JP3938923B2 - Ipsモード液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光板と位相差フィルムを積層した光学フィルムを用いた、いわゆるIPSモードで動作するIPSモード液晶表示装置に関する。
従来より、液晶表示装置としては、正の誘電率異方性を有する液晶を、相互に対向する基板間にネジレ水平配向した、いわゆるTNモードの液晶表示装置が主として使われている。しかし、TNモードではその駆動特性上、黒表示をしようとしても基板近傍の液晶分子により複屈折が生じる結果、光漏れが生じてしまい、完全な黒表示を行うことが困難であった。これに対し、IPSモードの液晶表示装置は、非駆動状態において液晶分子が基板面に対して略平行なホモジニアス配向を有するため、光は液晶層を、その偏光面をほとんど変化させること無く通過し、その結果基板の上下に偏光板を配置することにより非駆動状態でほぼ完全な黒色表示が可能である。
しかしながら、IPSモードではパネル法線方向においてはほぼ完全な黒色表示ができるものの、法線方向からズレた方向からパネルを観察する場合、液晶セルの上下に配置する偏光板の光軸方向からズレた方向では偏光板の特性上避けられない光漏れが発生する結果、視野角が狭くなるという問題があった。すなわち、一般的に用いられているトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを保護フィルムとして用いた偏光板では、TACフィルムの有する複屈折性により視野角が狭くなるという問題があった。
この問題を解決するために、斜め方向から観察した場合に生じる偏光板の幾何学的な軸ズレを、位相差フィルムにより補償した偏光板が用いられている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。前記特許文献1、2に記載の偏光板では、偏光子の保護フィルムとして位相差フィルムが使用されている。しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載の位相差フィルムではIPSモードの液晶表示装置の充分な広視野角を実現し難い。
特開平4−305602号公報 特開平4−371903号公報
本発明は、偏光板と位相差フィルムを積層した光学フィルムを用いた、広範囲にわたり高いコントラスト比を有する、見やすい表示を実現可能なIPSモード液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示すIPSモード液晶表示装置を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、液晶層を狭持する一対の基板からなるIPSモードにて駆動される液晶セルおよびバックライトを有するIPSモード液晶表示装置であって、
前記液晶セルの片側のセル基板には、偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸が直交または平行になるように積層した光学フィルム(F1)であって、
前記偏光板は、偏光子の両面に透明保護フィルムを積層してなり、当該透明保護フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の550nmにおける屈折率をnx、ny、nz、フィルムの厚さd(nm)とした場合に、
面内位相差Re=(nx−ny)×dが、10nm以下であり、
かつ厚み方向位相差Rth={(nx+ny)/2−nz}×dが、30〜100nmであり、
前記位相差フィルムは、高分子ポリマーフィルムの複屈折性フィルムであり、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の550nmにおける屈折率をnx1、ny1、nz1、フィルムの厚さd1(nm)とした場合に、
Nz=(nx1−nz1)/(nx1−ny1)で表されるNz値が、0.3〜0.7を満足し、
かつ面内位相差Re1=(nx1−ny1)×d1が、200〜300nmである光学フィルム(F1)が配置されており、
前記液晶セルのもう一方の片側のセル基板には、偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸が平行になるように積層した光学フィルム(F2)であって、
前記偏光板は、偏光子の両面に透明保護フィルムを積層してなり、当該透明保護フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の550nmにおける屈折率をnx、ny、nz、フィルムの厚さd(nm)とした場合に、
面内位相差Re=(nx−ny)×dが、10nm以下であり、
かつ厚み方向位相差Rth={(nx+ny)/2−nz}×dが、30〜100nmであり、
前記位相差フィルムは、高分子ポリマーフィルムの複屈折性フィルムであり、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の550nmにおける屈折率をnx2、ny2、nz2、フィルムの厚さd2(nm)とした場合に、
Nz=(nx2−nz2)/(nx2−ny2)で表されるNz値が、0.9〜1.2を満足し、
かつ面内位相差Re2=(nx2−ny2)×d2が、150〜280nmである光学フィルム(F2)が配置されており、
かつ、光学フィルム(F1)と光学フィルム(F2)はそれぞれの偏光板の吸収軸が直交状態になり、いずれも位相差フィルム側が液晶セル側になるように配置されており、
かつ前記光学フィルム(F1)が視認側のセル基板に配置されており、前記光学フィルム(F2)がバックライトからの光入射側のセル基板に配置されており
電圧無印加時において液晶セル内の液晶物質の異常光屈折率方向と入射側の前記光学フィルム(F2)の偏光板の吸収軸が平行状態にあり、前記液晶セルの前記位相差値と、光学フィルム(F2)の位相差フィルムの位相差値の和が、550nm±40nmであることを特徴とするIPSモード液晶表示装置、に関する。
上記光学フィルム(F1)および光学フィルム(F2)は、上記所定位相差値の保護フィルムを有する偏光板をクロスニコル状態で配置した場合に、光軸からズレた方向での光漏れを、上記特定の位相差フィルムにより解消することができ、IPSモードの液晶表示装置に好適に用いられる。特に液晶層の斜め方向におけるコントラストの低下を補償する機能を有する。前記光学フィルム(F1)は、偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸が直交または平行となるように積層されている。また光学フィルム(F2)は偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸が平行となるように積層されている。
上記本発明のIPSモードの液晶表示装置では、液晶セルの片側に光学フィルム(F1)を、もう一方の片側に光学フィルム(F2)を配置することにより、IPSモードの液晶表示装置おいて従来生じていた黒表示時の光漏れを低減することができる。かかるIPSモードの液晶表示装置は、全方位にわたり高いコントラスト比を有し、広視野角で見やすい表示を実現可能である。
上記光学フィルム(F1)および光学フィルム(F2)に用いる偏光板の透明保護フィルムは、面内位相差Reが10nm以下、より好ましくは6nm以下であり、かつ厚み方向位相差Rthは30〜100nm、好ましくは30〜60nmである。上記光学フィルム(F1)および光学フィルム(F2)は、偏光子の透明保護フィルムとして、かかる位相差を有するものに対して、位相差フィルムにより高い補償効果を得るものである。透明保護フィルムの厚さdは特に制限されないが、一般には500μm以下であり、1〜300μmが好ましい。特に5〜200μmとするのが好ましい。
光学フィルム(F1)に用いる位相差フィルムは前記Nz値が0.3〜0.7であり、かつ面内位相差Re1が200〜300nmである。Nz値は補償機能を高める点から0.4以上、さらには0.45以上であるのが好ましい。一方、Nz値は0.6以下、さらには0.55以下であるのが好ましい。面内位相差Re1は補償機能を高める点から240nm以上、270nm以下であるのが好ましい。
光学フィルム(F2)に用いる位相差フィルムは前記Nz値が0.9〜1.2であり、かつ面内位相差Re2が150〜280nmである。Nz値は補償機能を高める点から0.95以上、さらには0.98以上であるのが好ましい。一方、Nz値は1.1以下、さらには1.05以下であるのが好ましい。面内位相差Re2は補償機能を高める点から160nm以上、180nm以上であるのが好ましく、さらに250nm以下であるのが好ましい。
前記IPSモード液晶表示装置は、IPSモードにて駆動される液晶セルとして、550nmにおける位相差値が電圧無印加時において230〜400nmであるIPSモードの液晶セルに適用することが好ましい。
IPSモードの液晶セルを構成する材料は特に限定されるものではなく、通常、使用されるものを適宜使用できるが、液晶セルの550nmにおける位相差値が電圧無印加時において230〜400nmのものへの適用が、位相差フィルムによる補償機能を好適に付与できる点から好適である。前記液晶セルの550nmにおける位相差値は電圧無印加時において、より好ましくは230〜360nm、より好ましくは270〜360nm、さらに好ましくは270〜310nmである。なお、液晶セルの前記位相差値と、光学フィルム(F2)の位相差フィルムの位相差値の和は、本発明において、位相差を測定している、可視光の中心的な波長と同じ波長(550nm)または0nmに近づけることが、斜め方向におけるコントラストの低下を補償する点で好ましい。
前記IPSモード液晶表示装置は、前記光学フィルム(F1)が視認側のセル基板に配置されており、前記光学フィルム(F2)がバックライトからの光入射側のセル基板に配置されており、
電圧無印加時において液晶セル内の液晶物質の異常光屈折率方向と入射側の前記光学フィルム(F2)の偏光板の吸収軸が平行状態にあることが好ましい。上記の配置としたとき、液晶セル内の液晶物質の異常光屈折率方向と、光学フィルム(F2)の位相差フィルムの遅相軸とは平行状態にあるため、液晶セルの前記位相差値と、光学フィルム(F2)の位相差フィルムの位相差値の和は、各位相差値の和として表される。かかる各位相差値の和は、550nmに近づけるほど、斜め方向におけるコントラストの低下を補償できる点で好ましい。かかる各位相差値の和は、550nm±40nmであるのが好ましく、さらには550nm±30nmであるのが好ましく、さらには550nm±20nmであるのが好ましい。
以下本発明のIPSモード液晶表示装置を、光学フィルム(F1)、光学フィルム(F2)とともに図面を参照しながら説明する。
図1乃至図2に示す通り、本発明の光学フィルム(F1)、光学フィルム(F2)は、偏光板1に位相差フィルム21、22がそれぞれ積層されている。偏光板1としては、偏光子1aの両面に透明保護フィルム1bが積層されたものが用いられる。片面に、位相差フィルム2が積層されている場合の例である。光学フィルム(F1)、光学フィルム(F2)には前記Nz値、面内位相差を有する位相差フィルム21、22がそれぞれ用いられる。
図1に示すように、光学フィルム(F1)は偏光板1の吸収軸と位相差フィルム21の遅相軸は直交または平行になるように積層されている。光学フィルム(F1)における偏光板1の吸収軸と位相差フィルム21の遅相軸は直交または平行のいずれでも同様の機能を示すが、前記軸が平行であれば、延伸後のロール状の位相差フィルムとロール状の偏光板を連続的に貼り合わせることができ、製造工程を簡略化できる。図1(A)が直交、図1(B)が平行になるように積層した場合である。また図2に示すように、光学フィルム(F2)は偏光板1の吸収軸と位相差フィルム2の遅相軸は平行になるように積層されている
偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
前記偏光子に設けられる透明保護フィルムとしては、前記面内位相差Reが10nm以下であり、かつ厚み方向位相差Rthが30〜100nmのものを特に制限なく使用できる。かかる透明保護フィルムを形成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。前記透明保護フィルムの材料としては、一般的に偏光子の透明保護フィルムとして用いられているトリアセチルセルロースが好適である。これら透明保護フィルムは、前記面内位相差Re、厚み方向位相差Rthとなるように適宜に延伸処理することができる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
前記偏光子と透明保護フィルムとの接着処理には、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等が用いられる。
位相差フィルムとしては、光学フィルム(F1)、光学フィルム(F2)にそれぞれ前記Nz値、面内位相差を有するものが用いられる。光学フィルム(F1)には前記Nz値が0.3〜0.7であり、かつ面内位相差Re1が200〜300nmである位相差フィルムを用いる。光学フィルム(F2)には前記Nz値が0.9〜1.2であり、かつ面内位相差Re2が150〜280nmである位相差フィルムを用いる。当該位相差フィルムは、コントラストの点から、位相差の波長依存性において、{Δnd(450nm)/Δnd(550nm)}<1、を満たすもの、すなわち逆分散性を示すものが好ましい。Δnd(450nm)、Δnd(550nm)は、各波長における面内位相差である。位相差フィルムとしては、高分子ポリマーフィルムの複屈折性フィルムが用いられる。当該位相差フィルムは、正分散性(液晶の分散性と同じ)ものを用いるのが好ましい。
高分子ポリマーとしては、たとえば、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリノルボルネン等の脂環式ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合体、またはこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物などがあげられる。位相差フィルムは、高分子ポリマーフィルムを面方向に二軸に延伸する方法、面方向に一軸または二軸に延伸し、厚さ方向にも延伸する方法等により厚さ方向の屈折率を制御することにより得られる。また高分子ポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理して傾斜配向させる方法等により得られる。
前記位相差フィルムと偏光板の積層法は特に制限されず、粘着剤層等により行うことができる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
光学フィルムや粘着剤層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
本発明のIPSモード液晶表示装置は図3に示すように液晶層を狭持する一対の基板からなるIPSモードにて駆動される液晶セル3およびバックライトを有する。バックライトは入射側に設けられるが、図面では省略している。液晶セルは、液晶層を狭持する一対の基板と、前記一対の基板の一方に形成された電極群と、前記基板間に挟持された誘電異方性を有する液晶組成物質層と、前記一対の基板の対向に形成されて前記液晶組成物質の分子配列を所定の方向に配列させるための配向制御層および前記電極群に駆動電圧を印加するための駆動手段とを具備する。前記電極群は前記配向制御層および前記液晶組成物質層の界面に対して、主として平行な電界を印加するごとく配置された配列構造を有している。当該液晶セルは、前述の通り、550nmにおける位相差値が電圧無印加時において230〜400nmであることが好ましい。
本発明のIPSモード液晶表示装置は、前記液晶セルの片側のセル基板には光学フィルム(F1)が配置され、液晶セルのもう一方の片側のセル基板には光学フィルム(F2)が配置される。
図3のように、光学フィルム(F1)を視認側のセル基板に配置し、光学フィルム(F2)を入射側のセル基板に配置する図3では、光学フィルム(F1)として、偏光板1の吸収軸と位相差フィルム21の遅相軸が平行になるように積層したものを用いている。このように光学フィルム(F1)、光学フィルム(F2)を配置する場合には、図3のように、電圧無印加時において液晶セル3内の液晶物質の異常光屈折率方向と入射側の前記光学フィルム(F2)の偏光板1の吸収軸が平行状態になるように配置するのが好ましい。
また前記図3に示されているように、本発明のIPSモード液晶表示装置は、光学フィルム(F1)の偏光板1の吸収軸と光学フィルム(F2)の偏光板1の吸収軸は直交状態になり、光学フィルム(F1)および光学フィルム(F2)はいずれも位相差フィルム21、22側が液晶セル3側になるように配置されている。
前記光学フィルム(F1)、光学フィルム(F2)は、実用に際して他の光学層を積層して用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)などの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板について説明する。直線偏光を楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板とも言う)が用いられる。1/2波長板(λ/2板とも言う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
楕円偏光板は液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青又は黄等)を補償(防止)して、前記着色のない白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)することができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有する。
偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
前記の輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの(3M社製、D−BEF等)、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの(日東電工社製、PCF350やMerck社製、Transmax等)如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
また偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
前記光学層を積層した光学フィルム、偏光板は、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたのものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板と他の光学層の接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。液晶表示装置は、一般に必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明において前記光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。
液晶表示装置は、照明システムあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。さらには液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
透明保護フィルムの550nmにおける屈折率nx、ny、nzを自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製,自動複屈折計KOBRA21ADH)により計測し、面内位相差Re、厚み方向位相差Rthを算出した。また、位相差フィルムについて同様に計測し、Nz、面内位相差Re(Re1,Re2,Re3)を算出した。また液晶セルの550nmにおける電圧無印加時の位相差値は、セナルモン法により測定した。
実施例1
(偏光板の作製)
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて延伸したフィルム(偏光子:20μm)の両面に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(透明保護フィルム:80μm)を、接着剤を用いて積層した。TACフィルムは、面内位相差Re:4nm、厚み方向位相差Rth:50nmであった。
(光学フィルム(F1))
ポリカーボネートフィルムを延伸することにより、厚さ50μm、面内位相差Re1が260nm、Nz=0.5の位相差フィルムを得た。この位相差フィルムと前記偏光板を、位相差フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸が平行状態となるように粘着剤を用いて積層し、光学フィルム(F1)を作製した。
(光学フィルム(F2))
ノルボルネン系フィルムを延伸することにより、厚さ50μm、面内位相差Re2が220nm、Nz=1.05の位相差フィルムを得た。この位相差フィルムと前記偏光板を、位相差フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸が平行状態となるように粘着剤を用いて積層し、光学フィルム(F2)を作製した。
(液晶表示装置)
550nmにおける位相差値が310nmであるIPSモードの液晶セルを用い、図3に示すように、光学フィルム(F1)を視認側のセル基板に、光学フィルム(F2)を入射側のセル基板にそれぞれ粘着剤で積層した。光学フィルム(F1)、(F2)は位相差フィルム側が、液晶セル側になるようにした。このとき、光学フィルム(F2)の偏光板の吸収軸と液晶セル内の液晶の有する異常光屈折率方向が平行状態になるように配置した。また光学フィルム(F1)と光学フィルム(F2)はそれぞれの偏光板の吸収軸が直交状態になるように配置した。
(評価)
この液晶表示装置をバックライトの上に設置し、直交する偏光板の光軸に対する方位方向45度において法線方向からの傾き70度方向のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比=60であった。コントラスト比の測定は、EZ Contrast(ELDIM社製)を用いて行った。
実施例2
(光学フィルム(F2))
位相差の波長依存性において、{Δnd(450nm)/Δnd(550nm)}<1、を満たすフィルム(帝人化成社製,ピュアエースWR)を延伸することにより、厚さ150μm、面内位相差Re2が220nm、Nz=1.0の位相差フィルムを得た。この位相差フィルムと実施例1で用いたのと同様の前記偏光板を、位相差フィルムの遅相軸と偏光板の吸収軸が平行状態となるように粘着剤を用いて積層し、光学フィルム(F2)を作製した。
(液晶表示装置)
実施例1において、光学フィルム(F2)として上記で得られたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。
(評価)
この液晶表示装置をバックライトの上に設置し、直交する偏光板の光軸に対する方位方向45度において法線方向からの傾き70度方向のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比=65であった。
比較例1
(液晶表示装置)
実施例1で作製した偏光板を、実施例1と同様のIPSモードの液晶セルの両面に粘着剤で積層して液晶表示装置を作製した。また液晶セルの両面に配置した偏光板は吸収軸が互いに直交するように配置した。
(評価)
この液晶表示装置をバックライトの上に設置し、直交する偏光板の光軸に対する方位方向45度において法線方向からの傾き70度方向のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比=10であった。
本発明のIPSモード液晶表示装置に用いる光学フィルム(F1)の断面図および概念図の一例である。 本発明のIPSモード液晶表示装置に用いる光学フィルム(F2)の断面図および概念図の一例である。 本発明のIPSモード液晶表示装置の概念図の一例である。
符号の説明
1 偏光板
1a 偏光子
1b 透明保護フィルム
21 位相差フィルム
22 位相差フィルム
F1 光学フィルム
F2 光学フィルム
3 IPSモード液晶セル

Claims (3)

  1. 液晶層を狭持する一対の基板からなるIPSモードにて駆動される液晶セルおよびバックライトを有するIPSモード液晶表示装置であって、
    前記液晶セルの片側のセル基板には、偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸が直交または平行になるように積層した光学フィルム(F1)であって、
    前記偏光板は、偏光子の両面に透明保護フィルムを積層してなり、当該透明保護フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の550nmにおける屈折率をnx、ny、nz、フィルムの厚さd(nm)とした場合に、
    面内位相差Re=(nx−ny)×dが、10nm以下であり、
    かつ厚み方向位相差Rth={(nx+ny)/2−nz}×dが、30〜100nmであり、
    前記位相差フィルムは、高分子ポリマーフィルムの複屈折性フィルムであり、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の550nmにおける屈折率をnx1、ny1、nz1、フィルムの厚さd1(nm)とした場合に、
    Nz=(nx1−nz1)/(nx1−ny1)で表されるNz値が、0.3〜0.7を満足し、
    かつ面内位相差Re1=(nx1−ny1)×d1が、200〜300nmである光学フィルム(F1)が配置されており、
    前記液晶セルのもう一方の片側のセル基板には、偏光板の吸収軸と位相差フィルムの遅相軸が平行になるように積層した光学フィルム(F2)であって、
    前記偏光板は、偏光子の両面に透明保護フィルムを積層してなり、当該透明保護フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の550nmにおける屈折率をnx、ny、nz、フィルムの厚さd(nm)とした場合に、
    面内位相差Re=(nx−ny)×dが、10nm以下であり、
    かつ厚み方向位相差Rth={(nx+ny)/2−nz}×dが、30〜100nmであり、
    前記位相差フィルムは、高分子ポリマーフィルムの複屈折性フィルムであり、当該フィルム面内の面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の550nmにおける屈折率をnx2、ny2、nz2、フィルムの厚さd2(nm)とした場合に、
    Nz=(nx2−nz2)/(nx2−ny2)で表されるNz値が、0.9〜1.2を満足し、
    かつ面内位相差Re2=(nx2−ny2)×d2が、150〜280nmである光学フィルム(F2)が配置されており、
    かつ、光学フィルム(F1)と光学フィルム(F2)はそれぞれの偏光板の吸収軸が直交状態になり、いずれも位相差フィルム側が液晶セル側になるように配置されており、
    かつ前記光学フィルム(F1)が視認側のセル基板に配置されており、前記光学フィルム(F2)がバックライトからの光入射側のセル基板に配置されており
    電圧無印加時において液晶セル内の液晶物質の異常光屈折率方向と入射側の前記光学フィルム(F2)の偏光板の吸収軸が平行状態にあり、前記液晶セルの前記位相差値と、光学フィルム(F2)の位相差フィルムの位相差値の和が、550nm±40nmであることを特徴とするIPSモード液晶表示装置。
  2. IPSモードにて駆動される液晶セルが、550nmにおける位相差値が電圧無印加時において230〜400nmであるIPSモードの液晶セルであることを特徴とする請求項1記載のIPSモード液晶表示装置。
  3. 光学フィルム(F2)に用いる位相差フィルムは、位相差の波長依存性が、
    {Δnd(450nm)/Δnd(550nm)}<1
    Δnd(450nm)、Δnd(550nm)は、各波長における面内位相差である、を満たすことを特徴とする請求項1または2記載のIPSモード液晶表示装置
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