JP2007269794A - ベンゾメタロールの合成方法および新規ジイン化合物 - Google Patents

ベンゾメタロールの合成方法および新規ジイン化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】置換基による修飾が容易で、反応自体も簡便な、シロール等のベンゾメタロール合成方法を提供する。
【解決手段】下記ジイン化合物(1)と下記モノイン化合物(2)とから[2+2+2]付加環化反応によって下記ベンゾメタロール(3)を合成することを特徴とするベンゾメタロールの合成方法である。
Figure 2007269794

【選択図】なし

Description

本発明は、電子輸送性を有する発光材料、電子機能材料および光機能材料として適用可能なベンゾメタロールを容易に合成することのできる合成方法に関し、ベンゾメタロール合成の原料として有用な新規ジイン化合物にも関するものである。
シクロペンタジエン構造中にSiを有するシロール(シラシクロペンタジエン)誘導体は電子受容性を示すことが知られており、例えば、非特許文献1〜2には、シロール誘導体を有機EL素子に利用した例が報告されている。このようなシロール誘導体を機能性材料として用途展開する場合、目的に応じてシロール誘導体に様々な置換基を導入し、機能性材料としての性能を制御することが、今後重要となってくる。
上記観点から、近年になって、種々の置換基を有するシロール誘導体の合成方法が開発されている。例えば、特許文献1〜3には、2,5−反応性置換基含有シロール等が開示されているが、このシロールの3位および4位は、水素やフェニル基等の非反応性置換基でなければならないため、種々のシロール誘導体が合成できる方法とは言えない。また、これらの特許文献1〜3に開示される方法ではアルカリ金属やアルカリ金属錯体を用いているが、これらは空気中の酸素・窒素・水分等と高い反応性を有しているため、製造工程が煩雑になったり、特殊な製造装置を用いなければならない。
さらに、特許文献4には、スピロシロールの合成法が記載されているが、ジベンゾシロールに限定されている。特許文献5には、ジシラン化合物にチタニウムアルコキシドとハロゲンを反応させて、ビス置換シリル化物を得た後、シロール誘導体を得る方法が開示されているが、ビス置換シリル化合物を得る際に低温反応が必要であったり、反応時間が長いという問題があった。特許文献6にもシロール誘導体が記載されているが、原料を得る際のビフェニル化合物とリチウム化合物との低温メタル化反応では強力なアニオンが発生するため、導入できる置換基に制限があった。
「日本化学会第70春季年回講演予稿集II」、p.700(2D102)およびp.701(2D103)、1996年発行 「日本化学会第71秋季年回講演予稿集」 p.32(2P1α21と2P1α22)、1996年発行 「ケミカル レビュー」、90巻、p.215〜263,1990年発行(Chem. Rev., 90, 215-263(1990)) 特開平7−179477号公報 特開平7−300489号公報 特開2005−179368号公報 特表平10−509996号公報 特開平11−246566号公報 特開2004−83548号公報
上述したように、従来のシロール誘導体の合成法で用いられる原料には、取扱い性に劣っていたり、合成が困難である等の問題がある。また、得られるシロール誘導体もある程度、限定された構造のものしか得られていない。
そこで本発明では、置換基による修飾が容易で、反応自体も簡便な、シロール等のベンゾメタロール合成方法を提供することを課題として掲げた。
上記課題を解決し得た本発明のベンゾメタロールの合成方法は、
下記ジイン化合物(1)と、
Figure 2007269794
[式(1)中、R1、R2は、それぞれ同一または異なって、水素、または、アルキル基、アリール基、アルコキシ基およびアリールオキシ基のいずれかを介した/または介さない、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスファニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、カルバモイル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基またはヘテロ環基を意味するか、またはR1とR2とが共同して、ヘテロ原子を介し/または介さずに、単環状/または縮合環状に結合した基を意味する。ここで、上記単環状または縮合環状に結合した基は、さらに、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、SiおよびGeのいずれかを介し/または介さずに、水素、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスファニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、カルバモイル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基またはヘテロ環基を、置換基として有していてもよい。また、R3とR4は、それぞれ同一または異なって、水素、または、アルキル基、アリール基、アルコキシ基およびアリールオキシ基のいずれかを介した/または介さない、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスファニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、カルバモイル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基またはヘテロ環基を意味する。また、M1は、SiまたはGeを意味し、X1とX2は、それぞれ同一もしくは異なって、水素、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、アミノ基を意味する。]
下記モノイン化合物(2)とから、
Figure 2007269794
[式(2)中、R5とR6は、それぞれ同一または異なって、水素、または、アルキル基、アリール基、アルコキシ基およびアリールオキシ基のいずれかを介した/または介さない、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスファニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、カルバモイル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基またはヘテロ環基を意味する。]
[2+2+2]付加環化反応によって、下記ベンゾメタロール(3)を合成するところに特徴を有する。
Figure 2007269794
[式中、R1〜R6、M1、X1、X2は上記と同じ意味である。]
上記ジイン化合物(1)は下記式で表される化合物(4)であってもよい。
Figure 2007269794
[式中、R3、R4、M1、X1、X2は、上記と同じ意味であり、AはNまたはC−R7であり、R7〜R10は、それぞれ同一または異なって、水素、または、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、SiおよびGeのいずれかを介し/または介さずに、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスファニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、カルバモイル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基またはヘテロ環基を意味する。]
また、上記ジイン化合物(4)として下記テトライン化合物(5)を用い、上記モノイン化合物(2)との[2+2+2]付加環化反応によって、下記構造のトリベンゾジメタロール(6)を合成することもできる。
Figure 2007269794
[式中、R3、R4、R7、R10、M1、X1、X2は、それぞれ同一または異なって、上記と同じ意味であり、R11、R12は、同一または異なって、R3、R4と同じ意味であり、M2はM1と同一または異なってSiまたはGeを意味し、X3、X4は、同一または異なって、X1、X2と同じ意味である。]
Figure 2007269794
[式中、R3〜R7、R10〜R12、M1、M2、X1〜X4は、上記と同じ意味である。]
なお、本発明には、上記式で表されるトリベンゾジメタロール(6)、下記式で表される新規ジイン化合物(4)ならびに新規テトライン化合物(5)が含まれる。
Figure 2007269794
[式中、R3、R4、A、R8〜R10、M1、X1、X2は、上記と同じ意味である。]
Figure 2007269794
[式中、R3、R4、R7、R10〜R12、M1、M2、X1〜X4は、上記と同じ意味である。]
本発明の合成方法は、ジイン化合物とモノイン化合物とを、[2+2+2]付加環化反応させてベンゾメタロールを得るので、特殊な触媒や製造装置を必要とせず、容易にベンゾメタロールを合成することができるようになった。また、新規なジイン化合物およびテトライン化合物は、製造が容易であり、取扱い性にも優れている。さらに、出発原料であるジイン化合物(テトライン化合物も含む)やモノイン化合物に、[2+2+2]付加環化反応に対して不活性な置換基を導入しておけば、これらの置換基を持つベンゾメタロールを合成することができるため、置換基を適宜選択することで機能材料としての性能を自由にコントロールすることができる。よって、得られるベンゾメタロールは、有機EL素子の電子輸送層や、発光材料等の電気・光機能材料として適用可能である。
本発明の合成方法は、ジイン化合物(1)とモノイン化合物(2)との[2+2+2]付加環化反応によって、ベンゾメタロール(3)を合成するものである。なお、本発明のジイン化合物(1)は、厳密な意味でのジイン化合物ではなく、ジイン以上のトリインやテトラインも含まれ、[2+2+2]付加環化反応に関与するジイン構造を有する化合物を全てジイン化合物(1)とする。よって、ジイン化合物(1)には、テトライン化合物(5)も含まれることとなる。また、本発明の「ベンゾメタロール」には、ベンゾシロールおよびベンゾゲルモールが含まれ、さらには、シロール環とゲルモール環の両方を持つものも含まれる。
本発明で用いられるジインは、下記一般式(1)で表される。
Figure 2007269794
上記ジイン化合物(1)のR1およびR2が互いに結合して環を成さない場合には、R1、R2は、それぞれ同一または異なって、水素、または、アルキル基(−R)、アリール基(−Ar)、アルコキシ基(−OR)、アリールオキシ基(−OAr)のいずれかを介した/または介さない、ハロゲン(−F,−Cl,−Br,−I)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基(−C≡C)、アルケニル基(−C=C)、パーフルオロアルキル基(−Rf)、アルキルカルボニル基(−C(=O)R)、アリールカルボニル基(−C(=O)Ar)、アルキルカルボニルオキシ基(−OC(=O)R)、アリールカルボニルオキシ基(−OC(=O)Ar)、アルキルオキシカルボニルオキシ基(−OC(=O)OR)、アリールオキシカルボニルオキシ基(−OC(=O)OAr)、アミノ基(−NH2)、ニトロ基(−NO2)、ニトロソ基(−NO)、アゾ基(−N=NH)、スルファニル基(−SR)、スルホニル基(−SO2R)、スルフィニル基(−S(=O)R)、ホスファニル基(−PR2)、ホスフィニル基(−P(=O)R2)、ホスホリル基(−P(=O)(OR)2)、イソシアノ基(−NC)、シアナト基(−OCN)、チオシアナト基(−SCN)、カルバモイル基(−C(=O)NH2)、ホルミル基(−CHO)、ホルミルオキシ基(−OC(=O)H)、シリル(Si)基、スタンニル(Sn)基、ボリル(B)基またはヘテロ環基を意味する。
1は、SiまたはGeを意味し、X1とX2は、それぞれ同一もしくは異なって、水素、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、アミノ基を意味する。
上記例示において、Rは、炭素数1〜18程度までのアルキル基を意味し、直鎖状、分岐したもの、脂環構造を有するものの、いずれも含まれる。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等である。また、Arは、芳香族性を有する5員環以上の環式化合物であって、ベンゼン、ナフタレン等の炭素環(ビフェニル等も含む)、O,N,S等を含む複素環等を意味する。この定義は、以下においても同様である。これらの環式化合物は後述する置換基を有していてもよい。
3とR4は、それぞれ同一または異なって、水素、または、アルキル基、アリール基、アルコキシ基およびアリールオキシ基のいずれかを介した/または介さない、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスファニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、カルバモイル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基またはヘテロ環基を意味する。
ジイン化合物(1)においては、R1およびR2とが共同して、ヘテロ原子を介し/または介さずに、単環状/または縮合環状に結合した構造を採ることもできる。ヘテロ原子の例としては、N,O,S等が挙げられ、これらの原子が環の中に組み込まれていてもよい。ジイン化合物(1)のR1およびR2とが環を構成している場合は、この環と、付加環化反応によって新たに形成される6員環とが、メタロール環を構成することとなる。
ジイン化合物(1)のR1およびR2とが環を構成している場合は、その環は置換基を有していてもよい。このときの置換基としては、R3またはR4として例示した基が、そのまま該当する。もちろん、R3またはR4と同一の基である必要はない(以下においても同様)。
ジイン化合物(1)のR1およびR2とが環を構成している場合の好ましい化合物は、下記構造の化合物(4)である。
Figure 2007269794
上記式(4)中、R3、R4、M1、X1、X2は、上記と同じ意味であり、AはNまたはC−R7である。また、R7〜R10は、R1またはR2として例示した基が、具体例として該当する。なお、この化合物は新規なジインであり、本発明に含まれる。上記ジイン化合物(4)を原料として用いると、反応生成物は、ジベンゾメタロールまたはベンゾピリジノメタロール(AがN(ピリジン環)の場合)となる。
上記ジイン化合物(4)の好適な具体例としては、ジメチル(フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]シラン、ジメチル(1−へプチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]シラン、ジメチル(1−へプチニル)[2−(1−へプチニル)フェニル]シラン、ジメチル(フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)−3−ピリジル]シラン、1,4−ビス({2−[ジメチル(フェニルエチニル)シリル]フェニル}エチニル)ベンゼン、ジメチル(フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]ゲルマン等が挙げられる。
本発明では、ジイン化合物(4)の一例として、下記式で表されるテトライン化合物(5)を用いることもできる。
Figure 2007269794
[式中、R3、R4、R7、R10、M1、X1、X2は、それぞれ同一または異なって、上記と同じ意味であり、R11、R12は、同一または異なって、R3、R4と同じ意味であり、M2はM1と同一または異なってSiまたはGeを意味し、X3、X4は、同一または異なって、X1、X2と同じ意味である。]
上記テトライン化合物(5)は新規化合物であり、本発明に含まれる。上記テトライン化合物(5)の好適な具体例としては、1,4−ビス[ジメチル(フェニルエチニル)シリル]−2,5−ジ(フェニルエチニル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチル[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]シリル)−2,5−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]ベンゼン等が挙げられる。
ジイン化合物(1)または(4)やテトライン化合物(5)の反応相手は、下記式で表されるモノイン化合物(2)である。
Figure 2007269794
上記式中、R5とR6は、R3またはR4として例示した基がそのまま該当する。R5とR6は、同一であっても、異なっていても構わない。モノイン化合物(2)の好適な具体例としては、1,4−ジメトキシ−2−ブチン、1,4−ビス(tert−ブチルオキシ)−2−ブチン、ジメトキシ−2−ブチン、2−ブチン−1,4−ブタンジオール、4−オクチン、アセチレンジカルボン酸ジメチル、1−メトキシ−2−ヘキシン等が挙げられる。
ジイン化合物(1)とモノイン化合物(2)との[2+2+2]付加環化反応を行うことにより、下記構造のベンゾメタロールが生成する。
Figure 2007269794
[式中、R1〜R6、M1、X1、X2は上記と同じ意味である。]
[2+2+2]付加環化反応は、触媒を用いて行うことが好ましい。触媒としては、MCl(PPh33、MCl(CO)(PPh33、[MCl(cod)]2、[MCl(cod)]2−ホスフィン配位子等が利用可能である。ここで、Mは、RhまたはIrであり、PPh3はトリフェニルホスフィンであり、codは1,5−シクロオクタジエンであり、ホスフィン配位子は、単座または二座の三級ホスフィン配位子である。
上記付加環化反応は、溶媒中で行ってもよい。用い得る溶媒としては、トルエン、m−キシレン、オクタン、シクロヘキサン等の炭化水素類;1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2,−テトラクロロエタン、1,2−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジブチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類等が挙げられる。
反応温度は特に限定されないが、30〜200℃が好ましい。より好ましい温度の下限は60℃、さらに好ましい下限は80℃である。また、より好ましい温度の上限は180℃、さらに好ましい上限は145℃である。反応時間も特に限定されないが、1〜60時間が好ましい。より好ましい反応時間の下限は6時間、さらに好ましい下限は12時間である。また、より好ましい反応温度の上限は48時間、さらに好ましい上限は24時間である。反応後は、常法によって精製する。
テトライン化合物(5)を用いた場合の反応生成物は、下記式(6)で表されるラダー型ベンゾメタロールである。
Figure 2007269794
[式中、R3〜R7、R10〜R12、M1、M2、X1〜X4は、上記と同じ意味である。]
上記ラダー型ベンゾメタロール(6)は新規化合物であり、本発明に含まれる。上記ラダー型ベンゾメタロール(6)の好適な具体例としては、2,3,8,9−テトラ(メトキシメチル)−6,6,12,12−テトラメチル−1,4,7,10−テトラフェニル−6,12−ジシラインデノ[1,2−b]フルオレン、2,3,8,9−テトラ(tert−ブチルオキシメチル)−6,6,12,12−テトラメチル−1,4,7,10−テトラ(4−tert−ブチルフェニル)−6,12−ジシラインデノ[1,2−b]フルオレン等が挙げられる。
前記したジイン化合物(1)のうち、例えば、R1およびR2の部分が環状であるジイン化合物は、次の方法によって合成することができる。
Figure 2007269794
Figure 2007269794
なお、上記反応スキーム中、R3、R4は前記ジイン化合物(1)のR3、R4と同じ意味であり、R’は、水素、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、ハロゲンのいずれかを表し、Yは、ハロゲン(特に、ClまたはBr)である。またRTは室温(22℃)の意味である。
上記反応は、ハライドを出発原料としてリチウム化し、R'2SiY2によりシリル化し、別途、アルキンをリチウム化したリチウムアセチリドと反応させて、ジイン化合物を得るというものである。具体的には、以下のように行えばよい。
1.例えば、−78℃のハライドのテトラヒドロフラン(THF)溶液に、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液を滴下し、1時間程度撹拌して、ハライドをリチオ化する。
2.上記リチオ化物を含む溶液を、−78℃のR'2SiY2のTHF溶液に滴下して、室温(22℃)下で10〜30時間程度、撹拌する。
3.反応液にヘキサンを加えて反応を停止させる。
4.揮発性物質を減圧留去し、シリル化物を得る。
5.−78℃のアルキンのTHF溶液に、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液を滴下し、1時間程度撹拌して、リチウムアセチリドを発生させる。
6.前記シリル化物のTHF溶液を上記(5)のリチウムアセチリド溶液に滴下して、室温(22℃)下で10〜30時間程度、撹拌する。
7.反応液に冷水を加えて反応を停止させる。
8.エーテル抽出後、乾燥、精製等を行えば、ジイン化合物(1)が得られる。
ジイン化合物(4)やテトライン化合物(5)も上記方法を適用して得ることができる。
以下実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例で用いた測定装置および測定条件は、次の通りである。
1HNMR]
重クロロホルム(CDCl3)または重ベンゼン(C66)を用いて、バリアン社製の「Gemini 2000」により測定した。化学シフトは、テトラメチルシラン(SiMe4)から低磁場側での100万分の1(ppm;δスケール)として記録し、NMR溶媒(CDCl3:δ7.26;C66:δ7.16)中の残留水素核を参照とした。
[高分解能質量分析計(HRMS)]
日本電子(株)社製の「JMS−SX102A」により、電子イオン化法(EI)または高速原子衝撃法(FAB)を用いて測定した。
[発光量子効率]
アジレント・テクノロジー社製の8543型紫外可視分光光度計を用いて、生成物のヘキサン溶液の250nmでの吸光度を測定する。同一の溶液の上記蛍光スペクトルから、蛍光強度(蛍光ピーク面積)を求める。同一試料について、濃度の異なる溶液を数種類作り、上記と同様にして吸光度と蛍光強度を求め、横軸が吸光度、縦軸が蛍光強度であるグラフを作成する。標準試料として、キニーネ硫酸塩・二水和物の0.1M硫酸溶液と、アントラセンのエタノール溶液について、同様の測定を行い、それぞれグラフを作成する。ある試料(生成物)についてのグラフ(左下がりの直線となる)の傾きをGS、キニーネ硫酸塩・二水和物の0.1M硫酸溶液のグラフの傾きをGR1、アントラセンのエタノール溶液のグラフの傾きをGR2、ヘキサンの屈折率をnS、0.1M硫酸の屈折率をnR1、エタノールの屈折率をnR2、キニーネ硫酸塩・二水和物の発光量子効率(文献値)をYR1、アントラセンの発光量子効率(文献値)をYR2として、試料(生成物)の発光量子効率YSを以下の式で求めた。ここで、nS=1.3749、nR1=1.333、nR2=1.3634、YR1=0.54、YR2=0.27である。
Figure 2007269794
実施例1
下記式で表されるジメチル(フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]シラン:化合物No.1を合成する。
Figure 2007269794
−78℃の2−(2−フェニルエチニル)ブロモベンゼン3.35gのテトラヒドロフラン溶液22mLに、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.54M)を10mL滴下した。−78℃で1時間撹拌した後、反応液を−78℃のジメチルジクロロシラン3.33g含むテトラヒドロフラン溶液22mLに滴下した。室温(22℃)下で20時間撹拌した後、反応液にヘキサンを加えて反応を停止させた。揮発性物質を減圧留去し、クロロジメチル(2−フェニルエチニルフェニル)シランの粗生成物を得た。
−78℃のエチニルベンゼン1.59gのテトラヒドロフラン溶液12mLに、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.54M)を15.6mL滴下した。−78℃で1時間撹拌した後、クロロジメチル(2−フェニルエチニルフェニル)シランのテトラヒドロフラン溶液9mLを滴下した。室温下で20時間撹拌した後、反応液に冷水を加えて反応を停止させ、エーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、得られた溶液の揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、3.72gの上記化合物No.1を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.66(s,6H),7.27〜7.40(m,9H),7.64〜7.49(m,2H),7.55〜7.60(m,2H),7.88〜7.91(m,1H)
HRMS(EI)の結果:
2420Si(M+):理論値:336.1334 ; 実測値:336.1335
2420Si:理論値:C=85.66,H=5.99 ;実測値:C=85.41,H=5.99
上記反応のスキームは以下の通りである。
Figure 2007269794
以下の実施例2〜9は、下記スキームで表せる。
Figure 2007269794
実施例2
下記式で表される2,3−ジ(メトキシメチル)−9,9−ジメチル−1,4−ジフェニル−9−シラフルオレン:化合物No.2を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム二量体([IrCl(cod)]2)5.0mgとトリフェニルホスフィン(PPh3)7.9mgを含むジブチルエーテル溶液0.6mLに、実施例1で得られたジメチル(フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]シラン101.0mgと、1,4−ジメトキシ−2−ブチン68.5mgとを含むジブチルエーテル溶液3.0mLを添加した。反応液を24時間、110℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1(体積比:以下同じ))で精製し、116.8mgの上記化合物No.2を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.04(s,6H),3.20(s,3H),3.25(s,3H),4.27(s,2H),4.33(s,2H),6.34(d,J=8.1Hz,1H),6.91〜6.67(m,1H),7.10(dt,J=7.2,0.9Hz,1H),7.39〜7.55(m,11H)
HRMS(EI)の結果:
30302Si(M+):理論値:450.2015 ; 実測値:450.2013
実施例3
下記式で表される2,3−ジ(アセトキシメチル)−9,9−ジメチル−1,4−ジフェニル−9−シラフルオレン:化合物No.3を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]25.0mgとPPh37.9mgを含むジブチルエーテル溶液0.6mLに、ジメチル(フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]シラン101.0mgと、2−ブチン−1,4−ジオール51.7mgとを含むジブチルエーテル溶液3.0mLを添加した。反応液を24時間、110℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。氷冷下、得られた粗生成物にピリジン2mLおよび無水酢酸0.23mLを添加し、その後室温で12時間撹拌した。冷水により反応を停止させ、エーテル抽出を行った。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。固体成分を濾別し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、78.8mgの上記化合物No.3を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.04(s,6H),1.99(s,3H),2.00(s,3H),4.93(s,2H),4.99(s,2H),6.28(d,J=8.4Hz,1H),6.93(t,J=7.2Hz,1H),7.11(t,J=7.2Hz,1H),7.32〜7.36(m,4H),7.44〜7.51(m,7H)
HRMS(EI)の結果:
32304Si(M+):理論値:506.1913 ; 実測値:506.1913
実施例4
下記式で表される2,3−ジプロピル−9,9−ジメチル−1,4−ジフェニル−9−シラフルオレン:化合物No.4を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]210.1mgとPPh315.7mgを含むジブチルエーテル溶液0.6mLに、ジメチル(フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]シラン101.0mgと、4−オクチン66.1mgとを含むジブチルエーテル溶液3.0mLを添加した。反応液を24時間、110℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、99.8mgの上記化合物No.4を得た。
1HNMR(C66)の結果:
δ 0.09(s,6H),0.74(t,J=7.5Hz,3H),0.80(t,J=7.5Hz,3H),1.54〜1.68(m,4H),2.57〜2.70(m,4H),6.62(d,J=6.9Hz,1H),6.93〜7.02(m,2H),7.13〜7.35(m,10H),7.42〜7.45(m,1H)
HRMS(EI)の結果:
3234Si(M+):理論値:446.2430 ; 実測値:446.2434
実施例5
下記式で表される9,9−ジメチル−1,4−ジフェニル−9−シラフルオレン−2,3−ジカルボン酸ジメチル:化合物No.5を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]213.4mgとPPh321.0mgを含むジブチルエーテル溶液0.8mLに、ジメチル(フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]シラン67.3mgとアセチレンジカルボン酸ジメチル113.7mgとを含むジブチルエーテル溶液4.0mLを添加した。反応液を24時間、145℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、13.1mgの上記化合物No.5を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.07(s,6H),3.46(s,3H),3.49(s,3H),6.49(d,J=8.1Hz,1H),6.96(dt,J=7.8,1.5Hz,1H),7.15(t,J=7.5Hz,2H),7.31〜7.56(m,10H)
HRMS(FAB)の結果:
30264Si(M+):理論値:478.1600 ; 実測値:478.1604
実施例6
下記式で表される2,3−ジ(メトキシメチル)−9,9−ジメチル−1−ペンチル−4−フェニル−9−シラフルオレン:化合物No.6を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]25.0mgとPPh37.9mgを含むジブチルエーテル溶液0.6mLに、ジメチル(1−へプチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]シラン99.2mgと、1,4−ジメトキシ−2−ブチン68.5mgとを含むジブチルエーテル溶液3.0mLを添加した。反応液を24時間、110℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、108.5mgの上記化合物No.6を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.46(s,6H),0.97(t,J=7.2Hz,3H),1.42〜1.55(m,4H),1.61〜1.72(m,2H),2.82〜2.88(m,2H),3.14(s,3H),3.51(s,3H),4.13(s,2H),4.58(s,2H),6.23(d,J=8.1Hz,1H),6.89(dt,J=8.1,1.5Hz,1H),7.09(t,J=7.1Hz,1H),7.28〜7.31(m,2H),7.43〜7.47(m,3H),7.52(dt,J=7.1,0.8Hz,1H)
HRMS(EI)の結果:
29362Si(M+):理論値:444.2485 ; 実測値:444.2491
実施例7
下記式で表される2,3−ジ(メトキシメチル)−9,9−ジメチル−1,4−ジペンチル−9−シラフルオレン:化合物No.7を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]25.0mgとPPh37.9mgを含むジブチルエーテル溶液0.6mLに、ジメチル(1−へプチニル)[2−(1−へプチニル)フェニル]シラン97.4mgと、1,4−ジメトキシ−2−ブチン68.5mgとを含むジブチルエーテル溶液3.0mLを添加した。反応液を24時間、145℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、91.0mgの上記化合物No.7を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.42(s,6H),0.94(t,J=7.2Hz,3H),0.98(t,J=7.2Hz,3H),1.34〜1.65(m,10H),1.72〜1.84(m,2H),2.75〜2.80(m,2H),3.05〜3.10(m,2H),3.50(s,3H),3.51(s,3H),4.52(s,2H),4.59(s,2H),7.25(t,J=7.2Hz,1H),7.43(t,J=8.3Hz,1H),7.63(d,J=6.0Hz,1H),7.92(d,J=8.1Hz,1H)
HRMS(EI)の結果:
28422Si(M+):理論値:438.2954 ; 実測値:438.2955
実施例8
下記式で表される2,3−ジ(メトキシメチル)−9,9−ジメチル−4−フェニル−9−シラフルオレン:化合物No.8を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]210.1mgとPPh315.7mgを含むジブチルエーテル溶液0.6mLに、ジメチル(エチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]シラン78.1mgと、1,4−ジメトキシ−2−ブチン68.5mgとを含むジブチルエーテル溶液3.0mLを添加した。反応液を24時間、110℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、28.2mgの上記化合物No.8を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.43(s,6H),3.14(s,3H),3.52(s,3H),4.15(s,2H),4.66(s,2H),6.25(d,J=8.1Hz,1H),6.92(d,J=7.8Hz,1H),7.10(t,J=7.2Hz,1H),7.30〜7.32(m,2H),7.47〜7.49(m,3H),7.56(d,J=6.9Hz,1H),7.75(s,1H)
HRMS(EI)の結果:
24262Si(M+):理論値:374.1702 ; 実測値:374.1695
実施例9
下記式で表される6,7−ジ(メトキシメチル)−9,9−ジメチル−5,8−ジフェニル−4−アザ−9−シラフルオレン:化合物No.9を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]26.7mgとPPh310.5mgを含むジブチルエーテル溶液0.4mLに、ジメチル(フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)−3−ピリジル]シラン67.5mgと、1,4−ジメトキシ−2−ブチン45.7mgとを含むジブチルエーテル溶液2.0mLを添加した。反応液を24時間、110℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、40.3mgの上記化合物No.9を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.03(s,6H),3.18(s,3H),3.22(s,3H),4.26(s,2H),4.33(s,2H),6.86(dd,J=6.9,4.8Hz,1H),7.27〜7.47(m,10H),7.68(dd,J=6.9,1.8Hz,1H),8.06(dd,J=5.1,1.8Hz,1H)
HRMS(FAB)の結果:
2930NO2Si[M+H]+:理論値:452.2046 ; 実測値:452.2047
実施例10
下記式で表される1,4−ビス[ジメチル(フェニルエチニル)シリル]−2,5−ジ(フェニルエチニル)ベンゼン:化合物No.10を合成する。
Figure 2007269794
1,4−ジブロモ−2,5−ジ(フェニルエチニル)ベンゼンを4.36g含む−78℃のTHF溶液17mLに、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.43M)を17mL滴下した。−78℃で1時間撹拌した後、反応液を、ジメチルジクロロシランを5.12g含む−78℃のTHF溶液17mLに滴下した。室温下で20時間撹拌した後、この反応液にヘキサンを加えて反応を停止させた。揮発性物質を減圧留去し、1,4−ビス(クロロジメチルシリル)−2,5−ジ(フェニルエチニル)ベンゼンの粗生成物を得た。
エチニルベンゼンを4.09g含む−78℃のTHF溶液10mLに、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.43M)を21mL滴下した。−78℃で1時間撹拌した後、上記1,4−ビス(クロロジメチルシリル)−2,5−ジ(フェニルエチニル)ベンゼンのTHF溶液8mLを滴下した。室温下で20時間撹拌した後、この反応液に冷水を加えて反応を停止させ、エーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、得られた溶液の揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を再結晶(クロロホルム/ヘキサン)により精製した。0.48gの上記化合物No.10が得られた。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.67(s,12H),7.27〜7.36(m,12H),7.46〜7.49(m,4H),7.56〜7.60(m,4H),8.04(s,2H)
HRMS(FAB)の結果:
4234Si2(M+):理論値:594.2199 ; 実測値:594.2202
実施例11
下記反応式によって、2,3,8,9−テトラ(メトキシメチル)−6,6,12,12−テトラメチル−1,4,7,10−テトラフェニル−6,12−ジシラインデノ[1,2−b]フルオレン:化合物No.11を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]210.1mgとPPh315.7mgを含むジブチルエーテル溶液0.6mLに、1,4−ビス[ジメチル(フェニルエチニル)シリル]−2,5−ジ(フェニルエチニル)ベンゼン178.5mgと、1,4−ジメトキシ−2−ブチン137.0mgとを含むジブチルエーテル溶液3.0mLを添加した。反応液を24時間、110℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=2:1)に通し、溶媒を減圧留去した。得られた固体を、再結晶(ジクロロメタン/ヘキサン)により精製し、186.3mgの上記化合物No.11を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ −0.26(s,12H),3.16(s,6H),3.21(s,6H),4.27(s,8H),6.10(s,2H),7.28〜7.34(m,8H),7.40〜7.43(m,12H)
HRMS(EI)の結果:
54544Si2(M+):理論値:822.3561 ; 実測値:822.3561
発光量子効率は0.91であった。
実施例12
下記式で表される1,4−ビス({2−[ジメチル(フェニルエチニル)シリル]フェニル}エチニル)ベンゼン:化合物No.12を合成する。
Figure 2007269794
1,4−ビス(2−ブロモフェニルエチニル)ベンゼンを2.21g含む−78℃のTHF溶液10mLに、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.55M)を7mL滴下した。−78℃で1時間撹拌した後、反応液を、ジメチルジクロロシランを4.58g含む−78℃のTHF溶液20mLに滴下した。室温下で20時間撹拌した後、この反応液にヘキサンを加えて反応を停止させた。揮発性物質を減圧留去し、1,4−ビス{[2−(クロロジメチルシリル)フェニル]エチニル}ベンゼンの粗生成物を得た。
エチニルベンゼンを2.07g含む−78℃のTHF溶液20mLに、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.55M)を8mL滴下した。−78℃で1時間撹拌した後、上記1,4−ビス{[2−(クロロジメチルシリル)フェニル]エチニル}ベンゼンのTHF溶液10mLを滴下した。室温下で20時間撹拌した後、この反応液に冷水を加えて反応を停止させ、エーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、得られた溶液の揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を再結晶(ジクロロメタン/ヘキサン)により精製した。0.85gの上記化合物No.12が得られた。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.68(s,12H),7.27〜7.33(m,6H),7.36〜7.45(m,4H),7.46〜7.50(m,4H),7.55(s,4H),7.59〜7.62(m,2H),7.88〜7.91(m,2H)
HRMS(FAB)の結果:
4234Si2(M+):理論値:594.2199 ; 実測値:594.2200
実施例13
下記反応式によって、4,4’−(1,4−フェニレン)ビス[9,9−ジメチル−2,3−ジ(メトキシメチル)−1−フェニル−9−シラフルオレン]:化合物No.13を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]26.7mgとPPh310.5mgを含むジブチルエーテル溶液0.4mLに、1,4−ビス({2−[ジメチル(フェニルエチニル)シリル]フェニル}エチニル)ベンゼン119.0mgと、1,4−ジメトキシ−2−ブチン91.3mgとを含むジブチルエーテル溶液2.0mLを添加した。反応液を24時間、110℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=1:2)に通し、溶媒を減圧留去した。得られた固体を、再結晶(ジクロロメタン/ヘキサン)により精製し、158.5mgの上記化合物No.13を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.06(s,12H),3.30(s,6H),3.39(s,6H),4.38(s,4H),4.55(s,4H),6.74(d,J=8.1Hz,2H),7.04(t,J=7.5Hz,2H),7.16(t,J=6.9Hz,2H),7.42〜7.54(m,12H),7.60(s,4H)
HRMS(FAB)の結果:
54544Si2(M+):理論値:822.3561 ; 実測値:822.3561
実施例14
下記反応式によって、2−メトキシメチル−9,9−ジメチル−1,4−ジフェニル−3−プロピル−9−シラフルオレンと3−メトキシメチル−9,9−ジメチル−1,4−ジフェニル−2−プロピル−9−シラフルオレンの混合物:化合物No.14を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]25.0mgとPPh37.9mgを含むジブチルエーテル溶液0.6mLに、ジメチル(1−フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]シラン101.0mgと、1−メトキシ−2−ヘキシン67.3mgとを含むジブチルエーテル溶液3.0mLを添加した。反応液を24時間、110℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、75.4mg(生成物比3.5:1)の上記化合物(混合物)No.14を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
主生成物:δ 0.00(s,6H),0.75(t,J=7.5Hz,3H),1.41〜1.51(m,2H),2.47〜2.53(m,2H),3.20(s,3H),4.20(s,2H),6.19(d,J=8.1Hz,1H),6.88(dt,J=8.1,1.5Hz,1H),7.06(t,J=7.2Hz,1H),7.33〜7.54(m,11H)
副生成物:δ 0.00(s,6H),0.81(t,J=7.2Hz,3H),1.47〜1.56(m,2H),2.50〜2.56(m,2H),3.16(s,3H),4.16(s,2H),6.28(d,J=8.4Hz,1H),6.89〜6.94(m,1H),7.04〜7.11(m,1H),7.34〜7.55(m,11H)
HRMS(EI)の結果:(混合物の結果)
3132OSi(M+):理論値:448.2222 ; 実測値:448.2223
実施例15
下記式で表されるジメチル(フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]ゲルマン:化合物No.15を合成する。
Figure 2007269794
2−(2−フェニルエチニル)ブロモベンゼンを1.5g含む−78℃のテトラヒドロフラン(THF)溶液10mLに、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.58M)を3.7mL滴下した。−78℃で1時間撹拌した後、反応液を、ジメチルジクロロゲルマンを2.00g含む−78℃のTHF溶液10mLに滴下した。室温下で20時間撹拌した後、この反応液にヘキサンを加えて反応を停止させた。揮発性物質を減圧留去し、クロロジメチル(2−フェニルエチニルフェニル)ゲルマンの粗生成物を得た。
エチニルベンゼンを1.18g含む−78℃のTHF溶液15mLに、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.58M)を3.7mL滴下した。−78℃で1時間撹拌した後、上記クロロジメチル(2−フェニルエチニルフェニル)ゲルマンのTHF溶液15mLを滴下した。室温下で20時間撹拌した後、この反応液に冷水を加えて反応を停止させ、エーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後ろ過し、得られた溶液の揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製した。0.32gの上記化合物No.15が得られた。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.86(s,6H),7.31〜7.43(m,3H),7.37〜7.43(m,5H),7.52〜7.55(m,2H),7.58〜7.64(m,3H),7.92〜7.95(m,1H)
HRMS(EI)の結果:
2420Ge(M+):理論値:382.0777 ; 実測値:382.0776
実施例16
下記式で表される2,3−ジ(メトキシメチル)−9,9−ジメチル−1,4−ジフェニル−9−ゲルマフルオレン:化合物No.16を合成する。
Figure 2007269794
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]27.1mgとPPh311.1mgを含むジブチルエーテル溶液0.4mLに、ジメチル(フェニルエチニル)[2−(フェニルエチニル)フェニル]ゲルマン80.3mgと、1,4−ジメトキシ−2−ブチン47.9mgとを含むジブチルエーテル溶液2.1mLを添加した。反応液を24時間、145℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、75.4mgの上記化合物No.16を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.18(s,6H),3.18(s,3H),3.25(s,3H),4.23(s,2H),6.38(d,J=8.4Hz,1H),6.89(dt,J=7.8,1.5Hz,1H),7.09(t,J=7.2Hz,1H),7.37〜7.52(m,11H)
HRMS(FAB)の結果:
3031GeO2(M++H):理論値:497.1536 ; 実測値:497.1532
実施例17
下記式で表される2,3,8,9−テトラ(tert−ブチルオキシメチル)−6,6,12,12−テトラメチル−1,4,7,10−テトラ(4−tert−ブチルフェニル)−6,12−ジシラインデノ[1,2−b]フルオレン;化合物No.17を合成する。
Figure 2007269794
まず、下記スキームで表されるテトライン化合物としての1,4−ビス(ジメチル[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]シリル)−2,5−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]ベンゼンの合成を行った。
Figure 2007269794
1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼンを3.9g含むトリエチルアミン溶液48mLに、4−(tert−ブチル)エチニルベンゼン2.5g、ヨウ化銅(I)152mgおよびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を順次加え、室温で終夜撹拌した。反応終了後、揮発性物質を減圧留去し、クロロホルムを加えた。このクロロホルム溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥後、濾過し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製し、1,4−ジブロモ−2,5−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]ベンゼンを得た。
−78℃の1,4−ジブロモ−2,5−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]ベンゼンを1.8g含むテトラヒドロフラン溶液6.0mLに、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.54M)を5.0mL滴下した。−78℃で1時間撹拌後、反応液を−78℃のジクロロジメチルシランを1.7g含むテトラヒドロフラン溶液6.0mLに滴下した。室温で終夜撹拌後、反応液にヘキサンを加えて反応を停止させた。揮発性物質を減圧留去し、1,4−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]−2,5−ビス(クロロジメチルシリル)ベンゼンの粗生成物を得た。
−78℃の4−tert−ブチルエチニルベンゼンを2.1g含むテトラヒドロフラン溶液3.3mLに、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.54M)を5.3mL滴下した。−78℃で1時間撹拌後、1,4−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]−2,5−ビス(クロロジメチルシリル)ベンゼンを含むテトラヒドロフラン溶液3.3mLを滴下した。室温で20時間撹拌後、反応液に冷水を加えて反応を停止させ、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を再結晶(クロロホルム−ヘキサン)により精製し、1,4−ビス(ジメチル[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]シリル)−2,5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]ベンゼンを得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.66(s,12H),1.30(s,18H),1.33(s,18),7.30(d,J=8.7Hz,4H),7.37(d,J=8.4Hz,4H),7.42(d,J=8.7Hz,4H),7.51(d,J=8.4Hz,4H)
続いて、前記化合物No.17を合成した。
アルゴンガス雰囲気下、[IrCl(cod)]26.7mgとPPh310.5mgを含むジブチルエーテル溶液0.4mLに、1,4−ビス(ジメチル[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]シリル)−2,5−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)エチニル]ベンゼン163.9mgと、1,4−ビス(tert−ブチルオキシ)−2−ブチン158.6mgとを含むジブチルエーテル溶液2.0mLを添加した。反応液を24時間、110℃で加熱撹拌した後、室温まで冷却し、揮発性物質を減圧留去した。得られた粗生成物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、194.7mgの2,3,8,9−テトラ(tert−ブチルオキシメチル)−6,6,12,12−テトラメチル−1,4,7,10−テトラ(4−tert−ブチルフェニル)−6,12−ジシラインデノ[1,2−b]フルオレン(上記化合物No.17)を得た。
1HNMR(CDCl3)の結果:
δ 0.32(s,12H),0.93(s,9H),0.97(s,9H),1.33(s,9H),1.37(s,9H),4.22(s,8H),6.31(s,2H),7.20(d,J=8.1Hz,4H),7.24(d,J=8.1Hz,4H),7.37(d,J=8.1Hz,4H),7.42(d、J=8.1Hz,4H)
発光量子効率は0.94であった。
参考例1
前記した非特許文献3に記載の方法で、下記式で表される1,1−ジメチルシラフルオレンを合成した。発光量子効率を測定したところ、0.10であった。
Figure 2007269794
本発明法では容易にベンゾメタロールを合成することができるので、出発原料のジインやテトラインの置換基を適宜選択することで、得られるベンゾメタロールの性能を自由にコントロールすることができる。よって、得られたベンゾメタロールは、電子機器、例えば有機EL素子、太陽電池、コンデンサ、燃料電池、二次電池、センサー、ディテクター、光回路、光導波路、トランジスタ、電気回路などの構成部材、有機EL素子の中間層(正孔輸送層または電子輸送層等)、太陽電池の光電変換層等の電気・光機能材料として適用可能である。

Claims (6)

  1. 下記ジイン化合物(1)と、
    Figure 2007269794
    [式(1)中、R1、R2は、それぞれ同一または異なって、水素、または、アルキル基、アリール基、アルコキシ基およびアリールオキシ基のいずれかを介した/または介さない、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスファニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、カルバモイル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基またはヘテロ環基を意味するか、またはR1とR2とが共同して、ヘテロ原子を介し/または介さずに、単環状/または縮合環状に結合した基を意味する。ここで、上記単環状または縮合環状に結合した基は、さらに、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、SiおよびGeのいずれかを介し/または介さずに、水素、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスファニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、カルバモイル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基またはヘテロ環基を、置換基として有していてもよい。また、R3とR4は、それぞれ同一または異なって、水素、または、アルキル基、アリール基、アルコキシ基およびアリールオキシ基のいずれかを介した/または介さない、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスファニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、カルバモイル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基またはヘテロ環基を意味する。また、M1は、SiまたはGeを意味し、X1とX2は、それぞれ同一もしくは異なって、水素、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、アミノ基を意味する。]
    下記モノイン化合物(2)とから、
    Figure 2007269794
    [式(2)中、R5とR6は、それぞれ同一または異なって、水素、または、アルキル基、アリール基、アルコキシ基およびアリールオキシ基のいずれかを介した/または介さない、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスファニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、カルバモイル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基またはヘテロ環基を意味する。]
    [2+2+2]付加環化反応によって、下記ベンゾメタロール(3)を合成することを特徴とするベンゾメタロールの合成方法。
    Figure 2007269794
    [式中、R1〜R6、M1、X1、X2は上記と同じ意味である。]
  2. 上記ジイン化合物(1)が、下記式で表される化合物(4)である請求項1に記載の合成方法。
    Figure 2007269794
    [式中、R3、R4、M1、X1、X2は、上記と同じ意味であり、AはNまたはC−R7であり、R7〜R10は、それぞれ同一または異なって、水素、または、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、SiおよびGeのいずれかを介し/または介さずに、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキニル基、アルケニル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、スルファニル基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスファニル基、ホスフィニル基、ホスホリル基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、カルバモイル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、シリル基、スタンニル基、ボリル基またはヘテロ環基を意味する。]
  3. 上記ジイン化合物(4)が下記テトライン化合物(5)であり、
    Figure 2007269794
    [式中、R3、R4、R7、R10、M1、X1、X2は、それぞれ同一または異なって、上記と同じ意味であり、R11、R12は、同一または異なって、R3、R4と同じ意味であり、M2はM1と同一または異なってSiまたはGeを意味し、X3、X4は、同一または異なって、X1、X2と同じ意味である。]
    このテトライン化合物(5)と、上記モノイン化合物(2)とから、[2+2+2]付加環化反応によって下記構造のトリベンゾジメタロール(6)を合成するものである請求項2に記載のベンゾメタロールの合成方法。
    Figure 2007269794
    [式中、R3〜R7、R10〜R12、M1、M2、X1〜X4は、上記と同じ意味である。]
  4. 請求項2の合成方法の原料として用いられる下記式で表されることを特徴とする新規ジイン化合物。
    Figure 2007269794
    [式中、R3、R4、A、R8〜R10、M1、X1、X2は、上記と同じ意味である。]
  5. 請求項3の合成方法の原料として用いられる下記式で表されることを特徴とする新規テトライン化合物。
    Figure 2007269794
    [式中、R3、R4、R7、R10〜R12、M1、M2、X1〜X4は、上記と同じ意味である。]
  6. 下記式で表されることを特徴とするベンゾメタロール。
    Figure 2007269794
    [式中、R3〜R7、R10〜R12、M1、M2、X1〜X4は、上記と同じ意味である。]
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