JP2001215329A - 複合位相差板、光学補償偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

複合位相差板、光学補償偏光板及び液晶表示装置

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JP2001215329A
JP2001215329A JP2000021311A JP2000021311A JP2001215329A JP 2001215329 A JP2001215329 A JP 2001215329A JP 2000021311 A JP2000021311 A JP 2000021311A JP 2000021311 A JP2000021311 A JP 2000021311A JP 2001215329 A JP2001215329 A JP 2001215329A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型画面の場合にもTN液晶の複屈折による
位相差を高度に補償できて良視認の視野角に優れる液晶
表示装置を形成できる位相差板の開発。 【解決手段】 面内、厚さ方向の屈折率をnx、ny、n
z、層厚をd、nx−ny=△nxy及び(nx−nz)/△
nxy=Qとしたとき(A)nx>ny>nzの位相差層(1
1、14)、(B)nx≧ny>nzで光学軸が傾斜した位相差
層(12、15)及び(C)ノルボルネン系配向フィルムから
なり△nxy・d≦70nm、1≦Q≦4の位相差層(13、1
6)をそれぞれ1層又は2層以上有する積層体(1)から
なり、その積層体の面内、厚さ方向の屈折率をNx、N
y、Nz、厚さをD、Nx≧Ny、(Nx−Ny)=△Nxy及
び{(Nx+Ny)/2−Nz}・D=Rthとしたとき、
波長590nmの単色光に基づく△Nxy・Dが25〜10
0nmで、Rthが100〜300nmであり、かつ積層体面
に対する法線とNzのなす角βが5〜30度である複合
位相差板(1)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、TN液晶による複屈折を
高度に補償して視野角やコントラストに優れる液晶表示
装置を形成しうる複合位相差板及び光学補償偏光板に関
する。
【0002】
【従来の技術】高速応答性や正面方向での高コントラス
ト性に着目されてTN液晶を用いたTFT−LCD(液
晶表示装置)がテレビやパソコンモニタ等に広く普及す
る中、斜視方向でのコントラストの著しい低下や階調表
示の反転(階調反転)等による良視認視野角の狭さの改
善が求められており、高コントラスト化や広視野角化、
視野角による表示色変化の抑制や画面表示の均一化が画
面の大型化に伴い特に重要な課題となっている。
【0003】従来、前記の改善策としては位相差板にて
TN液晶の複屈折による位相差を補償して視野角を拡大
する提案がなされており、その視野角拡大用の補償板と
して光学軸傾斜のディスコティク液晶からなる負の屈折
率異方性を示すワイドビューフィルム(商品名、富士写
真フイルム社製)や光学軸傾斜のネマチック液晶からな
る正の屈折率異方性を示すNHフィルム(商品名、日本
石油化学社製)、正の複屈折特性を示すポリマーによる
一軸延伸フィルムからなる位相差板をその光学軸が面内
にあるものと面に対して傾斜したものとの組合せでそれ
らの屈折率方向が直交するように積層した重畳型の補償
板(特開平7−306406号公報、特開平7−359
24号公報、特開平10−123506号公報、)が知
られていた。
【0004】しかしながら、前記のワイドビューフィル
ムでは正面方向から60度以上傾斜した視野角でコント
ラストが著しく低下し、電圧を印加しない白表示状態で
着色現象が発生する問題点があった。またNHフィルム
では電圧を印加した黒表示状態で視野角を変えると変色
して黒色でなくなる問題点があった。さらに前記の重畳
型補償板では視野角の変化で著しい着色現象が発生する
問題点があった。従って従来の補償板ではTN液晶の位
相差特性に充分に対処できず、その視認特性の改善に満
足できない問題点があった。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、大型画面の場合にもT
N液晶の複屈折による位相差を高度に補償できて階調反
転しない視野角やコントラストに優れ、視野角による表
示色変化の抑制や画面表示の均一性に優れる液晶表示装
置を形成できる位相差板の開発を目的とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は、面内の屈折率をnx、n
y、厚さ方向の屈折率をnz、層厚をd、nx−ny=△n
xy及び(nx−nz)/(nx−ny)=Qとしたとき、
(A)nx>ny>nzを満足する高分子フィルムからな
る位相差層、(B)nx≧ny>nzを満足し光学軸が層
平面の法線方向に対し傾斜する位相差層及び(C)ノル
ボルネン系ポリマーの配向フィルムからなり△nxy・d
≦70nm、1≦Q≦4を満足する位相差層をそれぞれ1
層又は2層以上有する積層体からなり、かつその積層体
における面内の屈折率をNx、Ny、厚さ方向の屈折率を
Nz、厚さをDとしてNx≧Ny、(Nx−Ny)=△Nxy
及び{(Nx+Ny)/2−Nz}・D=Rthとしたと
き、波長590nmの単色光に基づく△Nxy・Dが25〜
100nmで、Rthが100〜300nmであり、かつ積層
体面に対する法線とNzのなす角βが5〜30度である
ことを特徴とする複合位相差板を提供するものである。
【0007】また本発明は、前記の複合位相差板と偏光
板の積層体からなることを特徴とする光学補償偏光板、
及び前記の複合位相差板を偏光板と液晶セルの間に有す
ることを特徴とする液晶表示装置を提供するものであ
る。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、上記した位相差層の
(A)、(B)、(C)を組合せた位相差の複合化によ
る当該△Nxy及びRthの位相差特性の達成により、TN
液晶の複屈折による位相差を全方位角において高度に補
償できる位相差板を得ることができ、大型画面の場合に
も階調反転しない視野角が広くて視野角により表示色が
変化しにくく、コントラストや画面表示の均一性に優れ
る液晶表示装置を形成することができる。
【0009】
【発明の実施形態】本発明による複合位相差板は、面内
の屈折率をnx、ny、厚さ方向の屈折率をnz、層厚を
d、nx−ny=△nxy及び(nx−nz)/(nx−ny)
=Qとしたとき、(A)nx>ny>nzを満足する高分
子フィルムからなる位相差層、(B)nx≧ny>nzを
満足し光学軸が層平面の法線方向に対し傾斜する位相差
層、及び(C)ノルボルネン系ポリマーの配向フィルム
からなり△nxy・d≦70nm、1≦Q≦4を満足する位
相差層をそれぞれ1層又は2層以上有する積層体からな
り、かつその積層体における面内の屈折率をNx、Ny、
厚さ方向の屈折率をNz、厚さをDとしてNx≧Ny、
(Nx−Ny)=△Nxy及び{(Nx+Ny)/2−Nz}
・D=Rthとしたとき、波長590nmの単色光に基づく
△Nxy・Dが25〜100nmで、Rthが100〜300
nmであり、かつ積層体面に対する法線とNzのなす角β
が5〜30度であるものからなる。
【0010】前記複合位相差板の例を図1に示した。1
が位相差層(A)、(B)、(C)の積層体からなる複
合位相差板であり、11,14が位相差層(A)、1
2,15が位相差層(B)、13,16が位相差層
(C)である。なお図は、液晶表示装置としたものを示
しており、2が偏光板、3が液晶セルである。
【0011】位相差層(A)は、nx>ny>nzを満足
する高分子フィルム、すなわち面内に屈折率異方性を有
して(nx>ny)、その面内の屈折率よりも厚さ方向の
屈折率が小さい屈折率特性(ny>nz)を示す高分子フ
ィルムにて形成される。補償効果の点より好ましい位相
差層(A)は、波長590nmの単色光に基づく位相差:
△nxy・dが0超〜50nm以下であり、式:(nx+n
y)/2−nz}・dで定義されるrthが30〜100nm
である複屈折特性を示すものである。なお前記におい
て、nx、nyは面内の屈折率、nzは厚さ方向の屈折
率、dは層厚を意味し、△nxy=nx−nyである(以下
同じ)。
【0012】高分子フィルムとしては、前記した屈折率
特性を示す適宜な透明高分子からなるものを用いること
ができ、特に限定はない。ちなみにその例としては、各
種のポリマーからなるフィルムやそのフィルムを一軸や
二軸等の適宜な方式で延伸処理して高分子を配向させて
なる延伸フィルムなどがあげられる。就中、光透過率に
優れて配向ムラや位相差ムラの少ないものが好ましく用
いうる。
【0013】ちなみに前記高分子フィルムを形成するポ
リマーの具体例としては、ポリカーボネートやポリアリ
レート、ポリスルホンやポリオレフィン、ポリエチレン
テレフタレートやポリエチレンナフタレート、ノルボル
ネン系ポリマーやアクリル系ポリマー、スチレン系ポリ
マーやセルロース系ポリマー、それらポリマーの2種又
は3種以上を混合したポリマーなどがあげられる。
【0014】また位相差層(A)を高分子フィルムにて
形成することにより、それに偏光フィルムの透明保護層
を兼ねさせることができる。図1の例の如く複合位相差
板1を形成する位相差層(A)11、14に偏光フィル
ムの透明保護層を兼ねさせた状態で複合位相差板1と偏
光板2を積層した光学補償偏光板とすることにより、そ
の薄型化や製造プロセスの短縮化を図ることができる。
【0015】位相差層(B)は、nx≧ny>nz(負の
屈折率異方性)を満足し、かつその光学軸が層平面の法
線方向に対し傾斜するものにて形成される。これにより
正の屈折率異方性を示すTN液晶、特にその電圧印加に
よる黒表示でのセル中におけるセル基板に対し光学軸が
傾斜した状態に対する補償を効率よく行うことができ
る。位相差層(B)が負の屈折率異方性のみを満足して
光学軸が層平面の法線方向に対し傾斜する条件を満足し
ない場合には本発明の目的を達成することができない。
【0016】すなわち負の屈折率異方性のみを満足する
位相差層では、その法線方向を基準(入射角0度)とし
て単色光の入射角を基準から面内の最大屈折率方向に傾
けるとその△nxy・dは、0度入射の場合を最大値とし
てそれを中心に対称形をなし、入射角を面内最大屈折率
方位に直交する方向に傾けたときはその△nxy・dが0
度入射の場合を最小値としてそれを中心に対称形をなし
て、補償効果に不足する。
【0017】前記に対し光学軸が法線より傾斜する特性
を付加することで、0度入射のときに△nxy・dが最大
値及び最小値となることを回避できて補償効果の向上を
図ることができる。なお負の屈折率異方性の傾斜タイプ
がハイブリッド配向をなす場合には△nxy・dの最小値
が0となることはないが、チルト配向をなす場合には△
nxy・dの最小値が0となるときもある。
【0018】上記特性を示す位相差層(B)の形成は、
例えば熱可塑性ポリマーからなるフィルムを周速の異な
るロールで圧延処理する方式、液晶ポリマーを電場や磁
場等の印加下に、あるいは配向膜等を介して配向させる
方式などの適宜な方式により分子が層面に対し傾斜配向
したものとして形成することができる。
【0019】なお前記の熱可塑性ポリマーとしては上記
の位相差層(A)で例示したものなどの適宜なものを用
いることができる。また液晶ポリマーとしては、ディス
コチィク系やネマチック系、コレステリック系やスメク
チック系のものなどの適宜なものを1種又は2種以上を
用いることができる。就中、傾斜配向の処理性などの点
より上記したワイドビューフィルムにおける如きディス
コチィク液晶ポリマーが好ましく用いうる。
【0020】位相差層(C)は、ノルボルネン系ポリマ
ーの配向フィルムからなり、△nxy・d≦70nm、1≦
Q≦4を満足するものにて形成される。なおQ=(nx
−nz)/(nx−ny)である(以下同じ)。かかる位
相差層(C)の形成は、例えばノルボルネン系ポリマー
フィルムをテンター等を介しガラス転移温度よりも30
〜60℃高い温度で幅方向に1.1〜3倍の倍率で一軸
延伸する方法などにより行うことができる。位相差層
(C)を形成するノルボルネン系ポリマーについては特
に限定はなく、市販物等の適宜なものを単独で又は2種
以上を混合して用いうる。
【0021】複合位相差板の形成は、積層体における面
内の屈折率をNx、Ny、厚さ方向の屈折率をNz、厚さ
をDとしてNx≧Ny、(Nx−Ny)=△Nxy及び{(N
x+Ny)/2−Nz}・D=Rthとしたとき、波長59
0nmの単色光に基づく△Nxy・Dが25〜100nmで、
かつRthが100〜300nmとなる組合せで上記した位
相差層の(A)と(B)と(C)を、積層体面に対する
法線とNzのなす角βが5〜30度となるように積層す
ることにより行うことができる。その積層に際しては前
記A、B、Cの各位相差層をそれぞれ1層又は2層以上
用いうる。
【0022】前記の△NxyとRthを満足することで法線
(正面方向)に対し略80度の全方位角で表示色の変化
なしに良好なコントラストを示すTN型液晶表示装置を
形成することも可能である。複合位相差板における前記
△NxyとRthの制御は、位相差層の(A)、(B)、
(C)の組合せやその組合せ数を変えることにより行う
ことができる。
【0023】位相差層の(A)、(B)、(C)の積層
においてそれらの遅相軸ないし進相軸の配置角度や配置
順序は任意であり、その配置角度の制御にても前記の△
NxyやRthを調節することができる。補償効果の点より
有利な積層は、位相差層(B)の光学軸の傾斜方向と積
層体面内の最大屈折率方向が可及的に直交状態(90
度)となるように交差させたものである。
【0024】また前記の補償効果を達成しつつ複合位相
差板の薄型化を図る点より有利な積層は、位相差層の
(A)と(B)と(C)を各1層用いてそれらを位相差
層の(B)が(A)と(C)の間に位置するように積層
したものである。なお位相差層の積層に際しては粘着剤
等の適宜な接着剤を用いることができ、液晶ポリマー層
では位相差層(A)等にて接着支持することも可能であ
る。
【0025】上記の如く位相差層の(A)、(B)、
(C)の組合せによる複合化にて新たな位相差特性を付
与できて、TN液晶の複屈折による位相差やその視角に
よる変化等を補償しうる各種の位相差特性を示す豊富な
位相差板を得ることができ、TN液晶の配向状態等の違
いによる複屈折特性の相違に対しても高精度に補償する
ことができる。
【0026】すなわち従来の上記したワイドビューフィ
ルムやNHフィルムの如く位相差層の(A)と(B)の
みでは、例えば60度以上の視野角でのコントラストが
大きく低下する点や白表示で着色が発生する点、あるい
は黒表示で変色して黒色でなくなる点などの補償効果に
不足する点を位相差層(C)を補って少なくとも当該3
層の位相差層にて補償することにより、広い視野角でコ
ントラストや表示色変化の低さ等に優れるTN型液晶表
示装置を得ることができる。
【0027】なお位相差層の(A)、(B)、(C)の
厚さは、目的とする位相差特性などに応じて適宜に決定
することができる。一般には高分子フィルムからなる場
合、1〜500μm、就中3〜350μm、特に5〜25
0μm、液晶ポリマー層の場合には100μm以下、就中
20μm以下、特に0.1〜10μmの厚さとされるが、
これに限定されない。
【0028】本発明による複合位相差板は、そのまま実
用に供することもできるし、図例の如く偏光板2と積層
して光学補償偏光板として実用に供することもできる。
その光学補償偏光板の形成には、適宜な偏光板を用いる
ことができ、その種類について特に限定はない。就中、
所定振動面の直線偏光を透過し、他の光は吸収する特性
を示す吸収型の偏光板が高い偏光度の点などより好まし
く用いうる。
【0029】ちなみに前記偏光板の例としては、ポリビ
ニルアルコール系や部分ホルマール化ポリビニルアルコ
ール系、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化物
の如き親水性高分子のフィルムにヨウ素及び/又は二色
性染料等の二色性物質を吸着させて延伸配向処理した偏
光フィルムやポリエン配向の偏光フィルムなどが用いら
れる。
【0030】また偏光板は、偏光フィルムの片面又は両
面に透明保護層を設けたものなどであってもよい。透明
保護層は、偏光フィルムの補強、耐熱性や耐湿性の向上
などの種々の目的で設けられる。透明保護層は、樹脂の
塗布層や樹脂フィルムのラミネート層などとして形成で
き、拡散化や粗面化用等の微粒子を含有していてもよ
い。また透明保護層は、上記した如く位相差層(A)と
して設けられていてもよい。
【0031】前記の場合には、図例の如く本発明による
複合位相差板を形成する位相差層(A)11,14が偏
光板2における偏光フィルムの片側の透明保護層を兼ね
ることとなり、光学補償偏光板の薄型化や液晶表示装置
の組立効率の向上に有利である。なお複合位相差板とは
別体に設けた透明保護層が位相差を示す場合、複合位相
差板は少なくともそれに近接する透明保護層を加えた状
態での特性として上記した△NxyとRthを満足するこ
とが補償効果等の点より好ましい。
【0032】用いる偏光板はさらに、特に複合位相差板
を設けない側に表面反射の防止などを目的に反射防止層
や防眩処理層が設けられたものであってもよい。反射防
止層は、例えばフッ素系ポリマーのコート層や多層金属
蒸着膜等の光干渉性の膜などとして適宜に形成すること
ができる。一方、防眩処理層も、例えば微粒子含有の樹
脂塗工層やエンボス加工、サンドブラスト加工やエッチ
ング加工等の適宜な方式で表面に微細凹凸構造を付与す
るなどにより表面反射光が拡散する適宜な方式で形成し
たものであってよい。
【0033】なお前記の微粒子には、例えば平均粒径が
0.5〜20μmのシリカや酸化カルシウム、アルミナ
やチタニア、ジルコニアや酸化錫、酸化インジウムや酸
化カドミウム、酸化アンチモン等の導電性のこともある
無機系微粒子や、ポリメチルメタクリレートやポリウレ
タの如き適宜なポリマーからなる架橋又は未架橋の有機
系微粒子などの適宜なものを1種又は2種以上用いう
る。
【0034】光学補償偏光板における複合位相差板の進
相軸等と偏光板の透過軸等との配置関係については特に
限定はなく、適宜に決定することができる。一般には偏
光板の透過軸と複合位相差板の面内最大屈折方向を平行
関係又は直交関係に配置することが、正面(垂直)方向
の特性には影響を与えずに視角が変化する斜め方向の特
性を制御して視野角の拡大等を図る点より好ましい。
【0035】本発明による複合位相差板や光学補償偏光
板を形成する位相差層や偏光板等の各層は、分離状態に
あってもよいが、層間の屈折率差調節による反射の抑制
や光学系のズレ防止、ゴミ等の異物の侵入防止などの点
よりその一部、就中、全部が固着処理されていることが
好ましい。
【0036】前記の固着処理には、例えば透明な接着剤
などの適宜なものを用いることができ、接着剤等の種類
について特に限定はない。構成部材の光学特性の変化防
止などの点より、接着処理時の硬化や乾燥の際に高温の
プロセスを要しないものが好ましく、長時間の硬化処理
や乾燥時間を要しないものが望ましい。かかる点よりは
粘着層が好ましく用いうる。
【0037】粘着層の形成には、例えばアクリル系重合
体やシリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタ
ン、ポリエーテルや合成ゴムなどの適宜なポリマーを用
いてなる透明粘着剤を用いることができる。就中、光学
的透明性や粘着特性、耐候性などの点よりアクリル系粘
着剤が好ましい。
【0038】なお粘着層は、液晶セル等の被着体への接
着を目的に複合位相差板や光学補償偏光板等の片面又は
両面に必要に応じて設けることもできる。粘着層が表面
に露出する場合には、それを実用に供するまでの間、セ
パレータなどを仮着して粘着層表面の汚染等を防止する
ことが好ましい。
【0039】本発明による複合位相差板や光学補償偏光
板は、液晶、特にTN液晶による複屈折に対する補償板
などとして液晶表示装置の形成に好ましく用いうる。液
晶表示装置は一般に、偏光板や液晶セルや補償板、必要
に応じてのバックライトや反射板等の構成部品を適宜に
組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成される
が、本発明においては上記した複合位相差板や光学補償
偏光板を用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じ
て液晶表示装置を形成することができる。
【0040】従って液晶表示装置の形成に際しては、例
えば視認側の偏光板の上に設ける光拡散板やアンチグレ
ア層やプリズムシート、反射防止膜や保護層や保護板、
バックライトに設けるプリズムシート等の光路制御板な
どの適宜な光学素子を適宜に配置することができる。な
お補償板は通例、図例の如く液晶セル3と視認側又は/
及びバックライト側の偏光板2との間に配置される。従
って本発明による複合位相差板又は光学補償偏光板は、
液晶セルの少なくとも片側に配置されていればよい。
【0041】
【実施例】実施例1 厚さ100μmのノルボルネン系ポリマーフィルム(J
SR社製、アートン、以下同じ)をテンター延伸機にて
175℃で延伸処理して、nx>ny>nzの屈折率特性
を有して、波長590nmの単色光による(以下同じ)△
nxy・dが10nmで、rthが80nmの位相差層A1を得
た。なお屈折率等は、自動複屈折計(王子計測機器社
製、KOBRA−21ADH、以下同じ)にて測定し
た。
【0042】次に前記の位相差層A1の上に、加湿処理
下に接着剤を介し移着させる方式でワイドビューフィル
ム(WV02A)のディスコチック液晶ポリマーの傾斜
配向層のみを転写して位相差層B1を積層し、波長59
0nmの単色光による△nxy・dが30nmで、rthが13
0nmの積層体を得た。なお転写積層に際しては、位相差
層A1の面内最大屈折率(nx)の方向とディスコチッ
ク液晶の傾斜方向とが平行になるように処理した。
【0043】ついで前記の位相差層B1の上に、厚さ1
00μmのノルボルネン系ポリマーフィルムをテンター
にて210℃で一軸延伸処理して得た波長590nmの単
色光による△nxy・dが20nmで、Qが1.6の位相差
層C1をアクリル系粘着層を介し積層し、波長590nm
の単色光による△Nxy・Dが50nmで、Rthが160nm
の複合位相差板を得た。
【0044】次に厚さ75μmのポリビニルアルコール
フィルムをヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸
を含む水溶液中で周速の異なるロール間にて6倍に一軸
延伸して得た偏光フィルムの片面にポリビニルアルコー
ル系接着剤を介し厚さ80μmのトリアセチルセルロー
スフィルムを接着し、偏光フィルムの他面にポリビニル
アルコール系接着剤を介し前記の複合位相差板をその位
相差層A1を介し接着積層して光学補償偏光板を得た。
【0045】比較例 複合位相差板に代えて、上記した位相差層A1と位相差
層B1との積層体を用いてその位相差層A1を介し接着
積層したほかは実施例1に準じて光学補償偏光板を得
た。
【0046】評価試験 実施例1及び比較例で得た光学補償偏光板をTN型液晶
セルの両面に偏光板が外側となるように接着して液晶表
示装置を得、コントラスト測定器(ELDIM社製、E
ZContrast)にてその表示コントラストの視野角特性を
調べた。その結果を、等コントラスト曲線にて図2に示
した。また上下左右方向のコントラスト10基準の視野
角特性を次表に示した。以上の結果より、実施例におい
てはほぼ全方位において良視認の視野角が大きく拡大さ
れていることがわかる。
【0047】 上方向 下方向 左方向 右方向 実施例1 80度以上 50度 80度以上 80度以上 比 較 例 52度 52度 60度 63度
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示装置例の断面図
【図2】実施例1及び比較例の等コントラスト曲線
【符号の説明】
1:複合位相差板 11,14:位相差層(A) 12,15:位相差層(B) 13,16:位相差層(C) 2:偏光板 3:液晶セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BB03 BB48 BB65 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11Z FA37X FB02 FC07 FC12 FD15 GA16 HA07 KA02 LA12 LA13 LA17 LA19 LA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面内の屈折率をnx、ny、厚さ方向の屈
    折率をnz、層厚をd、nx−ny=△nxy及び(nx−n
    z)/(nx−ny)=Qとしたとき、(A)nx>ny>
    nzを満足する高分子フィルムからなる位相差層、
    (B)nx≧ny>nzを満足し光学軸が層平面の法線方
    向に対し傾斜する位相差層及び(C)ノルボルネン系ポ
    リマーの配向フィルムからなり△nxy・d≦70nm、1
    ≦Q≦4を満足する位相差層をそれぞれ1層又は2層以
    上有する積層体からなり、かつその積層体における面内
    の屈折率をNx、Ny、厚さ方向の屈折率をNz、厚さを
    DとしてNx≧Ny、(Nx−Ny)=△Nxy及び{(Nx
    +Ny)/2−Nz}・D=Rthとしたとき、波長590
    nmの単色光に基づく△Nxy・Dが25〜100nmで、R
    thが100〜300nmであり、かつ積層体面に対する法
    線とNzのなす角βが5〜30度であることを特徴とす
    る複合位相差板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複合位相差板と偏光板
    の積層体からなることを特徴とする光学補償偏光板。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の複合位相差板を偏光板
    と液晶セルの間に有することを特徴とする液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、複合位相差板が位相
    差層(A)と位相差層(C)の間に位相差層(B)を有
    し、かつ位相差層の(A)と(B)と(C)を各1層用
    いたものである液晶表示装置。
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