JP2015129936A - 偏光子、偏光子の製造方法、偏光子を含む偏光板、及び偏光板を含む光学表示装置 - Google Patents

偏光子、偏光子の製造方法、偏光子を含む偏光板、及び偏光板を含む光学表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光子、偏光子の製造方法、偏光子を含む偏光板、及び偏光板を含む光学表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の偏光子は、下記数式1による明暗比差(ΔCR)が10以下である。
【数1】
ΔCR=CRmax―CRmin(数式1)
(前記数式1で、CRmaxは厚さ方向基準明暗比の最大値で、CRminは厚さ方向基準明暗比の最小値である。)
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光子、偏光子の製造方法、偏光子を含む偏光板、及び偏光板を含む光学表示装置に関する。
近年、光学表示装置の薄型化に力を注いでいる。このために、パネル自体の厚さを減らすと同時に、偏光板の薄型化が要求されている。偏光板の厚さが薄くなるほど、低費用、高効率の面で有利になる。
これに関して、日本特許公開2000−338329号公報は、熱可塑性樹脂フィルムの一面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成し、2倍ないし5倍以上延伸するステップを含む偏光板の製造方法を開示している。
特開2000−338329号公報
しかし、保護フィルムとしてトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを使用していたが、TACフィルムの薄型化またはTACの置き換えによる偏光板の性能向上には限界がある。また、偏光度は偏光板の偏光子(polarizer)に依存する。したがって、偏光子の厚さ方向において偏光子の一面と他の一面との間の明暗比に大きな差が出る場合、偏光子の偏光度、透過率が均一にならないという問題点が生じ得る。また、染着(dyeing)が不均一になり染着ムラの問題も生じ得る。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、厚さ方向におけるニ色性物質(dichroic material)の染着が均一な偏光子を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、下記数式1による明暗比差(ΔCR)が10以下である偏光子が提供される。
Figure 2015129936
(前記数式1で、CRmaxは厚さ方向における明暗比の最大値で、CRminは厚さ方向における明暗比の最小値である。)
前記偏光子は、厚さが3μm〜15μmであることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ポリビニルアルコール系フィルムを染着し、染色した前記ポリビニルアルコール系フィルムの下部面に基材フィルムを合わせて積層体を製造し、前記積層体を延伸することを含む偏光子の製造方法が提供される。
前記染着は、前記ポリビニルアルコール系フィルムを染着溶液で染着するステップを含み、前記染着溶液中のニ色性物質の濃度は、1.0mM〜2.0mMであってもよい。
前記基材フィルムは、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリイミド系樹脂のうちの少なくとも一つで形成されてもよい。
前記積層体は、前記ポリビニルアルコール系フィルムと前記基材フィルムとの間にプライマー層をさらに含んでもよい。
前記プライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂およびアクリル系樹脂のうちの一つ以上を含んでもよい。
前記ポリビニルアルコール系フィルムは、下記数式2を満たしてもよい。
Figure 2015129936
(前記数式2で、Lは染着した後の前記ポリビニルアルコール系フィルムの長さで、Lは当初の前記ポリビニルアルコール系フィルムの長さである。)
また、上記課題を解決するために、本発明のさらなる別の観点によれば、偏光板は、前記偏光子を含んでもよく、偏光板は、前記偏光子の少なくとも一面に形成された光学フィルム又はコーティング層を含んでもよい。
前記偏光板は、偏光度が99.9%以上で、透過率が42.4%以上であってもよい。
前記偏光板は、偏光度偏差が0.01以下であってもよい。
前記偏光板は、透過率偏差が0.1以下であってもよい。
前記光学フィルムと前記偏光子の間には、UV硬化型接着剤からなる接着層がさらに形成されていてもよい。
前記UV硬化型接着剤は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂およびアクリル系樹脂のうちの一つ以上を含んでもよい。
前記UV硬化型接着剤は、(A)エポキシ系化合物;(B)(メタ)アクリル系化合物;(C)一つ以上のエポキシ基を含むアルコキシシラン化合物;および(D)一つ以上の(メタ)アクリレート基を含むアルコキシシラン化合物を含んでもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明のさらなる別の観点によれば、光学表示装置は、前記偏光板を含んでもよい。
以上説明したように本発明によれば、厚さ方向におけるニ色性物質の染着が均一な偏光子を提供する。
本発明の一実施例の偏光子および偏光子の厚さ方向におけるニ色性物質の染着の程度の模式図である。 本発明の一実施例の偏光子の製造方法の模式図である。 本発明の一実施例の偏光板の断面図である。 本発明の他の実施例の偏光板の断面図である。 実施例1ないし3にかかる明暗比のグラフである。図5において、x軸は偏光子の一面から偏光子の他の一面までの距離、y軸は明暗比である。 比較例1ないし3にかかる明暗比のグラフである。図6において、x軸は偏光子の一面から偏光子の他の一面までの距離、y軸は明暗比である。 透過率偏差、偏光度偏差の測定のためのサンプルの概念図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略している。本明細書において「上部」と「下部」は、図面を基準に定義したものであり、見方によって「上部」が「下部」に、「下部」が「上部」に変更される場合がある。
以下、本発明の一実施例の偏光子を説明する。
本発明の一実施例の偏光子は、偏光子の厚さ方向における偏光子の一面から偏光子の他の一面に行くほどニ色性物質の染着が均一になり得る。ニ色性物質は、相互直交する光中の一つの成分だけを選択して吸収し偏光を示す物質のため、偏光子の厚さ方向においてニ色性物質が均一に染着されることにより、偏光度の均一性が確保できる。前記の「均一」とは、偏光子の厚さを所定間隔で細分化した際、細分化された一つの厚さ層について測定されたニ色性物質の染着の程度と隣り合う一つの厚さ層について測定されたニ色性物質の染着の程度が実質的に同一であることを意味する。前記の「実質的に同一」とは、完全に同一な場合だけでなく、若干の誤差を含む同一も含む。
図1は、本発明の一実施例の偏光子および偏光子の厚さ方向においてニ色性物質の染着の程度の模式図である。図1を参照すると、本発明の一実施例の偏光子100は、厚さT方向に沿って一面110から他の一面120までニ色性物質の染着が均一になり得る。
偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムにニ色性物質を染着させて製造され、ポリビニルアルコール系フィルムにニ色性物質を染着させる際において、染着の均一度は明暗比で確認することができる。偏光子が厚さ方向における偏光を同一程度に通過させることができるようにするためには、厚さ方向における明暗比が最小化されることが好ましい。
本発明の偏光子は、厚さ方向におけるニ色性物質が均一に染着されることにより、下記数式1による明暗比差(ΔCR)が15以下になり得る。
Figure 2015129936
(前記数式1で、CRmaxは厚さ方向における明暗比の最大値で、CRminは厚さ方向における明暗比の最小値である。)
前記明暗比差において、本発明の偏光子は偏光度と透過率が均一になり得る。具体的に、前記数式1による明暗比差(ΔCR)は、10以下になり得る。前記範囲で薄膜PVAにおける偏光度を向上させることができる効果がある。例えば、0.1ないし10になり得る。具体例においては、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5および10になり得る。
具体例において、前記明暗比は、厚さ方向に沿って偏光子を所定範囲の間隔で分けた後、光学顕微鏡(Olympus BX51)、I―Solutionプログラムを使用して測定し、明暗比の差は測定された明暗比のうち最大値と最小値の差によって計算できる。
具体例において、前記ニ色性物質はヨウ素(I)およびニ色性染料のうちの一つ以上を含んでもよい。具体例において、前記ニ色性染料は、トリアジン基等の官能基(functional group)を有する青色、赤色、黄色および黒色の染料等を含んでもよい。
前記偏光子は、ヨウ化物をさらに含んでもよい。前記ヨウ化物は、ポリビニルアルコール系フィルムに補色効果を提供し、偏光度をより均一化させることができる。前記ヨウ化物は、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウムおよびヨウ化チタニウム等を含んでもよい。これらは、単独または2種以上を含んでもよい。
偏光子中のヨウ化物の濃度は、2重量%ないし5重量%含んでもよい。前記範囲で偏光子の耐久性が良くなり得る。例えば、3重量%ないし4重量%含んでもよい。具体例においては、2、3、4、および5重量%含んでもよい。
偏光子は、厚さが1μmないし20μmでもよい。前記範囲で、光学表示装置用途として使用でき、薄型の偏光子として使用できる。例えば、3μmないし15μmになり得る。具体例においては、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20μmでもよい。
本発明の偏光子の製造方法は、ポリビニルアルコール系フィルムを染着し、染色した前記ポリビニルアルコール系フィルムの一面に基材フィルムを合わせて積層体を製造し、前記積層体を延伸するステップを含んでもよい。
図2は、本発明の一実施例の偏光子の製造方法の模式図である。前記図2を参照すると、本発明の一実施例の偏光子の製造方法は、ポリビニルアルコール系フィルム200を染着槽50Aに浸漬させてポリビニルアルコール系フィルム200を染着させるステップを含んでもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムは、商用の製品を使用することもでき、或いはポリビニルアルコール系樹脂を溶剤に溶かしたポリビニルアルコール系樹脂溶液を溶媒キャスティング(casting)法、或いは溶融押出法処理して製造されたフィルムを使用することもできる。ポリビニルアルコール系樹脂は、重合度が1,000以上、例えば、1,000ないし10,000でもよい。前記範囲で、均一に染色された偏光子を得られるという効果を具現できる。前記ポリビニルアルコール系樹脂は、ケン化(saponification)度が98mol%以上、例えば、98mol%ないし100mol%になり得る。前記範囲で、均一に染色された偏光子を得られるという効果を具現できる。
前記ポリビニルアルコール系フィルムは、厚さが1μmないし50μmでもよい。前記範囲で、ディスプレイの厚さを最小化させることができる。例えば、5μmないし35μmでもよい。
染着は、ポリビニルアルコール系フィルムをニ色性物質で染色し、ポリビニルアルコール系フィルムに偏光性を提供する。本発明の一実施例の製造方法では、ポリビニルアルコール系フィルムを染着させるため、既存のポリビニルアルコール系フィルムと基材フィルムの積層体を染着させるのに比べて、ポリビニルアルコール系フィルムの厚さ方向においてニ色性物質が均一に染着されるようになることにより、偏光子の偏光度を均一にし、明暗比差を最小化することができる。また、染着槽の1時間当たりのニ色性物質減少量を減らしながらも偏光度が高い偏光子を製造することができる。前記の「染着槽の1時間当たりのニ色性物質減少量」とは、ポリビニルアルコール系フィルムが染着槽を通過する際、染着槽の1時間当りに減少したニ色性物質の含量を意味するものであり、染着槽の1時間当りのニ色性物質減少量は、0g/hr超過40g/hr以下、例えば、1g/hrないし40g/hrでもよい。
染着槽は、ニ色性物質と、脱イオン水または水溶性有機溶媒を含む染着溶液を含んでもよい。前記染着溶液中のニ色性物質の濃度は1.0mMないし2.0mMでもよい。前記範囲で、偏光度効果があり得る。前記mMは、モル濃度の単位であり、モル濃度は溶液1Lに溶けている溶質であるニ色性物質のモル数で表す濃度であって10−3mol/Lで表示することができる。具体例において、前記染着溶液中のニ色性物質の濃度は、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9および2.0mMでもよい。
染着槽は、ニ色性物質の染着効率を高めるためにヨウ化物をさらに含んでもよい。ヨウ化物は、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウムおよびヨウ化チタニウムから単独または2種以上を使用することができる。前記のニ色性物質およびヨウ素含有化合物は、1:1ないし1:10の重量比で混合できる。前記範囲で染着が上手く行われる効果が得られる。
染着槽は、架橋剤をさらに含んでもよい。前記架橋剤は、ニ色性物質、特にヨウ素とポリビニルアルコールの架橋を高めるために含まれてもよい。具体例において、前記架橋剤としては、ホウ酸、ホウ酸ナトリウムのようなホウ素化合物、グリオキサールおよびグルタルアルデヒドの1種以上を含んでもよい。
染着槽の温度は5℃ないし40℃、ポリビニルアルコール系フィルムの染着槽浸漬時間は1分ないし5分が好ましい。前記範囲で、染着効果が得られる。
図2で示してはいないが、ポリビニルアルコール系フィルム200は、染着前に、水洗いおよび膨潤ステップを経てもよい。
水洗いは、ポリビニルアルコール系フィルムに付いている異物等を除去するための工程で、水洗い溶媒は、水、蒸留水、イオン交換水等を含んでもよい。
膨潤は、染着工程がスムーズに行われるように、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させる工程で、水または塩化物、ホウ酸、無機酸、有機溶媒等が含まれた膨潤槽にポリビニルアルコール系フィルムを浸漬させるステップを含んでもよい。膨潤槽は、20℃ないし45℃の温度に保ち、ポリビニルアルコール系フィルムの膨潤槽浸漬時間は180秒以下、例えば、1秒ないし90秒が好ましい。前記範囲においては、ポリビニルアルコール系フィルムが過度に膨潤して飽和状態になることを防ぐことができ、ポリビニルアルコール系フィルムの塩化によるフィルムの破断を防ぐことができ、染着ステップでヨウ素の吸着が均一になって偏光度を高めることができる。
膨潤工程および染着工程は、ポリビニルアルコール系フィルムの延伸が一緒に行われてもよい。延伸比は、最初のポリビニルアルコール系フィルムの長さに対して、1.5倍ないし3倍になり得る。
具体例において、染着後のポリビニルアルコール系フィルムは、下記数式2を満たすことができる。
Figure 2015129936
(前記数式2で、Lは染着した後のポリビニルアルコール系フィルムの長さで、Lは当初のポリビニルアルコール系フィルムの長さである。)
つまり、染着工程までのポリビニルアルコール系フィルムの長さLは、最初のポリビニルアルコール系フィルムの長さLに対して3倍以下でもよい。例えば、2倍ないし3倍になり得る。
図2を参照すると、染着槽50Aを通過して染着されたポリビニルアルコール系フィルム210の一面に基材フィルム300を合わせて、染着されたポリビニルアルコール系フィルム210と基材フィルム300の積層体250を製造するステップを含んでもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムだけを延伸する場合、フィルムが破断し易くなり、特に、薄型のポリビニルアルコール系フィルムを延伸する場合は、フィルム破断可能性が高くなる。よって、ポリビニルアルコール系フィルムと基材フィルムの積層体を同時に延伸させなければならない。既存の方法では、ポリビニルアルコール系フィルムと基材フィルムの積層体を染着および延伸させていた。
しかし、本発明の一実施例の製造方法は、ポリビニルアルコール系フィルムを染着させた後に基材フィルムを合わせることにより、ポリビニルアルコール系フィルムにニ色性物質が均一に染着されるようにすることができ、ポリビニルアルコール系フィルムに偏光性を付与するための染着槽の1時間当りのニ色性物質減少量を減らすことができる。また、その後の延伸過程で、ポリビニルアルコール系フィルムに作用する張力によってポリビニルアルコール系フィルムの破断を防止することができるため、薄型のポリビニルアルコール系フィルムを使用して薄型の偏光子を製造することができる。
基材フィルムは、延伸工程後に積層体から剥離することもでき、又は延伸工程後にも剥離せず偏光子に接着した状態で偏光子の保護フィルムとして使用してもよい。
基材フィルムは、透明性、機械的強度、熱安定性、延長性等に優れた熱可塑性フィルムであれば制限がない。本発明の一具体例において、前記基材フィルムは、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリイミド系樹脂の一つ以上で形成されたフィルムでもよい。例えば、ポリプロピレン系樹脂を含むポリオレフィン系樹脂フィルムでもよい。
一具体例において、前記基材フィルムは、単一層フィルムでもよい。他の具体例において、前記基材フィルムは、透明性、機械的強度、熱安定性、延長性のために2層以上の多重層フィルムでもよい。基材フィルムは、厚さが10μmないし500μmでもよい。前記範囲で、延伸槽で破断することなく、ポリビニルアルコール系フィルムの延伸効果を得ることができる。例えば、20μmないし100μmでもよい。具体例において、前記基材フィルムの厚さは、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、200、250、300、350、400、450および500μmになり得る。
具体例において、前記基材フィルムは、基材フィルムの一面にプライマー(primer)層が形成され、ポリビニルアルコール系フィルムと基材フィルム間の密着性を高めることができる。前記プライマー層は、染着されたポリビニルアルコール系フィルムが基材フィルムによく付くようにすることにより、基材フィルムとポリビニルアルコール系フィルムが分離することなく延伸槽を経ることができるようにする。
前記プライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂誘導体、アクリル系樹脂等のプライマー樹脂(例:GOHSEFIMER Z Series)を含み、プライマー樹脂と溶媒を含むプライマー層溶液を基材フィルムの一面に塗布してプライマー層を形成する。プライマー層溶液を基材フィルムにコーティングする方法としては、ワイヤーバーコーティング、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、ダイコーティング法、リップコーティング法、スピンコーティング法およびディップコーティング法等を用いることができる。
具体例において、前記プライマー層が形成された基材フィルムにポリビニルアルコール系フィルムを積層させて積層体を製造することができ、プライマー層とポリビニルアルコール系フィルム間のラミネートを良くするためには積層後に溶媒を蒸発および乾燥させて積層体を形成する。
具体例において、前記プライマー層は、厚さが0.01μmないし5μm、例えば、0.1μmないし3μmでもよい。前記範囲において、基材フィルムがポリビニルアルコール系フィルムに固定されるようにすることができる。
具体例において、前記基材フィルムとプライマー層間の密着性を高めるために、基材フィルムの一面にコロナ処理およびプラズマ処理等をさらに行ってもよい。
図2を参照すると、染着されたポリビニルアルコール系フィルム210と基材フィルム300の積層体250を延伸槽50Bで延伸させるステップを含んでもよい。
延伸は、ポリビニルアルコール系フィルムを配向させて偏光性を提供するものである。本発明の一実施例の製造方法は、染着されたポリビニルアルコール系フィルムと基材フィルムの積層体を延伸させるステップを含むため、薄型のポリビニルアルコール系フィルムの延伸でもフィルムが破断することなく所定の延伸比で延伸することができる。
延伸方法は、乾式延伸および湿式延伸が共に可能である。乾式延伸法は、インターロール延伸法(inter―roll stretching method)、圧縮延伸法(compression stretching method)、加熱ロール延伸法(heated roll stretching method)等を用いることができる。湿式延伸は、水または水溶性有機溶媒で延伸処理するものであり、延伸槽の温度は35℃ないし65℃になり得る。
積層体は、架橋剤およびヨウ化物を含む水または水溶性有機溶媒で延伸されることにより、延伸と共に架橋および補色効果を同時に具現することができる。具体例において、前記積層体は、架橋剤1重量%ないし5重量%およびヨウ化物1重量%ないし5重量%を含む水溶液で延伸されてもよい。
延伸工程において、積層体は総延伸比が1.5ないし6.5になるように延伸されてもよい。前記範囲で偏光特性を示し、破断が起きなくなり得る。
図2で示してはいないが、本発明の別の具体例において染着されたポリビニルアルコール系フィルムと基材フィルムの積層体を延伸する前に、前記積層体は架橋槽を通過してもよい。前記架橋槽は、染着されたポリビニルアルコール系フィルム内のニ色性物質を固定させて色補正するものであり、それによって、均一な偏光度を与えることができる。具体例において、前記架橋槽には、架橋剤3.0重量%ないし5.0重量%の水溶液が入っていてもよい。例えば、3.0重量%ないし4.5重量%の水溶液が入っていてもよい。前記架橋槽の温度は、30℃ないし50℃になり得る。
また、図2で示してはいないが、延伸槽を通過した積層体は、補色槽および/または架橋槽をさらに通過してもよい。前記架橋槽には、架橋剤3.0重量%ないし5.0重量%の水溶液が入っていてもよい。例えば、3.0重量%ないし4.5重量%の水溶液が入っていてもよい。前記補色槽は、ヨウ化物1.0重量%ないし5.0重量%を含む水溶液が入っていてもよい。
図2を参照すると、延伸槽50Bを通過した積層体260から基材フィルム300を剥離して偏光子100を製造するステップを含んでもよい。
一具体例において、基材フィルム剥離後、偏光子を乾燥してもよい。乾燥温度は、20℃ないし95℃、乾燥時間は1分ないし15分になり得る。
一具体例において、基材フィルム除去後、偏光子の一面または両面に光学フィルムを合わせて乾燥させるステップをさらに含んでもよい。光学フィルムは、下記の通りである。乾燥温度は、20℃ないし95℃、乾燥時間は1分ないし15分になり得る。
前記図2を参照すると、ポリビニルアルコール系フィルム又は積層体の移動をスムーズにするために、移送ロール1ないし11を使用してもよい。
本発明の偏光板は、本発明の偏光子、および前記偏光子の上部面と下部面の一つ以上に形成された光学フィルムを含んでもよい。
図3は、本発明の一実施例の偏光板の断面図である。前記図3を参照すると、本発明の一実施例の偏光板400は、偏光子410、偏光子410の上部面に形成された第1光学フィルム420、偏光子410の下部面に形成された第2光学フィルム430を含み、偏光子410は本発明実施例の偏光子になり得る。
具体例において、前記第1光学フィルムおよび第2光学フィルムは、それぞれ保護フィルム、位相差フィルム、拡散フィルムおよび輝度向上フィルムの一つ以上を含んでもよい。光学フィルムは、透明性がある樹脂からなるフィルムであって、従来から偏光子の保護フィルムとして使用されているものであり特別に制限されない。具体例において、光学フィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)等を含むセルロース系およびポリエチレンテレフタレート(PET)等を含むポリエステル系、環型ポリオレフィン(COP)系、ポリカーボネート系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、ポリアリレート系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニル系およびポリ塩化ビニリデン系の一つ以上の材質からなるフィルムでもよい。
具体例において、前記輝度向上フィルムとしては、3M社のDBEF又はAPFフィルムを使用してもよい。
第1光学フィルム、第2光学フィルムと偏光子間には接着層が形成されて第1光学フィルム、第2光学フィルムは、接着層によって偏光子に積層され得る。具体例において、前記接着層は、水系接着剤、感圧型接着剤、UV硬化型接着剤で形成された接着層を含んでもよい。特に、本発明では、偏光子が薄膜のため、溶剤がないUV硬化型接着剤を使用して熱履歴を与えない工程で光学フィルムを付着させることで、偏光板の歪み現象を防止することができる。よって、UV硬化型接着剤は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂およびアクリル系樹脂の一つ以上を含んでもよい。
具体的には、前記UV硬化型接着剤は、(A)エポキシ系化合物、(B)(メタ)アクリル系化合物、(C)一つ以上のエポキシ基を含むアルコキシシラン化合物、(D)一つ以上の(メタ)アクリレート基を含むアルコキシシラン化合物、(E)光増減剤、および(F)光酸発生剤を含んでもよい。
具体例において、エポキシ系化合物(A)は、脂環族エポキシ系化合物、芳香族エポキシ系化合物、脂肪族エポキシ系化合物および水素化エポキシ系化合物の一つ以上を含んでもよい。
具体例において、(メタ)アクリル系化合物(B)は、親水性基(例:水酸基)を有する単官能または多官能(メタ)アクリレートを使用してもよい。
具体例において、一つ以上のエポキシ基を含むアルコキシシラン化合物(C)は、下記一般式1で表すことができる。
Figure 2015129936
(前記一般式1で、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素、炭素数1ないし5のアルキル基、炭素数1ないし5のアルコキシ基、炭素数5ないし10のシクロアルキル基、炭素数6ないし10のアリール基で、前記R、RおよびRの一つ以上は炭素数1ないし5のアルコキシ基で、Xは炭素数1ないし10の脂肪族炭化水素基または炭素数6ないし20の芳香族炭化水素基で、Yはグリシドキシ基(*―O―CH―CHOCH)、グリシドキシ基を含む炭素数1ないし10の脂肪族炭化水素基、エポキシ基を含む炭素数5ないし10の脂環族基で、mは1ないし3の整数である)。
具体例において一つ以上の(メタ)アクリレート基を含むアルコキシシラン化合物(D)は、下記一般式2で表すことができる。
Figure 2015129936
(前記一般式2で、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素、炭素数1ないし5のアルキル基、炭素数1ないし5のアルコキシ基、炭素数5ないし10のシクロアルキル基、炭素数6ないし10のアリール基で、前記R、RおよびRの一つ以上は炭素数1ないし5のアルコキシ基で、Zは炭素数1ないし10の脂肪族炭化水素基または炭素数6ないし20の芳香族炭化水素基で、Wはアクリレート基またはメタアクリレート基で、nは1ないし3の整数である)。
光増減剤(E)は、少量のラジカルを発生させて硬化反応を触媒し、光酸発生剤触媒の役割をすることができる。光増減剤は、リン系、トリアジン系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系、オキシム系またはこれらの混合物を含んでもよい。具体例において、ビスベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド又はこれらの混合物であるリン系光増減剤を含んでもよい。
光酸発生剤(F)は、オニウムイオンである陽イオンと陰イオンのオニウム塩を含んでもよい。オニウムイオンの具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4―メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4―メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4―tert―ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム等のジアリールヨードニウム、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル―4―チオフェノキシフェニルスルホニウム等のトリアリールスルホニウム、ビス[4―(ジフェニルスルホニオ)―フェニル]スルフィド、ビス[4―(ジ(4―(2―ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)―フェニル]スルフィド、η5―2,4―(シクロペンタジエニル)[1,2,3,4,5,6―η]―(メチルエチル)―ベンゼン]―鉄(1+)等を挙げることができる。
オニウム塩の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )およびヘキサクロロアンチモネート(SbCl )等を挙げることができる。
具体例において、前記UV硬化型接着剤は、前述の(A)、(B)、(C)および(D)の合計(A)+(B)+(C)+(D)中(A)1重量%ないし90重量%、(B)9重量%ないし90重量%、(C)0.1重量%ないし5重量%、(D)0.1重量%ないし5重量%で含まれてもよい。また、前記(A)+(B)+(C)+(D)合計100重量部に対して、(E)0.1重量部ないし10重量部、および(F)0.1重量部ないし10重量部で含まれてもよい。
第1光学フィルム、第2光学フィルムの厚さは、それぞれ10μmないし100μmになり得る。前記範囲で、偏光子に積層時に偏光板として使用できる。例えば、第1光学フィルム、第2光学フィルムの厚さは、40μmないし100μmになり得る。
偏光板は、厚さが10μmないし200μm、例えば、10μmないし100μmでもよい。前記範囲で、光学表示装置に偏光板として使用できる。
偏光板は、偏光度が99.9%以上、例えば、99.9%ないし100%、透過度が42%以上、具体的には、42.4%以上、例えば、42%ないし46%でもよい。前記範囲で、光学表示装置に偏光板として使用できる。
偏光板は、本発明実施例の偏光子を含むため、波長380nmないし780nm可視光線領域帯で透過率偏差(標準偏差)が0.1以下、具体的には0.001ないし0.1になり得る。透過率偏差は、偏光板を中央、両端部の任意の地点を選択し、V7100機器を用いて透過率を測定し、測定された透過率値から統計的標準偏差を求める方法で得ることができる。
偏光板は、本発明実施例の偏光子を含むため、波長380nmないし780nm可視光線領域帯で偏光度偏差(標準偏差)が0.3以下、具体的に0.01以下、具体的に0.001ないし0.1になり得る。偏光度偏差は偏光板を中央、両端部の任意の地点を選択し、V7100機器を用いて偏光度を測定し、測定された偏光度から統計学的標準偏差を求める方法で得ることができる。
以下、図4を参考して本発明の別の実施例の偏光板を説明する。前記図4は、本発明の別の実施例の偏光板の断面図である。
前記図4を参照すると、本発明の別の実施例の偏光板500は、偏光子410、偏光子410の上部面に形成された第1光学フィルム420、偏光子410の下部面に形成されたコーティング層440を含み、偏光子410は、本発明実施例の偏光子になり得る。第2光学フィルムの代わりにコーティング層が形成されたことを除いては、本発明実施例の偏光板と実質的に同一である。コーティング層が形成されることにより、偏光子に対する良好な密着性、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性および耐久性を高めることができる。以下、コーティング層について説明する。
コーティング層440は、活性エネルギー線硬化性化合物と重合開始剤を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり得る。コーティング層は、偏光子に対する良好な密着性、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、耐久性を高めることができる。
具体例において、前記活性エネルギー線硬化性化合物は、ラジカル重合性の硬化性化合物、陽イオン(cation)重合性の硬化性化合物、ウレタン樹脂およびシリコン系樹脂の一つ以上を含んでもよい。
前記ラジカル重合性の硬化性化合物は、分子内に少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル系化合物になり得る。ここでは、「(メタ)アクリロイルオキシ基」は、アクリロイルオキシ基および/またはメタアクリロイルオキシ基を意味する。
前記陽イオン重合性硬化性化合物は、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物、分子内に少なくとも一つのオキセタン環を有するオキセタン系化合物になり得る。
前記エポキシ系化合物は、水素化エポキシ系化合物、脂肪族エポキシ系化合物、脂環族エポキシ系化合物および芳香族エポキシ系化合物の一つ以上になり得、好ましくは、芳香族環を有さない、水素化エポキシ系化合物、脂肪族エポキシ系化合物および脂環族エポキシ系化合物になり得る。
前記水素化エポキシ系化合物は、芳香族エポキシ系化合物を加圧した触媒存在下で選択的に水素化反応を行って得られた樹脂であり、芳香族エポキシ系化合物は、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテルのようなビスフェノール形態のエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂のようなノボラック型のエポキシ樹脂、テトラヒドロキシジフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテルおよびエポキシ化ポリビニルフェノール等のような多官能型エポキシ樹脂になり得る。
前記脂肪族エポキシ系化合物は、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキシド付加物のポリグリシジルエーテルを挙げることができる。より具体的には、1,4―ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6―ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセリンのような脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキシドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルになり得る。
前記脂環式エポキシ系化合物は、脂環式環に結合したエポキシ基を少なくとも一つ有するエポキシ系化合物を意味する。ここでは、「脂環式環に結合したエポキシ基」は、下記一般式3で表される構造を有する。
Figure 2015129936
前記一般式3のmは、2ないし5の整数である。
具体的に、前記脂環式エポキシ系化合物は、3,4―エポキシシクロヘキシルメチル3,4―エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4―エポキシ―6―メチルシクロヘキシルメチル3,4―エポキシ―6―メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレンビス(3,4―エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス(3,4―エポキシ―6―メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジエチレングリコールビス(3,4―エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、エチレングリコールビス(3,4―エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、2,3,14,15―ジエポキシ―7,11,18,21―テトラオキサスピロ[5.2.2.5.2.2]ヘンエイコサン、3―(3,4―エポキシシクロヘキシル)―8,9―エポキシ―1,5―ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、4―ビニルシクロヘキサンジオキシド、リモネンジオキシド、ビス(2,3―エポキシシクロペンチル)エーテルおよびジシクロペンタジエンジオキシド等になり得る。
前記オキセタン系化合物は、分子内に4員環エーテルを有する化合物であり、例えば、3―エチル―3―ヒドロキシメチルオキセタン、1,4―ビス[(3―エチル―3―オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、3―エチル―3―(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[(3―エチル―3―オキセタニル)メチル]エーテル、3―エチル―3―(2―エチルヘキシルオキシメチル)オキセタンおよびフェノールノボラックオキセタン等を挙げることができる。
前記ラジカル重合性の硬化性化合物は、硬度と機械的強度に優れ、耐久性が高いコーティング層を具現することができる。
具体例において、前記ラジカル重合性の硬化性化合物は、分子内に少なくとも一つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマーを2種以上の官能基含有化合物と反応させて得られ、前記ラジカル重合性の硬化性化合物としては、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーを挙げることができる。
具体例において、前記(メタ)アクリレートモノマーとしては、分子内に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマー、分子内に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する2官能(メタ)アクリレートモノマー、および分子内に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーでもよい。
具体例において、前記単官能(メタ)アクリレートモノマーは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2又は3―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシ―3―フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、T―ブチル(メタ)アクリレート、2―エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルエチル(メタ)アクリレートおよびジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等でもよい。
具体例において、前記単官能(メタ)アクリレートモノマーは、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマーでもよく、具体的には、2―(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2―(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレートおよび2―(メタ)アクリロイルオキセチルスクシン酸でもよい。
具体例において、前記2官能(メタ)アクリレートモノマーは、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ハロゲン置換アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、脂肪族ポリオールのジ(メタ)アクリレート類、水素添加ジシクロペンタジエン又はトリシクロデカンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート類、ジオキサングリコール又はジオキサンジアルカノールのジ(メタ)アクリレート類、ビスフェノールA又はビスフェノールFのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート類およびビスフェノールA、或いはビスフェノールFのエポキシジ(メタ)アクリレート類等でもよい。
具体例において、前記3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーは、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート等でもよい。
具体例において、前記(メタ)アクリレートオリゴマーは、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等でもよい。
一具体例において、活性エネルギー線硬化性化合物は、エポキシ系化合物とオキセタン系化合物の混合物を含み、前記混合物中エポキシ系化合物は40重量%ないし95重量%、オキセタン系化合物は5重量%ないし60重量%で含まれてもよい。
具体例において、重合開始剤は光ラジカル重合開始剤および光陽イオン重合開始剤(光酸発生剤)の一つ以上を含んでもよい。
前記光ラジカル重合開始剤は、光硬化性反応を行うことができる通常の光ラジカル開始剤を制限なく含んでもよい。例えば、光ラジカル開始剤は、リン系、トリアジン系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系、オキシム系またはこれらの混合物を含んでもよい。具体例において、ビスベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド又はこれらの混合物であるリン系光ラジカル開始剤を使用してもよい。
前記光陽イオン重合開始剤は、光硬化性反応を行うことができる通常の光陽イオン開始剤を使用してもよい。例えば、オニウムイオンである陽イオンと陰イオンのオニウム塩を使用してもよい。オニウムイオンの具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4―メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4―メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4―tert―ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム等のジアリールヨードニウム、トリフェニルスルホニウム、ジフェニル―4―チオフェノキシフェニルスルホニウム等のトリアリールスルホニウム、ビス[4―(ジフェニルスルホニオ)―フェニル]スルフィド、ビス[4―(ジ(4―(2―ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)―フェニル]スルフィド、η5―2,4―(シクロペンタジエニル)[1,2,3,4,5,6―η]―(メチルエチル)―ベンゼン]―鉄(1+)等を挙げることができる。陰イオン(オニウム塩)の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl )等を挙げることができる。
具体例において、前記重合開始剤は、活性エネルギー線硬化性化合物全体100重量部に対して0.01重量部ないし10重量部で含んでもよい。前記範囲において、硬化が十分にされて、機械的強度が高く、偏光子との密着性が良くなり得る。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、シリコン系レべリング剤、紫外線吸収剤および帯電防止剤等の通常の添加剤をさらに含んでもよい。添加剤は、活性エネルギー線硬化性化合物全体100重量部に対して0.01重量部ないし1重量部で含んでもよい。
具体例において、前記コーティング層の厚さは0.1μmないし10μmでもよい。
本発明の光学表示装置は、前記偏光板を含んでもよい。光学表示装置は、液晶表示装置、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ装置を含んでもよいが、これに制限されるのではない。具体例において、光学表示装置は、パネルと;前記パネルの少なくとも一面に積層された偏光板とを含み、前記パネルは、液晶表示装置用パネル、又は有機発光素子用パネルを含んでもよい。
以下、本発明の好ましい実施例により本発明の構成および作用をより詳しく説明する。但し、これは本発明の好ましい例示として提示するものであり、如何なる意味でもこれによって本発明が制限されると解釈してはならない。
(実施例1)
ポリビニルアルコール(PVA)ペレット((クラレ,PVA117)、ポリビニルアルコールの粘度は25℃にて25ないし31(mPa・s)、ポリビニルアルコールのケン化度は98mol%)を50℃の純粋な水に溶かし、ポリビニルアルコール8重量%のポリビニルアルコール水溶液を製造し、キャスティング方法でポリビニルアルコールフィルムを製造し、60℃で乾燥させて、薄膜PVAフィルムを製造した。
製造した薄膜PVAフィルム(厚さ:20.4μm)を水で洗い、膨潤、染着処理した。膨潤は、25℃の水を含む膨潤槽でPVAフィルムを1分間浸漬し、染着はニ色性物質であるヨウ素(I)の濃度が1.0mMないし2.0mMで、ヨウ化カリウムを含む水が入っている染着槽でPVAフィルムを35℃で1分間浸漬した。
前記の膨潤と染着により染着した後、PVAフィルムの長さ(L)を当初のPVAフィルムの長さ(L)の3倍(延伸比3倍)に延伸した。
染着槽を経た薄膜PVAフィルムの一面に基材フィルム(材質:ポリプロピレン,厚さ:60μm)を合わせて薄膜PVAフィルム、基材フィルムが順に積層された積層体を製造した。
前記積層体を、35℃、ホウ酸3%の水溶液を含む架橋槽で30秒処理し、55℃、ホウ酸3重量%、ヨウ化カリウム(KI)3重量%の水溶液を含む延伸槽で1分間浸漬しながら総延伸比が6.0倍になるように延伸処理した。
前記積層体から基材フィルムを除去して偏光子(厚さ:10μm)を製造した。
偏光子の一面にZB12(環型ポリオレフィン(COP)フィルム,厚さ:52μm,Zeon社)、偏光子の他の一面にTA015(PETフィルム,厚さ:100μm,東洋紡社)をそれぞれUV接着剤を使用して接着し、メタルハライドランプで84W/cm、1000mJ/cmの条件で紫外線を照射して偏光板を製造した。UV接着剤は、ビスフェノールA芳香族エポキシ(KDS―8128,クッド化学)49.9重量部、2―ヒドロキシエチルアクリレート(100%,SK CYTEC)49.9重量部、3―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1重量部、3―メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM―503,Shinetsu)0.1重量部、チオキサントン(DETX―S,Nippon Kayaku)3重量部、およびヨードニウム塩、ヘキサフルオロホスフェート(Irgacure―250,BASF)1重量部を含む組成物を使用した。
(実施例2ないし3)
実施例1において、1次洗浄前の薄膜PVAフィルムの厚さを下記表1のように変更したことを除いては、実施例1と同様の方法で偏光板を製造した。
(比較例1)
ポリビニルアルコール(PVA)ペレット((クラレ,PVA117)、ポリビニルアルコールの粘度は25ないし31(mPa.s)、ポリビニルアルコールのケン化度は98mol%)を50℃の純粋な水に溶かし、ポリビニルアルコール8重量%のポリビニルアルコール水溶液を製造した。
ポリビニルアルコール水溶液を無延伸熱可塑性フィルム(材質:ポリプロピレン,厚さ:60μm)にコーティングし、60℃で乾燥させて、無延伸熱可塑性フィルムとPVAフィルムの積層体を製造した。
前記積層体を水で洗い、膨潤および染着処理した。膨潤は、25℃の水を含む膨潤槽でPVAフィルムを1分間浸漬し、染着はニ色性物質であるヨウ素(I)の濃度が6.0mMないし10.0mMで、ヨウ化カリウムを含む水が入っている染着槽で積層体を35℃で1分間浸漬した。
35℃、ホウ酸3%の水溶液を含む架橋槽で30秒処理し、55℃、ホウ酸3%、ヨウ化カリウム(KI)3%の水溶液を含む延伸槽で1分間浸漬したら延伸比6.0倍で延伸処理した。
前記積層体から基材フィルムを除去して偏光子(厚さ:10μm)を製造した。
偏光子の両面にZB12(COPフィルム,厚さ:52μm,Zeon社)、TA015(PETフィルム,厚さ:100μm,東洋紡社)を前記と同じUV接着剤を使用し、メタルハライドランプで84W/cm、1000mJ/cmの条件で紫外線を照射して偏光板を製造した。
(比較例2ないし3)
1次洗浄前の薄膜PVAフィルムの厚さ、総延伸比を下記表1のように変更し、染着前に基材フィルムの積層したことを除いては、実施例1と同様の方法で偏光板を製造した。
Figure 2015129936
*総延伸比:延伸前の薄膜PVAフィルムの延伸方向の長さに対する最終偏光子の延伸方向の長さの比
前記実施例および比較例で製造した偏光子および偏光板に対して、下記物性を評価し、その結果を表2ないし表5、図5ないし図6に表した。
(1)偏光子の厚さ(μm):Magnescale社のDZ521を使用して測定した。ゲージスタンド上に偏光子を載せ、DZ521を使用して3地点で厚さを測定し、LT30を通じて厚さを記録した。
(2)偏光板の単体透過率(single−body transmittance)(%)、偏光度(%)、透過率偏差および偏光度偏差:偏光板に対してV―7100(JASCO社,日本)を使用して透過率と偏光度を測定した。
図7は、透過率偏差、偏光度偏差のサンプル(厚さ164μmないし175μm)の概念図である。前記図7を参照すると、サンプル600は、偏光子610、偏光子610上部に形成されたCOPフィルム620、偏光子610下部に形成されたPETフィルム630を含み、x軸は偏光子のMD、y軸は偏光子のTDを表し、x軸とy軸は相互直交する。OP(operation side)、CE(center)、DR(drive side)は、偏光子のTDを基準に中間部位であるCEとCEから80mm程離れているOP、DR地点をそれぞれ表す。OP、CE、DR各地点に対して、波長380nmないし780nmでV7100(JASCO社,日本)を使用して透過率と偏光度をそれぞれ測定し、測定した透過率と偏光度から統計学的方法でそれぞれ透過率偏差と偏光度偏差を求めた。
(3)偏光子の厚さ方向における明暗比:偏光子中、偏光子の延伸方向を長辺として有する長方形サンプルを採取し、厚さ方向に沿って偏光子の一面から他の一面までの明暗比を光学顕微鏡(Olympus BX51)、I−Solutionプログラムを用いて測定し、下記数式3による明暗比差(ΔCR)を計算した。
Figure 2015129936
(前記数式3で、CRmaxは厚さ方向における明暗比の最大値で、CRminは厚さ方向における明暗比の最小値である。)
Figure 2015129936
Figure 2015129936
Figure 2015129936
*表4は表3の継続。
Figure 2015129936
前記表2および表5に表したように、本発明の偏光子は透過率が42.4%以上、偏光度99.998%以上であり薄い膜厚を有し、透過率偏差と偏光度偏差が低いことが確認できた。表3、表4および図5を参照すると、本発明の偏光子は、厚さ方向における明暗比の最大値(CRmax)と最小値(CRmin)の差(ΔCR)が10以下と小さいため、明暗比が殆ど均一であることを確認し、ニ色性物質の染着が均一であることを確認した。
それに対して、基材フィルムとポリビニルアルコール系フィルムの積層体を染着および延伸して製造された比較例は、表3と図6を参照すると、厚さ方向における明暗比の最大値(CRmax)と最小値(CRmin)の差(ΔCR)が大きく、明暗比が本発明に比べて均一でないことが確認でき、これはポリビニルアルコール系フィルムの一面だけにニ色性物質が染着されてニ色性物質が均一に染着されなかったためである。つまり、基材フィルムと隣接しているポリビニルアルコール系フィルムから製造された偏光子の一部分はニ色性物質がよく染着されていないに対し、基材フィルムから離れているポリビニルアルコール系フィルムから製造された偏光子の一部分はニ色性物質が相対的によく染着されているため、明暗比差が出た。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
50A 染着槽
50B 延伸槽
100、410、610 偏光子
110 一面
120 他の一面
200、210 フィルム
250、260 積層体
300 基材フィルム
400、500 偏光板
420、430 光学フィルム
440 コーティング層
600 サンプル
620 COPフィルム
630 PETフィルム

Claims (16)

  1. 下記数式1による明暗比差(ΔCR)が10以下である偏光子。
    Figure 2015129936
    (前記数式1で、CRmaxは厚さ方向における明暗比の最大値で、CRminは厚さ方向における明暗比の最小値である。)
  2. 前記偏光子は、厚さが3μm〜15μmである請求項1に記載の偏光子。
  3. ポリビニルアルコール系フィルムを染着し;
    染色した前記ポリビニルアルコール系フィルムの下部面に基材フィルムを合わせて積層体を製造し;
    前記積層体を延伸すること;
    を含む偏光子の製造方法。
  4. 前記染着は、前記ポリビニルアルコール系フィルムを染着溶液で染着するステップを含み、
    前記染着溶液中のニ色性物質の濃度は、1.0mM〜2.0mMである請求項3に記載の偏光子の製造方法。
  5. 前記基材フィルムは、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリイミド系樹脂のうちの少なくとも一つで形成されている請求項3に記載の偏光子の製造方法。
  6. 前記積層体は、前記ポリビニルアルコール系フィルムと前記基材フィルムとの間にプライマー層をさらに含む請求項3に記載の偏光子の製造方法。
  7. 前記プライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂およびアクリル系樹脂のうちの一つ以上を含む請求項6に記載の偏光子の製造方法。
  8. 前記ポリビニルアルコール系フィルムは、下記数式2を満たす請求項3に記載の偏光子の製造方法。
    Figure 2015129936
    (前記数式2で、Lは染着した後の前記ポリビニルアルコール系フィルムの長さで、Lは当初の前記ポリビニルアルコール系フィルムの長さである。)
  9. 請求項1または2に記載の偏光子;及び
    前記偏光子の少なくとも一面に形成された光学フィルム又はコーティング層を含む偏光板。
  10. 前記偏光板は、偏光度が99.9%以上で、透過率が42.4%以上である請求項9に記載の偏光板。
  11. 前記偏光板は、偏光度偏差が0.01以下である請求項9に記載の偏光板。
  12. 前記偏光板は、透過率偏差が0.1以下である請求項9に記載の偏光板。
  13. 前記光学フィルムと前記偏光子の間には、UV硬化型接着剤からなる接着層がさらに形成されている請求項9に記載の偏光板。
  14. 前記UV硬化型接着剤は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂およびアクリル系樹脂のうちの一つ以上を含む請求項13に記載の偏光板。
  15. 前記UV硬化型接着剤は、
    (A)エポキシ系化合物;
    (B)(メタ)アクリル系化合物;
    (C)一つ以上のエポキシ基を含むアルコキシシラン化合物;および
    (D)一つ以上の(メタ)アクリレート基を含むアルコキシシラン化合物
    を含む請求項13に記載の偏光板。
  16. 請求項9に記載の偏光板を含む光学表示装置。
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