JP2020132541A - 輪状化合物の製造方法 - Google Patents

輪状化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020132541A
JP2020132541A JP2019024883A JP2019024883A JP2020132541A JP 2020132541 A JP2020132541 A JP 2020132541A JP 2019024883 A JP2019024883 A JP 2019024883A JP 2019024883 A JP2019024883 A JP 2019024883A JP 2020132541 A JP2020132541 A JP 2020132541A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
substituent
ring
same
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019024883A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7214497B2 (ja
Inventor
健一郎 伊丹
Kenichiro Itami
健一郎 伊丹
泰知 瀬川
Yasutomo Segawa
泰知 瀬川
元章 臼井
Motoaki Usui
元章 臼井
津幡 義昭
Yoshiaki Tsubata
義昭 津幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd, Tokai National Higher Education and Research System NUC filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2019024883A priority Critical patent/JP7214497B2/ja
Publication of JP2020132541A publication Critical patent/JP2020132541A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7214497B2 publication Critical patent/JP7214497B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】高収率で製造可能な輪状化合物の製造方法の提供。【解決手段】遷移金属錯体及び有機塩基の存在下、特定の2種の反応性化合物を反応させる工程を含む、式(M)で表される輪状化合物の製造方法。[式(M)中、m′は、5以上15以下の整数を表し、n′は、1以上10以下の整数を表す。Araは、アリーレン基などが有する2つのsp3炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表す。但し、Araの少なくとも一つは、シクロアルカジエンが有する2つのsp3炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Arbは、アリーレン基などが有する2つのsp3炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]【選択図】なし

Description

本発明は、輪状化合物の製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「発光素子」ともいう。)は、ディスプレイ及び照明の用途に好適に使用することが可能であり、近年、寿命が長く、高発光効率な有機エレクトロルミネッセンス素子用の材料開発が盛んに行われている。
発光素子用の材料として、2価の芳香族炭化水素基が連結してなる環状の化合物(以下、環状化合物という)が期待されている。環状化合物は、例えば前駆体である輪状化合物を還元することにより得られる。輪状化合物は、例えば遷移金属錯体、無機塩基および溶媒の存在下において、原料化合物をクロスカップリング反応させることにより製造される(非特許文献1、2)。
J. Org. Chem. 2012, 77, 6624-6628 J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 15800-15802
しかし、上記反応では、目的物である輪状化合物の収率が十分でない。そこで、本発明は、輪状化合物を高収率で得られる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、塩基として有機塩基を用いることで、輪状化合物の収率が大幅に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]を提供するものである。
[1]遷移金属錯体及び有機塩基の存在下、
式(M−1)で表される化合物と、式(M−2)で表される化合物とを反応させる工程1を含む、
式(M)で表される輪状化合物の製造方法。
Figure 2020132541
[式(M−1)中、m′は、5以上15以下の整数を表す。
Arは、アリーレン基、2価の複素環基、又はシクロアルカジエンが有する2つのsp炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するArは、同一でも異なっていてもよい。但し、Arの少なくとも一つは、シクロアルカジエンが有する2つのsp炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、該基は置換基を有していてもよい。
は、反応性基を表す。複数存在するZは、同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2020132541
[式(M−2)中、n′は、1以上10以下の整数を表す。
Arは、アリーレン基、2価の複素環基、又はシクロアルカジエンが有する2つのsp炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。Arが複数存在する場合、Arは同一でも異なっていてもよい。
は、反応性基を表す。複数存在するZは、同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2020132541
[式(M)中、Ar、Ar、m′及びn′は前記Ar、Ar、m′及びn′と同じ意味を表す。]
[2]前記Z及び前記Zが、それぞれ独立に置換基A群及び置換基B群からなる群から選ばれる基である、[1]に記載の輪状化合物の製造方法。
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)C1(式中、RC1は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表される基。
<置換基B群>
−B(ORC2)(式中、RC2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子と共に環構造を形成していてもよい。)で表される基。]
[3]前記有機塩基が第四級アンモニウム塩である、[1]又は[2]に記載の輪状化合物の製造方法。
[4]前記工程1を、前記遷移金属錯体、前記有機塩基及び配位子の存在下で行う、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の輪状化合物の製造方法。
[5]前記式(M−1)で表される化合物が、式(M−1A)で表される化合物である、[1]〜[4]のいずれかに一項に記載の輪状化合物の製造方法。
Figure 2020132541
[式(M−1A)中、Zは前記Zと同じ意味を表す。
m、n及びiは、それぞれ独立に1以上の整数を表す。複数存在する、m、n及びiは同一でも異なっていてもよい。
Ara1及びAra2は、それぞれ独立に単環若しくは縮合環のアリーレン基、又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するAra1及びAra2は同一でも異なっていてもよい。
は、水酸基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
及びEは、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するE及びEは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
[6]前記式(M−2)で表される化合物が、式(M−2A)で表される化合物である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の輪状化合物の製造方法。
Figure 2020132541
[式(M−2A)中、R、及びZは前記R、及びZと同じ意味を表す。
k、l及びjは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。但し、k+lは1以上の整数を表す。複数存在するk及びjは、同一でも異なっていてもよい。
Ara3及びAra4は、それぞれ独立に、単環若しくは縮合環のアリーレン基、単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ara3が複数存在する場合、Ara3は同一でも異なっていてもよい。複数存在するAra4は同一でも異なっていてもよい。
及びEは、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在する前記E及びEは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
[7]前記Ar、Ar、Ara1、Ara2、Ara3及びAra4が置換基を有していてもよいアリーレン基である、[6]に記載の輪状化合物の製造方法。
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載の製造方法で得られた輪状化合物に対して還元反応を施す工程を備える、式(M′)で表される環状化合物の製造方法。
Figure 2020132541
[式(M′)中、m′及びn′は、前記m′及びn′と同じ意味を表す。
Ar及びArは、それぞれ独立に、単環若しくは縮合環のアリーレン基又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するArは、同一でも異なっていてもよい。Arが複数存在する場合、Arは同一でも異なっていてもよい。]
本発明によれば、高収率で製造可能な輪状化合物の製造方法を提供することができる。また、本発明の好ましい実施形態では、更に、反応時間が短縮される。また、本発明によれば、高収率で製造可能な環状化合物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
「輪状化合物」とは、環状化合物を製造する際の前駆体であり、環状化合物の還元反応前の化合物を意味する。
「環状化合物」とは、2価の芳香族炭化水素基が連結してなる環状の化合物を表す。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i―Prはイソプロピル基、t−Buはtert−ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体を表す式中、配位子と金属との結合を表す実線は、イオン結合、共有結合又は配位結合を意味する。
「アルキル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、3―プロピルヘプチル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、ドデシル基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基(例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−メチルフェニル)プロピル基、3−(3,5−ジ−ヘキシルフェニル)プロピル基、6−エチルオキシヘキシル基)が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、及び、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4−メチルフェニル)アミノ基、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5―ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基及びシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基及びシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A−1)〜式(A−20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
[式中、R及びRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数存在するR及びRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
[式中、R及びRaは、前記と同じ意味を表す。]
「架橋基」とは、加熱、紫外線照射、近紫外線照射、可視光照射、赤外線照射、又はラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、式(B−1)〜式(B−17)のいずれかで表される基である。これらの基は、置換基を有していてもよい。
Figure 2020132541
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基又はシクロアルキニル基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。置換基は架橋基であってもよい。置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよいが、環を形成しないことが好ましい。本明細書において、ある基が置換基を有していてもよい、と表現されている場合、その基は前記置換基として列挙されている基を少なくとも一つ有していてもよいことを意味する。
(実施形態)
本発明の一態様における化合物の製造方法は、遷移金属錯体及び有機塩基の存在下、前記式(M−1)で表される化合物と、式(M−2)で表される化合物とを反応させる工程1を含む、式(M)で表される化合物の製造方法である。
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Ar及びArにおける単環のアリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは6である。Ar及びArにおける単環のアリーレン基は、好ましくは、フェニレン基であり、より好ましくは、式(A−1)〜式(A−3)で表される基であり、更に好ましくは、式(A−1)で表される基である。
Ar及びArにおける縮合環のアリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常7〜60である。Ar及びArにおける縮合環のアリーレン基の炭素原子数は、好ましくは8〜40であり、より好ましくは9〜30であり、更に好ましくは10〜20である。Ar及びArにおける縮合環のアリーレン基としては、例えば、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基又はクリセンジイル基が挙げられる。Ar及びArにおける縮合環のアリーレン基は、好ましくは、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、又はクリセンジイル基であり、より好ましくは、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基又はピレンジイル基であり、更に好ましくは、ナフタレンジイル基又はピレンジイル基であり、特に好ましくは、式(A−4)又は式(A−14)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar及びArにおける単環の2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは2〜5である。Ar及びArにおける単環の2価の複素環基は、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール又はトリアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar及びArにおける縮合環の2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60である。Ar及びArにおける縮合環の2価の複素環基としては、例えば、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン又はジヒドロアクリジンから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar及びArにおける単環のシクロアルカジエンが有する2つのsp炭素から水素原子を1個ずつ除いた基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは6である。Ar及びArにおける単環のシクロアルカジエンが有する2つのsp炭素から水素原子を1個ずつ除いた基は、好ましくは、式(AA−01)で表される基である。この基は置換基を有していてもよい。
Figure 2020132541
[式中、Rは、水酸基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよい。]
Ar及びArにおける縮合環のシクロアルカジエンが有する2つのsp炭素から水素原子を1個ずつ除いた基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常7〜60である。Ar及びArにおける縮合環のシクロアルカジエンが有する2つのsp炭素から水素原子を1個ずつ除いた基は、好ましくは、式(AA−02)〜式(AA−04)で表される基である。これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2020132541
[式中、Rは前記Rと同じ意味を表す。]
Ar及びArが有していてもよい置換基としては、好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基である。Ar及びArが有していてもよい置換基は、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基である。これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、Ar及びArが有していてもよい置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成しないことが好ましい。
Ar及びArは、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、単環又は縮合環のアリーレン基であることが好ましく、この基は置換基を有していてもよい。
m′は、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、好ましくは、7以上13以下であり、より好ましくは、7以上11以下であり、更に好ましくは、9以上11以下である。
n′は、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、好ましくは、1以上8以下であり、より好ましくは、1以上5以下であり、更に好ましくは、1以上3以下である。n′は、m′より小さくてもよい。
及びZは、それぞれ独立に、前記置換基A群及び前記置換基B群からなる群から選ばれる基であってもよい。Zが前記置換基A群から選ばれる基であるとき、Zは、前記置換基B群から選ばれる基であることが好ましい。また、Zが前記置換基B群から選ばれる基であるとき、Zは、前記置換基A群から選ばれる基であることが好ましい。
置換基A群から選ばれる基は、好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)C1で表される基である。
−B(ORC2で表される基としては、例えば、式(W−1)〜式(W−10)で表される基が挙げられる。
Figure 2020132541
<式(M−1A)及び式(M−1B)で表される化合物>
式(M−1)で表される化合物は、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、前記式(M−1A)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020132541
Ara1およびAra2は、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、単環又は縮合環のアリーレン基であることが好ましく、この基は置換基を有していてもよい。
Ara1およびAra2における単環又は縮合環のアリーレン基の例及び好ましい範囲は、Ar及びArにおける単環又は縮合環のアリーレン基の例及び好ましい範囲と同じである。
mは、式(M)で表される輪状化合物の収率が向上するので、好ましくは、1以上4以下であり、より好ましくは、2以上4以下であり、更に好ましくは、2である。複数存在するmは、同一であることが好ましい。
nは、式(M)で表される輪状化合物の収率が向上するので、好ましくは、1以上4以下であり、より好ましくは、1以上2以下であり、更に好ましくは、1である。複数存在するnは、同一であることが好ましい。
iは、式(M)で表される輪状化合物の収率が向上するので、好ましくは、1である。複数存在するiは、同一であることが好ましい。
は、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、好ましくは、水酸基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基であり、より好ましくは、水酸基又はアルコキシ基であり、更に好ましくは、アルコキシ基である。
およびEは、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、好ましくは、水素原子又は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成することであり、より好ましくは、水素原子である。
式(M−1A)で表される化合物は、式(M)で表される輪状化合物の収率が向上するので、式(M−1B)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020132541
[式(M−1B)中、m、n、i、Ara1、Ara2、R及びZは前記m、n、i、Ara1、Ara2、R及びZと同じ意味を表す。]
<式(M−2A)及び式(M−2B)で表される化合物>
式(M−2)で表される化合物は、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、前記式(M−2A)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020132541
Ara3およびAra4は、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、単環又は縮合環のアリーレン基であることが好ましく、この基は置換基を有していてもよい。
Ara3およびAra4における単環又は縮合環のアリーレン基の例及び好ましい範囲は、Ar及びArにおける単環又は縮合環のアリーレン基の例及び好ましい範囲と同じである。
kは、式(M)で表される輪状化合物の収率が向上するので、好ましくは、0以上2以下であり、より好ましくは、0又は1であり、更に好ましくは、0である。複数存在するkは、同一であることが好ましい。
lは、式(M)で表される輪状化合物の収率が向上するので、好ましくは、1以上3以下であり、より好ましくは、1又は2であり、更に好ましくは、1である。
jは、式(M)で表される輪状化合物の収率が向上するので、好ましくは、0又は1である。複数存在するjは、同一であることが好ましい。
およびEは、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、好ましくは、水素原子又は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成することである。
式(M−2A)で表される化合物は、式(M)で表される輪状化合物の収率が向上するので、式(M−2B)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020132541
[式中、k、l、j、Ara3、Ara4、R及びZは前記k、l、j、Ara3、Ara4、R及びZと同じ意味を表す。]
<式(M′)で表される環状化合物>
式(M)で表される化合物を還元することにより、式(M′)で表される環状化合物を合成することができる。
Figure 2020132541
ArおよびArは、式(M′)で表される環状化合物の合成が容易になるので、単環又は縮合環のアリーレン基であることが好ましく、この基は置換基を有していてもよい。
ArおよびArにおける単環又は縮合環のアリーレン基の例及び好ましい範囲は、Ar及びArにおける単環又は縮合環のアリーレン基の例及び好ましい範囲と同じである。
式(M)で表される輪状化合物を用いて製造される、式(M′)で表される環状化合物としては、例えば、式(1A−01)〜式(1A−33)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
Figure 2020132541
<式(M)で表される化合物の製造方法>
式(M)で表される化合物のより詳細な製造方法について説明する。式(M−1)で表される化合物として、式(M−1−1)で表される化合物を用い、式(M)で表される輪状化合物として、化合物(M−1−2)を製造する方法を例に説明する。式(M−1−2)で表される化合物は、例えば、遷移金属錯体及び有機塩基の存在下、式(M−1−1)で表される化合物と、式(M−2)で表される化合物とを用いて、下記スキームで合成することができる。
Figure 2020132541
[式中、Ar、R、Z、及びn’は、前記Ar、R、Z、及びn’と同じ意味を表す。]
(工程1)
工程1において、式(M−1−1)で表される化合物は、例えば、J. Org. Chem. 2012, 77, 6624-6628及びJ. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 15800-15802等に記載の方法により、合成することができる。
工程1において、式(M−2)で表される化合物の使用量は、式(M−1−1)で表される化合物の物質量の合計に対して、好ましくは0.8〜2.0モル当量であり、より好ましくは0.9〜1.5モル当量であり、更に好ましくは0.9〜1.1モル当量である。
工程1において、遷移金属錯体は、パラジウム錯体であることが好ましい。パラジウム錯体としては、例えば、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム、[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]パラジウムが挙げられる。遷移金属錯体は、好ましくは、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム、[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]パラジウムである。遷移金属錯体は、より好ましくは、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウムであり、更に好ましくは、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、酢酸パラジウムであり、特に好ましくは、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウムである。
遷移金属錯体の使用量は、式(M−1−1)で表される化合物の物質量の合計に対して、好ましくは、0.00001〜3モル当量であり、より好ましくは、0.00005〜1モル当量であり、更に好ましくは、0.0001〜0.5モル当量である。遷移金属錯体は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程1において、遷移金属錯体は、ホスフィン配位子等の配位子と混合して用いてもよい。ホスフィン配位子としては、例えば、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、(4−ジメチルアミノフェニル)ジ−tert−ブチルホスフィン、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、及びジ−tert−ブチルフェニルホスフィンが挙げられる。ホスフィン配位子としては、好ましくは、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニルである。
工程1において、配位子の使用量は、遷移金属錯体の物質量に対して、好ましくは、0.5〜20モル当量であり、好ましくは1〜10モル当量であり、更に好ましくは1〜5モル当量である。配位子は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程1において、有機塩基は、第4級アンモニウム塩であることが好ましい。第4級アンモニウム塩は、式(X)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020132541
[式(X)中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよい。]
は、式(M)で表される輪状化合物の収率が向上するので、好ましくは、エチル基又はブチル基であり、より好ましくは、ブチル基である。
式(X)で表される化合物として、例えば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。式(X)で表される化合物は、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドであることが好ましく、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドであることがより好ましい。
有機塩基の使用量は、式(M−1−1)で表される化合物の物質量の合計に対して、好ましくは、0.1〜30モル当量であり、より好ましくは、0.5〜20モル当量であり、更に好ましくは1〜10モル当量である。有機塩基は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程1において、有機塩基は、そのまま用いてもよいが、水溶液として用いることが好ましい。工程1において、有機塩基を水溶液として用いる場合の水の割合は、通常、有機塩基1質量部に対して、好ましくは1〜500質量部であり、より好ましくは5〜200質量部であり、更に好ましくは10〜100質量部である。水の割合を、有機塩基1質量部に対して1〜500質量部とすると、工程1の反応時間が短縮され、目的とする輪状化合物の収率が高くなる。
工程1において、反応は溶媒中で行うことが好ましい。工程1において、溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール及び2−エトキシエタノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル及びジグライム等のエーテル系溶媒;塩化メチレン及びクロロホルム等のハロゲン系溶媒;アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ヘキサン、デカリン、トルエン、キシレン及びメシチレン等の炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;アセトン、ジメチルスルホキシド、並びに、水が挙げられる。
溶媒の使用量は、式(M−1−1)で表される化合物を1質量部としたとき、好ましくは、1〜2000質量部であり、より好ましくは50〜1500質量部であり、更に好ましくは100〜1000質量部である。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程1において、反応温度は、好ましくは、0℃〜200℃であり、より好ましくは、50℃〜150℃である。
工程1において、反応時間は、好ましくは、0.5時間〜24時間であり、より好ましくは1時間〜12時間であり、更に好ましくは、1時間〜8時間である。
<式(M′)で表される化合物の製造方法>
式(M′)で表される化合物の製造方法について説明する。式(M)で表される輪状化合物として、式(M−1−2)で表される化合物を用い、式(M′)で表される環状化合物として化合物(M−1−3)を製造する方法を例に説明する。式(M−1−3)で表される化合物は、例えば、式(M−1−2)で表される化合物を用いて、下記スキームで合成することができる。
Figure 2020132541
工程2において、式(M−1−3)で表される化合物は、式(M−1−2)で表される化合物を芳香族化することにより合成することができる。より詳細には、式(M−1−2)で表される化合物中のシクロヘキサジエニル骨格部分をベンゼン環に変換することにより、式(M−1−3)で表される化合物を合成できる。
式(M−1−2)で表される化合物を芳香族化する方法としては、例えば、還元反応を行った後、酸化反応を行う方法が挙げられる。例えば、還元剤を用いることで、まず、Rが脱離し、水素化反応が進行する。その後、酸化処理を行うことで、シクロヘキサジエニル骨格部分がベンゼン環に変換される。
工程2において、還元反応としては、例えば、還元剤を用いることで、まずRが脱離し、脱水素反応が進行する。続いて酸化処理を行うことで、シクロヘキサジエニル環部がベンゼン環に変換される。
工程2において用いられる還元剤としては、ナトリウムナフタレニド又はリチウムナフタレニド等が挙げられる。
工程2において、還元剤の使用量は、通常、式(1−1−3)で表される化合物の物質量の合計に対して、好ましくは、1〜500モル当量であり、好ましくは10〜300モル当量であり、より好ましくは20〜200モル当量である。
工程2において、還元反応は溶媒中で行うことが好ましい。工程2における溶媒の例及び好ましい範囲は、工程1における溶媒の例及び好ましい範囲と同じである。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程2において、溶媒の使用量は、通常、式(1−1−3)で表される化合物を1質量部としたとき、1〜1000質量部であり、好ましくは10〜500質量部であり、より好ましくは50〜500質量部である。
工程2において、還元反応の反応温度は、−100℃〜0℃の範囲である。
工程2において、還元反応の反応時間は、0.5時間〜24時間である。
工程2において用いられる酸化剤としては、クロラニル、o−クロラニル、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン等のキノン、ヨウ素が挙げられる。
工程2において、酸化剤の使用量は、通常、式(M−1−3)で表される化合物の物質量の合計に対して、1〜500モル当量であり、好ましくは1〜100モル当量であり、より好ましくは1〜50モル当量である。
工程2において、酸化反応は溶媒中で行うことが好ましい。工程2における溶媒の例及び好ましい範囲は、工程1における溶媒の例及び好ましい範囲と同じである。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程2において、溶媒の使用量は、通常、式(M−1−3)で表される化合物を1質量部としたとき、1〜1000質量部であり、好ましくは10〜500質量部であり、より好ましくは50〜500質量部である。
工程2において、酸化反応の反応温度は、−100℃〜0℃の範囲である。
工程2において、酸化反応の反応時間は、0.5時間〜24時間である。
<環状化合物の製造方法>で説明した各反応において用いられる化合物、触媒および溶媒は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
LC−MSは、下記の方法で測定した。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはテトラヒドロフランに溶解させ、LC−MS(Agilent製、商品名:1290 Infinity LCおよび6230 TOF LC/MS)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、SUMIPAX ODS Z−CLUE(住化分析センター製、内径:4.6mm、長さ:250mm、粒径3μm)を用いた。
NMRは、下記の方法で測定した。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl)、重テトラヒドロフラン、重ジメチルスルホキシド、重アセトン、重N,N-ジメチルホルムアミド、重トルエン、重メタノール、重エタノール、重2−プロパノールまたは重塩化メチレンに溶解させ、NMR装置(Agilent製、商品名:INOVA300、または、JEOL RESONANCE製、商品名:JNM−ECZ400S/L1)を用いて測定した。内部標準物質としてトリメチルシランを使用した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC−20A)を用いた254nmの波長の紫外線に対する吸光度に基づいた値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2質量%の濃度になるようにテトラヒドロフランまたはクロロホルムに溶解させ、濃度に応じてHPLCに1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリル/テトラヒドロフランの比率を100/0〜0/100(容積比)まで変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、SUMIPAX ODS Z−CLUE(住化分析センター製、内径:4.6mm、長さ:250mm、粒径3μm)または同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD−M20A)を用いた。
<合成例1> 化合物EM−01の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、4-メトキシフェノール(15.5g)、メタノール(311mL)を加え、室温(25℃であり、以下、同様である。)で30分撹拌した。その後、0℃に冷却し、ヨードベンゼンジアセタート(40.0g)を加え、0℃で3時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで昇温した後、水酸化カリウム水溶液およびジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで化合物EM−01(19.1g)を得た。化合物EM−01のHPLC面積百分率値は95.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.36(6H、s)、6.27(2H、d)、6.82(2H、d)
<合成例2> 化合物EM−02の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、1,4-ジブロモベンゼン(34.0g)、テトラヒドロフラン(386mL)を加え、−70℃に冷却した。その後、n−ブチルリチウム(1.6mol/L ヘキサン溶液)(86mL)を30分以上かけて滴下した。その後、化合物EM−01(19.1g)を加え、−70℃で2時間撹拌した。その後、メタノールを滴下し、得られた反応液を室温まで昇温した後、酢酸およびアセトンを加え、室温で1時間撹拌した。その後、イオン交換水および酢酸エチルを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで固体を得た。得られた固体をヘキサンで洗浄することで、化合物EM−02(23.0g)を得た。化合物EM−02のHPLC面積百分率値は93.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : 2.45(1H、s)、6.25(2H、d)、6.86(2H、d)、7.36(2H、d)、7.52(2H、d)
<合成例3> 化合物EM−03の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、1−ブロモ−4−クロロベンゼン(49.0g)、テトラヒドロフラン(600mL)を加え、−70℃に冷却した。その後、n−ブチルリチウム(1.6M ヘキサン溶液)(156mL)を1時間以上かけて滴下した。その後、化合物EM−02(20.0g)を加え、−70℃で2時間撹拌した。その後、メタノールを滴下し、得られた反応液を室温まで昇温した後、イオン交換水および酢酸エチルを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで、化合物EM−03(24.0g)を得た。
LC-MS(ESI,positive) : m/z=376[M]+
<合成例4> 化合物EM−04の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、水素化ナトリウム(60質量%,流動パラフィンに分散)(6.4g)、テトラヒドロフラン(400mL)を加え、0℃に冷却した。その後、化合物EM−03(20.0g)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解させた溶液を滴下し、0℃で30分間撹拌した。その後、ヨウ化メチル(37.5g)を加え、45℃で14時間撹拌した。イオン交換水および酢酸エチルを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで、固体を得た。得られた固体を、2−プロパノールを用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−04(11.4g)を得た。化合物EM−04のHPLC面積百分率値は99.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : 3.39(6H、s)、6.08(4H、s)、7.24-7.32(6H、m)、7.44(2H、d)
<合成例5> 化合物EM−06の合成
Figure 2020132541
化合物EM−05は、非特許文献1及び非特許文献2に記載の方法に準じて合成した。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−05(8.0g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(9.9g)、酢酸パラジウム(80mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(339mg)、酢酸カリウム(6.9g)及び1,2−ジメトキシエタン(120mL)を加え、80℃で4時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。その後、トルエン及びイオン交換水を加え、水層を分離した。有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層に無水硫酸マグネシウム及び活性炭を加えた後、ろ過し、濃縮することで、固体を得た。得られた固体を、トルエン及びアセトニトリルの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−06(6.9g)を得た。化合物EM−06のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.41(3H、s)、6.08(2H、s)、7.37(2H、d)、7.69(2H、d)
<合成例6> 化合物EM−07の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−04(8.1g)、化合物EM−06(5.4g)、トルエン(270mL)、メシル酸[(ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン)−2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(36mg)及び20質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(64g)を加え、90℃で3時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶媒)により精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−07(6.7g)を得た。化合物EM−07のHPLC面積百分率値は97.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.42(9H、s)、6.05(2H、d)、6.13(4H、d)、7.28(2H、d)、7.36(2H、d)、7.43(2H、d)、7.49(2H、d)、7.56(4H、d)
<合成例7> 化合物EM−08の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−07(6.5g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.8g)、酢酸パラジウム(46mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(197mg)、酢酸カリウム(2.8g)及び1,2−ジメトキシエタン(195mL)を加え、80℃で5時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。その後、トルエン及びイオン交換水を加え、水層を分離した。有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層に無水硫酸マグネシウム及び活性炭を加えた後、ろ過し、濃縮することで、固体を得た。得られた固体を、トルエン及びアセトニトリルの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−08(6.5g)を得た。化合物EM−08のHPLC面積百分率値は99.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.45(9H、s)、6.11-6.15(6H、m)、7.41-7.49(6H、m)、7.55(4H、m)、7.70(2H、d)
<合成例8> 化合物EM−09の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、1、4-ジブロモベンゼン(29.8g)、テトラヒドロフラン(250mL)を加え、−70℃に冷却した。その後、n−ブチルリチウム(1.6mol/L ヘキサン溶液)(77mL)を1時間以上かけて滴下した。その後、1,4−ナフトキノン(5.0g)を加え、−70℃で2時間撹拌した。その後、メタノールを滴下し、得られた反応液を室温まで昇温した後、イオン交換水および酢酸エチルを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで、化合物EM−09(14.9g)を得た。
LC-MS(ESI,positive) : m/z=470[M]+
<合成例9> 化合物EM−10の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、水素化ナトリウム(60%,流動パラフィンに分散)(3.3g)、テトラヒドロフラン(264mL)を加え、0℃に冷却した。その後、化合物EM−09(13.2g)をテトラヒドロフラン(66mL)に溶解させた溶液を滴下し、0℃で30分間撹拌した。その後、ヨウ化メチル(19.8g)を加え、45℃で14時間撹拌した。イオン交換水および酢酸エチルを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで、固体を得た。得られた固体を、トルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−10(8.1g)を得た。化合物EM−10のHPLC面積百分率値は99.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.16(3H、s)、6.09(1H、s)、7.16(2H、d)、7.37(4H、m)
<実施例1> 化合物EM−11の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−08(500mg)、化合物EM−10(218mg)、トルエン(250mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(9.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(14.3mg)及び2質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(16.9g)を加え、90℃で3時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。有機層をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、目的物であるEM−11が87%の収率で生成していた。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、トルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−11(390mg)を得た。化合物EM−11のHPLC面積百分率値は96.0%以上、収率74%であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.17(3H、s)、3.40(9H、s)、6.10(7H、m)、7.35-7.46(18H、m)
LC-MS(ESI,positive) : m/z=1210[M]+
<実施例2> 化合物EM−13の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−08(500mg)、1,4−ジブロモナフタレン(123mg)、トルエン(250mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(9.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(14.3mg)及び2質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(16.9g)を加え、90℃で3時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。有機層をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、目的物であるEM−13が88%の収率で生成していた。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、トルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−13(360mg)を得た。化合物EM−13のHPLC面積百分率値は96.0%以上、収率84%であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.40-3.51(9H、m)、6.07-6.26(6H、m)、7.40-7.60(15H、m)
LC-MS(ESI,positive) : m/z=996[M]+
<実施例3> 化合物EM−15の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−08(500mg)、1,6−ジブロモピレン(155mg)、トルエン(250mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(9.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(14.3mg)及び2質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(16.9g)を加え、90℃で3時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。有機層をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、目的物であるEM−15が79%の収率で生成していた。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、トルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−15(330mg)を得た。化合物EM−15のHPLC面積百分率値は95.0%以上、収率70%であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.27-3.54(9H、m)、6.02-6.28(6H、m)、7.37-7.55(13H、m) 、7.98-8.20(3H、m)
LC-MS(ESI,positive) : m/z=1070[M]+
<実施例4> 化合物EM−16の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−08(200mg)、2,7−ジブロモピレン(62mg)、トルエン(100mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(3.8mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(5.7mg)及び2質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(16.9g)を加え、90℃で3時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。有機層をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、目的物であるEM−16が91%の収率で生成していた。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、トルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−16(135mg)を得た。化合物EM−16のHPLC面積百分率値は95.0%以上、収率72%であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : 3.23-3.51(9H、m)、6.07-6.14(4H、m)、6.28-6.31(2H、m)、7.26(2H、d)、7.37-7.56(10H、m)、7.81(2H、d)、8.15(2H、s)、8.40(2H、s)
LC-MS(ESI,positive) : m/z=1070[M]+
<実施例5> 化合物EM−17の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−08(500mg)、1,4−ジブロモベンゼン(101mg)、トルエン(250mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(9.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(14.3mg)及び2質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(16.9g)を加え、90℃で3時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。有機層をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、目的物であるEM−17が89%の収率で生成していた。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、トルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−17(315mg)を得た。化合物EM−17のHPLC面積百分率値は96.0%以上、収率77%であった。
LC-MS(ESI,positive) : m/z=946[M]+
<比較例1> 化合物EM−11の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−08(500mg)、化合物EM−10(218mg)、トルエン(250mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(9.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(14.3mg)、相関移動触媒としてメチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド(66mg)及び5質量%炭酸ナトリウム水溶液を加え、90℃で12時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。有機層をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、目的物であるEM−11が52%の収率で生成していた。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶媒)及びトルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−11(171mg)を得た。化合物EM−11のHPLC面積百分率値は96.0%以上、収率33%であった。
<比較例2> 化合物EM−17の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−08(500mg)、1,4−ジブロモベンゼン(101mg)、トルエン(250mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(9.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(14.3mg)、相関移動触媒としてメチルトリ-n-オクチルアンモニウムクロリド(66mg)及び5質量%炭酸ナトリウム水溶液を加え、90℃で12時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。有機層をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、目的物であるEM−17が55%の収率で生成していた。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶媒)及びトルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−17(138mg)を得た。化合物EM−17のHPLC面積百分率値は96.0%以上、収率34%であった。
<比較例3> 化合物EM−17の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−08(500mg)、1,4−ジブロモベンゼン(101mg)、トルエン(250mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(9.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(14.3mg)及び5質量%炭酸ナトリウム水溶液を加え、90℃で12時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。有機層をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、目的物であるEM−17が38%の収率で生成していた。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶媒)及びトルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−17(41mg)を得た。化合物EM−17のHPLC面積百分率値は96.0%以上、収率10%であった。
<比較例4> 化合物EM−11の合成
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−08(500mg)、1,4−ジブロモベンゼン(101mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(125mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(9.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(14.3mg)及び5質量%リン酸カリウム水溶液を加え、140℃で12時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。有機層をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、目的物であるEM−11が33%の収率で生成していた。得られたろ液をトルエン及びイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶媒)及びトルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−11(57mg)を得た。化合物EM−11のHPLC面積百分率値は96.0%以上、収率14%であった。
<実施例6> 化合物EM−12の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、ナフタレン(1.6g)、金属ナトリウム(346mg)及びテトラヒドロフラン(29mL)を加え、0℃で6時間撹拌し、ナトリウムナフタレニド溶液を調製した。
続いて、反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−11(198mg)、及びテトラヒドロフラン(24mL)を加え、−70℃に冷却した。その後、先ほど調製したナトリウムナフタレニド溶液を加え、−70℃で2時間撹拌した。その後、ヨウ素を加え、得られた反応液を室温まで昇温した後、イオン交換水およびジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。更に、得られた固体を、メタノールで洗浄することにより、化合物EM−12の粗体を得た。
続いて、反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、得られた化合物EM−12の粗体、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(107mg)及びクロロベンゼン(20mL)を加え、70℃で5時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、イオン交換水およびジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)により精製し、更に、トルエン、2−プロパノール及びメタノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−12(36mg)を得た。化合物EM−12のHPLC面積百分率値は97.0%以上であった。
LC-MS(ESI,positive) : m/z=962[M]+
化合物EM−12の発光スペクトルの最大ピーク波長は、468nmであった。
<実施例7> 化合物EM−14の合成
Figure 2020132541
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、ナフタレン(0.7g)、金属ナトリウム(149mg)及びテトラヒドロフラン(10mL)を加え、0℃で6時間撹拌し、ナトリウムナフタレニド溶液を調製した。
続いて、反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−13(70mg)、及びテトラヒドロフラン(10mL)を加え、−70℃に冷却した。その後、先ほど調製したナトリウムナフタレニド溶液を加え、−70℃で2時間撹拌した。その後、ヨウ素を加え、得られた反応液を室温まで昇温した後、イオン交換水およびジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。更に、得られた固体を、メタノールで洗浄することにより、化合物EM−14の粗体を得た。
続いて、反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、得られた化合物EM−14の粗体、2,3−ジクロロ−5,6-ジシアノ−p−ベンゾキノン(46mg)及びクロロベンゼン(8mL)を加え、70℃で4時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、イオン交換水およびジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)により精製し、更に、トルエン、2−プロパノール及びメタノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−14(12mg)を得た。化合物EM−14のHPLC面積百分率値は96.0%以上であった。
LC-MS(ESI,positive) : m/z=810[M]+
化合物EM−14の発光スペクトルの最大ピーク波長は、474nmであった。
Figure 2020132541
表1から、本発明の製造方法を用いて製造される生成物の収率が優れていることが示された。

Claims (8)

  1. 遷移金属錯体及び有機塩基の存在下、
    式(M−1)で表される化合物と、式(M−2)で表される化合物とを反応させる工程1を含む、
    式(M)で表される輪状化合物の製造方法。
    Figure 2020132541
    [式(M−1)中、m′は、5以上15以下の整数を表す。
    Arは、アリーレン基、2価の複素環基、又はシクロアルカジエンが有する2つのsp炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するArは、同一でも異なっていてもよい。但し、Arの少なくとも一つは、シクロアルカジエンが有する2つのsp炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、該基は置換基を有していてもよい。
    は、反応性基を表す。複数存在するZは、同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 2020132541
    [式(M−2)中、n′は、1以上10以下の整数を表す。
    Arは、アリーレン基、2価の複素環基、又はシクロアルカジエンが有する2つのsp炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。Arが複数存在する場合、Arは同一でも異なっていてもよい。
    は、反応性基を表す。複数存在するZは、同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 2020132541
    [式(M)中、Ar、Ar、m′及びn′は前記Ar、Ar、m′及びn′と同じ意味を表す。]
  2. 前記Z及び前記Zが、それぞれ独立に置換基A群及び置換基B群からなる群から選ばれる基である、請求項1に記載の輪状化合物の製造方法。
    <置換基A群>
    塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)C1(式中、RC1は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表される基。
    <置換基B群>
    −B(ORC2)(式中、RC2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子と共に環構造を形成していてもよい。)で表される基。]
  3. 前記有機塩基が第四級アンモニウム塩である、請求項1又は2に記載の輪状化合物の製造方法。
  4. 前記工程1を、前記遷移金属錯体、前記有機塩基及び配位子の存在下で行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の輪状化合物の製造方法。
  5. 前記式(M−1)で表される化合物が、式(M−1A)で表される化合物である、請求項1〜4のいずれかに一項に記載の輪状化合物の製造方法。
    Figure 2020132541
    [式(M−1A)中、Zは前記Zと同じ意味を表す。
    m、n及びiは、それぞれ独立に1以上の整数を表す。複数存在する、m、n及びiは同一でも異なっていてもよい。
    Ara1及びAra2は、それぞれ独立に単環若しくは縮合環のアリーレン基、又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するAra1及びAra2は同一でも異なっていてもよい。
    は、水酸基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    及びEは、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するE及びEは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
  6. 前記式(M−2)で表される化合物が、式(M−2A)で表される化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の輪状化合物の製造方法。
    Figure 2020132541
    [式(M−2A)中、R、及びZは前記R、及びZと同じ意味を表す。
    k、l及びjは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。但し、k+lは1以上の整数を表す。複数存在するk及びjは、同一でも異なっていてもよい。
    Ara3及びAra4は、それぞれ独立に、単環若しくは縮合環のアリーレン基、単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ara3が複数存在する場合、Ara3は同一でも異なっていてもよい。複数存在するAra4は同一でも異なっていてもよい。
    及びEは、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在する前記E及びEは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
  7. 前記Ar、Ar、Ara1、Ara2、Ara3及びAra4が置換基を有していてもよいアリーレン基である、請求項6に記載の輪状化合物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法で得られた輪状化合物に対して還元反応を施す工程を備える、式(M′)で表される環状化合物の製造方法。
    Figure 2020132541
    [式(M′)中、m′及びn′は、前記m′及びn′と同じ意味を表す。
    Ar及びArは、それぞれ独立に、単環若しくは縮合環のアリーレン基又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するArは、同一でも異なっていてもよい。Arが複数存在する場合、Arは同一でも異なっていてもよい。]
JP2019024883A 2019-02-14 2019-02-14 輪状化合物の製造方法 Active JP7214497B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019024883A JP7214497B2 (ja) 2019-02-14 2019-02-14 輪状化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019024883A JP7214497B2 (ja) 2019-02-14 2019-02-14 輪状化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020132541A true JP2020132541A (ja) 2020-08-31
JP7214497B2 JP7214497B2 (ja) 2023-01-30

Family

ID=72277619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019024883A Active JP7214497B2 (ja) 2019-02-14 2019-02-14 輪状化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7214497B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022030117A1 (ja) 2020-08-04 2022-02-10 キヤノン株式会社 通信装置、制御方法、およびプログラム

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002539287A (ja) * 1999-03-05 2002-11-19 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド 高分子の合成方法
JP2005511807A (ja) * 2001-12-06 2005-04-28 コヴィオン・オーガニック・セミコンダクターズ・ゲーエムベーハー アリール−アリールカップリング化合物の製造方法
WO2013112493A1 (en) * 2012-01-23 2013-08-01 Trustees Of Boston University [n]cycloparaphenylenes (cpp), [n]macrocycle intermediates and methods of making same
WO2015111611A1 (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 国立大学法人京都大学 シクロパラフェニレン化合物およびその製造方法並びに中間体化合物
US20160372684A1 (en) * 2015-06-22 2016-12-22 University Of Oregon Donor-acceptor nanohoop compounds and methods of making and using the same
US20180290952A1 (en) * 2017-04-11 2018-10-11 University Of Oregon Halogenated nanohoop compounds and methods of making and using the same
WO2018225674A1 (ja) * 2017-06-07 2018-12-13 住友化学株式会社 高分子化合物の製造方法
US20190025315A1 (en) * 2017-07-21 2019-01-24 University Of Oregon Nanohoop compounds for use in biotechnology and methods of making and using the same
JP2020136358A (ja) * 2019-02-14 2020-08-31 国立大学法人東海国立大学機構 発光素子用材料及び発光素子

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002539287A (ja) * 1999-03-05 2002-11-19 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド 高分子の合成方法
JP2005511807A (ja) * 2001-12-06 2005-04-28 コヴィオン・オーガニック・セミコンダクターズ・ゲーエムベーハー アリール−アリールカップリング化合物の製造方法
WO2013112493A1 (en) * 2012-01-23 2013-08-01 Trustees Of Boston University [n]cycloparaphenylenes (cpp), [n]macrocycle intermediates and methods of making same
WO2015111611A1 (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 国立大学法人京都大学 シクロパラフェニレン化合物およびその製造方法並びに中間体化合物
US20160372684A1 (en) * 2015-06-22 2016-12-22 University Of Oregon Donor-acceptor nanohoop compounds and methods of making and using the same
US20180290952A1 (en) * 2017-04-11 2018-10-11 University Of Oregon Halogenated nanohoop compounds and methods of making and using the same
WO2018225674A1 (ja) * 2017-06-07 2018-12-13 住友化学株式会社 高分子化合物の製造方法
US20190025315A1 (en) * 2017-07-21 2019-01-24 University Of Oregon Nanohoop compounds for use in biotechnology and methods of making and using the same
JP2020136358A (ja) * 2019-02-14 2020-08-31 国立大学法人東海国立大学機構 発光素子用材料及び発光素子

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
DARZI, EVAN R. ET AL: "Selective Syntheses of [7]-[12]Cycloparaphenylenes Using Orthogonal Suzuki-Miyaura Cross-Coupling Re", JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY, vol. 77(15),, JPN6022031915, 2012, pages 6624 - 6628, ISSN: 0004839606 *
KIM, BEOMJIN ET AL: "Synthesis and electroluminescence properties of highly efficient blue fluorescence emitters using du", JOURNAL OF MATERIALS CHEMISTRY C: MATERIALS FOR OPTICAL AND ELECTRONIC DEVICES, vol. 1(3),, JPN6022031918, 2013, pages 432 - 440, ISSN: 0004839609 *
LEE, CONNIE K. Y. ET AL: "Efficient batch and continuous flow Suzuki cross-coupling reactions under mild conditions, catalyzed", CHEMICAL COMMUNICATIONS (CAMBRIDGE, UNITED KINGDOM), vol. (16),, JPN6022031917, 2005, pages 2175 - 2177, XP002433870, ISSN: 0004839608 *
LI, PENGHAO ET AL: "Investigating the Reactivity of 1,4-Anthracene-Incorporated Cycloparaphenylene", ORGANIC LETTERS, vol. 18(7),, JPN6022031916, 2016, pages 1574 - 1577, ISSN: 0004839607 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022030117A1 (ja) 2020-08-04 2022-02-10 キヤノン株式会社 通信装置、制御方法、およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7214497B2 (ja) 2023-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI549927B (zh) 新穎的螺聯茀化合物
JP2014517820A (ja) ナフタレンジイミドのスタンニル誘導体及び関連組成物並びに方法
CN104447582A (zh) 四苯基吡嗪小分子衍生物、四苯基吡嗪聚合物以及聚集诱导发光材料
CN114437137A (zh) 一种有机金属化合物、有机电致发光器件及应用
Knight et al. Synthesis of 3-aminoBODIPY dyes via copper-catalyzed vicarious nucleophilic substitution of 2-halogeno derivatives
JP2020132541A (ja) 輪状化合物の製造方法
Alameddine et al. Tribenzopentaphene derivatives with lateral aromatic groups: the effect of the nature and position of substituents on emission properties
Hammerstroem et al. Synthesis and characterization of luminescent 2, 7-disubstituted silafluorenes
JP6119022B2 (ja) 軸不斉を有するピリジン誘導体又はその塩、及びその製造方法並びにそれからなる不斉触媒
CN115353529A (zh) 手性螺环化合物、其制备方法及其应用
EP4245743A1 (en) Method for preparation of deuterated anthracene compound, reaction composition, deuterated anthracene compound, and composition
JP2008069122A (ja) 含窒素多環複素環化合物の製造方法
EP4242196A1 (en) Method for preparing deuterated anthracene compound, reaction composition, deuterated anthracene compound and composition
JP7267868B2 (ja) 含ホウ素縮合環化合物の製造方法
KR102616372B1 (ko) 중수소화 화합물의 제조 방법
JP6851725B2 (ja) 新規化合物及びその製造方法
JP2020136358A (ja) 発光素子用材料及び発光素子
RU2788650C2 (ru) Несимметричные люминесцентные донорно-акцепторные молекулы на основе трифениламин-тиофенового блока с различными электроноакцепторными группами и способ их получения
JP5505450B2 (ja) 含窒素多環複素環化合物の製造方法
JP5804811B2 (ja) 縮合環化合物の製造方法、および該方法に用いられる原料化合物
JP2017186325A (ja) 1,2,4−トリアゾール化合物の製造方法
JP2023143713A (ja) 含ホウ素縮合環化合物の製造方法
CN115611918B (zh) 基于二苯并呋喃的二元轴手性的有机圆偏振磷光化合物
JP7297066B2 (ja) 蛍光化合物、その製造方法及びその用途
KR101855085B1 (ko) 셀레늄-함유 유기반도체 화합물 및 이의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190426

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220921

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7214497

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150