JP2015139167A - 圧電薄膜共振器、フィルタおよびデュプレクサ - Google Patents

圧電薄膜共振器、フィルタおよびデュプレクサ Download PDF

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Abstract

【課題】共振特性の温度変化を抑制し、かつ共振特性の劣化を抑制すること。
【解決手段】基板10と、前記基板上に設けられた圧電膜14と、前記圧電膜の少なくとも一部を挟んで対向した下部電極12および上部電極16と、前記圧電膜を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向する共振領域50内の前記圧電膜中に挿入され、前記共振領域内の外周領域52の少なくとも一部が前記共振領域の中央領域54より厚い挿入膜28と、を具備する圧電薄膜共振器。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電薄膜共振器、フィルタおよびデュプレクサに関し、例えば圧電膜内に挿入膜を備える圧電薄膜共振器、フィルタおよびデュプレクサに関する。
圧電薄膜共振器を用いた弾性波デバイスは、例えば携帯電話等の無線機器のフィルタおよびデュプレクサとして用いられている。圧電薄膜共振器は、圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する構造を有している。
圧電薄膜共振器を用いた弾性波デバイスとして、例えばフィルタおよびデュプレクサがある。これら弾性波デバイスにおいては、共振周波数、反共振周波数または通過帯域等の周波数が温度により変化する。これらの温度変化を補償する技術として、圧電膜内に温度補償膜を設ける技術が知られている(例えば特許文献1および非特許文献1)
特開平1−48694号公報
Proc. IEEE Ultrasonics Symposium 2009, pp859-862
しかしながら、圧電膜内に温度補償膜を設けるとQ値および/または電気機械結合係数といった共振特性が低下する。例えば、Q値が低下すると、フィルタやデュプレクサのスカート特性の急峻性が低下する。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、共振特性の温度変化を抑制し、かつ共振特性の劣化を抑制することを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜の少なくとも一部を挟んで対向した下部電極および上部電極と、前記圧電膜を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向する共振領域内の前記圧電膜中に挿入され、前記共振領域内の外周領域の少なくとも一部が前記共振領域の中央領域より厚い挿入膜と、を具備することを特徴とする圧電薄膜共振器である。
上記構成において、前記中央領域内の前記挿入膜の弾性定数の温度係数は前記圧電膜の弾性定数の温度係数とは逆符号である構成とすることができる。
上記構成において、前記外周領域内の前記挿入膜は、前記圧電膜のヤング率より小さい膜を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記挿入膜は、酸化シリコンを主成分とする構成とすることができる。
上記構成において、前記圧電膜は、窒化アルミニウムを主成分とする構成とすることができる。
上記構成において、前記共振領域において、前記基板と前記下部電極または前記下部電極に接する絶縁膜との間に空隙が形成されている構成とすることができる。
上記構成において、前記共振領域において、前記下部電極の前記圧電膜とは反対側に前記圧電膜を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜を具備する構成とすることができる。
本発明は、上記圧電薄膜共振器を含むことを特徴とするフィルタである。
本発明は、送信フィルタと受信フィルタとを具備し、前記送信フィルタおよび前記受信フィルタの少なくとも一方が上記フィルタであることを特徴とするデュプレクサである。
本発明によれば、共振特性の温度変化を抑制し、かつ共振特性の劣化を抑制することができる。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)は、挿入膜の平面図、図1(c)および図1(d)は、図1(a)のA−A断面図である。 図2(a)から図2(c)は、実施例1に係る直列共振器の製造方法を示す断面図である。 図3(a)から図3(g)は、実施例1における挿入膜の形成方法を示す断面図である。 図4(a)から図4(d)は、実施例1および比較例1における幅Wに対するそれぞれ共振点のQ値Qr、反共振点のQ値Qa、実効的電気機械結合係数Keff、およびFOMのシミュレーション結果を示す図である。 図5(a)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の平面図、図5(b)は、挿入膜の平面図、図5(c)および図5(d)は、図5(a)のA−A断面図である。 図6(a)から図6(e)は、実施例2における挿入膜の形成方法を示す断面図である。 図7(a)から図7(e)は、他の挿入膜の形成方法を示す断面図である。 図8(a)から図8(d)は、実施例2および比較例2における幅Wに対するそれぞれ共振点のQ値Qr、反共振点のQ値Qa、実効的電気機械結合係数Keff、およびFOMのシミュレーション結果を示す図である。 図9(a)は、比較例3に係る圧電薄膜共振器の平面図、図9(b)は、挿入膜の平面図、図9(c)および図9(d)は、図9(a)のA−A断面図である。 図10(a)は、ヤング率に対する反共振点のQ値、図10(b)は、ヤング率に対する実効的電気機械結合係数keffを示す図である。 図11(a)は、実施例3に係る圧電薄膜共振器の断面図、図11(b)は、実施例3の変形例に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図12は、実施例4に係るデュプレクサの回路図である。 図13(a)は、送信フィルタの平面図および断面図、図13(b)は、図13(a)のA−A断面図である。 図14は、送信フィルタにおける挿入膜の平面図である。
以下図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)は、挿入膜の平面図、図1(c)および図1(d)は、図1(a)のA−A断面図である。図1(c)は、例えばラダー型フィルタの直列共振器、図1(d)は例えばラダー型フィルタの並列共振器の断面図を示している。
図1(a)および図1(c)を参照し、直列共振器Sの構造について説明する。シリコン(Si)基板である基板10上に、下部電極12が設けられている。基板10の平坦主面と下部電極12との間にドーム状の膨らみを有する空隙30が形成されている。ドーム状の膨らみとは、例えば空隙30の周辺では空隙30の高さが小さく、空隙30の内部ほど空隙30の高さが大きくなるような形状の膨らみである。下部電極12は下層12aと上層12bとを含んでいる。下層12aは例えばCr(クロム)膜であり、上層12bは例えばRu(ルテニウム)膜である。
下部電極12上に、(002)方向を主軸とする窒化アルミニウム(AlN)を主成分とする圧電膜14が設けられている。共振領域50内の圧電膜14内に挿入膜28が設けられている。挿入膜28は、圧電膜14の膜厚方向のほぼ中央に設けられている。挿入膜28が設けられるのは、膜厚方向の中央でなくともよいが、中央に設けることにより、挿入膜としての機能をより発揮する。
挿入膜28は、薄膜部28aおよび厚膜部28bを備えている。厚膜部28bは薄膜部28aより厚い。薄膜部28aは、共振領域50の中央領域54に設けられている。厚膜部28bは、共振領域50内の外周領域52の少なくとも一部に設けられている。薄膜部28aと厚膜部28bとは連続して設けられている。外周領域52は、共振領域50内の領域であって、共振領域50の外周を含み外周に沿った領域である。外周領域52は、例えば帯状およびリング状である。中央領域54は、共振領域50内の領域であって、共振領域50の中央を含む領域である。中央は幾何学的な中心でなくてもよい。挿入膜28は、外周領域52に加え共振領域50を囲む領域56に設けられている。挿入膜28は、外周領域52から共振領域50外まで連続して設けられている。
圧電膜14を挟み下部電極12と対向する領域(共振領域50)を有するように圧電膜14上に上部電極16が設けられている。共振領域50は、楕円形状を有し、厚み縦振動モードの弾性波が共振する領域である。上部電極16は下層16aおよび上層16bを含んでいる。下層16aは例えばRu膜であり、上層16bは例えばCr膜である。
上部電極16上には周波数調整膜24として酸化シリコン膜が形成されている。共振領域50内の積層膜18は、下部電極12、圧電膜14、挿入膜28、上部電極16および周波数調整膜24を含む。周波数調整膜24はパッシベーション膜として機能してもよい。
図1(a)のように、下部電極12には犠牲層をエッチングするための導入路33が形成されている。犠牲層は空隙30を形成するための層である。導入路33の先端付近は圧電膜14で覆われておらず、下部電極12は導入路33の先端に孔部35を有する。
図1(a)および図1(d)を参照し、並列共振器Pの構造について説明する。並列共振器Pは直列共振器Sと比較し、上部電極16の下層16aと上層16bとの間に質量負荷膜20が設けられている。質量負荷膜20は、例えばTi(チタン)膜である。よって、積層膜18は直列共振器Sの積層膜に加え、共振領域50内の全面に形成された質量負荷膜20を含む。その他の構成は直列共振器Sの図1(c)と同じであり説明を省略する。
直列共振器Sと並列共振器Pとの共振周波数の差は、質量負荷膜20の膜厚を用い調整する。直列共振器Sと並列共振器Pとの両方の共振周波数の調整は、周波数調整膜24の膜厚を調整することにより行なう。
1.7GHzの共振周波数を有し、共振周波数の温度特性が−10ppm/℃である圧電薄膜共振器の場合、下部電極12の下層12aはCr膜であり、下層12aの膜厚は100nmである。下部電極12の上層12bはRu膜であり、上層12bの膜厚は200nmである。圧電膜14はAlN膜であり、圧電膜14の膜厚は1260nmである。挿入膜28は酸化シリコン(SiO)膜であり、薄膜部28aの膜厚は90nm,厚膜部28bの膜厚は240nmである。上部電極16の下層16aはRu膜であり、下層16aの膜厚は230nm、上部電極16の上層16bはCr膜であり、上層16bの膜厚は50nmである。周波数調整膜24は酸化シリコン膜であり、周波数調整膜24の膜厚は50nmである。質量負荷膜20はTi膜であり、質量負荷膜20の膜厚は120nmである。各層の膜厚は、所望の共振特性を得るため適宜設定することができる。
基板10としては、Si基板以外に、石英基板、ガラス基板、セラミック基板またはGaAs基板等を用いることができる。下部電極12および上部電極16としては、RuおよびCr以外にもAl(アルミニウム)、Ti、Cu(銅)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Pt(白金)、Rh(ロジウム)またはIr(イリジウム)等の単層膜またはこれらの積層膜を用いることができる。例えば、上部電極16の下層16aをRu膜、上層16bをMo膜としてもよい。圧電膜14は、窒化アルミニウム以外にも、ZnO(酸化亜鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、PbTiO3(チタン酸鉛)等を用いることができる。また、例えば、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、共振特性の向上または圧電性の向上のため他の元素を含んでもよい。例えば、添加元素としてSc(スカンジウム)を用いることにより、圧電膜14の圧電性が向上するため、圧電薄膜共振器の実効的電気機械結合係数を向上できる。
挿入膜28の薄膜部28aは、圧電膜14の弾性定数の温度係数とは逆符号の弾性定数の温度係数を有する。これにより、共振周波数等の温度係数を0に近づけることができる。薄膜部28aは、例えば酸化シリコンまたは窒化シリコン等の絶縁膜を用いることができる。挿入膜28の厚膜部28bは、圧電膜14よりヤング率の小さい材料の膜を含む。詳細は後述する。
周波数調整膜24としては、酸化シリコン膜以外にも窒化シリコン膜または窒化アルミニウム等を用いることができる。質量負荷膜20としては、Ti以外にも、Ru、Cr、Al、Cu、Mo、W、Ta、Pt、RhもしくはIr等の単層膜を用いることができる。また、例えば窒化シリコンまたは酸化シリコン等の窒化金属または酸化金属からなる絶縁膜を用いることもできる。質量負荷膜20は、上部電極16の層間以外にも、下部電極12の下、下部電極12の層間、上部電極16の上、下部電極12と圧電膜14との間または圧電膜14と上部電極16との間に形成することができる。質量負荷膜20は、共振領域50を含むように形成されていれば、共振領域50より大きくてもよい。
図2(a)から図2(c)は、実施例1に係る直列共振器の製造方法を示す断面図である。図2(a)に示すように、平坦主面を有する基板10上に空隙を形成するための犠牲層38を形成する。犠牲層38の膜厚は、例えば10〜100nmであり、MgO、ZnO、GeまたはSiO等のエッチング液またはエッチングガスに容易に溶解できる材料から選択される。その後、犠牲層38を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。犠牲層38の形状は、空隙30の平面形状に相当する形状であり、例えば共振領域50となる領域を含む。次に、犠牲層38および基板10上に下部電極12として下層12aおよび上層12bを形成する。犠牲層38および下部電極12は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い成膜される。その後、下部電極12を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。下部電極12は、リフトオフ法により形成してもよい。
図2(b)に示すように、下部電極12および基板10上に下部圧電膜14aおよび挿入膜28を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。挿入膜28を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。挿入膜28は、リフトオフ法により形成してもよい。厚膜部28bが薄膜部28aより厚くなるように、挿入膜28を形成する。
図2(c)に示すように、上部圧電膜14b、上部電極16の下層16aおよび上層16bを、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。下部圧電膜14aおよび上部圧電膜14bから圧電膜14が形成される。上部電極16を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。上部電極16は、リフトオフ法により形成してもよい。
なお、図1(d)に示す並列共振器においては、上部電極16の下層16aを形成した後に、質量負荷膜20を、例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。質量負荷膜20をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。その後、上部電極16の上層16bを形成する。
周波数調整膜24を例えばスパッタリング法またはCVD法を用い形成する。フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い周波数調整膜24を所望の形状にパターニングする。
その後、孔部35および導入路33(図1(a)参照)を介し、犠牲層38のエッチング液を下部電極12の下の犠牲層38に導入する。これにより、犠牲層38が除去される。犠牲層38をエッチングする媒体としては、犠牲層38以外の共振器を構成する材料をエッチングしない媒体であることが好ましい。特に、エッチング媒体は、エッチング媒体が接触する下部電極12がエッチングされない媒体であることが好ましい。積層膜18(図1(c)、図1(d)参照)の応力を圧縮応力となるように設定しておく。これにより、犠牲層38が除去されると、積層膜18が基板10の反対側に基板10から離れるように膨れる。下部電極12と基板10との間にドーム状の膨らみを有する空隙30が形成される。以上により、図1(a)および図1(c)に示した直列共振器S、および図1(a)および1(d)に示した並列共振器Pが作製される。
図3(a)から図3(g)は、実施例1における挿入膜の形成方法を示す断面図である。図3(a)に示すように、下部圧電膜14a上に挿入膜となる膜44を形成する。膜44は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜される。図3(b)に示すように、膜44の共振領域50となる領域の内側の薄膜部となる領域をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い薄膜化する。これにより、膜44に凹部45が形成される。図3(c)に示すように、膜44をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い共振領域50より大きくパターンニングする。これにより、膜44から挿入膜28が形成される。凹部45の領域が薄膜部28aとなり、凹部45以外の領域が厚膜部28bとなる。
次に、挿入膜28を形成する別の方法を説明する。図3(d)に示すように、下部圧電膜14a上に挿入膜の下膜44aを形成する。下膜44aは、例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜される。図3(e)に示すように、下膜44aのうち薄膜部となる領域45aを、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い除去する。これにより、下膜44aに開口を形成する。開口を有する下膜44aは、リフトオフ法を用い形成してもよい。図3(f)に示すように、下膜44aおよび開口上に、上膜44bを形成する。上膜44bは、例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜される。下膜44aと上膜44bとから挿入膜となる膜44が形成される。図3(g)に示すように、膜44をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターンニングする。これにより、膜44から挿入膜28が形成される。領域45aが薄膜部28aとなり、領域45a以外の領域が厚膜部28bとなる。
図3(a)から図3(c)の挿入膜形成方法は、図3(d)から図3(g)の挿入膜形成方法に比べ、製造工数を削減できる。一方、図3(d)から図3(g)の挿入膜形成方法は、図3(a)から図3(c)の挿入膜形成方法に比べ、薄膜部28aの膜厚の精度を高めることができる。また、下膜44aと上膜44bとの材料を異ならせることができる。例えば、下膜44aを圧電膜14よりヤング率が高い材料とし、上膜44bを圧電膜14の弾性定数の温度係数とは逆の弾性定数の温度係数を有する材料とすることができる。
挿入膜28に厚膜部28bを設ける効果を確認するため有限要素法を用いシミュレーションを行なった。有限要素法は、図1(c)のような断面の2次元解析により行なった。積層膜18の各膜厚および材料は図1(a)から図1(d)の1.7GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器として例示したものとした。すなわち、圧電膜14をAlNとした。挿入膜28を酸化シリコン膜とし、薄膜部28aの膜厚を90nm、厚膜部28bの膜厚を240nmとした。共振領域50と厚膜部28bとの重なる幅Wを0μm、3μm、4μm、または5μmとした。幅Wが0μmは比較例1を示す。比較例1では、挿入膜28が厚膜部28bを含まず。挿入膜28は、全て薄膜部28aとしている。挿入膜28は、圧電膜14の膜厚方向の中間位置に設けられているとした。
図4(a)から図4(d)は、実施例1および比較例1における幅Wに対するそれぞれ共振点のQ値Qr、反共振点のQ値Qa、実効的電気機械結合係数Keff、およびFOMのシミュレーション結果を示す図である。FOMは、実効的電気機械結合係数Keff×√(共振点のQ値Qr×反共振点のQ値Qa)から導出される。
図4(a)および図4(b)に示すように、厚膜部28bを設けることにより、共振点および反共振点のQ値が向上する。これは以下の理由による。すなわち、外周領域52にヤング率が小さい厚膜部28bが設けられることにより、共振領域50の外周領域52において弾性波の振動が小さくなる。これにより、共振領域50の外周が固定端として弾性波が固定端反射される。よって、弾性波のエネルギーが共振領域50の外に漏れることを抑制する。これにより、Q値が高くなる。
図4(c)に示すように、厚膜部28bを設けることにより、実効的電気機械結合係数が低下する。しかしながら、図4(d)に示すように、厚膜部28bを設けることにより、FOMが向上する。このように、外周領域52に厚膜部28bを設けることにより、Q値およびFOMを向上できる。
図5(a)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の平面図、図5(b)は、挿入膜の平面図、図5(c)および図5(d)は、図5(a)のA−A断面図である。図5(c)は、例えばラダー型フィルタの直列共振器、図5(d)は例えばラダー型フィルタの並列共振器の断面図を示している。
図5(a)から図5(d)に示すように、挿入膜28の厚膜部28bの外側に薄膜部28aが形成されている。このように、挿入膜28が、共振領域50の外側に連続して形成されている。挿入膜28に孔部35に連通する孔34が形成されている。その他の構成は、実施例1の図1(a)から図1(d)と同じであり説明を省略する。
図6(a)から図6(e)は、実施例2における挿入膜の形成方法を示す断面図である。図6(a)に示すように、下部圧電膜14a上に挿入膜となる膜44を形成する。図6(b)に示すように、膜44のうち共振領域50となる領域の内側および外側の薄膜部28aとなる領域を薄膜化する。これにより、膜44に凹部45が形成される。凹部45が薄膜部28aとなり、凹部45以外が厚膜部28bとなる。
次に、挿入膜28を形成する別の方法を説明する。図6(c)に示すように、下部圧電膜14a上に挿入膜の下膜44aを形成する。図6(d)に示すように、下膜44aのうち薄膜部となる領域45aを除去する。図6(e)に示すように、下膜44aおよび下部圧電膜14a上に、上膜44bを形成する。下膜44aと上膜44bとから挿入膜28となる膜44が形成される。領域45aが薄膜部28aとなり、領域45a以外が厚膜部28bとなる。その他の挿入膜の形成方法は実施例1と同じであり説明を省略する。
図7(a)から図7(e)は、他の挿入膜の形成方法を示す断面図である。図7(a)に示すように、下部圧電膜14a上に挿入膜となる膜44を形成する。図7(b)に示すように、膜44のうち共振領域50となる領域の内側の薄膜部28aとなる領域を薄膜化する。膜44のうち共振領域50の外側は薄膜化しない。これにより、膜44に凹部45が形成される。凹部45が薄膜部28aとなり、凹部45以外が厚膜部28bとなる。
次に、挿入膜28を形成する別の方法を説明する。図7(c)に示すように、下部圧電膜14a上に挿入膜の下膜44aを形成する。図7(d)に示すように、下膜44aのうち薄膜部となる領域45aを除去する。図7(e)に示すように、下膜44aおよび下部圧電膜14a上に、上膜44bを形成する。下膜44aと上膜44bとから挿入膜28となる膜44が形成される。領域45aが薄膜部28aとなり、領域45aが厚膜部28となる。その他の挿入膜の形成方法は実施例1と同じであり説明を省略する。
図7(a)から図7(e)のように、共振領域50の外側には薄膜部を設けなくてもよい。
実施例2について、実施例1の図4(a)から図4(d)と同様に、シミュレーションを行なった。図8(a)から図8(d)は、実施例2および比較例2における幅Wに対するそれぞれ共振点のQ値Qr、反共振点のQ値Qa、実効的電気機械結合係数Keff、およびFOMのシミュレーション結果を示す図である。比較例2では、挿入膜28が厚膜部28bを含まず。挿入膜28は、全て薄膜部28aとしている。
図8(a)から図8(d)に示すように、厚膜部28bを設けることにより、実効的電気機械結合係数は若干低下するものの、共振点および反共振点のQ値、並びにFOMが向上する。このように、外周領域52に厚膜部28bを設けることにより、Q値およびFOMを向上できる。
厚膜部28bの好ましい材料を調べるため、中央領域54に挿入膜28が形成されていない比較例3について、シミュレーションを行なった。図9(a)は、比較例3に係る圧電薄膜共振器の平面図、図9(b)は、挿入膜の平面図、図9(c)および図9(d)は、図9(a)のA−A断面図である。
図9(a)から図9(d)に示すように、中央領域54に挿入膜28が形成されていない。挿入膜28に厚膜部28bが形成されておらず、同じ膜厚である。その他の構成は、実施例2の図5(a)から図5(d)と同じであり説明を省略する。
比較例3について、挿入膜28の材料を変え、反共振点のQ値について有限要素法を用いシミュレーションした。有限要素法は、図9(c)のような断面の2次元解析により行なった。積層膜18の各膜厚および材料は以下である。
下部電極12の下層12aはCr膜であり、下層12aの膜厚は100nmである。下部電極12の上層12bはRu膜であり、上層12bの膜厚は250nmである。圧電膜14はAlN膜であり、圧電膜14の膜厚は1100nmである。下部圧電膜14aおよび上部圧電膜14bの膜厚はそれぞれ550nmである。上部電極16の下層16aはRu膜であり、下層16aの膜厚は250nm、上部電極16の上層16bはCr膜であり、上層16bの膜厚は50nmである。周波数調整膜24は酸化シリコン膜であり、周波数調整膜24の膜厚は50nmである。挿入膜28の膜厚を150nmのとし、共振領域50と挿入膜28との重なる幅Wを2μmとした。挿入膜28は、圧電膜14の膜厚方向の中間位置に設けられているとした。
図10(a)は、ヤング率に対する反共振点のQ値、図10(b)は、ヤング率に対する実効的電気機械結合係数keffを示す図である。比較例3は、挿入膜28を設けない共振器に対応する。挿入膜28の材料として、Al、SiO、Ti、Cr,AlN、RuおよびWについて計算した。
図10(a)を参照し、ヤング率が小さい材料を挿入膜28とすることにより反共振点のQ値が高くなる。ヤング率がAlNより小さくなると、Q値が比較例3より高くなる。これは、外周領域52の挿入膜28が弾性波のエネルギーが共振領域50の外に漏れることを抑制する。
図10(b)を参照し、実効的電気機械結合係数keffは、挿入膜28を金属とすると高くなる。挿入膜28を金属とすることにより共振領域50における弾性波の電界分布が揃うためと推測される。
実施例1および2によれば、挿入膜28は、共振領域50内の圧電膜14中に挿入され、共振領域50内の外周領域52が共振領域50の中央領域54より厚い。共振領域50内の圧電膜14内に挿入膜28を挿入すると共振特性の温度変化を抑制できる。しかしながら、圧電膜14内に圧電膜でない膜を挿入するため、Q値等の共振特性が劣化する。そこで、外周領域52の挿入膜28を厚くする。これにより、共振領域50内の弾性波が共振領域50外に漏洩することを抑制できる。よって、Q値およびFOM等の共振特性を向上できる。
中央領域54内の挿入膜28の弾性定数の温度係数は圧電膜14の弾性定数の温度係数とは逆符号であることが好ましい。これにより、共振特性の温度係数を0に近づけることができる。中央領域54の挿入膜28(薄膜部28a)のは、共振特性の温度特性が抑制できるように設定することができる。
また、外周領域52内の挿入膜28(厚膜部28b)は、圧電膜14のヤング率より小さい膜を含むことが好ましい。これにより、図4(a)から図4(d)および図8(a)から図8(d)のように、弾性波が共振領域50外に漏洩することを抑制し、共振特性の低下を抑制することができる。
図10(a)のように、圧電膜14よりヤング率の小さい膜としては、Al、SiO、Ti、Cr,AlN、RuおよびWが好ましい。この膜のヤング率は、圧電膜14のヤング率の90%以下がより好ましく、80%以下がより好ましい。
図10(b)のように、実効的電気機械結合係数を向上させるため、ヤング率の小さい膜としては金属膜が好ましい。薄膜部28aと厚膜部28bとの材料を共通化させるためには、挿入膜28は酸化シリコンを主成分とすることが好ましい。挿入膜28には、主成分である酸化シリコン以外に、他の元素が含まれていてもよく、例えば温度特性改善のためフッ素が含まれていてもよい。
共振領域50内における厚膜部28bの幅Wは、共振特性を低下させないため、圧電薄膜共振器の厚み縦振動の弾性波の波長λの2.5倍以下が好ましく、2.0倍以下がより好ましく、1.4倍以下がさらに好ましい。また、幅Wは、波長λの0.3倍以上が好ましい。
共振領域50内における厚膜部28bの膜厚は、共振特性を低下させないため、共振領域50内の中央領域54における積層膜の膜厚の0.2倍以下が好ましく、0.15倍以下がより好ましく、0.1以下がさらに好ましく、0.03以上であることが好ましい。
実施例1のように、挿入膜28は、共振領域50内とその周辺領域56のみに形成されていてもよい。実施例2のように、挿入膜28は、共振領域50内と共振領域50外全体に形成されていてもよい。共振領域50外の挿入膜28の膜厚は薄膜部28aと同じでもよく、厚膜部28bと同じでもよく、薄膜部28aとの厚膜部28bとは異なる膜厚でもよい。共振領域50外に挿入膜28が設けられていなくてもよい。厚膜部28bは、外周領域52の一部に設けられていてもよい。弾性波の共振領域50外への漏洩を抑制するため、外周領域52のほぼ全てに厚膜部28bが設けられていることが好ましい。製造工程簡略化の観点から薄膜部28a内の膜厚は一定であり、厚膜部28b内の膜厚は一定であることが好ましい。薄膜部28a内の膜厚は一定でなくてもよく、厚膜部28b内の膜厚は一定でなくてもよい。
実施例3は、空隙の構成を変えた例である。図11(a)は、実施例3に係る圧電薄膜共振器の断面図、図11(b)は、実施例3の変形例に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図11(a)に示すように、共振領域50の積層膜18はドーム状ではなく、平坦である。基板10の上面に窪みが形成されている。下部電極12は、基板10上に平坦に形成されている。これにより、空隙30が、基板10の窪みに形成されている。空隙30は共振領域50を含むように形成されている。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。空隙30は、基板10を貫通するように形成されていてもよい。なお、下部電極12の下面に絶縁膜が接して形成されていてもよい。すなわち、空隙30は、基板10と下部電極12に接する絶縁膜との間に形成されていてもよい。絶縁膜としては、例えば窒化アルミニウム膜を用いることができる。
図11(b)に示すように、共振領域50の積層膜18はドーム状ではなく、平坦である。共振領域50の下部電極12の圧電膜14とは反対側に音響反射膜31が形成されている。音響反射膜31は、音響インピーダンスの低い膜30aと音響インピーダンスの高い膜30bとが交互に設けられている。膜30aおよび30bの膜厚は例えばそれぞれλ/4(λは弾性波の波長)である。膜30aと膜30bの積層数は任意に設定できる。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
なお、実施例3およびその変形例において、実施例2と同様に共振領域50外に挿入膜28が設けられていてもよい。また、挿入膜28は共振領域50外に設けられていなくてもよい。
実施例1から3のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において空隙30が基板10と下部電極12との間に形成されているFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)でもよい。また、実施例3の変形例のように、圧電薄膜共振器は、共振領域50において下部電極12下に圧電膜14を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜31を備えるSMR(Solidly Mounted Resonator)でもよい。
実施例1から実施例3およびその変形例において、共振領域50が楕円形状の例を説明したが、他の形状でもよい。例えば、共振領域50は、四角形または五角形等の多角形でもよい。
実施例4はデュプレクサの例である。図12は、実施例4に係るデュプレクサの回路図である。図12に示すように、デュプレクサは、送信フィルタ40および受信フィルタ42を備えている。送信フィルタ40は、共通端子Antと送信端子Txとの間に接続されている。受信フィルタ42は、共通端子Antと受信端子Rxとの間に接続されている。共通端子Antとグランドとの間には、整合回路としてインダクタL1が設けられている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。インダクタL1は、送信フィルタ40を通過した送信信号が受信フィルタ42に漏れず共通端子Antから出力されるようにインピーダンスを整合させる。
送信フィルタ40は、ラダー型フィルタである。送信端子Tx(入力端子)と共通端子Ant(出力端子)との間に1または複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。送信端子Txと共通端子Antとの間に1または複数の並列共振器P1からP3が並列に接続されている。並列共振器P1からP3のグランド側は共通にインダクタL2を介し接地されている。直列共振器、並列共振器およびインダクタ等の個数や接続は所望の送信フィルタ特性を得るため適宜変更可能である。直列共振器S1からS4および並列共振器P1からP3の少なくとも1つを実施例1から3および変形例の圧電薄膜共振器とすることができる。
図13(a)は、送信フィルタの平面図および断面図、図13(b)は、図13(a)のA−A断面図である。図14は、挿入膜の平面図である。図13(a)、図13(b)および図14に示すように、実施例2に係る圧電薄膜共振器を同一基板10に形成し、ラダー型フィルタとすることができる。圧電膜14(上部圧電膜および下部圧電膜)に開口36が形成され、挿入膜28に開口37が設けられている。開口36および37を介し下部電極12と電気的に接続することができる。共振領域50の中央領域54には、挿入膜28として薄膜部28aが形成され、外周領域52には、挿入膜28として厚膜部28bが形成されている。その他の構成は、実施例2と同じであり説明を省略する。各共振器S1からS4およびP1からP3の共振領域50の大きさおよび形状は、適宜変更可能である。
受信フィルタ42は、ラダー型フィルタでもよく、多重モードフィルタでもよい。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方をラダー型フィルタまたはラティス型フィルタとすることができる。また、送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方の少なくとも1つの共振器を実施例1から3および変形例の圧電薄膜共振器とすることができる。
フィルタが実施例1から3および変形例の圧電薄膜共振器を含む。これにより、共振器の共振特性の温度変化が抑制でき、フィルタの通過帯域等の周波数特性の温度変化を抑制できる。また、共振器のQ値が向上し、フィルタのスカート特性を向上できる。
また、送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例1から3および変形例の圧電薄膜共振器を含むフィルタとすることができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 下部電極
14 圧電膜
16 上部電極
28 挿入膜
28a 薄膜部
28b 厚膜部
30 空隙
31 音響反射膜
50 共振領域
52 外周領域
54 中央領域
58 切欠き

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた圧電膜と、
    前記圧電膜の少なくとも一部を挟んで対向した下部電極および上部電極と、
    前記圧電膜を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向する共振領域内の前記圧電膜中に挿入され、前記共振領域内の外周領域の少なくとも一部が前記共振領域の中央領域より厚い挿入膜と、
    を具備することを特徴とする圧電薄膜共振器。
  2. 前記中央領域内の前記挿入膜の弾性定数の温度係数は前記圧電膜の弾性定数の温度係数とは逆符号であることを特徴とする請求項1記載の圧電薄膜共振器。
  3. 前記外周領域内の前記挿入膜は、前記圧電膜のヤング率より小さい膜を含むことを特徴とする請求項1または2記載の圧電薄膜共振器。
  4. 前記挿入膜は、酸化シリコンを主成分とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  5. 前記圧電膜は、窒化アルミニウムを主成分とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  6. 前記共振領域において、前記基板と前記下部電極または前記下部電極に接する絶縁膜との間に空隙が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  7. 前記共振領域において、前記下部電極の前記圧電膜とは反対側に前記圧電膜を伝搬する弾性波を反射する音響反射膜を具備することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  8. 請求項1から7のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器を含むことを特徴とするフィルタ。
  9. 送信フィルタと受信フィルタとを具備し、
    前記送信フィルタおよび前記受信フィルタの少なくとも一方が請求項8記載のフィルタであることを特徴とするデュプレクサ。
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