JP2012211089A - フルオレン系化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、フルオレン系化合物の製造方法に関する。
近年、有機EL用の材料等の用途で、フルオレン骨格を有する高分子化合物の使用が検討されている。
高分子化合物等にフルオレン骨格を導入するための化合物としては、例えば、下記式(A−1)で表されるジハロゲン置換フルオレン系化合物が用いられている。
また、フルオレン骨格の導入方法を多様化するため、下記式(A−1)で表されるジハロゲン置換フルオレン系化合物をモノ水素化して、下記式(A−2)で表されるモノハロゲン置換フルオレン系化合物を製造することも行われている(例えば、特許文献1)。
本発明は、フルオレン骨格を導入するために有用なフルオレン系化合物を、高純度で効率的に得ることが可能なフルオレン系化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表される化合物と酸との反応により、下記式(2)で表されるフルオレン系化合物を得る工程を有する、フルオレン系化合物の製造方法を提供する。
[式中、Ar1はアリール基又は1価の複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するAr1は互いに同一でも異なっていてもよい。X1及びX2は、一方が水素原子を示し、他方がハロゲン原子を示す。R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、1価の複素環基、シアノ基又はニトロ基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。R2及びR3、並びに、R4及びR5は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式中、Ar1はアリール基又は1価の複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するAr1は互いに同一でも異なっていてもよい。X1及びX2は、一方が水素原子を示し、他方がハロゲン原子を示す。R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、1価の複素環基、シアノ基又はニトロ基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。R2及びR3、並びに、R4及びR5は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。]
モノハロゲン置換フルオレン系化合物は、対応するジハロゲン置換フルオレン系化合物をモノ水素化することで得ることが通常である。しかし、この製造方法で得られるモノハロゲン置換フルオレン系化合物は、必ずしも純度が高いとはいえず、高純度のモノハロゲン置換フルオレン系化合物を得るためには煩雑な精製操作が必要となる。
これに対して、本発明の製造方法によれば、高純度のフルオレン系化合物を効率的に得ることができる。好ましい実施形態では、式(1)で表される化合物と酸との反応生成物を有機溶剤で洗浄する、等の簡便な精製操作によって、より高純度のフルオレン系化合物を得ることができる。
すなわち本発明のフルオレン系化合物の製造方法は、上記式(1)で表される化合物と酸との反応生成物を、有機溶剤で洗浄して、上記式(2)で表されるフルオレン系化合物を得るものであってもよい。
本発明によれば、フルオレン骨格を導入するために有用なフルオレン系化合物を、高純度で効率的に得ることが可能なフルオレン系化合物の製造方法が提供される。
本発明に係るフルオレン系化合物の製造方法の実施形態について以下に説明する。
なお、本明細書中、「Me」はメチル基を示し、「Et」はエチル基を示し、「Ph」はフェニル基を示し、「t−Bu」は、tert−ブチル基を示す。
また、「Cx〜Cy」(x、yはx<yを満たす正の整数である。)という用語は、この用語の直後に記載された官能基名に該当する部分構造の炭素原子数が、x〜y個であることを意味する。すなわち、「Cx〜Cy」の直後に記載された有機基が、複数の官能基名を組み合わせて命名された有機基(例えば、Cx〜Cyアルコキシフェニル基)である場合、複数の官能基名のうち「Cx〜Cy」の直後に記載された官能基名(例えば、アルコキシ)に該当する部分構造の炭素原子数が、x〜y個であることを意味する。例えば、「C1〜C12アルキル基」は炭素原子数が1〜12個であるアルキル基を意味し、「C1〜C12アルコキシフェニル基」は「炭素原子数が1〜12個であるアルコキシ基」を有するフェニル基を意味する。
本実施形態に係る製造方法は、下記式(1)で表される化合物と酸との反応により、下記式(2)で表されるフルオレン系化合物を得る工程を有する。
式中、Ar1はアリール基又は1価の複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。また、複数存在するAr1は互いに同一でも異なっていてもよい。X1及びX2は、一方が水素原子を示し、他方がハロゲン原子を示す。
R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、1価の複素環基、シアノ基又はニトロ基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。また、R2及びR3、並びに、R4及びR5は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。
上記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、置換基を有していてもよい。上記アルキル基は、炭素原子数が1〜20であることが好ましい。上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基が挙げられる。また、置換基を有するアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基が挙げられる。
上記アルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、置換基を有していてもよい。上記アルコキシ基は、炭素原子数が1〜20であることが好ましい。上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基が挙げられる。また、置換基を有するアルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基が挙げられる。
上記アルキルチオ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、置換基を有していてもよい。上記アルキルチオ基は、炭素原子数が1〜20であることが好ましい。上記アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基が挙げられる。また、置換基を有するアルキルチオ基としては、トリフルオロメチルチオ基が挙げられる。
上記アリール基は、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた原子団である。芳香族化合物としては、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接結合するか、又は、ビニレン基等を介して結合したものを含む。また、上記アリール基は置換基を有していてもよい。
上記アリール基は、炭素原子数が6〜60であることが好ましく、炭素原子数が7〜48であることがより好ましい。上記アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基が挙げられる。また、置換基を有するアリール基としては、例えば、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基が挙げられる。上記アリール基としては、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
C1〜C12アルコキシフェニル基としては、例えば、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、イソプロピルオキシフェニル基、ブトキシフェニル基、イソブトキシフェニル基、tert−ブトキシフェニル基、ペンチルオキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、ヘプチルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−エチルヘキシルオキシフェニル基、ノニルオキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェニル基、ラウリルオキシフェニル基が挙げられる。
C1〜C12アルキルフェニル基としては、例えば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基が挙げられる。
上記アリールオキシ基は、−O−Ar11(Ar11は上記アリール基を示す。)で表される基であり、置換基を有していてもよい。上記アリールオキシ基は、炭素原子数が6〜60であることが好ましく、炭素原子数が7〜48であることがより好ましい。上記アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、2−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基が挙げられる。また、置換基を有するアリールオキシ基としては、例えば、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基が挙げられる。上記アリールオキシ基としては、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
C1〜C12アルコキシフェノキシ基としては、例えば、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基、プロピルオキシフェノキシ基、イソプロピルオキシフェノキシ基、ブトキシフェノキシ基、イソブトキシフェノキシ基、tert−ブトキシフェノキシ基、ペンチルオキシフェノキシ基、ヘキシルオキシフェノキシ基、シクロヘキシルオキシフェノキシ基、ヘプチルオキシフェノキシ基、オクチルオキシフェノキシ基、2−エチルヘキシルオキシフェノキシ基、ノニルオキシフェノキシ基、デシルオキシフェノキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェノキシ基、ラウリルオキシフェノキシ基が挙げられる。
C1〜C12アルキルフェノキシ基としては、例えば、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基が挙げられる。
上記アリールチオ基は、−S−Ar11(Ar11は上記アリール基を示す。)で表される基であり、置換基を有していてもよい。上記アリールチオ基は、炭素原子数が6〜60であることが好ましい。上記アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基が挙げられる。また、置換基を有するアリールチオ基としては、例えば、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基が挙げられる。
上記アリールアルキル基は、−RA−Ar11(RAは上記アルキル基からアルキル基上の水素原子1個を除いた原子団からなる2価の基を示し、Ar11は上記アリール基を示す。)で表される基であり、置換基を有していてもよい。上記アリールアルキル基は、炭素原子数が7〜60であることが好ましい。上記アリールアルキル基としては、例えば、フェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基が挙げられる。また、置換基を有するアリールアルキル基としては、例えば、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が挙げられる。
上記アリールアルコキシ基は、−O−RA−Ar11(RAは上記アルキル基からアルキル基上の水素原子1個を除いた原子団からなる2価の基を示し、Ar11は上記アリール基を示す。)で表される基であり、置換基を有していてもよい。上記アリールアルコキシ基は、炭素原子数が7〜60であることが好ましい。上記アリールアルコキシ基としては、例えば、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基が挙げられる。また、置換基を有するアリールアルコキシ基としては、例えば、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基が挙げられる。
上記アリールアルキルチオ基は、−S−RA−Ar11(RAは上記アルキル基からアルキル基上の水素原子1個を除いた原子団からなる2価の基を示し、Ar11は上記アリール基を示す。)で表される基であり、置換基を有していてもよい。上記アリールアルキルチオ基は、炭素原子数が7〜60であることが好ましい。上記アリールアルキルチオ基としては、例えば、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基が挙げられる。また、置換基を有するアリールアルキルチオ基としては、例えば、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基が挙げられる。
上記アミノ基は、無置換のアミノ基であっても、該アミノ基における水素原子の1又は2個が、上記アルキル基、上記アリール基、上記アリールアルキル基及び後述する1価の複素環基からなる群より選ばれる1又は2個の基で置換されたアミノ基(以下、「置換アミノ基」という。)であってもよい。置換アミノ基は、更に置換基を有していてもよく、置換アミノ基の炭素原子数は、通常、1〜60であり、好ましくは2〜48である。
置換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、C1〜C12アルキルフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基が挙げられる。
上記シリル基は、無置換のシリル基であっても、該シリル基における水素原子の1〜3個が、上記アルキル基、上記アリール基、上記アリールアルキル基及び後述する1価の複素環基からなる群より選ばれる1〜3個の基で置換されたシリル基(以下、「置換シリル基」という。)であってもよい。置換シリル基は、置換基を有していてもよく、置換シリル基の炭素原子数は、通常、1〜60であり、好ましくは3〜48である。
置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、フェニル−C1〜C12アキルシリル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基が挙げられる。
上記アシル基としては、例えば、−C(=O)−RB(RBは、上記アルキル基、上記アリール基又は後述する1価の複素環基を示す。)で表される基が挙げられる。RBにおけるアルキル基、アリール基及び1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。アシル基の炭素原子数は、該置換基の炭素原子数を含めずに好ましくは2〜20、より好ましくは2〜18である。上記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基が挙げられる。
上記アシルオキシ基としては、例えば、−O−C(=O)−RB(RBは、上記アルキル基、上記アリール基又は後述する1価の複素環基を示す。)で表される基が挙げられる。RBにおけるアルキル基、アリール基及び1価の複素環基は置換基を有していてもよい。アシルオキシ基の炭素原子数は、該置換基の炭素原子数を含めずに好ましくは2〜20、より好ましくは2〜18である。アシルオキシ基としては、例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基が挙げられる。
上記イミン残基は、式:H−N=C(RC)2又は式:H−C(RC)=N−RCで表されるイミン化合物から、該式中の「H」を除いた残基を意味する。式中、RCは上記アルキル基、上記アリール基、上記アルケニル基、上記アルキニル基又は後述する1価の複素環基を示す。RCにおけるアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基及び1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。複数存在するRCは互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環構造を形成してもよい。イミン残基としては、例えば、以下の構造式で示される基が挙げられる。
上記カルバモイル基の炭素原子数は、通常、1〜20であり、好ましくは1〜18である。カルバモイル基としては、例えば、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基が挙げられる。
上記酸イミド基は、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子1個を除いて得られる残基を意味する。酸イミド基の炭素原子数は、好ましくは4〜20、より好ましくは4〜18である。酸イミド残基としては、例えば以下の構造式で示される基が挙げられる。
上記1価の複素環基は、複素環式化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団である。上記1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。上記1価の複素環基には、単環の基、縮合環を有する基が含まれる。複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、4〜60であることが好ましく、4〜20であることがより好ましい。
複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素として、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子、ヒ素原子等のヘテロ原子を含むものをいう。
上記1価の複素環基としては、1価の芳香族複素環基が好ましい。1価の芳香族複素環基は、芳香族複素環式化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団である。芳香族複素環式化合物としては、例えば、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等のヘテロ原子を含む複素環自体が芳香族性を示す化合物、並びに、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等のヘテロ原子を含む複素環それ自体は芳香族性を示さなくとも、該複素環に芳香環が縮環されている化合物が挙げられる。
上記1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基が挙げられる。また、置換基を有する1価の複素環基としては、C1〜C12アルキルチエニル基、C1〜C12アルキルピリジル基が挙げられる。これらのうち、1価の複素環基としては、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
なお、「置換基を有していてもよい」とは、水素原子の一つ又は複数が置換基で置換されていてもよいことを意味し、当該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、1価の複素環基、シアノ基及びニトロ基からなる群より選ばれる置換基が挙げられる。
X1及びX2におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。X1及びX2におけるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子又はヨウ素原子であることがより好ましく、臭素原子であることがさらに好ましい。
R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、反応の選択性を制御しやすく、かつ、高純度のフルオレン系化合物を一層容易に得ることができるので、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基又は1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基又は1価の複素環基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又は1価の複素環基であることがさらに好ましい。
「R2及びR3、並びに、R4及びR5がそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい」とは、例えば、式(1)で表される化合物として、下記式(1−a−1)及び下記式(1−a−2)で表される化合物が包含されることを示す。
式中、R21、R22、R23及びR24は、R1〜R6と同義である。式(1−a−1)で表される化合物は、式(1)におけるR2及びR3が互いに結合してベンゼン環を形成したものであり、式(1−a−2)で表される化合物は、式(1)におけるR4及びR5が互いに結合してベンゼン環を形成したものである。
上記酸としては、ルイス酸、プロトン酸等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、ホウ素誘導体、アルミニウム誘導体、ベリリウム誘導体、アンチモン誘導体、チタン誘導体が挙げられる。また、ホウ素誘導体としては、トリフルオロボラン、トリクロロボラン、トリブロモボラン、及び、これらの錯体が例示され、アルミニウム誘導体としては、トリフルオロアルミニウム、トリクロロアルミニウム、及び、これらの錯体が例示され、ベリリウム誘導体としては、ジフルオロベリリウム、ジクロロベリリウム、及び、これらの錯体が例示され、アンチモン誘導体としては、ペンタフルオロアンチモン、ペンタクロロアンチモン、トリクロロアンチモン、トリブロモアンチモン、及び、これらの錯体が例示され、チタン誘導体としては、テトラフルオロチタン、テトラクロロチタン、及び、これらの錯体が例示される。
ホウ素誘導体としては、トリフルオロボラン及びその錯体、トリクロロボラン及びその錯体が好ましく、トリフルオロボラン及びその錯体がさらに好ましく、トリフルオロボランジエチルエーテル錯体が特に好ましい。このようなホウ素誘導体によれば、より高収率で、式(2)で表されるフルオレン系化合物が得られる。
アルミニウム誘導体としては、トリクロロアルミニウムが好ましい。このようなアルミニウム誘導体によれば、より高収率で、式(2)で表されるフルオレン系化合物が得られる。
ベリリウム誘導体としてはジフルオロベリリウムが好ましい。このようなベリリウム誘導体によれば、より高収率で、式(2)で表されるフルオレン系化合物が得られる。
アンチモン誘導体としては、ペンタフルオロアンチモン、ペンタクロロアンチモンが好ましく、ペンタフルオロアンチモンがさらに好ましい。このようなアンチモン誘導体によれば、より高収率で、式(2)で表されるフルオレン系化合物が得られる。
チタン誘導体としては、テトラクロロチタンが好ましい。このようなチタン誘導体によれば、より高収率で、式(2)で表されるフルオレン系化合物が得られる。
入手が容易であり、かつ、より高純度のフルオレン系化合物が得られるので、ルイス酸としては、トリフルオロボラン、トリクロロボラン、トリクロロアルミニウム、テトラフルオロチタン、テトラクロロチタンが好ましく、トリフルオロボラン、トリクロロアルミニウム、テトラクロロチタンがさらに好ましい。
プロトン酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸、リン酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過マンガン酸、チオシアン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、クエン酸、シュウ酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸;が挙げられる。
上記酸は、より高収率に、より高純度のフルオレン系化合物が得られるので、ルイス酸であることが好ましく、ホウ素誘導体、アルミニウム誘導体又はチタン誘導体であることがより好ましく、ホウ素誘導体又はアルミニウム誘導体であることがさらに好ましく、ホウ素誘導体であることが特に好ましい。
式(1)で表される化合物と酸との反応(以下、「反応(A)」という。)は、例えば、溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、オルトジクロロベンゼン、四塩化炭素が挙げられる。
反応(A)の反応温度は、通常、溶媒の凝固点以上溶媒の沸点以下の温度であり、−78℃以上溶媒の沸点以下の温度が好ましく、−78〜0℃がより好ましい。
反応(A)の反応時間は、0.5〜100時間であることが好ましい。
本実施形態に係る製造方法においては、例えば、式(1)で表される化合物と酸との反応生成物を有機溶剤で洗浄することによって、より高純度のフルオレン系化合物を得ることができる。
反応生成物は、例えば、式(1)で表される化合物と酸とを反応させた反応溶液に水を加えて、分液操作により有機層を取り出し、当該有機層を濃縮することにより、白色固体等として得ることができる。
有機溶剤は、式(1)で表される化合物が溶解し易く、かつ、式(2)で表されるフルオレン系化合物が溶解し難いものが好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤が挙げられ、メタノールが好ましい。
式(1)で表される化合物としては、例えば、下記式(D01)、(D02)、(D03)、(D04)、(D05)、(D06)、(D07)、(D08)、(D09)、(D10)、(D11)、(D12)、(D13)、(D14)、(D15)、(D16)、(D17)、(D18)、(D19)、(D20)、(D21)、(D22)、(D23)、(D24)、(D25)、(D26)、(D27)、(D28)、(D29)、(D30)、(D31)、(D32)、(D33)、(D34)、(D35)、(D36)、(D37)、(D38)、(D39)、(D40)で表される化合物が挙げられる。
式(2)で表されるフルオレン系化合物としては、例えば、下記式(C01)、(C02)、(C03)、(C04)、(C05)、(C06)、(C07)、(C08)、(C09)、(C10)、(C11)、(C12)、(C13)、(C14)、(C15)、(C16)、(C17)、(C18)、(C19)、(C20)、(C21)、(C22)、(C23)、(C24)、(C25)、(C26)、(C27)、(C28)、(C29)、(C30)、(C31)、(C32)、(C33)、(C34)、(C35)、(C36)、(C37)、(C38)、(C39)、(C40)で表されるフルオレン系化合物が挙げられる。これらのフルオレン系化合物及びこれらのフルオレン系化合物と同様の基を有するようなフルオレン系化合物は、本実施形態に係る製造方法によって、特に効率良く製造することができる。
式(1)で表される化合物は、例えば、下記式(3−1)で表される化合物と下記式(3−2)で表される化合物との反応により得ることができる。すなわち、本実施形態に係る製造方法は、下記式(3−1)で表される化合物と下記式(3−2)で表される化合物との反応により式(1)で表される化合物を得る工程を、さらに有するものであってもよい。
この反応において、下記式(3−1)で表される化合物1モル当たり、下記式(3−2)で表される化合物は、通常、2モル以上であり、好ましくは2〜5モルである。
この反応において、下記式(3−1)で表される化合物1モル当たり、下記式(3−2)で表される化合物は、通常、2モル以上であり、好ましくは2〜5モルである。
式中、Ar1、X1、X2、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は上記と同義であり、R2及びR3、並びに、R4及びR5は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。R11はアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。MはLi、MgX11(X11はハロゲン原子を示す。)又はZnX12(X12はハロゲン原子を示す。)示す。
R11におけるアルキル基、アリール基及び1価の複素環基としては、上記と同様のものが例示される。
R11は、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
R11におけるアルキル基としては、立体障害を抑制して反応性を向上させることができるので、直鎖のアルキル基が好ましい。また、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましく、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基がより好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
R11におけるアリール基としては、立体障害を抑制して反応性を向上させることができるので、フェニル基が好ましい。また、反応溶媒への溶解性が良好になるので、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
式(3−1)で表される化合物としては、例えば、下記式(A01)、(A02)、(A03)、(A04)、(A05)、(A06)、(A07)、(A08)、(A09)、(A10)、(A11)、(A12)、(A13)、(A14)、(A15)、(A16)、(A17)、(A18)、(A19)、(A20)、(A21)、(A22)、(A23)、(A24)、(A25)、(A26)、(A27)、(A28)、(A29)で表される化合物が挙げられる。
Ar1におけるアリール基としては、反応溶媒への溶解性が良好になるので、1個以上の置換基を有するフェニル基が好ましい。また、立体障害を抑制して式(3−2)で表される化合物の反応性が向上するので、前記フェニル基が有する置換基は3個以下であることが好ましい。
ここでフェニル基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアルコキシ基、アリールアルキル基が好ましく、反応溶媒への溶解性が良好になるので、アルキル基、アルコキシ基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましい。
Ar1における1価の複素環基は、反応溶媒への溶解性が良好になるので、1個以上の置換基を有していることが好ましい。
ここで1価の複素環基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアルコキシ基、アリールアルキル基が好ましく、反応溶媒への溶解性が良好になるので、アルキル基、アルコキシ基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましい。
X11におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、式(1)で表される化合物がより高収率で得られるので、X11は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子又はヨウ素原子であることがより好ましい。
式(3−2)で表される化合物は、市販の試薬を用いてもよいし、下記式(3−3)で表される化合物と、マグネシウム又は有機金属化合物と、を反応させて調製してもよい。
式中、Ar1及びX11は上記と同義である。
有機金属化合物としては、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物が挙げられる。
有機リチウム化合物としては、例えば、アルキルリチウム化合物が挙げられる。アルキルリチウム化合物としては、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、n−オクチルリチウムが挙げられる。
有機マグネシウム化合物としては、例えば、アルキルハロゲン化マグネシウム化合物が挙げられる。アルキルハロゲン化マグネシウム化合物としては、例えば、メチル塩化マグネシウム、エチル臭化マグネシウム、イソプロピル塩化マグネシウム、イソプロピル臭化マグネシウム、n−ブチル塩化マグネシウム、n−ブチル臭化マグネシウム、n−オクチル臭化マグネシウムが挙げられる。
有機亜鉛化合物としては、例えば、アルキル亜鉛化合物が挙げられる。アルキル亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛が挙げられる。
式(3−2)で表される化合物としては、例えば、下記式(B01)、(B02)、(B03)、(B04)、(B05)、(B06)、(B07)、(B08)、(B09)、(B10)、(B11)、(B12)、(B13)、(B14)、(B15)、(B16)、(B17)、(B18)、(B19)、(B20)、(B21)、(B22)、(B23)、(B24)、(B25)、(B26)、(B27)、(B28)、(B29)、(B30)で表される化合物が挙げられる。
式(3−1)で表される化合物と式(3−2)で表される化合物との反応(以下、「反応(B)」という。)は、例えば、溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン系溶媒;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン(以下、「THF」と言う。)、ジオキサン等のエーテル系溶媒;が挙げられる。これらのうち、反応速度が向上し、効率良く式(1)で表される化合物が得られるので、エーテル系溶媒が好ましい。
反応(B)の反応温度は、通常、溶媒の凝固点以上溶媒の沸点以下の温度であり、−78℃以上溶媒の沸点以下の温度が好ましく、−78〜0℃がより好ましい。
反応(B)の反応時間は、0.5〜100時間であることが好ましい。
以下の反応例1〜8により、本実施形態に係る製造方法の具体例を示す。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)下記のとおり、化合物M−1を合成した。
(1)下記のとおり、化合物M−1を合成した。
すなわち、アルゴン雰囲気下、フェニルホウ酸(14.6g)、5−ブロモ−2−ヨード安息香酸メチル(40.9g)、炭酸銀(99.3g)、及び、脱水THF(480mL)を混合し、40℃に加温した。ここへ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(6.93g)を加え、7時間撹拌した。反応進行を確認した後、反応液を室温まで冷却しセライトろ過を2回行った。得られた溶液を濃縮し、クロロホルムを加えた後、セライトろ過を行い、ろ液を濃縮した。酢酸エチルを加え、シリカゲルを通してろ過した後、ろ液を濃縮した。得られたオイルをシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=20:1(体積比))により精製することで化合物M−1(25.6g)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3);δ3.64(3H,s),7.23−7.28(3H,m),7.35−7.44(3H,m),7.63(1H,d),7.96(1H,s)ppm.
1H−NMR(300MHz,CDCl3);δ3.64(3H,s),7.23−7.28(3H,m),7.35−7.44(3H,m),7.63(1H,d),7.96(1H,s)ppm.
(2)次いで、下記のとおり、化合物M−1から化合物M−2を合成した。
すなわち、アルゴン雰囲気下、3−ブロモ−5−n−ヘキシルトルエン(44.35g)とTHF(320mL)を混合し、−78℃に冷却した。ここへ、1.6Mのn−ブチルリチウム・ヘキサン溶液(113mL)を1時間で滴下し、1時間撹拌した。ここへ、5−ブロモ−2−フェニル安息香酸メチル(23.0g)とTHF(320mL)の混合溶液を1.5時間で滴下し、2時間撹拌した。反応進行を確認した後、反応液に水を加えて、反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた溶液を、シリカゲルを通してろ過した後、濃縮した。得られたオイルをシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=98:2(体積比))により精製することで化合物M−2(35.5g)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3);δ0.87(6H,t),1.17−1.40(12H,m),1.43−1.61(4H,m),2.25(6H,s),2.49(4H,t),2.78(1H,s),6.71−6.79(6H,m),6.90(2H,s),6.96(2H,s),7.08−7.16(2H,m),7.18−7.26(1H,m),7.42(1H,d)ppm.
1H−NMR(300MHz,CDCl3);δ0.87(6H,t),1.17−1.40(12H,m),1.43−1.61(4H,m),2.25(6H,s),2.49(4H,t),2.78(1H,s),6.71−6.79(6H,m),6.90(2H,s),6.96(2H,s),7.08−7.16(2H,m),7.18−7.26(1H,m),7.42(1H,d)ppm.
(3)次いで、下記のとおり、化合物M−2から化合物M−3を合成した。
すなわち、アルゴン雰囲気下、化合物M−2(29.97g)とジクロロメタン(300mL)を混合し、0℃に冷却した。反応溶液にトリフルオロボランジエチルエーテル錯体(25mL)を30分かけて滴下し、0℃を保ったまま2時間撹拌した。反応進行後、反応液に水を加えて、反応を停止させ、有機層を分液した。無水硫酸ナトリウムで有機層を乾燥させた後、濃縮することにより白色固体を得た。得られた固体をメタノールでリパルプ洗浄することで、化合物M−3(26.39g)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3);δ0.87(6H,t),1.20−1.39(12H,m),1.45−1.59(4H,m),2.19(6H,s),2.47(4H,t),6.66(2H,s),6.85(4H,s),7.24−7.30(1H,m),7.32−7.37(2H,m),7.45(1H,d),7.50(1H,s),7.60(1H,d),7.72(1H,d)ppm.
1H−NMR(300MHz,CDCl3);δ0.87(6H,t),1.20−1.39(12H,m),1.45−1.59(4H,m),2.19(6H,s),2.47(4H,t),6.66(2H,s),6.85(4H,s),7.24−7.30(1H,m),7.32−7.37(2H,m),7.45(1H,d),7.50(1H,s),7.60(1H,d),7.72(1H,d)ppm.
得られた化合物M−3をHPLC測定により分析した面積百分率値は、99.7%であり、高純度であった。なお、HPLC測定は、株式会社島津製作所製の高速液体クロマトグラムを用いて行った。カラムは株式会社島津製作所製Shim−Pack XR−ODSを用い、展開溶媒はアセトニトリルとTHFの混合溶媒を用いた。
(比較例1)
(1)下記のとおり、化合物M−4を合成した。
(1)下記のとおり、化合物M−4を合成した。
すなわち、アルゴン雰囲気下、3Lの三つ口フラスコに、3−n−ヘキシル−5−メチルブロモベンゼン(262g)、及び、無水THF(1.5L)を加え均一溶液とし、−78℃に冷却した。当該溶液に、2.5Mのn−ブチルリチウム・ヘキサン溶液(380mL)を、溶液の温度が−70℃以下に保たれるように滴下し、4時間撹拌し、溶液Aを得た。
別途、1Lの二口フラスコに、2−メトキシカルボニル−4,4’−ジブロモビフェニル(160g)、及び、無水THF(500mL)を加え、均一な溶液Bを調製した。
溶液Aに溶液Bを、溶液Aの温度が−70℃以下に保たれるように滴下し、撹拌した。次いで、反応溶液を室温にて15時間撹拌した。次いで、反応溶液に水(150mL)を0℃にて加え、撹拌した。次いで、減圧下濃縮操作により溶媒を留去し、残留物にヘキサン(1L)及び水(200mL)を加え、撹拌し、静置して生成した水層を除去し有機層を得た。この有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた後、減圧下で濃縮することにより、化合物M−4を得た。
(2)次いで、下記のとおり、化合物M−4から化合物M−5を合成した。
すなわち、アルゴン雰囲気下、3Lの三つ口フラスコに、化合物M−4(299g)、及び、無水ジクロロメタン(900mL)を加え、5℃に冷却した。得られた混合物に、温度が0〜5℃の範囲内に保たれるように、トリフルオロボランジエチルエーテル錯体(224mL)を滴下した後、室温にて終夜撹拌した。反応溶液を、氷水に注意深く注ぎ、30分撹拌し、静置して分液した水層を有機層から除去した。この有機層に10重量%リン酸カリウム水溶液を加え、2時間撹拌した後、静置して生成した水層を有機層から除去した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた後、濃縮することにより溶媒を留去し、オイル状の液体を得た。このオイル状の液体にメタノールを加え、固体を得た。この固体をn−ブチルアセテート及びメタノールから再結晶を行うことにより、化合物M−5(240g)を得た。
(3)次いで、下記のとおり化合物M−5から化合物M−3を合成した。
すなわち、アルゴン雰囲気下、化合物M−5(50g)とTHF(500mL)を混合し、−78℃に冷却した。ここへ1.6Mのn−ブチルリチウム・ヘキサン溶液(51mL)を30分かけて−70℃に以下を保ちながら滴下し、2時間撹拌した。反応終了後、水を反応溶液に一気に加え、室温まで昇温した。分液を行った後、有機層にトルエンを加え、水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮後、トルエン/ヘキサン混合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを4回行うことにより、化合物M−3を得た。
化合物M−3をHPLC測定により分析した面積百分率値は98.9%であり、実施例1と比較して低純度であった。
Claims (3)
- 下記式(1)で表される化合物と酸との反応により、下記式(2)で表されるフルオレン系化合物を得る工程を有する、フルオレン系化合物の製造方法。
[式中、Ar1はアリール基又は1価の複素環基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するAr1は互いに同一でも異なっていてもよい。
X1及びX2は、一方が水素原子を示し、他方がハロゲン原子を示す。
R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、カルバモイル基、酸イミド基、1価の複素環基、シアノ基又はニトロ基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。R2及びR3、並びに、R4及びR5は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。] - 前記式(1)で表される化合物と酸との反応生成物を、有機溶剤で洗浄して、前記式(2)で表されるフルオレン系化合物を得る、請求項1に記載のフルオレン系化合物の製造方法。
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