JP7091030B2 - 高分子化合物の製造方法 - Google Patents
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[1]塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン原子を含む高分子化合物と、第四級アンモニウム化合物及び/又は第四級ホスホニウム化合物とを、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種を含む溶媒中で反応させることを特徴とする、当該ハロゲン原子の含有量が低減された高分子化合物の製造方法。
[2]前記ハロゲン原子を含む高分子化合物、及び反応後に得られる前記ハロゲン原子の含有量が低減された高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量がそれぞれ、1×103~1×108の範囲である、[1]に記載の製造方法。
[3]前記第四級アンモニウム化合物及び/又は前記第四級ホスホニウム化合物が、式(2)で表される化合物である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[式中、
Yは、窒素原子又はリン原子を表す。
R1は、アルキル基、1価の芳香族炭化水素基、又は、1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R1は各々同一であっても異なっていてもよい。
Zは、OH、CO3、HCO3、PO4、HPO4、又は、H2PO4を表す。
mはZにより異なり、ZがOH、HCO3、又は、H2PO4の場合は1であり、ZがCO3、又は、HPO4の場合は2であり、ZがPO4の場合は3である。]
[4]前記ハロゲン原子を含む高分子化合物が、式(1)で表される構成単位からなる高分子化合物中の0.2質量ppm以上1000質量ppm以下の水素原子が、塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲンで置換されている高分子化合物であり、前記ハロゲン原子の含有量が低減された高分子化合物が、式(1)で表される構成単位からなる高分子化合物中の0.2質量ppm未満の水素原子が、塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン原子で置換されている高分子化合物である、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[式中、
Ar1は、2価の芳香族炭化水素基、2価の複素環基、2価の芳香族炭化水素基と2価の複素環基が結合した基、又は単結合を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除く)を有していてもよい。
Ar2は、2価の芳香族炭化水素基、2価の複素環基、2価の芳香族炭化水素基と2価の複素環基が結合した基、又は単結合を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除く)を有していてもよい。Ar2が複数存在する場合、それらは各々同一であっても異なっていてもよい。
Ar3は、1価の芳香族炭化水素基、又は、1価の複素環基を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除く)を有していてもよい。Ar3が複数存在する場合、それらは各々同一であっても異なっていてもよい。
aは、0~2の整数を表す。]
[5]前記アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒が、いずれも炭素原子数が10以下の溶媒である、[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]前記Yが窒素原子である、[3]に記載の製造方法。
[7]前記R1が同一又は異なって、アルキル基又はアリールアルキル基である、[3]又は[6]に記載の製造方法。
[8]前記ZがOHであり、かつ、前記mが1である、[3]、[6]又は[7]に記載の製造方法。
[9]前記ハロゲン原子を含む高分子化合物中に置換基としてエステル化されたカルボキシル基を有する場合、反応後に得られる前記ハロゲン原子の含有量が低減された高分子化合物において当該基はカルボキシル基に変換されていてもよい、[1]~[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10]塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン原子を含む高分子化合物を、第四級アンモニウム化合物及び/又は第四級ホスホニウム化合物と、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種を含む溶媒中で反応させることを特徴とする、高分子化合物中のハロゲン原子の含有量を低減する方法。
本明細書において使用する用語を以下に説明する。
本発明の製造方法は、塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン原子を含む高分子化合物(以下、「高分子化合物A」と表記する場合がある)と、第四級アンモニウム化合物及び/又は第四級ホスホニウム化合物とを、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種を含む溶媒中で反応させることを特徴とし、これによりハロゲン含有量が低減された(少ない)高分子化合物(以下、「高分子化合物B」と表記する場合がある)を製造することができる。
本発明の製造方法で使用される原料化合物は、ハロゲン原子を含む高分子化合物(高分子化合物A)である。この高分子化合物Aは、所定のモノマーを重合して得られ、当該モノマー由来の繰り返し単位(以下、構成単位とも表記する)を2個以上有する化合物である。高分子化合物Aは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、1×103~1×108、さらに3×103~1×107、特に1×104~1×106の範囲である。高分子化合物Aは、その原料化合物、重合条件等に由来して、分子内に、塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン原子を含有している。
[式中、
Ar1は、2価の芳香族炭化水素基、2価の複素環基、2価の芳香族炭化水素基と2価の複素環基が結合した基、又は単結合を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除くことが好ましい)を有していてもよい。
Ar2は、2価の芳香族炭化水素基、2価の複素環基、又は2価の芳香族炭化水素基と2価の複素環基が結合した基を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除くことが好ましい)を有していてもよい。Ar2が複数存在する場合、それらは各々同一であっても異なっていてもよい。
Ar3は、1価の芳香族炭化水素基、又は、1価の複素環基を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除くことが好ましい)を有していてもよい。Ar3が複数存在する場合、それらは各々同一であっても異なっていてもよい。
aは、0~2の整数を表す。]
Ar1及びAr2で表される2価の芳香族炭化水素基としては、式(A-1)~式(A-3)、式(A-8)又は式(A-9)で表される基が好ましく、式(A-1)又は式(A-9)で表される基がより好ましい。
Ar1及びAr2で表される2価の複素環基としては、式(A-35)で表される基が好ましい。
式(1)中、aは、0又は1であることが好ましい。
本発明の製造方法は、脱ハロゲン化剤として、第四級アンモニウム化合物及び/又は第四級ホスホニウム化合物を用いる。当該化合物を構成する対アニオンにはハロゲン原子(特に、塩素原子及び臭素原子)を含まないことが好ましい。具体的には、式(2)で表される化合物を用いる。式(2)で表される化合物は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[式中、記号は前記に同じ。]
本発明の製造方法では、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種を含む溶媒中で反応させることを特徴とする。反応に用いる溶媒は、上記アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種を必須として含み、それ以外に反応に悪影響を与えない範囲で他の溶媒を含んでいてもよい。この場合、全溶媒の質量を100質量部とした場合、上記必須溶媒の含有量は、例えば、50~100質量部であり、好ましくは80~100質量部である。
本明細書においてアミド系溶媒とは、式(3)で表される化合物の溶媒を表す。アミド系溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[式中、R’は、前記と同じ意味を表す。複数のR’は同一でも異なっていてもよい。R’同士は互いに結合して、それぞれが結合する窒素原子と共に環を形成していてもよい。]
本明細書においてエーテル系溶媒とは、式(4)で表される化合物の溶媒を表す。エーテル系溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[式中、R’は、前記と同じ意味を表す。複数のR’は同一でも異なっていてもよい。R’同士は互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子と共に環を形成していてもよい。]
本明細書においてアルコール系溶媒とは、ヒドロキシル基を有する化合物の溶媒を表す。アルコール系溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本明細書において芳香族炭化水素系溶媒とは、芳香族炭化水素骨格を有する化合物の溶媒を表す。芳香族炭化水素系溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の製造方法は、高分子化合物Aと、第四級アンモニウム化合物及び/又は第四級ホスホニウム化合物(特に、式(2)で表される化合物)とを、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種を含む溶媒中で反応させて、ハロゲンの含有量が低減された高分子化合物(高分子化合物B)を製造するものである。
高分子化合物Bは、高分子化合物Aを前記脱ハロゲン化剤で処理して得られるハロゲン原子の含有量が低減された高分子化合物である。
本発明の製造方法の工程の後に、さらに他の工程を設けてもよい。他の工程としては、例えば、再沈殿工程、濾過工程等が挙げられる。
高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、下記のGPC(東ソー製、商品名:HLC-8220GPC)により求めた。
測定する高分子化合物を約0.05質量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに10μL注入した。移動相はテトラヒドロフランを用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED-B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV-VIS検出器を用いた。
高分子化合物に含まれるハロゲン原子の含有量は、自動燃焼-イオンクロマトグラフ法で測定した。
高分子化合物(P-1)0.2gと、1-メチル-2-ピロリドン10.0gと、2mol%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.6gとを混合し、30℃で5時間撹拌した。その後、反応液をメタノール50gに注ぎ、撹拌した。析出した高分子化合物を濾取し、乾燥させた。収率は99%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppm、Mnは7.2×104であり、反応後の塩素含量は2質量ppm未満、臭素含量は2質量ppm未満、Mnは7.2×104であった。
(式中、nは繰り返し単位数を表す。)
2mol%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.6gに代えて、2mol%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.6gとした以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は100%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであり、反応後の塩素含量は2質量ppm未満、臭素含量は2質量ppm未満であった。反応の前後において高分子化合物の数平均分子量(Mn)に変化はなかった。
2mol%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.6gに代えて、2mol%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.6gとした以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は98%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであり、反応後の塩素含量は2質量ppm未満、臭素含量は2質量ppm未満であった。反応の前後において高分子化合物の数平均分子量(Mn)に変化はなかった。
2mol%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.6gに代えて、1.5mol%テトラブチルホスホニウムヒドロキシド水溶液0.6gとした以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は99%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであり、反応後の塩素含量は2質量ppm、臭素含量は3質量ppmであった。反応の前後において高分子化合物の数平均分子量(Mn)に変化はなかった。
1-メチル-2-ピロリドン10.0gに代えて、テトラヒドロフラン10.0gとした以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は96%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであり、反応後の塩素含量は2質量ppm、臭素含量は3質量ppmであった。反応の前後において高分子化合物の数平均分子量(Mn)に変化はなかった。
1-メチル-2-ピロリドン10.0gに代えて、メタノール10.0gとした以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は99%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであり、反応後の塩素含量は3質量ppm、臭素含量は4質量ppmであった。反応の前後において高分子化合物の数平均分子量(Mn)に変化はなかった。
1-メチル-2-ピロリドン10.0gに代えて、トルエン10.0gとした以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は98%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであり、反応後の塩素含量は3質量ppm、臭素含量は4質量ppmであった。反応の前後において高分子化合物の数平均分子量(Mn)に変化はなかった。
高分子化合物(P-1)0.2gに代えて、高分子化合物(P-2)0.2gとした以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は98%であった。
反応前の高分子化合物(P-2)中の塩素含量は9質量ppm、臭素含量は19質量ppm、Mnは5.6×104であり、反応後の塩素含量は2質量ppm未満、臭素含量は2質量ppm未満、Mnは5.6×104であった。
(式中、nは繰り返し単位数を表す。)
高分子化合物(P-3)0.2gと、1-メチル-2-ピロリドン10.0gと、2mol%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.6gとを混合し、30℃で5時間撹拌した。その後、反応液を10質量%塩酸5gとメタノール45gの混合溶媒に注ぎ、撹拌した。析出した高分子化合物(P-3’)を濾取し、乾燥させた。収率は97%であった。
反応前の高分子化合物(P-3)中の塩素含量は31質量ppm、臭素含量は94質量ppm、Mnは1.1×104であり、反応後の高分子化合物(P-3’)中の塩素含量は2質量ppm未満、臭素含量は2質量ppm未満、Mnは1.1×104であった。
(式中、nは繰り返し単位数を表す。)
高分子化合物(P-1)0.2gに代えて、高分子化合物(P-4)0.2gとした以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は98%であった。
反応前の高分子化合物(P-4)中の塩素含量は15質量ppm、臭素含量は30質量ppm、Mnは3.2×104であり、反応後の塩素含量は2質量ppm未満、臭素含量は2質量ppm未満、Mnは3.2×104であった。
(式中、nは繰り返し単位数を表す。)
1-メチル-2-ピロリドン10.0gに代えて、アセトン10.0gとした以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は99%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであり、反応後の塩素含量は5質量ppm、臭素含量は12質量ppmであった。
1-メチル-2-ピロリドン10.0gに代えて、アセトニトリル10.0gとした以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は99%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであり、反応後の塩素含量は5質量ppm、臭素含量は13質量ppmであった。
1-メチル-2-ピロリドン10.0gに代えて、ヘプタン10.0gとした以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は100%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであり、反応後の塩素含量は5質量ppm、臭素含量は14質量ppmであった。
1-メチル-2-ピロリドン10.0gを用いなかった以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は100%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであり、反応後の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであった。
2mol%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.6gを用いなかった以外は、実施例1と同様に反応させた。収率は99%であった。
反応前の高分子化合物(P-1)中の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであり、反応後の塩素含量は6質量ppm、臭素含量は15質量ppmであった。
Claims (13)
- 塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン原子を含む高分子化合物と、第四級アンモニウム化合物及び/又は第四級ホスホニウム化合物とを、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種を含む溶媒中で反応させることを特徴とする、当該ハロゲン原子の含有量が低減された高分子化合物の製造方法であって、
前記反応では、パラジウム触媒を添加せず、
前記ハロゲン原子を含む高分子化合物が、式(1)で表される構成単位からなる高分子化合物中の0.2質量ppm以上1000質量ppm以下の水素原子が、塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲンで置換されている高分子化合物であり、
前記ハロゲン原子の含有量が低減された高分子化合物が、式(1)で表される構成単位からなる高分子化合物中の0.2質量ppm未満の水素原子が、塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン原子で置換されている高分子化合物である、製造方法。
[式中、
Ar1は、2価の芳香族炭化水素基、2価の複素環基、2価の芳香族炭化水素基と2価の複素環基が結合した基、又は単結合を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除く)を有していてもよい。
Ar2は、2価の芳香族炭化水素基、2価の複素環基、2価の芳香族炭化水素基と2価の複素環基が結合した基、又は単結合を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除く)を有していてもよい。Ar2が複数存在する場合、それらは各々同一であっても異なっていてもよい。
Ar3は、1価の芳香族炭化水素基、又は、1価の複素環基を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除く)を有していてもよい。Ar3が複数存在する場合、それらは各々同一であっても異なっていてもよい。
aは、0~2の整数を表す。
但し、Ar1が単結合であり、かつ、aが0である場合を除く。Ar 1 及びAr 2 がともに単結合である場合を除く。] - 前記ハロゲン原子を含む高分子化合物、及び反応後に得られる前記ハロゲン原子の含有量が低減された高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量がそれぞれ、1×103~1×108の範囲である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の溶媒が、いずれも炭素原子数が10以下の溶媒である、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記Yが窒素原子である、請求項3に記載の製造方法。
- 前記R1が同一又は異なって、アルキル基又はアリールアルキル基である、請求項3又は5に記載の製造方法。
- 前記ZがOHであり、かつ、前記mが1である、請求項3、5又は6に記載の製造方法。
- 前記ハロゲン原子を含む高分子化合物中に置換基としてエステル化されたカルボキシル基を有する場合、反応後に得られる前記ハロゲン原子の含有量が低減された高分子化合物において当該基はカルボキシル基に変換されていてもよい、請求項1~7のいずれかに記載の製造方法。
- 前記塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン原子を含む高分子化合物と、第四級アンモニウム化合物及び/又は第四級ホスホニウム化合物のみを、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種を含む溶媒中で反応させることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の製造方法。
- 前記Ar 2 が、2価の芳香族炭化水素基、2価の複素環基、又は2価の芳香族炭化水素基と2価の複素環基が結合した基を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除く)を有していてもよい。Ar 2 が複数存在する場合、それらは各々同一であっても異なっていてもよい、請求項1~9のいずれかに記載の製造方法。
- 塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン原子を含む高分子化合物を、第四級アンモニウム化合物及び/又は第四級ホスホニウム化合物と、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種を含む溶媒中で反応させることを特徴とする、高分子化合物中のハロゲン原子の含有量を低減する方法であって、
前記反応では、パラジウム触媒を添加せず、
前記ハロゲン原子を含む高分子化合物が、式(1)で表される構成単位からなる高分子化合物中の0.2質量ppm以上1000質量ppm以下の水素原子が、塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲンで置換されている高分子化合物であり、
前記ハロゲン原子の含有量が低減された高分子化合物が、式(1)で表される構成単位からなる高分子化合物中の0.2質量ppm未満の水素原子が、塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン原子で置換されている高分子化合物である、方法。
[式中、
Ar1は、2価の芳香族炭化水素基、2価の複素環基、2価の芳香族炭化水素基と2価の複素環基が結合した基、又は単結合を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除く)を有していてもよい。
Ar2は、2価の芳香族炭化水素基、2価の複素環基、2価の芳香族炭化水素基と2価の複素環基が結合した基、又は単結合を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除く)を有していてもよい。Ar2が複数存在する場合、それらは各々同一であっても異なっていてもよい。
Ar3は、1価の芳香族炭化水素基、又は、1価の複素環基を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除く)を有していてもよい。Ar3が複数存在する場合、それらは各々同一であっても異なっていてもよい。
aは、0~2の整数を表す。
但し、Ar1が単結合であり、かつ、aが0である場合を除く。Ar 1 及びAr 2 がともに単結合である場合を除く。] - 前記塩素原子及び臭素原子からなる群より選択される少なくとも1種のハロゲン原子を含む高分子化合物を、第四級アンモニウム化合物及び/又は第四級ホスホニウム化合物のみと、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、及び芳香族炭化水素系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種を含む溶媒中で反応させることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
- 前記Ar 2 が、2価の芳香族炭化水素基、2価の複素環基、又は2価の芳香族炭化水素基と2価の複素環基が結合した基を表し、これらの基は置換基(但し、ホウ素原子を含む置換基を除く)を有していてもよい。Ar 2 が複数存在する場合、それらは各々同一であっても異なっていてもよい、請求項11又は12に記載の方法。
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