JP6243860B2 - 蓋付容器 - Google Patents

Description

本発明は、蓋付容器に関するものである。

加熱された飲食物等を収納する蓋付容器においては、容器体内からの液体が零れ出ないように、容器体の開口部内に挿入される蓋体の栓部の下方周縁にパッキンが装着されている。

パッキン装着の具体的構造としては、特許文献１（特開２０１１−２３０８０７号公報）に、お椀状の内蓋の下方周縁にパッキンを装着し、前記内蓋を外蓋との間に減圧開放弁を兼ねる弾性部材を介して吊下げ装着している構成が開示されている。

また特許文献２，３（特開２０１３−２２０１７３号、同２０１４−２１３８７８号公報）には、パッキンを装着した扁平容器状のパッキンプレート（内蓋）を、蓋体の栓部下方外周に螺合装着した構成が開示されている。

また特許文献４（特開２０１４−２２１６５７号公報）には、お椀状の栓本体の下方周縁にパッキンを装着し、栓本体の周壁部分を蓋体（キャップ及び栓リング）に弾性係止してなる構成が開示されている。

特開２０１１−２３０８０７号公報。 特開２０１３−２２０１７３号公報。 特開２０１４−２１３８７８号公報。 特開２０１４−２２１６５７号公報。

蓋付容器における蓋体は、パッキンをパッキンベースに装着したパッキン体を、栓部（他方部材）に対して、前記したとおり弁部材介在装着、螺合装着、周壁嵌合装着等の手段が採用されている。このため構造が複雑でその製造精度が求められることによる製造コストアップの問題が存在する。またパッキン体の洗浄に際して当該部材の着脱操作が煩瑣であるという課題も抱えている。更にパッキン体の螺合装着を採用した場合には、蓋体の容器体着脱操作（螺合回転操作）との兼ね合いで、蓋体の装着ネジと逆ネジで装着しなければならない構造上の問題と、パッキン体と蓋体を一体化したことによって、蓋体装着時の回転操作に際して、容器体内面とパッキンとの間の摩擦が回転抵抗となるため、蓋体装着時の操作性を低減させている。

そこで本発明は、パッキン体の着脱構造が簡素で着脱操作を容易とした新規な蓋付容器を提案したものである。

本発明に係る蓋付容器は、容器体と、容器体の上部開口部に挿入される栓部を備えて螺合装着される蓋体と、前記栓部に着脱可能に設けたパッキン体とで構成される蓋付容器であって、蓋体の栓部下方部分を適宜な細径に形成すると共に、前記細径部分が凹周面となるよう下端部に係止庇部を周設し、容器体内面と当接して水封機能を発揮するパッキン体が、前記係止庇部に下方から被冠可能とした扁平容器形状で、周壁部に係止庇部上に突出する適宜な弾性を有する係止突部を設けてなることを特徴とするものである。

而して前記蓋付容器は、蓋体の栓部下方からパッキン体を上方に押し込むと、周壁部が係止庇部より上方位置まで達し、同時に周壁部から中心方向に突出する係止突部が係止庇部上に進出してパッキン体が、蓋体の栓部下方部分に装着される。従ってパッキン体の着脱は、パッキンの係止突部の弾性による撓みによって行われる。

前記装着状態で蓋体を容器体に対して螺合装着すると、パッキン体が蓋体との間で自由回転状態であるから、パッキンが容器体の開口部内面に接触すると、パッキンとの摩擦によってパッキン体は非回転状態に至り、蓋体の更なる螺合回転でパッキンが容器体開口部内面に押し付けられ、容器体の水封が実現する。従って蓋体の回転操作による容器体への装着に際して、容器体内面と当接するパッキンが抵抗とならない。

本発明の構成は上記のとおりで、パッキン体が蓋体の栓部に容易に着脱することができたもので、洗浄等の作業に便利であると共に、蓋体が螺合装着を採用した場合には、パッキンが蓋体装着時の抵抗とならず、蓋体の装着がスムーズになされる。

本発明の実施形態の断面図（蓋体装着時）。 同図（分解図）。 同斜視図。 同パッキン体の分解斜視図（一部切断）。

次に本発明の実施形態について説明する。実施形態に示した蓋付容器は、容器体１と蓋体２と、パッキン体３で構成されている。

容器体１は、ステンレススチール製の外容器１１と内容器１２からなる真空二重構造の断熱容器で、上方開口部１３の下方箇所に受け凸部１４を形成し、その上方内周面に螺条部１５を形成したものである。また上方開口部１３の外周面は段差を介して細径とした口部外周面１６に形成する。

尚前記螺条１５は、前記口部外周面１６に形成しても良く、その場合は後述する蓋体の外周被覆部２２の内面に装着螺条２３を形成する。

蓋体２は、上方開口部１３に挿入される栓部２１と、口部外周面１６を覆う外周被覆部２２で構成され、栓部２１には、螺条部１５と対応する装着螺条２３を設け、更に栓部２１の下方側を適宜な細径に形成し、細径部分に至る下側端面を押圧面部２４とし、前記細径部分が凹周面２５となり、下端部に係止庇部２６を周設してなるものである。更に栓部２１の下端面２７の中央に凹部２８を形成する。

パッキン体３は、パッキンプレート３１と、リングパッキン３２で構成され、前記パッキンプレート３１は、底面部３１１と周壁部３１２で形成される扁平容器形状で、周壁部３１２に横長の透孔３１３を適宜数か所（バランスよく配置されるもので図示例は対向四個所）に形成し、底面部３１１の中央に、前記凹部２８に嵌入する内側周壁３１４を設けると共に、前記内側周壁３１４内に、小透孔３１５と前記小透孔３１５を塞ぐ柔軟材で形成された開閉弁３１６で構成した減圧開放弁機構を設けてなる。

リングパッキン３２は、適宜な柔軟性を備えた材質で逆Ｕ字状断面となるリング本体３２１と、リング本体３２１から中心方向に突出した係止突部３２２で構成される。係止突部３２２は、透孔３１３と対応する形状で、且つ凹周面２５の外径と対応する先端を有するように設けたものである。このリングパッキン３２は、リング本体３２１をパッキンプレート３１の周壁部３１２の外周に嵌合装着する同時に、係止突部３２２を透孔３１３に挿通し、周壁部３１２より中心方向に突出させてなるものである。

而してパッキン体３を蓋体２の栓部２１の下方から上方に押し込むと、周壁部３１２が係止庇部２６より上方位置まで達し、周壁部３１２から中心方向に突出する係止突部３２２が係止庇部２６の上に進出して、パッキン体３が、蓋体２の栓部２１の下方部分に装着される。逆に装着されたパッキン体３を下方に引くと蓋体２から分離される。従ってパッキン体３の着脱は、リングパッキン３２の係止突部３２２の弾性による撓みによってのみ行われることになり、その着脱は容易に行うことができる。

また前記のパッキン体３の装着状態で蓋体２を容器体１に螺合装着すると、パッキン体３のリング本体３２１の下端外周部分が上方開口部１３内の受け凸部１４に接触すると、蓋体２と共に螺合操作によって回転していたパッキン体３は、前記の接触による摩擦抵抗で非回転状態となる。従ってパッキン体３が蓋体２の螺合操作の抵抗となることなく、当該状態で蓋体２の螺合操作が行われ、更に螺合操作を継続すると、パッキン体３の周壁部３１２の上面を栓部２１の押圧面部２４で強く押下げて、リング本体３２１と受け凸部１４を密着させて容器体１の水封が実現するものである。

尚本発明は前記の実施形態に限定されるものでは無く、パッキン体３を一体成型で製出しても良く、その際にパッキン機能を発揮する箇所は軟質材でその他部分は硬質材となるような二色成形で行うと良く、更に係止突部は全周に渡って設けることもできる。また容器体１の構造も前記の真空二重構造に限定されるものでは無い。

１ 容器体
１１ 外容器
１２ 内容器
１３ 上方開口部
１４ 受け凸部
１５ 螺条部
１６ 口部外周面
２ 蓋体
２１ 栓部
２２ 外周被覆部
２３ 装着螺条
２４ 押圧面部
２５ 凹周面
２６ 係止庇部
２７ 下端面
２８ 凹部
３ パッキン体
３１ パッキンプレート
３１１ 底面部
３１２ 周壁部
３１３ 透孔
３１４ 内側周壁
３１５ 小透孔
３１６ 開閉弁
３２ リングパッキン
３２１ リング本体
３２２ 係止突部

Claims (4)

1. 容器体と、容器体の上部開口部に挿入される栓部を備えて螺合装着される蓋体と、前記栓部に着脱可能に設けたパッキン体とで構成される蓋付容器であって、蓋体の栓部下方部分を適宜な細径に形成すると共に、前記細径部分が凹周面となるよう下端部に係止庇部を周設し、容器体内面と当接して水封機能を発揮するパッキン体が、前記係止庇部に下方から被冠可能とした扁平容器形状で、周壁部に係止庇部上に突出する適宜な弾性を有する係止突部を設けてなることを特徴とする蓋付容器。
2. 係止突部を、適宜間隔をおいて複数設けてなる請求項１記載の蓋付容器。
3. パッキン体が扁平容器形状のパッキンプレートと、前記パッキンプレートの周壁外周に嵌合される適宜な柔軟性を備えたリングパッキンで構成され、パッキンプレートの周壁部に透孔を設け、リングパッキンに、前記周壁部外周面に嵌合装着した際に、前記透孔に挿通して中心方向に突出する係止突部を設けてなる請求項２記載の蓋付容器。
4. 蓋体の栓部下端面中央に凹部を形成し、パッキン体の中央部に前記凹部に嵌入する内側周壁を設けると共に、前記内側周壁内に減圧開放弁機構を設けてなる請求項１乃至３記載の何れかの蓋付容器。

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