JP2017200540A - 食品保温容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属製真空二重瓶からなる外容器の内側に合成樹脂製の内容器を着脱自在に備えた食品保温容器において、内容器の使用の有無にかかわりなく十分な止水を可能として、スープなどの液状の食品の携行に好適なものとする。【解決手段】容器12内に収容された食品を保温するスープジャー11であって、容器12として、断熱性を有する外容器12aと、外容器12aの内部に選択的に着脱可能に収納される合成樹脂製の内容器12bを備えるとともに、外容器12aの上端部に外嵌合する蓋体13を備える。蓋体13には、食品を収容している容器12が内容器12bである場合でも外容器12aである場合でも、その上部内周面で止水できるようにシール部39を設ける。【選択図】図1

Description

この発明は、例えばスープジャーのように液状の食品を携行するのに好適な食品保温容器に関し、より詳しくは、容量の変更や保温持続性の向上が可能な食品保温容器に関する。
必要に応じて容量を変えたり保温効果をより長く持続させたりできる食品保温容器(下記特許文献1参照)を案出した。
この食品保温容器は、ステンレス製の真空断熱容器からなる外容器と、外容器内に出し入れ可能に収納される合成樹脂製の内容器と、内容器の上端の開口部に取り付け可能な蓋体を備え、内容器の開口部の高さを外容器に対して収納した時の外容器の上端の開口部の高さよりも低くし、蓋体には外容器の内周面に密着するパッキンを取り付けた構成である。
この構成の食品保温容器では、外容器に内容器を入れるか入れないかの選択によって、収容する食品の容量を変えることができる。また、食品を入れた内容器を電子レンジで加熱してから外容器に収納することによって、保温効果を長く持続させることができる。
しかし、特許文献1の食品保温容器は、食品として米飯を収容するのに好適であるが、液状の食品を収容するのには適さない。これは、止水が蓋体と外容器との間でしかできない構成であるので、内容器を使用したときに十分な止水ができないからである。
特開2007−330574号公報
そこでこの発明は、内容器の使用の有無にかかわりなく、十分な止水を可能とすることを主な目的とする。
そのための手段は、容器内に収容された食品を保温する食品保温容器であって、前記容器として、断熱性を有する外容器と、該外容器の内部に選択的に着脱可能に収納される合成樹脂製の内容器を備えるとともに、前記外容器の上端部に外嵌合する蓋体を備え、該蓋体には、食品を収容する前記容器の上部内周面に密着するシール部が設けられた食品保温容器である。
この構成では、蓋体は容器としての外容器の上端部に外嵌合するので、内容器の有無にかかわりなく容器は閉塞される。そして、食品を内容器に収容してから内容器を外容器に収容する場合でも、内容器なしに食品を直接外容器に収容する場合でも、蓋体のシール部が内容器や外容器の上部内周面に密着する。
この発明によれば、食品を収容している容器が内容器である場合でも外容器である場合でも、その上部内周面で止水できるようにシール部を設けているので、内容器の使用の有無にかかわりなく、十分な止水を可能とすることができる。このため、収容する食品がスープなどの液状のものであっても、容量の変更や保温持続性の向上が行える。
スープジャーの縦断面図。 スープジャーの分解斜視図。 蓋体の分解状態の一部断面正面図。 蓋体の分解状態の一部断面正面図。 内容器を外して使用する場合のスープジャーの縦断面図。 他の例に係る蓋体の縦断面図。 図6に示した蓋体の板ばね部材と下側本体部の平面図。 図6に示した蓋体を取り付けて内容器を外して使用する場合のスープジャーの縦断面図。 図6に示した蓋体を取り付けて内容器を付けて使用する場合のスープジャーの縦断面図。
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
容器内に収容された食品を保温する食品保温容器の一例として、液状の食品を収納できる所謂スープジャー11の縦断面図を図1に示す。液状食品は熱い食品のほか、冷たい食品であってもよい。
スープジャー11は、図2にも示したように、容器12として、断熱性を有する外容器12aと、外容器12aの内部に選択的に着脱可能に収納される合成樹脂製の内容器12bを備えるとともに、外容器12aの上端部に外嵌合する蓋体13を備える。
外容器12aは、金属製の真空断熱容器からなる有底円筒状で、上端に開口を有する。外容器12aの上端部は、それより下の部位よりも壁の厚さが薄く形成されて、外周面には蓋体13が嵌る外周小径部21を、内周面には内周大径部22を有している。
外周小径部21の直径は、蓋体13が嵌ったときに外周小径部21よりも下の部分と蓋体13の外周面を略面一にする大きさで、蓋体13を螺合する雄ねじ23を有する。内周大径部22は略垂直に形成され、内周大径部22の下方には、それよりも下の部位をさらに小径にする傾斜面24を有する。傾斜面24は内周側斜め下に延びるシールのための部分である。
内容器12bは、有底円筒状で、上端に開口を有し、上端部を除いた部分が外容器12aの内部に収まる形状である。上端部には、外容器12aの上端開口縁25に乗る上端縁部26が形成されている。上端縁部26の外周側下面には、上端開口縁25に係止する係止段部26aが形成され、上端縁部26は全体として短円筒状に形成されている。上端縁部26の外径は、外周小径部21の雄ねじ23の谷よりも内周側に収まる大きさである。また上端縁部26の外周面には、上下方向の中間部で内側に凹むくびれ部26bが全周にわたって形成されている。
内容器12bにおける上端縁部26よりも下であって、外容器12aの内周大径部22に対応する位置には、内周大径部22との間でシールするパッキン27が取り付けられている。このパッキン27位置よりも下で、外容器12aの傾斜面24に対応する部位には、その傾斜面24と同様のシールのための傾斜面28が形成されている。
蓋体13は、合成樹脂製の本体部材31と、図2に示したように本体部材31に着脱可能な合成樹脂製の栓部材32で構成される。本体部材31は外容器12aの上端部の外周小径部21に嵌る嵌合筒部33を有し、嵌合筒部33の内周面には外容器12aの雄ねじ23に螺合する雌ねじ34が形成されている。嵌合筒部33は上端に、内周方向に広がる円環状の上面部35を有し、上面部35の内周縁は平面視円形である。
本体部材31における上面部35の内周側には、平面視円弧状の規制片36が隙間をあけて複数垂設されている。これら規制片36は、すべてつなぐと平面視円形になるように大きさや形状が設定されている。間欠形成された複数の規制片36のうち少なくとも2個の内周面には、水平方向にのびる突条36aが形成されている。
栓部材32は、図3に示したように、平面視円形に配設された規制片36の内側に嵌る短円柱状の嵌合部37と、嵌合部37よりも大径の短円柱状をなす本体部38と、本体部38の下端外周に設けられ食品を収容している容器12の上部内周面、つまり図3の例では傾斜面28に密着するシール部39(39b)を有している。栓部材32から分離できるのはシール部39だけであり、その他の部分は一体化されている。
嵌合部37は、本体部材31に嵌めたときに上端面が本体部材31と面一になる高さであり、嵌合部37の上面は若干凹曲面に形成されている。嵌合部37の規制片36の突条36aに対応する位置には、突条36aが係合する係合溝37aが全周にわたって形成されている。図3中、本体部材31の規制片36における36bは縦にのびるリブであるが、これに係合する部分は嵌合部37にはなく、栓部材32は本体部材31に対して相対回転可能である。
本体部38は、本体部材31の規制片36の下端を受ける受け部38aを上面に有し、本体部38の高さは、蓋体13を外容器12aに嵌めたときに下端のシール部39を容器12の傾斜面24,28に密着させる大きさに設定されている。
栓部材32は、図4に示したように2種類備えられ、使用に際して必要に応じて選択される。すなわち、シール部39が内容器12bに密着する内容器シール部39b、または外容器12aに密着する外容器シール部39aであり、2種類の栓部材32は、嵌合部37の形状は同一であるが、本体部38の径と高さ、シール部39の径において、大きさが相違する。
具体的には、図1に示したように蓋体13を外容器12aに嵌合したときに、内容器12bの傾斜面28に密着する内容器シール部39bを備えた内容器シール型栓部材32bと、図5に示したように外容器12aの傾斜面24に密着する外容器シール部39aを備えた外容器シール型栓部材32aを備える。
栓部材32は、図6に示したように、外容器12aに密着するとともに内容器12bにも密着するシール部39を有する構成にしてもよい。つまり栓部材32は、シール部39を上下動させる上下動機構または本体部38が上下に伸縮させる伸縮機構を備えた構造である。
この栓部材32の嵌合部37は前述と同様に形成されるが、本体部38は上下に二分割形成されており、上側本体部41と下側本体部42を有する。上側本体部41は下面の中央部に、下方に突出する平面視円形の嵌合凸部43を有する。下側本体部42は、全体として略円板状に形成され、上側本体部41の嵌合凸部43が嵌る嵌合凹部44と、これより外周側に位置してシール部39を構成するパッキンを取り付ける外周縁部45を有する。
これら上側本体部41と下側本体部42は、板ばね部材46で分離可能に結合されている。板ばね部材46は可撓性を有する合成樹脂で形成され、図7に示したように、平面視十字状であり、4本の各ばね部47がそれぞれ同様に湾曲形成されている。ばね部47の湾曲形状は、板ばね部材46の中央部48から上下方向で離れる方向に斜めにのびて、その先を外周側で上下方向の戻る方向に滑らかに曲がる形状である。
板ばね部材46の中央部48には取付け用の貫通穴48aが形成され、各ばね部47には長手方向に沿ってスリット47aが形成されている。貫通穴48aは、上側本体部41の嵌合凸部43の中央から垂設され先端に抜け止め頭部を有した上側突起43aが着脱可能に取り付けられる部分である。スリット47aは、下側本体部42の嵌合凹部44の上面における4本のばね部47に対応する位置に配設され先端に抜け止め頭部を有した下側突起44aが着脱可能に取り付けられる部分である。下側本体部42の上下動に伴って、下側突起44aはスリット47a内を相対移動可能である。
このように構成された栓部材32は、板ばね部材46の付勢力によって下側本体部42が下方に付勢される。本体部38におけるシール部39の高さは、板ばね部材46が付勢力を発揮する範囲において、図8に示したように外容器12aの傾斜面24に密着する高さより低い高さから、図9に示したように内容器12bの傾斜面に密着する上限位置まで上下動するように設定されている。
以上のような構成のスープジャー11は、次のように使用される。
まず、図4に示したように外容器シール型栓部材32aと内容器シール型栓部材32bの2つの栓部材32を備えた蓋体13を有するスープジャー11の場合を説明する。
収容する液状食品の容量を増やしたい場合には、内容器12bを外容器12aから出して、外容器12aに直接、食品を収容する。内容器12bは外容器12aの上端開口縁25に乗る上端縁部26を有するので、外容器12aからの取外しが容易に行える。この場合に使用する蓋体13は、本体部材31に栓部材32として外容器シール型栓部材32aを取り付けたものとする。
本体部材31から栓部材32を取り外すには、本体部材31の上面の中央部に露出している栓部材32の嵌合部37の上面を押さえれば、規制片36が弾性変位して突条36aと係合溝37aとの係合が外れるので簡単である。栓部材32の取り付け状態においては、栓部材32の上面と本体部材31の上面が面一であるうえに、本体部材31の上面が凹曲面を有するので、故意に外さない限り外れることはない。
栓部材32の取り付けは、本体部材31の規制片36の内周側に対して栓部材32の嵌合部37を下から嵌めて行う。栓部材32を押し込むと、規制片36の突条36aが係合溝37aに係合する。係合溝37aは全周に形成されているので、本体部材31と栓部材32の周方向での位置関係に関係なく嵌めることができるので容易である。
外容器シール型栓部材32aを取り付けた蓋体13を外容器12aに嵌めると、図5に示したように、栓部材32のシール部39(外容器シール部39a)が外容器12aの上部内周面の傾斜面24に密着して変形し、止水を行う。蓋体13は外容器12aに対して外嵌合する構成であるので、内容器12bの有無にかかわらず容器12の閉塞が行える。
収容する液状食品の容量は増やさなくてもよいが、食品が高温である時間を長く維持したい場合には、食品を内容器12bに入れてから電子レンジで加熱し、加熱後の内容器12bを外容器12aに収容して、蓋体13を被せる。内容器12bを外容器12aに収容するときには、内容器12bの上端縁部26を持つことで容易に行える。上端縁部26にはくびれ部26bを形成したので持ちやすい。この場合に使用する蓋体13は、本体部31に栓部材32として内容器シール型栓部材32bを取り付けたものとする。
内容器シール型栓部材32bを取り付けた蓋体13を外容器12aに嵌めると、図1に示したように、栓部材32のシール部39(内容器シール部39b)が内容器12bの上部内周面の傾斜面28に密着して変形し、止水を行う。
このように、シール部39(外容器シール部39a、内容器シール部39b)は、食品を収容している容器12が内容器12bである場合でも外容器12aである場合も、その上部内周面で止水できる。このため、内容器12bを使用する場合でも使用しない場合でも、十分な止水を可能とすることができる。
しかも、内容器12bの有無に応じて行う変更は着脱可能に備えた栓部材32の交換であり、扱いは簡単である。そのうえ、栓部材32の本体部材31に対する取り付けは、突条36aと係合溝37aとの係合であるので、着脱操作は極めて容易に行える。栓部材32は着脱可能であることから、洗浄は行ない易い。
蓋体13の栓部材32は本体部材31との間で相対回転するので、熱い食品を収容して内部が負圧になった場合でも、蓋体13の回転は行え、蓋体13の円滑な取り外しができる。
つぎに、図6に示したように外容器12aにも内容器12bにも密着するシール部39を有した栓部材32を備えた蓋体13を有するスープジャー11の場合を説明する。
収容する液状食品の容量を増やしたい場合には、前述と同様に、内容器12bを外容器12aから出して、外容器12aに直接、食品を収容する。そして、蓋体13を外容器12aに嵌める。
蓋体12aを嵌めると、板ばね部材46で下方に付勢された栓部材32の下側本体部42が外容器12aの傾斜面24で押し上げられて、シール部39が外容器12aの傾斜面24に密着して変形し、止水がなされる。
収容する液状食品の容量は増やさなくてもよいが、食品が高温である時間を長く維持したい場合には、前述と同様に、食品を内容器12bに入れてから電子レンジで加熱し、加熱後の内容器12bを外容器12aに収容して、蓋体13を被せる。
蓋体13を嵌めると、栓部材32の下側本体部42が板ばね部材46の付勢力に抗して上に押し上げられ、シール部39が内容器12bの傾斜面28に密着して変形し、止水がなされる。
このように、シール部39は食品を収容している容器12が内容器12bである場合でも外容器12aである場合も、その上部内周面で止水できる。このため、内容器12bを使用する場合でも使用しない場合でも、十分な止水を可能とすることができる。
そのうえ、蓋体13と栓部材32は一つでよいので、栓部材32を付け替える手間を省くことができる。
また前述と同様に、蓋体13の栓部材32は本体部材31との間で相対回転可能であるので、容器12内が負圧になっても蓋体13の円滑な取り外しができる。そのうえ、栓部材32は着脱可能であるとともに、栓部材32の上側本体部41と下側本体部42も分離可能であるので、洗浄しやすい。
この発明の構成と前述の構成との対応において、
この発明の食品保温容器は、前述のスープジャーに対応するも、この発明は前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することもできる。
たとえば、図4に示したように外容器シール型栓部材32aと内容器シール型栓部材32bの2つの栓部材32と、図6に示したように外容器12aにも内容器12bにも密着するシール部39を有した栓部材32を備えた蓋体13としてもよい。
食品保温容器には、液状の食品だけではなく、米飯などの他の状態の食品を収容してもよい。
蓋体は、ねじを用いた螺合による取り付けのほか、バックル等の留め具で嵌合状態を保持するものであってもよい。
11…スープジャー
12…容器
12a…外容器
12b…内容器
13…蓋体
25…上端開口縁
26…上端縁部
32…栓部材
39…シール部
39a…外容器シール部
39b…内容器シール部

Claims (5)

  1. 容器内に収容された食品を保温する食品保温容器であって、
    前記容器として、断熱性を有する外容器と、該外容器の内部に選択的に着脱可能に収納される合成樹脂製の内容器を備えるとともに、
    前記外容器の上端部に外嵌合する蓋体を備え、
    該蓋体には、食品を収容する前記容器の上部内周面に密着するシール部が設けられた
    食品保温容器。
  2. 前記内容器の上端部に、前記外容器の上端開口縁に乗る上端縁部が形成された
    請求項1に記載の食品保温容器。
  3. 前記シール部が、前記外容器に密着する外容器シール部または前記内容器に密着する内容器シール部である
    請求項1または請求項2に記載の食品保温容器。
  4. 前記シール部が、前記外容器に密着するととともに前記内容器にも密着するものである
    請求項1または請求項2に記載の食品保温容器。
  5. 前記蓋体が着脱可能な栓部材を有し、
    該栓部材に前記シール部が設けられた
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の食品保温容器。
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