JP2020132541A - 輪状化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
式(M−1)で表される化合物と、式(M−2)で表される化合物とを反応させる工程1を含む、
式(M)で表される輪状化合物の製造方法。
Araは、アリーレン基、2価の複素環基、又はシクロアルカジエンが有する2つのsp3炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するAraは、同一でも異なっていてもよい。但し、Araの少なくとも一つは、シクロアルカジエンが有する2つのsp3炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、該基は置換基を有していてもよい。
Z1は、反応性基を表す。複数存在するZ1は、同一でも異なっていてもよい。]
Arbは、アリーレン基、2価の複素環基、又はシクロアルカジエンが有する2つのsp3炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。Arbが複数存在する場合、Arbは同一でも異なっていてもよい。
Z2は、反応性基を表す。複数存在するZ2は、同一でも異なっていてもよい。]
[2]前記Z1及び前記Z2が、それぞれ独立に置換基A群及び置換基B群からなる群から選ばれる基である、[1]に記載の輪状化合物の製造方法。
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)2RC1(式中、RC1は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表される基。
<置換基B群>
−B(ORC2)2(式中、RC2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子と共に環構造を形成していてもよい。)で表される基。]
[3]前記有機塩基が第四級アンモニウム塩である、[1]又は[2]に記載の輪状化合物の製造方法。
[4]前記工程1を、前記遷移金属錯体、前記有機塩基及び配位子の存在下で行う、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の輪状化合物の製造方法。
[5]前記式(M−1)で表される化合物が、式(M−1A)で表される化合物である、[1]〜[4]のいずれかに一項に記載の輪状化合物の製造方法。
m、n及びiは、それぞれ独立に1以上の整数を表す。複数存在する、m、n及びiは同一でも異なっていてもよい。
Ara1及びAra2は、それぞれ独立に単環若しくは縮合環のアリーレン基、又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するAra1及びAra2は同一でも異なっていてもよい。
RAは、水酸基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRAは同一でも異なっていてもよい。
Ea及びEbは、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するEa及びEbは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
[6]前記式(M−2)で表される化合物が、式(M−2A)で表される化合物である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の輪状化合物の製造方法。
k、l及びjは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。但し、k+lは1以上の整数を表す。複数存在するk及びjは、同一でも異なっていてもよい。
Ara3及びAra4は、それぞれ独立に、単環若しくは縮合環のアリーレン基、単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ara3が複数存在する場合、Ara3は同一でも異なっていてもよい。複数存在するAra4は同一でも異なっていてもよい。
Ec及びEdは、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在する前記Ec及びEdは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
[7]前記Ara、Arb、Ara1、Ara2、Ara3及びAra4が置換基を有していてもよいアリーレン基である、[6]に記載の輪状化合物の製造方法。
[8][1]〜[7]のいずれか一項に記載の製造方法で得られた輪状化合物に対して還元反応を施す工程を備える、式(M′)で表される環状化合物の製造方法。
ArA及びArBは、それぞれ独立に、単環若しくは縮合環のアリーレン基又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するArAは、同一でも異なっていてもよい。ArBが複数存在する場合、ArBは同一でも異なっていてもよい。]
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4−メチルフェニル)アミノ基、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5―ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
本発明の一態様における化合物の製造方法は、遷移金属錯体及び有機塩基の存在下、前記式(M−1)で表される化合物と、式(M−2)で表される化合物とを反応させる工程1を含む、式(M)で表される化合物の製造方法である。
式(M−1)で表される化合物は、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、前記式(M−1A)で表される化合物であることが好ましい。
式(M−2)で表される化合物は、式(M)で表される輪状化合物の合成が容易になるので、前記式(M−2A)で表される化合物であることが好ましい。
式(M)で表される化合物を還元することにより、式(M′)で表される環状化合物を合成することができる。
式(M)で表される化合物のより詳細な製造方法について説明する。式(M−1)で表される化合物として、式(M−1−1)で表される化合物を用い、式(M)で表される輪状化合物として、化合物(M−1−2)を製造する方法を例に説明する。式(M−1−2)で表される化合物は、例えば、遷移金属錯体及び有機塩基の存在下、式(M−1−1)で表される化合物と、式(M−2)で表される化合物とを用いて、下記スキームで合成することができる。
工程1において、式(M−1−1)で表される化合物は、例えば、J. Org. Chem. 2012, 77, 6624-6628及びJ. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 15800-15802等に記載の方法により、合成することができる。
工程1において、反応時間は、好ましくは、0.5時間〜24時間であり、より好ましくは1時間〜12時間であり、更に好ましくは、1時間〜8時間である。
式(M′)で表される化合物の製造方法について説明する。式(M)で表される輪状化合物として、式(M−1−2)で表される化合物を用い、式(M′)で表される環状化合物として化合物(M−1−3)を製造する方法を例に説明する。式(M−1−3)で表される化合物は、例えば、式(M−1−2)で表される化合物を用いて、下記スキームで合成することができる。
工程2において、還元反応の反応時間は、0.5時間〜24時間である。
工程2において、酸化反応の反応時間は、0.5時間〜24時間である。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはテトラヒドロフランに溶解させ、LC−MS(Agilent製、商品名:1290 Infinity LCおよび6230 TOF LC/MS)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、SUMIPAX ODS Z−CLUE(住化分析センター製、内径:4.6mm、長さ:250mm、粒径3μm)を用いた。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重テトラヒドロフラン、重ジメチルスルホキシド、重アセトン、重N,N-ジメチルホルムアミド、重トルエン、重メタノール、重エタノール、重2−プロパノールまたは重塩化メチレンに溶解させ、NMR装置(Agilent製、商品名:INOVA300、または、JEOL RESONANCE製、商品名:JNM−ECZ400S/L1)を用いて測定した。内部標準物質としてトリメチルシランを使用した。
LC-MS(ESI,positive) : m/z=1210[M]+
LC-MS(ESI,positive) : m/z=996[M]+
LC-MS(ESI,positive) : m/z=1070[M]+
LC-MS(ESI,positive) : m/z=1070[M]+
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−08(500mg)、1,4−ジブロモベンゼン(101mg)、N,N−ジメチルホルムアミド(125mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(9.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(14.3mg)及び5質量%リン酸カリウム水溶液を加え、140℃で12時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。有機層をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、目的物であるEM−11が33%の収率で生成していた。得られたろ液をトルエン及びイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶媒)及びトルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−11(57mg)を得た。化合物EM−11のHPLC面積百分率値は96.0%以上、収率14%であった。
Claims (8)
- 遷移金属錯体及び有機塩基の存在下、
式(M−1)で表される化合物と、式(M−2)で表される化合物とを反応させる工程1を含む、
式(M)で表される輪状化合物の製造方法。
Araは、アリーレン基、2価の複素環基、又はシクロアルカジエンが有する2つのsp3炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するAraは、同一でも異なっていてもよい。但し、Araの少なくとも一つは、シクロアルカジエンが有する2つのsp3炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、該基は置換基を有していてもよい。
Z1は、反応性基を表す。複数存在するZ1は、同一でも異なっていてもよい。]
Arbは、アリーレン基、2価の複素環基、又はシクロアルカジエンが有する2つのsp3炭素から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。Arbが複数存在する場合、Arbは同一でも異なっていてもよい。
Z2は、反応性基を表す。複数存在するZ2は、同一でも異なっていてもよい。]
- 前記Z1及び前記Z2が、それぞれ独立に置換基A群及び置換基B群からなる群から選ばれる基である、請求項1に記載の輪状化合物の製造方法。
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)2RC1(式中、RC1は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表される基。
<置換基B群>
−B(ORC2)2(式中、RC2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子と共に環構造を形成していてもよい。)で表される基。] - 前記有機塩基が第四級アンモニウム塩である、請求項1又は2に記載の輪状化合物の製造方法。
- 前記工程1を、前記遷移金属錯体、前記有機塩基及び配位子の存在下で行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の輪状化合物の製造方法。
- 前記式(M−1)で表される化合物が、式(M−1A)で表される化合物である、請求項1〜4のいずれかに一項に記載の輪状化合物の製造方法。
m、n及びiは、それぞれ独立に1以上の整数を表す。複数存在する、m、n及びiは同一でも異なっていてもよい。
Ara1及びAra2は、それぞれ独立に単環若しくは縮合環のアリーレン基、又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するAra1及びAra2は同一でも異なっていてもよい。
RAは、水酸基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRAは同一でも異なっていてもよい。
Ea及びEbは、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するEa及びEbは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。] - 前記式(M−2)で表される化合物が、式(M−2A)で表される化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の輪状化合物の製造方法。
k、l及びjは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。但し、k+lは1以上の整数を表す。複数存在するk及びjは、同一でも異なっていてもよい。
Ara3及びAra4は、それぞれ独立に、単環若しくは縮合環のアリーレン基、単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ara3が複数存在する場合、Ara3は同一でも異なっていてもよい。複数存在するAra4は同一でも異なっていてもよい。
Ec及びEdは、それぞれ独立に、水素原子、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、水素原子以外のこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在する前記Ec及びEdは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。] - 前記Ara、Arb、Ara1、Ara2、Ara3及びAra4が置換基を有していてもよいアリーレン基である、請求項6に記載の輪状化合物の製造方法。
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