JP2002090530A - 複合位相差板、光学補償偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

複合位相差板、光学補償偏光板及び液晶表示装置

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JP2002090530A
JP2002090530A JP2000277595A JP2000277595A JP2002090530A JP 2002090530 A JP2002090530 A JP 2002090530A JP 2000277595 A JP2000277595 A JP 2000277595A JP 2000277595 A JP2000277595 A JP 2000277595A JP 2002090530 A JP2002090530 A JP 2002090530A
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retardation
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optical retardation
plate
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Yuichi Nishikoji
祐一 西小路
Hiroyuki Yoshimi
裕之 吉見
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型画面の場合にもTN液晶の複屈折による
位相差を高度に補償できて良視認の視野角に優れる液晶
表示装置を形成できる位相差板の開発。 【解決手段】 面内の屈折率をnx、ny、厚さ方向の屈
折率をnz、層厚をd、|nx−ny|=△nxy、|nx−
nz|=△nxz及び|ny−nz|=△nyzとしたとき、
△nxy・d≦100nm、△nxz・d≦100nmかつ△n
yz・d≦100nmの位相差特性を満足する、正の固有複
屈折性を示す高分子が配向してなる屈折率異方性フィル
ム(11、16)よりなる位相差層(A)、負の固有複
屈折性を示す高分子が配向してなる屈折率異方性フィル
ム(13、14)よりなり前記の位相差特性を満足する
位相差層(B)、及び正又は負の固有複屈折性を示す液
晶化合物の光軸が傾斜配向してなる位相差層(C:1
2、15)をそれぞれ1層又は2層以上有する積層体か
らなる複合位相差板(1)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、TN液晶による複屈折を
高度に補償して高コントラストの視野角に優れる液晶表
示装置を形成しうる複合位相差板及び光学補償偏光板に
関する。
【0002】
【従来の技術】高速応答性や正面方向での高コントラス
ト性に着目されてTN液晶を用いたTFT−LCD(液
晶表示装置)がテレビやパソコンモニタ等の各種表示装
置に広く普及する中、斜視方向でのコントラストの著し
い低下や階調表示の反転(階調反転)等による良視認視
野角の狭さの改善が求められており、高コントラスト化
や広視野角化、視野角による表示色変化の抑制や画面表
示の均一化が画面の大型化に伴い特に重要な課題となっ
ている。
【0003】従来、前記の改善策としては位相差板にて
TN液晶の複屈折による位相差を補償して良視認の視野
角を拡大する提案がなされており、その視野角拡大用の
補償板として負の固有複屈折性を示すディスコティク液
晶又は正の固有複屈折性を示すネマチック液晶の光軸が
傾斜配向してなるワイドビューフィルム(商品名、富士
写真フイルム社製)やNHフィルム(商品名、日本石油
化学社製)、正の固有複屈折性を示す高分子による一軸
延伸フィルムからなる位相差板をその光学軸が面内にあ
るものと面に対して傾斜したものとの組合せでそれらの
主屈折率方向が直交するように積層した重畳型の補償板
(特開平7−35924号公報、特開平7−30640
6号公報、特開平10−123506号公報、)が知ら
れていた。
【0004】しかしながら、前記のワイドビューフィル
ムでは正面方向から60度以上傾斜した視野角でコント
ラストが著しく低下し、電圧を印加しない白表示状態で
着色現象が発生する問題点があった。またNHフィルム
では電圧を印加した黒表示状態で視野角を変えると変色
して黒色でなくなる問題点があった。さらに前記の重畳
型補償板では視野角の変化で著しい着色現象が発生する
問題点があった。従って従来の補償板ではTN液晶の位
相差特性に充分に対処できず、その視認特性の改善に満
足できない問題点があった。
【0005】
【発明の技術的課題】本発明は、大型画面の場合にもT
N液晶の複屈折による位相差を高度に補償できて階調反
転しない視野角やコントラストに優れ、視野角による表
示色変化の抑制や画面表示の均一性に優れる液晶表示装
置を形成できる位相差板の開発を目的とする。
【0006】
【課題の解決手段】本発明は、面内の屈折率をnx、n
y、厚さ方向の屈折率をnz、層厚をd、|nx−ny|=
△nxy、|nx−nz|=△nxz及び|ny−nz|=△n
yzとしたとき、△nxy・d≦100nm、△nxz・d≦1
00nmかつ△nyz・d≦100nmの位相差特性を満足す
る、正の固有複屈折性を示す高分子が配向してなる屈折
率異方性フィルムよりなる位相差層(A)、負の固有複
屈折性を示す高分子が配向してなる屈折率異方性フィル
ムよりなり前記の位相差特性を満足する位相差層
(B)、及び正又は負の固有複屈折性を示す液晶化合物
の光軸が傾斜配向してなる位相差層(C)をそれぞれ1
層又は2層以上有する積層体からなることを特徴とする
複合位相差板を提供するものである。
【0007】また本発明は、前記の複合位相差板と偏光
板の積層体からなることを特徴とする光学補償偏光板、
及び前記の複合位相差板を偏光板と液晶セルの間に有す
ることを特徴とする液晶表示装置を提供するものであ
る。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、上記した位相差層の
(A)、(B)、(C)を組合せた位相差の複合化によ
り、TN液晶の複屈折による位相差を全方位角において
高度に補償できる位相差板を得ることができ、大型画面
の場合にも階調反転しない視野角が広くて視野角により
表示色が変化しにくく、コントラストや画面表示の均一
性に優れる液晶表示装置を形成することができる。
【0009】
【発明の実施形態】本発明による複合位相差板は、面内
の屈折率をnx、ny、厚さ方向の屈折率をnz、層厚を
d、|nx−ny|=△nxy、|nx−nz|=△nxz及び
|ny−nz|=△nyzとしたとき、△nxy・d≦100
nm、△nxz・d≦100nmかつ△nyz・d≦100nmの
位相差特性を満足する、正の固有複屈折性を示す高分子
が配向してなる屈折率異方性フィルムよりなる位相差層
(A)、負の固有複屈折性を示す高分子が配向してなる
屈折率異方性フィルムよりなり前記の位相差特性を満足
する位相差層(B)、及び正又は負の固有複屈折性を示
す液晶化合物の光軸が傾斜配向してなる位相差層(C)
をそれぞれ1層又は2層以上有する積層体からなる。
【0010】前記複合位相差板の例を図1に示した。1
が位相差層(A)、(B)、(C)の積層体からなる複
合位相差板であり、11,16が位相差層(A)、1
3,14が位相差層(B)、12,15が位相差層
(C)である。図は、液晶表示装置としたものを示して
おり、2が偏光板、3が液晶セルである。なお前記にお
いて固有複屈折性の正負は、高分子ないし液晶化合物の
分極が分子軸の方向にある(正)か、分子軸に直角な方
向にある(負)かによる。
【0011】位相差層(A)は正の固有複屈折性を示す
高分子が配向してなる屈折率異方性フィルムにて形成さ
れ、位相差層(B)は負の固有複屈折性を示す高分子が
配向してなる屈折率異方性フィルムにて形成されると共
に、位相差層(A)、(B)のいずれも面内の屈折率を
nx、ny、厚さ方向の屈折率をnz、層厚をd、|nx−
ny|=△nxy、|nx−nz|=△nxz及び|ny−nz
|=△nyzとしたとき(以下同じ)、△nxy・d≦10
0nm、△nxz・d≦100nmかつ△nyz・d≦100nm
の位相差特性を満足するものとされる。斯かる位相差
は、補償効果の点より波長590nmの単色光に基づくこ
とが好ましい。
【0012】位相差層の(A)又は(B)をなす屈折率
異方性フィルムを形成する高分子については特に限定は
なく、前記の固有複屈折性を示す適宜な透明高分子を用
いることができる。ちなみに正の固有複屈折性を示す高
分子の例としては、ポリカーボネートやポリアリレー
ト、ポリスルホンやポリオレフィン、ポリエチレンテレ
フタレートやポリエチレンナフタレート、ノルボルネン
系ポリマーやセルロース系ポリマー、それらポリマーの
2種又は3種以上を混合したポリマーなどがあげられ
る。また負の正の固有複屈折性を示す高分子の例として
は、スチレン系ポリマーやアクリル系ポリマー、それら
の脆性を改良したスチレン系コポリマーやアクリル系コ
ポリマー、それらポリマーの2種又は3種以上を混合し
たポリマーなどがあげられる。
【0013】屈折率異方性フィルムは、例えばフィルム
を一軸延伸や二軸延伸等の適宜な方式で処理してフィル
ムを形成する高分子を配向させることにより形成でき、
光透過率に優れて配向ムラや位相差ムラの少ないものが
好ましく用いうる。ちなみに一軸延伸による配向処理に
より延伸方向をnx方向として、正の固有複屈折性を示
す高分子ではnx>ny(完全一軸延伸ではnx>ny=n
z)、負の固有複屈折性を示す高分子ではnx<ny(完
全一軸延伸ではnx<ny=nz)の屈折率異方性を有す
るフィルムが得られる。
【0014】位相差層(A)、(B)を形成する屈折率
異方性フィルムは、面内屈折率のnxとnyが相違するも
のであればよく、厚さ方向の屈折率nzは上記した位相
差特性を満足する範囲で任意な値を採りうる。従ってn
zは、nxとnyの一方又は両方よりも大きくてもよい
し、小さくてもよく、またnxとnyの中間やnxとnyの
一方と同じであってもよい。なお上記した位相差特性
は、nx、ny、nzを制御する方式やフィルム厚dを制
御する方式などにて達成することができる。その場合、
フィルム厚dは1〜500μm、就中10〜350μm、
特に20〜200μmとすることが一般的である。
【0015】位相差層(C)は、正又は負の固有複屈折
性を示す液晶化合物をその光軸が層平面の法線方向に対
し傾斜するように配向させたものにて形成される。その
形成は、例えば重合性の液晶や液晶ポリマーを電場や磁
場等の印加下に、あるいはラビング膜や光利用の配向膜
等を介して分子軸が層面に対し傾斜するように配向させ
た後、光や熱等を介して重合性液晶を重合処理する方式
や加熱配向の液晶ポリマーを急冷固定化する方式などの
適宜な方式にて行うことができる。位相差層(C)の傾
斜配向等に基づく光学特性は、補償対象のTN液晶の光
学特性などに応じて適宜に決定することができる。位相
差層(C)の厚さは、目的とする位相差特性等に応じて
適宜に決定でき一般には液晶層厚に基づき100μm以
下、就中20μm以下、特に0.1〜10μmとされるが
これに限定されない。
【0016】位相差層(C)を形成する正又は負の固有
複屈折性を示す液晶化合物としては、ディスコチィク系
やネマチック系、コレステリック系やスメクチック系の
ものなどの適宜なものを1種又は2種以上を用いること
ができる。就中、傾斜配向の処理性などの点より負の固
有複屈折性(△n<0)を示す液晶化合物としては上記
したワイドビューフィルムにおける如きディスコチィク
系のものが好ましく用いられ、正の固有複屈折性(△n
>0)を示す液晶化合物としては上記したNHフィルム
における如きネマチック系のものが好ましく用いうる。
なお前記の△nは(ne−no)を意味する。
【0017】前記の位相差層(C)によりその傾斜配向
特性に基づいて、それを層の法線方向から光軸の傾斜方
向(+方向)又はその反対方向(−方向)に傾けた場合
に、法線方向を基準(入射角0度)として前記のプラス
とマイナスの方向で位相差が対称形となることを回避で
き補償効果の向上を図ることができる。
【0018】すなわち正の固有複屈折性を示すTN液晶
は、液晶セル中で電圧印加による黒表示時に光軸がセル
基板に対し傾斜した状態となることより、負の固有複屈
折性を示す液晶化合物が傾斜配向した位相差層(C)に
て電圧印加の黒表示時の補償を有利に行うことができて
視野角を改善できる。また正の固有複屈折性を示す液晶
化合物が傾斜配向した位相差層(C)にて中間調表示状
態の補償を有利に行うことができる。
【0019】複合位相差板は、図1の例の如く位相差層
の(A)と(B)と(C)のそれぞれを用いた積層体と
して形成することができる。積層体の形成に際し前記
A、B、Cの各位相差層は、それぞれ1層又は2層以上
を用いることができ、それらの配置順序について特に限
定はない。また積層体の形成に際し位相差層(A)、
(B)、(C)は適宜な配置関係としうるが、一般には
それぞれの遅相軸が可及的に平行又は直交するように配
置することが補償効果等の点より好ましい。複合位相差
板における位相差等の制御は、位相差層(A)、
(B)、(C)の組合せや使用数、遅相軸等の配置角度
の調節などにて行うことができる。
【0020】更に前記積層体の形成に際し位相差層
(A)、(B)は、フィルムからなることにより必要に
応じて位相差層(C)の支持基材や偏光フィルムの透明
保護層を兼ねさせて薄型化等を図った形態とすることも
できる。特に図1の例の如く複合位相差板1を形成する
位相差層(A)、(B)11、13、14、16の一方
に位相差層(C)12、15の支持基材を兼ねさせると
共に、位相差層(A)、(B)の他方に偏光フィルムの
透明保護層を兼ねさせた状態で複合位相差板1と偏光板
2を積層した光学補償偏光板とすることにより、その薄
型化や製造プロセスの短縮化を図ることができて好まし
い。図例の如く位相差層の(A)と(B)の間に液晶層
からなる位相差層(C)を位置させた形態は取扱時等に
おける位相差層(C)の保護等の点より好ましい。なお
位相差層の積層に際しては粘着剤等の適宜な接着剤を用
いることができる。
【0021】上記の如く位相差層の(A)、(B)、
(C)の組合せによる複合化にて新たな位相差特性を付
与できて、TN液晶の複屈折による位相差やその視角に
よる変化等を補償しうる各種の位相差特性を示す豊富な
位相差板を得ることができ、TN液晶の配向状態等の違
いによる複屈折特性の相違に対しても高精度に補償する
ことができる。
【0022】すなわち従来の上記したワイドビューフィ
ルムやNHフィルムの如く位相差層の(A)と(C)の
みでは、例えば60度以上の視野角でのコントラストが
大きく低下する点や白表示で着色が発生する点、あるい
は黒表示で変色して黒色でなくなる点などの補償効果に
不足する点を位相差層(B)で補って少なくとも当該3
層の位相差層にて補償することにより、法線(正面方
向)に対し略80度の全方位角による広い視野角で表示
色の変化なしに良好なコントラストを示すTN型液晶表
示装置を形成することも可能である。
【0023】本発明による複合位相差板は、そのまま実
用に供することもできるし、図1の例の如く偏光板2と
積層して光学補償偏光板として実用に供することもでき
る。その光学補償偏光板の形成には、適宜な偏光板を用
いることができ、その種類について特に限定はない。就
中、所定振動面の直線偏光を透過し、他の光は吸収する
特性を示す吸収型の偏光板が高い偏光度の点などより好
ましく用いうる。
【0024】ちなみに前記偏光板の例としては、ポリビ
ニルアルコール系や部分ホルマール化ポリビニルアルコ
ール系、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化物
の如き親水性高分子のフィルムにヨウ素及び/又は二色
性染料等の二色性物質を吸着させて延伸配向処理した偏
光フィルムやポリエン配向の偏光フィルムなどが用いら
れる。
【0025】また偏光板は、偏光フィルムの片面又は両
面に透明保護層を設けたものなどであってもよい。透明
保護層は、偏光フィルムの補強、耐熱性や耐湿性の向上
などの種々の目的で設けられる。透明保護層は、樹脂の
塗布層や樹脂フィルムのラミネート層などとして形成で
き、拡散化や粗面化用等の微粒子を含有していてもよ
い。また透明保護層は、上記した如く位相差層(A)、
(B)として設けられていてもよい。その場合には、図
例の如く本発明による複合位相差板を形成する位相差層
(A)又は(B)が偏光板2における偏光フィルムの片
側の透明保護層を兼ねることとなり、光学補償偏光板の
薄型化や液晶表示装置の組立効率の向上に有利である。
【0026】用いる偏光板はさらに、特に複合位相差板
を設けない側に表面反射の防止などを目的に反射防止層
や防眩処理層が設けられたものであってもよい。反射防
止層は、例えばフッ素系ポリマーのコート層や多層金属
蒸着膜等の光干渉性の膜などとして適宜に形成すること
ができる。一方、防眩処理層も、例えば微粒子含有の樹
脂塗工層やエンボス加工、サンドブラスト加工やエッチ
ング加工等の適宜な方式で表面に微細凹凸構造を付与す
るなどにより表面反射光が拡散する適宜な方式で形成し
たものであってよい。
【0027】なお前記の微粒子には、例えば平均粒径が
0.5〜20μmのシリカや酸化カルシウム、アルミナ
やチタニア、ジルコニアや酸化錫、酸化インジウムや酸
化カドミウム、酸化アンチモン等の導電性のこともある
無機系微粒子や、ポリメチルメタクリレートやポリウレ
タの如き適宜なポリマーからなる架橋又は未架橋の有機
系微粒子などの適宜なものを1種又は2種以上用いう
る。
【0028】光学補償偏光板における複合位相差板の進
相軸等と偏光板の透過軸等との配置関係については特に
限定はなく、適宜に決定することができる。一般には偏
光板の透過軸と複合位相差板の面内最大屈折率方向を平
行関係又は直交関係に配置することが、正面(垂直)方
向の特性には影響を与えずに視角が変化する斜め方向の
特性を制御して視野角の拡大等を図る点より好ましい。
【0029】本発明による複合位相差板や光学補償偏光
板を形成する位相差層や偏光板等の各層は、分離状態に
あってもよいが、層間の屈折率差調節による反射の抑制
や光学系のズレ防止、ゴミ等の異物の侵入防止などの点
よりその一部、就中、全部が固着処理されていることが
好ましい。その固着処理には例えば透明な接着剤などの
適宜なものを用いることができ、接着剤等の種類につい
て特に限定はない。構成部材の光学特性の変化防止など
の点より、接着処理時の硬化や乾燥の際に高温のプロセ
スを要しないものが好ましく、長時間の硬化処理や乾燥
時間を要しないものが望ましい。かかる点よりは粘着層
が好ましく用いうる。
【0030】粘着層の形成には、例えばアクリル系重合
体やシリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタ
ン、ポリエーテルや合成ゴムなどの適宜なポリマーを用
いてなる透明粘着剤を用いることができる。就中、光学
的透明性や粘着特性、耐候性などの点よりアクリル系粘
着剤が好ましい。なお粘着層は、液晶セル等の被着体へ
の接着を目的に複合位相差板や光学補償偏光板等の片面
又は両面に必要に応じて設けることもできる。粘着層が
表面に露出する場合には、それを実用に供するまでの
間、セパレータなどを仮着して粘着層表面の汚染等を防
止することが好ましい。
【0031】本発明による複合位相差板や光学補償偏光
板は、液晶、特にTN液晶による複屈折に対する補償板
などとして液晶表示装置の形成に好ましく用いうる。液
晶表示装置は一般に、偏光板や液晶セルや補償板、必要
に応じてのバックライトないしフロントライトや反射板
等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことな
どにより形成されるが、本発明においては上記した複合
位相差板や光学補償偏光板を用いる点を除いて特に限定
はなく、従来に準じて液晶表示装置を形成することがで
きる。
【0032】従って液晶表示装置の形成に際しては、例
えば視認側の偏光板の上に設ける光拡散板やアンチグレ
ア層やプリズムシート、反射防止膜や保護層や保護板、
バックライトに設けるプリズムシート等の光路制御板な
どの適宜な光学素子を適宜に配置することができる。な
お補償板は通例、図例の如く液晶セル3と視認側又は/
及びバックライト側の偏光板2との間に配置される。従
って本発明による複合位相差板又は光学補償偏光板は、
液晶セルの少なくとも片側に配置されていればよい。
【0033】
【実施例】実施例1 厚さ100μmのノルボルネン系ポリマーフィルム(J
SR社製、アートン)をテンター延伸機にて175℃で
延伸処理して、nx>ny>nzの屈折率特性を有して、
波長590nmの単色光による(以下同じ)△nxy・dが
10nmで、△nxz・d=80nm、△nyz・d=70nmの
位相差層A1を得た。なお屈折率等は、自動複屈折計
(王子計測機器社製、KOBRA−21ADH、以下同
じ)にて測定した。
【0034】次に前記の位相差層A1の上に、加熱加湿
処理下に接着剤を介し移着させる方式でワイドビューフ
ィルム(WV02A)のディスコチック液晶ポリマーの
傾斜配向層のみをその傾斜方向が位相差層A1の面内最
大屈折率(nx)の方向(延伸方向)と平行になるよう
に転写して位相差層C1を積層して積層体を得た。この
積層体の面内最大屈折率をNx、その方向に直交する方
向の屈折率をNy、Nx−Nyを△Nxy、厚さをDとした
とき、積層体の△Nxy・Dは130nmであった。なおN
xは、前記nxに対し直交する方向であった。
【0035】ついで前記の位相差層C1の上に、厚さ1
25μmのアクリル系系ポリマーフィルム(三菱レーヨ
ン社製、アクリプレン)をテンターにて110℃で一軸
延伸処理(nx方向)して得たny=nz>nxの屈折率特
性を有して△nxy・d=△nxz・d=30nm、△nyz・
d=0nmの位相差層B1をアクリル系粘着層を介し積層
し、複合位相差板を得た。
【0036】次に厚さ75μmのポリビニルアルコール
フィルムをヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸
を含む水溶液中で周速の異なるロール間にて6倍に一軸
延伸して得た偏光フィルムの片面にポリビニルアルコー
ル系接着剤を介し厚さ80μmのトリアセチルセルロー
スフィルムを接着し、偏光フィルムの他面にポリビニル
アルコール系接着剤を介し前記の複合位相差板をその位
相差層A1を介し接着積層して光学補償偏光板を得た。
【0037】比較例 複合位相差板に代えて、上記した位相差層A1と位相差
層C1との積層体を用いてその位相差層A1を介し接着
積層したほかは実施例1に準じて光学補償偏光板を得
た。
【0038】評価試験 実施例1及び比較例で得た光学補償偏光板をTN型液晶
セルの両面に偏光板が外側となるように接着して液晶表
示装置を得、コントラスト測定器(ELDIM社製、E
ZContrast)にてその表示コントラストの視野角特性を
調べた。その結果を、等コントラスト曲線にて図2に示
した。また上下左右方向のコントラスト10基準の視野
角特性を次表に示した。 上方向 下方向 左方向 右方向 実施例1 60度 80度以上 80度以上 80度以上 比 較 例 52度 52度 60度 63度
【0039】以上の結果より、実施例においてはほぼ全
方位において良視認の視野角が大きく拡大されているこ
とがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示装置例の断面図
【図2】実施例1及び比較例の等コントラスト曲線
【符号の説明】
1:複合位相差板 11,16:位相差層(A) 13,14:位相差層(B) 12,15:位相差層(C) 2:偏光板 3:液晶セル
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Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面内の屈折率をnx、ny、厚さ方向の屈
    折率をnz、層厚をd、|nx−ny|=△nxy、|nx−
    nz|=△nxz及び|ny−nz|=△nyzとしたとき、
    △nxy・d≦100nm、△nxz・d≦100nmかつ△n
    yz・d≦100nmの位相差特性を満足する、正の固有複
    屈折性を示す高分子が配向してなる屈折率異方性フィル
    ムよりなる位相差層(A)、負の固有複屈折性を示す高
    分子が配向してなる屈折率異方性フィルムよりなり前記
    の位相差特性を満足する位相差層(B)、及び正又は負
    の固有複屈折性を示す液晶化合物の光軸が傾斜配向して
    なる位相差層(C)をそれぞれ1層又は2層以上有する
    積層体からなることを特徴とする複合位相差板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複合位相差板と偏光板
    の積層体からなることを特徴とする光学補償偏光板。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の複合位相差板を偏光板
    と液晶セルの間に有することを特徴とする液晶表示装
    置。
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