全性を向上させることが提案されている(特許文献2、3)。
さらに、Coの一部をZrとMgで置換したリチウムコバルト含有複合酸化物とリチウムニッケルマンガン複合酸化物の混合物を用いることで、高い充電電圧での充放電サイクル耐久性、負荷特性、安全性などの特性を向上させること(特許文献4)、Coの一部をMg、Al、Zr、Tiなどで置換したリチウムコバルト含有複合酸化物の表面にリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を被覆することで、高い充電電圧での保存特性を向上させること(特許文献5)が提案されている。
上記のとおり、これまでに種々の検討がなされているが、高い充電電圧での放電容量、放電平均電圧、安全性、体積容量密度、充放電サイクル耐久性、保存特性などの電池特性において、全てを満足するリチウム含有複合酸化物は得られていない。
例えば、特許文献1には、具体的にLiCo0.95Mg0.05、LiCo0.90Mg0.05Ni0.05、LiCo0.85Mg0.05Ni0.10、LiCo0.85Mg0.05Al0.10などの組成が記載されている。Coの一部をMgで置換することにより、結晶構造を安定化させて充放電サイクル耐久性を向上させ、さらにNiまたはAlで置換することにより、安全性を向上させることが記載されている。このように、Coの一部をMgのみ、またはMgとNi、MgとAlで置換した場合、高い充電電圧での放電容量や充放電サイクル耐久性などの電池特性が不十分であった。
特許文献2には、具体的にLiCo0.94Mg0.05Al0.01組成が記載されており、Coの一部をMgで置換することにより、結晶構造を安定化させ、安全性を向上させ、さらに、Alで置換することにより、安全性向上を強固にすると記載されているが、MgとAlで置換しただけでは、高い充電電圧での放電容量、充放電サイクル耐久性などの電池特性が不十分であった。
特許文献3には、Coの一部をAlと、Mgと、さらにTi、P、Mn、Zr、Geで置換することにより、リチウムコバルト含有複合酸化物の、高温での充放電サイクル耐久性、高い充電電圧での充放電サイクル耐久性を向上させることが記載されている。しかしながら、具体的に記載されているのは、負極に炭素材料を使用し4.4Vで充電した場合の電池特性であり、より高い充電電圧での特性は記載されていない。
特許文献4には、Coの一部をZrとMgで置換したリチウムコバルト含有複合酸化物と、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物の混合材料が提案されている。ZrとMgを置換することで、リチウムコバルト含有複合酸化物の高い電圧での安定性を高め、さらに、高い充電電圧で熱安定性に優れているリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を混合することで特性を向上させることが記載されている。しかしながら、具体的に記載されているのは、負極に炭素材料を使用し4.4Vで充電した場合の電池特性であり、より高い充電電圧での特性は記載されていない。
特許文献5には、Coの一部をMg、Al、Zr、Tiで置換したリチウムコバルト含有複合酸化物の表面を、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物で被覆した材料が提案されている。高い充電電圧で劣化しやすいリチウムコバルト含有複合酸化物を、高い充電電圧でも劣化が小さいリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物で被覆することで、充電時の高温保存特性が向上すると記載されている。しかしながら、具体的に記載されているのは、負極に炭素材料を使用し4.4Vで充電した場合の電池特性であり、より高い充電電圧での特性は記載されていない。
特開2003−203634号公報 特開2006−324235号公報 特開2009−212021号公報 特開2006−156230号公報 特開2008−198465号公報
そこで、本発明は、高い充電電圧下でも使用可能であり、かつ放電容量、放電平均電圧、充放電サイクル耐久性、安全性などの電池性能に優れた正極活物質を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を続けたところ、下記の構成を要旨とする本発明に到達したものである。
[1]一般式(1)で表わされるリチウム含有複合酸化物の表面が、グループS1およびグループS2の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む表面修飾化合物で修飾されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極用の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
Li1+x(Co(1−a−b−m)NiAl1−x2−(f/2) (1)
(ただし、グループS1はAl、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、Mo、Ta、W、及び希土類からなる群であり、グループS2はF、P、及びSからなる群である。Mは、Co及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Na、K、B、C、Si、P、S、Zn、Ga、Bi、第2族の元素、並びに希土類からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、−0.05≦x≦0.05、0<a≦0.25、0<b≦0.05、0≦m≦0.04、0≦f≦0.05である。)
[2]MがCo及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Na、K、B、C、Si、P、S、Zn、Y、La、Ce、並びに第2族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である上記[1]に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[3]グループS1がAl、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、W、Y、La、及びGdからなる群である、上記[1]に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[4]一般式(1)において、f=0であり、MがCo及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Zn、並びに第2族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、グループS1がAl、Zr、Ti、及びMgからなる群であり、表面修飾化合物はグループS1から選ばれる少なくとも1種の元素を含む上記[1]に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[5]0.05≦a+b+m≦0.30である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[6]0.005≦b+m≦0.07である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[7]0<m≦0.04である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[8]Mが、Mg、Ca、Sr、Ti、Zr、Nb、W、Ge、Sn、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[9]Mが、Mg、Ti、及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、前記リチウム含有複合酸化物が、一般式(2)で表わされる上記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
Li1+x(Co(1−a−b−m)NiAlMgZrTi1−x (2)
(ただし、−0.05≦x≦0.05、0<a≦0.25、0<b≦0.05、0<m≦0.04、0≦c≦0.02、0≦d≦0.02、0≦e≦0.02、m=c+d+eである。)
[10]0<c≦0.02、0<d+e≦0.04である上記[9]に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[11]0<c≦0.02、d=e=0である上記[9]に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[12]c=0、0<d+e≦0.04である上記[9]に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[13]前記表面修飾化合物に含まれるグループS1の元素の合計のモル数の、前記リチウム含有複合酸化物のモル数に対する比((グループS1の元素の合計のモル数)/リチウム含有複合酸化物のモル数)が0.0001〜0.03である上記[1]〜[12]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[14]前記表面修飾化合物が、グループS1から選ばれる少なくとも1種の元素と、グループS2から選ばれる少なくとも1種の元素とを含み、さらに、グループS2の元素の合計のモル数の、前記リチウム含有複合酸化物のモル数に対する比((グループS2の合計のモル数)/リチウム含有複合酸化物のモル数)が0.0001〜0.03である上記[1]〜[13]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[15]前記表面修飾化合物が、Zr(CO、ZrOCO、ZrO、LiPO、LiF、LiSO、Al、AlPO、TiO、LiTiO、及びMgOからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]〜[14]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[16]前記表面修飾化合物が、Zr(CO、ZrOCO、及びZrOからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]〜[14]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[17]前記表面修飾化合物が、TiO及び/又はLiTiOである上記[1]〜[14]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[18]前記表面修飾化合物が、Al及び/又はAlPOである上記[1]〜[14]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[19]前記表面修飾化合物が、ZnO、Nb、WO、Y、La、Gd、及びGdZrからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]〜[14]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[20]Li/Li基準で、4.6Vから2.75Vまで、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たり40mAの電流密度で放電したときの、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たりの容量が185mAh/g以上である上記[1]〜[19]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[21]Li/Li基準で、4.6Vから2.75Vまで、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たり40mAの電流密度で放電したときの、放電平均電圧が4.0V以上であるある上記[1]〜[20]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[22]Li/Li基準で、4.6Vから2.75Vまで、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たり100mAの電流密度で50回放電したときの、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たりの容量が、1回目の75%以上である上記[1]〜[21]のいずれかに記載の表面修飾リチウム複合酸化物。
[23]平均粒径が5〜25μm、比表面積が0.5m/g以下である上記[1]〜[22]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[24]Cu−Kα線を使用したX線回折において2θが65±0.5°の(110)面の回折ピークの半値幅が0.15°以下である上記[1]〜[23]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[25]遊離アルカリ量が0.5mol%以下である上記[1]〜[24]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[26]上記[1]〜[25]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物を含有するリチウムイオン二次電池用正極。
[27]平均粒径の異なる2種類以上の上記[1]〜[25]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物の混合物を含有するリチウム二次電池用正極。
[28]上記[1]〜[25]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有酸化物と、該表面修飾リチウム含有酸化物と異なるリチウム含有複合酸化物(I)との混合物を含有するリチウムイオン二次電池用正極。
[29]前記リチウム複合酸化物(I)が、層状構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物、スピネル構造を有するリチウムマンガン含有複合酸化物、オリビン構造を有するリチウム鉄含有リン酸化合物、又はyLiQO・(1−y)LiRO(ここで、0<y<1であり、Qは平均酸化数が4+である1種類以上の金属元素であり、Rは平均酸化数が3+である1種類以上の金属元素である)である上記[28]に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
[30]正極密度が3.5g/cm以上である上記[26]〜[29]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極。
[31]上記[26]〜[30]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極、負極、セパレータ、及び電解液を含有するリチウムイオン二次電池。
[32]正極の充電電位がLi/Li基準で4.5V以上である上記[31]に記載のリチウムイオン二次電池。
[33]負極が、炭素材料、リチウムチタン含有複合酸化物、リチウム、リチウムと合金化可能な金属及び、それら金属の合金、または、それらの金属を含む酸化物、窒化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む上記[31]または[32]に記載のリチウムイオン二次電池。
[34]セパレータが、不織布又は樹脂製の多孔質膜の少なくとも1種である上記[31]〜[33]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
[35]セパレータが、融点の異なる多孔質層の積層体である上記[31]〜[33]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
[36]セパレータが、耐熱性の無機微粒子を含有する上記[31]〜[33]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
[37]電解液が、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する上記[31]〜[36]のいずれかのいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
[38]電解液が、添加物として、VC、シクロヘキシルベンゼン、フルオロベンゼン、リン酸エステル類化合物、4−フルオロエチレンカーボネート、プロパンスルトン、スクシノニトリル、及びエチレンサルファイトからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する上記[31]〜[37]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、通常よりも高い充電電圧、すなわち、負極にリチウムを使用した際に、4.55V以上、特には4.6V以上、負極に炭素材料を使用した際に4.45V以上、特には4.5V以上でも使用可能であり、放電容量、放電平均電圧、サイクル耐久性、安全性などの電池特性に優れたリチウム二次電池用の表面修飾リチウム含有複合酸化物が提供される。
本発明のリチウムイオン二次電池正極用の表面修飾リチウム含有複合酸化物は、一般式(1)すなわちLi1+x(Co(1−a−b−m)NiAl1−x2−(f/2)で表わされるリチウム含有複合酸化物(本明細書において、単に母材ということがある))の粒子表面が、グループS1およびグループS2の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む表面修飾化合物で修飾されていることを特徴とする。
グループS1、グループS2、一般式(1)中のM、x、a、b、m、及びfは上記した通りである。
一般式(1)において、xの範囲は−0.05≦x≦0.05であり、−0.04≦x≦0.04が好ましく、−0.03≦x≦0.03がより好ましい。
一般式(1)において、Niの量であるaの範囲は、0<a≦0.25である。
Niの量が多いほどサイクル耐久性が向上するため、aの下限は、0.02が好ましく、0.05がより好ましく、0.07がさらに好ましい。
一方、Niの量が多いと、放電電圧、熱的安全性が低下する。また、遊離アルカリ量が増加するため、電極を作製する際のスラリーの安定性が低下する。そのため、aの上限は、0.20が好ましく、0.17がより好ましく、0.15がさらに好ましく、0.13が特に好ましい。上記範囲であると、サイクル耐久性に優れ、放電電圧、熱的安全性も高く、電極作製時のスラリーが安定である。
一般式(1)において、Alの量であるbの範囲は、0<b≦0.05である。
Alの量が多いほど構造が安定化し、サイクル耐久性が向上するため、bの下限は、0.002が好ましく、0.005がより好ましく、0.007がさらに好ましい。一方、Alは充放電に寄与しないため、Alの量が多いと放電容量が低下する。そのため、bの上限としては、0.03が好ましく、0.02がより好ましく、0.015がさらに好ましい。上記範囲であると、サイクル耐久性と放電容量のバランスがよい。
また、NiとAlの原子比a/bは、サイクル耐久性と、放電容量のバランスを考えると、1≦a/b≦50であることが好ましい。下限は、2がより好ましく、3がさらに好ましく、5が特に好ましい。上限は、40がより好ましく、30がさらに好ましく、25が特に好ましい。
一般式(1)において、Mは、Co及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Na、K、B、C、Si、P、S、Zn、Ga、Bi、第2族の元素、並びに希土類からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。なかでも、Co及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Na、K、B、C、Si、P、S、Zn、Y、La、Ce、並びに第2族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素であると好ましく、Co及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、B、P、Zn、Y、La、並びに第2族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素であるとより好ましく、Co及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Zn、並びに第2族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の元素であるとさらに好ましく、Mg、Ca、Sr、Ti、Zr、Nb、W、Ge、Sn及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であると特に好ましい。特に、放電容量、安全性、充放電サイクル耐久性などの見地より、Mg、Ti、及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であると最も好ましい。
元素Mの量であるmは0≦m≦0.04である。Mは安全性やサイクル耐久性の向上や正極活物質の抵抗低減に効果のある元素であり、多いほどその効果が得られるが、充放電に寄与しないため放電容量が減少する等の問題もある。そのため、下限は、0超がより好ましく、0.0001がさらに好ましく、0.0005が特に好ましい。また、上限は、0.03がより好ましく、0.02が特に好ましい。
一般式(1)において、Fの量であるfの範囲は、0≦f≦0.05である。
リチウム含有複合酸化物がフッ素を含む場合、発熱開始温度が向上して、安全性がさらに向上する傾向が見られる。そのため、安全性を重視する場合、fは、0<f≦0.05が好ましく、0.0005≦f≦0.03がより好ましく、0.001≦f≦0.01が特に好ましい。一方、f=0の場合、すなわちリチウム含有複合酸化物がフッ素を含まない場合、放電容量が高くなる傾向がある。そのため、容量を重視する時はf=0が好ましい。
一般式(1)において、a+b+mの量は、0.05≦a+b+m≦0.30が好ましい。下限は、0.07がより好ましく、0.09がさらに好ましく、0.10が特に好ましい。一方、上限は、0.25がより好ましく、0.23がさらに好ましく、0.20が特に好ましい。a+b+mの量が多いほど、つまりCo量が少ないほど構造安定性が増しサイクル耐久性が向上するが、一方LiCoOの特長であるレート特性や高放電電圧が低下してしまう。そのため、a+b+mは上記範囲であるとバランスが良い。
一般式(1)において、b+mの量は、0.005≦b+m≦0.07が好ましい。下限は、0.01がより好ましく、0.02がさらに好ましい。上限は、0.05がより好ましく、0.03がさらに好ましい。b+mの量が多いほど、サイクル耐久性や正極活物質の抵抗低減に効果があるが、放電容量が減少してしまう。そのため、b+mは上記範囲であるとバランスが良い。
一般式(2)において、Mgの量cは、0≦c≦0.02が好ましく、0≦c≦0.01であることがより好ましい。Zrの量dは、0≦d≦0.02であることが好ましく、0≦d≦0.01であることがより好ましい。Tiの量eは、0≦e≦0.02であることが好ましく、0≦e≦0.01であることがより好ましい。
本発明によれば、通常よりも高い充電電圧下、すなわち、特には4.5V以上でも使用可能であり、放電容量、放電平均電圧、サイクル耐久性、安全性などの電池特性に優れたリチウム二次電池用表面修飾リチウム含有複合酸化物が提供される。本発明のリチウムイオン二次電池用表面修飾リチウム含有複合酸化物が、何故に上記の如き、リチウム二次電池用正極活物質として優れた特性を発揮するかについては、必ずしも明らかではないが、次のように推定される。
リチウム含有複合酸化物は、通常よりも高い電圧下においては、Liの引き抜き量が多くなるため構造がより不安定となる。そのため、今まで以上に構造を安定化させる必要がある。
NiはCoとイオン半径も近く、相溶性がよいため、LiCoO結晶内に均一に固溶することができる。そのため、Niを置換することで構造を安定化し、サイクル耐久性を向上させるものと考えられる。さらに、Ni自身も酸化還元し、充放電に寄与するため、放電容量を減少させずに置換量を増やすことができる。
同様に、AlもCoとNiとイオン半径が近いため、LiCoO結晶内に均一に固溶すると考えられる。Al自身は酸化還元しないため、充放電には寄与しないが、構造をより安定化させることができると考えられる。
また、AlとNiは相溶性がよいため、Niが存在することでAlが結晶内により均一に固溶することができると考えられる。
さらに、NiとAlを置換したLiCoOを、異なる化合物で表面修飾することによって、電解液との接触面積を減らし、電解液の分解による正極活物質の表面変質や、金属イオンの溶出等を抑制し、サイクル耐久性を向上させることができ、ガス発生も抑制できると考えられる。
リチウム含有複合酸化物を表面修飾することによって、母材と電解液とが直接接触する面積を減らし、母材と電解液との反応を抑制することができる。その結果、母材表面の変質や、母材表面からの金属イオンの溶出、電解液の酸化分解を抑制することでができ、サイクル耐久性や安全性を向上させ、電池の膨化を抑制することができる。そのため、表面修飾化合物は化学的に安定な化合物であることが好ましい。
リチウム含有複合酸化物の表面修飾化合物は、母材とは異なる化合物であり、グループS1(Al、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、Mo、Ta、W、及び希土類)、および、グループS2(F、P、及びS)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む。
サイクル耐久性を重視する場合は、表面修飾化合物はグループS1から選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいると好ましい。グループS1の元素は、Al、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、W、Y、La、及びGdであると好ましく、Al、Zr、Ti、及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であるとより好ましく、Al及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であるとさらに好ましく、Zrであると特に好ましい。
グループS1の元素を含む表面修飾化合物の状態は特に限定されないが、酸化物、炭素含有酸化物、水酸化物、炭酸塩、又はリチウム塩であると好ましい。リチウム塩は、母材中の余剰リチウムとの反応により生成する。中でも、酸化物、炭素含有酸化物、又はリチウム塩であると好ましく、酸化物、又は炭素含有酸化物であるとさらに好ましい。表面修飾化合物は1種でも、2種以上の混合状態でもよい。
安全性や膨化抑制を重視する場合は、表面修飾化合物はグループS2からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいると好ましい。中でもF及び/またはPを含んでいるとより好ましく、Pを含んでいると更に好ましい。
F、P、及びSを含む表面修飾化合物の状態は特に限定されないが、酸化物、リチウム塩、グループS1の元素との化合物であると好ましく、リチウム塩またはグループS1の元素との化合物であるとより好ましい。
上記のF、P、及びSを含む化合物が、母材に含有される余剰リチウムと反応し、Li塩を生成している場合は、表面修飾することによりアルカリ量が低減されるため、さらに好ましい。
表面修飾化合物が、グループS1の元素から1種以上と、さらにグループS2の元素から1種以上を含んでいると、サイクル耐久性および安全性向上と膨化抑制に効果があるためより好ましい。
表面修飾化合物は、上記のように、様々な特性を向上させるが、一方で、付着量が多すぎると、母材と電解液との間を、Liイオンが移動しにくくなる。そのため、表面修飾化合物中のグループS1の元素の量の合計のモル数は、母材のモル数に対して、モル比で0.0001以上であると好ましく、0.0005以上であるとより好ましく、0.001以上であるとさらに好ましい。また0.03以下であると好ましく、0.01以下であるとより好ましく、0.005以下であるとさらに好ましい。
グループS2の元素の量の合計のモル数は、母材のモル数に対して、モル比で0.0001以上であると好ましく、0.0005以上であるとより好ましく、0.001以上であるとさらに好ましい。また0.03以下であると好ましく、0.02以下であるとより好ましく、0.01以下であるとさらに好ましい。
表面修飾化合物の形態は、表面処理や表面処理後の熱処理条件によって変化する。そのため、上記表面修飾化合物は化学両論比にあった安定化合物でなくてもよい。また、1種類の化合物に限定されず、様々な化合物の混合状態であってもよい。
上記表面修飾化合物としては、例えば、Al(OH)、Al、LiAlO、AlPO、AlF、Al(SO、Zr(OH)、ZrO、Zr(CO、ZrOCO、LiZrO、Zr(PO、ZrF、LiZrF、Zr(SO、Ti(OH)、TiO、LiTiO、LiTiF、Mg(OH)、MgO、LiPO、LiF、LiSO、ZnO、Nb、WO、Y、La、Li0.35La0.55TiO、Gd、GdZr、又はそれぞれの混合物が挙げられる。
表面修飾化合物としては、Zr(CO、ZrOCO、ZrO、LiPO、LiF、LiSO、Al、AlPO、TiO、LiTiO、及びMgOからなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
なかでも、表面修飾化合物としては、Zr(CO、ZrOCO、及びZrOからなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがより好ましい。
さらに、表面修飾化合物としては、Zr(CO及び/又はZrOCOであるのが特に好ましい。
また、表面修飾化合物としては、TiO及び/又はLiTiOであるのがより好ましい。さらに、表面修飾化合物としては、Al及び/又はAlPOであるのがより好ましい。
表面修飾化合物としては、MgOであるのがより好ましい。
表面修飾化合物としては、LiPO、LiF、及びLiSOからなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがより好ましい。
表面修飾化合物としては、ZnO、Nb、WO、Y、La、Gd、及びGdZrからなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがより好ましい。
表面修飾リチウム含有複合酸化物の平均粒径D50(単に平均粒径又はD50ともいう)は、5μm以上25μm以下であると好ましい。10μm以上20μm以下であるとより好ましい。粒径が大きいほど、充填密度が高くなり、体積当たりの電池容量が高くなる傾向がある。しかし、粒径が大きくなると、粒子内でのLiイオンの移動距離が長くなるため、容量、レート特性が低下する傾向がある。そのため、平均粒径は上記範囲であるとバランスが良い。
本発明において、前記の平均粒径D50は、レーザー散乱粒度分布測定装置(例えば、日機装社製マイクロトラックHRAX−100などを用いる)により得られた体積粒度分布の累積50%となる値を意味する。
表面修飾リチウム含有複合酸化物の比表面積は0.5m/g以下であることが好ましく、0.4m/g以下であるとより好ましく、0.3m/g以下であるとさらに好ましい。下限は特に定めないが、0.05m/gであると好ましく、0.1m/gであるとより好ましい。比表面積が低いほど電解液との接触面積が少なくなるためサイクル耐久性が向上する傾向があるが、一方で比表面積つまり電解液との接触面積が小さすぎると容量、レート特性が低下する傾向がある。そのため、比表面積は上記範囲であるとバランスが良い。
本発明において、前記の比表面積は、窒素ガス吸着による比表面積測定装置(例えば、マウンテック社製のマックソーブなどを用いる)により得られる。
表面修飾リチウム含有複合酸化物について、Cu−Kα線を使用したX線回折において、2θが65±0.5°の(110)面の回折ピークの半値幅は、0.15°以下であると好ましい。下限は、0.05であると好ましい。(110)面の半値幅は結晶成長の度合いを表し、小さいほど結晶成長が進んでいることを示す。結晶の成長度合いは、平均粒径や比表面積に影響を及ぼすため、上記範囲であるとバランスがよい。
本発明において、(110)面の半値幅は、粉末X線回折法にて、得られたX線回折スペクトルから、解析ソフトPDXL、データベースICDD製PDF−2(リガク社製)を用いて求めることができる。
また、表面修飾リチウム含有複合酸化物は、小さい1次粒子が多数凝集した2次粒子タイプ、やや大きい1次粒子が数個から10個程度集まった1次粒子タイプ、1次粒子が成長した単粒子タイプのいずれでもよいが、上記した電解液との接触等の観点から1次粒子タイプまたは単粒子タイプが好ましい。
表面修飾リチウム含有複合酸化物の遊離アルカリ量は、0.5mol%以下であることが好ましく、0.4mol.%以下であるとより好ましく、0.3mol%以下であるとさらに好ましい。遊離アルカリ量が多いと、電極作成時のスラリーの安定性の低下や、電池を高温で保存した際のガス発生量が多くなることがある。そのため、遊離アルカリ量は低いほど好ましい。
本発明において、遊離アルカリ量は、表面修飾リチウム含有複合酸化物5gを水50gに分散させ30分間撹拌した後、濾過して、濾液を塩酸水溶液で中和滴定することで求められる。表面修飾化合物によっては、濾液中に溶け出し、母材のアルカリ成分と同時に中和滴定される場合もある。その場合は、中和滴定後の濾液をICPやイオンクロマトグラフ等で分析し、表面修飾化合物由来の成分を定量し差し引くことで、表面修飾リチウム含有複合酸化物本来のアルカリ成分を求めることができる。遊離アルカリ量は、母材1mol当たりの量として計算する。
本発明の表面修飾リチウム含有複合酸化物は、正極の電位がLi/Li基準で4.6Vの高電位充電でも使用が可能であり、この表面修飾リチウム含有複合酸化物を正極活物質として用いると、高容量のリチウムイオン二次電池を提供できる。
本発明の表面修飾リチウム含有複合酸化物を使用した電池は、正極の電位がLi/Li基準で4.6Vから2.75Vまで、表面修飾リチウム含有複合酸化物1g当たり40mAの電流密度で放電したときの初回放電容量は、185mAh/g以上であることが好ましく、190mAh/g以上であるより好ましい。また、初回放電時の放電平均電圧は、Li/Li基準で4.00V以上であることが好ましく、4.02V以上であるとより好ましく、4.05V以上であるとさらに好ましい。
初回充放電後、続けて表面修飾リチウム含有複合酸化物1g当たり100mAの電流密度で50回放電したときの50回目の容量維持率は75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。ここで、50回目の容量維持率は、表面修飾リチウム含有複合酸化物1g当たり100mAのレートで放電したときの1回目の放電容量に対する、50回目の放電容量の維持率である。
本発明の表面修飾リチウム含有複合酸化物の製造方法は特に限定されないが、具体的には、次の方法により製造できる。
Co、Ni、Al、及びMを含む化合物(本明細書において、単に原料と言うことがある)とLiを含む化合物(本明細書において、単にLi原料と言うことがある)と必要に応じてFを含む化合物を混合し、焼成、解砕、分級することで母材であるリチウム含有複合酸化物を得る。
得られたリチウム含有複合酸化物に表面修飾する元素を固体または液体の状態で混合し、熱処理することで表面修飾リチウム含有複合酸化物を得ることができる。
コバルト化合物としては、特に限定されないが、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルト、酸化コバルト、炭酸コバルト、硫酸コバルト又は硝酸コバルトを使用することが好ましい。なかでも、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルトまたは酸化コバルトがより好ましく、オキシ水酸化コバルトまたは酸化コバルトがさらに好ましい。
Ni、Al、及びM元素は、それぞれの単独の化合物でもよいし、コバルトとともに共沈させた共沈複合化合物でも良い。
Ni化合物、Al化合物、及びM元素化合物としては、特に限定されないが、酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩などの無機塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、マレイン酸、乳酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩などの有機酸塩などが好ましい。これらの化合物を使用する場合は、Co原料、及びLi原料とともに固相で混合してもよいし、これらの化合物を水または有機溶媒に溶解させた溶液をCo原料に含浸させ乾燥させた後、Li原料と混合してもよい。
共沈複合化合物の場合は、共沈水酸化物、共沈オキシ水酸化物、共沈酸化物、または共沈炭酸塩が好ましく、中でも共沈オキシ水酸化物または共沈酸化物がより好ましい。
リチウム化合物としては、特に限定されないが、炭酸リチウム又は水酸化リチウムを使用することが好ましく、なかでも炭酸リチウムがより好ましい。
フッ素化合物としては、特に限定されないが、フッ化リチウム、AlまたはM元素のフッ化物を使用することが好ましく、フッ化リチウムがより好ましい。
上記したCo原料、Ni原料、Al原料、M元素原料、Li原料、及びF原料を各元素が所望の原子比となるように混合した後、焼成、解砕、及び分級することでリチウム含有複合酸化物を得る。焼成温度は800〜1100℃が好ましく、なかでも900〜1080℃がより好ましく、950〜1050℃がさらに好ましい。焼成前に仮焼する場合は、仮焼温度は、300〜600℃が好ましく、なかでも350〜600℃がより好ましく、400〜550℃がさらに好ましい。また、仮焼及び焼成の雰囲気は、酸素含有雰囲気下で処理されることが好ましく、大気中で処理されることがより好ましい。
表面修飾の方法としては、得られたリチウム含有複合酸化物に表面修飾する元素を含む化合物粉末を固相で混合して熱処理する方法、または表面修飾する元素を含む化合物を溶解させた溶液(以下において、表面修飾溶液ともいう。)を含浸させた後、熱処理する方法、があるが、均一に表面を修飾できるため、表面修飾溶液を含浸させる方法が好ましい。
リチウム含有複合酸化物に対して表面修飾溶液を含浸させる方法としては、限定はされないが、表面修飾溶液をリチウム含有複合酸化物の粉末に噴霧して含浸させる手段、又は容器中で表面修飾溶液とリチウム含有複合酸化物とを混合して、攪拌して、含浸させる手段などが使用できる。噴霧する手段としては、具体的には、スプレードライヤー、フラッシュドライヤー、ベルトドライヤー、レーディゲミキサー、サーモプロセッサーや、パドルドライヤー等が例示される。容器中で混合して、攪拌させる手段としては、2軸スクリューニーダー、アキシアルミキサー、パドルミキサー、タービュライザー、レーディゲミキサー、ドラムミキサー等を使用することができる。中でも、リチウム含有複合酸化物に表面修飾溶液を含浸させる方法として、リチウム含有複合酸化物の粉末を攪拌しながら、表面修飾溶液を噴霧して、含浸させることが好ましい。なお、上記した撹拌機には、市販されているものの他に、ラボサイズ程度の、小型の撹拌機を用いることもできる。また、撹拌機を用いずに表面修飾溶液を噴霧し混合してもよい。
リチウム含有複合酸化物に表面修飾溶液を含浸させる場合、固体/液体比(重量基準)は70/30〜99.5/0.5が好ましく、なかでも85/15〜99/1がより好ましく、90/10〜98/2が特に好ましい。表面修飾溶液中の表面修飾する元素を含む化合物の濃度は、その後の熱処理において溶媒が少量であることが望まれるため、高いほど好ましい。しかし、濃度が高過ぎると粘度が高くなりリチウム含有複合酸化物表面に均一に表面修飾されにくくなるため、0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜30重量%がより好ましい。
溶媒は、水または有機溶媒が使用できるが、コスト、有害性、及び作業性の観点から水が好ましい。上記熱処理温度は200℃〜900℃が好ましく、300℃〜800℃より好ましく、350℃〜700℃がさらに好ましい。熱処理温度が低いと、表面修飾に用いた原料の分解が不十分であり、目的の化合物が得られなかったり、目的の化合物以外の成分、特に有機物が不純物として残ってしまうことがある。また、熱処理温度が高過ぎると表面修飾元素がリチウム複合酸化物内部に拡散し、十分な表面修飾効果が得られなくなってしまう。そのため、熱処理温度は上記温度範囲であると好ましく、使用した原料に応じてZr(CO、ZrOCO、ZrO、LiPO、LiF、LiSO、Al、AlPO、TiO、LiTiO、MgO、ZnO、Nb、WO、Y、La、Gd、GdZr等が表面修飾した表面修飾リチウム複合酸化物を得ることができる。例えば、Zr表面修飾の原料として炭酸アンモニウムジルコニウムを用いた場合、熱処理温度が低い場合は分解生成物であるZr(CO、より高い場合はZrOCO、さらに高い場合はZrOが生成する。また、F、P、Sは、リチウム複合酸化物の余剰リチウムと反応し、Li化合物を生成しやすい。
表面修飾に使用するグループS1の元素の原料化合物としては、特に限定されないが、酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩などの無機塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、マレイン酸、乳酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩などの有機酸塩、アンモニウム錯体溶液、有機金属キレート錯体溶液、金属アルコキシドをキレートなどで安定化させた化合物溶液、などが好ましい。中でも、Alは乳酸アルミニウム水溶液、Zrは炭酸アンモニウムジルコニウム水溶液、Tiは乳酸チタン水溶液が好ましい。またフッ化物を表面修飾する場合は金属フッ化物塩を用いることが好ましい。
表面修飾に使用するPの化合物としては、特に限定されないが、リン酸、ピロリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ポリリン酸、リン酸リチウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸エステルアンモニウム塩などが使用できる。なかでもリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ポリリン酸、リン酸リチウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸グアニジン及びコリンリン酸塩からなる群から選ばれる1種が好ましい。なかでも、電池性能をより向上させる傾向があり、電解液との反応を抑制する効果がある、リン酸、ピロリン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、リン酸リチウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸グアニジンからなる群から選ばれる1種がより好ましい。さらには、効果が顕著であり、安価で、容易に入手できるリン酸、ピロリン酸、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム及びリン酸二水素アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
表面修飾に使用するFの化合物としては、特に限定されないが、金属フッ化物、フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウムなどが使用できる。金属フッ化物の場合は、Zrは六フッ化ジルコン酸アンモニウム、Alはヘキサフルオロアルミン酸ナトリウム、Tiはヘキサフルオロチタン酸アンモニウムが好ましい。
表面修飾に使用するSの化合物としては、特に限定されないが、金属硫酸塩、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウムなどが使用できる。中でも、金属硫酸塩または硫酸アンモニウムが好ましい。
グループS1およびグループS2から、2種以上の元素を表面修飾する場合、表面修飾する各元素の比率は、原料の量を調整することで、任意の比率にすることができる。また、溶液を含浸させる方法で表面修飾する場合は、2種類以上の化合物を溶解させた1つの溶液としてもよいし、溶液を複数に分けて含浸処理を繰り返してもよい。生産性の観点から、溶液を1つとする方が好ましい。
本発明で得られる表面修飾リチウム含有複合酸化物からリチウムイオン二次電池用の正極を製造する場合には、まず、表面修飾リチウム含有複合酸化物の粉末に、アセチレンブラック、黒鉛、ケッチェンブラックなどのカーボン系導電材と結合材を混合する。前記結合材には、好ましくは、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、カルボキシメチルセルロース、アクリル樹脂等が用いられる。本発明により得られる表面修飾リチウム含有複合酸化物の粉末、導電材および結合材を溶媒、または分散媒を使用して、スラリーまたは混練物とせしめる。これをアルミニウム箔、ステンレス箔などの正極集電体に塗布した後、加熱により溶媒を除去することによりリチウムイオン二次電池用の正極が製造される。
本発明でリチウムイオン二次電池用の正極を製造する場合に用いる表面修飾リチウム含有複合酸化物は、平均粒径の異なる2種類以上の活物質の混合物であると好ましい。平均粒径の異なる2種類以上の活物質を混合することで、正極の充填密度が高くなり、電池の単位体積あたりの容量を高くすることができ、高容量な電池を提供できる。
上記のように、2種類以上の活物質を混合する場合には、本発明の表面修飾リチウム含有複合酸化物のみを混合使用してもよく、また、他のリチウム含有複合酸化物(I)を混合して使用することもできる。他のリチウム含有複合酸化物(I)を混合することで、それぞれの特性を補完しあい、特性のバランスを取れた電池を提供できる。
他のリチウム含有複合酸化物(I)は、層状構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物、スピネル構造を有するリチウムマンガン含有複合酸化物、オリビン構造を有するリチウム鉄含有リン酸化合物、又はyLiQO・(1−y)LiRO(ここで、0<y<1であり、Qは平均酸化数が4+である1種類以上の金属元素であり、Rは平均酸化数が3+である1種類以上の金属元素である)であると好ましい。他のリチウム含有複合酸化物(I)を混合することで、特に安全性やサイクル耐久性を向上させることができる。
正極の密度は、3.5g/cm以上であると好ましく、3.6g/cm以上であるとより好ましい。
本発明で得られる正極を用いた電池は、正極の充電電位がLi/Li基準で4.5V以上が好ましく、4.55V以上がさらに好ましく、4.6V以上が特に好ましい。高い電圧で充電することで、表面修飾リチウム含有酸化物1gあたりの容量および放電平均電圧を高くすることができ、高容量のリチウムイオン二次電池を提供できる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、前記正極、負極、セパレータ、及び電解液を含有する。
本発明のリチウムイオン二次電池において、セパレータとしては、その材質や形状は特に限定されず、絶縁性があり、イオン透過性が高く、電気抵抗が低く、保液性が高いものが好ましい。
本発明では、電池の有する電解液、及び電解質に対して安定であり、かつ、電気化学的に安定な材料で構成された不織布、樹脂製の多孔質膜、またはそれらの両方を用いることができる。中でも、安全性の観点から、融点が80℃〜150℃の不織布や多孔質膜を用いることが好ましい。さらに、融点が異なる多孔質膜を積層して使用することもできる。
また、本発明の電池において、耐熱性の無機微粒子を含有しているセパレータを使用することもできる。耐熱性の無機微粒子を含有することで、電池内で発熱が起こったときの安全性がより高くなる。
耐熱性の無機微粒子としては、特に制限はないが、電気絶縁性を有しており、電気化学的に安定で、電解液、及び電解質に対して安定であり、150℃以上の高温状態でも電解液に溶解しないものが好ましい。このような耐熱性微粒子の具体例としては、Si、Al、Ti、Zr、Sn、又はBaを含有する酸化物、窒化物などがあげられ、これらを単独で用いてもよく、2種類以上を混合で用いてもよい。
また、本発明のリチウムイオン二次電池には、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解液又は固体電解質が用いられる。
非水電解液の溶媒としては、種々の溶媒が使用できるが、なかでも炭酸エステルが好ましい。炭酸エステルは環状、鎖状いずれも使用できる。環状炭酸エステルとしては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどが例示される。鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネートなどが例示される。中でも、電池の放電特性、サイクル耐久性、充放電効率などの見地から、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有していると好ましい。
また、電解質に用いられるリチウム塩としては、特に限定されないが、例えばClO 、CFSO 、BF 、PF 、AsF 、SbF 、CFCO 、(CFSOなどをアニオンとするリチウム塩のいずれか1種以上が好ましく使用される。電解液に含有されるリチウム塩の濃度は、0.2〜2.0mol/l(リットル)が好ましく、0.5〜1.5mol/lが特に好ましい。この濃度範囲の場合、イオン伝導度が大きく、電解液の電気伝導度が増大する。
電解液中に、溶媒および電解質とは異なる添加物を添加してもよい。添加物としてはビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン、フルオロベンゼン、リン酸エステル類化合物、4−フルオロエチレンカーボネート、プロパンスルトン、スクシノニトリル、及びエチレンサルファイトからなる群から選ばれる少なくとも1種であること好ましい。添加物は主に正負極保護膜として電解質溶液成分との反応を抑制することで、サイクル耐久性や耐電圧性の向上や、電解質溶液成分の分解等によるガス発生を抑制することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池において、負極活物質には、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料が用いられる。この負極活物質材料について特に制限はされないが、より高容量な電池を構成し得る点で、例えば、炭素材料、リチウムチタン含有複合酸化物、リチウム金属、リチウムと合金化可能な金属、それら金属の合金、酸化物、窒化物などが挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
炭素材料としては、種々の熱分解条件で有機物を熱分解したものや人造黒鉛、天然黒鉛、土壌黒鉛、膨張黒鉛、鱗片状黒鉛などが使用できる。また、リチウムチタン含有酸化物としては、特にスピネル構造を有するものが好ましい。またリチウムと合金化可能な金属としては、Si、Pb、Sn、Al、Ag、Geなどが挙げられる。。
負極集電体としては、銅箔、ニッケル箔などが用いられる。かかる負極は、上記活物質を有機溶媒と混練してスラリーとし、該スラリーを金属箔集電体に塗布、乾燥、及びプレスして得ることにより好ましくは製造される。
本発明で得られる表面修飾リチウム含有複合酸化物を正極活物質を用いたリチウム電池の形状には特に制約はない。シート状、フィルム状、折り畳み状、巻回型有底円筒形、ボタン形などが用途に応じて選択される。
以下に、本発明の実施例を、比較例と対比して説明する。しかしながら、これら実施例は、本発明の実施の態様の一例であり、本発明がこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。
[実施例1]
炭酸リチウム粉末、オキシ水酸化コバルト粉末、塩基性炭酸ニッケル粉末、水酸化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、及び酸化ジルコニウム粉末を、Li:Co:Ni:Al:Mg:Zrがモル比で0.98:0.949:0.03:0.01:0.01:0.001となるように混合し、混合粉末を大気雰囲気中1010℃で14時間焼成し、リチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.949Ni0.03Al0.01Mg0.01Zr0.0011.01であった。以下、本明細書中では、表面修飾前のリチウム含有複合酸化物を、母材ということもある。
得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウム(NH[Zr(CO(OH)]を水で希釈したZr含量2.4重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中400℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZrを検出した。また、加熱時の発生ガスをTPD-MSで測定し母材と比較したところ、COの発生が確認され、NH及びNOは発生しなかった。このことから、表面修飾化合物は、Zr(CO、ZrOCO、又はZr(COとZrOCOの混合物のいずれかであると推測される。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の平均粒径D50は13.9μm、比表面積は0.23m/g、(110)半値幅は0.09°、遊離アルカリ量は0.23mol%であった。
正極活物質である上記表面修飾リチウム含有複合酸化物の粉末と、アセチレンブラックとポリフッ化ビニリデン粉末とを80/12/8の質量比で混合し、N−メチルピロリドンを添加してスラリーを作製し、これを厚さ20μmのアルミニウム箔にドクターブレードを用いて片面塗工した。得られたアルミニウムシートを乾燥し、ロールプレス圧延を行うことによりリチウム電池用の正極体シートを作製した。
次に、前記の正極体シートを正極に用い、厚さ500μmの金属リチウム箔を負極に用い、負極集電体にはSUS板を使用し、セパレータには厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンを用い、さらに電解液には、濃度1MのLiPF/EC+DEC(1:1)溶液(LiPFを溶質とするECとDECとの体積比(1:1)の混合溶液を意味する。)を用いてステンレス製簡易密閉セル型リチウム電池をアルゴングローブボックス内で組み立てた。
上記簡易密閉セル型リチウム電池を、25℃にて正極活物質1gにつき100mAの電流値で上限電圧4.6Vとし、CCCVモード6時間(100mAの一定電流で充電を行い、電池電圧が上限電圧に達した後は上限電圧の一定電圧で充電を行った。合計の充電時間を6時間とする。)で充電した後、正極活物質1gにつき40mAの電流値で2.75Vまで放電して、初回充放電容量を求めた。その結果、25℃、2.75〜4.6Vにおける正極活物質の初回放電容量は203mAh/g、初回の充電容量と放電容量の比率である、初回充放電効率は91.2%、初回の放電平均電圧は4.04V、初回放電エネルギーは820mWh/gであった。
この電池について、充電を正極活物質1gにつき200mAの電流値でCCCVモード3時間、放電を正極活物質1gにつき100mAの電流値とした以外は初回と同じ条件で充放電サイクルを50回行った。50回充放電後の容量維持率は78.8%であった。
[実施例2]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.899:0.08:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.899Ni0.08Al0.01Mg0.01Zr0.0011.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例3]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を1.02:0.899:0.08:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.01(Co0.899Ni0.08Al0.01Mg0.01Zr0.0010.99であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例4]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.849:0.13:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.849Ni0.13Al0.01Mg0.01Zr0.0011.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例5]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.799:0.18:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.799Ni0.18Al0.01Mg0.01Zr0.0011.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例6]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.749:0.23:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.749Ni0.23Al0.01Mg0.01Zr0.0011.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例7]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を1.03:0.90:0.07:0.01:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物混合粉末中を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.015(Co0.90Ni0.07Al0.01Mg0.01Zr0.010.985であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例8]
酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mgのモル比を0.97:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.985(Co0.90Ni0.08Al0.01Mg0.011.015であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例9]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mgのモル比を0.97:0.88:0.08:0.03:0.01とした以外は、実施例8と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.985(Co0.88Ni0.08Al0.03Mg0.011.015であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例10]
水酸化マグネシウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Zrのモル比を1.03:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.015(Co0.90Ni0.08Al0.01Zr0.010.985であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例11]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化チタンの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Tiのモル比を1.03:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.015(Co0.90Ni0.08Al0.01Ti0.010.985であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例12]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウムを水で希釈したZr含量2.4重量%の表面修飾溶液4gと、リン酸二水素アンモニウムを水に溶解したP含量3.2重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、P表面修飾量は母材に対して0.4mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZrとPを検出した。また、モデル的にZrとPの表面修飾量を10倍にした表面修飾リチウム含有複合酸化物の粉末X線回折スペクトルを測定したところ、ZrOとLiPOのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はZrOとLiPOの混合物であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例13]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、六フッ化ジルコニウム酸アンモニウムを水で希釈したZr含量2.4重量%、F含量3.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、F表面修飾量は母材に対して0.6mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZrとFを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、ZrOとLiFのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はZrOとLiFの混合物であると推測される。
得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50は15.2μm、比表面積は0.19m/g、(110)半値幅は0.10°、遊離アルカリ量は0.23mol%であった。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例14]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウムと硫酸アンモニウムを水に溶解したZr含量2.4重量%、S含量3.3重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、S表面修飾量は母材に対して0.4mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZrとSを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、ZrOとLiSOのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はZrOとLiSOの混合物であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例15]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、塩基性乳酸アルミニウムを水で希釈したAl含量0.7重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Al表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子内部より粒子表面にAlを多く検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Alのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾物質はAlであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例16]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、塩基性乳酸アルミニウムとリン酸二水素アンモニウムを水に溶解したAl含量0.7重量%、P0.8重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Al表面修飾量は母材に対して0.1mol%、P表面修飾量は0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面に粒子内部より多くのAlとPを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、AlPOのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はAlPOであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例17]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、乳酸チタンを水で希釈したTi含量1.2重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Ti表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にTiを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、TiOとLiTiOのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はTiOとLiTiOの混合物であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例18]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、水酸化マグネシウムを水に溶解したMg含量0.6重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Mg表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子内部より粒子表面にMgを多く検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、MgOのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はMgOであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例19]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、フッ化アンモニウムを水に溶解したF含量3.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。F表面修飾量は母材に対して0.6mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にFを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、LiFのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はLiFであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例20]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、リン酸二水素アンモニウムを水に溶解したP含量3.2重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。P表面修飾量は母材に対して0.4mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にPを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、LiPOのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はLiPOであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例21]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、酢酸亜鉛を水に溶解したZn含量1.7重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zn表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZnを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、ZnOのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はZnOであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例22]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gを、酸化ニオブとクエン酸を水に溶解したNb含量0.2重量%の表面修飾溶液40gに浸漬させ、混合したのち乾燥して表面修飾前駆体原料を得た。Nb表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にNbを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Nbのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はNbであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例23]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、メタタングステン酸アンモニウムを水に溶解したW含量4.7重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。W表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にWを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、WOのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はWOであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例24]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、酢酸イットリウムを水に溶解したY含量2.3重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Y表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にYを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Yのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はYであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例25]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、酢酸ランタンを水に溶解したLa含量3.6重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。La表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にLaを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Laのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はLaであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例26]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、酢酸ガドリニウムを水に溶解したGd含量4.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Gd表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にGdを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Gdのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はGdであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例27]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウムを水で希釈したZr含量2.4重量%の表面修飾溶液4gと、酢酸ガドリニウムを水に溶解したGd含量4.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、Gd表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にGdとZrを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、GdZrのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はGdZrであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例28]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化スズの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Snのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01Sn0.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例29]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ゲルマニウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Geのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01Ge0.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例30]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ホウ素の粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Bのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.010.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例31]
酸化ジルコニウム粉末の代わりにリン酸二水素アンモニウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Pのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.010.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例32]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化亜鉛の粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Znのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01Zn0.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例33]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化イットリウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Yのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.010.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例34]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ランタンの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Laのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01La0.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例35]
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ニオブの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Nbのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01Nb0.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例36]
炭酸リチウム粉末、オキシ水酸化コバルト粉末、塩基性炭酸ニッケル粉末、水酸化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、及びフッ化リチウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Fのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。Liは、炭酸リチウムとフッ化リチウムの合計とした。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01Mg0.011.9950.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例37]
オキシ水酸化コバルト粉末と塩基性炭酸ニッケル粉末の代わりに、Co:Niのモル比が92:8の共沈オキシ水酸化物を用い、混合粉末中のLi:(Co+Ni):Al:Mg:Zrのモル比を1.02:0.979:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例2と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li1.01(Co0.901Ni0.078Al0.01Mg0.01Zr0.0010.99であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例38]
酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:(Co+Ni):Al:Mgのモル比を1.02:0.98:0.01:0.01とした以外は、実施例37と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li1.01(Co0.902Ni0.078Al0.01Mg0.010.99であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例39]
酸化マグネシウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:(Co+Ni):Al:Zrのモル比を1.03:0.98:0.01:0.01とした以外は、実施例37と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li1.015(Co0.902Ni0.078Al0.01Zr0.010.985であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[実施例40]
オキシ水酸化コバルト粉末、塩基性炭酸ニッケル粉末、水酸化アルミニウム粉末および水酸化マグネシウム粉末の代わりに、Co:Ni:Al:Mgのモル比が90:8:1:1の共沈オキシ水酸化物を用い、混合粉末中のLi:(Co+Ni+Al+Mg)のモル比を1.02:1.00とした以外は、実施例8と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li1.01(Co0.90Ni0.08Al0.01Mg0.010.99であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[比較例1]
塩基性炭酸ニッケル粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Al:Mg:Zrのモル比を1.02:0.979:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.01(Co0.979Al0.01Mg0.01Zr0.0010.99であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[比較例2]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.699:0.28:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.699Ni0.28Al0.01Mg0.01Zr0.0011.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[比較例3]
水酸化アルミニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Mg:Zrのモル比を1.03:0.90:0.07:0.015:0.015とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.015(Co0.90Ni0.07Mg0.015Zr0.0150.985であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[比較例4]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mgのモル比を0.97:0.86:0.08:0.01:0.05とした以外は、実施例8と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.985(Co0.86Ni0.08Al0.01Mg0.051.015であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[比較例5]
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Zrのモル比を1.03:0.86:0.08:0.01:0.05とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.015(Co0.86Ni0.08Al0.01Zr0.050.985であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
[比較例6]
水酸化アルミニウム粉末および酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Mgのモル比を1.00:0.90:0.05:0.05とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.05Mg0.05であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積の測定と電池性能評価を行った。
[比較例7]
塩基性炭酸ニッケル粉末および酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Al:Mgのモル比を1.00:0.85:0.10:0.05とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.85Al0.10Mg0.05であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積の測定と電池性能評価を行った。
[比較例8]
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物において、表面修飾を行わず、母材をそのまま正極活物質として実施例1と同様の方法で、電池性能評価を行った。
実施例1〜40および比較例1〜8の表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅、遊離アルカリ量および電池性能評価の結果を表1-1〜表1−3に示す。
Figure 2015144108
Figure 2015144108
Figure 2015144108
本発明の表面修飾リチウム含有複合酸化物は、高い充電電圧下でも使用可能であり、放電容量、放電平均電圧、サイクル耐久性、安全性などの電池特性に優れたリチウム二次電池用の正極に利用できる。

Claims (38)

  1. 一般式(1)で表わされるリチウム含有複合酸化物の表面が、グループS1およびグループS2の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む表面修飾化合物で修飾されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極用の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
    Li1+x(Co(1−a−b−m)NiAl1−x2−(f/2) (1)
    (ただし、グループS1はAl、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、Mo、Ta、W、及び希土類からなる群であり、グループS2はF、P、及びSからなる群である。Mは、Co及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Na、K、B、C、Si、P、S、Zn、Ga、Bi、第2族の元素、並びに希土類からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、−0.05≦x≦0.05、0<a≦0.25、0<b≦0.05、0≦m≦0.04、0≦f≦0.05である。)
  2. MがCo及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Na、K、B、C、Si、P、S、Zn、Y、La、Ce、並びに第2族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である請求項1に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  3. グループS1がAl、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、W、Y、La、及びGdからなる群である、請求項1に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  4. 一般式(1)において、f=0であり、MがCo及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Zn、並びに第2族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、グループS1がAl、Zr、Ti、及びMgからなる群であり、表面修飾化合物はグループS1から選ばれる少なくとも1種の元素を含む請求項1に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  5. 0.05≦a+b+m≦0.30である請求項1〜4のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  6. 0.005≦b+m≦0.07である請求項1〜4のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  7. 0<m≦0.04である請求項1〜4のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  8. Mが、Mg、Ca、Sr、Ti、Zr、Nb、W、Ge、Sn、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である請求項1〜4のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  9. Mが、Mg、Ti、及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、前記リチウム含有複合酸化物が、一般式(2)で表わされる請求項1〜4のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
    Li1+x(Co(1−a−b−m)NiAlMgZrTi1−x (2)
    (ただし、−0.05≦x≦0.05、0<a≦0.25、0<b≦0.05、0<m≦0.04、0≦c≦0.02、0≦d≦0.02、0≦e≦0.02、m=c+d+eである。)
  10. 0<c≦0.02、0<d+e≦0.04である請求項9に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  11. 0<c≦0.02、d=e=0である請求項9に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  12. c=0、0<d+e≦0.04である請求項9に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  13. 前記表面修飾化合物に含まれるグループS1の元素の合計のモル数の、前記リチウム含有複合酸化物のモル数に対する比((グループS1の元素の合計のモル数)/リチウム含有複合酸化物のモル数)が0.0001〜0.03である請求項1〜12のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  14. 前記表面修飾化合物が、グループS1から選ばれる少なくとも1種の元素と、グループS2から選ばれる少なくとも1種の元素とを含み、さらに、グループS2の元素の合計のモル数の、前記リチウム含有複合酸化物のモル数に対する比((グループS2の合計のモル数)/リチウム含有複合酸化物のモル数)が0.0001〜0.03である請求項1〜13のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  15. 前記表面修飾化合物が、Zr(CO、ZrOCO、ZrO、LiPO、LiF、LiSO、Al、AlPO、TiO、LiTiO、及びMgOからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜14のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  16. 前記表面修飾化合物が、Zr(CO、ZrOCO、及びZrOからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜14のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  17. 前記表面修飾化合物が、TiO及び/又はLiTiOである請求項1〜14のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  18. 前記表面修飾化合物が、Al及び/又はAlPOである請求項1〜14のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  19. 前記表面修飾化合物が、ZnO、Nb、WO、Y、La、Gd、及びGdZrからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜14のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  20. Li/Li基準で、4.6Vから2.75Vまで、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たり40mAの電流密度で放電したときの、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たりの容量が185mAh/g以上である請求項1〜19のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  21. Li/Li基準で、4.6Vから2.75Vまで、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たり40mAの電流密度で放電したときの、放電平均電圧が4.0V以上であるある請求項1〜20のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  22. Li/Li基準で、4.6Vから2.75Vまで、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たり100mAの電流密度で50回放電したときの、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たりの容量が、1回目の75%以上である請求項1〜21のいずれかに記載の表面修飾リチウム複合酸化物。
  23. 平均粒径が5〜25μm、比表面積が0.5m/g以下である請求項1〜22のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  24. Cu−Kα線を使用したX線回折において2θが65±0.5°の(110)面の回折ピークの半値幅が0.15°以下である請求項1〜23のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  25. 遊離アルカリ量が0.5mol%以下である請求項1〜24のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
  26. 請求項1〜25のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物を含有するリチウムイオン二次電池用正極。
  27. 平均粒径の異なる2種類以上の請求項1〜25のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物の混合物を含有するリチウム二次電池用正極。
  28. 請求項1〜25のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有酸化物と、該表面修飾リチウム含有酸化物と異なるリチウム含有複合酸化物(I)との混合物を含有するリチウムイオン二次電池用正極。
  29. 前記リチウム複合酸化物(I)が、層状構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物、スピネル構造を有するリチウムマンガン含有複合酸化物、オリビン構造を有するリチウム鉄含有リン酸化合物、又はyLiQO・(1−y)LiRO(ここで、0<y<1であり、Qは平均酸化数が4+である1種類以上の金属元素であり、Rは平均酸化数が3+である1種類以上の金属元素である)である請求項28に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  30. 正極密度が3.5g/cm以上である請求項26〜29のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  31. 請求項26〜30のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極、負極、セパレータ、及び電解液を含有するリチウムイオン二次電池。
  32. 正極の充電電位がLi/Li基準で4.5V以上である請求項31に記載のリチウムイオン二次電池。
  33. 負極が、炭素材料、リチウムチタン含有複合酸化物、リチウム、リチウムと合金化可能な金属及び、それら金属の合金、または、それらの金属を含む酸化物、窒化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項31または32に記載のリチウムイオン二次電池。
  34. セパレータが、不織布又は樹脂製の多孔質膜の少なくとも1種である請求項31〜33のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  35. セパレータが、融点の異なる多孔質層の積層体である請求項31〜33のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  36. セパレータが、耐熱性の無機微粒子を含有する請求項31〜33のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  37. 電解液が、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項31〜36のいずれかのいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
  38. 電解液が、添加物として、VC、シクロヘキシルベンゼン、フルオロベンゼン、リン酸エステル類化合物、4−フルオロエチレンカーボネート、プロパンスルトン、スクシノニトリル、及びエチレンサルファイトからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項31〜37のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
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