JP2020136358A - 発光素子用材料及び発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な材料の提供。【解決手段】式(1A)で表される化合物を含有する発光素子用材料。[化1][式(1A)中、mは、6以上20以下の整数を表す。Ar1は、単環若しくは縮合環のアリーレン基又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、Ar1の少なくとも一つは、縮合環のアリーレン基又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表す。複数存在するAr1は、同一でも異なっていてもよい。]【選択図】なし

Description

本発明は、発光素子用材料及び発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子は、ディスプレイ及び照明の用途に好適に使用することが可能であり、近年、発光素子用の材料の研究開発が盛んに行われている。例えば、特許文献1には、発光素子用材料として、下記の化合物(H0)が記載されている。
Figure 2020136358
特開2017−183723号公報
しかし、特許文献1に記載された発光素子は、輝度寿命が必ずしも十分ではない。
そこで、本発明は、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な材料を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[8]を提供する。
[1]式(1A)で表される化合物を含有する発光素子用材料。
Figure 2020136358
[式(1A)中、mは、6以上20以下の整数を表す。
Arは、単環若しくは縮合環のアリーレン基又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
複数存在するArは、同一でも異なっていてもよい。但し、Arの少なくとも一つは、縮合環のアリーレン基又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表す。]
[2]Arの少なくとも一つが縮合環のアリーレン基(このアリーレン基は置換基を有していてもよい)である、[1]に記載の発光素子用材料。
[3]Arが、単環又は置換基を有していてもよい縮合環のアリーレン基(このアリーレン基は置換基を有していてもよい)である、[1]又は[2]に記載の発光素子用材料。
[4]前記式(1A)で表される化合物が、式(1A−A1)で表される化合物である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の発光素子用材料。
Figure 2020136358
[式(1A−A1)中、Arは、縮合環のアリーレン基を表し、前記基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
nは、5以上19以下の整数を表す。]
[5]前記縮合環のアリーレン基が、置換基を有していてもよいナフタレンジイル基、置換基を有していてもよいアントラセンジイル基又は置換基を有していてもよいピレンジイル基である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の発光素子用材料。
[6]式(FH−1)で表される化合物及び式(Y)で表される構成単位を含む高分子化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の発光素子用材料。
Figure 2020136358
[式(FH−1)中、ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
H1は、0以上15以下の整数を表す。
H1は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、−[C(RH11]−で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。RH11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するRH11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
Figure 2020136358
[式(Y)中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
[7]正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の発光素子用材料。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の発光素子用材料を含有する発光素子。
本発明によれば、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な材料を提供することができる。また、本発明によれば、前記材料を含有する発光素子を提供することができる。
本発明の一態様における発光素子の模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i−Prはイソプロピル基、t−Buはtert−ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体を表す式中、配位子と金属との結合を表す実線は、イオン結合、共有結合又は配位結合を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×10〜1×10である重合体を意味する。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、又はグラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基が、後述の置換基A群及び後述の置換基B群等の重合活性基であると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合、発光特性又は輝度寿命が低下する可能性がある。そのため、高分子化合物の末端基は、好ましくは安定な基である。安定な基としては、例えば、炭素−炭素結合を介して高分子化合物の主鎖と結合するアリール基又は1価の複素環基が挙げられる。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×10以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に2個以上存在する原子団を意味する。
「アルキル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、3―プロピルヘプチル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、ドデシル基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基(例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−メチルフェニル)プロピル基、3−(3,5−ジ−ヘキシルフェニル)プロピル基、6−エチルオキシヘキシル基)が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、及び、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4−メチルフェニル)アミノ基、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5―ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基及びシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基及びシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A−1)〜式(A−20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
[式中、R及びRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数存在するR及びRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常、2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA−1)〜式(AA−34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
[式中、R及びRは、前記R及びRと同じ意味を表す。]
「架橋基」とは、加熱、紫外線照射、近紫外線照射、可視光照射、赤外線照射、又はラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、式(B−1)〜式(B−17)のいずれかで表される基である。これらの基は、置換基を有していてもよい。
Figure 2020136358
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基又はシクロアルキニル基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。置換基は架橋基であってもよい。置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよいが、環を形成しないことが好ましい。本明細書において、ある基が置換基を有していてもよい、と表現されている場合、その基は前記「置換基」を少なくとも一つ有していてもよいことを意味する。
<式(1A)で表される化合物>
本発明の発光素子用材料は、前記式(1A)で表される化合物を含有する発光素子用材料である。本発明の発光素子用材料において、式(1A)で表される化合物は、1種のみを含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
Figure 2020136358
Arにおける単環のアリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは6である。Arにおける単環のアリーレン基は、好ましくは、フェニレン基であり、置換基を有していてもよい。Arにおける単環のアリーレン基は、より好ましくは、式(A−1)〜式(A−3)で表される基であり、更に好ましくは、式(A−1)で表される基である。
Arにおける縮合環のアリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常7〜60である。Arにおける縮合環のアリーレン基の炭素原子数は、好ましくは8〜20である。Arにおける縮合環のアリーレン基としては、例えば、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基及びクリセンジイル基が挙げられる。Arにおける縮合環のアリーレン基は、好ましくは、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基又はピレンジイル基であり、更に好ましくは、ナフタレンジイル基であり、特に好ましくは、式(A−5)で表される基でありこれらの基は置換基を有していてもよい。
Arにおける単環の2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、好ましくは2〜5である。Arにおける単環の2価の複素環基は、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール又はトリアゾールから、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよい。
Arにおける縮合環の2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60である。Arにおける縮合環の2価の複素環基としては、例えば、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン又はジヒドロアクリジンから、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられる。これらの基は置換基を有していてもよい。
Arが有していてもよい置換基としては、好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基である。これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(1A)で表される化合物の合成が容易になるので、Arが有していてもよい置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成しないことが好ましい。
Arは、式(1A)で表される化合物の合成が容易になるので、単環又は縮合環のアリーレン基であることが好ましく、この基は置換基を有していてもよい。
本発明の発光素子用材料を含有する発光素子(以下、「本発明の発光素子」ともいう。)の輝度寿命がより優れるので、Arの少なくとも一つは縮合環のアリーレン基であることが好ましく、Arの1〜5個が縮合環のアリーレン基であることがより好ましく、Arの1個が縮合環のアリーレン基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
mは、式(1A)で表される化合物の合成が容易になるので、好ましくは、7以上15以下であり、より好ましくは、8以上13以下であり、更に好ましくは、10以上12以下である。
[式(1A−A1)及び式(1A−A2)で表される化合物]
式(1A)で表される化合物は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、前記式(1A−A1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020136358
Arにおける縮合環のアリーレン基の例及び好ましい範囲は、Arにおける縮合環のアリーレン基の例及び好ましい範囲と同じである。
nは、式(1A)で表される化合物の合成が容易になるので、好ましくは、6以上14以下であり、より好ましくは、7以上12以下であり、更に好ましくは、9以上11以下である。
式(1A−A1)中のフェニレン基が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、Arが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
式(1A−A1)で表される化合物は、本発明の発光素子の輝度寿命が更に優れるので、式(1A−A2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020136358
[式中、Ar及びnは、前記Ar及びnと同じ意味を表す。式中の1,4−フェニレン基は、置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
式(1A−A2)中の1,4−フェニレン基が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、Arが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
式(1A)で表される化合物としては、例えば、式(1A−01)〜式(1A−33)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
<式(1A)で表される化合物の製造方法>
例えば、式(1A)で表される化合物は、例えば、式(M−1)で表される化合物と、式(M−2)で表される化合物とを、公知のカップリング反応を用いて反応させることにより、合成することができる。
公知のカップリング反応としては、例えば、Suzuki反応、Stille反応、Negishi反応及びKumada反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応が挙げられる。
Figure 2020136358
[式中、m′及びn′は、それぞれ独立に、1以上19以下の整数を表す。但し、m′とn′との合計は、6以上20以下の整数である。
Ar及びArは、それぞれ独立に、単環若しくは縮合環のアリーレン基、単環若しくは縮合環の2価の複素環基、又はシクロアルカジエンが有する2つのsp炭素原子から水素原子を1個ずつ除いた基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、Arの少なくとも一つは、縮合環のアリーレン基又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表す。複数のAr及びArは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
及びZは、それぞれ独立に、置換基A群及び置換基B群からなる群から選ばれる基を表す。複数存在するZは、同一でも異なっていてもよい。複数存在するZは、同一でも異なっていてもよい。]
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)C1(式中、RC1は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表される基。
<置換基B群>
−B(ORC2)(式中、RC2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、水素原子を除くこれらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;
−BFQ'(式中、Q'は、Li、Na、K、Rb又はCsを表す。)で表される基;
−MgY'(式中、Y'は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される基;
−ZnY''(式中、Y''は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される基;及び、
−Sn(RC3)(式中、RC3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC3は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
例えば、Zが置換基A群から選ばれる基である場合、Zは、置換基B群から選ばれる基を選択する。例えば、Zが置換基B群から選ばれる基である場合、Zは、置換基A群から選ばれる基を選択する。
置換基A群から選ばれる基は、好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子又は−O−S(=O)C1で表される基であり、より好ましくは臭素原子である。
置換基B群から選ばれる基は、好ましくは、−B(ORC2で表される基である。
−B(ORC2で表される基としては、例えば、式(W−1)〜式(W−10)で表される基が挙げられる。
Figure 2020136358
式(1A)で表される化合物のより詳細な製造方法について、式(M−1)で表される化合物として、式(M−1−1)で表される化合物を用いた、化合物(M−1−3)の製造方法を例に説明する。式(M−1−3)で表される化合物は、例えば、式(M−1−1)で表される化合物と、式(M−2)で表される化合物とを用いて、下記スキームで合成することができる。
Figure 2020136358
[式中、Ar、Z及びZは、それぞれ前記Ar、Z及びZと同じ意味を表す。Rは、水酸基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよい。n′′は、1以上11以下の整数を表す。]
は、合成が容易なので、好ましくは、水酸基又はアルコキシ基であり、より好ましくは、アルコキシ基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
(工程A)
工程Aにおいて、式(M−1−1)で表される化合物は、例えば、J. Org. Chem. 2012, 77, 6624-6628(以下、「非特許文献1」ともいう)及びJ. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 15800-15802(以下、「非特許文献2」ともいう)等に記載の公知の方法により、合成することができる。
工程Aにおいて、式(M−2)で表される化合物の使用量は、式(M−1−1)で表される化合物の物質量の合計に対して、好ましくは0.8〜2.0モル当量である。
工程Aは、遷移金属触媒を用いるカップリング反応を用いることが好ましい。より詳細には、工程Aにおいて、式(M−1−2)で表される化合物は、遷移金属錯体、塩基及び溶媒の存在下、式(M−1−1)で表される化合物と式(M−2)で表される化合物とをカップリング反応させることにより、合成することができる。
工程Aにおいて、遷移金属錯体は、パラジウム錯体であることが好ましい。パラジウム錯体としては、例えば、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム、及び[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]パラジウムが挙げられる。
遷移金属錯体の使用量は、式(M−1−1)で表される化合物の物質量の合計に対して、好ましくは、0.00001〜3モル当量である。遷移金属錯体は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程Aにおいて、遷移金属錯体は、ホスフィン配位子等の配位子と混合して用いてもよい。ホスフィン配位子としては、例えば、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、(4−ジメチルアミノフェニル)ジ−tert−ブチルホスフィン、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、及びジ−tert−ブチルフェニルホスフィンが挙げられる。
工程Aにおいて、配位子の使用量は、遷移金属錯体の物質量に対して、好ましくは、0.5〜20モル当量である。配位子は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程Aにおいて、塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウムtert−ブトキシド、リチウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
塩基の使用量は前記式(M−1−1)で表される化合物の物質量の合計に対して、好ましくは、0.1〜30モル当量である。塩基は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程Aにおいて、溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール及び2−エトキシエタノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル及びジグライム等のエーテル系溶媒;塩化メチレン及びクロロホルム等のハロゲン系溶媒;アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ヘキサン、デカリン、トルエン、キシレン及びメシチレン等の炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;アセトン、ジメチルスルホキシド、並びに、水が挙げられる。
溶媒の使用量は、式(M−1−1)で表される化合物を1質量部としたとき、好ましくは、1〜2000質量部である。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程Aにおいて、反応温度は、好ましくは、0℃〜200℃である。
工程Aにおいて、反応時間は、好ましくは、0.5〜24時間である。
(工程B)
工程Bにおいて、式(M−1−3)で表される化合物は、式(M−1−2)で表される化合物を芳香族化することにより、合成することができる。より詳細には、式(M−1−2)で表される化合物中のシクロヘキサジエニル骨格部分をベンゼン環に変換することにより、式(M−1−3)で表される化合物を合成できる。
式(M−1−2)で表される化合物を芳香族化する方法としては、例えば、還元反応を行った後、酸化反応を行う方法が挙げられる。例えば、還元剤を用いることで、まず、Rが脱離し、水素化反応が進行する。その後、酸化処理を行うことで、シクロヘキサジエニル骨格部分がベンゼン環に変換される。
工程Bにおいて、還元反応としては、例えば、還元剤を用いることで、まずRが脱離され、脱水素反応が進行する。続いて酸化処理を行うことで、シクロヘキサジエニル環部がベンゼン環に変換される。
工程Bにおいて、還元剤は、ナトリウムナフタレニド又はリチウムナフタレニドなどが挙げられる。
工程Bにおいて、還元剤の使用量は、通常、前記式(M−1−3)で表される化合物の物質量の合計に対して、好ましくは、1〜500モル当量である。
工程Bにおいて、還元反応は溶媒中で行うことが好ましい。工程Bにおける溶媒の例及び好ましい範囲は、工程Aにおける溶媒の例及び好ましい範囲と同じである。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程Bにおいて、溶媒の使用量は、通常、前記式(M−1−3)で表される化合物を1質量部としたとき、1〜1000質量部である。
工程Bにおいて、還元反応の反応温度は、−100℃〜0℃の範囲である。
工程Bにおいて、還元反応の反応時間は、0.5〜24時間である。
工程Bにおいて、酸化剤は、クロラニル、o−クロラニル、及び2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン等のキノン、ヨウ素等が挙げられる。
工程Bにおいて、酸化剤の使用量は、通常、前記式(1−1−3)で表される化合物の物質量の合計に対して、好ましくは、1〜500モル当量である。
工程Bにおいて、酸化反応は溶媒中で行うことが好ましい。工程Bにおける溶媒の例及び好ましい範囲は、工程Aにおける溶媒の例及び好ましい範囲と同じである。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程Bにおいて、溶媒の使用量は、通常、前記式(1−1−3)で表される化合物を1質量部としたとき、1〜1000質量部である。
工程Bにおいて、酸化反応の反応温度は、−100℃〜0℃の範囲である。
工程Bにおいて、酸化反応の反応時間は、0.5〜24時間である。
<式(1A)で表される化合物の製造方法>で説明した各反応において用いられる化合物、触媒及び溶媒は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<ホスト材料>
本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、本発明の発光素子用材料は、式(1A)で表される化合物と、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性及び電子輸送性からなる群から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料とを含有する組成物(以下、「組成物1」ともいう。)であることが好ましい。組成物1において、ホスト材料は、1種のみを含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
組成物1において、式(1A)で表される化合物の含有量は、式(1A)で表される化合物とホスト材料との合計を100質量部とした場合、通常、0.01〜99質量部であり、好ましくは0.1〜50質量部であり、より好ましくは0.5〜25質量部であり、更に好ましくは1〜10質量部である。
組成物1において、ホスト材料の有する最低励起一重項状態(S)は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、式(1A)で表される化合物の有するSと同等のエネルギー準位、又は、より高いエネルギー準位であることが好ましい。
組成物1において、ホスト材料としては、本発明の発光素子を湿式法で作製できるので、式(1A)で表される化合物を溶解することが可能な溶媒に対して溶解性を示すものであることが好ましい。
ホスト材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。ホスト材料としては、例えば、後述の正孔輸送材料、及び、後述の電子輸送材料が挙げられる。
・低分子ホスト
ホスト材料として好ましい低分子化合物(以下、「低分子ホスト」と言う。)は、例えば、前記式(FH−1)で表される化合物である。
Figure 2020136358
ArH1及びArH2は、好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH1及びArH2におけるアリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜14である。
ArH1及びArH2におけるアリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、ピレン環、ペリレン環、クリセン環、インデン環、フルオランテン環又はベンゾフルオランテン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いてなる基が挙げられる。ArH1及びArH2におけるアリール基は、フェニル基、ナフチル基又はアントラセニル基であることがより好ましく、フェニル基又はナフチル基であることが更に好ましい。これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArH1及びArH2における1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60である。
ArH1及びArH2における1価の複素環基としては、例えば、ピロール環、ジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアザナフタレン環、インドール環、ベンゾジアゾール環、ベンゾトリアゾール環、カルバゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、アクリジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環、アクリドン環、フェナジン環及び5,10−ジヒドロフェナジン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いてなる基が挙げられる。これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArH1及びArH2における置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基におけるアリール基の例及び好ましい範囲は、ArH1及びArH2におけるアリール基の例及び好ましい範囲と同じである。アミノ基が有する置換基における1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、ArH1及びArH2における1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArH1及びArH2が有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、置換アミノ基又はハロゲン原子であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArH1及びArH2が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArH1及びArH2におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArH1及びArH2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、置換アミノ基又はハロゲン原子であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArH1及びArH2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArH1及びArH2におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
H1は、好ましくは1以上5以下の整数であり、より好ましくは1以上3以下の整数である。
H1は、好ましくはアリーレン基であり、この基は置換基を有していてもよい。
H1が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArH1及びArH2が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
H1におけるアリーレン基は、好ましくは、式(A−1)〜式(A−14)又は式(A−17)〜式(A−20)で表される基であり、より好ましくは、式(A−1)〜式(A−6)、式(A−11)又は式(A−12)で表される基である。
H1における2価の複素環基は、好ましくは、式(AA−1)〜式(AA−6)、式(AA−10)〜式(AA−22)又は式(AA−24)〜式(AA−34)で表される基である。
H11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
H11が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArH1及びArH2が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
式(FH−1)で表される化合物としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
・高分子ホスト
ホスト材料として好ましい高分子化合物(以下、「高分子ホスト」と言う。)は、例えば、前記式(Y)で表される構成単位を含む高分子化合物である。
Figure 2020136358
ArY1で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A−1)、式(A−6)、式(A−7)、式(A−9)〜式(A−11)、式(A−13)又は式(A−19)で表される基であり、更に好ましくは式(A−1)、式(A−7)、式(A−9)、式(A−11)又は式(A−19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA−4)、式(AA−10)、式(AA−13)、式(AA−15)、式(AA−18)又は式(AA−20)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の例は、後述の式(X)のArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の例と同じである。
ArY1で表される基が有してもよい置換基は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y−1)〜式(Y−8)で表される構成単位が挙げられる。
高分子ホストは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるため、好ましくは、式(Y−2)で表される構成単位及び/又は式(Y−8)で表される構成単位を含む高分子化合物である。
Figure 2020136358
[式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、RY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
式(Y−1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y−1’)で表される構成単位である。
Figure 2020136358
[式中、RY11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY11は、同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2020136358
[式中、RY1は前記RY1と同じ意味を表す。
Y1は、−C(RY2−、−C(RY2)=C(RY2)−又は−C(RY2−C(RY2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y2は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、双方がアリール基、双方が1価の複素環基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基若しくは1価の複素環基である。−C(RY2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、より好ましくは一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基である。これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。RY2が環を形成する場合、−C(RY2−で表される基としては、好ましくは式(Y−A1)〜式(Y−A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y−A4)で表される基である。これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2020136358
式(Y−2)で表される構成単位は、式(Y−2’)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2020136358
[式中、RY1及びXY1は前記RY1及びXY1と同じ意味を表す。]
Figure 2020136358
[式中、RY1は前記RY1と同じ意味を表す。RY3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Figure 2020136358
[式中、RY1は前記RY1と同じ意味を表す。RY4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Figure 2020136358
[式中、RY1は前記RY1と同じ意味を表す。]
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y−11)〜式(Y−56)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
式(Y)で表される構成単位において、ArY1がアリーレン基である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、式(Y)で表される構成単位は、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは10〜100モル%であり、より好ましくは50〜100モル%である。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、高分子ホストの電荷輸送性が優れるので、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜40モル%である。
式(Y)で表される構成単位は、高分子ホスト中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストは、正孔輸送性が優れるので、更に、下記式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 2020136358

[式(X)中、aX1およびaX2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
ArX1およびArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2およびArX4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2およびRX3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
X1及びaX2は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは0である。
X1、RX2及びRX3は、好ましくはアリール基であり、この基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A−1)又は式(A−9)で表される基であり、更に好ましくは式(A−1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2及びArX4で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A−1)、式(A−6)、式(A−7)、式(A−9)〜式(A−11)又は式(A−19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 2020136358
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4及びRX1〜RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位としては、好ましくは式(X−1)〜式(X−7)で表される構成単位であり、より好ましくは式(X−1)で表される構成単位である。
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
[式中、RX4及びRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性が優れるので、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1〜50モル%であり、より好ましくは1〜40モル%であり、更に好ましくは5〜30モル%である。
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1−1)〜式(X1−19)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
高分子ホストにおいて、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストとしては、例えば、表1に示す高分子化合物P−1〜P−6が挙げられる。ここで、「その他」の構成単位とは、式(Y)で表される構成単位、式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
Figure 2020136358
[表中、p、q、r、s及びtは、各構成単位のモル比率を示す。p+q+r+s+t=100であり、かつ、100≧p+q+r+s≧70である。]
高分子ホストは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、又はグラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
高分子ホストのポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは5×10〜1×10であり、より好ましくは1×10〜5×10であり、より好ましくは1.5×10〜2×10である。
高分子ホストは、ケミカルレビュー(Chem. Rev.),第109巻,897−1091頁(2009年)等に記載の公知の重合方法を用いて製造することができ、Suzuki反応、Yamamoto反応、Buchwald反応、Stille反応、Negishi反応及びKumada反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合させる方法が例示される。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、好ましくは高分子化合物であり、より好ましくは架橋基を有する高分子化合物である。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体;側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレン及びその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、及びトリニトロフルオレノン等が挙げられる。
本発明の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、式(1A)で表される化合物100質量部に対して、通常、1〜400質量部である。
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン及びジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、及び、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
本発明の組成物において、電子輸送材料の配合量は、式(1A)で表される化合物100質量部に対して、通常、1〜400質量部である。
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料及び電子注入材料]
正孔注入材料及び電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料及び電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン酸化物及びタングステン酸化物等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、及びフッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン及びポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
本発明の組成物において、正孔注入材料及び電子注入材料の配合量は、各々、本発明の金属錯体100質量部に対して、通常、1〜400質量部である。
正孔注入材料及び電子注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[イオンドープ]
正孔注入材料又は電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10―5S/cm〜1×10S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、及び樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、及びテトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[発光材料]
発光材料(式(1A)で表される化合物とは異なる。)は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレン及びその誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、並びに、イリジウム、白金又はユーロピウムを中心金属とする三重項発光錯体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、アントラセンジイル基、及びピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
発光材料は、好ましくは、三重項発光錯体及び高分子化合物を含む。
三重項発光錯体としては、例えば、以下に示す金属錯体が挙げられる。
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
Figure 2020136358
本発明の組成物において、発光材料の含有量は、式(1A)で表される化合物100質量部に対して、通常、0.1〜400質量部である。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、本発明の式(1A)で表される化合物と同じ溶媒に可溶であり、発光及び電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
本発明の組成物において、酸化防止剤の配合量は、式(1A)で表される化合物100質量部に対して、通常、0.001〜10質量部である。
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の式(1A)で表される化合物及び溶媒を含有する組成物(以下、「インク」と言う。)は、インクジェットプリント法又はノズルプリント法等の印刷法を用いた発光素子の作製に好適である。
インクの粘度は、印刷法の種類によって調整すればよいが、インクジェットプリント法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりが起こりづらいので、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
インクに含まれる溶媒は、好ましくは、インク中の固形分を溶解又は均一に分散できる溶媒である。溶媒としては、例えば、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、及びo−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;THF、ジオキサン、アニソール、及び4−メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、及びシクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、及びビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、及びアセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、及び酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、及び1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール及びシクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
インクにおいて、溶媒の配合量は、本発明の式(1A)で表される化合物100質量部に対して、通常、1000〜100000質量部である。
<発光素子>
本発明の発光素子は、式(1A)で表される化合物を含有する発光素子用材料を含有する発光素子である。
本発明の発光素子の構成としては、例えば、陽極及び陰極からなる電極と、この電極間に設けられた前記発光素子用材料を含有する層とを有する。
[層構成]
式(1A)で表される化合物を含有する層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、及び電子注入層から選択される1種以上の層であり、好ましくは、発光層である。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、及び電子注入材料を含む。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、及び電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させ、インクを調製して用い、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
発光素子は、陽極と陰極の間に発光層を有する。本発明の発光素子は、正孔注入性及び正孔輸送性の観点からは、陽極と発光層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも1層を有することが好ましく、電子注入性及び電子輸送性の観点からは、陰極と発光層の間に、電子注入層及び電子輸送層の少なくとも1層を有することが好ましい。例えば、図1に示すように、発光素子10は、陽極1と陰極2の間に、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、及び電子注入層7をこの順に積層した構造を有していてもよい。
正孔輸送層、電子輸送層、発光層、正孔注入層及び電子注入層の材料としては、本発明の金属錯体の他、各々、上述した正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、正孔注入材料及び電子注入材料等が挙げられる。
正孔輸送層の材料、電子輸送層の材料及び発光層の材料は、発光素子の作製において、各々、正孔輸送層、電子輸送層及び発光層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、前記溶媒に前記材料が溶解することを回避するために、前記材料が架橋基を有することが好ましい。架橋基を有する材料を用いて各層を形成した後、前記架橋基を架橋させることにより、前記層を不溶化させることができる。
本発明の発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、及び電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
積層する層の順番、数及び厚さは、外部量子効率及び輝度寿命を勘案して調整する。
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、又はシリコン等の材料からなる基板である。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、及びインジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、又は銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、及びインジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、及び錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイト及びグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、及びカルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
陽極及び陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
[用途]
本発明の発光素子は、ディスプレイ、照明等に用いることができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及びポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、移動相にテトラヒドロフランを用い、下記のサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)のいずれかにより求めた。なお、SECの各測定条件は、次のとおりである。
測定する高分子化合物を約0.05質量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、1.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(東ソー製、商品名:UV−8320GPC)を用いた。
LC−MSは、下記の方法で測定した。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はテトラヒドロフランに溶解させ、LC−MS(Agilent製、商品名:1290 Infinity LC及び6230 TOF LC/MS)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリル及びテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、SUMIPAX ODS Z−CLUE(住化分析センター製、内径:4.6mm、長さ:250mm、粒径3μm)を用いた。
NMRは、下記の方法で測定した。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重テトラヒドロフラン、重ジメチルスルホキシド、重アセトン、重N,N-ジメチルホルムアミド、重トルエン、重メタノール、重エタノール、重2−プロパノール又は重塩化メチレンに溶解させ、NMR装置(Agilent製、商品名:INOVA300、又は、JEOL RESONANCE製、商品名:JNM−ECZ400S/L1)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC−20A)でのUV=254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2質量%の濃度になるようにテトラヒドロフラン又はクロロホルムに溶解させ、濃度に応じてHPLCに1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリル/テトラヒドロフランの比率を100/0〜0/100(容積比)まで変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、SUMIPAX ODS Z−CLUE(住化分析センター製、内径:4.6mm、長さ:250mm、粒径3μm)又は同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD−M20A)を用いた。
(実施例1)
<合成例1> 化合物EM−01の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、4-メトキシフェノール(15.5g)、メタノール(311mL)を加え、室温(25℃であり、以下、同様である。)で30分撹拌した。その後、0℃に冷却し、ヨードベンゼンジアセタート(40.0g)を加え、0℃で3時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで昇温した後、水酸化カリウム水溶液及びジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで化合物EM−01(19.1g)を得た。化合物EM−01のHPLC面積百分率値は95.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.36(6H、s)、6.27(2H、d)、6.82(2H、d)
<合成例2> 化合物EM−02の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、1,4-ジブロモベンゼン(34.0g)、テトラヒドロフラン(386mL)を加え、−70℃に冷却した。その後、n−ブチルリチウム(1.6M ヘキサン溶液)(86mL)を30分以上かけて滴下した。その後、化合物EM−01(19.1g)を加え、−70℃で2時間撹拌した。その後、メタノールを滴下し、得られた反応液を室温まで昇温した後、酢酸及びアセトンを加え、室温で1時間撹拌した。その後、イオン交換水及び酢酸エチルを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで固体を得た。得られた固体をヘキサンで洗浄することで、化合物EM−02(23.0g)を得た。化合物EM−02のHPLC面積百分率値は93.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : 2.45(1H、s)、6.25(2H、d)、6.86(2H、d)、7.36(2H、d)、7.52(2H、d)
<合成例3> 化合物EM−03の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、1−ブロモ−4−クロロベンゼン(49.0g)、テトラヒドロフラン(600mL)を加え、−70℃に冷却した。その後、n−ブチルリチウム(1.6M ヘキサン溶液)(156mL)を1時間以上かけて滴下した。その後、化合物EM−02(20.0g)を加え、−70℃で2時間撹拌した。その後、メタノールを滴下し、得られた反応液を室温まで昇温した後、イオン交換水及び酢酸エチルを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで、化合物EM−03(24.0g)を得た。
LC-MS(ESI,positive) : m/z=376[M]+
<合成例4> 化合物EM−04の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、水素化ナトリウム(60質量%,流動パラフィンに分散)(6.4g)、テトラヒドロフラン(400mL)を加え、0℃に冷却した。その後、化合物EM−03(20.0g)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解させた溶液を滴下し、0℃で30分間撹拌した。その後、ヨウ化メチル(37.5g)を加え、45℃で14時間撹拌した。イオン交換水及び酢酸エチルを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで、固体を得た。得られた固体を、2−プロパノールを用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−04(11.4g)を得た。化合物EM−04のHPLC面積百分率値は99.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : 3.39(6H、s)、6.08(4H、s)、7.24-7.32(6H、m)、7.44(2H、d)
<合成例5> 化合物EM−06の合成
Figure 2020136358
化合物EM−05は、非特許文献1及び非特許文献2に記載の方法に準じて合成した。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−05(8.0g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(9.9g)、酢酸パラジウム(80mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(339mg)、酢酸カリウム(6.9g)及び1,2−ジメトキシエタン(120mL)を加え、80℃で4時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。その後、トルエン及びイオン交換水を加え、水層を分離した。有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層に無水硫酸マグネシウム及び活性炭を加えた後、ろ過し、濃縮することで、固体を得た。得られた固体を、トルエン及びアセトニトリルの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−06(6.9g)を得た。化合物EM−06のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.41(3H、s)、6.08(2H、s)、7.37(2H、d)、7.69(2H、d)
<合成例6> 化合物EM−07の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−04(8.1g)、化合物EM−06(5.4g)、トルエン(270mL)、メシル酸[(ジ(1−アダマンチル)−n−ブチルホスフィン)−2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(36mg)及び20質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(64g)を加え、90℃で3時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶媒)により精製し、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−07(6.7g)を得た。化合物EM−07のHPLC面積百分率値は97.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.42(9H、s)、6.05(2H、d)、6.13(4H、d)、7.28(2H、d)、7.36(2H、d)、7.43(2H、d)、7.49(2H、d)、7.56(4H、d)
<合成例7> 化合物EM−08の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−07(6.5g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.8g)、酢酸パラジウム(46mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(197mg)、酢酸カリウム(2.8g)及び1,2−ジメトキシエタン(195mL)を加え、80℃で5時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。その後、トルエン及びイオン交換水を加え、水層を分離した。有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層に無水硫酸マグネシウム及び活性炭を加えた後、ろ過し、濃縮することで、固体を得た。得られた固体を、トルエン及びアセトニトリルの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−08(6.5g)を得た。化合物EM−08のHPLC面積百分率値は99.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.45(9H、s)、6.11-6.15(6H、m)、7.41-7.49(6H、m)、7.55(4H、m)、7.70(2H、d)
<合成例8> 化合物EM−09の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、1、4-ジブロモベンゼン(29.8g)、テトラヒドロフラン(250mL)を加え、−70℃に冷却した。その後、n−ブチルリチウム(1.6M ヘキサン溶液)(77mL)を1時間以上かけて滴下した。その後、1、4-ナフトキノン(5.0g)を加え、−70℃で2時間撹拌した。その後、メタノールを滴下し、得られた反応液を室温まで昇温した後、イオン交換水及び酢酸エチルを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで、化合物EM−09(14.9g)を得た。
LC-MS(ESI,positive) : m/z=470[M]+
<合成例9> 化合物EM−10の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、水素化ナトリウム(60質量%,流動パラフィンに分散)(3.3g)、テトラヒドロフラン(264mL)を加え、0℃に冷却した。その後、化合物EM−09(13.2g)をテトラヒドロフラン(66mL)に溶解させた溶液を滴下し、0℃で30分間撹拌した。その後、ヨウ化メチル(19.8g)を加え、45℃で14時間撹拌した。イオン交換水及び酢酸エチルを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後、ろ過し、濃縮することで、固体を得た。得られた固体を、トルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−10(8.1g)を得た。化合物EM−10のHPLC面積百分率値は99.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.16(3H、s)、6.09(1H、s)、7.16(2H、d)、7.37(4H、m)
<合成例10> 化合物EM−11の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−08(500mg)、化合物EM−10(218mg)、トルエン(250mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(9.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(14.3mg)及び2質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(16.9g)を加え、90℃で3時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、トルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−11(350mg)を得た。化合物EM−11のHPLC面積百分率値は96.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.17(3H、s)、3.40(9H、s)、6.10(7H、m)、7.35-7.46(18H、m)
LC-MS(ESI,positive) : m/z=1210[M]+
<合成例11> 化合物EM−12の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、ナフタレン(1.6g)、金属ナトリウム(346mg)及びテトラヒドロフラン(29mL)を加え、0℃で6時間撹拌し、ナトリウムナフタレニド溶液を調製した。
続いて、反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−11(198mg)、及びテトラヒドロフラン(24mL)を加え、−70℃に冷却した。その後、先ほど調製したナトリウムナフタレニド溶液を加え、−70℃で2時間撹拌した。その後、ヨウ素を加え、得られた反応液を室温まで昇温した後、イオン交換水及びジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。更に、得られた固体を、メタノールで洗浄することにより、化合物EM−12の粗体を得た。
続いて、反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、得られた化合物EM−12の粗体、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(107mg)及びクロロベンゼン(20mL)を加え、70℃で5時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、イオン交換水及びジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)により精製し、更に、トルエン、2−プロパノール及びメタノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−12(36mg)を得た。化合物EM−12のHPLC面積百分率値は97.0%以上であった。
LC-MS(ESI,positive) : m/z=962[M]+
化合物EM−12の発光スペクトルの最大ピーク波長は、468nmであった。
(実施例2)
<合成例12> 化合物EM−13の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、前記化合物EM−08(500mg)、1,4−ジブロモナフタレン(123mg)、トルエン(250mL)、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム(9.5mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(14.3mg)及び2質量%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液(16.9g)を加え、90℃で3時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液をイオン交換水で洗浄した後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、トルエン及び2−プロパノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−13(210mg)を得た。化合物EM−13のHPLC面積百分率値は96.0%以上であった。
1H-NMR (CD2Cl2、400MHz) : δ(ppm) = 3.40-3.51(9H、m)、6.07-6.26(6H、m)、7.40-7.60(15H、m)
LC-MS(ESI,positive) : m/z=996[M]+
<合成例13> 化合物EM−14の合成
Figure 2020136358
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、ナフタレン(0.7g)、金属ナトリウム(149mg)及びテトラヒドロフラン(10mL)を加え、0℃で6時間撹拌し、ナトリウムナフタレニド溶液を調製した。
続いて、反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物EM−13(70mg)、及びテトラヒドロフラン(10mL)を加え、−70℃に冷却した。その後、先ほど調製したナトリウムナフタレニド溶液を加え、−70℃で2時間撹拌した。その後、ヨウ素を加え、得られた反応液を室温まで昇温した後、イオン交換水及びジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウム及び活性炭で乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。更に、得られた固体を、メタノールで洗浄することにより、化合物EM−14の粗体を得た。
続いて、反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、得られた化合物EM−14の粗体、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(46mg)及びクロロベンゼン(8mL)を加え、70℃で4時間撹拌した。その後、得られた反応液を室温まで冷却した後、イオン交換水及びジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、水層を分離し、有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)により精製し、更に、トルエン、2−プロパノール及びメタノールの混合溶媒を用いて晶析した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物EM−14(12mg)を得た。化合物EM−14のHPLC面積百分率値は96.0%以上であった。
LC-MS(ESI,positive) : m/z=810[M]+
化合物EM−14の発光スペクトルの最大ピーク波長は、474nmであった。
(実施例以外の発光材料)
<合成例14> 化合物EM−3の合成
化合物EM−3は、特開2009−290091号公報及び特開2011−176304号公報に記載の方法に準じて合成した。
Figure 2020136358
化合物EM−3の発光スペクトルの最大ピーク波長は、460nmであった。
(発光材料以外の材料)
<合成例15> 化合物HM−1〜HM−3の合成、入手
化合物HM−1は、AK Scientific社より購入した。
化合物HM−2は、国際公開第2011/137922号に記載の方法に準じて合成した。
化合物HM−3は、特開2011−100942号公報及び国際公開第2011/137922号に記載の方法に準じて合成した。
Figure 2020136358
化合物HM−1の発光スペクトルの最大ピーク波長は、425nmであった。
化合物HM−2の発光スペクトルの最大ピーク波長は、430nmであった。
化合物HM−3の発光スペクトルの最大ピーク波長は、430nmであった。
<合成例16> 化合物6〜8の合成及び入手
化合物6は、市販品を用いた。
化合物7は、国際公開第2009/131255号に記載の方法に従って合成した。
化合物8は、国際公開第2016/031639号に記載の方法に従って合成した。
Figure 2020136358
<合成例17> 高分子化合物1の合成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物8(0.096g)、化合物6(0.916g)、化合物7(1.119g)、ジクロロビス(フェニルホスフィン)パラジウム(1.5mg)及びトルエン(47mL)を加え、105℃に加熱した。
その後、そこへ、10質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(18mL)を滴下し、4時間還流させた。その後、そこへ、フェニルボロン酸(48.8mg)及びジクロロビス(トリス−o−メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(0.9mg)を加え、6時間還流させた。得られた反応混合物を冷却した後、水で2回、10質量%塩酸水溶液で2回、3質量%アンモニア水で2回、水で2回洗浄した。得られた溶液をメタノールに滴下し、攪拌したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番に通液することにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物1を1.1g得た。高分子化合物1のMnは5.0×10であり、Mwは1.1×10であった。
高分子化合物1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物6から誘導される構成単位と、化合物7から誘導される構成単位と、化合物8から誘導される構成単位とが、45:50:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<実施例D1> 発光素子D1の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。陽極上に、正孔注入材料であるND−3202(日産化学工業製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で240℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物HTL−1を0.6質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上に、スピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で200℃、30分間加熱することにより正孔輸送層を形成した。なお、高分子化合物HTL−1は、国際公報第2014/102543号のポリマー実施例1の高分子化合物である。
(発光層の形成)
トルエンに、化合物HM−1及び化合物EM−12(化合物HM−1:化合物EM−12=95質量%:5質量%)を1.5質量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、正孔輸送層の上に、スピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で130℃、10分間加熱することにより発光層を形成した。
(陰極の形成)
発光層を形成した基板を蒸着機内において、1×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上に、フッ化ナトリウムを約7nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上に、アルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D1に電圧を印加することにより、100cd/mにおいて、465nmに発光スペクトルの最大ピーク波長を有するEL発光が観測された。この時のCIE1931色度座標は、(0.15,0.19)であった。初期電流密度が20mA/cmとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を有機EL輝度評価システム(EHC社製、PEL―100T)を用いて測定した。輝度が初期輝度の70%となるまでの時間は、118時間であった。初期輝度とは、初期電流密度が20mA/cmとなるように電流値を設定後、発光素子の定電流駆動を開始した時の輝度である。また本明細書において、発光素子の定電流駆動開始から輝度が初期輝度の70%となるまでの時間を、輝度寿命と定義する。
<実施例D2〜D3> 発光素子D2〜D3の作製と評価
実施例D1の(発光層の形成)における、「化合物HM−1及び化合物EM−12」に代えて、表2に記載の材料を用いた以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D2〜D3を作製した。
<比較例CD1〜CD3> 発光素子CD1〜CD3の作製と評価
実施例D1の(発光層の形成)における、「化合物HM−1及び化合物EM−12」に代えて、表2に記載の材料を用いた以外は、実施例D1と同様にして、発光素子CD1〜CD3を作製した。
Figure 2020136358
<実施例D4> 発光素子D4の作製と評価
陽極、正孔注入層、及び正孔輸送層は、実施例D1同様に形成した。
(発光層の形成)
キシレンに、高分子化合物1及び化合物EM−12(高分子化合物1:化合物EM−12=95質量%:5質量%)を1.2質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上に、スピンコート法により60nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で130℃、10分間加熱することにより発光層を形成した。
(陰極の形成)
発光層を形成した基板を蒸着機内において、1×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上に、フッ化ナトリウムを約7nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上に、アルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D4を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D4に電圧を印加することにより、100cd/mにおいて、445nmに発光スペクトルの最大ピーク波長を有するEL発光が観測された。この時のCIE1931色度座標は、(0.15,0.09)であった。初期電流密度が20mA/cmとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度の時間変化を測定した。輝度が初期輝度の70%となるまでの時間は、7時間であった。
<実施例D5> 発光素子D5の作製と評価
実施例D4の(発光層の形成)における、「化合物EM−12」に代えて、表3に記載の材料を用いた以外は、実施例D4と同様にして、発光素子D5を作製した。
<比較例CD4> 発光素子CD4の作製と評価
実施例D4の(発光層の形成)における、「化合物EM−12」に代えて、表3に記載の材料を用いた以外は、実施例D4と同様にして、発光素子CD4を作製した。
Figure 2020136358
1…陽極、2…陰極、3…正孔注入層、4…正孔輸送層、5…発光層、6…電子輸送層、7…電子注入層、10…発光素子。

Claims (8)

  1. 式(1A)で表される化合物を含有する発光素子用材料。
    Figure 2020136358
    [式(1A)中、mは、6以上20以下の整数を表す。
    Arは、単環若しくは縮合環のアリーレン基又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、Arの少なくとも一つは、縮合環のアリーレン基又は単環若しくは縮合環の2価の複素環基を表す。複数存在するArは、同一でも異なっていてもよい。]
  2. Arの少なくとも一つが縮合環のアリーレン基(このアリーレン基は置換基を有していてもよい)である、請求項1に記載の発光素子用材料。
  3. Arが、単環又は縮合環のアリーレン基(このアリーレン基は置換基を有していてもよい)である、請求項1又は2に記載の発光素子用材料。
  4. 前記式(1A)で表される化合物が、式(1A−A1)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光素子用材料。
    Figure 2020136358
    [式(1A−A1)中、Arは、縮合環のアリーレン基を表し、前記基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    nは、5以上19以下の整数を表す。]
  5. 前記縮合環のアリーレン基が、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基又はピレンジイル基(これらの基は置換基を有していてもよい)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光素子用材料。
  6. 式(FH−1)で表される化合物及び式(Y)で表される構成単位を含む高分子化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に発光素子用材料。
    Figure 2020136358
    [式(FH−1)中、ArH1及びArH2は、それぞれ独立に、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    H1は、0以上15以下の整数を表す。
    H1は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、−[C(RH11]−で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。RH11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。複数存在するRH11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
    Figure 2020136358
    [式(Y)中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
  7. 正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、請求項1〜6のいずれか一項に発光素子用材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光素子用材料を含有する発光素子。
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