JP2015128527A - 飲料用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓋および栓部材を、ボトル本体側飲み口部材に対してワンタッチで正確に着脱操作できるようにするとともに、蓋開閉時のシール部材による音鳴りを防止し、シール機能を向上させた飲料容器を提供する。【解決手段】ボトル本体の開口部に対して螺合された飲み口部材と、飲み口部材に設けられた係合部に対して着脱可能に係合する係合部材を有して飲み口部材に嵌合される栓部材と、栓部材に対して栓部材の係合部材の係合状態を操作する操作手段を介して係合された蓋部材と、栓部材の外周に設けられたガイド部材とを備え、飲み口部材の係合部に対して栓部材の係合部材を係合させることによって、栓部材および蓋部材を飲み口部材に対して嵌合係止するとともに、蓋部材の操作手段を操作することによって飲み口部材の係合部に対する栓部材側係合部材の係合を解除する一方、栓部材はガイド部材を介して飲み口部材に嵌合されるようにした。【選択図】図11

Description

この出願の発明は、ボトル本体の開口部に着脱可能に装着される飲み口部材とこの飲み口部材に対して着脱可能に装着される蓋および栓部材を備えた飲料容器の構成に関するものである。
最近では、保温性のあるボトル本体に所望の飲料を収容し、任意に携帯することが普通になっている。そして、ボトル構造にも種々の形態のものが現れてきているが、中でもボトル本体の開口部に直接口を付けて飲用することができる直のみタイプの飲料容器が人気となっている。
このため同タイプの飲料容器では、一般にボトル本体の開口部に口を当てることができる飲み口部材を設けるとともに、該飲み口部材に対して蓋および栓部材が装着されるようになっているが、その場合、まず飲み口部材がボトル本体の開口部に対して螺合固定され、さらに蓋および栓部材が相互に螺合して一体化されているとともに、同相互に一体化された蓋および栓部材の栓部材がボトル本体開口部の内側に螺合して装着される構成となっている(たとえば特許文献1に示される飲料容器の構成を参照)。
このような螺合構造の場合、飲み口部材、栓部材、蓋部材それぞれが相互に確実に締結され、かつボトル本体に対しても安定した状態で装着されるという点でメリットがあり、比較的多く採用されている。
特開2013−240472号公報
ところが、上記のような蓋および栓部材が螺合構造の飲料容器の場合、飲み口部材自体は頻繁に取り外すわけではないものの、蓋および栓部材の方は頻繁に開閉、着脱される。そして、その都度、蓋および栓部材を一体として回動操作する必要がある。
しかし、この回動操作による蓋の開閉は、必ずしも容易な操作ではなく、手間がかかる。また、閉栓時の螺合状態が十分でない場合、収容液の漏出が起こる。また、蓋回動時に栓部材側のシール部材がボトル本体側の螺合溝と擦れて、音鳴りを発生し、さらにはシール部材の摩耗によるシール機能の低下等を生じる問題もある。
このため、可能ならば比較的簡単なワンタッチ操作で、蓋および栓部材を取り外したり、取り付けたりできることが望まれる。また、音鳴りやシール機能の低下を回避することが必要である。
この出願の発明は、このような課題を解決するためになされたもので、蓋および栓部材を、ボトル本体側飲み口部材に対してワンタッチで正確に着脱操作できるようにするとともに、蓋開閉時のシール部材による音鳴りを防止し、シール機能を向上させた飲料容器を提供することを目的とするものである。
この出願の発明では、上記の課題を解決するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
(1) 請求項1の発明の課題解決手段
この発明では、飲料が収容されるボトル本体と、該ボトル本体の開口部に対して螺合固定された飲み口部材と、飲み口部材の内周に設けられた係合部に対して着脱可能に係合する係合部材を有して飲み口部材に嵌合される栓部材と、栓部材に対して、栓部材の係合部材の係合状態を操作する操作手段を介して係合された蓋部材と、栓部材の外周に設けられたガイド部材とを備え、上記飲み口部材の係合部に対して、上記栓部材の係合部材を係合させることによって、上記栓部材および蓋部材を上記飲み口部材に対して嵌合係止するとともに、上記蓋部材の操作手段を操作することによって、上記飲み口部材の係合部に対する上記栓部材側係合部材の係合を解除する一方、上記栓部材は上記ガイド部材を介して上記飲み口部材に嵌合されるように構成されていることを特徴としている。
このような構成の場合、栓部材側の係合部材を係合する係合部を有する飲み口部材をボトル本体側の開口部に螺合固定し、この飲み口部材に対して栓部材を嵌合するに際し、栓部材の外周には、飲み口部材側の係合部との係合状態をガイドするガイド部材が設けられており、栓部材は該ガイド部材を介して飲み口部材側の係合部との係合状態をガイドされることによって、スムーズに飲み口部材に嵌合され、位置決めされて係合部材により係合されるようになる。
また、取外し時には、上記蓋部材側の操作手段を操作することにより、栓部材側係合部材の飲み口部材側係合部との係合状態を解除して、容易に取り外すことができるようになる。
(2)請求項2の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段の構成では、上記請求項1の発明の課題解決手段の構成において、相互に係合される飲み口部材側の係合部および栓部材側のガイド部材の相互に対向する面は、相互に逆方向の傾斜面となっており、互いに嵌合方向にガイドし合うように構成されていることを特徴としている。
このような構成によると、上記ボトル本体側飲み口部材に対する栓部材の嵌合は、飲み口部材側係合部および栓部材側ガイド部材の相互に逆方向の傾斜面によって、互いに嵌合方向に効果的にガイドされ、一層スムーズに嵌合されるようになる。
(3)請求項3の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段の構成では、上記請求項1または2の発明の課題解決手段の構成において、開閉操作手段は、蓋部材側に直径方向両側から内側に押圧操作可能な操作部材を有する一方、栓部材側に同操作部材の押圧操作に応じて栓部材内外方向に出入する係合片を備えて構成されていることを特徴としている。
このような構成によると、栓部材の装着は、上述のように飲み口部材に嵌合するだけで簡単に装着し確実に係合できるようになる一方、取り外し時は、蓋部材側の操作部材を直径方向両側から内側に押圧操作するだけで、栓部材側の栓部材内外方向に出入する係合片の突出状態を解除して、ワンタッチで取り外すことができるようになる。
以上の結果、この出願の発明によると、次のような有益な効果を得ることができる。
(1) 栓部材の正確な着脱を、螺合構造によらず、飲み口部材開口部への嵌合、開閉操作手段の開操作のみで簡単に実現できるようになり、螺合構造の場合のような面倒な回動操作が不要となる。
(2) 螺合構造のような回動操作が不要になる結果、栓部材のシール部とボトル本体側シール面、螺合溝との回動時の摩擦による音鳴り、シール部材の摩耗によるシール機能の低下がなくなり、シール性能が向上し、シール寿命が長くなる。
(3) 飲み口部材への栓部材の嵌合に際して、外部から見える状態での位置決め構造などを設けて位置決めする必要がなく、その点でも嵌合操作が容易で、しかもデザイン性が向上する。
この出願の発明の実施の形態にかかる飲料容器の全体的な構成を示す正面図(蓋カバーによりロックレバーの操作片がカバーされていないロック解除操作可能な状態の正面図)である。 同飲料容器の全体的な構成を示す図1の状態における上面図である。 同飲料容器の要部の構成を分解して示す分解斜視図である。 同飲料容器の栓部材嵌合リングを係合一体化した状態における飲み口部材部分の内側底部の構成示す飲み口部材上方側から見た斜視図である。 同飲料容器の栓部材嵌合リングを係合一体化した状態における飲み口部材部分の口縁部内周の構成を示す図4とは見る角度を変えた斜視図である。 同飲料容器の栓部材嵌合リングを係合一体化した状態における飲み口部材部分の内側の構成を示す下方側から見た斜視図である。 同飲料容器の蓋部材および栓部材部分の一体化状態に於ける構成を示す上方側から見た斜視図である。 同飲料容器の蓋部材の蓋本体部および蓋カバー部相互の分解状態における構成を示す斜視図(蓋本体部上面部側と蓋カバー部裏面部側との対応図)である。 同飲料容器の蓋部材を除去した栓部材とロックレバー機構部分の構成を示す上方側から見た斜視図である。 同飲料容器の全体的な構成を示す断面図(図2のA-A断面図)である。 同飲料容器の要部の構成を示す拡大断面図(図2のA-A断面における蓋部材、栓部材、飲み口部材、栓部材嵌合リング各部分の連結状態における拡大断面図)である。 同飲料容器の全体的な構成を示す断面図(図2のB-B断面図)である。 同飲料容器の要部の構成を示す拡大断面図(図2のB-B断面における蓋部材、栓部材、飲み口部材、栓部材嵌合リング各部分の連結状態における拡大断面図)である。 同飲料容器の全体的な構成を示す正面図(ロックレバーの操作片を操作できないように蓋カバーでカバーした状態における正面図)である。 同飲料容器の蓋部材および栓部材部分の構成を示す図14の状態における斜視図である。 同飲料容器の図14の状態における蓋部材および栓部材部分の構成を示す上面図(蓋カバーによるロックレバー操作片のカバー状態を破線で示す説明図)である。 同飲料容器の全体的な構成を示す断面図(図16のC-C断面図)である。 同飲料容器の要部の構成を示す拡大断面図(図16のC-C断面における蓋部材、栓部材、飲み口部材、栓部材嵌合リング各部分の連結状態における拡大断面図)である。
以下、添付の図面における図1〜18を参照して、本願発明の飲料容器を実施するための形態について詳細に説明する。
<飲料容器の全体的な構成>
この実施の形態にかかる飲料容器は、大きく分けて、飲料が収納されるボトル本体Vと、このボトル本体Vの上端側開口部外周に螺合され、同開口部内側に栓部材嵌合リングWを固定する飲み口部材Xと、この飲み口部材Xの開口部内に嵌め込まれ、その下端側を上記栓部材嵌合リングWに嵌合当接されることによって上記ボトル本体Vの開口部を閉じる栓部材Yと、この栓部材Yを連結支持するとともに、同栓部材Yの外周をカバーする蓋部材Zとの5つの部分からなっている。
添付図面の内、図1〜図3、図10〜図14、図17、図18は、ボトル本体V、栓部材嵌合リングW、飲み口部材X、栓部材Y、蓋部材Zのそれぞれを備えた飲料容器全体の構成を、また図4〜図9、図15、図16は、ボトル本体Vから分離した飲み口部材Xおよび栓部材篏合リングW、栓部材Y、蓋部材Z各部分の構成を、それぞれ示している。
<ボトル本体Vの構成>
まずボトル本体Vは、図1〜図3、図10〜図14、図17、図18に示されるように、液体が収容される有底かつ長筒状のステンレス製の内容器1と、該内容器1の外周側に所定の隙間Sを介して設けられた同じく有底かつ長筒状のステンレス製の外ケース2とからなり、それらの上端側縦壁構造の開口縁部同士を溶接等の方法で相互に接合一体化し、その外周面側に飲み口部材Xを螺合する螺合溝3aを形成しているとともに、それら内容器1および外ケース2間の隙間Sを真空状態に脱気して断熱空間としている。
また、上記相互に接合一体化された上端側開口縁部の内側(内容器部分)には、上記栓部材嵌合リングW係合用の小径の段部(縮径部)4が設けられている。
<栓部材嵌合リングWの構成>
栓部材嵌合リングWは、図3〜図6、図10〜図13、図17、図18に示されるように、外周にシール部材(ラバーパッキン)5aを嵌合し、上記ボトル本体開口部内の小径の段部4面上に当接係合してシール機能を発揮する下部側小径部5bと、下部側から上部側に擂鉢状に径が拡大し、上端側が上記ボトル本体Vの開口部の径よりも大径のフランジ部5cとの合成樹脂成型体よりなり、上記ボトル本体Vの開口部内に嵌合されて、内側に上記栓部材Yのシール可能な嵌合面部5dを形成している。
<飲み口部材Xの構成>
飲み口部材Xは、図3〜図6、図10〜図13、図17、図18に示されるように、下部側が大径の筒状部6a、上部側が小径の筒状部6bの合成樹脂成型体よりなり、下部側大径の筒状部6aの内周面には上記ボトル本体V側開口縁部外周の螺合溝3aに螺合する螺合溝3bが形成され、また上部側小径の筒状部6bの内周面には周方向に所定(一定)の間隔を保って複数の係合部6c、6c・・が設けられている。
この飲み口部材Xは、上記下部側大径の筒状部6a内周面の螺合溝3bを上記ボトル本体V側開口縁部外周の螺合溝3aに螺合することによりボトル本体V側に固定され、同固定状態において上記栓部材嵌合リングWをボトル本体Vの開口縁部との間に締結して固定する。
なお、上記係合部6c、6c・・は、上記小径の筒状部6bの内周面から半径方向内方に所定の厚さ突出している一方、その正面形状が将棋の駒を立てたような形状をしており、上部側が中央部から周方向左右に加工傾斜した逆V字面、左右両側が上下方向にストレートな垂直面、下部側が周方向にフラットな水平面に形成されている。
そして、これら複数の係合部6c、6c・・は、それぞれ後述する栓部材Y側の逆形状のガイド部材7c、7c・・と係合して同ガイド部材7c、7c・・をスムーズに下方側にガイドし、栓部材Y篏合時における周方向どの位置からでもスムーズな嵌合と位置決め作用を実現し、後述する栓部材Y側ロックレバー係合片10c、10cの先端10h、10hとの確実な係止を図るようになっている。
<栓部材Yの構成>
栓部材Yは、図3、図9〜図13、図17、図18に示すように、上端側が開口し、下端側が閉じた有底筒状構造の合成樹脂成型体よりなり、下端側にあって上述した栓部材嵌合リングWの栓部材嵌合面部5dに当接嵌合される小径部7aと、上部側にあって内側に開閉状態ロック・アンロック用のロックレバー10を収納する大径部7bとからなっている。
そして、上記下端側小径部7aの外周にはシール用のシール部材(ラバーパッキン)8が嵌合されているとともに、上記上部側大径部7bの外周面には、上述した飲み口部材X側の複数の係合部6c、6c・・間に嵌め合わされて周方向に位置決め係合される複数のガイド部材7c、7c・・が設けられている。また、同大径部7bの上端には直径方向の両端側に位置して上方に伸びる爪部材7d、7dが設けられており、該爪部材7d、7dを介して、後述する蓋部材Zの蓋本体部(蓋下部)9の下面側対応位置に設けられている爪部材9d、9dに係合することにより、蓋本体部9の下面側に係合固定されている。
ロックレバー10は、大径部7bの内側にあって、その開口部よりも上方の蓋本体部9の天板部9aの下面位置から下方側に所定上下幅延設され、かつ相互に所定の間隔をおいて平行に対向する2枚のプレート部材(縦壁部材)10a,10aを中心とし、同プレート部材10a、10aの上端側に直径方向外方に向けて伸びるロックレバー開閉用操作片(以下、単に操作片という)10b、10bを、また同プレート部材10a、10aの下端側に直径方向外方に向けて伸びるロック用の係合片10c、10cを一体に合成樹脂成型して構成されている。
操作片10b、10bは、栓部材Yの大径部7bの内側部分では左右一対の側壁10d、10dのみにより構成され、同左右一対の側壁10d、10d部分の外端も大径部7bの側壁部内側に位置せしめられているが、その上端側の一部は、蓋本体部9の半径方向外周側第2の天板部9bと同一面状態で、大径部7bの側壁部よりも外側に伸び、同外側に伸びた部分では扁平な板状部材10e、10eとなっていて、その先端側を円弧形状にカットするとともに、同円弧形状の基端を、上記蓋本体部9の筒壁部9cの位置、筒壁部9cの周面形状にそれぞれ合わせて下方に向けて略直角に曲成し、同曲成した円弧形状部10fを当該筒壁部9c部分に形成した対応する円弧形状の凹部9eに面一、かつスライド可能な状態で係合させている。
このため、上記操作片10b、10bの左右一対の側壁部10d、10dの上端および同上端部分から直径方向外方に向けて伸びる扁平な板状部材10e、10e部分は、上記蓋本体部9の半径方向外周側第2の天板部9bの一部を板状部材10e、10eの幅および厚さに合わせて直径方向に切り欠くことにより、同第2の天板部9b部分にスライド可能な係合スペースを形成し、同第2の天板部9bと面一な状態で直径方向にスライド可能に係合されている。
一方、開閉ロック用の係合片10c、10cは、上記プレート部材10a、10a各々の下端部の左右両端側から直径方向外方に伸びて形成されており、それぞれその先端部が、上記栓部材7の大径部7bの側壁部に形成した出入穴7e、7e(図18参照)から先端部10h、10hが出入するように、上記プレート部材10a、10a各々の下端部の左右両端側から直径方向外方に伸びて形成されており、それぞれその先端部10h、10h部分が、上記栓部材7の大径部7bの側壁部に形成した出入穴7e、7e内に遊嵌されている。
この場合、係合片10c、10cは、基部側10g、10gの位置が高く、先端部10h、10hの位置が低くなるように、基端側から先端側にかけての途中がアングル状に曲成されており、同曲成部における垂直部が外方へのストッパ機能を果たすようになっている(図18参照)。
他方、上記所定の間隔を置いて相互に対向する一対のプレート部材10a、10aの対抗面には、それぞれ左右両側に位置してコイルばね係合用の凸部10j、10jが設けられており、対向する凸部10j、10j同士の間に伸長方向に付勢力を与えた状態でコイルばね11、11が介装されている。
したがって、上記ロックレバー10の上記操作片10b、10は、押圧操作されない通常の状態では、その下方側に曲成された円弧形状部10f、10fを上記蓋本体部9bの筒壁部9c、9cに面一に係合した同一周面状態に保持され、また係合片10c、10は、その先端部10h、10hを上記栓部材Yの大径部7bの側壁部の出入穴7e、7eから所定寸法突出させた状態に維持される。
そして、同先端部10h、10hを所定寸法突出させた係合片10c、10cの当該突出する先端部10h、10hが、飲み口部材Xに対する栓部材Yの嵌合後において、当該飲み口部材Wの上端側小径部6b内周の係合部6c、6c・・の下面に係合することによって、栓部材Wが飲み口部材Wに確実に係合した状態に保持される。
この場合、上記のように、栓部材Y大径部7bの筒状の側壁部外周には、上記飲み口部材Xの小径の筒状部6bの内周面に設けた将棋の駒形状の係合部6c、6c・・に対して相互に対向する同じく将棋の駒形状のガイド部材7c、7c・・が設けられており、それらの相互の逆V字状の係合面同士が、周方向のどの位置から嵌合されたとしても、互いにガイドし合ってスムーズに嵌り合うように嵌合される。
しかも、上記複数の係合部6c、6c・・は、それらの間に上記ガイド部材7c、7c・・を嵌合したときに、栓部材Yの飲み口部材Xに対する嵌合位置を決定する位置決め機能を果たし、かつ栓部材Yの回り止め機能をも果たすように、周方向における複数の係合部6c、6c・・間の間隔がガイド部材7c、7c・・の幅に対応したものとなっている。
そして、同相互の嵌合状態では、上記栓部材Y側のロックレバー10の係合片10c、10cの先端部10h、10hが、飲み口部材X側の係合部6c、6c・・の丁度下面に対応して、正確に係合されるようになっている。
この時、上記栓部材Y側のロックレバー10の係合片10c、10cの先端部10h、10hの下面側は、例えば図18に示すように、円弧面形状に加工されており、上記軸方向へのストレート、またはガイド作用による若干の回転を伴った嵌合時にも、飲み口部材Xの内周面に対して滑らかな摺動作用を伴いながら、可能な限りスムーズに嵌合されるようになっている。
したがって、このような構成によれば、栓部材Yを飲み口部材Xに嵌合するだけで、栓部材Yをボトル本体Vに正確に装着することができるようになり、螺合構造の場合に比べて、栓部材Yの装着が著しく容易になる。また、ロック機構との関係における位置決め機能、外部的な位置決め表示なども不要となる。
また、蓋開閉時に、螺合構造の場合のように、シール部材をシール面に擦ることがないので、音鳴りが解消されるとともに、シール部材の耐久性が向上する。
<蓋部材Zの構成>
一方、蓋部材Zは、上記のように爪部材7d、7dおよびロックレバー10を介して栓部材Yを係合固定した合成樹脂製の蓋本体部9と、この蓋本体部9の外周側に重合され、上記蓋本体部9および栓部材Yを覆う合成樹脂製の蓋カバー部(蓋上部材)12とからなっている。
蓋本体部9は、中央部側に小径の第1の天板部9aと、該第1の天板部9aの外周側に該第1の天板部9aの板厚寸法だけ低く下降する一方、半径方向外方に所定の幅だけ径が大きく拡大された第2の天板部9bと、該第2の天板部9bの外周から所定の上下幅を有して下降した筒壁部9cとからなっている。
そして、上記第2の天板部9bの内周端下面部分に、上述した栓部材係合用の爪部材9d、9dが設けられている。
また、上記第2の天板部9bの左右両側直径方向部分に上述したロックレバー10の左右両端側操作片10b、10bの板状部材10e、10e部分の係合溝9e、9e、筒壁部9c部分に同操作片10b、10bの押圧操作部である円弧形状部10f、10fの係合凹部9g、9gがそれぞれ形成されている。
さらに、同第2の天板部9bの第1の天板部9a端の上面部分には、後述する蓋カバー部12側天板部12aの下面側に設けられた安全ロック用の開閉レバー動作規制リブ12bがスライド可能に係合する円弧状の規制溝9fが設けられている。また、上記ロックレバー10の操作片10b、10bの板状部材10e、10e上面の同じ半径方向位置にも、同様に上記天板部9bの開閉レバー動作規制リブ12bがスライド可能に係合する円弧状の規制溝9fが周方向の一端部側途中で閉じる形で設けられている。そして、同途中までは、当該第2の天板部9bの円弧状の規制溝9fと操作片10b、10bの円弧状の規制溝9fとは相互に連続するようになっている
他方、蓋カバー部12は、上記蓋本体部9側の第2の天板部9bよりも大径の天板部12aと、該天板部12aの外周から下方に上記蓋本体部9側の筒壁部9cの幅よりも大きい上下幅を有して下降した筒壁部12cと、上記天板部12aの中央部に形成された上記蓋本体部9の第1の天板部9の外径に対応する嵌合口12dと、上記蓋本体部9側筒壁部9c部分のロックレバー操作片10b、10bの押圧操作用の円弧形状部10f、10fを押圧操作可能に望ませる押圧操作用の開口部12fと、上記筒壁部12cの内側に設けられ、上記天板部12a中央部の蓋本体部9の第1の天板部嵌合口12dを介して上記蓋本体部9の第1の天板部9a部分に相対回動可能に嵌合された上記蓋カバー部12における筒壁部9cの下面をスライド可能に係合支持する複数の係合リブ12e、12eとからなっている。
そして、該蓋カバー部12は、上記蓋本体部9への嵌合状態において、上記のように蓋本体部9の第1の天板部9aおよび蓋開放時における蓋開閉レバー操作片10b、10bの押圧操作用円弧形状部10f、10fを除く外周をカバーするとともに、その天板部12aの下面側に設けた円弧状の開閉レバー動作規制リブ12bを、上記蓋本体部9の第2の天板部9b側の円弧状の回動位置規制溝9fおよびロックレバー10の操作片10b、10bの板状部材10e、10e部分の円弧状の回動位置規制溝9fに各々係合するようになっている。
この場合、上記蓋本体部9側第2の天板部9bの円弧状の回動位置規制溝9fと上記操作片10b、10bの円弧状の回動位置規制溝9fとは相互に連続するものとなっているが、上記操作片10b、10bの円弧状の回動位置規制溝9fは、周方向の一端側が閉じており、開閉レバー動作規制リブ12bがその一端側終点位置までゆくと停止され、それ以上は蓋カバー12を回動できないようになっている。
しかも、この開閉レバー動作規制リブ12bは、上記蓋カバー12の上記蓋本体部9側筒壁部9c部分に臨まされた操作片10b、10bの押圧操作部である円弧形状部10f、10fを押圧操作可能に露出させる押圧操作用の開口部12f、12f位置から周方向に90度相対回転した位置に設けられており、また、上記蓋本体部9側第2の天板部9bの円弧状の回動位置規制溝9fはその周方向の終端を、上記ロックレバー10の操作片10b、10bがちょうど押圧操作可能となる位置に来た時(上記90度相対回転されたカバー位置から元の操作可能な位置に戻った時)に同操作片10b、10bの板状部材10e、10e部分の規制溝9fの一端側溝のない部分が当接し、操作片10b、10bおよび円弧形状部10f、10fが押圧操作可能となった位置に位置規制されるようになっている。
すなわち、この実施の形態の蓋部材では、上記のように、飲み口部材X側に固定される栓部材Y、栓部材Yに対して固定された蓋本体部9に対して、蓋カバー部12が正逆両方向に90度相対回転可能に連結され、該蓋カバー部12が栓部材Y嵌合時における上記ロックレバー10の係合片10c、10cの係合状態、および栓部材Y嵌合後のロックレバー10の操作片10b、10bの開閉操作状態を規制するようになっており、栓部材Yおよび蓋部材Zを飲み口部材X側に嵌合固定するときおよび同嵌合した状態から取り外すときには、いずれも蓋カバー部12の押圧操作用開口部12f、12fが、上記ロックレバー10の操作片10b、10b、円弧形状部10f、10fに対応して操作可能な時にのみ可能として、嵌合時における正確な位置決めと、嵌合後の安定かつ確実なロック状態の維持を可能としている。
しかも、蓋カバー部12が、同嵌合および開閉操作可能な状態(図1〜図3、図10〜図13)から90度回転されて、上記ロックレバー10の操作片10b、10b、円弧形状部10f、10f部分が、蓋カバー部12の天板部12aおよび筒壁部12cで覆われたカバー様態(図14〜図18に示す状態)では、単にロックレバー10の操作片10b、10b、円弧形状部10f、10f部分の操作ができないだけではなく、上述した開閉レバー動作規制リブ12bと上記操作レバー10b、10bの回動位置規制溝9fとの係合によって、より確実なロック機能を実現している。
したがって、鞄に入れた携帯時などにも誤って蓋が開くようなことがないとともに、落下時などの大きな衝撃を受けた場合にも開閉レバーが作動するような恐れがなくなる。
以上の結果、この出願の発明の実施の形態によると、次のような有益な効果を得ることができる。
(1) 蓋部材Zおよび栓部材Yの正確な着脱を、従来のような螺合構造によらず、飲み口部材X側開口部への嵌合、開閉操作手段であるロックレバー10の操作部の開操作のみで簡単に実現できるようになり、螺合構造の場合のような面倒な回動操作が不要となる。
しかも、その際、ロックレバー10の操作部を持ったまま蓋部材Zおよび栓部材Yを取り外すことができるので、使い勝手にも優れたものとなる。
(2) 蓋部材Zおよび栓部材Yの着脱に際し、螺合構造のような回動操作が不要になる結果、栓部材Y側のシール部材とボトル本体V側のシール面、螺合溝等との回動時の摩擦による音鳴り、シール部材の摩耗によるシール機能の低下がなくなり、シール性能が向上し、シール寿命が長くなる。
特に、以上の構成の場合、栓部材Yを飲み口部材Xに嵌合したあとは、飲み口部材X側係合部6c、6c・・間に栓部材Y側のガイド部材7c、7c・・がそれぞれ嵌合し、正確な位置決めと回り止め機能を果たすので、嵌合後の確実な回り止めを実現することができる。
したがって、より確実に栓部材Y側シール部材8のシール機能の低下を防止することができる。
しかも、それら係合部6c、6c・・とガイド部材7c、7c・・との係合、係合部6c、6c・・とロックレバー10の係合片10c、10c・・との係合は、周方向の複数の位置で可及的均等に実現されるようになっているので、シール部のシール圧も全周にわたって均一になり、この点からもシール性が向上する。
(3) 飲み口部材Xへの栓部材Yの嵌合に際して、外部から見える状態での位置決め構造などを設けて位置決めする必要がなく、栓部材Yを飲み口部材Xに嵌合しさえすれば、上記飲み口部材X側係合部6c、6c・・と栓部材Y側ガイド部材7c、7c・・が係合して確実に相互の位置決めを果たすので、その点でも嵌合操作が容易で、しかもデザイン性が向上する。
(4) 蓋部材Zおよび栓部材Yの嵌合後は、開閉操作手段であるロックレバー10の操作部を、蓋カバー部12を回動してカバーすることができるので、鞄などに入れた携帯時においても誤って操作部が操作されるようなことがなく、閉栓状態の安全性が高くなる。
しかも、同状態では、さらに蓋カバー部12側の操作部動作規制リブ12bが操作部側の規制溝に係合して開方向への操作を確実に規制するので、落下時などの大きな衝撃力が作用したときにも誤って開操作されるようなことがなくなる。
<その他の実施の形態>
なお、以上の実施の形態の場合、飲み口部材Xの小径の筒状部6bの内側にロック用の係合部6c、6c・・を設けるように構成したが、このようにすると、若干ではあるが、飲料を飲むときに飲料の流れのスムーズさを阻害する恐れがある。
そこで、他の構成として、例えば同小径の筒状部6bの外周側に係合部6c、6c・・を設け、これに外側からロックレバー10の係合片10c、10cの先端部を係合させる構成とすることも可能である。
このようにすると、飲料の流れがスムーズになり、飲みやすくなる。
Vはボトル本体、Wは栓部材篏合リング、Xは飲み口部材、Yは栓部材、Zは蓋部材、1は内容器、2は外ケース、3a、3bは螺合部、4は小径の段部、5aはシール部材、5bは小径部、5cは大径部、6aは大径の筒状部、6bは小径の筒状部、6cは係合部、7aは小径部、7bは大径部、7cは係合部、7dは爪部材、8はシール部材、9は蓋本体部、9aは第1の天板部、9bは第2の天板部、9cは筒壁部、9dは爪部材、9eは係合溝、9gは係合凹部、9fは規制溝、10はロックレバー、10aはプレート部材、10bは操作片、10cは係合片、10dは側壁部、10eは板状部材、10fは円弧形状部、10hは先端部、11はコイルばね、12は蓋カバー部、12aは天板部、12bは開閉レバー動作規制リブ、12cは筒壁部である。

Claims (3)

  1. 飲料が収容されるボトル本体と、該ボトル本体の開口部に対して螺合固定された飲み口部材と、飲み口部材の内周に設けられた係合部に対して着脱可能に係合する係合部材を有して飲み口部材に嵌合される栓部材と、栓部材に対して、栓部材の係合部材の係合状態を操作する操作手段を介して係合された蓋部材と、栓部材の外周に設けられたガイド部材とを備え、上記飲み口部材の係合部に対して、上記栓部材の係合部材を係合させることによって、上記栓部材および蓋部材を上記飲み口部材に対して嵌合係止するとともに、上記蓋部材の操作手段を操作することによって、上記飲み口部材の係合部に対する上記栓部材側係合部材の係合を解除する一方、上記栓部材は上記ガイド部材を介して上記飲み口部材に嵌合されるように構成されていることを特徴とする飲料容器。
  2. 飲み口部材側の係合部および栓部材側のガイド部材の対向する面は、相互に逆方向の傾斜面となっており、互いに嵌合方向にガイドし合うように構成されていることを特徴とする請求項1記載の飲料容器。
  3. 操作手段は、蓋部材側に直径方向両側から内側に押圧操作可能な押圧操作部材を有する一方、栓部材側に同押圧操作部材の押圧操作に応じて栓部材内外方向に出入する係合片を備えて構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の飲料容器。
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