JP7340349B2 - 圧電薄膜共振器およびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサ - Google Patents
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Description
図3(a)から図5(b)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図である。図3(a)に示すように、平坦主面を有する基板10上に空隙を形成するための犠牲層38を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い形成する。犠牲層38の膜厚は、例えば10nm~100nmであり、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、ゲルマニウム(Ge)または酸化シリコン(SiO2)等のエッチング液またはエッチングガスに容易に溶解できる材料から選択される。その後、犠牲層38を、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。犠牲層38の形状は、空隙30の平面形状に相当する形状であり、例えば共振領域50となる領域を含む。次に、犠牲層38および基板10上に下部電極12を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い形成する。その後、下部電極12を、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。下部電極12は、リフトオフ法により形成してもよい。
実施例1に係る圧電薄膜共振器を作製した。作製条件は以下である。
基板10:シリコン基板
下部電極12:基板10側から厚さ70nmのクロム膜および厚さ140nmのルテニウム膜
下部圧電膜14a:厚さが400nmの窒化アルニウム膜
挿入膜28a:厚さが90nmの酸化シリコン膜
挿入膜28b:厚さが80nmの酸化シリコン膜
上部圧電膜14b:厚さが400nmの窒化アルミニウム膜
上部電極16:圧電膜14側から厚さが130nmのルテニウム膜および厚さが60nmのクロム膜
保護膜24:厚さが70nmの酸化シリコン膜
ルテニウム膜とクロム膜との間に厚さが80nmのチタン膜を設けた。チタン膜はラダー型フィルタにおける並列共振器に設ける質量付加膜に相当する。
共振領域50の面積:20000μm2
挿入膜28aの幅W1:2μm
挿入膜28aの幅W2:3μm
挿入膜28aのヤング率を変えQ値を2次元有限要素法を用いシミュレーションした。図7は、シミュレーションに用いた圧電薄膜共振器の断面図である。図7に示すように、下部電極12は下層12aおよび上層12bを用いた。下部圧電膜14aと上部圧電膜14bとの間に挿入膜28aが設けられている。挿入膜28bは設けられていない。共振領域50の中心51は鏡面条件とした。共振領域50の幅をD1、共振領域50内の挿入膜28aの幅をD2とした。
下層12a:厚さが100nmのクロム膜
上層12b:厚さが200nmのルテニウム膜
下部圧電膜14a:厚さが600nmの窒化アルミニウム膜
挿入膜28a:厚さが100nmの酸化シリコン膜
上部圧電膜14b:厚さが600nmの窒化アルミニウム膜
上部電極16:厚さが200nmのルテニウム膜
共振領域50の幅D1:40μm
挿入膜28aの幅D2:3μm
挿入膜28aはヤング率以外は酸化シリコン膜の物性を用いた。
図8(a)は、実施例1の変形例1に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図8(a)に示すように、挿入膜28bが上部電極16に挿入されている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
図8(b)は、実施例1の変形例2に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図8(b)に示すように、挿入膜28bが下部電極12に挿入されている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
図9(a)は、実施例1の変形例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図9(a)に示すように、基板10と空隙30との間に保護膜26が設けられている。保護膜26は、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化アルミニウム膜等の絶縁膜である。保護膜26は、例えば挿入損失の低減または2次高調波低減のための膜である。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
図9(b)は、実施例1の変形例4に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図9(b)に示すように、基板10の上面に窪みが形成されている。下部電極12は、基板10上に平坦に形成されている。これにより、空隙30が、基板10の窪みに形成されている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
図10(a)は、実施例1の変形例5に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図10(a)に示すように、基板10上に開口を有する下地層29が設けられている。下部電極12は、下地層29上に平坦に形成されている。これにより、空隙30が、下地層29の開口に形成されている。下地層29は、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化アルミニウム膜等の絶縁膜である。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
図10(b)は、実施例1の変形例6に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図10(b)に示すように、共振領域50の下部電極12下に音響反射膜31が形成されている。音響反射膜31は、音響インピーダンスの低い膜31aと音響インピーダンスの高い膜31bとが交互に設けられている。膜31aおよび31bの膜厚は例えばそれぞれほぼλ/4(λは弾性波の波長)である。膜31aと膜31bの積層数は任意に設定できる。音響反射膜31は、音響特性の異なる少なくとも2種類の層が間隔をあけて積層されていればよい。また、基板10が音響反射膜31の音響特性の異なる少なくとも2種類の層のうちの1層であってもよい。例えば、音響反射膜31は、基板10中に音響インピーダンスの異なる膜が一層設けられている構成でもよい。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
12 下部電極
14 圧電膜
14a 下部圧電膜
14b 上部圧電膜
16 上部電極
18 積層膜
24、26 保護膜
28a、28b 挿入膜
30 空隙
31 音響反射膜
40 送信フィルタ
42 受信フィルタ
50 共振領域
Claims (10)
- 基板と、
前記基板上に設けられた下部電極と、
前記下部電極上に設けられ、窒化アルミニウムを主成分とする圧電膜と、
前記圧電膜上に設けられ、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と対向する上部電極と、
前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向する共振領域の中央領域に設けられておらず、前記中央領域を囲む少なくとも一部の領域において前記共振領域の外周に沿って前記中央領域を囲むように、前記下部電極と前記上部電極との間に挿入され、前記圧電膜のヤング率より低いヤング率を有し、酸化シリコンを主成分とする第1挿入膜と、
前記中央領域および前記第1挿入膜が設けられた領域における前記下部電極、前記圧電膜および前記上部電極からなる積層膜内に挿入され、前記圧電膜の弾性定数の温度係数の符号と逆の温度係数の符号を有し、前記第1挿入膜のヤング率より高いヤング率を有し、酸化シリコンを主成分とし、前記第1挿入膜のアルゴン濃度より低いアルゴン濃度を有する第2挿入膜と、
を備える圧電薄膜共振器。 - 前記第2挿入膜のFTIRスペクトルにおけるSi-O結合のピークの半値幅は、前記第1挿入膜のFTIRスペクトルにおけるSi-O結合のピークの半値幅より小さい請求項1に記載の圧電薄膜共振器。
- TEM観察において、前記第2挿入膜は前記第1挿入膜に比べ明るさが均一である請求項1または2に記載の圧電薄膜共振器。
- 前記第1挿入膜と前記第2挿入膜とは接する請求項1から3のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
- 前記圧電膜は前記下部電極上に設けられた下部圧電膜と前記下部圧電膜上に設けられた上部圧電膜を有し、
前記第1挿入膜は前記下部圧電膜と前記上部圧電膜との間に挿入されている請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。 - 前記第2挿入膜は、前記下部圧電膜と前記上部圧電膜との間に挿入されている請求項5に記載の圧電薄膜共振器。
- 前記第2挿入膜は前記共振領域の全てに設けられている請求項1から6のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載の圧電薄膜共振器を含むフィルタ。
- 請求項8に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
- 基板上に下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上に窒化アルミニウムを主成分とする圧電膜を形成する工程と、
前記圧電膜上に、前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と対向する上部電極を形成する工程と、
前記圧電膜の少なくとも一部を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向する共振領域の中央領域に設けられておらず、前記中央領域を囲む少なくとも一部の領域において前記共振領域の外周に沿って前記中央領域を囲むように、前記下部電極と前記上部電極との間に、前記圧電膜のヤング率より低いヤング率を有し、酸化シリコンを主成分とする第1挿入膜をスパッタリング法を用い形成する工程と、
前記中央領域の前記下部電極、前記圧電膜および前記上部電極からなる積層膜内に、前記圧電膜の弾性定数の温度係数の符号と逆の温度係数の符号を有し、前記第1挿入膜のヤング率より高いヤング率を有し、酸化シリコンを主成分とし、前記第1挿入膜のアルゴン濃度より低いアルゴン濃度を有する第2挿入膜をCVD法を用い形成する工程と、
を含む圧電薄膜共振器の製造方法。
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