JP2015117222A - 臭素化合物の製造方法 - Google Patents
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- Nitrogen- Or Sulfur-Containing Heterocyclic Ring Compounds With Rings Of Six Or More Members (AREA)
- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
Abstract
Description
[1]
下記式(1)で表される化合物と臭素化剤とを反応させる工程を含む、下記式(2)で表される化合物の製造方法。
(1) (2)
(式中R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。Y1は−S−、−O−、−Se−または−C(R7)=C(R8)−を表す。R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。X1およびX2はそれぞれ独立に−N=または−C(R9)=を表す。R9は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。Z1およびZ2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、フルオロアルキル基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基を表す。)
[2]
塩の存在下で臭素化剤を反応させることを特徴とする[1]記載の製造方法。
[3]
塩が銀塩を含むことを特徴とする[1]または[2]記載の製造方法。
[4]
さらに、下記式(1’)で表わされる化合物と求核試薬とを反応させて反応中間体を得、得られた反応中間体とハロゲン化シリル化合物とを反応させて式(1)で表わされる化合物を製造する工程を含む[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
(1’)
(式中Y1は−S−、−O−、−Se−または−C(R7)=C(R8)−を表す。R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。X1およびX2はそれぞれ独立に−N=または−C(R9)=を表す。R9は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。Z1およびZ2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、フルオロアルキル基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基を表す。)
[5]
下記式(1)で表される化合物。
(1)
(式中R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。Y1はO、Seまたは−C(R7)=C(R8)−を表す。R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。X1およびX2はそれぞれ独立に−N=または−C(R9)=を表す。R9は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。Z1およびZ2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、フルオロアルキル基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基を表す。)
R1、R2、R3、R4、R5およびR6で表される1価の有機基としては、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいシクロアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルチオ基、置換されていてもよいシクロアルキルチオ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアリールチオ基、置換されていてもよいアリールアルキル基、置換されていてもよいアリールアルコキシ基、置換されていてもよいアリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基またはカルボキシル基表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
(D) (E)
〔式(D)及び式(E)中、Ar7は複素環基を表す。〕
複素環オキシ基は、その炭素数は、通常4〜60である。複素環オキシ基の具体例としては、チエニルオキシ基、C1〜C12アルキルチエニルオキシ基、ピロリルオキシ基、フリルオキシ基、ピリジルオキシ基、C1〜C12アルキルピリジルオキシ基、イミダゾリルオキシ基、ピラゾリルオキシ基、トリアゾリルオキシ基、オキサゾリルオキシ基、チアゾールオキシ基及びチアジアゾールオキシ基が挙げられる。
Z1およびZ2として好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子であり、さらに好ましくは水素原子、フッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
塩の添加量は式(1)の化合物1モルに対して、通常は0.1モル〜100モルであり、好ましくは0.5モル〜20モルであり、より好ましくは1モル〜5モルである。
式(1)で表される化合物に臭素化剤を反応させて式(2)の化合物を製造する際の反応時間は通常1分〜100時間であり、より好ましくは5分〜24時間であり、さらに好ましくは10分〜5時間である。
反応後は、例えば、(a)溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得る、(b)水を加えて、有機溶媒で抽出した後、有機溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得るなどを行った後、(A)カラムクロマトグラフィで精製する、(B)再結晶で精製する、(C)蒸留で精製する などの方法またはこれらの組み合わせの操作を行うことにより目的の(2)で表される構造式の化合物を得ることができる。
(1’)
式中Y1は−S−、−O−、−Se−または−C(R7)=C(R8)−を表す。R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。X1およびX2はそれぞれ独立に−N=または−C(R9)=を表す。R9は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。Z1およびZ2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、フルオロアルキル基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基を表す。
式(1’)の化合物に求核試薬を接触させる際には溶媒中で反応させることが好ましい溶媒としては脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、エーテル溶媒が挙げられる。溶媒は単独で使用してもよいし、2種類以上混合して用いることも可能である。脂肪族炭化水素溶媒としては、ヘプタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、テトラリンなどが挙げられる。芳香族炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、メシチレンなどが挙げられる。エーテル溶媒としては、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどが挙げられる。溶媒としてはエーテル溶媒が好ましく、より好ましくはジエチルエーテル、テトラヒドロフランであり、さらに好ましくはテトラヒドロフランである。
式(1’)の化合物と求核試薬とを反応させる際の反応時間は通常0.5分〜100時間であり、より好ましくは1分〜24時間であり、さらに好ましくは2分〜5時間である。式(1’)の化合物と求核試薬とを反応させる際の求核試薬の量は、式(1’)の化合物1モルに対して、通常2モル〜10モルであり、好ましくは2モル〜5モルである。
このようなハロゲン化シリル化合物としては、下記の(Si−1)〜(Si−15)で表される化合物が挙げられる。
式(1’)の化合物と求核試薬とを反応させて得られた反応中間体と、ハロゲン化シリル化合物とを反応させる際の温度は通常−150℃〜溶媒の沸点であり、好ましくは−100℃〜20℃である。
式(1’)の化合物と求核試薬とを反応させて得られた反応中間体と、ハロゲン化シリル化合物とを反応させる際の反応時間は通常0.5分〜100時間であり、より好ましくは1分〜24時間であり、さらに好ましくは2分〜5時間である。
別の300mLフラスコに化合物1を2.00g(12.8mmol)と脱水THF 20mLを入れて均一溶液とした。フラスコを−78℃に冷却し、上記の溶液Aを5分かけて滴下した。滴下後、5分間−78℃で攪拌し、その後、トリメチルシリルクロリド3.63mL(33.4mmol)を5分かけて滴下した。滴下後、フラスコを10分かけて室温まで昇温し、その後、室温で2時間攪拌した。その後、水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターで溶媒を留去した。得られた固体をヘキサンに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを通過させた。ろ液の溶媒をエバポレーターで留去して、目的の化合物2を3.33g(11.1mmol)得た。収率は86.5%であった。
(トリメチルシリル化ジフルオロベンズオキサジアゾールの臭素化反応)
化合物2 化合物3
200mLの3つ口フラスコに化合物2を2.00g(6.66mmol)と脱水ジクロロメタン50mLを入れて均一溶液とした。ここに臭素12.0g(75.1mmol)をジクロロメタン20mLに溶解させた溶液を60分かけて滴下し、滴下後、室温で10時間攪拌した。反応終了後、水200mLに亜硫酸ナトリウムを30g溶解させた溶液に、反応液を徐々に加えた。有機層を分取した後、水層をジクロロメタンで1回抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターで留去して粗生成物を得た。得られた粗生成物をメタノールで再結晶し、目的の化合物3を0.38g(1.21mmol)得た。収率は18.2%であった。
(ジフルオロベンズオキサジアゾールの臭素化反応)
化合物1 化合物3
200mLの3つ口フラスコに化合物1を1.00g(6.40mmol)と鉄粉0.2gを入れた。オイルバスを用いてフラスコを80℃に昇温し、ここに臭素62g(776mmol)を1時間かけて滴下した。滴下後、80℃で196時間攪拌した。反応終了後、水500mLに亜硫酸ナトリウムを100g溶解させた溶液に、反応液を徐々に加えた。有機層を分取した後、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせて硫酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、その後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターで留去して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出溶媒はヘキサン/酢酸エチル=20/80(vol/vol))で生成し、得られた化合物をメタノールで再結晶し、目的の化合物3を0.012g(0.038mmol)得た。収率は0.6%であった。
(化合物5の合成)
化合物4 化合物5
200mL四つ口フラスコに、ジイソプロピルアミンを149.8mg(1.48mmol)、及び、テトラヒドロフランを10mL加え、室温(25℃)で30分間アルゴンバブリングを行った。その後、反応系中の温度を−78℃まで冷却した後、1.62mol/Lのノルマルブチルリチウムを含むヘキサン溶液を0.82mL(1.33mmol)加え、20分攪拌を続けた。反応溶液に、化合物4を102mg(0.592mmol)加え、−78℃で10分間攪拌を続けた。その後、反応溶液に、トリメチルシリルクロリドを176.9mg(1.63mmol)加え、−78℃で30分間攪拌を行った。攪拌後、液体クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した。反応溶液に水及びクロロホルムを加え、有機層の抽出を行い、展開溶媒にクロロホルムを用いたカラムクロマトグラフィにより、有機層の精製を行った。精製した有機層を乾燥させて溶媒を除去し、化合物5を106mg(0.335mmol)得た。収率は56.6%であった。
(化合物5の臭素化反応)
化合物5 化合物6
200mLの3つ口フラスコに化合物5を1.00g(3.15mmol)とクロロホルム20mL、酢酸10mLを入れて攪拌し、均一溶液とした。得られた溶液に室温で臭素2.00g(25.0mmol)を加えた。その後、フラスコをオイルバスで65℃に加熱し、13時間反応を行った。反応終了後、水200mLに亜硫酸ナトリウムを40g溶解させた溶液に、反応液を徐々に加えた。有機層を分取した後、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせて硫酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、その後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターで留去して粗生成物を得た。得られた粗生成物をメタノールで再結晶し、目的の化合物6を864mg(2.62mmol)得た。収率は83.1%であった。
(化合物5の臭素化反応)
化合物5 化合物6
200mLの3つ口フラスコに化合物5を1.00g(3.15mmol)と脱水ジクロロメタン50mLを入れて均一溶液とした。ここにテトラフルオロホウ酸銀を7.76g(9.45mmol)加えた。ここに臭素15.5g(96.9mmol)をジクロロメタン50mLに溶解させた溶液を30分かけて滴下し、滴下後、室温で2時間攪拌した。反応終了後、水200mLに亜硫酸ナトリウムを50g溶解させた溶液に、反応液を徐々に加えた。有機層を分取した後、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥し、エバポレーターで留去して粗生成物を得た。得られた粗生成物をメタノールで再結晶し、目的の化合物6を956mg(2.90mmol)得た。収率は92.0%であった。
(化合物4の臭素化反応)
化合物4 化合物6
100mLフラスコに、化合物4を2.00g(11.6mmol)、鉄粉を0.20g(3.58mmol)入れ、フラスコを90℃に加熱した。このフラスコに、臭素31g(194mmol)を1時間かけて滴下した。滴下後、反応液を90℃で38時間攪拌した。その後、フラスコを室温(25℃)まで冷却し、クロロホルム100mLを入れて希釈した。得られた溶液を、5wt%の亜硫酸ナトリウム水溶液300mLに注ぎ込み、1時間攪拌した。得られた混合液の有機層を分液ロートで分離し、水層をクロロホルムで3回抽出した。得られた抽出液を有機層に混合し、混合した溶液を硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液をエバポレーターで濃縮し、溶媒を留去した。得られた黄色の固体を、55℃に熱したメタノール90mLに溶解させ、その後、25℃まで冷却した。析出した結晶をろ過して回収し、その後、室温(25℃)で減圧乾燥して化合物6を1.50g(4.55mmol)得た。収率は39.2%であった。
Claims (5)
- 下記式(1)で表される化合物と臭素化剤とを反応させる工程を含む、下記式(2)で表される化合物の製造方法。
(1) (2)
(式中R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。Y1は−S−、−O−、−Se−または−C(R7)=C(R8)−を表す。R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。X1およびX2はそれぞれ独立に−N=または−C(R9)=を表す。R9は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。Z1およびZ2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、フルオロアルキル基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基を表す。) - 塩の存在下で臭素化剤を反応させることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 塩が銀塩を含むことを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
- さらに、下記式(1’)で表わされる化合物と求核試薬とを反応させて反応中間体を得、得られた反応中間体とハロゲン化シリル化合物とを反応させて式(1)で表わされる化合物を製造する工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
(1’)
(式中Y1は−S−、−O−、−Se−または−C(R7)=C(R8)−を表す。R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。X1およびX2はそれぞれ独立に−N=または−C(R9)=を表す。R9は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基または1価の有機基を表す。Z1およびZ2はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、フルオロアルキル基、塩素原子、シアノ基、ニトロ基を表す。)
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