JP7098453B2 - 弾性波共振器、フィルタ並びにマルチプレクサ - Google Patents

弾性波共振器、フィルタ並びにマルチプレクサ Download PDF

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Description

本発明は、弾性波共振器、フィルタ並びにマルチプレクサに関し、例えば単結晶材料の圧電層を有する弾性波共振器、およびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサに関する。
圧電薄膜共振器等の弾性波共振器の圧電層の厚み方向の中央部分に弾性定数の温度係数が圧電層の弾性定数の温度係数と逆符号の温度補償膜を設けることが知られている(例えば特許文献1)。
特開昭58-137317号公報
温度補償膜を設けることで、弾性波振器の共振周波数の温度係数を小さくできる。2つの圧電層の間に温度補償膜等の挿入膜を挿入するためには、下部の圧電層上に挿入膜を形成し、挿入膜上に上部の圧電層を形成する。しかしながら、挿入膜上に圧電層を形成しようとすると、上部の圧電層の圧電性が劣化する。このため、電気機械結合係数が低下してしまう。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、弾性波共振器の特性を向上させることを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた下部電極と、前記下部電極上に設けられ単結晶圧電基板である第1圧電層と、前記第1圧電層上に設けられ単結晶圧電基板である第2圧電層と、を有する圧電層と、前記圧電層の少なくとも一部を挟み前記下部電極と対向する共振領域を形成するように、前記圧電層上に設けられた上部電極と、前記第1圧電層と前記第2圧電層との間の前記共振領域の少なくとも一部に設けられた挿入膜と、前記挿入膜が設けられた領域以外の領域において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に設けられ、前記挿入膜と異なる材料からなる絶縁膜と、を備える弾性波共振器である。
上記構成において、前記第1圧電層と前記第2圧電層とは前記挿入膜および前記絶縁膜とを介し接合され、前記第1圧電層と前記第2圧電層とは接しない構成とすることができる。
上記構成において、前記第1圧電層と前記挿入膜および前記絶縁膜との界面は略平坦であり、前記第2圧電層と前記挿入膜および前記絶縁膜との間の界面は略平坦である構成とすることができる。
本発明は、基板と、前記基板上に設けられた下部電極と、前記下部電極上に設けられ単結晶圧電基板である第1圧電層と、前記第1圧電層上に設けられ単結晶圧電基板である第2圧電層と、を有する圧電層と、前記圧電層の少なくとも一部を挟み前記下部電極と対向する共振領域を形成するように、前記圧電層上に設けられた上部電極と、前記第1圧電層と前記第2圧電層との間の前記共振領域の少なくとも一部に設けられた挿入膜と、備え、前記挿入膜が設けられた領域以外の領域において前記第1圧電層と前記第2圧電層とは直接接合する弾性波共振器である
上記構成において、前記第1圧電層および前記挿入膜と前記第2圧電層との界面は略平坦である構成とすることができる。
上記構成において、前記挿入膜の弾性定数は前記圧電層の弾性定数の温度係数とは逆符号の温度係数を有する構成とすることができる。
上記構成において、前記第1圧電層および前記第2圧電層は、窒化アルミニウム、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムである構成とすることができる。
本発明は、上記弾性波共振器を含むフィルタである。
本発明は、上記フィルタを含むマルチプレクサである。
本発明によれば、弾性波共振器の特性を向上させることができる。
図1(a)は、実施例1に係る弾性波共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。 図2(a)から図2(c)は、実施例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図(その1)である。 図3(a)および図3(b)は、実施例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図(その2)である。 図4(a)から図4(c)は、実施例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図(その3)である。 図5(a)から図5(c)は、実施例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図(その4)である。 図6(a)および図6(b)は、実施例1の変形例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。 図7(a)から図7(c)は、実施例1の変形例2に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。 図8(a)から図8(c)は、実施例1の変形例3に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図(その1)である。 図9(a)および図9(b)は、実施例1の変形例3に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図(その2)である 図10(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図、図10(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。
以下、図面を参照し実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1に係る弾性波共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA-A断面図である。図の左側はラダー型フィルタの直列共振器Sを示し、右側は並列共振器Pを示す。
図1(a)および図1(b)に示すように、基板10上に、下部電極12が設けられている。基板10の上面の窪みにより空隙30が形成されている。基板10上に下部電極12が設けられている。下部電極12が設けられていない領域には絶縁膜24が設けられている。下部電極12および絶縁膜24上に圧電層14aが設けられている。圧電層14a上に挿入膜28が設けられている。挿入膜28が設けられていない領域には絶縁膜26が設けられている。挿入膜28および絶縁膜26上に圧電層14bが設けられている。圧電層14aと14bとは圧電層14を形成する。圧電層14b上に上部電極16が設けられている。並列共振器Pの上部電極16上に質量負荷膜20が設けられている。直列共振器Sには質量負荷膜20は設けられていない。並列共振器Pの質量負荷膜20上および直列共振器Sの上部電極16上に質量負荷膜22が設けられている。
圧電層14の少なくとも一部を挟み下部電極12と上部電極16とが対向する領域は共振領域50である。共振領域50は厚み縦振動モードの弾性波が共振する領域である。空隙30は平面視において共振領域50を含むように設けられている。
挿入膜28は温度補償膜であり、挿入膜28の弾性定数は、圧電層14の弾性定数の温度係数と逆符号の温度係数を有する。これにより、共振周波数等の周波数温度係数(TCF:Temperature Coefficient of Frequency)が小さくなる。よって、弾性波共振器の温度特性が向上する。TCFを小さくする観点から挿入膜28は平面視において共振領域50を完全に含むことが好ましい。
圧電層14aおよび14bのそれぞれの分極方向15aおよび15b(例えば窒化アルミニウムのC軸方向)は略同じ方向であることが好ましい。圧電層14aと14bの材料は同じであることが好ましい。また、圧電層14aと14bとの厚さはほぼ同じであることが好ましい。これにより、挿入膜28の温度補償効果が最も高くなる。圧電層14aおよび14bは各々単結晶基板であり平板状であり、圧電層14aおよび14bの各々の上面および下面はほぼ平面である。下部電極12の厚さと絶縁膜24の厚さはほぼ同じであり、挿入膜28の厚さと絶縁膜26の厚さはほぼ同じである。
質量負荷膜20は並列共振器Pと直列共振器Sの共振周波数を異ならせるための膜であり、共振領域50を含むように設けられている。質量負荷膜22は、共振周波数を微調整するための膜であり、共振領域50の面積に対する共振領域50内の質量負荷膜22の面積により共振器の共振周波数を調整できる。
基板10として、例えばシリコン基板、サファイア基板、スピネル基板、ガラス基板または水晶基板を用いることができる。圧電層14aおよび14bとして、例えば単結晶窒化アルミニウム基板、単結晶タンタル酸リチウム基板または単結晶ニオブ酸リチウム基板を用いることができる。
下部電極12および上部電極16としては、Ru(ルテニウム)、Cr(クロム)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)またはイリジウム(Ir)等の単層膜またはこれらの積層膜を用いることができる。
挿入膜28として、例えば酸化シリコン膜または弗素等の不純物を添加した酸化シリコン膜を用いることができる。絶縁膜26および24として、例えばポリイミド等の樹脂膜を用いることができる。
質量負荷膜20および22として、例えば酸化シリコン膜または窒化シリコン膜等の絶縁膜、下部電極12および上部電極16として例示した金属膜等を用いることができる。
共振周波数が約2.3GHzの場合、圧電層14aおよび14bは、各々例えば厚さが400nmの単結晶窒化アルミニウム層、下部電極12および上部電極16は例えば厚さが145nmのRu膜である。
[実施例1の製造方法]
図2(a)から図5(c)は、実施例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。図2(a)に示すように、単結晶材料の圧電基板を圧電層14aとして準備する。圧電層14aは例えば引き上げ法により成長しスライスした圧電基板である。このため、圧電層14aの上面および下面は略平坦である。分極方向15aは、上向きとしているが、下向きまたは横向き等任意の方向でもよい。
図2(b)に示すように、圧電層14a上に挿入膜28を形成する。挿入膜28は例えばスパッタリング法または真空蒸着法を用い形成し、エッチング法またはリフトオフ法を用いパターニングする。挿入膜28の大きさは共振領域50と同じまたは共振領域50より大きくする。
図2(c)に示すように、圧電層14a上に挿入膜28を囲むように挿入膜28が形成されていない領域に絶縁膜26を形成する。絶縁膜26は例えばポリイミド膜等の樹脂膜である。挿入膜28と絶縁膜26の上面は略平坦であり、挿入膜28と絶縁膜26の厚さは略同じである。絶縁膜26は、例えばスピンコート法により形成し、挿入膜28と絶縁膜26の上面はCMP(Chemical Mechanical Polishing)法等により平坦化する。
図3(a)に示すように、単結晶材料の圧電基板を圧電層14bとして準備する。圧電層14bの上面および下面は略平坦である。圧電層14bの材料は圧電層14aと同じであることが好ましいが異なっていてもよい。圧電層14bの厚さは圧電層14aの厚さと略同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。分極方向15bは、分極方向15aと略同じであることが好ましいが異なっていてもよい。
図3(b)に示すように、圧電層14b上に上部電極16を形成する。上部電極16は例えばスパッタリング法または真空蒸着法を用い形成し、エッチング法またはリフトオフ法を用いパターニングする。上部電極16は共振領域50と共振領域50から上部電極16が引き出される引き出し領域に形成される。
図4(a)に示すように、平板状であり、上面および下面が略平坦な基板10の上面に、窪み36を形成する。窪み36の大きさは共振領域50と同じまたは共振領域50より大きくする。
図4(b)に示すように、窪み36内に犠牲層38を形成する。犠牲層38の上面と基板10の上面は略平坦とする。犠牲層38は例えば酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、ゲルマニウム(Ge)または酸化シリコン等のエッチング液またはエッチングガスに容易に溶解できる材料から選択される。
図4(c)に示すように、基板10上に下部電極12を形成する。下部電極12は例えばスパッタリング法または真空蒸着法を用い形成し、エッチング法またはリフトオフ法を用いパターニングする。下部電極12は共振領域50と共振領域50から下部電極12が引き出される引き出し領域に形成される。基板10上に下部電極12を囲むように下部電極12が形成されていない領域に絶縁膜24を形成する。絶縁膜24は例えばポリイミド膜等の樹脂膜である。下部電極12と絶縁膜24の上面は略平坦であり、下部電極12と絶縁膜24の厚さは略同じである。絶縁膜24は、例えばスピンコート法により形成し、挿入膜28と絶縁膜26の上面はCMP法等により平坦化する。
図5(a)に示すように、図4(c)の下部電極12および絶縁膜24上に図2(c)の圧電層14aの下面を接合する。接合の方法は、例えば下部電極12および絶縁膜24の上面並びに圧電層14aの下面を活性化させ、下部電極12および絶縁膜24の上面と圧電層14aの下面とを常温において直接接合することにより行う。活性化には、イオンビーム、中性ビームまたはプラズマを用いる。
図5(b)に示すように、図5(a)の挿入膜28および絶縁膜26上に図3(b)の圧電層14bの下面を接合する。接合の方法は、図5(a)と同じである。これにより、圧電層14aと14bとから圧電層14が形成される。また、下部電極12と上部電極16が対向する共振領域50が形成される。
図5(c)に示すように、並列共振器Pの上部電極16上に質量負荷膜20を形成する。並列共振器Pの質量負荷膜20上および直列共振器Sの上部電極16上に質量負荷膜22を形成する。
その後、犠牲層38を除去し空隙30を形成することで、図1(a)および図1(b)の弾性波共振器となる。
[実施例1の変形例1]
図6(a)および図6(b)は、実施例1の変形例1に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。図6(a)に示すように、実施例1の図2(b)において、挿入膜28は圧電層14aの上面全体に形成する。
図6(b)に示すように、その後、実施例1と同様の製造工程を行うことで、実施例1の変形例1に係る弾性波共振器となる。実施例1の変形例1のように挿入膜28は圧電層14aの全体に形成することで、図2(c)の絶縁膜26の形成工程を省略できる。
[実施例1の変形例2]
図7(a)から図7(c)は、実施例1の変形例2に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。図7(a)に示すように、実施例1の図2(c)の後に、挿入膜28および絶縁膜26上全面に接合層27を形成する。接合層27は、スパッタリング法または真空蒸着法を用い形成する。接合層27は、例えばチタン、クロムまたはニッケル等の金属膜、または多結晶窒化アルミニウム等の圧電層である。
図7(b)に示すように、その後、実施例1の図3(a)から図5(a)の製造工程を行う。図5(b)と同様に、接合層27の上面に圧電層14bの下面を接合する。接合層27により、挿入膜28および絶縁膜26と圧電層14bとを容易に接合することができる。
図7(c)に示すように、その後、実施例1の図5(c)の製造工程を行うことで、実施例1の変形例2に係る弾性波共振器となる。実施例1の変形例2のように挿入膜28上に接合層27を形成してもよい。
[実施例1の変形例3]
図8(a)から図9(b)は、実施例1の変形例3に係る弾性波共振器の製造方法を示す断面図である。図8(a)に示すように、圧電層14aを準備する。圧電層14aの厚さは挿入膜28の厚さだけ実施例1より厚い。
図8(b)に示すように、圧電層14aの上面の挿入膜28を設ける領域に挿入膜28の厚さに相当する深さの窪み29を形成する。窪み29は例えばドライエッチング法を用い形成する。
図8(c)に示すように、窪み29内に挿入膜28を形成する。挿入膜28の上面と圧電層14aの上面とが略平坦となるようにする。
図9(a)に示すように、その後、実施例1の図3(a)から図5(a)の製造工程を行う。図5(b)と同様に、挿入膜28および圧電層14aの上面に圧電層14bの下面を接合する。図9(b)に示すように、その後、実施例1の図5(c)の製造工程を行うことで、実施例1の変形例3に係る弾性波共振器となる。実施例1の変形例3のように挿入膜28が形成された以外の領域において、圧電層14aと14bとは直接接合されていてもよい。
温度補償膜等の挿入膜28に用いられる材料は例えば酸化シリコンまたは弗素が添加された酸化シリコン膜であり、圧電層14aおよび14bに用いる窒化アルミニウム、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムに比べ音響インピーダンスが低い。このため、圧電層14aと14bとの間の共振領域50の少なくとも一部に挿入膜28を設けると、電気機械結合係数が劣化する。また、挿入膜28上にスパッタリング法等を用い多結晶の圧電層14bを設けると、圧電層14bの配向性が劣化し電気機械結合係数が劣化する。
挿入膜28を圧電層14と上部電極16との間に設けると、圧電層14の配向性は劣化しない。しかし、圧電層14内に挿入膜28を設ける場合に比べ挿入膜28を厚くしないと、同程度の温度補償効果が得られない。これにより、電気機械結合係数が劣化してしまう。
実施例1およびその変形例によれば、圧電層14a(第1圧電層)および圧電層14b(第2圧電層)が単結晶材料からなる。単結晶材料からなる圧電層は圧電性が高い。これにより、弾性波共振器の電気機械結合係数を大きくできる。また、多結晶の圧電層14bと比べ、挿入膜28上の圧電層14bの配向性が劣化しない。これにより、弾性波共振器の電気機械結合係数をより大きくできる。このように、弾性波共振器の特性を向上させることができる。
図2(b)のように、単結晶材料からなる圧電層14aの上面に挿入膜28を形成する。図5(b)のように、挿入膜28が圧電層14a上に形成された状態で、単結晶材料からなる圧電層14b(第2圧電層)の下面を挿入膜28に接合する。図5(a)のように、圧電層14aの下面に下部電極12を形成する。図3(b)のように、圧電層14bの上面に、挿入膜28が共振領域50の少なくとも一部に設けられるように上部電極16を形成する。弾性波共振器をこのように製造することにより、単結晶からなる圧電層14aおよび14bの間に挿入膜28を設けることができる。また、スパッタリング法等を用い挿入膜28上に圧電層14bを形成しないため、圧電層14bの圧電性が劣化することを抑制できる。よって、弾性波共振器の電気機械結合係数を向上できる。
図2(c)のように、圧電層14aの上面の挿入膜28が設けられた領域以外の領域に挿入膜28と異なる材料からなる絶縁膜26を形成する。図5(b)のように、圧電層14aと14bとは挿入膜28および絶縁膜26とを介し接合され、圧電層14aと14bとは接しない。これにより、平板状の圧電層14aおよび14bの間に挿入膜28を形成できる。
圧電層14bと挿入膜28および絶縁膜26との接合(特に常温における接合)は、接合面が平坦でないと難しい。そこで、圧電層14aと挿入膜28および絶縁膜26との界面を略平坦とし、圧電層14bと挿入膜28および絶縁膜26との間の界面を略平坦とする。これにより、圧電層14bと挿入膜28および絶縁膜26とを容易に接合できる。なお、略平坦とは、例えば接合が容易な程度に平坦を意味する。
図9(a)のように、挿入膜28が設けられた領域以外の領域において圧電層14aと14bとが直接接合するように圧電層14bの下面を挿入膜28に接合する。これにより、絶縁膜26を形成する工程を省略できる。なお、圧電層14aと14bとを直接接合すると、圧電層14aと14bとの間に10nm以下のアモルファス層が形成されることがあるが、圧電層14aおよび14bの厚さ数100nmより十分薄く、実質的には直接接合されている。
圧電層14aおよび挿入膜28と圧電層14bとの界面を略平坦とする。これにより、圧電層14aおよび挿入膜28と圧電層14bとを容易に接合できる。
圧電層14aおよび圧電層14bをスパッタリング法等を用い形成すると、圧電層14aおよび14bは連続した柱状の構造となる。この場合、圧電層14aと14bとが接していると、圧電層14aと14bとを跨いでクラックが形成される。圧電層14aと14bとを図9(a)のように直接接合した場合、圧電層14aと14bとを跨いでクラックが形成されることを抑制できる。
実施例1およびその変形例において、挿入膜28として弾性波共振器の温度特性を改善するための温度補償膜を例に説明したが、挿入膜28は、共振領域50の中央領域に設けられず、共振領域50の外周に沿って中央領域を囲むように設けられていてもよい。これにより、中央領域から共振領域50外へ弾性波が漏洩することを抑制できる。このように、挿入膜28は共振領域50の少なくとも一部に設けられていればよい。
圧電層14aおよび14b内の弾性波を反射する音響反射層として空隙30を例に説明したが、空隙の代わりに音響インピーダンスの異なる膜が積層された音響反射膜を用いてもよい。共振領域50の平面形状として楕円形状を例に説明したが、四角形状または五角形状等の多角形状でもよい。
実施例2は、実施例1およびその変形例の弾性波共振器を用いたフィルタおよびデュプレクサの例である。図10(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図である。図10(a)に示すように、入力端子T1と出力端子T2との間に、1または複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。入力端子T1と出力端子T2との間に、1または複数の並列共振器P1からP3が並列に接続されている。1または複数の直列共振器S1からS4および1または複数の並列共振器P1からP3の少なくとも1つの共振器に実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器を用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数等は適宜設定できる。
図10(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。図10(b)に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例2のフィルタとすることができる。
マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したがトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 下部電極
14、14a、14b 圧電層
16 上部電極
20、22 質量負荷膜
24、26 絶縁膜
28 挿入膜
30 空隙
38 犠牲層
40 送信フィルタ
42 受信フィルタ
50 共振領域

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられた下部電極と、
    前記下部電極上に設けられ単結晶圧電基板である第1圧電層と、前記第1圧電層上に設けられ単結晶圧電基板である第2圧電層と、を有する圧電層と、
    前記圧電層の少なくとも一部を挟み前記下部電極と対向する共振領域を形成するように、前記圧電層上に設けられた上部電極と、
    前記第1圧電層と前記第2圧電層との間の前記共振領域の少なくとも一部に設けられた挿入膜と、
    前記挿入膜が設けられた領域以外の領域において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に設けられ、前記挿入膜と異なる材料からなる絶縁膜と、
    を備える弾性波共振器。
  2. 前記第1圧電層と前記第2圧電層とは前記挿入膜および前記絶縁膜とを介し接合され、前記第1圧電層と前記第2圧電層とは接しない請求項に記載の弾性波共振器。
  3. 前記第1圧電層と前記挿入膜および前記絶縁膜との界面は略平坦であり、前記第2圧電層と前記挿入膜および前記絶縁膜との間の界面は略平坦である請求項に記載の弾性波共振器。
  4. 基板と、
    前記基板上に設けられた下部電極と、
    前記下部電極上に設けられ単結晶圧電基板である第1圧電層と、前記第1圧電層上に設けられ単結晶圧電基板である第2圧電層と、を有する圧電層と、
    前記圧電層の少なくとも一部を挟み前記下部電極と対向する共振領域を形成するように、前記圧電層上に設けられた上部電極と、
    前記第1圧電層と前記第2圧電層との間の前記共振領域の少なくとも一部に設けられた挿入膜と、
    を備え、
    前記挿入膜が設けられた領域以外の領域において前記第1圧電層と前記第2圧電層とは直接接合する弾性波共振器
  5. 前記第1圧電層および前記挿入膜と前記第2圧電層との界面は略平坦である請求項に記載の弾性波共振器。
  6. 前記挿入膜の弾性定数は前記圧電層の弾性定数の温度係数とは逆符号の温度係数を有する請求項1からのいずれか一項に記載の弾性波共振器。
  7. 前記第1圧電層および前記第2圧電層は、窒化アルミニウム、タンタル酸リチウムまたはニオブ酸リチウムである請求項1からのいずれか一項に記載の弾性波共振器。
  8. 請求項1からのいずれか一項に記載の弾性波共振器を含むフィルタ。
  9. 請求項に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
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