JP6372204B2 - 金属錯体およびそれを用いた発光素子 - Google Patents
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n1は、1、2または3を表す。
A1−G1−A2は、アニオン性の2座配位子を表す。A1およびA2は、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。G1は、単結合、または、A1およびA2とともに2座配位子を構成する原子団を表す。A1−G1−A2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
m1およびm2は、それぞれ独立に、0または1を表す。
R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R1、R2、R3、R4、R5およびR6が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R1とR2とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R3とR4とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R4とR5とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar1およびAr2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar3、Ar4、Ar5およびAr6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar3、Ar4、Ar5およびAr6が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Ar7、Ar8およびAr9は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar7、Ar8およびAr9が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
以下、本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-n-プロピルヘプチル基、n-デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-n-ヘキシルデシル基、n-ドデシル基等の非置換アルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-n-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基等の置換アルキル基が挙げられる。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基
、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基が挙げられる。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基およびジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
アルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
アルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含
む。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(A-21)〜式(A-54)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
mDA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
GDA1は、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
TDA2およびTDA3は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
mDA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
GDA1、GDA2およびGDA3は、それぞれ独立に、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
TDA4、TDA5、TDA6およびTDA7は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
*1、*2および*3は、各々、ArDA1、ArDA2およびArDA3との結合を表す。
RDAは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
*2、*4および*5は、各々、ArDA2、ArDA4およびArDA5との結合を表す。
RDAは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
*3、*6および*7は、各々、ArDA3、ArDA6およびArDA7との結合を表す。
RDAは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
RDAは前記と同じ意味を表す。
RDBは、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Rp1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
Rp1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。np1およびnp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
次に、本発明の金属錯体について説明する。本発明の金属錯体は、式(1)で表される。
*は、イリジウム原子と結合する部位を表す。
RL1は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRL1は、同一でも異なっていてもよい。
RL2は、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Ar1およびAr2は、前記と同じ意味を表す。
L3は、アルキル基、ハロゲン原子、アリール基、2位および4位にアリール基を置換基として有する1,3,5−トリアジニル基、または、デンドロンから選ばれる基である。L3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Z1は、下記式(1Z1)で表される基を表す。Z1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar1およびAr2は、下記群Iの式(I−01)〜式(I−14)から選ばれる基であることが好ましい。
L3は、下記群IIの式(II−01)〜式(II−21)から選ばれる基であることが好ましい。
Z1は、下記群IIIの式(III−01)〜式(III−17)から選ばれる基であることが好ましい。
本発明の金属錯体は、如何なる方法で製造してもよいが、例えば、配位子となる化合物と金属化合物とを反応させる方法により製造することができる。また、必要に応じて、金属錯体の配位子部分を修飾する反応を行ってもよい。
パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が挙げられる。
触媒は、カップリング反応時に触媒の配位子として作用するリン化合物等と併用してもよく、具体的には、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等のリン化合物が挙げられる。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、Ar8、Ar9、A1、A2、G1、m1、m2およびn1は、前記と同じ意味を表す。
W1は、−B(ORW1)2で表される基(RW1は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRW1は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)を表し、W2は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。]
本発明の組成物は、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料(本発明の金属錯体とは異なる。)、酸化防止剤および溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料と、本発明の金属錯体とを含有する。
本発明の金属錯体は、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性および電子輸送性から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料との組成物とすることにより、本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子の駆動初期の輝度寿命はより優れたものとなる。本発明の組成物において、ホスト材料は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
ホスト化合物として好ましい高分子化合物(以下、「高分子ホスト」ともいう。)に関して説明する。
りわけ好ましくは式(A-24)、式(A-30)、式(A-32)、式(A-34)または式(A-53)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
]
次に、高分子ホストの製造方法について説明する。
例えば、ZC1、ZC2、ZC5およびZC6が置換基B群から選ばれる基である場合、ZC3およびZC4は、置換基A群から選ばれる基を選択する。
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)2RC1で表される基。
(式中、RC1は、アルキル基またはアリール基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。)
<置換基B群>
−B(ORC2)2(式中、RC2は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;
−BF3Q'(式中、Q'は、Li、Na、K、RbまたはCsを示す。)で表される基;
−MgY'(式中、Y'は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で表される基;
−ZnY''(式中、Y''は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で表される基;、および、
−Sn(RC3)3(式中、RC3は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC3は同一でも異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
オクタジエン)ニッケル(0)等のニッケル錯体等の遷移金属錯体;これらの遷移金属錯体が、更にトリフェニルホスフィン、トリ(o-トリル)ホスフィン、 トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、ビピリジル等の配位子を有する錯体が挙げられる。触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
)は、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の印刷法を用いた発光素子の作製に好適である。
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、高分子化合物が好ましく、架橋基を有する高分子化合物がより好ましい。
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料および電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
正孔注入材料または電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
発光材料(本発明の金属錯体とは異なる。)は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
酸化防止剤は、本発明の金属錯体と同じ溶媒に可溶であり、発光および電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
膜は、本発明の金属錯体を含有する。
本発明の発光素子は、本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子であり、本発明の金属錯体が分子内または分子間で架橋されたものであってもよく、本発明の金属錯体が分子内および分子間で架橋されたものであってもよい。
本発明の発光素子の構成としては、例えば、陽極および陰極からなる電極と、該電極間に設けられた本発明の金属錯体を用いて得られる層とを有する。
本発明の金属錯体を用いて得られる層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層の1種以上の層であり、好ましくは、発光層である。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を含む。
これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させ、インクを調製して用い、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板の場合には、基板から最も遠くにある電極が透明または半透明であることが好ましい。
陽極および陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極もしくは陰極、または、両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源および表示装置としても使用できる。
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。SECの移動相としてテトラヒドロフランを用い、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10Avp)を用いた。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはテトラヒドロフランに溶解させ、LC−MS(アジレント テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン約4mgを、400μLのテトラヒドロフランに溶解させて、マトリックス溶液を調製した。測定試料約0.1mgを、200μLのテトラヒドロフランに溶解させて、試料溶液を調製した。マトリックス溶液50μLと試料溶液10μLとを混合し、これをMALDIプレートに塗布して、MALDI−TOFMSの測定を行った。測定は、MALDI−TOFMS装置:REFLEX III(Bruker社製)を用いて、測定モード:リフレクトロンモード、加速電圧:27.5kV、レーザー:N2(337nm)で行った。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重テトラヒドロフラン(THF−d8)または重塩化メチレン(CD2Cl2)に溶解させ、NMR装置(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名 MERCURY 300)を用いて測定した。
遮光した反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、金属錯体MC1(38g、22.6mmol)、N−ブロモスクシンイミド(12.1g、68mmol)およびクロロホルム(1800mL)を加え、室温で24時間攪拌した。得られた反応混合物を、シリカゲルを敷いたろ過器に通液することにより、固形分を取り除いた。得られたろ液を減圧濃縮することにより溶媒を留去し固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘキサン=1/3)により精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを濃縮し、再結晶(ジクロロメタンおよびヘキサンの混合溶媒)を3回行うことにより精製し、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である金属錯体MC2(22.1g)を赤色固体として得た。収率は51%であった。得られた金属錯体MC2のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.4%を示した。
1H−NMR(300MHz/CD2Cl2):δ(ppm=)9.31(d,3H),9.26(dd,3H),8.38(d,12H),8.22(d,3H),7.96(d,3H),7.43(d,12H),7.00(dd,3H),6.82(d,3H),1.23(s,54H).
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミン(98.5g、350mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.21g、3.5mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィンテトラフルオロボレート塩(4.06g、14mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド(67.3g、700mmol)およびトルエン(665mL)を加え、攪拌しながら80℃に加熱した。その後、そこへ、トルエン(55ml)に溶解させたブロモベンゼン(57.1g、366mmol)を滴下し、85℃で4時間攪拌した。得られた反応混合物を、トルエン(680ml)で希釈した後、熱時ろ過することにより固体を除去した。得られたろ液に、活性白土(35g)および活性アルミナ(35g)を加え、90℃で1.5時間攪拌した後、熱時ろ過することにより固体を除去した。得られたろ液を減圧濃縮することにより溶媒を除去し、固体を得た。得られた固体を、再結晶(ヘキサンおよびエタノールの混合溶媒)を2回行うことにより精製し、50℃で一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である化合物S1a(99g)を固体として得た。収率は79%であった。得られた化合物S1aのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.9%以上を示した。
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物S1a(71.5g、200mmol)、N−ヨードスクシンイミド(49.5g、220mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(800mL)を加え、攪拌しながら30℃に加熱した。その後、そこへ、トリフルオロ酢酸(11.4g、100mmol)を滴下し、50℃で4時間攪拌した。その後、氷浴を用いて冷却し、イオン交換水(800mL)および10%塩化ナトリウム水溶液(200mL)を滴下したところ、固体が得られた。得られた固体をトルエン(1L)に溶解させた後、イオン交換水(800mL)を用いて2回洗浄し、有機層を得た。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮することにより溶媒を留去し、固体を得た。得られた固体を50℃で一晩減圧乾燥した後、再結晶(クロロホルムおよびメタノールの混合溶媒)を行うことにより精製し、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である化合物S1b(84g)を固体として得た。収率は87%であった。得られた化合物S1bのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.4%を示した。
遮光した反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物S1b(7.5g、15mmol)およびテトラヒドロフラン(80mL)を加えた。その後、そこへ、テトラヒドロフランに溶解させたイソプロピルマグネシウムクロリド(2mol/L、15mL)を滴下し、室温で1時間撹拌した。その後、氷浴を用いて冷却し、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(6.4mL)を加え、5分間撹拌した。その後、氷浴を取り除き、室温までゆっくりと昇温しながら3時間撹拌した。
その後、氷浴を用いて再び冷却した後、酢酸エチル(90mL)およびトルエン(30mL)の混合溶媒を用いて抽出し、得られた有機層を15重量%の食塩水(50mL)で2回洗浄し、有機層を得た。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮することにより溶媒を留去し、固体を得た。得られた固体を、再結晶(クロロホルムおよびメタノールの混合溶媒)を2回行うことにより精製し、50℃で一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である化合物S1c(5.5g)を白色固体として得た。収率は74%であった。得られた化合物S1cのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.5%以上を示した。
遮光した反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、金属錯体MC2(5.0g、2.6mmol)、化合物S1c(4.4g、9.1mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(360mg、0.31mmol)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(20mL)およびテトラヒドロフラン(210ml)を加え、加熱還流下で24時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、トルエン(400mL)およびイオン交換水(400mL)を加え、抽出し、有機層を得た。得られた有機層を、イオン交換水で2回、5重量%食塩水で1回洗浄し、有機層を得た。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮することにより溶媒を留去し、固体を得た。得られた固体を、再結晶(トルエンおよびイソプロパノールの混合溶媒)を行うことにより精製し、50℃で一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である金属錯体(Ir−101)(3.9g)を赤色固体として得た。収率は55%であった。得られた金属錯体(Ir−101)のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.5%以上を示した。
LC/MS(APCI positive):m/z=2751[M+H]+
金属錯体MC3および金属錯体MC4は、特開2011−105701号公報に記載の方法に従って合成した。
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、金属錯体MC4(381mg、0.20mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(157mg、0.62mmol)、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(PdCl2(dppf)・CH2Cl2、20mg、0.024mmol)、酢酸カリウム(118mg、1.2mmol)およびテトラヒドロフラン(13mL)を加え、加熱還流下で11時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、トルエン(10mL)を加えてから減圧濃縮することにより溶媒を留去し、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン)により精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを濃縮し、得られた固体をメタノールで洗浄した後、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である金属錯体MC5(187mg)を赤色固体として得た。収率は47%であった。得られた金属錯体MC5のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.9%以上を示した。
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、金属錯体MC5(140mg、0.070mol)、4−ブロモトリフェニルアミン(51mg、0.154mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5.6mg、0.004mmol)、テトラヒドロフラン(9mL)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(258mg、0.343mmol)を加え、加熱還流下で8時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、トルエン(10mL)を加えてから減圧濃縮することにより溶媒を留去し、固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン)により精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを濃縮し、得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)により再度精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを濃縮し、得られた固体をメタノールで洗浄した後、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことで、目的物である金属錯体(Ir−114)(130mg)を赤色固体として得た。収率は84%であった。得られた金属錯体(Ir−114)のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.0%以上を示した。
1H−NMR(600MHz,THF−d8):δ(ppm)=9.49(s,1H),9.33(s,1H),9.26(d,1H),9.23(m,1H),9.03(d,1H),8.70(s,1H),8.60(d,1H),8.56(d,1H),8.43(d,4H),8.39(d,4H),8.22(s,1H),8.19(s,1H),8.08(m,1H),8.07(d,1H),7.85(s,2H),7.73(m,3H),7.69(d,1H),7.66(d,4H),7.60(d,2H),7.58(d,2H),7.51(m,8H),7.47(d,4H),7.32(d,1H),7.24(m,10H),7.15(m,3H),7.09(m,12H),6.98(m,4H),1.42(s,18H),1.36(s,18H),1.27(s,18H).
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、国際公開第2011/013723号に記載の方法に従って合成した単量体CM1(185g)、国際公開第2002/045184号に記載の方法に従って合成した単量体CM2(35.9g)、特開2008−106241号公報に記載の方法に従って合成した単量体CM3(20.1g)、特開2003−226744号公報に記載の方法に従って合成した単量体CM4(104g)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(177mg)およびトルエン(4.3kg)を加え、100℃に加熱した。
高分子化合物H1は、単量体CM2と、国際公開第2012/086671に記載の方法に従って合成した単量体CM5と、特開2004−143419号公報に記載の方法に従って合成した単量体CM6とを用いて、特開2012−216815号公報に記載の方法に従って合成した。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、4−ブロモ−n−オクチルベンゼン(250g)およびテトラヒドロフラン(脱水品、2.5L)を加え、−70℃以下に冷却した。その後、そこへ、2.5mol/L濃度のn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(355mL)を滴下し、−70℃以下にて3時間攪拌した。その後、そこへ、テトラヒドロフラン(脱水品、400mL)に化合物CM7a(148g)を溶解させた溶液を滴下した後、室温まで昇温し、室温にて一晩攪拌した。得られた反応混合物を0℃に冷却した後、水(150mL)を加えて攪拌した。得られた反応混合物を減圧濃縮し、有機溶媒を除去した。得られた反応混合物に、ヘキサン(1L)および水(200mL)を加え、分液操作によって水層を除去した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて乾燥した。得られた混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することで、化合物CM7b(330g)を黄色油状物として得た。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物CM7b(330g)およびジクロロメタン(900mL)を加え、5℃以下に冷却した。その後、そこへ、2.0mol/L濃度の三フッ素化ホウ素ジエチルエーテル錯体(245mL)を滴下した。その後、室温まで昇温し、室温にて一晩攪拌した。得られた反応混合物を、氷水(2L)の入った容器に加え、30分間攪拌した後、水層を除去した。得られた有機層を、10重量%濃度のリン酸カリウム水溶液(1L)で1回、水(1L)で2回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた混合物をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することで油状物を得た。得られた油状物をトルエン(200mL)に溶解させた後、シリカゲルを敷いたろ過器に通液することでトルエン溶液1を得た。トルエン溶液1を得た後、シリカゲルを敷いたろ過器に更にトルエン(約3L)を通液することでトルエン溶液2を得た。トルエン溶液1とトルエン溶液2を合一した後、減圧濃縮することで油状物を得た。得られた油状物にメタノール(500mL)を加え、攪拌した。得られた反応混合物をろ過することで固体を得た。得られた固体に、酢酸ブチルおよびメタノールの混合溶媒を加え、再結晶を繰り返すことにより、単量体CM7c(151g)を白色固体として得た。得られた単量体CM7cのHPLC面積百分率値(検出波長UV280nm)は99.0%以上を示した。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、単量体CM7c(100g)およびテトラヒドロフラン(脱水品、1000mL)を加え、−70℃以下に冷却した。その後、そこへ、2.5mol/L濃度のn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(126mL)を滴下し、−70℃以下にて5時間攪拌した。その後、そこへ、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(81mL)を滴下した。その後、室温まで昇温し、室温にて一晩攪拌した。得られた反応混合物を−30℃に冷却し、2.0mol/Lの塩酸−ジエチルエーテル溶液(143mL)を滴下した。その後、室温まで昇温し、減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体にトルエン(1.2L)を加え、室温にて1時間攪拌した後、シリカゲルを敷いたろ過器に通液することによりろ液を得た。得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体にメタノールを加えて攪拌した後、ろ過することにより固体を得た。得られた固体に対して、イソプロピルアルコールを用いた再結晶を繰り返すことにより精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、単量体CM7(72g)を白色固体として得た。得られた単量体CM7のHPLC面積百分率値(検出波長UV280nm)は99.0%以上を示した。
(陽極および正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により65nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
キシレンに高分子化合物IP1を0.70重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
キシレンに、高分子化合物H1および金属錯体MC1(高分子化合物H1/金属錯体MC1=92.5重量%/7.5重量%)を1.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により90nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、150℃、10分間加熱させることにより発光層とした形成した。
発光層の形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子CE1を作製した。
発光素子CE1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における発光スペクトルピーク最大波長600nmであり、CIE色度座標(x、y)は(0.615、0.380)であった。また、初期輝度が3000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、発光輝度が初期輝度の95%となるときのまでの所要時間を測定したところ、16.2時間であった。この初期輝度の95%となるまでに要した時間を駆動初期の輝度寿命(以下、LT95と表す。)とし、これらの結果を下記表2に示す。
比較例CE1における、高分子化合物H1および金属錯体MC1に代えて、高分子化合物H1および金属錯体MC3を用いた以外は比較例CE1と同様にして、発光素子CE2を作製した。
発光素子CE2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における発光スペクトル最大ピーク波長615nmであり、CIE色度座標(x、y)は(0.642、0.353)であった。また、初期輝度が3000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させた際のLT95は28.4時間であった。これらの結果を下記表2に示す。
比較例CE1における、高分子化合物H1および金属錯体MC1に代えて、高分子化合物H1および金属錯体(Ir−101)を用いた以外は比較例CE1と同様にして、発光素子E1を作製した。
発光素子E1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における発光スペクトル最大ピーク波長625nmであり、CIE色度座標(x、y)は(0.655、0.333)であった。また、初期輝度が3000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させた際のLT95は55.0時間であった。これらの結果を下記表2に示す。
比較例CE1における、高分子化合物H1および金属錯体MC1に代えて、高分子化合物H1および金属錯体(Ir−114)を用いた以外は比較例CE1と同様にして、発光素子E2を作製した。
発光素子E2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における発光スペクトル最大ピーク波長620nmであり、CIE色度座標(x、y)は(0.654、0.338)であった。また、初期輝度が3000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させた際のLT95は47.4時間であった。これらの結果を下記表2に示す。
比較例CE1における、高分子化合物H1および金属錯体MC1に代えて、高分子化合物H2および金属錯体MC1を用いた以外は比較例CE1と同様にして、発光素子CE3を作製した。
発光素子CE3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における発光スペクトル最大ピーク波長600nmであり、CIE色度座標(x、y)は(0.616、0.381)であった。また、初期輝度が3000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させた際のLT95は11.0時間であった。これらの結果を下記表2に示す。
比較例CE1における、高分子化合物H1および金属錯体MC1に代えて、高分子化合物H2および金属錯体MC3を用いた以外は比較例CE1と同様にして、発光素子CE4を作製した。
発光素子CE4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における発光スペクトル最大ピーク波長615nmであり、CIE色度座標(x、y)は(0.646、0.351)であった。また、初期輝度が3000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させた際のLT95は14.5時間であった。これらの結果を下記表2に示す。
比較例CE1における、高分子化合物H1および金属錯体MC1に代えて、高分子化合物H2および金属錯体(Ir−101)を用いた以外は比較例CE1と同様にして、発光素子E3を作製した。
発光素子E3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における発光スペクトル最大ピーク波長620nmであり、CIE色度座標(x、y)は(0.658、0.337)であった。また、初期輝度が3000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させた際のLT95は21.1時間であった。これらの結果を下記表2に示す。
比較例CE1における、高分子化合物H1および金属錯体MC1に代えて、高分子化合物H2および金属錯体(Ir−114)を用いた以外は比較例CE1と同様にして、発光素子E4を作製した。
発光素子E4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2における発光スペクトル最大ピーク波長620nmであり、CIE色度座標(x、y)は(0.657、0.340)であった。また、初期輝度が3000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させた際のLT95は18.7時間であった。これらの結果を下記表2に示す。
Claims (8)
- 下記式(1)で表される金属錯体。
n1は、1、2または3を表す。
A1−G1−A2は、アニオン性の2座配位子を表す。A1およびA2は、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。G1は、単結合、または、A1およびA2とともに2座配位子を構成する原子団を表す。A1−G1−A2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
m1およびm2は、それぞれ独立に、0または1を表す。
R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R1、R2、R3、R4、R5およびR6が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R1とR2とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R3とR4とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R4とR5とが結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、フェニル基を表し、当該基は置換基を有していてもよい。Ar1およびAr2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar 3 およびAr 4 は、それぞれ独立に、フェニル基を表し、当該基は置換基を有していてもよい。Ar 3 およびAr 4 が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Ar5およびAr6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar5およびAr6が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Ar7、Ar8およびAr9は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar7、Ar8およびAr9が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。] - 前記R1、R2、R3、R4、R5およびR6が、水素原子である、請求項1または2に記載の金属錯体。
- 前記m1が、0または1であり、前記m2が、0である、請求項3に記載の金属錯体。
- 前記n1が、3である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属錯体。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属錯体と、
正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する組成物。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属錯体を用いて得られる発光素子。
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