JP2002148433A - 偏光板 - Google Patents
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Abstract
レた方位より斜視しても光漏れを生じにくく、かつ波長
分散による着色も生じにくくてニュートラル性に優れる
偏光板の開発。 【解決手段】 偏光子(1)の少なくとも片面に、波長
550nmの光による面内位相差が190〜320nmであ
る2層の位相差フィルム(21,22)よりなる透明保
護フィルム(2)を、その各位相差フィルムの遅相軸が
偏光子の吸収軸と平行関係となるように接着してなり、
かつ面内の屈折率をnx、ny、厚さ方向の屈折率をnz
としてnx>ny及びNz=(nx−nz)/(nx−ny)
としたとき、前記2層の位相差フィルムが当該Nzに基
づいて0.65〜0.85のものと0.15〜0.35
のものとの組合せからなる偏光板。 【効果】 視角の変化に対応して透明保護フィルムを形
成する位相差フィルムの遅相軸等の光軸が変化して偏光
子の吸収軸等の光軸変化を相殺する補償作用を示す。
Description
偏光子間において視角の変化により生じる偏光子の軸変
化に基づく光漏れを広帯域の可視光域で防止して広視野
角の液晶表示等を達成しうる偏光板に関する。
たとき法線(正面)方向では正常に光が遮断される場合
においても、方位を変えて斜視したときに光漏れが生じ
る問題点があった。これは斜視による見掛け角度の変化
で偏光子間のクロスニコルの光軸関係がズレて崩れるこ
とによる。従来、斯かる方位角による光漏れ問題の解消
を図ったものとしては、位相差が190〜320nmで後
述するNzが0.1〜0.9の複屈折性を示す透明保護
フィルムをその遅相軸が偏光子の吸収軸に対し平行とな
るように配置した偏光板が知られていた(特開平4−3
05602号公報)。
耐久性の向上を目的に偏光子の片面又は両面に接着する
透明保護フィルムとして、それまでの複屈折性を殆ど示
さないトリアセチルセルロース(TAC)フィルム等に
よる等方性の透明保護フィルムに代えて、可視光に対し
約1/2波長の位相差特性を示すフィルムを用いて視角
変化による偏光子間の吸収軸等のズレを補償するように
したものである。しかしながら斯かる補償対策では、波
長分散に対処できない問題点があった。
て位相差が相違する波長分散が生じるため前記した1/
2波長板としての機能は特定の波長光に対してのみ現
れ、他の波長光に対しては1/2波長板として正確に機
能せずそれらの波長光が直線偏光性に劣ることとなって
着色問題が発生する。ちなみに位相差フィルムの特性を
視感度が最高の波長550nm近傍の光の補償に最適化し
た場合、他の波長光では最適化条件よりズレて青色に着
色し、液晶表示装置等に適用した場合にその着色問題が
表示のニュートラル性の低下問題として表出する。
た偏光子を光軸からズレた方位より斜視しても光漏れを
生じにくく、かつ波長分散による着色も生じにくくてニ
ュートラル性に優れる偏光板の開発を課題とする。
に、波長550nmの光による面内位相差が190〜32
0nmである2層の位相差フィルムよりなる透明保護フィ
ルムを、その各位相差フィルムの遅相軸が偏光子の吸収
軸と平行関係となるように接着してなり、かつ面内の屈
折率をnx、ny、厚さ方向の屈折率をnzとしてnx>n
y及びNz=(nx−nz)/(nx−ny)としたとき、前
記2層の位相差フィルムが当該Nzに基づいて0.65
〜0.85のものと0.15〜0.35のものとの組合
せからなることを特徴とする偏光板を提供するものであ
る。
透明保護フィルムを形成する位相差フィルムの遅相軸等
の光軸が変化して偏光子の吸収軸等の光軸変化を相殺す
る補償作用を示し、クロスニコルに配置した場合に偏光
子の光軸方向と共にその光軸からズレた方位においても
光漏れを抑制できると共に、位相差の波長分散も抑制で
きてニュートラル性(無着色性)に優れ直線偏向性が変
化しにくい偏光板を得ることができ、それを用いて広い
視野角でコントラスト等の表示品位に優れる液晶表示装
置等を形成することができる。また偏光板は、位相差フ
ィルムが透明保護フィルムを兼ねるため薄型軽量性にも
優れている。
なくとも片面に、波長550nmの光による面内位相差が
190〜320nmである2層の位相差フィルムよりなる
透明保護フィルムを、その各位相差フィルムの遅相軸が
偏光子の吸収軸と平行関係となるように接着してなり、
かつ面内の屈折率をnx、ny、厚さ方向の屈折率をnz
としてnx>ny及びNz=(nx−nz)/(nx−ny)
としたとき、前記2層の位相差フィルムが当該Nzに基
づいて0.65〜0.85のものと0.15〜0.35
のものとの組合せからなるものである。その例を図1に
示した。1が偏光子、2、3が透明保護フィルムで、2
1、22が位相差フィルムであり、4は接着剤層であ
る。
に直線偏光が透過する適宜なものを用いることができ特
に限定はない。好ましく用いうる偏光子は、偏光度に優
れる透過光が光透過率よく得られるものである。斯かる
点よりは自然光を入射させた場合に直線偏光が透過する
と共に他の光は吸収される吸収二色性偏光子が好まし
く、特に薄型化や柔軟性による取扱性などの点より偏光
フィルムからなるものが好ましい。なお吸収二色性偏光
子は、液晶性二色性染料の塗布配向層などからなってい
てもよい。
偏光子としても適宜なものを用いうる。可視光域の広い
波長範囲で直線偏光を得る点などよりは例えばポリビニ
ルアルコールや部分ホルマール化ポリビニルアルコール
の如きポリマーからなるポリビニルアルコール系フィル
ムにヨウ素又は/及びアゾ系やアントラキノン系、テト
ラジン系等の二色性染料を吸着方式等の適宜な方式で含
有させて延伸配向処理したもの就中、一軸延伸処理した
フィルムが好ましく用いうる。
明保護フィルム2、3が接着積層されるが、本発明にお
いてはその少なくとも片面における透明保護フィルム2
は、波長550nmの光による面内位相差がいずれのもの
も190〜320nmであり、かつNzが0.65〜0.
85のものと0.15〜0.35のものとの組合せによ
る2層の位相差フィルム21、22にて形成される。な
お前記のNzは、位相差フィルムにおける面内の屈折率
をnx、ny、厚さ方向の屈折率をnzとしてnx>nyと
したとき、式:Nz=(nx−nz)/(nx−ny)にて
定義される。
は、その各位相差フィルムの遅相軸が偏光子の吸収軸と
平行関係となるように接着積層される。その遅相軸と吸
収軸の平行関係は、作業精度等の点より完全な平行状態
を意味するものではないが補償効果の点よりは交差角度
が少ないほど好ましい。その場合の位相差フィルムの遅
相軸、偏光子の吸収軸は正面(方位角:0)からの視角
に基づく。Nzが相違する位相差フィルムの積層順序は
任意であり、図例ではNz0.65〜0.85のもの2
1を介してNz0.15〜0.35のもの22が偏光子
1に接着積層されており、この配置順序が補償効果の点
より好ましい。なお前記の面内位相差は、△n=nx−
nyとして、その屈折率差と位相差フィルムの厚さ
(d)との積(△n・d)として算出することができ
る。
を一軸又は二軸等の適宜な方式で延伸処理してなる複屈
折性のフィルムなどとして得ることができる。光透過率
に優れて配向ムラや位相差ムラの少ない位相差フィルム
が好ましく用いられる。前記した位相差とNzの特性を
示す位相差フィルムの形成は、例えば高分子フィルムに
熱収縮性フィルムを接着し加熱によるその熱収縮性フィ
ルムの収縮力の作用下に配向処理して厚さ方向の屈折率
を制御する方法や、厚さ方向に電界を印加して配向を制
御しつつ高分子フィルムを得てそのフィルムを延伸処理
する方法などにより行うことができる。その場合に処理
対象のフィルムのポリマー種や延伸条件、熱収縮性フィ
ルムの種類や印加電圧等を変更することで位相差やNz
を変化させることができる。なお通常の一軸等による延
伸処理ではNzが0以下又は1以上となる。
は、適宜なものであってよく特に限定はない。就中、透
明性に優れるものが好ましい。また応力の発生による位
相差の変化を抑制する点より光弾性係数の小さいものが
好ましい。ちなみにその例としてはポリカーボネートや
ポリアリレート、ポリスルホンやポリプロピレン等のポ
リオレフィン、ポリエチレンテレフタレートやポリエチ
レンナフタレート等のポリエステル、ビニルアルコール
系ポリマーやノルボルネン系ポリマー、アクリル系ポリ
マーやスチレン系ポリマー、セルロース系ポリマーやそ
れらポリマーの2種又は3種以上を混合したポリマーな
どがあげられる。
相差フィルムと偏光子の接着積層は保護効果の向上や光
学軸のズレ防止、ゴミ等の異物の侵入防止などを目的と
し、例えば透明接着層を介した接着方式などの適宜な方
式にて行うことができその接着剤等についても特に限定
はない。偏光子や透明保護フィルムの光学特性の変化防
止等の点よりは硬化や乾燥の際に高温のプロセスを要し
ないものが好ましく、長時間の硬化処理や乾燥時間を要
しないものが望ましい。斯かる点よりはポリビニルアル
コール系接着剤や粘着剤が好ましく用いうる。なお図例
では位相差フィルムと偏光子を接着する接着層の図示は
省略している。
やシリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタ
ン、ポリエーテルや合成ゴムなどの適宜なポリマーを用
いてなるものを用いることができる。就中、光学的透明
性や粘着特性、耐候性などの点よりアクリル系粘着剤が
好ましい。なお図例の如く接着層4、特に粘着層は、液
晶セル等の被着体への接着を目的に偏光板の片面又は両
面に必要に応じて設けることもできる。その場合、粘着
層が表面に露出するときにはそれを実用に供するまでの
間、セパレータ等を仮着して粘着層等の表面の汚染等を
防止することが好ましい。
上等の適宜な目的を有する透明保護フィルムは必要に応
じ偏光子1の両面に設けうるものであるが、その場合に
一方の透明保護フィルムを上記した位相差フィルムで形
成しないときには、例えばTAC等の適宜な樹脂の塗布
層や樹脂フィルムのラミネート層などとして従来に準じ
て形成することができる。
効果の維持の点より位相差が可及的に小さいことが好ま
しく、位相差がある場合にはNzが0若しくは1又はそ
れらの近傍であることが好ましい。さらにそのNzが0
又はその近傍の透明保護層は、その進相軸が偏光子の吸
収軸と平行関係となるように設けることが好ましく、N
zが1又はその近傍の透明保護層は、その遅相軸が偏光
子の吸収軸と平行関係となるように設けることが好まし
い。
変化による偏光板の軸ズレの様子をポアンカレ球を用い
た模式図として示した。(a)が本発明による偏光板、
(b)及び(c)が従来例の偏光板であり、その(b)
は位相差が190〜320nmでNzが0.1〜0.9の
複屈折性を示す透明保護フィルムをその遅相軸が偏光子
の吸収軸に対し平行となるように配置してなる特開平4
−305602号公報に準拠した偏光板である。また
(c)は透明保護フィルムに面内位相差が約30nm以下
で、Nzが1〜30のものを用いた偏光板である。
しており、偏光子の吸収軸Aが45度となるように配置
して0度方向から見たときの視角の変化にて光軸の見掛
け角度が変化する様子を太線で示している。ただしその
軸変化は説明のため実際より大きくしている。なお図例
では偏光子の吸収軸Aと、位相差フィルム(透明保護フ
ィルム)の遅相軸Sについて示しているが、偏光子の透
過軸と吸収軸、及び位相差フィルムの進相軸と遅相軸は
常に直交状態を形成するものであるので当該透過軸と進
相軸の関係でも図と同じように変化する。
変化で徐々に平行になるように変化し元の角度から大き
く変化する。また前記偏光板の位相差フィルム等の側に
別の偏光子をクロスニコルに配置した場合における前記
吸収軸Aと平行な透過軸T(破線)は、視角の変化で吸
収軸Aとは反対方向に変化して吸収軸Aとの角度のズレ
が徐々に大きくなる。これらの変化は、(a)〜(c)
のいずれの場合も同様である。
ィルムの遅相軸S3は、視角の変化に伴ってほぼいつも
視角に対し水平方向に発生するので図の如く0度と見な
しうる。しかも位相差は、視角の変化で徐々に大きくな
る。位相差の最大値を約40nm程度とすると偏光子を透
過した光αは、ポアンカレ球上で遅相軸S3を中心とし
て回転変換を受け、そのとき波長により作用の大きさが
相違して短波長の光ほど速く回り(波長分散)、図の如
くαblueからαredと広がる。そのため本来平行である
はずのクロスニコル間の吸収軸Aと透過軸Tの関係が崩
れる上に、透明保護フィルムによる位相差の影響も受け
て当該透過軸Tの偏光子を透過する光の透過率は大きく
なる(光漏れ)。
ィルムの遅相軸S2は、Nzが0.1〜0.9であり、
0.5近傍(図例では0.5)では図の如くその角度が
殆ど変化せず、図例では遅相軸S2の視角による軸変化
は殆ど生じない。その場合、正面方向では透明保護フィ
ルムと偏光子の光軸が一致しているため位相差の影響は
でないが、軸ズレに伴ってその影響が現れる。
1/2波長程度であるので偏光子を透過した光αは、図
の如くポアンカレ球上で遅相軸S2を中心としてπの回
転変換を受け吸収軸Aと遅相軸S2に対してほぼ対称な
位置に変換される。その変換の結果、クロスニコルに配
置した当該偏光子の透過軸Tが変化した角度近傍の略直
線偏光となりクロスニコル関係が維持されるように補償
されて光漏れが大幅に軽減される。
長分散で短波長の光ほど速く回り、図の如くαblueから
αredと広がる。透明保護フィルムによる位相差が仮に
波長550nmの光に対して1/2波長となるように設定
されている場合、その波長光では前記したπの回転変換
が生じて補償されるが、他の波長光では1/2波長より
ずれて正確なπの回転変換が生じずにπよりも大きいか
小さい角度の回転変換となり、クロスニコルに配置した
当該偏光子の透過軸Tが変化した角度からずれた光や楕
円偏光となるため当該透過軸Tの偏光子を透過すること
となり、図例では青色光や赤色光で光漏れが発生して直
交透過率の上昇や着色の原因となる。
板における透明保護フィルム2を形成する位相差フィル
ム21の遅相軸S21は、位相差フィルムのNzが0.
65〜0.85(図例では0.75)の間にあるので吸
収軸Aの変化角度と元の角度との間でその1/2近傍と
なるように変化し、図例での視角による軸変化は常に吸
収軸Aの変化の約1/2となる。またその場合、上記
(b)と同様に位相差フィルム21と偏光子の軸ズレに
伴って位相差の影響が現れ、偏光子を透過した光αがポ
アンカレ球上で遅相軸S21を中心としてπの回転変換
を受け、波長分散でαblueからαredと広がると共に、
視角により変化した吸収軸Aの元の角度とほぼ等しい角
度の直線偏光近傍となるように補償されて透明保護フィ
ルムを形成する次の位相差フィルム22に入射する。
0.35(図例では0.25)の間にあるのでその遅相
軸S22は、前記した遅相軸S21の変化と対称な軸ズ
レが生じる。図例ではNz0.75の位相差フィルム2
1による遅相軸S21の変化に対しNz0.25の位相
差フィルム22による遅相軸S22が対称に変化するの
で、吸収軸Aに対しクロスニコルに配置された偏光子の
透過軸Tの角度変化の1/2となるように変化する。
転変換を受けたαblue〜αredは、ポアンカレ球上で遅
相軸S22を中心としてπの回転変換を受け、波長分散
でαblueからαredに広がる。しかしこのときの変化
は、先に受けた変化を打ち消す働きをするものであり、
そのため図の如く波長に関わらずクロスニコルに配置さ
れた当該偏光子の透過軸Tと等しい角度にほぼ収束する
ように補償される。従ってほぼ全ての波長でクロスニコ
ル関係が維持されて、例えば中心波長を550nmとした
場合にも青色光や赤色光で光漏れすることが防止され、
透過光の着色化が防止される。
置の形成などの従来に準じた適宜な目的に好ましく用い
うる。その実用に際しては片側又は両側に各種目的の保
護層や表面反射の防止等を目的とした反射防止層又は/
及び防眩処理層、光拡散層などの適宜な機能層を付与す
ることもできる。反射防止層は、例えばフッ素系ポリマ
ーのコート層や多層金属蒸着膜等の光干渉性の膜などと
して適宜に形成することができる。また防眩処理層も例
えば微粒子含有の樹脂塗工層やエンボス加工、サンドブ
ラスト加工やエッチング加工等の適宜な方式で表面に微
細凹凸構造を付与するなどにより表面反射光が拡散する
適宜な方式で形成することができる。
形成することができる。なお前記の微粒子には、例えば
平均粒径が0.5〜20μmのシリカや酸化カルシウ
ム、アルミナやチタニア、ジルコニアや酸化錫、酸化イ
ンジウムや酸化カドミウム、酸化アンチモン等の導電性
のこともある無機系微粒子や、ポリメチルメタクリレー
トやポリウレタの如き適宜なポリマーからなる架橋又は
未架橋の有機系微粒子などの適宜なものを1種又は2種
以上用いうる。なお防眩処理層や光拡散層は、透明保護
フィルムの拡散化や粗面化等にてそれと一体化したもの
として形成することもできる。
えて本発明による偏光板を用いてそれを液晶セルの片側
又は両側に配置することにより形成することができる。
その場合、2層の位相差フィルムにて形成した透明保護
フィルムが偏光子と液晶セルの間に位置するように配置
することが表示品位の向上等の点より好ましいが、これ
に限定するものではない。
させた後、ヨウ素/ヨウ化カリウム水溶液中にて染色し
ホウ酸水溶液中で一軸延伸処理して偏光子を得た。これ
は、分光光度計にて単体透過率、平行透過率及び直交透
過率を調べたところ透過率43.5%、偏光度99.9
%のものであった。
し熱収縮性フィルムを接着して加熱下に一軸延伸処理
し、波長550nmの光に基づく(以下同じ)面内位相差
が268nmで、Nzが0.74の位相差フィルムAを得
た。また同様に処理して面内位相差が260nmで、Nz
が0.26の位相差フィルムBを得た。次に参考例で得
た偏光子の片面にポリビニルアルコール系接着剤を介し
TACフィルムを接着して透明保護層を形成した後、そ
の偏光子の他面にポリビニルアルコール系接着剤を介し
位相差フィルムAを接着し、その上にアクリル系粘着層
を介し位相差フィルムBを重畳接着して透明保護フィル
ムを形成し、偏光板を得た。なおいずれの位相差フィル
ムもその延伸軸が遅相軸となっており、その遅相軸が偏
光子の吸収軸と平行になるよう接着した。
2の位相差フィルムAと、面内位相差が260nmで、N
zが0.21の位相差フィルムBを得てそれらを用いて
偏光板を得た。
7の位相差フィルムAと、面内位相差が262nmで、N
zが0.32の位相差フィルムBを得てそれらを用いて
偏光板を得た。
て、面内位相差が6nmで、Nzが8のTACフィルムか
らなる透明保護フィルムとしたほかは、実施例1に準じ
て偏光板を得た。
Nzが1.01の位相差フィルムを用いたほかは、実施
例1に準じて偏光板を得た。この位相差フィルムは、熱
収縮性フィルムを接着せずに加熱下に一軸延伸処理した
ものである。
1の位相差フィルムAと、面内位相差が515nmで、N
zが0.67の位相差フィルムBを得てそれらを用いて
偏光板を得た。
1の位相差フィルムAと、面内位相差が255nmで、N
zが0.17の位相差フィルムBを得てそれらを用いて
偏光板を得た。
4の位相差フィルムAと、面内位相差が277nmで、N
zが0.92の位相差フィルムBを得てそれらを用いて
偏光板を得た。
て、面内位相差が260nmで、Nzが0.75の位相差
フィルムからなる透明保護フィルムとしたほかは、実施
例1に準じて偏光板を得た。この位相差フィルムは、実
施例1に準じて得たものである。
示した装置にて測定した。すなわち光源Kとピンホール
PとレンズRとで平行光線を形成し、それを実施例、比
較例で得た偏光板からなるサンプルSに入射させてその
透過光を分光器Bを介しディテクタDで受光して分光強
度を測定した。なおサンプルは、偏光板の位相差フィル
ム等からなる透明保護フィルム側をガラス板にその吸収
軸が辺に対して45度で傾斜するように粘着層を介し接
着し、ガラス板の反対面に偏光子をクロスニコルに配置
して粘着層を介し接着して得た。
な回転軸γを介して回転βしうる回転ステージにサンプ
ルSをその位相差フィルムからなる透明保護フィルム側
を光源側として光線に対して垂直となるように、かつ偏
光子の吸収軸が回転軸γに対して45度となるように取
付けた。次に測定した分光強度と基準分光強度との比か
ら透過率を算出し、その値より三刺激値を元にL、a、
bを算出して黒色点との色差△E0を求めた。一方、サ
ンプルを回転軸γを介し75度回転させて前記に準じ分
光透過率を調べ、黒色点との色差△E75を求めると共
に、それらの結果より回転角が0度の時と75度の時の
色座標より色差△E75-0を算出した。なお前記の基準分
光強度は、前記図3の装置においてサンプルSのない状
態での装置の分光強度に基づく。
の黒色点からの色差△E0では実施例と比較例で殆ど差
は認められないが、75度方向の色差△E75では実施例
において通常の偏光板である比較例1及び他種の比較例
2に比べて明確に小さくなっており、光漏れが抑制され
ていることがわかる。従って比較例1、2の如くNzが
1以上では補償効果が発現しない。また比較例3では色
差△E75が比較例1、2よりも大きくなっており、位相
差が所定値を超えても補償効果が発現しないことがわか
る。
果が小さくて光漏れが多く、比較例5でも比較例1と同
程度の光漏れを生じて改善効果が認めらず、従って本発
明によるNzの組合せが必要な補償効果の発現に不可欠
であることがわかる。他方、比較例6では色差△E75が
比較例1より小さくなっているものの、aとbの値が大
きくて目視観察においても透過光が青紫色に抜けてい
た。これは青色や赤色の領域で最適に補償されていない
ことを意味する。また0度と75度の間における角度に
おいてもその回転角が大きくなるほど色差△Eが徐々に
大きくなり目視観察においても抜け(光漏れ)が徐々に
大きくなっていることが確認された。
aとbの値も比較例6より小さくて補償効果が可視光域
の広い範囲で達成されていることがわかる。またサンプ
ルの角度の関係では45度を最大にそれ以外の角度では
光漏れは徐々に小さくなるが、その場合にも実施例では
顕著な補償効果を示したが比較例ではその効果が発生し
なかった。以上より本発明にて広帯域の可視光域にて視
角変化による光漏れを防止しうる偏光板の得られている
ことがわかる。
した模式図
ム)
Claims (4)
- 【請求項1】 偏光子の少なくとも片面に、波長550
nmの光による面内位相差が190〜320nmである2層
の位相差フィルムよりなる透明保護フィルムを、その各
位相差フィルムの遅相軸が偏光子の吸収軸と平行関係と
なるように接着してなり、かつ面内の屈折率をnx、n
y、厚さ方向の屈折率をnzとしてnx>ny及びNz=
(nx−nz)/(nx−ny)としたとき、前記2層の位
相差フィルムが当該Nzに基づいて0.65〜0.85
のものと0.15〜0.35のものとの組合せからなる
ことを特徴とする偏光板。 - 【請求項2】 請求項1において、Nzが0.65〜
0.85の位相差フィルムを偏光子側に配置してなる偏
光板。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、偏光子が吸収
二色性のものである偏光板。 - 【請求項4】 請求項3において、吸収二色性偏光子が
ヨウ素又は二色性染料を含有するポリビニルアルコール
系の一軸延伸フィルムからなる偏光板。
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