JP4704857B2 - 基板結合型金属触媒、及びその製造方法 - Google Patents

基板結合型金属触媒、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板の表面に硫黄原子を固定化し、次いで当該基板の表面にさらに金属化合物を結合させた後、これを有機溶媒中で加熱処理することを特徴とする表面に金属化合物が結合した基板を製造する方法、当該方法により製造された基板、当該基板からなる基板結合型金属触媒、当該基板の基板結合型金属触媒としての使用、及び当該基板結合型金属触媒を用いて有機化合物を製造する方法に関する。
有機金属錯体を用いた化学反応は、従来法では構築し難かった結合、特に新たな炭素−炭素結合を簡便に構築することを可能とし、創薬化学・有機合成化学を始め様々な化学分野で広く用いられている。本発明者らは、以前よりルテニウム、パラジウム、希土類金属イッテルビウムなどの金属の有機金属錯体を用いる新規反応の開発と生物活性化合物の合成を展開し、得られた知見を報告してきた(非特許文献1〜3参照)。
しかし、有機金属錯体には安全性、安定性、反応生成物に存在する徴量金属の除去、廃液処理等が問題となる場合がある。特に工業的規模で、有機金属錯体を使用する場合には、生成物に混入する微量金属の除去の問題だけでなく、使用した金属触媒の金属の回収や金属を含有する廃液の処理などに大きな問題があった。また、近年高まっている環境調和型プロセス開発に対する社会的要請に鑑みると、金属の回収や廃液の処理が極めて大きな問題となってきている。
このような有機金属錯体が有する諸問題を解決するためには、有機金属錯体の特色を生かすことができ、かつ金属の回収や廃液処理の問題を解決できる新たな素材の開発が待たれている。この解決策の一つとして、担体に担持させる方法があるが、物理的な吸着による担持では微量の金属の流出を防止することができず、これに代わる担持方法の開発が望まれている。
本発明者らは、共有結合や配位結合などの化学結合又はそれに近い状態で、強固に担体に結合した有機金属錯体の開発を検討してきた。例えば、半導体、金属、絶縁体などの基板上に結合原子を均一に並べ、その上に有機金属錯体を結合させることにより、より安定で、金属の流出が無く、再利用可能な新たな触媒活性を有する新素材の開発を行ってきた。
このような開発の過程において、発明者らはガリウム砒素上に硫黄を蒸着し、1×10−10トル(Torr)の極高真空条件下で、400℃で反応させると、ガリウム砒素基板上に硫黄原子が(2×6)の均一なユニットを構築することを見出してきた(非特許文献4参照)。さらに、本発明者らは、ガリウム砒素基板の表面を硫黄化した基板に有機金属錯体が結合することを見出し、そして当該有機金属錯体が従来の有機金属錯体と同等又はそれ以上の触媒活性を有し、かつ基板に結合した有機金属錯体は触媒として繰り返し使用できることを見出してきた(特許文献1、並びに非特許文献5及び6参照)。
このような基板、例えば、ガリウム砒素基板に有機金属錯体や金属触媒を担持させて、これの触媒機能を用いる技術についての特許文献も見あたらない。このような基板を使用する関連技術としては、光記録媒体としてこのような基板を使用するもの(特許文献2参照)、有機EL素子電極としてこのような基板を使用するもの(特許文献3参照)、電気的アドレス可能受動素子のような記憶素子としてこのような基板を使用するもの(特許文献4参照)、有機電界発光素子としてこのような基板を使用するもの(特許文献5参照)、光起電力素子としてこのような基板を使用するもの(特許文献6参照)などが報告されているが、いずれも有機合成に関するものではない。
特開2004−130258号 特開平5‐144081号 特開平11−111466号 特開2001−503183号 特開2002−237388号 特開平8−167728号 アリサワ、エムら、ジャーナル オブ ケミカルソサエティー、パーキントランズアクション1、2000年、1873頁より(Arisawa,M., et al., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 2000, 1873) アリサワ、エムら、テトラヘドロンレター、2001年、42巻、8029頁より(Arisawa,M., et al., Tetrahedron Lett., 2001, 42, 8029) アリサワ、エムら、ジャーナル オブ ケミカルソサエティー、パーキントランズアクション1、2002年、959頁より(Arisawa,M., et al., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 2002, 959) ツカモト、エスら、ジャーナル オブ クリスタル グロース、1997年、175/176巻、1303頁より(Tsukamoto, S., et al., J. Crystal. Growth, 1997, 175/176, 1303) アリサワら、ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス、2002年、第41巻、 第1197−1199頁(M.Arisawa, et al., Jpn. J. Appl. Phys., 2002, 41, 1197-1199) イクコ タカミヤら、ケミストリー レターズ、2004年、第33巻、第94号、第1208−1209頁(Ikuko Takamiya, et al., Chem. Lett., 2004, 33(9),1208-1209)
本発明は、前記してきた状況における金属触媒が有する諸問題を解決することを目的にしている。より具体的には、本発明は、金属触媒を使用した際の金属触媒、特に有機金属錯体触媒の安全性、安定性、反応生成物に存在する徴量金属の除去、廃液処理等の問題を解決するための新規な基板結合型金属触媒を提供することを目的にしている。
本発明者らは、この問題について種々の検討の結果、ガリウム砒素基板の表面を硫黄化した基板に金属化合物が結合することを見出し、そして当該金属化合物が従来の金属触媒と同等又はそれ以上の触媒活性を有し、かつ基板に結合した金属化合物は触媒(基板結合型金属触媒)として繰り返し使用できることを見出してきた(特許文献1、並びに非特許文献5及び6参照)。しかし、このような基板に結合した金属化合物を触媒として繰り返し使用した場合に、その触媒活性が急速に低下し、例えば、3回目の繰り返し使用において、最初の触媒反応の半分以下の収率に低下するという欠点があり、多数回、例えば10回も繰り返して使用できるという実用性を欠くものであった。
本発明者らは、多数回の繰り返し使用においても触媒活性が低下しない基板結合型金属触媒を開発すべく、鋭意検討して結果驚くべきことに、基板の表面に硫黄を固定化し、これに金属化合物を結合させた後に、有機溶媒中で加熱処理して、金属化合物を定着処理することにより、多数回の繰り返し使用においても触媒活性が低下しない基板結合型金属触媒が得られることを見出した。即ち、本発明者らは、基板の表面に硫黄を固定化し、これに金属化合物を結合させた基板において、これを加熱処理して金属化合物を基板表面に強固に定着させることができることを見出した。
即ち、本発明は、半導体基板などの基板の表面に硫黄原子を固定化し、次いで当該基板の表面にさらに金属化合物を結合させた後、これを有機溶媒中で加熱処理することを特徴とする表面に金属化合物が結合した基板を製造する方法に関する。
また、本発明は、前記した本発明の方法により製造された基板に関する。
さらに、本発明は、半導体基板などの基板の表面に硫黄原子を固定化し、次いで当該基板の表面にさらに金属化合物を結合させた後、これを有機溶媒中で加熱処理することにより製造される、表面に金属化合物が結合し、金属化合物が基板表面に加熱定着された基板からなる基板結合型金属触媒に関する。
また、本発明は、半導体基板などの基板の表面に硫黄原子を固定化し、次いで当該基板の表面にさらに金属化合物を結合させた後、これを有機溶媒中で加熱処理することにより製造される、表面に金属化合物が結合し、金属化合物が基板表面に加熱定着された基板の基板結合型金属触媒としての使用(use)に関する。
さらに、本発明は、前記した本発明の基板結合型金属触媒を用いて、当該基板結合型金属触媒に有機化合物を接触させて、新たな炭素−炭素結合を生じさせる反応による有機化合物、例えば、アリールアルカン類、ジアリール類、1,3−ジエン類などの製造方法に関する。
本発明をより具体的に説明すれば以下のとおりとなる。
(1)基板の表面に硫黄原子を固定化し、次いで当該基板の表面にさらに金属化合物を結合させた後、これを有機溶媒中で加熱処理することを特徴とする表面に金属化合物が結合した基板を製造する方法。
(2)基板の表面への硫黄原子の固定化が、吸着によるものである前記(1)に記載の方法。
(3)基板の表面への硫黄原子の固定化が、多硫化アンモニウムを用いる方法である前記(1)又は(2)に記載の方法。
(4)基板の表面への硫黄原子の固定化が、蒸着によるものである前記(1)に記載の方法。
(5)基板の表面への硫黄原子の固定化が、硫黄のエピタキシャル成長により方法である前記(4)に記載の方法。
(6)金属化合物の結合が、基板の表面に固定化された硫黄原子と金属元素との結合によるものである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)金属化合物が、金属の塩である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)金属の塩が、酢酸塩である前記(7)に記載の方法。
(9)金属化合物が、金属錯体である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(10)金属錯体が、有機ホスフィン錯体である前記(9)に記載の方法。
(11)金属化合物の金属元素が、遷移金属である前記(1)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(12)遷移金属が、パラジウムである前記(6)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(13)金属錯体が、パラジウムの有機ホスフィン錯体である前記(12)に記載の方法。
(14)基板が、無機物質からなる基板である前記(1)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(15)基板が、無機物質の単結晶からなるものである前記(14)に記載の方法。
(16)基板が、半導体基板である前記(1)〜(15)のいずれかに記載の方法。
(17)半導体基板が、ガリウム砒素基板である前記(16)に記載の方法。
(18)基板の表面にさらに金属錯体を結合させた後、有機溶媒中で加熱処理する前に、当該基板を洗浄する工程が設けられている前記(1)〜(17)のいずれかに記載の方法。
(19)洗浄する工程における洗浄液が、有機溶媒である前記(18)に記載の方法。
(20)有機溶媒中での加熱処理が、沸点が50℃〜250℃の有機溶媒中で行われる前記(1)〜(19)のいずれかに記載の方法。
(21)有機溶媒中での加熱処理における有機溶媒が、芳香族炭化水素溶媒、有機ニトリル類、又は非プロトン性極性溶媒の1種又は2種以上から選ばれたものである前記(1)〜(20)のいずれかに記載の方法。
(22)有機溶媒中での加熱処理における有機溶媒が、トルエン、キシレン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、又はDMF(ジメチルホルムアミド)の1種又は2種以上から選ばれたものである前記(21)に記載の方法。
(23)有機溶媒中での加熱処理における加熱温度が、50℃〜200℃である前記(1)〜(22)のいずれかに記載の方法。
(24)前記(1)〜(23)のいずれかに記載の方法により製造された表面に金属錯体が結合し、有機溶媒中での加熱処理により、金属化合物が定着処理された基板。
(25)前記(1)〜(23)のいずれかに記載の方法により製造された表面に金属錯体が結合し、有機溶媒中での加熱処理により、金属化合物が定着処理された基板からなる基板結合型金属触媒。
(26)金属が、遷移金属である前記(25)に記載の基板結合型金属触媒。
(27)遷移金属が、パラジウムである前記(26)に記載の基板結合型金属触媒。
(28)触媒が、有機化合物の合成反応用の触媒である前記(25)〜(27)のいずれかに記載の基板結合型金属触媒。
(29)有機化合物の合成反応が、新たな炭素−炭素結合を生じさせる反応である前記(28)に記載の基板結合型金属触媒。
(30)新たな炭素−炭素結合を生じさせる反応が、ヘック反応である前記(29)に記載の基板結合型金属触媒。
(31)基板結合型金属触媒が、有機化合物の合成反応に繰り返して使用することができるものである前記(25)〜(30)のいずれかに記載の基板結合型金属触媒。
(32)有機化合物の合成反応を10回繰り返しても収率の低下が最初の反応の50%以内である前記(31)に記載の基板結合型金属触媒。
(33)前記(25)〜(32)のいずれかに記載の基板結合型金属触媒を用いて、当該基板結合型金属触媒に有機化合物を接触させて、新たな炭素−炭素結合を生じさせる反応による有機化合物の製造方法。
(34)前記(33)に記載の有機化合物の製造方法が、連続法によるものである前記(33)に記載の方法。
(35)前記(33)に記載の有機化合物の製造方法が、バッチ法によるものである前記(33)に記載の方法。
(36)基板結合型金属触媒が、固定化されている前記(33)〜(35)のいずれかに記載の方法。
(37)新たな炭素−炭素結合を生じさせる反応が、ヘック反応である前記(33)〜(36)のいずれかに記載の方法。
(38)基板結合型金属触媒が、新たな炭素−炭素結合を生じさせる反応において繰り返して使用することものである前記(33)〜(37)のいずれかに記載の方法。
本発明者らは、繰り返し使用できる基板結合型金属触媒を開発してきた(特許文献1、並びに非特許文献5及び6参照)。しかし、当該基板結合型金属触媒を繰り返し使用した場合に、その触媒活性が急速に低下した。例えば、ヘック(Heck)反応(H.A.Dieck and R.F.Heck, J. Am. Chem. Soc., 96, 1133 (1974):R.F.Heck, Acc. Chem. Rev., 12, 146 (1979))は、アリールハライド又はアルケニルハライドと、アルケン類との縮合反応であり、例えば、次の反応式で示される、
Figure 0004704857
ヨードベンゼンとアクリル酸メチルとの反応により、桂皮酸メチルエステルが製造される反応において、従来の基板結合型金属触媒を用いた場合と、本発明の加熱定着させた基板結合型金属触媒とを比較してみた。その結果を図1に示す。図1の縦軸は各反応における桂皮酸メチルの収率(%)を示し、横軸は反応の回数を示す。図1の黒三角印(▲)は従来の基板結合型金属触媒を用いた場合を示し、黒四角印(■)は本発明の加熱定着を行った基板結合型金属触媒を用いた場合を示す。従来の基板結合型金属触媒を用いた場合では、第1回目の反応では収率が約80%であったが、2回目では約60%となり、3回目では約40%以下に低下していたが、本発明の加熱定着させた基板結合型金属触媒を用いた場合には、10回の反応を行っても収率の低下はほとんど見られない。
このように、基板の表面に硫黄原子を固定化し、次いで当該基板の表面にさらに金属化合物を結合させた後、これを加熱処理して、金属化合物を基板表面に加熱定着させることにより、繰り返し使用しても実質的な触媒活性の低下が見られない基板結合型金属触媒を製造することができることがわかった。
本発明の基板としては、硫黄原子をその表面に固定化できるものであればよく、好ましくは無機物質からなる基板が挙げられ、より好ましくは半導体基板などのような無機物質からなる単結晶が挙げられ、例えば、ガリウム砒素基板などの半導体基板が挙げられる。また、金などの金属基板なども使用することができる。
基板上に固定化される硫黄としては、硫黄原子を含有するものであれば特に制限はない。例えば、分子状の硫黄を用いてもよいし、多硫化アンモニウムのような硫黄原子を含有する無機化合物を用いてもよいし、メルカプタン類やスルフィド類のような有機硫黄化合物を使用することもできる。好ましい有機硫黄化合物としては、ホスフィノ基、スルフィド基、水酸基、窒素原子などのような遷移金属の配位子となる得る基を含有する有機硫黄化合物が挙げられる。より具体的には、例えば、次の式
Figure 0004704857
で表されるスルフィド誘導体や、次の式、
Figure 0004704857
で表されるメルカプタン誘導体が挙げられる。
また、ホスフィノ基以外の金属が配位可能な基を有している化合物としては、例えば、次のような化合物が挙げられるが、これらの具体的に例示されている化合物に限定されるものではない。
Figure 0004704857
本発明における基板に硫黄を固定化させる方法としては、化学的な固定化だけでなく吸着や蒸着のような物理的な固定化であってもよい。固定化は、硫黄原子が基板に固定されればよく、当該硫黄原子は原子状であっても、分子状であっても、硫黄化合物の中の硫黄原子であってもよい。より具体的には、基板に硫黄分子や多硫化アンモニウムなどの硫黄化合物を塗布し、1×10−10トル(Torr)のような極高真空条件下で、加熱、例えば、400℃で反応させて固定化することができる。また、基板と硫黄との親和性が大きい場合には、硫黄化合物を塗布して乾燥するなどの薄膜形成法やエッチング法であってもよい。さらに、MBE(Molecular Beam Epitaxy)のような装置を使用して基板上に硫黄原子または硫黄化合物をエピタキシャル成長させる方法であってもよい。また、通常の化学蒸着による方法であってもよい。
硫黄を固定化させた後、好ましくは、後述する有機溶媒などを用いて基板を洗浄して、基板上に遊離して残存している硫黄化合物を除去する。
本発明の金属化合物における金属元素としては、触媒活性、好ましくは新たな炭素−炭素結合を生じる有機反応における触媒活性を有するものであればよく、好ましい金属元素としては、遷移金属が好ましく、より具体的にはルテニウム、パラジウム、希土類金属イッテルビウムなどが挙げられ、硫黄原子との親和性が大きいものが更に好ましい。より好ましい金属元素としては、パラジウムが挙げられる。
本発明の金属化合物としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機塩や、酢酸塩、乳酸塩などの有機酸塩などの金属の塩、ホスフィン錯体、アセチルアセトナート錯塩、dba(dibenzylideneacetone)などの金属錯体などが挙げられる。本発明における金属錯体としては、配位子としてホスフィンなどの有機物質を含有するものが好ましい。本発明における有機金属錯体としては、必ずしも金属−炭素の結合を有するものに限定されるものではなく、配位子部分に有機物質を含有している錯体であって、好ましい有機金属錯体としては、前記で例示してきたテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(Pd(PPh)などのパラジウムのホスフィン錯体が挙げられる。
金属化合物を結合させる方法としては、特に制限はなく、通常は有機溶媒に溶解又は懸濁させた溶液と基板を接触させることにより行うことができる。必要により、加熱してもよい。加熱温度は特に制限はないが、通常は使用する有機溶媒の沸点までの温度が好ましい。使用する有機溶媒としては、後述する有機溶媒が挙げられるが、アセトニトリルのようなニトリル類や芳香族化合物が好ましい。ここで使用される有機溶媒は、そのまま使用してもよいが、アルゴン雰囲気下などで激しく攪拌することにより脱気して使用するのが好ましい。好ましい方法としては、有機溶媒中で、5〜20時間、好ましくは10〜20時間加熱還流させる方法が挙げられる。金属化合物の濃度としては、特に制限はないが、通常は金属原子の濃度に換算して、0.001モル%〜10モル%、好ましくは0.01モル%〜5モル%が挙げられる。
金属化合物を結合させた後、後述する有機溶媒を用いて洗浄してもよいが、好ましくは、ここままの状態で次の加熱処理を行う。
ついで、金属化合物が結合した基板を有機溶媒中に浸し、これを加熱して金属化合物を基板上に定着させる。有機溶媒としては、沸点が50℃〜250℃程度、好ましくは50℃〜200℃の有機溶媒であって、反応性の官能基を有していないものが好ましい。好ましい有機溶媒としては、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、トルエン、キシレンなどの炭素数6〜20程度の芳香族炭化水素類、オクタン、デカンなどの炭素数7〜13の飽和炭化水素類、DMF(ジメチルホルムアミド)などのアミド類などからなる非プロトン性極性溶媒、アニソールなどのエーテル類などが挙げられる。加熱温度としては、50℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃が挙げられる。通常は有機溶媒の還流温度で加熱される。加熱処理は常圧で行うのが好ましいが、加圧下で行うこともできる。加熱時間としては、5〜30時間、好ましくは10〜20時間程度である。
このようにして、本発明の金属化合物が結合した基板を製造することができる。このようにして製造された本発明の金属化合物が結合した基板は、触媒としての金属化合物が固定化された基板、即ち、基板結合型金属触媒として各種の有機反応に使用することができる。
金属化合物を結合させ、加熱処理を行った後、前記した有機溶媒を用いて洗浄して、基板上に遊離して残存している金属化合物を除去する。
本発明の基板結合型金属触媒を用いる有機反応としては、本発明の基板結合型金属触媒による触媒活性がある反応であればよく、特定の反応に限定されるものではない。前記で例示してきた炭素−炭素結合を生成する反応に限定されるものではなく、水素還元反応、不斉合成反応、置換反応などの各種の反応を包含するものである。
本発明は、基板に金属化合物が硫黄原子又は硫黄含有分子を介して結合した基板結合型金属触媒であって、多数回、好ましくは10回以上繰り返して使用することができる基板結合型金属触媒の開発に世界で始めて成功したものであり、本発明の基板結合型金属触媒は、反応中における金属原子の脱落が少なく、また多数回繰り返し使用することができることから、金属化合物、好ましくは有機金属錯体を触媒として使用した場合の安全性や、安定性、反応生成物に存在する徴量金属の除去、廃液処理等の問題を解決することが可能となった。
また、本発明の基板結合型金属触媒は、通常の基板と同様に取り扱うことができ、板状、チューブ状、反応容器形状などの実用に適した成形も可能である。
また、本発明は、前記した本発明の基板結合型金属触媒を用いて、当該基板結合型金属触媒に有機化合物を接触させて、新たな炭素−炭素結合を生じさせる反応による有機化合物の製造方法を提供するものである。本発明の好ましい新たな炭素−炭素結合を生じさせる反応としては、金属化合物としてテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(Pd(PPh)などを含有する本発明の基板結合型パラジウム触媒を用いたアリールハライド又はアルケニルハライドと、アルケン類との縮合反応により、アリールアルケン類又は1,3−ジエン類を製造する方法を提供するものである。例えば、ハロゲン化ベンゼンとアクリル酸エステル類との反応により、桂皮酸エステル類を製造する方法が挙げられる。
本発明のこの製造方法における、アリールハライド又はアルケニルハライドのハロゲンとしては、塩素原子、臭素元素、又はヨウ素元素などが挙げられる。アリールハライドのアリール基としては、炭素環式芳香族基や複素環式芳香族基が挙げられる。炭素環式芳香族基としては、炭素数6〜36、好ましくは炭素数6〜18、炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基が挙げられる。このような炭素環式芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントリル基、などが挙げられる。また、複素環式芳香族基としては、1個〜4個、好ましくは1〜3個又は1〜2個の窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子からなる異種原子を含有する3〜8員、好ましくは5〜8員の環を有する単環式、多環式、又は縮合環式の複素環基が挙げられる。このような複素環基としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、インドール基、ベンゾイミダゾリル基などが挙げられる。これらのアリール基はさらに置換基を有していてもよく、このような置換基としては反応に悪影響を与えないものであれば特に制限はなく、例えば、前記したハロゲン原子、ニトロ基、置換又は非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。また、アルケニルハライドのアルケニル基としては、置換又は非置換のビニル基であり、当該ビニル基の置換基としては、置換又は非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数6〜20、好ましくは6〜10のアリール基、置換又は非置換の炭素数7〜20、好ましくは7〜12のアラルキル基などが挙げられる。これらの置換基としては反応に悪影響を与えないものであれば特に制限はない。
好ましいアリールハライドの例としては、ヨードベンゼン、1−ヨードナフタレン、p−メチルヨードベンゼン、m−メチルヨードベンゼン、o−メチルヨードベンゼン、p−メトキシヨードベンゼン、p−ニトロヨードベンゼン、2−ヨードチオフェン、2−ヨードピリジンなどが挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。
本発明のこの製造方法における、アルケン類としては、少なくとも1個の水素原子を有するエチレン誘導体が挙げられる。好ましくはエチレンの少なくとも1個の水素原子がケト基、置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、及び/又は置換又は非置換のアリール基が置換したエチレン誘導体が挙げられる。当該アリール基としては前記した炭素環式芳香族基や複素環式芳香族基が挙げられる。これらの置換基としては、反応に悪影響を与えないものであれば特に制限はなく、例えば、前記してきた置換基などが挙げられる。より好ましいアルケン類としては置換又は非置換の3−ケトアルケン類、置換又は非置換のスチレン誘導体、置換又は非置換の(メタ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。当該アクリル酸エステル類のエステル残基としては、置換又は非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルキル基が挙げられ、これらの置換基としては反応に悪影響を与えないものであれば特に制限はない。好ましいアルケン類の例としては、例えば、アクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル類、3−ケトブテンなどの3−ケトアルケン類、スチレンなどのスチレン誘導体が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。
本発明のこの製造方法は、反応によりハロゲン化水素が発生するために、反応系にハロゲン化水素受容体を存在させておくのが好ましい。好ましいハロゲン化水素受容体としてはトリエチルアミン、N,N−ジエチルアミノベンゼンなどの第三級アミンが挙げられる。
本発明のこの製造方法は、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中で行うのが好ましい。反応温度としては、室温から溶媒の沸点温度までの範囲で選択できる。
本発明の触媒は固相であるから、反応終了後、固相の触媒を除き、濃縮、抽出などの通常の処理方法により目的の生成物を分離し、各種の精製手段により目的物を精製、単離することができる。
また、本発明の他の好ましい反応としては、金属化合物としてテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム(Pd(PPh)などを含有する本発明の基板結合型パラジウム触媒を用いた、アリールボロン誘導体又はビニルボロン誘導体と、炭素−炭素二重結合を持つハライド又は炭素−炭素二重結合を持つスルホネートとの縮合反応による、ジアリール誘導体、アルケニルアリール誘導体又は1,3−ジエン類の製造方法を提供するものである。例えば、ハロゲン化ベンゼンとフェニルボロンとを縮合させてビフェニル誘導体を製造する方法が挙げられる。
本発明のこの製造方法における、アリールボロン誘導体又はビニルボロン誘導体のボロン誘導体としては、例えば、オルトホウ酸のモノ、ジ若しくはトリエステル又はこれらの誘導体が挙げられるが、必ずしもオルトホウ酸又はこの誘導体に限定されるものではない。アリールボロン誘導体のアリール基としては、置換又は非置換のフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基などの芳香族基が挙げられ、これらの置換基としては反応に悪影響を与えないものであれば特に制限はなく、例えば、塩素原子、臭素元素、又はヨウ素元素などのハロゲン原子、置換又は非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基などが挙げられる。ビニルボロン誘導体のビニル基としては、置換又は非置換のビニル基が挙げられ、これらの置換基としては反応に悪影響を与えないものであれば特に制限はない。
本発明のこの製造方法における、炭素−炭素二重結合を持つハライドのハロゲンとしては、塩素原子、臭素元素、又はヨウ素元素などが挙げられる。炭素−炭素二重結合を持つスルホネートのスルホネートとしては、スルホン酸又はその誘導体が挙げられ、例えばスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩などの各種の金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。炭素−炭素二重結合を持つハライド又は炭素−炭素二重結合を持つスルホネートにおける、炭素−炭素二重結合を持つ基としては、脂肪族の炭素−炭素二重結合、芳香族の炭素−炭素二重結合を持つ基であればよく、例えば、置換又は非置換のビニル基、置換又は非置換のアリール基が挙げられ、アリール基としては前記した炭素環式芳香族基や複素環式芳香族基などが挙げられる。また、これらの置換基としては反応に悪影響を与えないものであれば特に制限はない。
本発明のこの製造方法は、反応によりハロゲン化水素が発生する場合があり、反応系にハロゲン化水素受容体を存在させておくのが好ましい。好ましいハロゲン化水素受容体としてはトリエチルアミン、N,N−ジエチルアミノベンゼンなどの第三級アミンが挙げられる。
本発明のこの製造方法は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイドなどの不活性溶媒中で行うのが好ましい。反応温度としては、室温から溶媒の沸点温度までの範囲で選択できる。
本発明の触媒は固相であるから、反応終了後、固相の触媒を除き、濃縮、抽出などの通常の処理方法により目的の生成物を分離し、各種の精製手段により目的物を精製、単離することができる。
本発明は、高温処理、好ましくは有機溶媒中での高温処理により、触媒能を有する金属化合物が基板の表面に強く固定化、好ましくは硫黄原子又は硫黄分子を介して強く固定化された基板結合型金属触媒、その製造方法を提供するものであり、本発明の基板結合型金属触媒を使用することにより、金属触媒を使用した際の金属触媒、特に有機金属錯体触媒の安全性、安定性、反応生成物に存在する徴量金属の除去、廃液処理等の問題を解決することができるだけでなく、触媒活性が強く、かつ本発明の基板結合型金属触媒は、5回以上、さらに10回以上繰り返して使用しても触媒活性を維持することができ、工業的使用に適している実用的な固定化触媒を提供するものである。
また、本発明の基板結合型金属触媒は、加工性に優れ任意の大きさ、形状に加工することができ、化学反応装置に応じた大きさ形状にすることもできる。さらに、本発明の基板結合型金属触媒は、反応系からの回収が容易である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(1)基板の表面における硫黄原子の固定化
大きさが約13×11×0.6mmのGaAs(001)基板を標準的なクリーニング及びエッチング法により製造した。これをMBE(molecular beam epitaxy)チェンバーに入れ、550℃で約1μmの厚さのGaAsバッファー層を形成させて、平坦なひとつの単層ステップのテラス(one-monolayer-stepped terraces)とした。
得られた基板をマルチステップ硫黄終端法(S. Tsukamoto and N. Koguchi, Appl. Phys. Lett., 65, 2199 (1994))により処理した。即ち、まず基板を200℃にして、この温度で、全表面が砒素がリッチなc(4×4)層で覆われる。次にこの基板をMBEサンプル導入チェンバーに移して、硫黄蒸気に曝す。圧力を6×10−4Paで15分間保つ。次に、基板をMBE成長チェンバーに戻して、Asの分子ビームが無い状態で、400℃で30分間、アニールさせる。S−Ga結合とAs−Ga結合の結合エネルギーに差があるために、Ga層に存在しているAsのみが脱着される。この工程を繰り返すことにより、非常に規則的に表面が再構築された(2×6)状態になる。
(2)金属化合物の結合と加熱処理
前記(1)で得られた基板をMBEから空気中に移すことなく、窒素雰囲気下のグローブボックス内で直ちにPd(PPh(25mg)のアセトニトリル(3ml)溶液にバス温度100℃で浸し、次いで100℃で12時間アルゴン雰囲気下で攪拌した。次いで、室温に冷却して、アセトニトリル3mLで100回洗浄した。そして、さらに基板をバス温度100℃のアセトニトリル(3mL)の浸し、バス温度100℃で12時間加熱した。これを空気中で乾燥した。これを基板結合型金属触媒Aとした。
前記実施例1の(2)において、前記(1)で得られた基板をMBEから空気中に移すことなく、窒素雰囲気下のグローブボックス内で直ちに処理する代わりに、前記(1)で得られた基板をMBEから空気中に移して空気にさらした後、処理し、その他は前記実施例1と同様にして、基板結合型金属触媒Bを得た。
得られた基板結合型金属触媒Bは、触媒として優れた特性を示したと考えられたので、この触媒を対象にして、反応前後の触媒表面におけるパラジウムの化学状態をXPSで調べた。測定は超高真空中で行い照射X線にはMgKα線(X線のエネルギー=1253eV)を用いた。帯電によるスペクトルシフト(試料が絶縁体であるため、X線で光電子が放出されることにより電子が不足して帯電が生じ、スペクトル全体が一様にシフトする現象)が、試料上の炭素のXPSピーク(Cの1s内殻準位のピーク)が285.0eVとなるように補正して測定した。この結果を図2に示す。
この結果、反応前のスペクトルにはPdの3d内殻準位ピークが明瞭に見られ、有機パラジウムが表面に確かに固定されたことが確認できた。このピークの幅は単体の金属パラジウムのものに比べるとやや広かった。これは、Pd原子の化学結合状態が原子によって異なる(例えば部分的に酸化している)ためと考えられる。ピークの位置(結合エネルギー)に注目すると、Pdの3d5/2ピークは335.9eVに現れるがこれは,金属パラジウムの335.0eVに非常に近かった。ちなみに、PdClの2価のパラジウムは338.3eVであることを考慮すると触媒表面のパラジウムは0価であると考えられる。
ヘック(Heck)反応を繰り返した後のPdの3dピークは反応前に比べやや広くなり、ピーク位置も低エネルギー側に0.2eVほどシフトしていることがわかる。この変化は有機パラジウムが変質したためと考えられ、触媒活性の低下に対応していると考えられた。
前記実施例1の(1)において、GaAs(001)基板を導入チェンバーで300℃で10分間予備加熱し、MBE成長チェンバーでAsの非存在下で650℃で5分間加熱して、Gaが安定な状態の荒い表面とし、これに1.0×10−4〜2.0×10−3Paで硫黄のビームを発生させて硫黄を固定化した他は、実施例1と同様にして、基板結合型金属触媒Cを得た。
前記実施例1で使用した基板の表面(図3の左側)、及び実施例3で使用した基板の表面(図3の右側)の模式図を図3として示す。
比較例1
前記実施例1の(2)において、「直ちにPd(PPh(25mg)のアセトニトリル(3ml)溶液に100℃で浸し、次いで100℃で12時間アルゴン雰囲気下で攪拌した。」に代えて、直ちにPd(PPh(25mg)のベンゼン(3ml)溶液にに3分間浸し、これを空気中で乾燥し、その他は前記実施例1と同様にして、比較基板結合型金属触媒Dを得た。
比較例2
前記実施例1の(2)において、アセトニトリルによる洗浄の後の「さらに基板を100℃のアセトニトリル(3mL)の浸し、100℃で12時間加熱した。」工程を行わなかった他は、実施例1と同様にして、比較基板結合型金属触媒Eを得た。
比較例3
前記実施例1の(2)のにおける、前記(1)で得られた基板をMBEから空気中に移すことなく、窒素雰囲気下のグローブボックス内で直ちに処理する代わりに、前記(1)で得られた基板をMBEから空気中に移して空気にさらした後、処理し、かつ、アセトニトリルによる洗浄の後の「さらに基板を100℃のアセトニトリル(3mL)の浸し、100℃で12時間加熱した。」工程を行わなかった他は、実施例1と同様にして、比較基板結合型金属触媒Fを得た。
実施例1〜3で製造した基板結合型金属触媒A〜C、及び比較例1〜3で製造した比較基板結合型金属触媒D〜Fの製造工程の比較をまとめて次の表1に示す。
Figure 0004704857
次に、これらの基板結合型金属触媒を用いて、その触媒活性を試験するためにヘック反応(Heck reaction)を行った。
ヘック(Heck)反応
Figure 0004704857
上記の反応式で示されるヘック反応を行った。即ち、ヨードベンゼン(0.5mmol)、アクリル酸メチル(1.25当量)、及びトリエチルアミン(1.25当量)のアセトニトリル(3mL)溶液に、実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた基板結合型金属触媒A〜F(5mm×5mm)をそれぞれ加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、100℃(バス温度)で12時間撹拌した。反応終了後、反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残査を得た。当該残査中のトランス桂皮酸メチルの収率をH−NMRで決定した。
使用した基板結合型金属触媒をそれぞれ回収して、2回目以降の反応に再使用して、それぞれの収率を同様にして決定した。
この結果を次の表2にまとめて示す。
Figure 0004704857
この結果、基板結合型金属触媒A及びBの結果から、Pd定着時の酸素の有無は触媒活性に影響を与えないこと、基板結合型金属触媒A及びCの結果からGaAs(001)上の硫黄が2×6構造をしていることが触媒の高い活性を得る上で重要であることが分かった。また、基板結合型金属触媒B,D,E,及びFの結果からPd定着時の高温加熱処理が、触媒の高い活性を得る上で重要であることも分かった。
金属化合物の結合時の金属化合物の濃度による触媒活性への影響
実施例1の(2)において、使用したPd(PPhのアセトニトリル溶液の濃度を、パラジウムの量に基づいてそれぞれ0.001モル%、0.01モル%、0.1モル%、0.5モル%、1モル%、2.5モル%、及び5モル%とした他は実施例1と同様にして、それぞれの濃度の基板結合型金属触媒を製造した。
得られたそれぞれの基板結合型金属触媒について実施例4に記載のヘック反応を行って、それぞれの基板結合型金属触媒によるトランス桂皮酸メチルの収率を決定した。
この結果を、まとめて次の表3に示す。
Figure 0004704857
この結果、基板結合型有機金属触媒が均一型触媒Pd(PPhよりも高活性であることが分かった。
(1)基板の表面における硫黄原子の固定化
大きさが約13×11×0.6mmのGaAs(001)基板を、3mLの多硫化アンモニウム液(岸田化学製、硫黄含有量5〜7%)に60℃で30分間浸した。その後、室温で10分間乾燥させた後、基板を水及びアセトニトリルで洗浄した。次いで、約6mmHgの減圧下で、20分間ヒートガンで加熱した。
(2)金属化合物の結合と加熱処理
前記(1)で得られた基板を空気中で、25mgの酢酸パラジウム(Pd(OAc))の3.0mLのアセトニトリル溶液に浸し、アルゴン雰囲気下で100℃(バス温度)で12時間加熱攪拌した。得られた基板を3.0mLのアセトニトリル中に移し、12時間加熱還流した。次いで、得られた基板をアセトニトリルで洗浄したて、基板結合型金属触媒Gを得た。
(3)ヘック反応
前記(2)で得られた基板結合型金属触媒Gを用いて実施例4と同様にしてヘック反応を10回行った。各反応終了時にICP−Massにより基板中のパラジウムの量を測定し、各反応で失われたパラジウムの量(μg)を決定した。
この結果を図4に示す。図4の縦軸はトランス桂皮酸メチルの収率(%)及び各反応で失われたパラジウムの量(μg)を示し、横軸は反応の回数を示す。図4の黒菱形印(◆)はトランス桂皮酸メチルの収率を示し、黒四角印(■)は各反応で失われたパラジウムの量(μg)を示す。
この結果、本発明の基板結合型金属触媒は10回反復利用してヘック(Heck)反応に付しても触媒活性が落ちないばかりか、5回目の反応以降の反応液中へのパラジウムの漏洩が殆どない(1.7ppm以下)こともわかった。
また、得られた基板結合型金属触媒Gは、触媒として優れた特性を示したので、この試料を対象に、反応前後の触媒表面におけるパラジウムの化学状態をXPSで調べた。測定は超高真空中で行い照射X線にはMgKα線(X線のエネルギー=1253eV)を用いた。帯電によるスペクトルシフト(試料が絶縁体であるため、X線で光電子が放出されることにより電子が不足して帯電が生じ、スペクトル全体が一様にシフトする現象)が、試料上の炭素のXPSピーク(Cの1s内殻準位のピーク)が285.0eVとなるよう補正して測定した。この結果を図5に示す。
この結果、反応前のスペクトルにはPdの3d内殻準位ピークが明瞭に見られ、有機パラジウムが表面に確かに固定されたことが確認できた。このピークの幅は単体の金属パラジウムのものに比べるとやや広かった。これは、Pd原子の化学結合状態が原子によって異なる(例えば部分的に酸化している)ためと考えられる。ピークの位置(結合エネルギー)に注目すると、Pdの3d5/2ピークは335.9eVに現れるがこれは,金属パラジウムの335.0eVに非常に近く、触媒表面のパラジウムは0価であると考えられた。ちなみに、固定前のPd(OAc)ではパラジウムは2価である。ヘック(Heck)反応を繰り返した後でも、Pdの3dピークは反応前とほとんど変化がない。このことは、反応中にパラジウムの酸化状態や基板との結合状態が変化しなかったことを示している。
前記実施例6において、パラジウム源として酢酸パラジウム(Pd(OAc))に代えて、Pd(PPhを使用した他は、実施例6と同様にしてPd(PPhをパラジウム源とする基板結合型金属触媒Hを得た。
実施例6の(3)と同様にして得られた基板結合型金属触媒Hを用いて、ヘック反応を10回行った。初回のヘック反応の収率は99%であったが、10回目では28%になり、10回の平均収率は56%であった。
実施例6の(2)における加熱処理用の有機溶媒として、アセトニトリルに代えて次の表4及び表5に示す各種の有機溶媒を使用した他は、実施例6と同様にして基板結合型金属触媒を製造した。製造した各々の基板結合型金属触媒を用いて実施例6の(3)と同様にしてヘック反応をそれぞれ10回行った。結果をまとめて次の表4及び表5に示す。
Figure 0004704857
Figure 0004704857
この結果、加熱処理温度を100℃に定めた場合、MeCN、DMFが溶媒として適していたが、より高温でトルエンやキシレン等の炭化水素系溶媒で処理した方がより高い触媒活性を与えることが分かった。
(1)基板の表面における硫黄原子の固定化
大きさが約13×11×0.6mmのGaAs(001)基板を、3mLの多硫化アンモニウム液(岸田化学製、硫黄含有量5〜7%)に60℃で30分間浸した。その後、室温で10分間乾燥させた後、基板を水及びアセトニトリルで洗浄した。次いで、約6mmHgの減圧下で、20分間ヒートガンで加熱した。
(2)金属化合物の結合と加熱処理
前記(1)で得られた基板を空気中で、5mgの酢酸パラジウム(Pd(OAc))の3.0mLのアセトニトリル溶液に浸し、アルゴン雰囲気下で100℃(バス温度)で12時間加熱攪拌した。得られた基板を3.0mLのトルエン中に移し、12時間135℃(バス温度)で加熱した。次いで、得られた基板をアセトニトリルで洗浄して、基板結合型金属触媒Iを得た。
(3)ヘック反応
前記(2)で得られた基板結合型金属触媒Iを用いて実施例4と同様にして、反応時間を2時間、4時間、6時間、又は12時間とそれぞれ変更してヘック反応を、それぞれ5回行った。1回目と5回目のトランス桂皮酸メチルの収率を次の表6に示す。
Figure 0004704857
この結果、1回目の反応も5回目の反応も反応時間が長いほどトランス桂皮酸メチルの収率(%)の向上がみられた。反応時間が2時間では、5回目の反応において収率が1/3程度に急激に減少するが、反応時間が12時間では、5回目の反応においても収率の低下は、10%程度に過ぎなかった。
(1) 基板として金の薄膜を用いた。10×10mmの金の薄膜を、2mLのクロロホルム中で12時間60℃加熱した。次いで、これを脱気した3mLのTHF中に浸し、これに10mgのPd(dba)を添加して、4時間加熱還流した。次いで、得られた基板をTHFで洗浄して、基板結合型触媒Jを得た。
(2) 10×10mmの金の薄膜を、次式、
Figure 0004704857
で表される化合物を4mg含有する2mLのクロロホルム中で12時間60℃加熱した。次いで、これを脱気した3mLのTHF中に浸し、これに10mgのPd(dba)を添加して、4時間加熱還流した。次いで、得られた基板をTHFで洗浄して、基板結合型触媒Kを得た。
(3) 10×10mmの金の薄膜を、次式、
Figure 0004704857
で表される化合物を4mg含有する2mLのクロロホルム中で12時間60℃加熱した。次いで、これを脱気した3mLのTHF中に浸し、これに10mgのPd(dba)を添加して、4時間加熱還流した。次いで、得られた基板をTHFで洗浄して、基板結合型触媒Lを得た。
(4) 前記(1)〜(3)で製造した基板結合型触媒J〜Lを用いて、実施例4と同様にしてヘック反応を10回行った。
この結果を図6に示す。図6の縦軸はトランス桂皮酸メチルの収率(%)を示し、横軸は反応の回数を示す。図6の黒三角印(▲)は基板結合型触媒Jを用いた場合を示し、黒四角印(■)は基板結合型触媒Kを用いた場合を示し、黒菱形印(◆)は基板結合型触媒Lを用いた場合を示す。
実施例1で得られた基板結合型触媒Aを用いて、ヨードベンゼンに代えてp−メトキシヨードベンゼン、2−ヨードチオフェン、又は1−ヨードナフタレンをそれぞれ用いて、実施例4と同様にヘック反応を行った。
同じ反応をそれぞれ10回繰り返して行ったときの10回の平均収率は、原料のアリールヨージドとしてp−メトキシヨードベンゼンを用いた場合には76%であり、2−ヨードチオフェンを用いた場合には80%であり、1−ヨードナフタレンを用いた場合には100%であった。
また、同様に原料化合物として、p−メチルヨードベンゼン、m−メチルヨードベンゼン、o−メチルヨードベンゼン、p−ニトロヨードベンゼン、p−ブロムヨードベンゼン、2−ヨードピリジンを使用した場合にも、本発明の基板結合型触媒を用いて反応を行うことができる。
従って、本発明の基板結合型触媒は、種々の原料化合物に対して適用可能である。
本発明は、活性が高く、安定性に優れ、加工性に優れ、回収が容易で、かつ複数回の利用が可能な新たな不均一系触媒を提供するものであり、金属触媒を使用する化学工業における新しい型の触媒として化学産業において極めて有用なものである。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有するものである。
図1は、本発明の加熱定着させた基板結合型金属触媒(黒四角印(■))、及び従来の基板結合型金属触媒(黒三角印(▲))を、それぞれ用いたヘック反応における反応回数と各回の桂皮酸メチルの収率を示すグラフである。 図2は、本発明の基板結合型金属触媒Bを対象にして、ヘック反応前後の触媒表面におけるパラジウムの化学状態をXPSで調べた結果を示すスペクトルである。 図3は、本発明の基板結合型金属触媒の表面の状態を模式的に示したものである。図3の左側は実施例1で使用した基板の表面を示し、図3の右側は実施例3で使用した基板の表面を示す。 図4は、本発明の基板結合型金属触媒を用いて、ヘック反応を10回行ったときの生成物の収率(黒菱形印(◆))と、各反応終了時の基板中から失われたパラジウムの量(黒四角印(■))を示す。 図5は、本発明の基板結合型金属触媒Gを対象に、反応前後の触媒表面におけるパラジウムの化学状態をXPSで調べた結果を示すスペクトルである。 図6は、金を基板とした本発明の基板結合型金属触媒の触媒活性を示すものである。

Claims (4)

  1. 無機物質からなる基板の表面に硫黄原子を固定化し、当該基板の表面にパラジウム化合物を結合させた後、当該基板を洗浄し、芳香族炭化水素溶媒、有機ニトリル類、又は非プロトン性極性溶媒の1種又は2種以上から選ばれた有機溶媒中で加熱処理することを特徴とする表面に金属化合物が結合した基板を製造する方法。
  2. 前記加熱処理における有機溶媒が、トルエン、キシレン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、又はDMF(ジメチルホルムアミド)の1種又は2種以上から選ばれたものである請求項1に記載の方法。
  3. 有機溶媒中での加熱処理における加熱温度が、50℃〜200℃である請求項1に記載の方法。
  4. 無機物質からなる基板の表面に硫黄原子を固定化し、当該基板の表面にパラジウム化合物を結合させた後、当該基板を洗浄し、芳香族炭化水素溶媒、有機ニトリル類、又は非プロトン性極性溶媒の1種又は2種以上から選ばれた有機溶媒中で加熱処理することにより、表面に金属化合物が結合した基板。
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